JP3971185B2 - 環境評価等に用いる亀裂進展センサ及び亀裂進展量測定システム - Google Patents

環境評価等に用いる亀裂進展センサ及び亀裂進展量測定システム Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、構造物に腐食等の材質劣化をもたらす環境の評価やその環境中の構造物の健全性評価等に使用される亀裂進展(亀裂成長)センサ及び亀裂進展量測定システムに関する。
背景技術
構造材料を寿命間際まで最大限使用することは、資源の有効活用、経費節減という観点から有効である。構造材料を寿命間際まで使用するためには、構造材料の損傷や劣化の状態を監視することが必要である。特に構造物にダメージを与えるような環境中での構造物の材料特性変化、及びその環境自体をモニタリングすることは、機器の安全な運転に必要である。
現状では、例えば原子力発電プラントの水質評価の場合、次に述べるような従来例がある。
例えば、特開平6−273310号公報では配管の座、または測定対象部位に直接溶存酸素濃度計、導電率計、亀裂進展センサ、腐食電位センサ、pHセンサ等の測定センサを取付け、実機環境を評価している。この公知例の中では、亀裂進展センサに関しての詳細な記述は見られない。
また、特開平7−280794号公報に記載の評価法は、対象の装置から直接水をサンプリングするための配管を設け、そこから採取した水の成分を測定して水質評価を行なっている。水の成分は腐食電位計、溶存酸素濃度計を用いて測定し、そこに水素注入装置等を具備させることにより水質の調整も可能になる。
特許第2680697号に報告されている水質評価方法は、基準溶液と炉水との電位差を測定し、その電位差から溶存酸素濃度、導電率、炉水中に含まれるイオン濃度等を評価している。照射に伴う材料特性の変化は監視用試験片を予め炉内に挿入しておき、定期的にその試験片を取り出し、実際に材料強度を試験することにより評価している。
また、水質等の環境評価や環境における構造材料の健全性を評価する手段として、二重片持ち梁型(ダブルカンチレバー型)試験片を用いた亀裂進展センサがある。
このタイプの亀裂進展センサは、2本の梁を平行に近い状態で並べて梁同士の一端は結合し、この梁の結合箇所いわゆる付け根(ルート)に予めひび割れ(亀裂)を形成し、上記結合箇所と反対側の梁間に梁を押し広げる荷重を与えておくことにより、強制的に環境助長割れ(応力腐食割れ)による亀裂を進展させ、その亀裂進展速度から水質等の環境自体および環境中での構造材料の特性を間接的に評価するものである。
例えば、特開平6−323968号公報では、攻撃的な使用環境の構造部品に対する損傷の測定と監視を行うためのセンサ及びその製造方法に関するものであり、センサの形状は二重片持ち梁型で、梁と梁との間に楔,クランプまたはボルトを用いて梁に押し広げる荷重を与え、この荷重と腐食環境により梁同士の結合部の亀裂を進展させている。
また、特開平7−167764号公報では、梁と梁との間にベローズを挿入し、ベローズに高圧のガスまたは流体を流し込むことで、梁に押し広げる荷重を加えるようにしている。
これらのダブルカンチレバー型試験片を用いた亀裂進展技術は、水質等の環境を評価すると同時に、その水質環境に曝されている材料についても同時に評価できる利点がある。
上記したように、従来の亀裂進展センサは、二重片持ち梁型試験片を用い、梁を押し広げる荷重を梁に与えて環境助長割れによる亀裂を進展(成長)させているが、二重片持ち梁の構造から上記荷重が一定ならば、亀裂が進展するにつれて亀裂長さの先端に働く拡大応力係数が減少し、亀裂進展速度が亀裂長さによって大きく変化してしまい、また亀裂進展が早目に停止してしまう傾向が生じる。これを解消するためには、亀裂進展を与える荷重付加機構や梁の長さを大形化しなければならない。
また、二重片持ち梁型試験片に一定荷重を負荷後、このセンサを炉内に挿入セットした場合、センサの亀裂が停止してしまうと特開平6−323968号公報に記載のような応力負荷機構では回復することができずセンサとしての寿命がその段階で終わってしまう。また、炉内に挿入することを考慮するとセンサの小型化や、遠隔的な荷重の制御や亀裂進展の活性化制御が望まれる。
このような荷重制御の課題を解決するために、既述したように二重片持ち梁型試験片に加える荷重機構としてベローズを採用し、このベローズを水圧等により開閉制御してを負荷応力を制御することもできるが、センサの小型化という課題については未解決である。また、水圧やガス圧により荷重を制御するため、新たな圧力境界を形成し、その圧力境界の信頼性を確保する必要がある。また、構造物において起こる可能性がある損傷のひとつが表面での亀裂なのに対して、これらのセンサは亀裂を進展させる部位が表面より隙間部に近い環境である。
本発明の目的は、特に亀裂進展センサについて、従来提案されている二重片持ち梁型試験片を用いたものと構造の全く異なる新しいタイプのセンサを提案することで、設備への装着性に優れた小形で信頼性が高い亀裂進展センサ及び亀裂進展測定システムを提供することにある。また、小形を保持しつつ遠隔から亀裂進展の活性化を図り得る亀裂進展センサも提供する。
発明の開示
(1)本発明の基本的な構成は、材質劣化環境におかれて亀裂進展が助長されるセンサ要素を備えた亀裂進展センサにおいて、
前記センサ要素は、軸方向の両端部から軸方向に引っ張り荷重が加えられ或るいは軸方向の両端部からねじり荷重が加えられる構造をなし、このセンサ要素に前記引っ張り荷重或るいはねじり荷重による応力集中が生じる亀裂発生点が設けた点にある。ここで、亀裂発生点は、スリット,溝,ピンホール等が考えられる。
上記構成によれば、センサ要素に引っ張り荷重或るいはねじり荷重をかけることで亀裂発生点に応力集中が加わり、環境助長割れ(応力腐食割れ)による亀裂を進展させることが可能になる。この亀裂進展速度から水質等の環境評価や環境中の構造物の特性評価等が行われる。
本発明は、構造的には、従来の二重梁型構造と異なり、小さな単一体(例えば円筒体やプレート形状)のセンサ要素を採用でき、しかも、このセンサ要素に軸方向に引っ張り荷重又はねじり荷重を加える機構を内挿或るいは外挿してセンサ要素両端にこれらの荷重が加わる構成とすることで、機構部品の実装スペースをさほど要さず、合理的な実装構造を実現でき、センサ全体の小形化を図り得る。
例えば、前記センサ要素は、中空の円筒体で、前記円筒体の内部には、軸方向の引っ張り荷重を該円筒体に与えるための心棒又は/及びスプリングが内挿され、前記円筒体の両端には、前記引っ張り荷重を受ける荷重受けが設けられたものや、
前記センサ要素は、両端にばね荷重を受ける荷重受けを有するプレートで、前記プレートには、軸方向の引っ張り荷重を該プレートに与えるためのスプリングが外挿され、該スプリングの両端を前記荷重受けで受ける構造としたものがある。
また、ねじり荷重を加える構造としては、例えば、センサ要素は、中空の円筒体で、前記円筒体の内部には、ねじり荷重を該円筒体に与えるための心棒(トーションバー)が内挿され、前記円筒体の両端には、前記心棒にねじり荷重を加える機構が該円筒体の両端と掛かり合うようにして取付けられたものを提案する。(2)また、亀裂進展センサのセンサ要素として中空の円筒体を用い、この円筒体内に円筒体端部に引っ張り荷重を与える心棒を内挿したタイプについて、その心棒に熱膨張係数の大きい材料を用い、これを電気的に発熱させ或いは加熱する手段を設けて、その発熱或いは加熱制御を断続的に実施して心棒を伸縮させることで、亀裂進展部に遠隔制御により活性化を与え(この点については、実施例で詳述する)、センサの寿命を最大限に引き出すことが可能になる。
そのほか、心棒の熱伸縮制御にかえて、引っ張り荷重を心棒とスプリングの組合せで構成すれば、スプリングの伸縮による荷重調整により、亀裂が進展してもほぼ一定の荷重を負荷することが可能となり、センサを長期間使用することが可能となる。
(3)さらに、上記(1),(2)の亀裂進展センサに電位差法を適用可能したシステムとして、次のように構成したものを提案する。
すなわち、材質劣化環境におかれて亀裂進展が助長される亀裂進展センサの亀裂長を電位差法により測定して、環境評価あるいは環境中の構造物の健全性の評価を行う亀裂進展量測定システムにおいて、
前記亀裂進展センサは、軸方向の両端部から軸方向に引っ張り荷重が加えられ或るいは軸方向の両端部からねじり荷重が加えられるセンサ要素を備え、このセンサ要素に前記引っ張り荷重或るいはねじり荷重による応力集中が生じる亀裂発生点が設けてあり、このセンサ要素の亀裂発生点及び/又は亀裂進展する箇所を挾んだ位置に前記電位差法の測定系に用いる電流供給点と電位測定点を配設したことを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施の形態を図面に示した実施例により説明する。
第1図は、本発明の第1実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図、第2図はその部品の分解斜視図であり、例えば、水質モニタリングや構造物評価に用いられる。
本実施例に係る亀裂進展センサ1は、センサ要素を構成する中空の円筒体11に軸方向の両端部から引っ張り荷重を加えるタイプのものである。
第1図に示すように、円筒体(センサ要素)11の軸方向の中央部に周方向に延びるスリット10が形成されている。スリット10は、円筒体10全周の途中で途切れるように形成され、スリット10の両端は、円筒体11に軸方向の引っ張り荷重が加わったときにその応力集中が生じる箇所となり亀裂発生点となる。この場合の亀裂(ひび割れ)は、スリット10の周方向の延長線上(図2に示すようにスリット10の両端の間で亀裂進展する箇所であり、以下、この延長線上をリガメント部或いは亀裂進展箇所と称することもある)10aに生じる。
円筒体11の内部には、該円筒体11より幾分サイズを短くした心棒12が内挿され、円筒体11の両端外周には、おねじ11aが切ってあり、おねじ11aに軸方向の引っ張り荷重受けとなるキャップ13がねじ固着により取付けられている。
キャップ13の底部(端面)13aの中央には、心棒12とほゞ同径のねじ孔(めねじ)13bが設けられ、このねじ孔13bにねじ14a,14bが取付けられている。
ねじ14a,14bは、心棒12に軸方向から圧縮荷重を加えるためのもので、円筒体11両端のキャップ13を通してねじ14a,14bをねじ込むことで、ねじ14a,14bが心棒12を軸方向両端から挾んで圧縮荷重を加える。
本例の亀裂進展センサ1は、上記した心棒12に加わる軸方向の圧縮による反力が軸方向の引っ張り荷重となってねじ14a,14bから両キャップ13を介して円筒体11に作用する。すなわち、心棒12、キャップ13、ねじ14a,14bが引っ張り荷重をセンサ要素11に加える荷重印加機構を構成する。
これらの部品12,13,14は一つの組立体になって、部品飛散防止用の円筒形カプセル18に収納されている。カプセル18の両端外周にはおねじ18aが切られ、おねじ18aを介してカプセル18両端を閉ざすキャップ19がねじ固着により取付られている。
カプセル18内には、腐食環境中の流体、例えば水をカプセル18内に引き込むための窓(ここでは流水窓27と称する)が設けられている。流水窓27は種々の態様が考えられるが、本例では第2図に示すように、多数の孔をカプセル18内に配設することで構成している。
ここで、心棒12や円筒体11の材質は、ステンレス鋼等が考えられる。
本実施例のセンサ組立てを第2図を用いて説明する。
最初に円筒体11内に心棒12を挿入し、円筒体11両端に荷重受け用のキャップ13を取り付ける。次にキャップ13の中央部に荷重印加用のねじ14(14a,14b)を取付ける。その際、ねじ14のうち片方(例えば14b)を適度な位置までキャップ13にねじ込んだ後、反対側のねじ14aをねじ込む。ねじ14aの先端が円筒体11内の心棒12に到達した後も更にねじ14aを進入させると、心棒12がねじ14a,14bによって圧縮される。心棒12に十分な強度を有する材料を用いると、心棒12はねじ14a,14bから受ける荷重をそのまま反力としてねじ14a,14bに与える。心棒12からの反力は、既述したようにねじ14a,14bからキャップ(荷重受け)13を介して円筒体(センサ要素11に伝達される。
次いで、円筒体11,心棒12,キャップ13,ねじ14の組立体をカプセル18に内挿して、カプセル18の両端にキャップ19をねじ固着により取り付ける。なお、キャップ13やキャップ19の取付けは、溶接,かしめ,圧入等の固着方法であってもよい。
本実施例によれば、円筒体11に一様に引っ張り荷重が加わり、それよってスリット10の両端間に応力集中が生じて、リガメント部10aにおける応力腐食われによる亀裂進展が助長される。本実施例のタイプは、例えば定期点検のようなときに、センサ1を取り出して亀裂進展を電子顕微鏡等で観察することで、その亀裂進展度合いを知ることができ、その亀裂進展度合いから環境水やその中に構造物等の評価が可能になる。例えば、亀裂進展センサ1を水質モニタリングセンサとして使用し、一定期間評価対象の水質に曝し、その期間における亀裂進展量を定期点検時にモニタリングする場合である。この場合には、遠隔監視を不要とするので、特に監視システムに必要な電気的な配線は不要である。
なお、亀裂進展を常時必要に応じて遠隔監視したい場合には、電位差測定法が採用され、それによって測定した信号を電気的配線を介して外部に導く必要があるが、この例については、第3図〜第5図の実施例にて後述する。
心棒12からの反力は長手方向(軸方向)に延びる方向であるので、円筒体11にはスリット10を長手方向に広げるような引っ張り荷重が作用する。高温の環境で亀裂進展センサ1を使用する場合には、円筒体11のクリープ対処が必要であると考えられる。すなわち、円筒体11と心棒12の熱膨張係数を比較したとき、心棒12の熱膨張係数が小さい場合は、温度変化による熱膨張差により円筒体11のスリット10及び亀裂先端部をはじめ円筒体11の応力が緩和する。応力が緩和した結果、スリット10のリガメント部10aの亀裂進展は停止し、センサとしての働きを失う。そのため、心棒12は円筒体11と同じ材料または円筒体11より熱膨張係数の大きい材料を用いる。
心棒12に円筒体11と異なる材料を用いた場合、心棒12と円筒体11との間に腐食電位差が生じ、それにより亀裂進展が加速される可能性がある。そのような場合には、心棒12に絶縁性の被覆を施すことによって、腐食電位差による亀裂進展の加速を防ぐことが可能である。この絶縁性の被覆は、例えばジルコニウム表面に酸化膜を十分な厚さに成長させたジルコニウム管により心棒12を覆うようなものが考えられる。
本実施例によれば、亀裂進展センサ1の形状を円筒状にし、センサ要素11に引っ張り荷重を加える機構をセンサ要素11内部に設置することによりセンサを小形化することが可能になる。また、亀裂進展させるセンサ要素11の形状を円筒状にすることにより、実際の構造物と同じ表面亀裂進展のモニタリングが可能になる。
これらのセンサ構成部品は、カプセル18内に収容することにより、亀裂センサの部品が供用期間中に離散することはない。
また、センサ要素11を円筒形にすることにより、スリット10以外で応力の特異場は形成されず、スリット10周りに一様な応力場を形成することが可能である。
さらに、センサ要素11の寸法を変化させることにより、センサ1を任意の寸法にできる。例えば、円筒形センサ要素11の長さを長くすることが可能な位置においては、その長さを増すことにより、亀裂進展に伴い亀裂進展部に加えられる荷重が緩和される。
ここで、本発明の第2実施例を第3図から第5図を用いて説明する。
第3図は、本発明に係る亀裂進展センサ1の円筒体11に生じた環境助長割れによる亀裂進展量(亀裂長さ)を電位差法を用いて測定するようにした亀裂進展量測定システムの配線例を示す。
亀裂進展量測定システムは、センサ要素を構成する円筒体11に電位場を形成するための電流を印加する電流印加装置30、電流印加装置30によって発生した電位場を測定する電位測定装置31、電流印加装置30及び電位測定装置31を制御し、測定履歴および測定結果を記録する制御装置32、電流印加装置30と円筒体11を接続する電流印加用配線33、電位測定装置31と円筒体11を接続する電位測定用配線34から構成される。
制御装置32から電流印加装置30へ所定の電流を印加(供給)するよう出力命令が出される。その命令を受けて電流印加装置30から電流印加用配線33を介して円筒体11に電流が印加される。円筒体11の電流印加点に接続する電流印加用配線33の端子(電流印加端子,電流供給端子等と称される)は円筒体11の内面で、スリット(亀裂発生点)10及びそのリガメント部(亀裂進展箇所)10aを挟んで対称な位置、例えば35aと35c,35bと35dに示すように任意の数だけ接続される。
亀裂長さ測定系の電位差測定用配線34の円筒体11に対する接続位置(電位測定点)の端子(電位差測定端子)も、円筒体11の内面で、スリット10及びリガメント部10aを挟んで対称な位置、例えば36aと36b,36eと36f,36cと36d,36gと36h(図示せず)にあり、また、これらの電位測定用配線34の接続位置36a〜36hは電流印加用配線33の接続位置より軸方向の内側に位置している。これらの接続位置の数は任意である。
電流印加用配線33を介して円筒体11に電流が流れると、電流印加用配線取付位置(電流印加端子)35aと35c、または35aと35d、または35bと35c、または35bと35dの間に円筒体11の電気抵抗により電位差が発生する。特にスリット10周りでは円筒体11の断面積(電流通路面積)が小さくなるため抵抗が大きくなり、比較的大きな電位差が発生する。円筒体11のリガメント部10aにおける亀裂が進展すると、スリット10周りの円筒体11の断面積が更に小さくなり電位が変化する。その時の電位差測定系の配線取付位置(電位測定点)の端子36aとスリット10及びリガメント部10aを軸方向に挟んだ位置の電位差測定系の端子(電位測定点)36b、36f、36d、36hとの電位差の変化を配線34を介して電位測定装置31により測定する。同時に、電位差測定系の端子(電位測定点)36c、36e、36gに関しても36aと同様にスリット10及びリガメント部10aを軸方向に挟んだ位置の電位差測定系の端子36b、36f、36d、36hとのそれぞれの電位変化を配線34を介して電位測定装置31を用いて測定する。
制御装置32では電位測定装置31から読みとった電位差から亀裂長さを計算し、単位時間当たりの亀裂進展量を求める。
本実施例では、センサ要素におけるスリット(亀裂発生点)10及びリガメント部10a(亀裂進展させる箇所)を挾まない箇所の温度変動に伴う電位差の変化を検出しており(ここでは、この温度変動に伴う電位差検出に後述のように亀裂長さ測定系の端子36b,36f,36d,36hを利用しているが、別に専用端子を設けて検出してもよい)、さらに、制御装置32は、上記の端子36b,36f,36d,36hの端子間で検出した電位差からセンサ要素周りの温度評価を行う手段と、この温度評価に用いる電位差を用いて、前記電位差法の亀裂長さ測定系によって検出した亀裂長さ評価の電位差を温度補正する手段を備えている。具体的には次の通りである。
亀裂進展センサ1(センサ要素)周りの温度を測定する場合には、電位測定点36b、36f、36d、36hのように軸方向に同じ位置に取り付けられた端子間の電位から評価可能である。制御装置32は、その位置36b,36f,36d,36hでの電位差と亀裂長さ評価用に測定した電位差(例えば36a,36c,36e,36gのそれぞれに対する36b,36f,36d,36hの電位差)の比からき裂進展長さを評価することにより、温度変動の効果の少ない精度良い亀裂長さ測定が可能になる。これを詳述すれば、次の通りである。
電位測定端子36b,36f,36d,36hの端子間による電位測定は、それらの端子間に亀裂を挾んでいないので亀裂進展に伴う電位変化はない。しかし、実際に測定すると、36b,36f,36d,36hの端子間でも電位差があり、またその電位差は変化する。これは、温度変化により亀裂進展センサ1の材料自体の抵抗が変化するために生じるものである。したがって、これらの端子間の電位差を測定すれば温度変化を測定することが可能である。
亀裂長さ評価用の電位測定端子間、例えば端子36b−36c間で測定された電位差は、温度変化があるような環境では、
電位変化=亀裂長さによる電位変化+温度変化による電位変化
である。したがって同じ亀裂長さでも、温度が変化すれば見かけ上、亀裂の伸び縮みが観測されることになる。そこで、電位差の比を亀裂長さと温度変化の電位差から無次元量を定義する。
電位差比=亀裂長さによる電位差/温度による電位差
ここで、亀裂長さによる電位差は、亀裂長さ評価に用いた測定端子間の電位差であり、温度による電位差は、温度評価に用いた端子間の電位差である。
この電位差比から、温度変化の影響を小さくし、亀裂長さを精度良く評価することが可能である。
第7図の符号145は、本実施例に係る円筒型の亀裂進展センサにおいて、電位差測定法を採用した場合の電位変化と亀裂進展量の較正曲線である。ちなみち、符号146は、一般の亀裂進展試験や破壊靱性試験に用いるCT型試験片(コンパクトテンション型試験片となる小プレートに引っ張り荷重を加えてその亀裂進展試験や破壊靱性試験を行なうもの)に電位差法を採用した場合の電位変化と亀裂進展量の較正曲線、符号147は、DCB型試験片(ダブルカンチレバー型試験片)に電位差測定法を採用した場合の電位変化と亀裂進展量の較正曲線である。
本実施例の較正曲線は、従来のDCB型試験片よりも線形に近づけることができる。
第4図は、亀裂進展センサ1の心棒12を遠隔から電熱制御してセンサ要素(円筒体)11の亀裂進展の活性化を図る技術に関する説明図である。
亀裂進展センサ1を配置した水質環境が緩和し、亀裂が停止すると、そこに酸化皮膜が形成されていき、これが再度亀裂進展させる状況(水質環境悪化)になった場合に亀裂進展を妨げる原因となるので、この酸化皮膜を剥がしたり、亀裂進展を故意的に誘って亀裂先端を活性化させる必要がある。
人が簡単にアクセスすることが可能な環境に挿入された亀裂進展センサ1の場合は、人の手によって荷重印加用のねじ14を回すことにより、センサ要素11に印加される引っ張り荷重の増減(除荷負荷)を繰り返すことで、亀裂先端に物理的刺激(ストレス)を加えて酸化皮膜を剥離(除去)したり、亀裂進展を故意的に誘うこと、いわゆる亀裂進展の活性化が可能となる。一方、人がアクセスできないような環境に亀裂進展センサ1が配置された場合、遠隔操作によるセンサ要素11への除荷負荷が必要となる。そこで、除荷負荷を遠隔から実施(亀裂先端の活性化)するために、心棒12を伸縮させるための構造の例を第4図に示す。
遠隔からセンサ要素11に除荷負荷を実施する場合には心棒12に予め電熱(ヒータ)用リード線24を取付けておく。
上記リード線24を用いて心棒12を伸縮させる方法は、(a)に示すように心棒12に電流を断続的に印加し、心棒12自体を発熱,冷熱の繰り返しにより伸縮させる方法や、(b)に示すようにリード線24に通じる電熱線24′を心棒12に巻いて電熱線24′を断続的に発熱させ、電熱線24′からの熱を心棒12に伝達し、心棒12を加熱,冷熱させることで伸縮させる方法が考えられる。
(a)の場合には、心棒12の電気抵抗をリード線24より高くする必要がある。例えば、リード線24にニッケルを用いた場合は心棒12にステンレス鋼を用いること等が考えられる。
(b)の場合には、用リード線24よりも電熱線24′の電気抵抗を高めるものであり、リード線24と電熱線24′を同一材質の導線を用いた場合には、電熱線24′の断面積をリード線24よりも小さくして心棒12付近で発熱させている。また、心棒12に予め電熱線24′を巻くための溝26をある決まった間隔で加工しておくことにより、心棒12の軸方向に均一な温度分布の加熱が可能になる。
上記のように心棒12を伸縮させることで、センサ要素11のリガメント部10aに応力振幅(ストレス)が加わることで、亀裂進展の活性化が遠隔制御により可能になる。
心棒12の両端には絶縁抵抗25が設けてある。これは、電熱用リード線24と亀裂長さを測定するための電気系(第3図)の配線(計測系リード線)33や34とを隔離するためのものである。すなわち、絶縁抵抗25がない場合には、心棒12,キャップ13,円筒体11を介してリード線24と配線33,34とが短絡してしまうために、そのような事態にならないように心棒12の両端に絶縁抵抗25を設ける。この絶縁抵抗はキャップ13の内面に形成してもよい。
上記した亀裂先端の活性化法としては、その他に、圧電振動子を心棒12の軸方向に組み込み、圧電振動子に直接通電させ、その振動を用いて振幅荷重を与え、亀裂進展を活性化させることも可能である。
なお、亀裂進展活性化のほかに、上記した第4図の心棒加熱方式によれば、加熱電流を制御することにより心棒12の伸び率(熱膨張度合い)を変えることができ、それによって、センサ要素11に加えられる引っ張り荷重を遠隔制御により変えることができる。
この引っ張り荷重遠隔制御方式を採用することで、途中で亀裂長さ先端の応力拡大係数が減少した場合には(応力拡大係数は第3図の亀裂進展測定量を監視して、その履歴から把握できる)、心棒12を加熱するために電流を増やし、心棒12の熱膨張度合いを大きくして、センサ要素11の応力拡大係数を高め、引っ張り荷重を高める方向に調整することも可能になる。
従来の二重片持ち梁型センサでは、亀裂長さ先端の応力拡大係数が減少した場合には、梁間に介在させたベローズを水圧または空圧により遠隔制御して応力拡大係数を高める荷重制御を実施するため、新たに圧力境界を形成し、センサのためのセンサが必要となる機構であった。これに対して、本実施例のように心棒12の伸びを利用してセンサ要素11に加わる引っ張り荷重を制御するば、上記した従来センサの課題を解消できる。
第5図は上記した電位差測定法(第3図の亀裂進展量測定法)や電気的な心棒12の加熱制御(第4図の亀裂進展活性化,引っ張り荷重制御のほか電気振動子利用も含む)の少なくとも一つを採用した場合、その電気配線の配管ジョイントを設けた亀裂進展センサの実施例に係る断面図、第6図はその分解斜視図である。なお、第5図、第6図には、作図の便宜上、第3図,第4図に示した電気配線について図示を省略している。
本実施例に係る亀裂進展センサの構成は、基本的には、第1実施例と同様の構造であり、相違する点は、電気配線用配管15、配管ジョイント16、配管ジョイント用の締め付けナット17等の部品を用意して、これらの部品を亀裂進展センサ1に装備したものである。
心棒12に圧縮荷重を加えるねじ14のうち一方のねじ14aには、電気配線を導くための孔200及び201が形成されている。孔200は、ねじ14aの頭からねじの軸方向の途中位置までに穿設されており、孔201は孔200の位置から半径方向に向って複数穿設され、ねじ14aをキャップ13にねじ込んだときに孔201の開口がセンサ要素11内に臨むようにねじ14aの外周面に開口している。
孔200の少なくとも一端(ねじ14aの頭側)には、めねじ203がきってあり、めねじ203に配管ジョイント16をねじ込むことで、センサ要素(円筒体)11と配管ジョイント16が一つの組立体を構成している。
電気配線用配管15は、カプセルキャップ19の底部(端面)に設けた孔20を通して荷重印加用ねじ14aに取り付けた配管ジョイント16に導かれ、配管ジョイント16のスリット付きねじ部16aをナット17で締め付けることで、配管15が配管ジョイント16に固定される。センサ要素11に対して電位測定や心棒12を加熱する電気配線は、配管ジョイント16に設けた孔201,孔200及び配管ジョイント16,配管15を介して外部に引き出される。
第8図は、本発明の第3実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図である。図中、既述した実施例と同一符号は同一或いは共通する要素を示す(第9図以降も同様である)。
本実施例において、既述した第1実施例と相違する点は、センサ要素(円筒体)11に引っ張り荷重を加える手段である。
すなわち、本実施例は、円筒体11の内部にスプリング28(ここでは一例としてコイルスプリングを例示する)を内挿し、このスプリング28を円筒体11の両端に取り付けたキャップ(荷重受け)13のねじ込みにより圧縮させて、その反力である引っ張り荷重がキャップ13を介して円筒体11の軸方向に加わるようにしてある。このような構成においても、スプリング28を介してセンサ要素(円筒体)11のスリット10の両端に応力集中を生じ、リガメント部10aに環境助長割れによる亀裂を進展させることが可能になる。
本実施例によれば、第1の実施例同様の効果を奏し、また、亀裂が進展しても亀裂長さ先端の応力拡大係数を簡易な構成により保持し、長期にわたる亀裂進展動作を保証する。
なお、本実施例においても、電位差法により亀裂進展量を測定する場合には、第3図に示した配線構造を採用し、第5図及び第6図に示すような電気配線用配管15,配管ジョイント16,ジョイント用ナット17を用いた構造にすることができる。
第9図は本発明の第4実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図である。
本実施例は、センサ要素(円筒体)11に引っ張り荷重を加える方式として、第1実施例の心棒方式と第3実施例のスプリング方式を併用する。
すなわち、本実施例では、センサ要素11内には、心棒12とスプリング28が内挿され、センサ要素11に加えられる軸方向の引っ張り荷重は、心棒12の圧縮による反力(引っ張り荷重)とスプリング28のばね力で複合的に生成されて、キャップ(荷重受け)13を介してセンサ要素11に加えられる。
本実施例によれば、既述した第1、第3実施例と同様の効果を奏するほかに、より大きな引っ張り荷重をセンサを大形化することなく確保でき、しかも長期にわたる亀裂進展のための応力拡大係数の維持を保証することができる。
第10図は本発明の第5実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図、第11図はそのうちの中心部であるセンサ要素組立体を取り出しキャップ13を緩めた斜視図である。
本実施例に係るセンサ要素(円筒体)11は、円筒体11の両端に荷重受けとなるキャップ13がねじ固着により取付けられる。このうち、一方のキャップ13の底部13aにねじ孔13bが設けられ、もう一方のキャップ13の底部13aには、ねじ孔13bが設けられていない。
心棒12は、円筒体11の長さより長くして少なくとも一端外周にねじ12aがきられており、このねじ12aを介して心棒12が一方のキャップ13の底部に設けたねじ孔13bを通してねじ込まれる。12bは心棒12一端に設けたねじ頭である。心棒12のねじ込みにより心棒先端がもう一方のキャップ13の底部に突き当たるまで円筒体11内部に挿入され、この心棒12によりキャップ13に荷重をかけて円筒体11に引っ張り荷重が作用するようになっている。
本実施例の組立ては、最初に円筒体11の両端にキャップ13を取付け、その後にねじ付き心棒12を一方のキャップ13を通して円筒体11にねじ込んでいく。このようにして組み立てられた荷重印加機構付きセンサ要素は、カプセル18内に収納される。
本実施例においても、既述した実施例と同様の効果を奏することができる。
第12図に今まで述べた実施例のスリット部10の端部に加わる引っ張り荷重と亀裂進展量の関係を示す。
第12図中の曲線120は、第1図、第5図、第8図、及び第10に示したねじ14、またはスプリング28またはねじ付き心棒12によってセンサ要素に一定の変位を与える荷重印加方式の特性曲線であり、変位一定型曲線と称せられる。曲線121は、従来例の特開平7−167764号公報に示されるようにダブルカンチレバーに加わる荷重をベローズの圧力制御により亀裂が進展してもほゞ一定に保つ方式の特性曲線であり、荷重制御型の曲線と称せられる。
また、曲線122は、第9図の実施例のようにねじ14及びスプリング28によりセンサ要素に一定の変位を与えるねじ−ばね複合荷重印加方式の特性曲線である。
荷重制御型特性121の特徴は、亀裂が進展してもある一定以上の荷重を負荷しておくことが可能であるため、センサ1を最終破断まで有効に活用することが可能である。その反面、最終的には亀裂進展センサ1が破断してしまうこと、亀裂の進展が早いため、センサの寿命が短い等の課題もある。
変位一定型特性120の特徴は、センサの亀裂進展に伴いスリット部10での荷重が小さくなるため、センサが最終破断まで到達するのが困難である。したがって、センサを最終破断に至れない分だけ寿命が短くなるが、上記特性121の従来例に比較して亀裂進展の速度を遅くしてセンサの寿命向上を図り得る。また、センサ1の炉内への飛散等に関する問題は非常に小さい。
ねじ−ばね複合荷重印加方式の特性122によれば、亀裂進展による荷重の低下を押さえ、しかも亀裂進展速度も速すぎず、センサ寿命を最も向上させることができる。
第13図に上記実施例に用いる円筒形のセンサ要素11の他の加工例を示す。
第13図(a)は、センサ要素11のリガメント部(亀裂進展部)10aに予めサイドグルーブ(周方向に延びる条溝)110を設けたものである。
このようにすれば、亀裂進展センサの安定した亀裂進展とその亀裂進展速度の精度良い評価が可能になる。
また、第13図(b)は、センサ要素11におけるスリット10の片端部にスリットよりも孔径が拡がるストップホール111を設けたものである。
このようにすれば、ストップホール111のある側のスリット端部の応力拡大係数が小さくなるため、ストップホール111とは逆のスリット端部側に亀裂進展がすすむ。片端のみに亀裂が進展することで、センサ要素11での亀裂進展部が長くなるため、センサを長期間使用することが可能になる。
第14図に、センサ要素11に形成する応力集中による亀裂発生点として、スリットに代わるものを例示した。第14図(a)では、亀裂発生点を溝135により構成した。溝135の形状は種々のものが考えられるが、一例として円形溝と細い線溝の組合せを例示している。第14図(b)は亀裂発生点としてピンホール136により構成したものを例示した。
これらの亀裂発生点の形態を種々変化させることにより亀裂進展部における応力集中の程度を変化させることが可能である。この場合の応力集中は、スリット、溝、ピンホールの順に大きい。これらの使い分けは、例えば、材料への影響が小さく、亀裂進展速度が非常に小さい環境、短期間に精度よく環境の変化を評価したい場合には応力集中係数の大きいスリットを用いる。また、照射等、材料そのものの特性を変化させ、安定した亀裂進展方向が得られない場合には、溝を用いることにより、亀裂進展方向を強制的に決定する。また、環境が非常に劣悪で亀裂進展速度が非常に速いと考えられる環境においてはピンホールを用いれば、センサの寿命を延ばすことができる。
第15図は本発明の第6実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図である。本実施例では、センサ要素については今まで述べた円筒体に代わり、平板型にした。
すなわち、センサ要素11は、両端にばね荷重を受ける荷重受け13を有するプレート(平板)11′よりなり、プレート11′には、軸方向の引っ張り荷重を該プレートに与えるためのスプリング28が外挿され、スプリング28の両端を荷重受け13で受ける構造とした。プレート11′の軸方向の中央位置に前記引っ張り荷重による応力集中が生じる亀裂発生点、例えばスリット10が設けてある。
プレート11′は、その両端に円筒形のねじ部11cが設けられ、このねじ部11cにばね受け13となるキャップがねじ込みにより取り付けられている。
センサ要素11,スプリング28,ばね受け(キャップ)13の組み立ては、カプセル18内に収納されている。
本実施例においては、スプリング28のばね荷重がキャップ13を介してプレート11′に加わることで、プレート11′に引っ張り荷重が印加され、スリット10の両端に応力集中が加わるものであり、それにより亀裂進展が助長される。
今まで述べてきた実施例は、センサ要素11に軸方向の引っ張り荷重を加える方式の亀裂進展センサであったが、引っ張り荷重に代えてセンサ要素11にねじり荷重を加えて亀裂進展を助長させることも可能である。
第16図にその一例(第7実施例)を示す。第16図は、亀裂進展センサ1のうち、カプセル18については図示省略してセンサ要素11とそれにねじり荷重を印加する機構についてのみ例示する分解斜視図である。
センサ要素11は、中空の円筒体で、円筒体11の内部には、ねじり荷重を該円筒体に与えるための心棒(トーションバー)150が内挿され、円筒体11の両端には、心棒150にねじり荷重を加える機構(151及び153)が円筒体11の両端と掛かり合うようにして取付けられている。
本実施例では、ねじり荷重の印加機構が次のようにして構成されている。以下、その機構について、センサの組立てと併せて説明する。
心棒12は、円筒体11よりも長くしてあり、その両端に差し込み溝150aが設けられている。円筒体11の両端外周には、ねじり荷重を印加するためのキャップ151をねじ込むためのねじ11aが切られている。また、円筒体11の両端には、ねじり荷重を固定するためのスリット154a,154bが形成されている。スリット154aとスリット154bは、互いに周方向に位置をずらしてある。キャップ151には、その内周に円筒体11のねじ11aにねじ込むためのめねじ部151dが形成され、底部151aには、心棒150の端部を受け入れる孔151bと、ねじり荷重固定用の留め具(板材)153を差し込ませるためのスリット151cが形成されている。スリット15cは孔151の径とクロスするようにして設けてある。
円筒体11の軸方向の中央には、応力集中が加わる亀裂発生点となるスリット152が周方向のラインに対して45度の傾きで設けてある。
これらの部品を組み立てる場合には、最初に、心棒150に一方のキャップ151、円筒体11、もう一方のキャップ151の順番でこれらの部品151及び11を挿入する。
次いで、一方のキャップ151(いずれのキャップでもよいが、ここでは、図の左側のキャップとする)を円筒体11の一端にねじ込む。このねじ込みは、キャップ151に設けたスリット151cと、心棒150に設けたスリット150aと、円筒体11に設けたスリット154aとが最終的に方向一致するようにして行なわれ、これらのスリット151c,150a,154aに一方の留め具153を押し込み固定する。
次いで、もう一方のキャップ151(ここでは、図の右側のキャップ)を円筒体11の他端に数回転ねじ込み、キャップ151のスリット151cと心棒150のスリット150aとが方向一致する位置でキャップ151のねじ込みを一旦停止させて、もう一方の留め具153をスリット151cとスリット150aに押し込む。この状態で右側のキャップ151にねじ込み力を加えると留め具153を介して心棒150がねじられ、心棒150の右側端のスリット150a及び右側のキャップ151のスリット151cが円筒体11のスリット154bにきた位置でさらに留め具153をスリット154bに掛かるように押し込む。
このようにすれば、心棒150にはねじり荷重が加えられ、そのねじり荷重の反力が留め具153を介して円筒体11にねじり荷重として加えられる。ねじり荷重の大きさの調整は、心棒150のねじれ度合いすなわちセンサ要素両端に設けたスリット154a,154bの周方向の相対的なずれ量(角度)により決定される。
スリット10の加工方向を45°方向とし、ねじりの荷重を印加することにより、スリット10にせん断応力が生じ、亀裂は45°方向に進展する。この場合、亀裂進展に伴うねじりによる荷重の応力緩和は非常に小さいので、スリット10を垂直に導入した時と比較して、一度決めた荷重で亀裂進展期間を長くすることが可能であり、亀裂進展センサとして有効である。
第17図に亀裂進展センサ1の適用例として、原子力発電所内の水質をモニタする場合について示す。
第17図は沸騰水型原子力発電プラントを模式的に示している。圧力容器50内の水は燃料集合体69により加熱される。蒸気となった水はタービン57に送られ、タービン57を回転し、発電する。タービン57を通過した蒸気は復水器56によって水に戻され、給水ポンプ55によって再度圧力容器50に戻される。圧力容器50内では、圧力容器50内部の水を撹拌するために再循環ポンプ54、再循環系配管61、ジェットポンプ53を介して圧力容器50の底部へ水を強制的に送り込む。
原子力発電所の場合、水質をモニタすることが望まれる位置は、燃料集合体69周りや圧力容器50の底部の水質である。これは、水に含まれる酸素および水の分解によって生じるラジカル種、過酸化水素等が、燃料集合体69周りや圧力容器50の底部の機器に影響を与える可能性があるからである。
評価対象機器に近く、亀裂進展センサ(水質モニタリングセンサ)1を設置することが可能な位置の例としては、中性子計測管51、ボトムドレン配管59、ICM案内管66、ほう酸水注入口67が考えられる。その他にも各構造物に対応した治具を作製することにより、亀裂進展センサ1を取付けることが可能である。
亀裂進展センサ1の取付けは可能であるが、き裂長さを測定するための配線の引回しが困難な場所には、亀裂進展センサ1をセンサ格納容器60に格納するか、または直接,炉内構造物に固定し、一定期間放置後、定検時等に亀裂進展センサ1を取り出し、き裂長さを測定する。
センサ格納容器60は炉内の任意の場所に設置される。例えば、上部格子板65の円周端部に固定する、または模擬燃料集合体に固定する等が考えられる。また、亀裂進展センサ1を直接固定する場合は、例えば上部格子板、炉心支持板、給水スパージャ、ジェットポンプ等に取り付けられている吊込み治具、フローバッフル等に取り付けることが考えられる。測定されたき裂長さから評価される水質は、亀裂進展センサ1を放置した期間の平均的な水質である。
第18図は、亀裂進展センサ1を中性子計測管52に適用した例である。第18図の(a)は中性子計測管52の一部を断面して示す図、(b)はそのA−A′断面図、(c)はそのB−B′断面図である。
本例では亀裂進展センサ1を複数配設し、電位差計測法を用いて亀裂進展を測定する。15b,15cは、これらの計測等に使用される電気配線用の配管である。中性子計測管52の断面形状は、第18図(b),(c)に示すように菱形の各辺に曲率を持つような形状をしている。
亀裂進展センサ1の構成は既述した実施例のいずれかと同じであり、また、電位差測定システムを採用している。
ここで、センサ要素を収納するカプセル18の両端は、キャップ19により閉じられおり、キャップ19(19b,19a)の形状を中性子計測管52の断面形状と同じにし、さらに断面方向の大きさも中性子計測管52とほぼ同じ大きさにする。原子力発電プラント内部に設置するため、キャップ19はカプセル18にねじ込まれた後、溶接によってカプセル18に取り付けられる。
カプセルキャップ19の横断面形状を、中性子計測管52と同じ形にすることにより、キャップ19及びカプセル18が中性子計測管52内で回転するのを防止し、さらにキャップ19を溶接により固定することにより、亀裂進展センサ1がプラント運転中に炉内に飛散することを確実に防止できる。
原子力発電所のように、亀裂進展センサ1をセットした後、一定期間はセンサ1と接触できないような場合には、センサの寿命を考慮して、第18図(a)に示すように、亀裂進展センサ1を複数本用意し、各センサ1に熱膨張係数の異なる材質の心棒12を組み込んで、中性子計測管52に挿入しておくことが望ましい。
各センサ1ごとの心棒12の熱膨張係数を異ならせることで、センサ1の亀裂発生点(例えばスリット10)に作用する応力レベルが変化し、結果的にスリット10の応力拡大係数が変化する。応力拡大係数が異なると、同じ水質でも亀裂進展速度が異なるため、一本のセンサで水質をモニタリングするよりも長い期間水質をモニタリングすることが可能になる。
なお、第17図および第18図に示すように、亀裂進展センサ1を中性子計測管52内に縦列に設置する場合、中性子計測管52内で配線用配管15を配置するスペースの確保が困難である。そこで、カプセルキャップ19に配管固定穴70を予備も含めて複数本加工しておく。
このようにすることで、第18図に示すように、亀裂進展センサ1から引出される配線用配管15bは他の亀裂進展センサ1のカプセルキャップ19a及び19a′の各配管固定穴70を通すように設置される。
同様に、配線用配管15cはカプセルキャップ19b、19a、19a′に加工されている配管固定穴70を通るように設置される。配管固定穴70を通るように配線用配管15を設置すると、中性子計測管52に亀裂進展センサ1を複数個設置できると同時に、複数個設置された亀裂進展センサ1が各々のセンサ1の配線用配管15に固定されるため、炉内に設置した際の亀裂進展センサ1の揺れ防止に効果がある。
第19図に、亀裂進展センサ1を炉底部のドレン配管59に適用した例について示す。亀裂進展センサ1の構成は、既述した実施例のいずれか一つと同じものである。亀裂進展センサ1のカプセル18の片端は、フランジ80に直接溶接し、固定している。
ドレン配管59に限らず、亀裂進展センサ1を取付ける場合、フランジ80に直接,センサ1を取り付けることにより、フランジ80の取り外しが直接,亀裂進展センサ1の脱着になるため、着脱に伴う作業性が改善されると同時に、フランジ80に予めセンサ類を取り付けた後、配管に設置することができるので、設置に伴う不良が減少し、センサの信頼性が確保できる。
フランジ80に設置する亀裂進展センサ1は、複数本設置するか、または腐食電位を測定する腐食電位センサ64と併せて設置する。
またその他の水質計測機器、例えば導電率計、溶存酸素濃度計を同時に設置することが可能である。ここで、亀裂進展センサ1を複数本取付ける目的は、上記中性子計測管52の場合と同様に、亀裂進展センサ1の心棒12に、センサごとに熱膨張係数の異なる材質を用いることにより、亀裂進展速度に幅を持たせ、長期間水質をモニタリングすることを可能にするためである。
腐食電位センサ64と併せて設置することにより、従来までの水質評価指標である腐食電位と、亀裂進展センサ1が設置されている環境中における構造材料のき裂進展速度との対応がとれる。
再循環系配管68に取付ける場合も、同様な方法でモニタリング可能である。
第20図に亀裂進展センサ1をICM案内管66に適用した例について示す。第20図の(a)はICM(In Core monitoring)案内管66の部分正面図、(b)はそのA−A′断面図である。
亀裂進展センサ1の構成は既述した実施例のいずれか一つと同様である。ICM案内管66位置での特徴は、第17図のジェットポンプ53から炉水が吐出される付近に設置されているため、炉水が高流速になっていることである。
高流速場での水質評価は、従来技術では困難である。例えば、DCB試験片では、カンチレバー間の狭い空間を高流速が入るのが無理であり、高流速場での水質評価を困難にしている。
亀裂進展センサ1では、カプセル18を外したりしてセンサ要素11をそのままICM案内管66に配置することで(カプセル18がある場合には、その流水窓を通して)、高流速流体をセンサ要素11周囲に流すことができ、積極的に高流速場に曝すことが可能になる。
通常、ICM案内管66内には中性子計測用のセンサを炉心に設置するための装置が全体を占めているため、亀裂進展センサ1を設置することは不可能である。そこで、あえてプラントの運転に影響を与えない中性子計測用のセンサを取り除き、水質モニタリングセンサ1用に空洞のICM案内管66をつくる。ICM案内管66を単に空洞化しただけでは中性子案内管66内の炉水は澱んでいるため、炉水を積極的にICM案内管66に導くように高流速水案内窓91をICM案内管66の側面に加工する。
本実施例では、積極的に亀裂進展部であるセンサ要素11を高流速環境に曝す方法として、カプセル18の代わりに、ICM案内管66内面に、亀裂進展センサ1を挟み込むように高流速用フィルタ90を取付ける。高流速用フィルタ90は、水流方向に蜂の巣状に最大でも心棒12より小さい穴が加工してあり、炉水の流れの妨げにならないようにすると同時に、カプセル18と同等の役割を持つ。
ICM案内管66に亀裂進展センサ1(水質モニタリングセンサ)を取り付けることにより、亀裂長さを測定するための計測用配線は、従来、中性子計測用センサの配線を引き出していた部分に容易に取り付けることが可能である。
高流速水案内窓91によりICM案内管66の外面よりは小さいが、高流速環境を形成することが可能になる。
亀裂進展センサ1は、ICM案内管66内の炉水の流れ方向に平行に取り付けられる。亀裂進展センサ1を炉水の流れに対して垂直に取り付けた場合、高流速であるためセンサ1を支持するために非常に大きな支持具が必要となる。
第21図に亀裂進展センサ1を再循環系配管61から分岐させた水質計測用配管62に設置されている水質試験槽63に設置した例について示す。第21図の(a)は水質試験槽63付近を示す開披断面図、(B)はそのB−B′断面図である。炉水の流れは第21図中の矢印である。
亀裂進展センサ1の構成は、既述した実施例のいずれか一つと同じである。また設置方法は第19図のボトムドレン配管59に設置した時と同じである。また、腐食電位センサ64と併せて亀裂進展センサ1を設置することにより、従来までの水質評価指標である腐食電位と、亀裂進展センサ1が設置されている環境中における構造材料のき裂進展速度との対応がとれる。
水質試験槽63を用いることによる効果は、水質試験槽63を圧力容器より十分離れた人の立ち入りが可能な位置に設置することにより、随時水質モニタリングセンサ1の状態を直接監視できる点である。
第22図に亀裂進展センサ1をジェットポンプ53の吊具100に取付けた例について示す。亀裂進展センサ1の構造は既述した実施例のいずれか一つである。亀裂進展センサ1はU字の留具101により保持されている。センサ1のカプセル18にはU字留具101を掛け回すためのU字留具用の溝103が形成され、この溝103にU時留め具101が嵌まり合っている。また、カプセルキャップ19にはセンサ誘導用アイボルト102を固定するためのねじが予め加工されている。
U字留具を固定するためのナット106を締め付けることにより、亀裂進展センサ1がセンサ支持板105とU字留具101の間に挾み込まれ、センサ支持板直下に亀裂進展センサ1が半径方向に固定される。また亀裂進展センサ1は、U字留具固定用の溝103により、センサ1の軸方向に固定される。従って、亀裂進展センサ1は、ジェットポンプ吊具100の穴に固定されるため、運転中に水質モニタリングセンサ1が炉内に飛散することは無い。
産業上の利用可能性
以上のように本発明によれば、実機構造物が曝されている水質環境およびその環境中での構造材料の環境助長割れ特性をモニタリングすることが可能である。特に従来提案されている二重片持ち梁型試験片を用いたものと構造の全く異なる新しいタイプのセンサを提案することで、設備への装着性に優れた小形で信頼性が高い亀裂進展センサ及び亀裂進展測定システムを提供することにある。
また、小形を保持しつつ遠隔から亀裂進展の活性化を図り得る亀裂進展センサも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図、第2図は第1実施例の分解斜視図、第3図は本発明の第2実施例に係る亀裂進展センサと亀裂進展測定システムの組合せを一部断面して示す構成図、第4図は上記実施例に使用する心棒の加熱機構を示す斜視図、第5図は本発明の第2実施例に係る亀裂進展センサの縦断面図、第6図は本発明の第2実施例の分解斜視図、第7図は亀裂進展センサに電位差測定法を適用した場合の較正曲線を従来例と比較して示す説明図、第8図は本発明の第3実施例に係る縦断面図、第9図は本発明の第4実施例に係る縦断面図、第10図は本発明の第5実施例に係る縦断面図、第11図は本発明の第5実施例に係る亀裂進展センサからセンサ要素の組立体を取り出した斜視図、第12図は亀裂進展センサの従来例と本発明の荷重−亀裂進展量特性を示す図、第13図は上記実施例に用いる円筒型センサ要素の別の態様を示す斜視図、第14図は上記実施例に用いる円筒型センサ要素の別の態様を示す斜視図、第15図は本発明の第5実施例に係る縦断面図、第16図は本発明の第6実施例に係る分解斜視図、第17図は本発明の亀裂進展センサ及び亀裂測定システムを原子力発電プラントに適用した図、第18図は本発明の亀裂進展センサを中性子計測管内に配置した状態を示す説明図、第19図は本発明の亀裂進展センサをドレン配管内に配置した状態を示す説明図、第20図は本発明の亀裂進展センサをICM案内管に配置した状態を示す説明図、第21図は本発明の亀裂進展センサを水質試験槽内に配置した状態を示す説明図、第22図は本発明の亀裂進展センサを吊込み治具に配置した状態を示す説明図である。

Claims (15)

  1. 材質劣化環境におかれて亀裂進展が助長されるセンサ要素を備えた亀裂進展センサにおいて、
    前記センサ要素は、中空の円筒体よりなり、前記円筒体の内部に軸方向の圧縮荷重が加えられた心棒が内挿され、この心棒に加えた圧縮荷重に対する反力を用いて前記円筒体の両端に引っ張り荷重が加えられており、前記円筒体に前記引っ張り荷重による応力集中が生じる亀裂発生点が設けてあることを特徴とする亀裂進展センサ。
  2. 前記円筒体は、両端に前記荷重受けとなるキャップが固着され、これらのキャップの底部には、前記円筒体の内部の前記心棒に軸方向から圧縮荷重を加えるねじが取付けられ、前記心棒に加わる軸方向の圧縮による反力が軸方向の引っ張り荷重となって前記ねじから前記キャップを介して前記円筒体に加わる構成となっている請求項記載の亀裂進展センサ。
  3. 前記円筒体は、両端に前記荷重受けとなるキャップが取付けられ、前記心棒は前記円筒体の長さより長くして少なくとも一端外周にねじがきられており、このねじを介して前記心棒が前記キャップのうち一方のキャップの底部に設けたねじ孔を通して前記円筒体の内部にねじ込まれ、このねじ込みにより該心棒の先端がもう一方のキャップの底部を押圧することで前記円筒体に軸方向の引っ張り荷重が加わる構成となっている請求項記載の亀裂進展センサ。
  4. 前記円筒体の内部には、前記心棒のほかにスプリングが内挿されて、このスプリングの荷重も前記円筒体両端の前記キャップの底部に加わるように構成されている請求項又は記載の亀裂進展センサ。
  5. 前記心棒は、前記円筒体と熱膨張係数が同一或いはそれよりも大きい材料よりなる請求項ないしのいずれか1項記載の亀裂進展センサ。
  6. 前記心棒を電気的に発熱あるいは加熱する手段を備えている請求項ないしのいずれか1項記載の亀裂進展センサ。
  7. 材質劣化環境におかれて亀裂進展が助長されるセンサ要素を備えた亀裂進展センサにおいて、
    前記センサ要素は、中空の円筒体で、前記円筒体の内部には、ねじり荷重を該円筒体に与えるための心棒が内挿され、前記円筒体の両端には、前記心棒にねじり荷重を加える機構が該円筒体の両端と掛かり合うようにして取付けられており、前記円筒体に前記ねじり荷重の応力集中が生じる亀裂発生点が設けてあることを特徴とする亀裂進展センサ。
  8. 前記亀裂発生点は、スリット、溝、ピンホールのいずれか一つである請求項1ないしのいずれか1項記載の亀裂進展センサ。
  9. 前記スリットの一端の応力拡大係数を小さくするストップホールが形成されて、このストップホールがない側のスリット一端から亀裂進展が始まるようにした請求項記載の亀裂進展センサ。
  10. 前記センサ要素の裂が進展するリガメント部に予めサイドグループを加工しておく請求項1ないしのいずれか1項記載の亀裂進展センサ。
  11. 前記センサ要素は、該センサ要素の亀裂進展度から間接的に健全性が評価される評価対象機器と同じ材料であるか、または評価対象機器と同材料で劣化させてある請求項1ないし10のいずれか1項記載の亀裂進展センサ。
  12. 前記センサ要素と、前記引っ張り荷重又はねじり荷重を加える機構との組立体は、カプセルに収容され、該カプセルに環境中の流体を引き込むための窓が設けられている請求項1ないし11のいずれか1項記載の亀裂進展センサ。
  13. 原子炉の炉水環境に請求項1ないし12のいずれか1項に記載した亀裂進展センサを設け、このセンサを用いて炉水環境中の亀裂進展速度を測定することを特徴とする亀裂進展量測定システム。
  14. 原子炉の炉水環境に請求項1〜6、8のいずれか1項に記載された円筒体型の亀裂進展センサを設け、その円筒体の内面に電位差法の測定系に用いる電流印加点と電位測定点が配設され、これらの測定系に用いる電気リード線がセンサ一端から電気配管ジョイントを介して外部にまとめて導かれていることを特徴とする亀裂進展量測定システム。
  15. 前記センサ要素における前記亀裂発生点及び亀裂進展させる箇所を挟まない箇所の温度変動に伴う電位差の変化を検出してセンサ要素周りの温度評価を行う手段と、この温度評価に用いる電位差を用いて、前記電位差法の亀裂長さ測定系によって検出した電位差を温度補正する手段と、を備えた請求項14記載の亀裂進展量測定システム。
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