JPH07248291A - 腐食環境の測定方法及び腐食環境測定き裂センサー - Google Patents

腐食環境の測定方法及び腐食環境測定き裂センサー

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JPH07248291A
JPH07248291A JP3966394A JP3966394A JPH07248291A JP H07248291 A JPH07248291 A JP H07248291A JP 3966394 A JP3966394 A JP 3966394A JP 3966394 A JP3966394 A JP 3966394A JP H07248291 A JPH07248291 A JP H07248291A
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JP
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container
measuring
corrosive environment
measured
crack
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JP3966394A
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Satoshi Sugano
智 菅野
Makoto Hayashi
真琴 林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】腐食環境の測定方法及び腐食環境測定き裂セン
サーにおいて、リラグゼーションを起こすことなく正確
な高温腐食環境の測定を行えるようにする。 【構成】腐食環境測定き裂センサー100は容器1と封
入物質2から構成される。封入物質2としては容器1よ
りも線膨張係数が大きなものが選択され、常温を含む被
測定腐食環境温度以下の温度において容器1に封入され
る。この腐食環境測定き裂センサー100が高温の被測
定腐食環境に曝されると、封入物質2は容器1よりも大
きく膨張しようとするために容器1には応力が発生し、
容器1に応力腐食割れが発生する。そして、このき裂の
発生頻度、容器1が破壊するまでの時間、またはき裂の
進展速度を測定することにより、腐食環境を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学プラントや発電プ
ラント等の産業用プラントに内包される高温腐食環境を
測定する腐食環境の測定方法及び腐食環境測定き裂セン
サーに関する。
【0002】
【従来の技術】化学プラントや発電プラント等の産業用
プラントに内包される高温腐食環境(以下、適宜腐食環
境と略す)においては、応力腐食割れ(SCC)と呼ば
れる現象によって構造部材等が破損することがある。一
般に、SCCは、材料、応力、環境の組合せ条件が最悪
のとき、すなわち、材料の応力腐食割れに対する感受性
(鋭敏化度)が高く、負荷応力が高く、かつ腐食環境が
厳しいときに生じる。
【0003】腐食環境を測定する従来技術としては、特
開昭62−177440号公報や特開平3−26923
6号公報に記載されているものがある。これらの従来技
術においては、切欠きを有する試験片として、DCB
(Double Cantilever Beam)試験片を使用し、その切欠
きに機械的にウェッジを挿入することによって荷重(応
力)を作用させ、この状態の試験片が腐食環境測定き裂
センサーとして腐食環境下に曝される。ここでは、腐食
環境に応じてSCCの進展速度が変化することに注目
し、上記試験片(センサー)におけるき裂の進展速度を
測定することによって間接的に腐食環境が測定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなDCB試
験片にウェッジを挿入した腐食環境測定き裂センサーが
腐食環境下に曝されると、温度上昇に伴う降伏強度の低
下によりDCB試験片の塑性変形が増大し(これをリラ
グゼーシュンという)、DCB試験片の切欠き先端付近
の劣化によりこの部分の負荷応力が低下するという懸念
があった。このような負荷応力の低下は、応力拡大係数
の低下とSCCの進展速度の低下をもたらし、腐食環境
が改善されたと見誤るおそれがある。このように、従来
のDCB試験片を用いた腐食環境測定き裂センサーで
は、腐食環境の評価を正確にできなくなるというおそれ
があった。
【0005】また、上記のようなリラグゼーシュンを小
さくするためには、DCB試験片の切欠き先端付近にか
かる応力を予め小さくしておく必要があり、そのために
は、DCB試験片自体の寸法を大きくしなければならな
らなくなる。このような大きなセンサーは、設置するた
めの充分なスペースを有しない狭あい部への設置が困難
である。
【0006】本発明の目的は、リラグゼーションを起こ
すことなく正確な高温腐食環境の測定を行うことができ
る腐食環境の測定方法及び腐食環境測定き裂センサーを
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、被測定材料に応力腐食割れによる
き裂を発生させることにより腐食環境を測定する腐食環
境の測定方法において、前記被測定材料によって容器を
構成し、常温を含む被測定腐食環境温度以下の温度で前
記容器の材料よりも線膨張係数が大きな封入物質を前記
容器に封入し、この封入物質を封入した容器を被測定腐
食環境に曝し前記封入物質の膨張による応力を前記容器
に発生させることによって応力腐食割れを創出し、発生
したき裂の発生頻度を測定することにより間接的に被測
定腐食環境を測定することを特徴とする腐食環境の測定
方法が提供される。
【0008】上記において、好ましくは、前記容器表面
に給電端子を設け、この給電端子間に定電流を供給し、
その給電端子間の電位差により前記き裂の発生頻度を測
定する。
【0009】また好ましくは、目視により前記き裂の発
生頻度を測定する。
【0010】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のような腐食環境の測定方法において、前
記被測定材料によって容器を構成し、常温を含む被測定
腐食環境温度以下の温度で前記容器の材料よりも線膨張
係数が大きな封入物質を前記容器に封入し、この封入物
質を封入した容器を被測定腐食環境に曝し前記封入物質
の膨張による応力を前記容器に発生させることによって
応力腐食割れを創出し、前記容器を被測定腐食環境に曝
し始めた時から前記き裂の発生及び進展によって前記容
器が破壊するまでの時間を測定することにより間接的に
被測定腐食環境を測定することを特徴とする腐食環境の
測定方法が提供される。
【0011】上記において、好ましくは、前記容器に予
め切欠きを設けておく。
【0012】また好ましくは、前記封入物質は液体であ
り、前記容器を被測定腐食環境に曝した状態において前
記封入物質の圧力を測定し、その圧力の急激な低下を検
出することにより、前記容器の破壊を検出する。
【0013】また好ましくは、前記容器表面に給電端子
を設け、その給電端子間に定電流を供給し、その給電端
子間の電位差を測定することにより前記容器の破壊を検
出し、前記容器を被測定腐食環境に曝し始めた時から前
記容器が破壊するまでの時間を測定する。
【0014】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のような腐食環境の測定方法において、前
記被測定材料によって容器を構成すると共にその容器に
予め切欠きを設け、常温を含む被測定腐食環境温度以下
の温度で前記容器の材料よりも線膨張係数が大きな封入
物質を前記容器に封入し、この封入物質を封入した容器
を被測定腐食環境に曝し前記封入物質の膨張による応力
を前記容器に発生させることによって応力腐食割れを創
出し、前記切欠きから発生したき裂の進展速度を測定す
ることにより間接的に被測定腐食環境を測定することを
特徴とする腐食環境の測定方法が提供される。
【0015】上記において、好ましくは、前記容器表面
に前記切欠きを挟むように給電端子を設け、この給電端
子間に前記切欠きを挟むように測定端子を設け、前記給
電端子間に定電流を供給し、前記測定端子間の電位差に
より前記き裂の寸法を測定し、そのき裂の寸法より前記
き裂の進展速度を測定する。
【0016】また、好ましくは、異なる寸法及び形状の
切欠きを設けた複数個の前記容器を製作する。
【0017】また、好ましくは、前記封入物質を異なる
封入条件において複数個の前記容器に封入し、被測定腐
食環境に曝した際の前記容器に発生する応力をそれぞれ
異なる値に設定する。
【0018】また、好ましくは、応力腐食割れに対する
感受性の異なる材料によって複数個の前記容器を製作す
る。
【0019】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、被測定材料にき裂を発生させることにより腐食
環境を測定する腐食環境測定き裂センサーにおいて、前
記被測定材料で構成された容器と、前記容器に封入され
前記容器の材料よりも線膨張係数が大きな封入物質とを
有し、前記封入物質が封入される温度は常温を含む被測
定腐食環境温度以下の温度であることを特徴とする腐食
環境測定き裂センサーが提供される。
【0020】上記において、好ましくは、前記容器の材
料はステンレス鋼またはインコネルであり、前記封入物
質は水または純水である。
【0021】また、好ましくは、前記封入物質は、被測
定腐食環境温度の時には封入時の温度の時よりも膨張変
形する形状記憶合金である。
【0022】また、好ましくは、前記容器に予め切欠き
を設ける。
【0023】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のような腐食環境測定き裂センサーにおい
て、前記被測定材料で構成され予めその壁を貫通する切
欠きを設けた容器と、前記容器の材料の線膨張係数以上
の線膨張係数を有する材料で構成され前記容器の少なく
とも前記切欠きを内側から覆うように設置された内張り
材と、前記内張り材を設置した容器に封入され前記内張
り材の材料よりも線膨張係数が大きな封入物質とを有
し、前記封入物質が封入される温度は常温を含む被測定
腐食環境温度以下の温度であることを特徴とする腐食環
境測定き裂センサーが提供される。
【0024】上記において、好ましくは、前記容器の材
料はステンレス鋼またはインコネルであり、前記内張り
材の材質は金であり、前記封入物質は水または純水であ
る。
【0025】また、好ましくは、前記容器の形状は円柱
形であり、前記切欠きを円柱の軸方向または周方向に設
ける。
【0026】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、被測定材料にき裂を発生させることにより腐食
環境を測定する腐食環境測定き裂センサーにおいて、前
記被測定材料で構成され予め切欠き設けた中板と、前記
中板の材料よりも線膨張係数が大きな材料で構成され前
記中板を挟み込むように接合された側板とを有し、前記
側板には前記中板の切欠きが被測定腐食環境に曝される
ように窓が設けられていることを特徴とする腐食環境測
定き裂センサーが提供される。
【0027】
【作用】上記のように構成した本発明の腐食環境の測定
方法においては、被測定材料によって構成した容器に、
常温を含む被測定腐食環境温度以下の温度で容器の材料
よりも線膨張係数が大きな封入物質を封入することによ
り、この封入物質を封入した容器を被測定腐食環境に曝
した時に、封入物質は容器よりも大きく膨張しようと
し、これによって容器には応力が発生して荷重負荷が可
能となる。被測定腐食環境におけるこの応力により、容
器に応力腐食割れが創出される。本発明では、応力を発
生させる手段である封入物質が被測定材料である容器と
完全に別部材であり、高温での熱膨張の差を利用して被
験材である容器に応力を発生させるため、温度の上昇と
共に負荷荷重を増大させることができ、さらに一定温度
では負荷荷重も一定に保つことができ、前述のようなリ
ラグゼーションが生じることがなく、正確な高温腐食環
境の測定を行うことが可能となる。また、容器にかかる
応力や被測定材料の鋭敏化度が一定の場合には、環境の
悪化によってき裂の発生頻度が増大するため、被測定腐
食環境の測定は、発生したき裂の発生頻度を測定するこ
とにより間接的に行うことができる。
【0028】また、容器表面に給電端子を設け、その間
に定電流を供給すると、き裂がある場合には、そのき裂
が抵抗となり、き裂がない場合に比べて給電端子間の電
位差が増大する。また、き裂が多くなるに伴ってそのき
裂による抵抗も増大し、給電端子間の電位差も増大す
る。従って、上記給電端子間の電位差を測定することに
より、き裂の発生頻度を測定することが可能となる。
【0029】さらに、き裂の発生頻度は目視によってき
裂の個数を数えるなどの方法により、測定することもで
きる。
【0030】また、き裂が大きく進展すると最終的に容
器は破壊するが、容器にかかる応力や被測定材料の鋭敏
化度が一定の場合には、環境の悪化により容器が破壊す
るまでの時間が短縮する。従って、上記と同様の方法で
応力腐食割れを創出し、容器を被測定腐食環境に曝し始
めた時からき裂の発生及び進展によって容器が破壊する
までの時間を測定することによっても間接的に被測定腐
食環境を測定することが可能である。
【0031】この場合、容器に予め切欠きを設けておく
ことにより、その切欠きを起点としてき裂を発生させる
ことができ、その進展によって容器を破壊切断せしめる
ことが可能となる。
【0032】上記の場合、封入物質を液体とすると、容
器に破壊が生じない状態では、液体の封入物質の圧力は
被測定腐食環境の圧力より高いが、容器に破壊が生じる
とその圧力は被測定腐食環境の圧力と等しくなる。つま
り、液体である封入物質の圧力が急激に低下し、被測定
腐食環境の圧力と等しくなった時が容器が破壊した時で
ある。従って、容器を被測定腐食環境に曝した状態にお
いて封入物質の圧力を測定し、その圧力の急激な低下を
検出することにより、容器の破壊を検出することが可能
となる。
【0033】また、容器表面に給電端子を設け、その間
に定電流を供給すると、き裂の進展により容器が破壊し
た場合には、電流が流れ難くなり、その給電端子間の電
位差が急増する。従って、上記給電端子間の電位差を測
定することによって容器の破壊を検出することができ、
容器を被測定腐食環境に曝し始めた時から容器が破壊す
るまでの時間を測定することが可能となる。
【0034】また、容器に予め切欠きを設けておき、上
記と同様の方法で応力腐食割れを創出することにより、
その切欠きを起点としてき裂が発生する。そして、容器
にかかる応力や被測定材料の鋭敏化度が一定の場合に
は、環境の悪化によってき裂の進展速度が増大するた
め、そのき裂の進展速度を測定することによっても間接
的に被測定腐食環境を測定することが可能である。
【0035】上記において、容器表面に切欠きを挟むよ
うに給電端子を設け、その間に定電流を供給すると、切
欠きの先端からのき裂の進展量が増大するに従ってその
き裂が抵抗となり、この給電端子間に位置しかつ上記切
欠きを挟むように設けた測定端子間の電位差が増大す
る。従って、上記給電端子間の電位差を測定することに
より、進展したき裂の寸法を測定することができる。さ
らに、そのき裂の寸法をもとにき裂の進展速度を測定す
ることができる。
【0036】また、容器に切欠きを設ける場合には、そ
の切欠きが応力集中源となるが、切欠きの形状によって
応力集中率が異なり容器に異なる応力が生じる。従っ
て、異なる寸法及び形状の切欠きを設けた複数個の容器
を製作し、これらを被測定腐食環境に曝すことにより、
それぞれの容器に異なる応力を発生させることができ、
き裂の進展速度や破壊するまでの時間をそれぞれ変える
ことができる。従って、短期間から長期間にわたる種々
の時間での腐食環境の連続的な測定が可能となる。
【0037】また、封入物質を異なる封入条件において
複数個の容器に封入することにより、被測定腐食環境に
曝した際の容器に発生する応力をそれぞれ異なる値に設
定することができ、これによってき裂の発生頻度やき裂
の進展速度や破壊するまでの時間をそれぞれ変えること
が可能となる。また、応力腐食割れに対する感受性の異
なる材料によって複数個の容器を製作することにより、
き裂の発生頻度やき裂の進展速度や破壊するまでの時間
をそれぞれ変えることができる。従って、短期間から長
期間にわたる種々の時間での腐食環境の連続的な測定が
可能となる。
【0038】また、上記のように構成した本発明の腐食
環境測定き裂センサーにおいては、被測定材料で容器を
構成し、その容器の材料よりも線膨張係数が大きな封入
物質を常温を含む被測定腐食環境温度以下の温度で容器
に封入することにより、上記のような腐食環境の測定方
法を実施することができる。また、この腐食環境測定き
裂センサーはリラグゼーシュンが生じないため、前述の
ようにセンサーの大きさを考慮する必要がなく、センサ
ー自体を小型にすることができ、狭あい部への設置も可
能である。
【0039】また、容器の材料をステンレス鋼またはイ
ンコネルとし、封入物質を水または純水とすることによ
り、原子力発電プラントや火力発電プラントの腐食環境
を測定することができる。これは、原子力発電プラント
や火力発電プラントでは高温高圧の純水が使用され、配
管や構造部材等に使用されているステンレス鋼やインコ
ネルがその環境において応力腐食割れ感受性を有するこ
とが知られているからである。
【0040】また、封入物質として、被測定腐食環境温
度の時に封入時の温度の時よりも膨張変形し、かつ容器
の材料よりも線膨張係数が大きな形状記憶合金を選定す
ることによっても前述と同様に容器に応力を発生させる
ことが可能となる。この場合、センサー製作時にこの形
状記憶合金を容器へ挿入することが容易となる。
【0041】また、容器に予めその壁を貫通する切欠き
を設けた場合に、容器の材料の線膨張係数以上の線膨張
係数を有する材料の内張り材を、上記切欠きを内側から
覆うように設置することにより、容器と内張り材との密
着性が損なわれず、封入物質が液体または溶出性固体で
ある場合でも封入物質が切欠き部分から被測定腐食環境
に漏洩することがない。従って、センサーの寿命を長く
することが可能である。また、この場合、封入物質とし
て内張り材、従って容器よりも線膨張係数が大きな材料
を選定することにより、被測定腐食環境下において容器
には応力が発生して荷重負荷が可能となる。
【0042】上記の場合、内張り材として金を選定すれ
ば、容器の材料を金と線膨張係数がほぼ等しいステンレ
ス鋼またはインコネルとし、封入物質を金よりも線膨張
係数が大きな水または純水とすることにより、前述と同
様に原子力発電プラントや火力発電プラントの腐食環境
を測定することができる。この場合も、やはり、容器と
内張り材との密着性が損なわれず、封入物質である水ま
たは純水が被測定腐食環境に封入物質が漏洩することが
ない。
【0043】また、被測定材料で構成され予め切欠きを
設けた中板を、中板の材料よりも線膨張係数が大きな材
料の側板で挟み込むように接合して腐食環境測定き裂セ
ンサーを構成することにより、被測定腐食環境下におい
て側板は中板よりも大きく膨張しようとし、これによっ
て中板には前述の容器と同様に応力が発生して荷重負荷
が可能となる。また、中板を側板で挟み込むように接合
することにより、中板の反りが防止される。さらに、側
板に窓を設け上記切欠きが被測定腐食環境に曝されるよ
うにすることにより、応力腐食割れが創出された時にそ
の切欠きを起点としてき裂を発生させることが可能とな
る。この場合にも、応力を発生させる手段である側板が
被測定材料である中板と完全に別部材であり、高温での
熱膨張の差を利用して被験材である中板に応力を発生さ
せるため、温度の上昇と共に負荷荷重を増大させること
ができ、さらに一定温度では負荷荷重も一定に保つこと
ができ、前述のようなリラグゼーションが生じることが
なく、正確な高温腐食環境の測定を行うことが可能とな
る。
【0044】
【実施例】本発明による腐食環境の測定方法及び腐食環
境測定き裂センサーの一実施例について、図1から図4
を参照しながら説明する。
【0045】図1(a)において、本実施例の腐食環境
測定き裂センサー(以下、センサーと略す)100は被
測定材料である容器1と封入物質2から構成される。但
し、図1(a)はこのセンサーの概略断面図である。封
入物質2としては容器1よりも線膨張係数が大きなもの
が選択される。また、容器1は円柱形であり、封入物質
2は被測定腐食環境温度以下の温度(常温を含む)にお
いて容器1に封入される。尚、容器1の形状は必ずしも
円柱形でなくてもよい(以下、図6〜図10の実施例に
ついても同様である)。
【0046】図1(b)は、容器1や封入物質2として
使用されるおもな材質の線膨張係数を示す図である。図
1(b)に示すように、例えば、容器1の材料としてス
テンレス鋼(図中SUSで示す)を選定すれば、封入物
質2としてアルミニウム(Al)、または銀(Ag)、
または水を選定することが可能であり、また、容器1の
材料としてインコネル合金(図中Incoで示す)を選
定すれば、封入物質2として金(Au)、またはアルミ
ニウム(Al)、または銀(Ag)、または水を選定す
ることが可能である。一方、封入物質2として水を選定
すれば、容器1の材料として図1(b)中に示していな
い材料も含め、ほぼ全ての金属材料を選定することが可
能となる。
【0047】上記のようにして構成されたセンサー10
0は、高温の被測定腐食環境に曝される。この時、セン
サー100において、封入物質2は容器1よりも線膨張
係数が大きいために、封入物質2は容器1よりも大きく
膨張しようとし、これによって容器1には応力が発生し
て荷重負荷が可能となる。被測定腐食環境におけるこの
応力により、容器1に割れ(以下、き裂という)が発生
する。高温腐食環境において発生するこのき裂は、通
常、応力腐食割れ(以下、適宜SCCという)と呼ば
れ、材料、応力、環境の三要素が重畳して生じるもので
あって、これら三要素のうちの一要素が改善されればS
CCは生じない。従って、容器1の材質としては、被測
定腐食環境の通常状態において割れ感受性を有する材料
を選定する必要があり、さらに、封入物質2の材質とし
ては、線膨張係数の違いによって容器1に応力を発生さ
せるものを選択する必要がある。容器1と封入物質2の
材質は上記の必要条件を満足するために選定される。
【0048】原子力発電プラントや火力発電プラントの
腐食環境を測定する場合においては、容器1の材料をス
テンレス鋼またはインコネルとし、封入物質2を水また
は純水とする。このうち、ステンレス鋼やインコネル合
金を熱処理によって鋭敏化しておけば、より実際に近い
状態を実現することができる。このような材料を選定す
るのは、原子力発電プラントや火力発電プラントでは高
温高圧の純水が使用され、配管や構造部材等に使用され
ているステンレス鋼やインコネルがその環境において応
力腐食割れ感受性を有することが知られているからであ
る。また、封入物質2を水または純水とすることによ
り、封入物質2が容器1から漏洩してもプラントを汚す
ことがない。
【0049】SCCの挙動及び被測定腐食環境の測定方
法について図2により説明する。図2(a)に示すよう
に、被測定材料が腐食環境に曝された期間(腐食環境滞
在時間)が長くなると、それにつれてき裂の発生頻度が
増加し、また環境の悪化、被測定材料にかかる応力の増
加、被測定材料の高鋭敏化によって、き裂の発生頻度が
増大することが一般に知られている。従って、被測定材
料である容器1にかかる応力や被測定材料の鋭敏化度が
一定の場合には、ある腐食環境滞在時間において容器1
に発生したき裂の発生頻度を測定すれば、被測定腐食環
境を間接的に測定することができる。すなわち、き裂の
発生頻度が予め予想された頻度より多ければ環境は悪化
しており、少なければ環境は改善されているということ
がわかる。
【0050】また、図2(b)に示すように、き裂が大
きく進展すると最終的に容器1は破壊するが、環境の悪
化、被測定材料にかかる応力の増加、被測定材料の高鋭
敏化によって、き裂の進展速度は速くなり、容器1が破
壊するまでの時間(腐食環境滞在時間)が短くなること
が一般に知られている。従って、被測定材料にかかる応
力や被測定材料の鋭敏化度が一定の場合には、容器1を
被測定腐食環境に曝し始めた時からき裂の発生及び進展
によって容器1が破壊するまでの時間を測定することに
よっても、き裂の発生頻度の測定と同様に、被測定腐食
環境を間接的に測定することができる。すなわち、容器
1が破壊するまでの時間が予め予想された時間より短け
れば環境は悪化しており、長ければ環境は改善されてい
るということがわかる。
【0051】従来の腐食環境の測定は、き裂の進展速度
のみをもとにしていたが、本実施例によれば、上記のよ
うにき裂の発生頻度や容器が破壊するまでの時間によっ
ても測定することができる。但し、容器1が破壊するま
での時間の代わりに、き裂の進展速度を直接測定するこ
とによっても、被測定腐食環境を間接的に測定すること
ができるが、この方法は容器に切欠きを設けている場合
にふさわしい方法であるので、次の実施例で述べる。
【0052】上記のような被測定腐食環境を間接的に測
定する方法のうち、き裂の発生頻度の測定方法について
述べる。センサー100を高温の被測定腐食環境に曝
し、一定の腐食環境滞在時間の後にセンサー100を取
り出し、目視によって個数を数えるなどの方法によりき
裂の発生頻度を測定すれば、この腐食環境滞在時間内に
おける腐食環境の平均値を評価することができる。腐食
環境滞在時間としては、例えば、原子力発電プラントや
火力発電プラント等のある定期検査から次の定期検査ま
での時間に設定すればよい。
【0053】また、き裂の発生頻度は図3に示すような
方法によっても測定できる。即ち、容器1表面に給電端
子10,11を設け、その間に定電流電源12より定電
流を供給し、給電端子10,11間の電位差をマイクロ
ボルトメータ13で測定する。この時、き裂3がある場
合には、そのき裂が抵抗となり、き裂がない場合に比べ
て給電端子間の電位差が増大する。また、き裂3が多く
なるに伴ってそれによる抵抗も増大し、給電端子間の電
位差も増大する。従って、給電端子10,11間の電位
差を測定すること(以下、このような測定方法を電位差
法と呼ぶ)により、き裂の発生頻度を測定することがで
きる。
【0054】次に、容器1が破壊するまでの時間の測定
方法について述べる。封入物質2が液体である場合、容
器1に破壊が生じない状態では、液体の封入物質2の圧
力は被測定腐食環境の圧力より高いが、容器1に破壊が
生じるとその圧力は被測定腐食環境の圧力と等しくな
る。つまり、液体である封入物質2の圧力が急激に低下
し、被測定腐食環境の圧力と等しくなった時が容器1が
破壊した時である。従って、容器1に圧力計を設置し、
容器1を被測定腐食環境に曝した状態において封入物質
2の圧力を測定し、その圧力の急激な低下を検出するこ
とにより、容器1の破壊を検出することができ、容器1
を被測定腐食環境に曝し始めた時から容器1が破壊する
までの時間を測定することができる。但し、容器1が破
壊した時にはセンサー100はその機能を失う。
【0055】また、容器1が破壊するまでの時間は図4
に示すような電位差法によっても測定できる。即ち、容
器1表面に給電端子14,15を設け、その間に定電流
電源16より定電流を供給し、給電端子14,15間の
電位差をマイクロボルトメータ17で測定する。き裂4
の進展により容器が破壊した場合には、電流が流れ難く
なり、給電端子14,15間の電位差が急増する。従っ
て、上記給電端子間の電位差を測定することによって容
器1の破壊を検出することができ、容器1を被測定腐食
環境に曝し始めた時から容器1が破壊するまでの時間を
測定することができる。このような電位差法によれば、
封入物質2が液体でない場合でも測定可能である。ま
た、図4では円柱状の容器1の両端に給電端子14,1
5を設けており、その間に生じる容器1の輪切り方向の
破壊を検出しているが、円柱状の容器1の周上に給電端
子14,15を設けてその間に生じた縦割り方向の破壊
を検出してもよい。
【0056】さらに、図3や図4のような電位差法を用
いた測定によれは、腐食環境下よりセンサーをわざわざ
取り出して測定することは必ずしも必要ではなく、オン
ラインでの測定、監視を行うことができる。
【0057】ところで、図2において、容器1にかかる
応力を増加させたり、容器1の材質の応力腐食割れに対
する感受性、即ち鋭敏化度を高くすることによっても、
き裂の発生頻度が増大し、き裂の進展速度、従って容器
1が破壊するまでの時間は短くなる。逆に、容器1にか
かる応力やその鋭敏化度を低くすれば、き裂の発生頻度
が減少し、容器1が破壊するまでの時間は長くなる。従
って、短期間で被測定腐食環境を測定する場合は、容器
1にかかる応力を増加させたり、容器1の材質の鋭敏化
度を高くすればよく、一方、長期間で被測定腐食環境を
測定する場合は、反対に容器1にかかる応力、または容
器1の材質の鋭敏化度を低く押さえればよい。しかし、
容器1への応力を増加させたりその鋭敏化度を高くする
と、センサーの寿命は短くなり、容器1への応力を減少
させたりその鋭敏化度を低くすると、時間当たりのセン
サーの感度は鈍くなる。
【0058】容器1にかかる応力及びその鋭敏化度は任
意に設定することが可能である。まず、容器1にかかる
応力は、封入物質2の封入条件、即ち(1)容器1と封
入物質2の線膨張係数の差、(2)容器1の外径、板
厚、長さ等の寸法、(3)容器1の製作時と被測定腐食
環境との温度差によって計算できる。従って、上記
(1)から(3)の項目を調整すれば、被測定腐食環境
に曝した時に容器1に種々の大きさの応力が設定でき
る。
【0059】一方、容器1の鋭敏化度はその材質によっ
て異なるため、異なる材料で容器1の鋭敏化度を種々設
定することができる。また、同一の材質でも、予め熱処
理等によって施される鋭敏化処理の条件によってその鋭
敏化度が異なるが、その熱処理時の温度や処理時間等を
調整することにより、種々の鋭敏化度を実現することが
できる。
【0060】上記のようにして異なる鋭敏化度や応力条
件で製作された複数の容器1を被測定腐食環境に曝し、
SCCを創出すれば、短期間から長期間にわたる種々の
時間での腐食環境の連続的な測定が可能となる。
【0061】以上のような本実施例によれば、被測定材
料によって構成した容器1に、常温を含む被測定腐食環
境温度以下の温度で容器1の材料よりも線膨張係数が大
きな封入物質2を封入するので、被測定腐食環境におい
て、熱膨張の差を利用して容器1に応力を発生させるこ
とができ、容器に応力腐食割れを創出することができ
る。また、応力を発生させる封入物質2が容器1と完全
に別部材であり、高温での熱膨張の差を利用して被験材
である容器に応力を発生させるので、従来のDCB試験
片のようなリラグゼーションが生じることがなく、正確
な高温腐食環境の測定を行うことができる。さらに、容
器1に発生したき裂の発生頻度は目視または電位差法に
より測定することができ、このき裂の発生頻度により被
測定腐食環境を測定することができる。また、センサー
100にはリラグゼーシュンが生じないため、その大き
さを考慮する必要がなく、センサー自体を小型にするこ
とができ、狭あい部への設置も可能である。
【0062】また、容器1を被測定腐食環境に曝し始め
た時からき裂の発生及び進展によって容器が破壊するま
での時間を測定するので、被測定腐食環境を測定するこ
とができる。この場合、封入物質2が液体の時には、そ
の圧力の急激な低下を検出するので、容器1の破壊を検
出することができる。また、電位差法によっても容器1
の破壊を検出することができる。
【0063】また、封入物質2を異なる封入条件におい
て複数個の容器1に封入したり、応力腐食割れに対する
感受性、即ち鋭敏化度の異なる材料によって複数個の容
器1を製作するので、き裂の発生頻度や破壊するまでの
時間をそれぞれ変えることができる。従って、短期間か
ら長期間にわたる種々の時間での腐食環境の連続的な測
定が可能となる。
【0064】また、容器1の材料をステンレス鋼または
インコネルとし、封入物質2を水または純水とすること
により、原子力発電プラントや火力発電プラントの腐食
環境を測定することができる。
【0065】次に、封入物質が液体である場合の実施例
について図5により説明する。図5は、本実施例におけ
る容器の形状の一例を示す図である。容器21はそれぞ
れネジ部22a,22bを有する2つの容器部材21a
及び21bを組み合わせて形成される。容器21中に封
入される封入物質は、例えば水等の液体である。容器部
材21a及び21bは、液体である封入物質中で気泡を
追い出した後にネジ部22a,22bをネジ締めするこ
とにより組み合わされ、これによって封入物質が容器2
1内に封入される。出来上がった容器21は図5のよう
に略楕円体となる。さらに、ネジ部22a,22bのネ
ジ締め部分を溶接すれば、この部分より封入物質が漏洩
することはない。
【0066】このような本実施例によれば、封入物質が
液体である場合においても、容器21に封入物質を容易
に封入することができる。また、封入物質中に気泡を少
量残し、その気泡の量を調整することによって容器21
にかかる応力を種々の大きさに設定することができる。
尚、上記のような容器部材を組み合わせて容器を形成す
るのではなく、容器にネジ栓を設ける等の構成を用いて
もよい。
【0067】次に、本発明による腐食環境の測定方法及
び腐食環境測定き裂センサーの他の実施例について、図
6及び図7を参照しながら説明する。
【0068】図6において、本実施例のセンサー101
は図1(a)のセンサー100と同様に被測定材料であ
る容器31と封入物質32から構成され、封入物質32
として容器31よりも線膨張係数が大きなものが選択さ
れる。容器31は円柱形であり、その表面には軸方向に
細長い切欠き33が設けられている。これにより、応力
腐食割れによるき裂34は切欠き33を起点として発生
及び進展する。このように、き裂34の発生位置を切欠
き33に特定することにより、後述の電位差法等により
き裂24の寸法を測定することが容易になり、従ってき
裂34の進展速度を測定することが容易になる。逆に切
欠き33を設けていなければ、き裂の起点が特定され
ず、き裂の長さ、従ってその進展速度を測定することが
難しい。
【0069】また、センサー101において、封入物質
32として溶出しない固体を選定した場合には、切欠き
33は容器31の壁を貫通してもよい。これに対し、封
入物質32として液体または溶出性の固体を選定した場
合には、切欠き33が容器31の壁を貫通しないように
し、封入物質32が被測定腐食環境に漏洩しないように
する必要がある。但し、本実施例では、容器31の壁の
厚さは切欠き33の部分で薄くなるため、センサー10
1の寿命が図1(a)のセンサーに比べて短くなる。
【0070】ここで図2(b)で説明したように、被測
定材料にかかる応力や被測定材料の鋭敏化度が一定の場
合には、環境の悪化によってき裂の進展速度は速くな
り、環境が改善されればき裂の進展速度は遅くなる。従
って、本実施例のセンサーを用いてき裂の進展速度を測
定することにより、被測定腐食環境を間接的に測定する
ことができる。すなわち、き裂の進展速度がが予め予想
された速度より速ければ環境は悪化しており、遅ければ
環境は改善されているということがわかる。
【0071】上記のようなき裂の進展速度の測定方法に
ついて述べる。この測定方法は、電位差法によるもので
ある。図7に示すように、容器31表面に切欠き33を
挟むように給電端子35,36を設け、給電端子35,
36間において切欠き33を挟むよう測定端子37,3
8を設ける。そして給電端子35,36間に定電流電源
39より定電流を供給し、測定端子37,38間の電位
差をマイクロボルトメータ40で測定する。この時、切
欠き33の先端からのき裂34の進展量が増大するに従
ってそのき裂34が抵抗となり、給電端子35,36間
に設けた測定端子35,36間の電位差が増大する。従
って、このような電位差法により進展したき裂34の寸
法を測定することができ、さらに、そのき裂34の寸法
をもとにき裂34の進展速度を測定することができる。
【0072】また、容器に設けた切欠きは被測定腐食環
境下において応力集中源となるが、異なる寸法及び形状
(長さ、深さ)の切欠きを設けた複数個の容器を製作
し、これらを被測定腐食環境に曝すことにより、切欠き
の形状によって応力集中率が異なるためそれぞれの容器
に異なる応力を生じさせることができる。ここで、図2
(b)に示すように、容器にかかる応力を増加させたり
減少させたりすると、き裂の進展速度は種々変化する。
従って、異なる寸法及び形状の切欠きを設けた複数個の
容器を被測定腐食環境に曝すことにより、き裂の進展速
度をそれぞれ変えることができ、これによって短期間か
ら長期間にわたる種々の時間での腐食環境の連続的な測
定が可能となる。
【0073】尚、本実施例のような容器に切欠きを設け
たセンサー101を用いれば、容器が縦割り方向に破壊
するまでの時間の測定を行うこともできる。
【0074】以上のような本実施例によれば、容器31
に予め切欠き33を設けるので、き裂34は切欠き33
を起点として発生及び進展し、電位差法等によってき裂
24の寸法を測定することが容易になり、従ってき裂3
4の進展速度を測定することが容易になる。そして、き
裂34の進展速度を測定することにより被測定腐食環境
を測定することができる。
【0075】また、異なる寸法及び形状の切欠きを設け
た複数個の容器を製作するので、それぞれの容器に異な
る応力を発生させることができ、き裂の進展速度や破壊
するまでの時間をそれぞれ変えることができる。従っ
て、短期間から長期間にわたる種々の時間での腐食環境
の連続的な測定が可能となる。
【0076】次に、図6とは異なる他の形状の切欠きを
設けた実施例について、図8により説明する。但し、図
8(b)は(a)のB−B方向の断面図である。図8
(a)及び(b)において、本実施例のセンサー102
は図6のセンサー101と同様に容器41と封入物質4
2から構成され、封入物質42として容器41よりも線
膨張係数が大きなものが選択される。容器41は円柱形
であり、その表面には周方向に切欠き43が設けられて
いる。この場合も、き裂は切欠き43を起点として発生
及び進展し、図7と同様の方法でそのき裂の進展速度を
測定することができる。本実施例によっても図6及び図
7の実施例と同様の効果が得られる。
【0077】尚、本実施例のような容器に切欠きを設け
たセンサー102を用いれば、容器が輪切り方向に破壊
するまでの時間の測定を行うこともできる。
【0078】次に、本発明による腐食環境測定き裂セン
サーのさらに他の実施例について、図9により説明す
る。但し、図9(b)は(a)のB−B断面図である。
【0079】図9(a)及び(b)において、本実施例
のセンサー103は図6のセンサー101と同様の構造
であるが、封入物質52として円筒形の形状記憶合金を
用いている。この形状記憶合金としては、被測定腐食環
境温度の時に封入時の温度の時よりも膨張変形し、かつ
容器51の材料よりも線膨張係数が大きなものが選定さ
れる。また、容器51は円柱形であり、その壁には軸方
向に切欠き53が設けられており、この切欠き53はそ
の壁を貫通している。
【0080】この場合も、応力腐食割れによるき裂は切
欠き53を起点として発生及び進展し、図7と同様の方
法でそのき裂の進展速度を測定することができる。即
ち、本実施例によっても図6及び図7の実施例と同様の
効果が得られる。また、封入物質52が形状記憶合金で
あるため、センサー製作時に封入物質52を容器51へ
挿入することが容易となる。
【0081】なお、切欠き53は容器51の壁を貫通さ
せなくてもよい。また、本実施例では軸方向に切欠きを
設けたが、周方向に切欠きを設けてもよい。
【0082】次に、本発明による腐食環境測定き裂セン
サーのさらに他の実施例について、図10を参照しなが
ら説明する。但し、図10(b)は(a)のB−B断面
図である。
【0083】図10において、本実施例のセンサー10
4は被測定材料である容器61、封入物質62、及び内
張り材である内筒63から構成される。内筒63の材料
としては、容器61と線膨張係数がほぼ等しいかまたは
大きなものが選定され、封入物質62としては、内筒6
3、従って容器61よりも線膨張係数が大きなものが選
択される。また、容器61は円柱形であり、容器61の
壁には軸方向に切欠き64が設けられており、この切欠
き64はその壁を貫通している。また内筒63は容器6
1の内周に密着するように組み込まれ、封入物質62は
被測定腐食環境温度以下の温度(常温を含む)において
容器61の内筒63内側に封入される。
【0084】この場合、内筒63が容器61と線膨張係
数がほぼ等しいかまたは大きいために、被測定腐食環境
温度において容器61と内筒63との密着性が損なわれ
ず、封入物質62が液体または溶出性固体である場合で
もこの封入物質62が切欠き64から被測定腐食環境に
漏洩することがない。従って、センサー104の寿命を
長くすることが可能である。また、封入物質62の材料
として内筒63、従って容器61よりも線膨張係数が大
きな材料を選定することにより、被測定腐食環境下にお
いて容器61には応力が発生して荷重負荷が可能とな
る。そして、切欠き63を起点としてき裂が発生及び進
展し、図7と同様の方法でそのき裂の進展速度を測定す
ることができる。
【0085】上記において、内筒63として金を選定す
れば、容器61の材料を金と線膨張係数がほぼ等しいス
テンレス鋼またはインコネルとし、封入物質62を金よ
りも線膨張係数が大きな水または純水とすることにより
(図2参照)、前述と同様に原子力発電プラントや火力
発電プラントの腐食環境を測定することができる。
【0086】以上のような本実施例によれば、図6及び
図7の実施例と同様の効果が得られる他、容器61の内
周に密着するように内筒63を組み込み、しかも内筒6
3の材質として容器61と線膨張係数がほぼ等しいかま
たは大きいものを選択するので、容器61と内筒63と
の密着性が損なわれず、封入物質62が液体または溶出
性固体である場合でも封入物質62が切欠き64から被
測定腐食環境に漏洩することがない。従って、センサー
104の寿命を長くすることができる。
【0087】また、容器61の材料をステンレス鋼また
はインコネルとし、内筒63の材料を金とし、封入物質
2を水または純水とすることにより、原子力発電プラン
トや火力発電プラントの腐食環境を測定することができ
る。
【0088】尚、本実施例のように容器61の内周全体
を内筒63で覆う必要はなく、少なくとも切欠き64を
内側から覆うように内張り材を設けるだけでもよい。ま
た、本実施例では軸方向に切欠きを設けたが、周方向に
切欠きを設けてもよい。
【0089】次に、本発明による腐食環境測定き裂セン
サーのさらに他の実施例について、図11及び図12を
参照しながら説明する。但し、図11(b)は図11
(a)のB−B断面図であり、図12(b)は図12
(a)のB−B断面図である。
【0090】図11(a)及び(b)に示すセンサー1
05は、被測定材料で構成された一枚の中板71と、中
板71を挟み込むように接合された2枚の側板72から
構成され、図12(a)及び(b)に示すセンサー10
6は、被測定材料で構成された一枚の中板81と、中板
81を挟み込むように接合された2枚の側板82から構
成される。側板72及び82の材料としては、それぞれ
中板71及び81の材料よりも線膨張係数が大きいもの
が選択される。また、中板71中央には板厚方向に貫通
するように切欠き73が設けられており、側板72の正
面中央には切欠き73が被測定腐食環境に曝されるよう
に板厚方向に窓74が設けられている。一方、中板81
中央には板厚方向に貫通するように切欠き83が設けら
れており、側板82の中板81側の面には切欠き73が
被測定腐食環境に曝されるように板面方向に窓84が設
けられている。上記おいて、側板72,82は被測定腐
食環境温度以下の温度(常温を含む)において中板7
1,81に接合される。
【0091】上記のようなセンサー105及び106が
高温の被測定腐食環境に曝されるが、この時、側板72
及び82は中板71,81よりも線膨張係数が大きいた
めに、側板72,82は中板71、81よりも大きく膨
張しようとし、これによって中板71,81には応力が
発生して荷重負荷が可能となる。また、中板71,81
を側板72,82で挟み込むように接合するので、中板
71,81の反りが防止される。さらに、側板72,8
2に設けた窓74,84を介して切欠き73,83が被
測定腐食環境に曝されるため、上記の応力により、中板
71,81にはそれぞれ切欠き73,83を起点として
き裂が発生し、進展する。従って、図7と同様の方法で
そのき裂の進展速度を測定することができる。
【0092】図11に示すセンサー105において中板
71に発生する応力は2軸性であり、一方、図12に示
すセンサー106において中板81に発生する応力は単
軸性である。一般に、産業用プラント等の構造物に作用
する応力は2軸性であることが多いので、実際の構造物
に与える腐食環境の影響をより実際に近い条件で測定す
るためには、図11に示すセンサー105を用いるのが
よい。
【0093】以上のような本実施例によれば、被測定材
料によって構成した中板71,81を、常温を含む被測
定腐食環境温度以下の温度で中板71,81の材料より
も線膨張係数が大きな側板72,82で挟み込むので、
被測定腐食環境において、熱膨張の差を利用して中板7
1,82に応力を発生させることができ、応力腐食割れ
を創出することができる。また、応力を発生させる側板
72,82が中板71,81と完全に別部材であり、高
温での熱膨張の差を利用して被験材である中板に応力を
発生させるので、従来のDCB試験片のようなリラグゼ
ーションが生じることがなく、正確な高温腐食環境の測
定を行うことができる。
【0094】尚、図11及び図12において、中板71
は円形であり、中板81、側板72及び82は四角形で
あるが、中板及び側板の形状はこれらに限る必要はな
く、他の形状でもよい。また、側板72,82としては
形状記憶合金を用いてもよい。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、被測定材料によって構
成した容器に、常温を含む被測定腐食環境温度以下の温
度で容器の材料よりも線膨張係数が大きな封入物質を封
入するので、熱膨張の差を利用して容器に応力を発生さ
せることができ、応力腐食割れを創出することができ
る。また、高温での容器と封入物質の熱膨張の差を利用
して容器に応力を発生させるので、従来のDCB試験片
のようなリラグゼーションが生じることがなく、正確な
高温腐食環境の測定を行うことができる。さらに、容器
に生じるき裂の発生頻度により被測定腐食環境を測定す
ることができる。また、センサーにはリラグゼーシュン
が生じないため、その大きさを考慮する必要がなく、セ
ンサー自体を小型にすることができ、狭あい部への設置
も可能である。
【0096】また、容器表面に給電端子を設け、その間
の電位差を測定するので、き裂の発生頻度を測定するこ
とができる。また、き裂の発生頻度を目視によって測定
することもできる。
【0097】また、容器が破壊するまでの時間を測定す
ることにより被測定腐食環境を測定することができる。
【0098】また、封入物質が液体の場合に、その圧力
の急激な低下を検出するので、容器の破壊を検出するこ
とが可能となる。
【0099】また、容器表面に給電端子を設け、その間
の電位差を測定することにより容器の破壊を検出するこ
とができ、容器が破壊するまでの時間を測定することで
きる。
【0100】また、容器に予め切欠きを設け、その切欠
きを起点として発生したき裂の進展速度を測定すること
により被測定腐食環境を測定することができる。
【0101】また、容器表面に切欠きを挟むように給電
端子を設け、その間の電位差を測定するので、き裂の寸
法、従ってその進展速度を測定することができる。
【0102】また、異なる寸法及び形状の切欠きを設け
た複数個の容器を製作するので、短期間から長期間にわ
たる種々の時間での腐食環境の連続的な測定が可能とな
る。
【0103】また、封入物質を異なる封入条件において
複数個の容器に封入したり、応力腐食割れに対する感受
性の異なる材料によって複数個の容器を製作するので、
短期間から長期間にわたる種々の時間での腐食環境の連
続的な測定が可能となる。
【0104】また、封入物質として、被測定腐食環境温
度の時に封入時の温度の時よりも膨張変形し、かつ容器
の材料よりも線膨張係数が大きな形状記憶合金を選定す
るので、センサー製作が容易となる。
【0105】また、容器に予めその壁を貫通する切欠き
を設けた場合に、容器の材料と線膨張係数以上の線膨張
係数を有する材料の内張り材を、切欠きを内側から覆う
ように設置するので、容器と内張り材との密着性が損な
われず、封入物質が漏洩することがない。従って、セン
サーの寿命を長くすることが可能である。
【0106】また、被測定材料で構成され予め切欠きを
設けた中板を、中板の材料よりも線膨張係数が大きな材
料の側板で挟み込むように接合して腐食環境測定き裂セ
ンサーを構成するので、熱膨張の差を利用して中板に応
力を発生させることができ、応力腐食割れを創出するこ
とができる。また、高温での中板と側板の熱膨張の差を
利用して容器に応力を発生させるので、従来のDCB試
験片のようなリラグゼーションが生じることがなく、正
確な高温腐食環境の測定を行うことができる。
【0107】従って、本発明によれば、容器や封入物質
を選択することにより、産業用プラントの高温腐食環境
を正確に測定でき、これによって、その環境に曝される
構成部材等の強度信頼性に関する予防保全が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例による腐食環境測定
き裂センサーの概略断面図であり、(b)は(a)の容
器や封入物質として使用されるおもな材質の線膨張係数
を示す図である。
【図2】(a)は応力腐食割れの挙動腐食環境滞在時間
とき裂の頻度との関係を示す図であり、(b)は応力腐
食割れの挙動腐食環境滞在時間とき裂の長さとの関係を
示す図である。
【図3】容器に発生するき裂の発生頻度を電位差法によ
って測定する状況を説明する図である。
【図4】容器が破壊するまでの時間を電位差法によって
測定する状況を説明する図である。
【図5】封入物質が液体である場合の実施例を示す断面
図である。
【図6】本発明の他の実施例による腐食環境測定き裂セ
ンサーを示す図である。
【図7】容器に発生するき裂の進展速度を電位差法によ
って測定する状況を説明する図である。
【図8】(a)は図6とは異なる他の形状の切欠きを設
けた実施例を示す図であり、(b)は(a)のB−B方
向の断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例による腐食環境測定
き裂センサーを示す図であって、(a)はその正面図、
(b)は(a)のB−B方向の断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例による腐食環境測
定き裂センサーを示す図であって、(a)はその正面
図、(b)は(a)のB−B方向の断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例による腐食環境測
定き裂センサーを示す図であって、(a)はその正面
図、(b)は(a)のB−B方向の断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例による腐食環境測
定き裂センサーを示す図であって、(a)はその正面
図、(b)は(a)のB−B方向の断面図である。
【符号の説明】
1 容器 2 封入物質 10,11 給電端子 12 定電流電源 13 マイクロボルトメータ 14,15 給電端子 16 定電流電源 17 マイクロボルトメータ 21 容器 31 容器 32 封入物質 33 切欠き 34 き裂 35,36 給電端子 37,38 測定端子 39 定電流電源 40 マイクロボルトメータ 41 容器 42 封入物質 43 切欠き 51 容器 52 封入物質(形状記憶合金) 53 切欠き 61 容器 62 封入物質(形状記憶合金) 63 内筒(内張り材) 64 切欠き 71 中板 72 側板 73 切欠き 81 中板 82 側板 83 切欠き 100 センサー 101 センサー 102 センサー 103 センサー 104 センサー 105 センサー 106 センサー

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定材料に応力腐食割れによるき裂を
    発生させることにより腐食環境を測定する腐食環境の測
    定方法において、 前記被測定材料によって容器を構成し、常温を含む被測
    定腐食環境温度以下の温度で前記容器の材料よりも線膨
    張係数が大きな封入物質を前記容器に封入し、この封入
    物質を封入した容器を被測定腐食環境に曝し前記封入物
    質の膨張による応力を前記容器に発生させることによっ
    て応力腐食割れを創出し、発生したき裂の発生頻度を測
    定することにより間接的に被測定腐食環境を測定するこ
    とを特徴とする腐食環境の測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の腐食環境の測定方法にお
    いて、前記容器表面に給電端子を設け、この給電端子間
    に定電流を供給し、その給電端子間の電位差により前記
    き裂の発生頻度を測定することを特徴とする腐食環境の
    測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の腐食環境の測定方法にお
    いて、目視により前記き裂の発生頻度を測定することを
    特徴とする腐食環境の測定方法。
  4. 【請求項4】 被測定材料に応力腐食割れによるき裂を
    発生させることにより腐食環境を測定する腐食環境の測
    定方法において、 前記被測定材料によって容器を構成し、常温を含む被測
    定腐食環境温度以下の温度で前記容器の材料よりも線膨
    張係数が大きな封入物質を前記容器に封入し、この封入
    物質を封入した容器を被測定腐食環境に曝し前記封入物
    質の膨張による応力を前記容器に発生させることによっ
    て応力腐食割れを創出し、前記容器を被測定腐食環境に
    曝し始めた時から前記き裂の発生及び進展によって前記
    容器が破壊するまでの時間を測定することにより間接的
    に被測定腐食環境を測定することを特徴とする腐食環境
    の測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の腐食環境の測定方法にお
    いて、前記容器に予め切欠きを設けておくことを特徴と
    する腐食環境の測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の腐食環境の測定方法にお
    いて、前記封入物質は液体であり、前記容器を被測定腐
    食環境に曝した状態において前記封入物質の圧力を測定
    し、その圧力の急激な低下を検出することにより、前記
    容器の破壊を検出することを特徴とする腐食環境の測定
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の腐食環境の測定方法にお
    いて、前記容器表面に給電端子を設け、その給電端子間
    に定電流を供給し、その給電端子間の電位差を測定する
    ことにより前記容器の破壊を検出し、前記容器を被測定
    腐食環境に曝し始めた時から前記容器が破壊するまでの
    時間を測定することを特徴とする腐食環境の測定方法。
  8. 【請求項8】 被測定材料に応力腐食割れによるき裂を
    発生させることにより腐食環境を測定する腐食環境の測
    定方法において、 前記被測定材料によって容器を構成すると共にその容器
    に予め切欠きを設け、常温を含む被測定腐食環境温度以
    下の温度で前記容器の材料よりも線膨張係数が大きな封
    入物質を前記容器に封入し、この封入物質を封入した容
    器を被測定腐食環境に曝し前記封入物質の膨張による応
    力を前記容器に発生させることによって応力腐食割れを
    創出し、前記切欠きから発生したき裂の進展速度を測定
    することにより間接的に被測定腐食環境を測定すること
    を特徴とする腐食環境の測定方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の腐食環境の測定方法にお
    いて、前記容器表面に前記切欠きを挟むように給電端子
    を設け、この給電端子間に前記切欠きを挟むように測定
    端子を設け、前記給電端子間に定電流を供給し、前記測
    定端子間の電位差により前記き裂の寸法を測定し、その
    き裂の寸法より前記き裂の進展速度を測定することを特
    徴とする腐食環境の測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項5または8記載の腐食環境の測
    定方法において、異なる寸法及び形状の切欠きを設けた
    複数個の前記容器を製作することを特徴とする腐食環境
    の測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のうちいずれか1項
    記載の腐食環境の測定方法において、前記封入物質を異
    なる封入条件において複数個の前記容器に封入し、被測
    定腐食環境に曝した際の前記容器に発生する応力をそれ
    ぞれ異なる値に設定することを特徴とする腐食環境の測
    定方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から10のうちいずれか1項
    記載の腐食環境の測定方法において、応力腐食割れに対
    する感受性の異なる材料によって複数個の前記容器を製
    作することを特徴とする腐食環境の測定方法。
  13. 【請求項13】 被測定材料にき裂を発生させることに
    より腐食環境を測定する腐食環境測定き裂センサーにお
    いて、 前記被測定材料で構成された容器と、前記容器に封入さ
    れ前記容器の材料よりも線膨張係数が大きな封入物質と
    を有し、前記封入物質が封入される温度は常温を含む被
    測定腐食環境温度以下の温度であることを特徴とする腐
    食環境測定き裂センサー。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の腐食環境測定き裂セ
    ンサーにおいて、前記容器の材料はステンレス鋼または
    インコネルであり、前記封入物質は水または純水である
    ことを特徴とする腐食環境測定き裂センサー。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の腐食環境測定き裂セ
    ンサーにおいて、前記封入物質は、被測定腐食環境温度
    の時には封入時の温度の時よりも膨張変形する形状記憶
    合金であることを特徴とする腐食環境測定き裂センサ
    ー。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の腐食環境測定き裂セ
    ンサーにおいて、前記容器に予め切欠きを設けたことを
    特徴とする腐食環境測定き裂センサー。
  17. 【請求項17】 被測定材料にき裂を発生させることに
    より腐食環境を測定する腐食環境測定き裂センサーにお
    いて、 前記被測定材料で構成され予めその壁を貫通する切欠き
    を設けた容器と、前記容器の材料の線膨張係数以上の線
    膨張係数を有する材料で構成され前記容器の少なくとも
    前記切欠きを内側から覆うように設置された内張り材
    と、前記内張り材を設置した容器に封入され前記内張り
    材の材料よりも線膨張係数が大きな封入物質とを有し、
    前記封入物質が封入される温度は常温を含む被測定腐食
    環境温度以下の温度であることを特徴とする腐食環境測
    定き裂センサー。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の腐食環境測定き裂セ
    ンサーにおいて、前記容器の材料はステンレス鋼または
    インコネルであり、前記内張り材の材質は金であり、前
    記封入物質は水または純水であることを特徴とする腐食
    環境測定き裂センサー。
  19. 【請求項19】 請求項16または17記載の腐食環境
    測定き裂センサーにおいて、前記容器の形状は円柱形で
    あり、前記切欠きを円柱の軸方向に設けたことを特徴と
    する腐食環境測定き裂センサー。
  20. 【請求項20】 請求項16または17記載の腐食環境
    測定き裂センサーにおいて、前記容器の形状は円柱形で
    あり、前記切欠きを円柱の周方向に設けたことを特徴と
    する腐食環境測定き裂センサー。
  21. 【請求項21】 被測定材料にき裂を発生させることに
    より腐食環境を測定する腐食環境測定き裂センサーにお
    いて、 前記被測定材料で構成され予め切欠き設けた中板と、前
    記中板の材料よりも線膨張係数が大きな材料で構成され
    前記中板を挟み込むように接合された側板とを有し、前
    記側板には前記中板の切欠きが被測定腐食環境に曝され
    るように窓が設けられていることを特徴とする腐食環境
    測定き裂センサー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025753A1 (fr) * 1999-09-30 2001-04-12 Hitachi, Ltd. Capteur de croissance de fissure et systeme de mesure de la grandeur de cette croissance, utiles dans l'evaluation environnementale ou analogue
JP2010101911A (ja) * 2005-06-17 2010-05-06 Petrotest Instruments Gmbh & Co Kg 燃料または鉱物油製品の加速酸化試験の方法とその装置ならびにその装置をコントロールするためのコンピュータ・プログラムおよびコンピュータによる読み取り可能なメモリメディア

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JP2010101911A (ja) * 2005-06-17 2010-05-06 Petrotest Instruments Gmbh & Co Kg 燃料または鉱物油製品の加速酸化試験の方法とその装置ならびにその装置をコントロールするためのコンピュータ・プログラムおよびコンピュータによる読み取り可能なメモリメディア
US8066960B2 (en) 2005-06-17 2011-11-29 Petrotest Instruments GmbH Co. KG Method and device for an accelerated oxidation test of fuels or petroleum products, as well as a computer program for controlling such a device, and a corresponding computer readable storage medium

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