JPH05340858A - 腐食環境センサー及び腐食環境制御装置 - Google Patents

腐食環境センサー及び腐食環境制御装置

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JPH05340858A
JPH05340858A JP4150892A JP15089292A JPH05340858A JP H05340858 A JPH05340858 A JP H05340858A JP 4150892 A JP4150892 A JP 4150892A JP 15089292 A JP15089292 A JP 15089292A JP H05340858 A JPH05340858 A JP H05340858A
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radius
corrosive environment
wedge
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眞琴 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亀裂が進展しても応力拡大係数をほぼ一定に
保つことができること。 【構成】 亀裂進展部の亀裂長さaが亀裂進展開始端A
から途中位置である最小幅W2側まで進展すると、亀裂
進展部において亀裂進展開始端Aから途中位置までは亀
裂進展部の断面積が漸減しているので、応力拡大係数Δ
Kが次第に増加し、しかも亀裂進展部において今度は断
面積が漸増するので、応力拡大係数ΔKがよりいっそう
増加し過ぎるのを防ぐことができる。このため、亀裂進
展部における亀裂長さが進展した場合、応力拡大係数Δ
Kに若干の変動が生じるものの、応力拡大係数ΔKを亀
裂長さに関係なく一定にさせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食割れ等の亀裂進展
速度を測定する腐食環境センサーと、該腐食環境センサ
ーを用いることによって腐食環境状態を判定する腐食環
境測定装置に係り、特に変位一定の荷重を腐食環境セン
サーに負荷させ、該腐食環境センサーの亀裂の進展状態
を直流ポテンシャル法により測定して亀裂長さの時間変
化から亀裂進展速度を自動的に計算し、亀裂進展速度か
ら腐食環境の内容を判定するのに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】腐食環境中での亀裂進展速度を計測する
ため、ダブルカンチレバー形試験片に一定変位を負荷し
て直流ポテンシャル法により前記試験片の亀裂進展長さ
を測定することが原子力発電所で試験的に開発されてい
る。このようなダブルカンチレバー(以下、DCBセン
サー)は、図37乃至図39に示す如き形状をなしてい
る。即ち、それらの図に示すDCBセンサー1は、互い
に対向する長尺形状のビーム1a,1b間に亀裂進展部
1cが形成されている。該亀裂進展部1cはビーム1
a,1b間において途中位置から右側の末端までの長さ
に亘り配置され、適宜の幅をもって真直に延びると共
に、末端側においては夫々のビーム1a,1bと同じ幅
となるように拡開され、しかも先端部には放電加工によ
り若干の長さで予亀裂50が形成されている。また、夫
々のビーム1a,1bの他端側には、これに一定変位を
負荷するウェッジ(図示せず)を挿入するため、ウェッ
ジ挿入部1dが形成されている。該ウェッジ挿入部1d
は、ビーム1a,1bの他端部の互いに対向する位置に
内方に突設されている。このDCBセンサー1は、原子
力発電所において沸騰水型原子炉の圧力容器内の循環水
が通る位置に設置され、ビーム1a,1bのウェッジ挿
入部1d間にウェッジを挿入して一定の変位が付与され
ることにより、亀裂進展部の亀裂の変化を判定する。
尚、従来技術に関連するものとして、特開昭62−17
7440号公報,特開平2−259555号公報等があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記に示す
従来技術のDCBセンサーは、亀裂の応力拡大係数の分
布が一定と称しているものの、7インチと云う長い試験
片であり、亀裂が1インチ伸びると応力拡大係数が初期
の60%まで低下するので、ほぼ一定の応力拡大係数の
分布のもとで亀裂進展速度を正確に測定することができ
ない問題がある。本発明の目的は、上記事情に鑑み、亀
裂が進展しても応力拡大係数をほぼ一定に保つことがで
き、亀裂進展速度を正確に測定することが可能な腐食環
境センサーを提供することにあり、他の目的は、上記腐
食環境センサーを使用して腐食環境を自動的にかつ高精
度に算出することができる腐食環境制御装置を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の腐食環境センサ
ーにおいては、亀裂進展部の幅を、亀裂進展開始端から
亀裂進展終了端の途中位置まで至るに従い第一の曲率半
径をもって次第に狭め、かつ途中位置から亀裂進展終了
端に至るに従い前記第一の曲率半径より小さい第二の曲
率半径をもって次第に拡開する形状に形成している。ま
た本発明の腐食環境制御装置においては、上記腐食環境
センサーと、該腐食環境センサーに対し直流電流を、極
性を切換えて給電する給電系と、腐食環境センサーにお
ける複数の所定位置間相互の電位差を測定する測定計
と、直流ポテンシャル法により水質を判定する制御部と
からなり、かつ該制御部は、測定計によって測定された
電位差に応じ電位差比を求めると共に、その電位差比に
基づき、該電位差比と亀裂長さ長さと亀裂進展速度と腐
食電位との関係から亀裂進展速度及び腐食電位を求め、
求めた腐食電位と亀裂進展速度とに基づいて水質の良否
を判定する。
【0005】
【作用】本発明では、亀裂進展部の亀裂長さが亀裂進展
開始端から途中位置である最小幅側まで進展すると、亀
裂進展部の幅が上述の如く、亀裂進展開始端から亀裂進
展終了端の途中位置に至るまで次第に狭めた形状をな
し、亀裂進展部において亀裂進展開始端から途中位置ま
では亀裂進展部の断面積が漸減しているので、応力拡大
係数が次第に増加し、しかも亀裂進展部の幅が上述如
く、途中位置から亀裂進展終了端側に至るに従い拡開さ
れた形状をなし、亀裂進展部において今度は断面積が漸
増するので、応力拡大係数がよりいっそう増加し過ぎる
のを防ぐことができる。このため、亀裂進展部における
亀裂長さが進展した場合、応力拡大係数に若干の変動が
生じるものの、応力拡大係数を亀裂長さに関係なく一定
にさせることができる。即ち、亀裂長さの進展に拘るこ
となく応力拡大係数をほぼ一定に保つことができる。ま
た本発明装置では、上述の如く腐食環境センサーが亀裂
長さの進展に拘ることなく応力拡大係数をほぼ一定に保
つことができ、しかも制御部が、測定計によって測定さ
れた電位差に応じ電位差比を求めると共に、その電位差
比に基づき、該電位差比と亀裂長さ長さと亀裂進展速度
と腐食電位との関係から亀裂進展速度及び腐食電位を求
め、求めた腐食電位と亀裂進展速度とに基づいて水質の
良否を判定するので、亀裂進展速度応力拡大係数との両
方から腐食環境を精度良く判定することができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図36によ
り説明する。図1乃至図8は本発明による腐食環境セン
サーの第一の実施例を示している。この腐食環境センサ
ーは、いわゆるダブルカンチレバー型のものであって、
図1,図2に示すように、互いに対向するビーム1a,
1b間に、該ビームの途中位置から末端に亘る亀裂進展
部1cがビームの長さ方向に沿って形成されると共に、
亀裂進展部1cの先端部に亀裂進展部における亀裂を促
進させるため放電加工によって予亀裂50が形成されて
いる。また腐食環境センサーの各ビーム1a,1bの先
端部には互いに対向する位置にウェッジ挿入部1dが突
設されている。そして、ウェッジ挿入部1dに図示しな
いウェッジを挿入して双方のビーム1a,1b間に一定
の変位を付与し、この状態のままで腐食環境中に設置
し、そのとき亀裂進展部に生じる亀裂進展速度を直流ポ
テンシャル法によって測定すると、腐食環境が悪い場合
には亀裂進展速度が速く、逆に腐食環境が良い場合には
亀裂進展速度が遅い。このような亀裂進展速度は、応力
拡大係数と腐食環境の程度によって決まり、同じ応力拡
大係数である場合には、腐食環境中の例えば溶存酸素濃
度が高ければ進展速度が速く、反対に溶存酸素濃度が低
ければ遅い。或いは図4に示すように、水環境が悪くて
腐食電位が高い場合には進展速度が速く、腐食電位が低
い場合には遅い。一方、応力拡大係数が高いほど進展速
度は速い。従って、ウェッジにより適当な応力拡大係数
に設定されたDCBセンサー1を腐食環境中において、
亀裂長さを測定し、進展速度を求めれば、その速度から
腐食環境の程度を知ることができる。従って、ダブルカ
ンチレバーを上記のようにして利用することにより、腐
食センサーとして用いることができる。このようなダブ
ルカンチレバーを以下では、DCBセンサーとして呼
ぶ。しかしながら、従来のDCBセンサー1では亀裂進
展に伴って応力拡大係数が減少するため、進展速度と応
力拡大係数の両方から腐食環境を評価する必要がある。
【0007】ところが、図9に示すように、DCBセン
サー1のスリット部分の長さを十分に長くとれば、亀裂
が多少進展しても、亀裂進展部における亀裂先端の応力
拡大係数がそれほど変化しないが、スリット部分の長さ
が十分でない場合、亀裂の進展に伴って応力拡大係数が
急激に減少する。その場合、亀裂長さの進展に伴って応
力拡大係数が減少すると、亀裂は進展しなくなり、腐食
センサーとしての機能を果たさなくなる。或いは、亀裂
が伸びても該亀裂が進展するようにウェッジを厚くし、
初期応力拡大係数を大きくとれば、亀裂は急速に進展し
て、センサーとしての寿命が短くなる。また、センサー
は小型でないと、沸騰水型原子炉内に設置されている中
性子計装管(LPRM)などの計測管の内部に設置でき
ない。そこで、実施例においては、DCBセンサー1の
亀裂進展部が二次曲線的なテーパ形状に形成されてい
る。即ち、図2に示すように、DCBセンサー1におけ
る亀裂進展部の両側面は、亀裂進展終了端Bから亀裂進
展開始端A側に向かって距離Lを隔てた位置を中心線O
とし、亀裂進展開始点Aからその平行線Oと交差する位
置まで次第に幅を狭めるように第一の曲率R1で円弧を
形成し、かつ該円弧の先端と接するよう前記中心線Oと
し、平行線Oと交差する位置から亀裂進展終了端Bまで
前記第一の曲率R1より小さい半径の第二の曲率R2で
円弧を形成している。従って、亀裂進展部の幅が、亀裂
進展開始端Aから亀裂進展終了端Bまでの途中位置(平
行線O上)に至るに従い第一の曲率半径R1をもって次
第に狭め、しかもその途中位置から亀裂進展終了端Bに
至るに従い第二の曲率半径R2をもって次第に拡開する
ように形成されている。具体的に数値を述べると、図2
において、DCBセンサー1の幅Wo=15mm,長さ
af=100mmに対し距離L=15〜20mmのと
き、亀裂進展部の最小断面幅W2=2mm程度となるよ
うにする。このとき、第一の曲率R1=110〜160
mm,第二の曲率R2=60〜75mmに組み合わせる
ことによって亀裂進展部の幅を上記の如きテーパ形状と
する。
【0008】このような形状のDCBセンサー1は、応
力腐食割れを良好にさせるものでなければならず、その
ため、材料としては、予め実験室における応力腐食割れ
試験により降伏応力が高く、かつ応力腐食割れ感受性の
高いものを撰び出し、それと同じ素材から加工して形成
することが望ましい。このようにして形成されるDCB
センサー1の材料としては、SUS304ステンレス鋼
で、Cの含有量が0.05%以上のものである。その
際、材料の素材からの採取する場合、その採取方法によ
っては応力腐食割れの進展に悪影響を及ぼすことがあ
る。そこで、図3に示すように、Cが0.05%以上の
含有量をもつステンレス鋼を圧延形成し、その圧延され
た板材100において、圧延方向Zと亀裂進展部1cの
亀裂進展方向とが同じ方向で、かつその圧延方向Zに対
し亀裂が進展する方向が垂直方向となるようにDCBセ
ンサー1を加工している。従って、DCBセンサー1を
ステンレスの圧延鋼板から加工形成するには、ビーム1
a・1bの長さと亀裂進展部の長さとが圧延鋼板の圧延
方向に沿うように加工形成し、しかも圧延方向Zと同一
平面上において該圧延方向Zと直交する方向にビーム1
a,1bの変位付与方向Yが作用するようにする。
【0009】実施例のDCBセンサー1の作用について
述べる前に、まず、亀裂進展部が一定の幅に形成された
従来技術のDCBセンサーについて、図5を参照して述
べる。図5は一定変位振幅の疲労試験を行って求めた応
力拡大係数の亀裂長さに伴う変化を表している。同図に
おいて、応力拡大係数ΔKは、亀裂長さaが50mmの
とき約18MPa√mであるが、亀裂長さが長くなるに
従い急速に減少し、亀裂長さaが75mmのときには約
6MPa√mまで下がり、初期亀裂のときの40%以下
まで低下することとなる。次に、実施例のDCBセンサ
ー1について図6及び図7を参照して述べる。図6及び
図7は図5と同様、一定変位振幅の疲労試験を行って求
めた応力拡大係数の亀裂長さに伴う変化を表している。
実施例のDCBセンサー1においては、亀裂進展部の亀
裂長さaが亀裂進展開始端Aから途中位置である最小幅
W2側まで進展すると、亀裂進展部の幅が上述の如く、
亀裂進展開始端Aから亀裂進展終了端Bの途中位置に至
るまで次第に狭めた形状をなし、亀裂進展部において亀
裂進展開始端Aから途中位置までは亀裂進展部の断面積
が漸減しているので、図6及び図7に示すように、応力
拡大係数ΔKが次第に増加し、しかも亀裂進展部の幅が
上述如く、途中位置から亀裂進展終了端B側に至るに従
い拡開された形状をなし、亀裂進展部において今度は断
面積が漸増するので、応力拡大係数ΔKがよりいっそう
増加し過ぎるのを防ぐことができる。このため、亀裂進
展部における亀裂長さが進展した場合、応力拡大係数Δ
Kに若干の変動が生じるものの、応力拡大係数ΔKを亀
裂長さに関係なく一定にさせることができる。即ち、亀
裂長さの進展に拘ることなく応力拡大係数ΔKをほぼ一
定に保つことができる。図6及び図7によれば、応力拡
大係数ΔKが何れも亀裂長さΔa=25〜30mmの範
囲で10%以内の変動幅に収まっており、ほぼ一定とみ
なすことができる。また応力拡大係数ΔKの絶対値をみ
ると、図6に比べ、図7の場合の方がやや大きいが、こ
れは亀裂進展部の最小断面幅W2が多少小さく、逆に曲
率R1,R2が多少大きいためである。なお図6及び図
7はDCBセンサー1の幅Wo=15mm,長さaf=
100mmに対し距離L=15〜20mmで、最小断面
積W2=2mm程度であり、かつ第一の曲率R1=11
0〜160mm,第二の曲率R2=60〜75mmの範
囲内のものを所望寸法に組み合わせることによって得ら
れたデータである。
【0010】また、上記の如きDCBセンサー1は、ウ
ェッジの厚さを薄くすることにより、ビーム部1a,1
bにかかる曲げモーメントを低減することができる。即
ち、図8はDCBセンサー1の各寸法のうち、最小断面
積W2=1mm程度とし、第一の曲率≒180〜220
mm,第二の曲率=90〜100mmとし、それ以外は
前述した寸法としたときの応力拡大係数と亀裂長さとの
関係図である。同図によれば、亀裂長さΔa=15mm
の範囲で応力拡大係数ΔKは10%以内の変動幅に収ま
っていることがわかる。但し、この場合、最小断面積W
2の幅が狭い分、同じ変位振幅に対するΔKの絶対値が
図6及び図7の場合よりも75%程度大きいので、その
分ウェッジの厚さを薄くすることにより、ビーム部1
a,1bにかかる曲げモーメントを確実に低減できる。
【0011】その際、最小断面積幅W2の寸法は、以下
に述べる理由により極端に狭くすることができない。そ
の理由は、亀裂進展部の曲率半径R1,R2を小さくし
て平面ひずみ状態を保つようにしても、最小断面幅W2
が極端に小さい場合には、平面ひずみ状態を長時間に渡
り維持することが難しいこと、及び応力腐食割れの亀裂
進展速度にセンサー材料の組織敏感性が現れてくること
が予想されるからである。従って、上記不具合を考慮す
れば、最小断面積W2としては1mmが限界とすること
が好ましい。さらに、DCBセンサー1を沸騰水型原子
炉に適用した場合、実際には約300℃の純粋中に曝す
ことになるが、このような高温でもDCBセンサー1の
ビーム1a,1bにかかる曲げモーメントが大きいと、
クリープによってリラクゼーションンを生じ、亀裂先端
の応力拡大計数が低下してしまう。この不具合を抑制す
るため、亀裂が進展する部分の断面の幅を、最大でセン
サーの幅の20%以下とすることが望ましく、従って、
図2において、DCBセンサー1の幅Woにおける亀裂
進展部の最大幅W1≦0.2Woの関係とする。同じ意
味で、センサーの高さを該センサーの幅より大きくして
やることが、ビーム部1a,1bにかかる曲げモーメン
トの低減にいっそう有効である。
【0012】そして、DCBセンサー1として、Cが
0.05%以上を含むステンレスの圧延鋼板100から
形成すれば、応力腐食割れの反応が良好となり、かつ降
伏応力が高いので、DCBセンサー1として約300℃
の純水高温にも確実に使用することができる。
【0013】図9乃至図15はDBCセンサーを使用し
た腐食環境制御装置の実施例を示す。図9において、D
CBセンサー1,1’の表面の所定位置に直流電流供給
するための二本の給電リード線2と、電位差を測定する
ための測定リード線3とがスポット溶接によって夫々接
続されている。給電リード線2は一端がDCBセンサー
1,1’の先端面に溶接されると共に、その他端が端子
ボックス4を介して腐食環境監視装置5の電流用マルチ
プレクサ6に接続され、二個の直流電源7,7′からの
直流電流が電流極性切換え装置8によって間欠的に切り
換えられ、DCBセンサー1,1’に供給される。測定
リード線3は一端がDCBセンサー1,1’の先端側の
表面部(上面及び下面)に所定の間隔をもって接続され
ると共に、他端が前記端子ボックス4を介して電差測定
用のマルチプレクサ9に接続され、該マルチプレクサ9
によって測定される位置を切り換えられ、微小電位差計
10により電位差が測定される。測定された電位差はG
P−IBインターフェース11を介してコンピュータ1
3に転送される。コンピュータ13は測定を開始する
と、試験時間または運転時間データと共に一定時間毎に
測定される電位差からDCBセンサー1,1’の亀裂長
さを後述する方法により計算し、かつ記録する。そし
て、亀裂進展曲線を求め、その勾配から亀裂進展速度を
計算し、応力拡大係数との関係を求めて、CRT14の
画面上に表示したり、プリンタ12に出力する。なお、
コンピュータ13はGPーIBインターフェース11を
介し電流極性切換え装置8やマルチプレクサ6,9を制
御する。図9において、80はDCBセンサー1,1’
に挿入されたウェッジである。
【0014】次に、腐食環境制御装置の概要を図10に
基づいて述べる。まず、ステップ(1)でDCBセンサ
ー1の取付け、腐食環境の温度や水質の設定などの初期
状態を設定する。以下は、ステップを省略して単に括弧
付きの符号のみで表示する。(2)でウェッジ80をD
CBセンサー1に挿入して一定変位の荷重を負荷した
後、(3)で試験を開始すると、(4)で試験時間を測
定するための時計、例えば16時間測定用の時計をスタ
ートさせる。そして、(5)でDCBセンサー1の電位
差を測定し、(6)で亀裂長さa/afを算出する。そ
の後、(7)で亀裂進展速度を算出し、(8)で図4の
関係特性曲線を用いて腐食電位を計算する。この場合、
(7)で算出した亀裂進展速度とウェッジ80によって
DCBセンサー1に付与した応力拡大係数とに基づき、
図4に示す亀裂進展速度と腐食電位との関係特性図から
腐食電位を求める。しかる後、(9)では求めた腐食電
位の結果に基づき、腐食環境のチェック、特に水質とし
て例えば溶存酸素濃度などのチェックを行う。
【0015】その結果、水質が異常であれば、(10)
で警報を出力して測定を中断し、或いは図示していない
が、水質を正常に戻すように水素を注入する。一方、水
質が正常であれば、(11)で測定終了か否かをチェッ
クし、測定が継続中であると、(12)でDCBセンサ
ー1の長さafで基準化して亀裂長さa/afが、予め
設定された許容値0.95以上であるかを否かをチェッ
クし、許容値より小さければその値になるまで(5)以
降の処理を繰り返し実行し、亀裂長さa/afが許容値
以上に達すると終了する。
【0016】図11はDCBセンサーの亀裂長さ測定の
ための電位差測定を示すフローチャートである。同図に
おいて、(21)で電位差の測定回数n=0としてリセ
ットした後、(22)で例えば直流電源7,7′からD
CBセンサー1に+の電流を供給したときの電位差Vo
(+)とV(+)を微小電位差計により測定し、次いで
(23)において電流極性切換え装置8により供給電流
の極性を切換えることにより−の電流をDCBセンサー
1に供給し、(24)でその電位差Vo(−)とV
(−)を測定する。その後(25)では電流極性切換え
装置8により電流を元の極性に戻し、(26)で測定回
数をカウントした後、(27)で測定回数が予め定めら
れた所定の回数(この場合は10回)に達したか否かを
判定する。その結果、所定回数に達していないと、22
以降の処理を繰り返し実行し、所定回数に達すると、
(28)でいままでの電位差測定値が正常であるか否か
を判定する。その際、電位差測定値が正常であると、測
定終了となるが、異常があった場合には(29)におい
て再測定となり、(21)以降の処理を繰り返し実行す
ることとなる。
【0017】図12は電位差測定値判定のサブルーチン
を示すフローチャートである。同図において、(31)
において図11に示す如く電位差が測定されると、(3
2)で測定された夫々の電位差の振幅Vi=(V(+)
−V(−))/2とVoi=(Vo(+)−Vo
(−))を計算し、次いで(33)で求めた電位差の振
幅から電位差比V/Voi=Vi/Voiを計算する。
その後、(34)では、求めた10回の電位差比のう
ち、電位差測定のばらつきを考慮し、最大の電位差比と
次に大きい電位差比と、最小の電位差比と次に小さい電
位差比との4回を夫々除外する。そして、(35)で残
り6回の電位差比から、平均の電位差比V/Vom=Σ
(Vi/Voi)/6を求め、次の(36)では求めた
電位差比の平均値に基づき、電位差比の標準偏差σを求
めた後、(37)でその標準偏差σが基準値(本例では
0.005)以下か否かを判定する。該判定結果、標準
偏差σが基準値より大きければ、測定異常と判断し、
(38)の再測定を経由して(31)以降の処理を実行
し、標準偏差σが基準値以下であれば終了する。
【0018】次に、電位差測定による亀裂長さの検出に
ついて図13乃至図15により説明する。図13は電位
差測定を測定するための夫々のリード線の配線を示す。
夫々のリード線のうち、直流電流供給用の給電リード線
2A,2BはDCBセンサー1のビーム1a,1bの先
端面の中央部にスポット溶接により夫々取付けられる。
電位差測定用の測定リード線31〜36はビーム1a,
1bの外側表面部に互いに対向するよう三個ずつ取付け
られ、相互の間で電位差を測定する。例えば、電位差
は、六本の測定リード線31〜36の場合、V12,V1
3,V14,V15,V16,V23,V24,V25,V26,V3
4,V35,V36,V45,V46,V56の15個が測定され
ることとなる。測定リード線31〜33と34〜36間
の間隔は等しくし、両側のリード線が対象に配置される
ので、基本的には各測定リード線間の電位差は、V12=
V23=V45=V56、V13=V46、V15=V24、V16=V
34、V26=V35の関係となるが、実際には測定リード線
の取付け誤差により差が生じる。従って、亀裂長さ測定
の精度を良くするためには多数の電位差を測定し、その
電位差と亀裂長さとのマスターカーブを用いて亀裂長さ
を求め、その平均から算出するのが最適である。ところ
で、電位差はDCBセンサーの材質だけでなく、温度の
影響を受ける。材質と温度の影響を排除するための方法
として二箇所の電位差を測定し、一方を基準電位差Vo
として互いの比V/Voを用いれば、電位差比V/Vo
と亀裂長さとのマスターカーブは材質と温度との影響を
受けないと云う方法が考えられる。DCBセンサーの場
合、基準電位差としては、Vo=V12≒V23≒V45≒V
56、Vo′=V13≒V46の六個、作動電位差としてはV
=V14、V15≒V24、V16≒V34、V25、V26≒V35、
V36の九個である。従って、全部で6×9=54個の電
位差比の組み合わせがあることになる。但し前述したよ
うに、基準電位差はVo=V12=V23=V45=V56、ま
たはVo′=V13=V46の二個であり、しかもVo′=
2Voであるので、基本的は基準電位差は一個である。
作動電位差はV=V14、V15=V24、V16=V34=V2
5、V26=V35、V36の五個であるので、電位差比とV
/Voと亀裂長さとのマスターカーブは全部で1×5=
5個作成すればよい。更に基本的には、 V14=V36+4Vo V15=V24=V36+3Vo V16=V25=V34=V36+2Vo V26=V35=V36+Vo であるので、電位差比V36/Voと亀裂長さaとのマス
ターカーブだけを作成すればよいことになる。
【0019】図14は有限要素法による電場解析により
得られた亀裂長さ判定のマスターカーブの模式図を示
す。同図において、縦軸は電位差比V/Vo、横軸はD
CBセンサーの長さafで正規化した亀裂長さa/af
である。曲線1はV/Vo=V14/V12、曲線2はV/
Vo=V15/V12、曲線3はV/Vo=V16/V12、曲
線4はV/Vo=V26/V12、曲線5はV/Vo=V36
/V12に対応するものである。夫々のマスターカーブは
通常五次式で近似して、その近似式により電位差比V/
Voから亀裂長さa/afを計算する。一連の亀裂長さ
の計算が終了すると、図9に示すコンピュータ13によ
り図15に示す順にデータ処理を行う。図9は亀裂長さ
判定,亀裂進展速度計算,及び腐食環境測定のフローチ
ャートを示す。同図において、(41)で電位差比V/
Voiを読み込むと、(42)ではその電位差比と図1
4の曲線に基づいて亀裂長さaiを求め、求めた亀裂長
さaiから(43)で亀裂長さの平均aj=Σai/5
4によりを算出する。次に、(44)ではその平均亀裂
長さajと亀裂長さを測定した時間tjとを記録した
後、(45)で亀裂進展速度の計算を実行するか否かを
判定する。亀裂進展速度は亀裂長さを測定した場合に必
ず計算することはなく、ある一定時間毎に計算すること
になるので、(45)の処理を行う。(45)の判定結
果、計算しない場合には(41)以降の処理を実行し、
計算を実行する場合には、(46)で一定時間範囲Δt
=Tmの平均亀裂長さajと時間tjのデータを用い、
一次式で最小自乗法により亀裂進展速度da/dtを求
める。そして、(47)では図4に示す腐食進展速度と
腐食電位との関係曲線を用い、求めた亀裂進展速度da
/dtから腐食電位ECPを計算した後、(48)では
時間tjと亀裂進展速度da/dt及び腐食電位ECP
を記録し、(49)において亀裂進展速度da/dtと
腐食電位ECPとに基づいて水素注入量を決定する。こ
の場合、基本的には亀裂進展速度が、 da/dt≦2×10~9mm/sec となるように、或いは、腐食電位ECPが、 ECP≦−250mV となるように、亀裂進展速度da/d/tと腐食電位E
CPの測定値との差に応じて水素を注入する。但しこの
場合、水素を注入しても直ちに炉水の溶存酸素濃度が減
少するわけではなく、また、無闇に水素を注入しても効
果がないので、水素注入量としては2ppmを上限とす
る。そして、水素を注入すると、(50)では腐食電位
ECP≧Dか、または亀裂進展速度da/dt≧Mかで
あるかを判定する。ここで、D及びMは夫々が環境良否
の限界値である。(50)の判定結果、ECP<Dでか
つda/dt<Mであれば、(41)以降の処理を繰り
返すこととなる。一方、ECP≧D、またはda/dt
≧Mであれば、(51)で警報を出力し、(52)で運
転を継続するか否かを判定し、運転継続の場合には図1
0において(5)の処理に戻って運転を続けることとな
る。
【0020】このように、DCBセンサー1に予め定め
られた複数の位置間の電位差V/Voを夫々測定し、測
定した電位差V/Voに基づいて複数の位置間の電位差
比V/Voiを求め、求めた電位差比に応じ該電位差比
と亀裂長さとの関係から亀裂長aiを算出すると共に、
複数の位置間の平均亀裂長さajを算出し、その平均亀
裂長さajと時間tjとから亀裂進展速度da/dtを
求めると共に、該亀裂進展速度da/dtに基づき亀裂
進展速度と腐食電位との関係から腐食電位ECPを求
め、求めた腐食電位ECPと亀裂進展速度da/dtと
から注入すべき水素量を算出するので、炉水内の溶存酸
素濃度を確実にチェックすることができ、またその際、
算出した水素注入量に応じ炉水に対する水素の注入と警
報の出力とを選択的に行うようにしたので、水質を監視
することができる。このため、コンピュータ13は電位
差計10の測定によって電位差比を求める第一の演算部
13aと、電位差比に基づいて亀裂長さa/af及び平
均亀裂長さajを求める第二の演算部13bと、平均亀
裂長さに基づいて亀裂進展速度da/dtを求める第三
の演算部13cと、亀裂進展速度に基づき腐食電位EC
Pを求める第四の演算部13dと、これら腐食電位と亀
裂進展速度から注入すべき水素量を求める第五の演算部
13eとを有している。
【0021】図17は腐食環境制御装置を沸騰水形原子
炉に適用した実施例を示す。同図において、20は沸騰
水形原子炉の圧力容器、21は中性子計装管、22は主
蒸気配管、23はタービン、24は復水器、25は原子
炉給水ポンプ、26,26′は再循環ポンプ、27は炉
水浄化系パイプ、28は炉水浄化系、29は水質管理シ
ステム、30は水質診断システム、31は水素注入シス
テム、32は水素製造装置、33は水素貯蔵タンクであ
る。そして、中性子計装管21の内部にDCBセンサー
1が設置され、また再循環系配管34の一部にT型継手
を介しDCBセンサー1′が設置されている。これらD
CBセンサー1,1′は詳細に図示していないが、直流
電流供給用の給電リード線2及び電位差測定用の測定リ
ード線3を介し腐食環境制御装置5に接続され、該腐食
環境制御装置5は図9に示すものとほぼ同様の構成なの
で、ここではその説明を省略する。この場合は、DCB
センサー1により中性子計装管21内の炉水から電位差
を測定する一方、DCBセンサー1′により再循環系配
管34を通る循環水から電位差を夫々測定し、その測定
した電位差に基づいて亀裂長さ,亀裂進展速度,腐食電
位を夫々求めることによって水質の状態を判定するよう
にしている。この場合、水質の状態によって溶存酸素濃
度が低いと、水質診断システム30が水素注入システム
31により復水器24と給水ポンプ25との間の配管に
水素を注入させることにより、炉水の水質を良好にする
ことができるようにしている。このとき、水質診断シス
テム30では、予めコンピュータシミュレーションによ
り求めた原子炉内の水質分布を基に水素注入量を決定す
る。但し、水質分布が予想されたものとは異なることも
考えられるため、水質管理システム29において、過去
の水素注入量と水質との関係などのデータベースを作成
して、水質診断システム30のコンピュータシミュレー
ション結果に補正を加える機能を持たせる。このよう
に、水質管理システム29が補正機能を備えると、水質
分布が予想されたものと異なっても、水質診断システム
30が容易に対処することができ、水質を確実に良好な
ものとすることができる。なお、水素注入システム31
は水質診断システム30により水素注入量が決定される
と、水素貯蔵タンク33内に貯蔵された水素を所定量取
り込んで注入し、水素貯蔵タンク33内の水素は水素製
造装置32によって製造される。
【0022】この実施例によれば、二つのDCBセンサ
ー1,1′により中性子計装管21内の炉水と循環系配
管の循環水との双方から水質を判定するので、水質管理
をより的確に行える。また本例では、水質診断システム
30及び水質管理システム31は図9に示す腐食環境制
御装置5のコンピュータ13と別に設け、独自に機能す
る例を示したが、その機能をコンピュータ13で処理さ
せることができるのは勿論である。
【0023】図18乃至図20に本発明によるDCBセ
ンサーの種々の実施例を夫々示す。図18の実施例にお
いては、DCBセンサー1を機械加工したまま炉水中に
曝しても、応力腐食割れによる亀裂が容易に進展しな
い。これは、亀裂進展部の先端に放電加工等によって予
亀裂50を形成しておいても、同様である。そこで、図
18に示すように、亀裂進展部の先端に放電加工によっ
て予亀裂50を形成すると共に、該予亀裂50に接続さ
せて疲労予亀裂51を形成する。疲労予亀裂51は、亀
裂進展部の先端に予亀裂50を形成した状態のとき、ビ
ーム1a,1bのウェッジ挿入部1dにウェッジ等を挿
入し、亀裂進展部に応力を負荷させることによって予め
形成されたものであり、その長さは0.5mm程度とす
る。但し、このとき余り高い応力拡大係数範囲ΔKを負
荷すると、亀裂先端に繰り返し塑性域の形成に伴う圧縮
残留応力場が形成されるため、できるだけ低い応力拡大
係数範囲を負荷することが望ましい。適当な応力拡大係
数範囲ΔKとしては、亀裂進展下限界の直上のΔK=1
0〜15MPa√mである。このように、亀裂進展部の
先端に予亀裂50とこれにつながる疲労予亀裂51とを
設けておくと、炉水中に設置すれば、応力腐食割れによ
る亀裂が円滑にかつ容易に進展できる。
【0024】図19の実施例において図18に示す実施
例と異なるのは、亀裂進展部に予亀裂50及び疲労予亀
裂51を夫々設ける他、さらに応力腐食割れによって形
成されたSCC予亀裂52を設けたものである。即ち、
このSCC予亀裂52は、亀裂進展部に予亀裂50及び
疲労予亀裂51を設けた後、このDCBセンサー1にウ
ェッジを挿入させた状態で該センサー1を原子炉の計装
管中に設置ことにより、疲労予亀裂51の先端に実際に
生じさせたものである。この場合、負荷する応力拡大係
数範囲ΔKとしては、亀裂進展下限界に近い値Kma
x、例えばKmaxが25MPa√m程度が良く、また
SCC予亀裂52の長さとしては0.2mm程度が良
い。この実施例によれば、疲労予亀裂につながるように
実際に形成されたSCC予亀裂52を設けるので、応力
腐食割れによる亀裂を確実にかつ円滑に進展させること
ができ、腐食環境センサーとしての信頼性をいっそう高
め得る。
【0025】図20は本発明によるDCBセンサーの第
四の実施例を示す。これまでの実施例では、亀裂進展部
の厚みが先端と末端との間で一定の形状をなしているた
め、先端面が平面に形成されたものを示したが、本実施
例においては、亀裂進展部の先端部が所望の角度をもっ
たV字状に形成されている。即ち、この先端部は、亀裂
進展部において発生すべき亀裂が同一平面上に形成され
るようにするため、60°や90°の角度をもつV字状
に形成され、しかも先端が適宜の曲率半径ををもってい
る。その曲率半径としては、1mm1程度の緩いものに
した場合、亀裂が亀裂進展部の所定の位置を進展せず、
リガメント面積の小さいビーム部1a,1bの方へ進展
するおそれがあることから、亀裂先端部において厚みの
真ん中の先端から同一平面上で確実に亀裂が発生し得る
ようにするため、0.1mm以下とするのが望ましく、
本例では0.1mmとなっている。このような亀裂進展
部は機械加工により、より正確に形成することができ
る。
【0026】図1乃至図5は本発明によるDCBセンサ
ーの他の実施例を示す。DCBセンサー1は、前述の如
く、直流ポテンシャル法により亀裂長さを測定するた
め、二個の給電端子と、六個の電位差測定端子を設ける
必要がある。従来技術では、給電リード線(給電端子)
及び測定リード線(電位差測定端子)をNi,Pt或い
はDBCセンサーと同じ材質のもので形成し、その線を
センサーの外側にスポット溶接などにより直に接続して
いた。しかし、原子炉内に設置した場合、配線がルース
パーツとなるおそれがある。そこで、本実施例では、図
2及び図3に明示するように、DCBセンサー1の対向
するビーム1a,1bの各々に第一の孔42が形成され
ている。該第一の孔42は各ビーム1a,1bを長手方
向に沿って貫通している。また、ビーム1a,1bの先
端面には第一の孔42に連絡する第二の孔43が穿設さ
れ、さらに、ビーム1a,ビーム1bの先端側の外面部
には第一の孔42に連絡するよう第三の孔44が穿設さ
れている。第三の孔44は、第一の孔42と直交する方
向に配置され、ビーム1a,1bの先端面から等距離を
もって三個設けられている。そして、第一の孔42に給
電リード線2を挿通し、該給電リード線2の一端を第二
の孔43に入れて溶接により固着する一方、第三の孔4
4から第一の孔42に測定リード線3を挿通し、該測定
リード線3の一端を第三の孔44に入れたままで溶接に
より固着する。この場合、第二,第三の孔43,44か
らDBCセンサー内に炉水が浸入しないようにするた
め、第二,第三の孔43,44を夫々塞ぐように溶接す
る。なお、溶接はTIG溶接またはスポット溶接の何れ
でも良い。さらに、第一の孔42に挿入し得る大きさの
碍子45を形成し、第一の孔42に挿入した碍子45に
給電リード線2及び測定リード線3を夫々挿通させる。
碍子45は絶縁性を考慮してセラミックで構成され、実
施例では四個からなっており、これらが第一の孔42に
順次挿入されている。この場合、第一の孔42において
は、図2に示すように、ビーム先端側の一個目の碍子4
5に給電リード線2のみを通し、次いで二個目の碍子4
5に給電リード線2と最初の測定リード線3とを夫々一
本ずつ、合計二本通し、さらに三個目の碍子45に給電
リード線2と二本の測定リード線3とを、合計三本通
し、その後、四個目の碍子45に給電リード線2と三本
の測定リード線3とを合計四本通す。四個目の碍子45
は亀裂進展終了端面側までは一本の長いものでも良い
が、ビーム1a,1bに曲げモーメントが作用したと
き、それらのビームが多少曲がり、その力が碍子に作用
するのを避けるため、例えば10mm程度の短いものを
何本か繋ぐことが望ましい。 一方、双方のビーム1
a,1bにおいて夫々の第一の孔42内を挿通した二本
の給電リード線2と、六本の測定リード線3とは、2芯
のリード線を有する四本の絶縁ケーブルに溶接により接
続される。該絶縁ケーブルはシース型のMIケーブル4
6からなっており、図4に示すように、前記夫々の端子
線2,3の先端とスポット溶接により接続される。この
場合、MIケーブル46に炉水が浸入すると、該炉水が
MIケーブル46を構成するMgO,Al23等の被覆
部を通って外部に漏洩するおそれがある。そこで、ビー
ム1a,1bの亀裂進展終了端部にキャップ47が溶接
により固定され、該キャップ47によって炉水がビーム
内に浸入しないようにしている。このため、キャップ4
7は図4及び図5に示すように、DCBセンサー1の亀
裂進展終了端部に形成された円柱部を嵌合し得る大きさ
に形成され、かつMIケーブル46用の挿通孔47aを
有し、該挿通孔47aにMIケーブル46を挿通しその
周縁部を溶接すると共に、前記円柱部に嵌合してその周
縁部を溶接することにより、キャップ内部と外部との気
密状態を維持するようにしている。この実施例によれ
ば、ビーム1a,1bの先端側において、給電リード線
2と測定リード線3とが、ビーム1a,1b内の第一の
孔42に配設された複数個の碍子45を挿通することに
よって互いに絶縁され、しかも双方の端子線2,3の一
端がビーム1a,1bの表面部に溶接によって固着され
ているので、双方の端子線2,3がルースパーツとなる
ことを防ぎ得、またビーム1a,1bの亀裂終了端部に
おいてはMIケーブル46を封止したキャップ47が溶
接によって気密に固定されているので、DCBセンサー
1の各構成部品もルースパーツとなるのを防ぐことがで
きると共に、ビーム内に炉水が浸入すると云うおそれが
ない。
【0027】図26乃至図29はDCBセンサーのルー
スパーツを防止するための実施例を夫々示す。図26に
おいて、DCBセンサー1の亀裂が進展した場合、これ
に一定変位を負荷するウェッジ81にかかる荷重が低下
すると、ウェッジ81がDCBセンサー1のウェッジ挿
入部1dから外れ、ウェッジ81がルースパーツとなる
なるおそれがある。そこで、本実施例では、DCBセン
サー1を包囲し得る形状のスリーブ53を形成し、該ス
リーブ53内にDCBセンサー1を収納すると共に、該
DCBセンサー1に固着したキャップ47をスリーブ5
3に取付け、炉水がスリーブ53を通過するように構成
したものである。具体的に述べると、前記スリーブ53
は図26に示すように、DCBセンサー1を収納し得る
大きさをなし、しかも一端側が開口された円筒状に形成
され、その先端側の上部に炉水を取り込む炉水入口54
が形成され、かつ他端側の下部に炉水を外部に排出させ
るための炉水出口55が形成されている。そしてスリー
ブ53内に、ウェッジ81を挿入したDCBセンサー1
を収納し、該DCBセンサー1のキャップ47の周囲を
溶接することにより、DCBセンサー1をスリーブ53
に取付けた後、このスリーブ付きDCBセンサー1を炉
内の所定位置に設置すると、炉水がスリーブ53の炉水
入口54から入り込み、該スリーブ53内を循環して炉
水出口55から流出するようにしている。その際、ウェ
ッジ81がDCBセンサー1のウェッジ挿入部から外れ
た場合、外れたウェッジ81がスリーブ53の炉水入口
53と炉水出口54との何れからも外部に流出しないよ
うになっており、そのため、炉水入口53と炉水出口5
4とはウェッジ81が通過できない大きさに形成されて
いる。なお、DCBセンサー1は図21乃至図25に示
すものと同様の構成であるので、ここではその説明を省
略する。このように、スリーブ53を用いると、万一、
ウェッジ81がDCBセンサー1から外れることがあっ
ても、スリーブ53の外部に流出しないので、ウェッジ
81がルースパーツとなるのを防ぐことができる。
【0028】図27に示す実施例は、DBCセンサー1
を構成するビーム1a,1b及び亀裂進展部1cと同一
材質で薄い板56を形成し、その薄板56にビーム1
a,1bの亀裂終了端面Bをスポット溶接により取付け
たものである。従って、薄板56にビーム1a,1bを
取付けると、亀裂が亀裂進展部の先端から亀裂終了端ま
で進展しても、双方のビームが分離することがなくな
り、センサー自体がルースパーツとなることがない。こ
の場合、薄板56としては、ビーム1a,1b自体の強
度が変化しないようにするため、極力薄いものが好まし
く、本例では0.5mm程度の薄いもので形成されてい
る。
【0029】図28に示す実施例は、二つのビーム1
a,1b間に挿入されたウェッジ81をスポット溶接に
より固定し、これによりウェッジ81のルースパーツを
防止するようにしたものである。また、ビーム1a,1
bに亀裂長さ測定用の直流電流を印加したとき、該電流
がビームを経てウェッジ81に流れるので、ウェッジ8
1の材質によっては亀裂進展部に流れる電流が極端に低
下することがある。そのため、ウェッジ81の材質とし
ては、ビーム1a,1bと同材質のもので形成し、亀裂
進展部に流れる電流の低下を極力抑えるようにする。
【0030】図29に示す実施例は、ビーム1a,1b
とこれに挿入されたウェッジ81とにボルト挿通孔(符
示せず)が貫通して設けられ、該挿通孔にボルト60を
通すと共に、ボルト60をナット61で締め付け、さら
に、ナット61とボルト60を溶接している。この実施
例によれば、ウェッジ80をボルト60,ナット61で
締め付ける他、溶接するので、ウェッジ81とビーム1
a,1bとを確実に組み付けることができ、亀裂が亀裂
進展部の全体に亘って発生しても、両者1a・1b,8
1のルースパーツを防止することができる。
【0031】図30乃至図32はDBCセンサーのさら
に他の実施例を夫々示す。図30に示す実施例は、一方
のビーム1aの先端部に設けられたねじ孔(符示せず)
に、導電材で形成されたウェッジ82をねじ込み、該ウ
ェッジ82の先端部が他方のビーム1bを押圧すること
により、双方のビーム1a,1bに一定変位を負荷する
ようにしたものである。このため、ウェッジ82は適宜
の長さを有するものであって、外周にねじ部が刻設さ
れ、先端部が半球状に形成され、締め付けたとき、ウェ
ッジ82の先端がビーム1bに対する接触点を移動する
ことにより、ビームに対し不必要な曲げ荷重をかけると
云うおそれがない。
【0032】図31に示す実施例は、前述の実施例を応
用したものであって、先端部が半球状に形成されたウェ
ッジ82をを二本用い、夫々のウェッジ82をビーム1
a,1bにねじ込んでウェッジ82の先端を互いに押圧
させることにより、一定変位を付与するようにしてい
る。その場合、双方のウェッジ82が半球状に形成され
ているので、締め付けたときに互いの接触点が移動する
ため、ビームに対し不必要な曲げ荷重をかけると云うお
それがない。
【0033】図32に示す実施例は、先端部が半球状に
形成れた一本のウェッジ82と三本のウェッジ83を用
い、これらのウェッジ82,83を一方のビーム1aに
対し適宜の距離をもってねじ込み、夫々のウェッジが他
方のビーム1bに形成された絶縁性の凹み部61に突き
当てる。このとき、ビーム1a,1bに対し最も左側の
ウェッジ82により所定の変位を付与し、それ以外のウ
ェッジ83では締め付けトルクを一様となるように管理
してビームに一定変位を付与する。ウェッジ83に対す
る締め付けトルクの管理に際しては、トルクの大きさを
測定するための器具などを用いて正確に行う。従って、
この実施例では、ビーム1a,1bの先端側に所定の変
位を付与する一本のウェッジ82と、一定の変位を付与
する複数のウェッジ83とを有している。この実施例に
よれば、ビーム1a,1bに対するウェッジ83の締め
付けトルクを一定にするので、初期の変位を維持するこ
とができる。
【0034】図33乃至36はDCBセンサーの他の実
施例を示す。これまでの実施例では、DCBセンサー1
の亀裂進展部の形状を変えることによって応力拡大計数
をΔKを一定に保つてるようにしたものであるが、本実
施例においては、亀裂進展部の形状を従来技術のままと
し(図39参照)、亀裂進展部に発生する亀裂長さの変
化に応じ、ビーム1a,1bに負荷する荷重を変えるこ
とにより、亀裂先天の応力拡大計数ΔKを一定に保つよ
うにしたものである。即ち、この実施例のDCBセンサ
ー1は、図33に示すように亀裂進展部が真直に形成さ
れた幅をなしており、その先端に亀裂及び疲労予亀裂5
1が形成されている。そして、図34に示すように、双
方のビーム1a,1bの相対向する先端部にウェッジ挿
入部が形成され、該挿入部に伸縮可能に形成されたウェ
ッジ90が挿入されている。このウェッジ90は小型シ
リンダで構成され、該シリンダが一方のビーム1bに設
けられた流体路(図示せず)を介し圧縮供給パイプ71
に接続され、進展該圧縮供給パイプ71から圧縮空気や
圧縮液体などの作動流体が送り込まれてロッドが前進す
ることにより、ビーム1a,1bに対する負荷を変える
ようにしている。従って、亀裂進展部において亀裂が進
展したとき、その亀裂長さに応じウェッジ90が延びる
ことにより、亀裂先端の応力拡大係数を常に一定に保つ
ようにしている。なお、ウェッジ90とビーム1a,1
b間は固定手段によって固定しても良く、またウェッジ
90と一方のビームとの間に絶縁物を挟んでも良い。
【0035】ところで、亀裂進展部の幅が上述の如く一
定のDCBセンサーでは、図11に示すように亀裂の進
展に伴い応力拡大係数ΔKが減少する。一般に、梁の撓
みδは、 δ=−Wl3/3EI であるので、変位一定では荷重Wが亀裂長さの非の3乗
に比例して減少するため、初期荷重Woに対しては、次
式のようになる。 W/Wo=(lo/l)3 従って、初期亀裂長さa=45mmでの荷重を基準にし
た場合、下表に示すようになる。
【0036】
【表1】
【0037】一方、応力拡大係数ΔKは図11に示すた
如く、亀裂長さの増分に比例して減少する。ΔK値一定
にするためには、荷重は、 W/Wo′=1/(K/Ko)・(W/Wo) とすることが必要になり、表と図35のようになる。そ
れを亀裂長さの関数で表すと、 W/Wo′=1.0−0.0377a+0.00085a2 となる。これより、ウェッジ70の圧力調整は、亀裂の
進展量がΔa=0.2mm程度毎に行えば十分である。
なお、ウェッジ70は通常のロッド形式のシリンダで構
成しているが、ロッドの圧力保持のためのOリングには
ステンレス製の金属Oリングを用いると良い。
【0038】次に、上記ウェッジを用いた場合の制御動
作を図36に基づいて説明する。ここでは、DCBセン
サー1における亀裂長さの測定が前述した直流ポテンシ
ャル法と全く同様であるので、ウェッジ70の制御例に
ついてのみ説明する。図36において、調整槽76には
圧力調整バルブ75によって圧力が調整された流体、例
えば純粋が蓄えられており、該純粋を高圧ポンプ77よ
り吸い込んで昇圧しアキュムレータ78に送り込まれ
る。アキュムレータ78の下流側の供給パイプ71は二
方向に分岐しており、その一端が上述のウェッジ90に
接続されると共に、もう一端が圧力調整バルブ75に接
続されている。調整バルブ75のニードルがモータ74
の出力軸に取付けられ、該モータ74はコンピュータ1
3によりインターフェース72及びモータ駆動装置73
を介して駆動される。従って、モータ74の駆動によっ
て圧力調整バルブ75の開度が決定され、供給パイプ7
1内の純粋の圧力を昇圧することにより、ウェッジ90
の伸びを制御するようになっている。ここで、原子炉の
圧力容器20内では圧力が高いため、ウェッジ90がD
CBセンサー1に負荷するための圧力の他、圧力容器2
0内の圧力を余分に加える必要がある。そのため、供給
パイプ71の途中位置には、そのパイプ71を通る純粋
の圧力を検出するための圧力検出器79が設置され、圧
力容器20の内部にはその圧力を検出するための圧力検
出器80が設置されている。そして、圧力容器20内の
DBCセンサー1の亀裂が進展した場合、コンピュータ
13は、圧力検出器79の検出によって検出された圧力
と、圧力検出器80によって検出された圧力容器20の
圧力とを加えた圧力となるよう、モータ74及び圧力調
整バルブ75を作動し、供給パイプ71内の純粋の圧力
を制御することにより、亀裂先端の応力拡大係数が一定
となるようにしている。この場合、ウェッジ70の圧力
調整は、亀裂の進展量Δa=0.2mm程度毎に行えば
十分である。
【0039】このように、DCBセンサー1の亀裂進展
部1cに生じる亀裂長さに応じウェッジ90を伸張させ
ると、亀裂進展部1cが真直に形成された場合であって
も、応力拡大係数をほぼ一定にさせることができ、腐食
環境センサーとして確実に使用することができる。ま
た、ウェッジ90の駆動手段として、上述の如く、モー
タ駆動装置73,モータ圧力調整バルブ75,調整槽7
6,高圧ポンプ77,アキュムレータ78,圧力検出器
79・80を有して構成したので、コンピュータ13に
よりウェッジ90を確実に制御することができる。なお
図示実施例では、ウェッジ90がシリンダで構成された
例を示したが、ベローズなどで代用すれば、構成の簡素
化も図れる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1〜
6によれば、亀裂進展部の幅を先端から途中位置まで次
第に狭め、かつ途中位置から亀裂終了端まで次第に拡開
する形状にしたので、亀裂長さの進展に拘ることなく応
力拡大係数をほぼ一定に保つことができる効果があり、
特に請求項2,5によれば、ビームにかかる曲げモーメ
ントを低減することもでき、また請求項3,6によれ
ば、亀裂が亀裂進展部の同一平面上で進展させ、亀裂長
さの測定を良好に行えるので、沸騰水型原子炉のような
高温水に用いても、腐食環境センサーとしての信頼性を
高めることができる効果がある。そして、請求項7によ
れば、高い引張り残留応力が亀裂進展部に生じるのを抑
制し得るので、亀裂進展速度が予想外に著しく進むと云
うのを防げ、請求項8によれば、疲労予亀裂を設けるこ
とによって亀裂の進展を容易にスムースにさせることが
でき、請求項9によれば、さらにSCC予亀裂を設ける
ので、亀裂の進展をいっそう容易にさせることができ
る。請求項10によれば、亀裂が亀裂進展部の全長にわ
たり発生しても薄板によりビームがルースパーツとなる
のを防止でき、請求項11〜15によれば、ウェッジが
ルースパーツとなるのを防止でき、特に請求項11では
直流電流を印加したときに電流が低下するのを防ぐこと
もでき、請求項13,14,15ではビームに不必要な
曲げ荷重がかかることがなく、さらに請求項16によれ
ば、直流電流の印加時、ウェッジに電流が流れることが
ないので、亀裂長さの測定精度が低下するのを防げる。
請求項17及び18によれば、給電リード線及び測定リ
ード線をビーム内に配線することによって給電端子部や
測定端子部がルースパーツとなるのを防止でき、またビ
ームにキャップを被着するので、水がビーム内に浸入す
ることもないので、耐久性を高めることができ、特に請
求項18によれば、ウェッジがルースパーツとなること
もない。またさらに請求項19,20によれば、腐食環
境センサーとして確実に使用することができ、請求項2
1によればDBCセンサーを容易に製作することができ
る。請求項22によれば、水質の良否を判定できるの
で、水質を検査する種々なものに利用することができ、
請求項23によれば、自動的に水質を判定できるので、
沸騰水型原子炉に十分活用することができる。また請求
項24によれば、安定した測定精度を得ることができ、
請求項25によれば、亀裂進展速度と応力拡大係数の両
方から腐食環境を判定するので、腐食環境判定を的確に
実施し得、請求項26によれば、亀裂長さに進展に伴い
ウェッジを制御することによって応力拡大係数をほぼ一
定の保つので、DCBセンサーの形状を変えることなく
腐食環境の判定を的確に実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による環境腐食センサーの第一の実施例
を示す側面図(a)及び正面図(b)である。
【図2】図1(b)の横断面の説明図である。
【図3】環境腐食センサーを一枚の圧延板材から製作す
るときの説明図である。
【図4】腐食進展速度と腐食電位との関係を示す曲線図
である。
【図5】従来技術の環境腐食センサーを用いた場合の応
力拡大係数と亀裂長さとの関係を示す説明図である。
【図6】実施例の環境腐食センサーを用いた場合の応力
拡大係数と亀裂長さとの関係を示す説明図である。
【図7】最小幅,曲率半径を変えた環境腐食センサーを
用いた場合の応力拡大係数と亀裂長さとの関係を示す説
明図である。
【図8】亀裂進展部の幅をさらに狭くした環境腐食セン
サーを用いた場合の応力拡大係数と亀裂長さとの関係を
示す説明図である。
【図9】環境腐食センサーを用いた腐食環境制御装置の
例を示す説明図である。
【図10】腐食環境制御装置の概略の制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図11】電位差測定の内容を示すフローチャートであ
る。
【図12】電位差測定値判定のサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図13】給電リード線と測定リード線とビームとの接
続関係を示す説明図である。
【図14】亀裂長さ判定のマスターカーブを示す模式図
である。
【図15】亀裂進展速度及び腐食電位の計算のサブルー
チンを示すフローチャートである。
【図16】コンピュータの機能を示すブロック図であ
る。
【図17】腐食環境制御装置を原子炉に適用した実施例
を示す説明図である。
【図18】腐食環境センサーの第二の実施例を示す説明
図である。
【図19】腐食環境センサーの第三の実施例を示す説明
図である。
【図20】腐食環境センサーの第四の実施例を示す亀裂
先端部の説明図である。
【図21】腐食環境センサーの第五の実施例を示す全体
の断面図である。
【図22】ビームの要部を示す拡大断面図である。
【図23】ビームを示す図22の左側面図である。
【図24】ビームの末端側を示す要部拡大の断面図であ
る。
【図25】図24の右側側面図である。
【図26】腐食センサーをホルダーに取付けた実施例を
示す説明図である。
【図27】腐食センサーを薄板に取付け実施例を示す説
明図である。
【図28】ウェッジをスポット溶接した説明図である。
【図29】ビーム及びウェッジをボルトで固定した説明
図である。
【図30】一本のねじ付きウェッジを使用した場合の説
明図である。
【図31】日本のねじ付きウェッジを使用した場合の説
明図である。
【図32】四本のねじ付きウェッジを使用した場合の説
明図である。
【図33】亀裂進展部の幅を真直に形成した腐食環境セ
ンサーを示す図2に対応の横断面図である。
【図34】伸縮可能なウェッジを用いた腐食環境センサ
ーを示す正面図である。
【図35】設定荷重と亀裂長さとの関係を示す曲線図で
ある。
【図36】腐食環境制御装置によって伸縮可能なウェッ
ジを制御する実施例を示す説明図である。
【図37】従来技術の腐食環境センサーを示す正面図で
ある。
【図38】図37の左側面図である。
【図39】図37の横断面図である。
【符号の説明】
1…腐食環境センサー(DCBセンサー)、1a,1b
…ビーム、1c…亀裂進展部、1d…ウェッジ挿入部、
80…ウェッジ、2,2A,2B…直流電流供給用の給
電リード線、3,31〜36…電位差測定用の測定リー
ド線、5…腐食環境制御装置、7,7′…直流電源、8
…電流極性切換装置、10…微小電位差計、13…コン
ピュータ、20…圧力容器、21…中性子計装管、30
…水質診断システム、31…水素注入システム、34…
再循環パイプ、50…予亀裂、51…疲労予亀裂、52
…SCC予亀裂、42…第一の孔、45…碍子、46…
絶縁ケーブル(MIケーブル)、47…キャップ、53
…ホルダー、54…炉水入口、55…炉水出口、56…
薄板、81…ウェッジ、82,83…ねじ付きウェッ
ジ、90…伸縮可能なウェッジ、71〜80…伸縮可能
なウェッジの駆動手段、L…距離、R1…第一の曲率半
径、R2…第二の曲率半径。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する二つのビームと、該二つ
    のビーム間に該ビーム長さ方向の途中位置と末端とに亘
    り所定の幅をもって一体に形成された亀裂進展部と、ビ
    ームの他端部間に挿入され、夫々のビームに一定変位を
    付与するウェッジとを有し、該ウェッジにより亀裂進展
    部にビームの長さ方向に沿って亀裂を発生させるように
    した腐食環境センサーにおいて、前記亀裂進展部の幅
    を、亀裂進展開始端から亀裂進展終了端の途中位置まで
    至るに従い第一の曲率半径をもって次第に狭め、かつ途
    中位置から亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率
    半径より小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する
    形状に形成したことを特徴とする腐食環境センサー。
  2. 【請求項2】 互いに対向する二つのビームと、該二つ
    のビーム間に該ビーム長さ方向の途中位置と末端とに亘
    り所定の幅をもって一体に形成された亀裂進展部と、ビ
    ームの他端部間に挿入され、夫々のビームに一定変位を
    付与するウェッジとを有し、該ウェッジにより亀裂進展
    部にビームの長さ方向に沿って亀裂を発生させるように
    した腐食環境センサーにおいて、前記亀裂進展部の幅
    を、亀裂進展開始端から亀裂進展終了端の途中位置まで
    至るに従い第一の曲率半径をもって次第に狭め、かつ途
    中位置から亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率
    半径より小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する
    形状に形成し、また前記亀裂進展部の最大幅の寸法がビ
    ーム幅の20%以下で、最小幅の寸法を1mm以上と
    し、かつ双方のビーム間の高さが該ビームの幅より大き
    いことを特徴とする腐食環境センサー。
  3. 【請求項3】 互いに対向する二つのビームと、該二つ
    のビーム間に該ビーム長さ方向の途中位置と末端とに亘
    り所定の幅をもって一体に形成された亀裂進展部と、ビ
    ームの他端部間に挿入され、夫々のビームに一定変位を
    付与するウェッジとを有し、該ウェッジにより亀裂進展
    部にビームの長さ方向に沿って亀裂を発生させるように
    した腐食環境センサーにおいて、前記亀裂進展部の幅
    を、亀裂進展開始端から亀裂進展終了端の途中位置まで
    至るに従い第一の曲率半径をもって次第に狭め、かつ途
    中位置から亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率
    半径より小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する
    形状に形成し、また前記亀裂進展部の最大幅の寸法がビ
    ーム幅の20%以下で、最小幅の寸法を1mm以上と
    し、かつ双方のビーム間の高さが該ビームの幅より大き
    い寸法をなし、さらに前記亀裂進展部の側端部は先端に
    至るに従い先細となるV字状に形成し、かつ先端の曲率
    半径を0.1mm以下としたことを特徴とする腐食環境
    センサー。
  4. 【請求項4】 互いに対向する二つのビームと、該二つ
    のビーム間に該ビーム長さ方向の途中位置と末端とに亘
    り所定の幅をもって一体に形成された亀裂進展部と、ビ
    ームの他端部間に挿入され、夫々のビームに一定変位を
    付与するウェッジとを有し、該ウェッジにより亀裂進展
    部にビームの長さ方向に沿って亀裂を発生させるように
    した腐食環境センサーにおいて、前記亀裂進展部の幅
    は、亀裂進展終了端から亀裂進展開始端方向に向かい所
    定の距離を隔てた位置の中心線上を中心とし、亀裂進展
    開始端から前記中心線上の位置まで至るに従い第一の曲
    率半径をもって次第に狭め、かつ前記中心線上の位置か
    ら亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率半径より
    小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する形状に形
    成し、かつビームの長さ100mmに対し、前記所定の
    距離を隔てた中心線上の位置を15〜20mmの寸法に
    すると共に、第一の曲率半径を110〜160mmにか
    つ第二の曲率半径を60〜75mmの寸法に夫々するこ
    とを特徴とする腐食環境センサー。
  5. 【請求項5】 互いに対向する二つのビームと、該二つ
    のビーム間に該ビーム長さ方向の途中位置と末端とに亘
    り所定の幅をもって一体に形成された亀裂進展部と、ビ
    ームの他端部間に挿入され、夫々のビームに一定変位を
    付与するウェッジとを有し、該ウェッジにより亀裂進展
    部にビームの長さ方向に沿って亀裂を発生させるように
    した腐食環境センサーにおいて、前記亀裂進展部の幅
    は、亀裂進展終了端から亀裂進展開始端方向に向かい所
    定の距離を隔てた位置の中心線上を中心とし、亀裂進展
    開始端から前記中心線上の位置まて至るに従い第一の曲
    率半径をもって次第に狭め、かつ前記中心線上の位置か
    ら亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率半径より
    小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する形状に形
    成し、かつビームの長さ100mmに対し、前記所定の
    距離を隔てた中心線上の位置を15〜20mmの寸法に
    すると共に、第一の曲率半径を110〜160mmに、
    かつ第二の曲率半径を60〜75mmの寸法に夫々し、
    前記亀裂進展部の最大幅の寸法がビーム幅の20%以下
    で、最小幅の寸法を1mm以上とし、また双方のビーム
    間の高さが該ビームの幅より大きいことを特徴とする腐
    食環境センサー。
  6. 【請求項6】 互いに対向する二つのビームと、該二つ
    のビーム間に該ビーム長さ方向の途中位置と末端とに亘
    り所定の幅をもって一体に形成された亀裂進展部と、ビ
    ームの他端部間に挿入され、夫々のビームに一定変位を
    付与するウェッジとを有し、該ウェッジにより亀裂進展
    部にビームの長さ方向に沿って亀裂を発生させるように
    した腐食環境センサーにおいて、前記亀裂進展部の幅
    は、亀裂進展終了端から亀裂進展開始端方向に向かい所
    定の距離を隔てた位置の中心線上を中心とし、亀裂進展
    開始端から前記中心線上の位置まて至るに従い第一の曲
    率半径をもって次第に狭め、かつ前記中心線上の位置か
    ら亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率半径より
    小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する形状に形
    成し、かつビームの長さ100mmに対し、前記所定の
    距離を隔てた中心線上の位置を15〜20mmの寸法に
    すると共に、第一の曲率半径を110〜160mmにか
    つ第二の曲率半径を60〜75mmの寸法に夫々し、前
    記亀裂進展部の最大幅の寸法がビーム幅の20%以下
    で、最小幅の寸法が1mm以上とし、かつ双方のビーム
    間の高さが該ビームの幅より大きい寸法とし、さらに前
    記亀裂進展部の側端部は先端に至るに従い先細となるV
    字状に形成し、かつ先端の曲率半径を0.1mm以下と
    したことを特徴とする腐食環境センサー。
  7. 【請求項7】 前記亀裂進展部を引張り残留応力が生じ
    ないよう機械加工により形成してあることを特徴とする
    請求項1〜6の一項に記載の腐食環境センサー。
  8. 【請求項8】 前記亀裂進展部の先端に放電加工により
    予亀裂を形成すると共に、該予亀裂を疲労させることに
    よって形成された疲労予亀裂を亀裂進展部の長さに沿っ
    て連設したことを特徴とする請求項1〜6の一項に記載
    の腐食環境センサー。
  9. 【請求項9】 前記亀裂進展部の先端に予亀裂を形成す
    ると共に、該予亀裂の先端に疲労させることによって形
    成された疲労予亀裂を亀裂進展部の長さに沿って連設
    し、さらに該疲労予亀裂の先端に、実際の応力腐食れに
    よって形成されたSCC予亀裂を連設したことを特徴と
    する請求項1〜6の一項に記載の腐食環境センサー。
  10. 【請求項10】 双方のビームの末端面にスポット溶接
    により固定され、かつ該ビームと同材質からなる薄板を
    有することを特徴とする請求項1〜6の一項に記載の腐
    食環境センサー。
  11. 【請求項11】 双方のビームの先端部間に挿入される
    ウェッジをビームと同材質で形成し、かつ該ウェッジを
    ビームに対しスポット溶接により固定したことを特徴す
    る請求項1〜6の一項に記載の腐食環境センサー。
  12. 【請求項12】 双方のビーム及びウェッジを挿通し、
    かつ該ウェッジをビームに固定する固定手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜6の一項に記載の腐食環境セ
    ンサー。
  13. 【請求項13】 前記ウェッジは周囲にねじ部を刻設す
    ると共に先端部を半球状に形成し、一方のビームにねじ
    込んで先端部が他方のビームを押圧することを特徴とす
    る請求項1〜6の一項に記載の腐食環境センサー。
  14. 【請求項14】 前記ウェッジは周囲にねじ部を刻設す
    ると共に先端部を半球状に形成した二個からなり、夫々
    を双方のビームに対しねじ込みかつ先端部を互いに圧接
    することを特徴とする請求項1〜6の一項に記載の腐食
    環境センサー。
  15. 【請求項15】 前記ウェッジは周囲にねじ部を刻設す
    ると共に先端部を半球状に形成した三個以上のものから
    なり、かつ一個のものはビームの端部にねじ込んで双方
    のビームに所定の変位を付与し、他の二個以上のもの
    は、一方のビームの途中位置に所望の間隔をもってねじ
    込んで双方のビームに一定の変位を付与するように構成
    したことを特徴とする請求項1〜6の一項に記載の腐食
    環境センサー。
  16. 【請求項16】 ウェッジは少なくとも表面が絶縁材を
    なしていることを特徴とする請求項1〜6の一項に記載
    の腐食環境センサー。
  17. 【請求項17】 双方のビームに該ビームの一端側から
    末端に形成された第一の孔と、該第一の孔に挿入し、か
    つセラミック製の筒体からなる複数本の碍子と、各ビー
    ムの一端面に一端が気密状態で固着され、かつ他端が複
    数本の碍子を挿通する直流電流供給用の給電リード線
    と、各ビームの外側表面部に該ビームの長さ方向に沿い
    等間隔にかつ気密状態で一端が夫々固着され、かつ他端
    が対応する位置の碍子を順次挿通する複数の電位差測定
    用の測定リード線と、双方のビームの他端部に気密状態
    に被着したキャップと、該キャップを気密状態で挿通し
    かつ給電リード線及び測定リード線の他端部と接続され
    た絶縁ケーブルとを有することを特徴とする請求項1〜
    6の一項に記載の腐食環境センサー。
  18. 【請求項18】 双方のビームを包囲し得る形状をなす
    と共に、一端に前記キャップを気密状態に固定したホル
    ダーを有し、かつ該ホルダーはウェッジより小さい形状
    の出入口を設けたことを特徴とする請求項19に記載の
    腐食環境センサー。
  19. 【請求項19】 ビーム及び亀裂進展部は応力腐食割れ
    感受性が高く、かつ降伏応力の高い材料で形成したこと
    を特徴とする請求項1〜6の一項に記載の腐食環境セン
    サー。
  20. 【請求項20】 応力腐食割れ感受性が高くかつ降伏応
    力の高い材料は、Cが0.05%以上の含有率を有する
    SUS304であることを特徴とする請求項17に記載
    の腐食環境センサー。
  21. 【請求項21】 一枚の圧延板材により、ビームの長さ
    と圧延板材の圧延方向とが同じで、かつ圧延方向と同一
    平面上において該圧延方向と直行する方向にビームの変
    位方向が作用するようビーム及び亀裂進展部を形成する
    ことを特徴とする請求項1〜6の一項に記載の腐食環境
    センサー。
  22. 【請求項22】 亀裂進展部の幅を、亀裂進展開始端か
    ら亀裂進展終了端の途中位置まで至るに従い第一の曲率
    半径をもって次第に狭め、かつ該途中位置から亀裂進展
    終了点に至るに従い前記第一の曲率半径より小さい第二
    の曲率半径をもって次第に拡開する形状に形成し、水中
    に設置される腐食環境センサーと、該腐食環境センサー
    に対し直流電流を、極性を切換えて給電する給電系と、
    腐食環境センサーにおける複数の所定位置間相互の電位
    差を測定する測定計と、直流ポテンシャル法により水質
    を判定する制御部とからなり、かつ該制御部は、測定計
    によって測定された電位差に応じ電位差比を求めると共
    に、その電位差比に基づき、該電位差比と亀裂長さ長さ
    と亀裂進展速度と腐食電位との関係から亀裂進展速度及
    び腐食電位を求め、求めた腐食電位と亀裂進展速度とに
    基づいて水質の良否を判定することを特徴とする腐食環
    境制御装置。
  23. 【請求項23】 亀裂進展部の幅を、亀裂進展開始端か
    ら亀裂進展終了端の途中位置まで至るに従い第一の曲率
    半径をもって次第に狭め、かつ該途中位置から亀裂進展
    終了点に至るに従い前記第一の曲率半径より小さい第二
    の曲率半径をもって次第に拡開する形状に形成し、沸騰
    水型原子炉の圧力容器と該圧力容器の循環系配管に夫々
    設置される腐食環境センサーと、該腐食環境センサーに
    対し直流電流を、極性を切換えて給電する給電系と、腐
    食環境センサーにおける複数の所定位置間相互の電位差
    を測定する測定計と、直流ポテンシャル法により炉水の
    水質を判定する制御部と、炉水に水素を注入する水素注
    入システムとを有し、かつ該制御部は、測定計によって
    測定された電位差に基応じ電位差比を求めると共に、該
    電位差比に基づき、その電位差比と亀裂長さとの関係及
    び亀裂進展速度と腐食電位との関係から亀裂進展速度及
    び腐食電位を求め、求めた腐食電位と亀裂進展速度に基
    づいて水素の注入量を算出し、算出した量の水素を水素
    注入システムを介し炉水に供給させることを特徴とする
    腐食環境制御装置。
  24. 【請求項24】 前記腐食環境センサーは亀裂進展部の
    幅が、亀裂進展終了端から亀裂進展開始端方向に向かい
    所定の距離を隔てた位置の中心線上を中心とし、亀裂進
    展開始端から前記中心線上の位置まて至るに従い第一の
    曲率半径をもって次第に狭め、かつ前記中心線上の位置
    から亀裂進展終了端に至るに従い前記第一の曲率半径よ
    り小さい第二の曲率半径をもって次第に拡開する形状に
    形成し、かつビームの長さ100mmに対し、前記所定
    の距離を隔てた中心線上の位置を15〜20mmの寸法
    にすると共に、第一の曲率半径を110〜160mmに
    かつ第二の曲率半径を60〜75mmの寸法に夫々する
    ことを特徴とする請求項22,23の一項の記載の腐食
    環境制御装置。
  25. 【請求項25】 前記、制御部は、測定計によって測定
    された電位差に応じ電位差比を求める手段と、求めた電
    位差比に応じ該電位差比と亀裂長さとの関係から亀裂長
    さを算出すると共に、複数の位置間の平均亀裂長さを算
    出する手段と、その平均亀裂長さに基づいて亀裂進展速
    度を求める手段と、亀裂進展速度に基づき亀裂進展速度
    と腐食電位との関係から腐食電位を求める手段と、求め
    た腐食電位と亀裂進展速度とに基づいて水素の注入量を
    算出する手段とを備えたことを特徴とする請求項22,
    23の一項に記載の腐食環境制御装置。
  26. 【請求項26】 伸縮可能に形成されたウェッジを挿入
    する互いに対向するビーム,ほぼ一定の幅に形成された
    亀裂進展部を夫々有し、かつ沸騰水型原子炉の圧力容器
    と該圧力容器の循環系配管に夫々設置される腐食環境セ
    ンサーと、該腐食環境センサーに対し直流電流を、極性
    を切換えて給電する給電系と、腐食環境センサーにおけ
    る複数の所定位置間相互の電位差を測定する測定計と、
    ウェッジを駆動し、腐食環境センサーに対する負荷荷重
    を変える駆動手段と、直流ポテンシャル法により炉水の
    水質を判定する制御部と、炉水に水素を注入する水素注
    入システムとを有し、かつ該制御部は、測定部によって
    測定された電位差に応じ電位差比を求める手段と、求め
    た電位差比に基づき、求めた電位差比に応じ亀裂長さを
    算出すると共に、複数の位置間の平均亀裂長さを算出す
    る手段と、その平均亀裂長さに基づいて亀裂進展速度を
    求める手段と、亀裂進展速度に基づき亀裂進展速度と腐
    食電位との関係から腐食電位を求める手段と、求めた腐
    食電位と亀裂進展速度とに基づいて水素の注入量を算出
    する手段と、算出した量の水素を水素注入システムを介
    し炉水に供給させる手段と、求めた平均亀裂長さの増大
    に伴い亀裂進展部における亀裂先端の応力拡大係数が一
    定となるよう駆動手段を介しウェッジを制御する手段と
    を備えることを特徴とする腐食環境制御装置。
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