JPH05339852A - 空気ノズル式織機における切換可能な槽状テンプル台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テンプル台をこれが瞬間的に棒形テンプルの
形に切り換えられるように形成し、公知の伸張装置を織
機の面倒な切換なしに種々の種類の織物に合わせ、同時
に織物の伸張作用および締付け作用を考慮することがで
きるようにする。 【構成】 出口側のテンプル要素（９）とテンプル台
（１）における前部の織物転向範囲に一体化されている
テンプル要素（８）との間に、半殻状に形成された織物
転向要素（１２）が、入口側のテンプル要素（８）と半
殻状転向要素（１２）の自由端（１２ａ）との間に織物
隙間（１６）が形成されるように、テンプル台（１）の
槽状に形成された部分の中に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、前部の織物転向範囲に
おいておさのよこ糸通し通路の中央に向きその上側面が
テンプル（伸子）台の織物支持面の延長部を形成してい
る突起と、テンプル台の入口並びに出口に配置された織
物用のテンプル要素とを有する空気ノズル式織機におけ
る切換可能な槽状テンプル台に関する。

【０００２】

【従来の技術】織機には織物の種類に関係して特別な形
態の織物テンプルが利用されるか、あるいは織物特有の
伸張作用を保証するために種々の処置が講じられてい
る。テンプル範囲における切換作用を部分的に遮断した
状態でその都度製造すべき織物の種類に合わせられるテ
ンプルが有利である。

【０００３】ヨーロッパ特許出願第０２９２４２９号に
おいて、織機において織物を伸張するための装置が知ら
れている。この装置はよこ糸通し方向に対して平行に配
置されたホルダを有し、このホルダには受動的な伸張要
素として、それぞれ織物幅にわたって延びる少なくとも
１つの織物支柱と、交換可能な能動的な伸張要素の巻き
つきを増大するための織物用の交換可能な転向要素とが
存在している。能動的な伸張要素は伸張ローラとして形
成されている。織物によって巻かれ強制的に回転される
伸張ローラは、受動的な伸張要素と織物支柱との間に位
置されている。本発明の目的は主に、少数の要素の交換
によって製造すべき織物の種類に伸張装置ないしテンプ
ル装置を合わせることにある。

【０００４】ヨーロッパ特許出願第０４１２２９４号に
よって、テンプル台付きの空気式織機が知られている。
そのテンプル台は織物の縁部範囲に作用するテンプルを
槽状に取り囲み、前部の織物転向範囲においておさのよ
こ糸通し通路の中央に向きその上側面がテンプル台の織
物支持面の延長部を形成している突起を備えている。突
起からテンプル台の槽への移行範囲即ちテンプル台の織
物入口並びにテンプル台の出口において、特に織物全幅
にわたって延びているテンプル要素が一体化されてい
る。このテンプル台は、結び点の優れた心出し作用から
多重の織物伸張作用にまで及ぶ多数の特徴を集中して持
っている。

【０００５】それにも拘わらずこのテンプル台は汎用的
に利用できず、即ち空気ノズル式織機で製造すべき織物
の任意に種類に対して採用できない。良好な大きな織物
巻付け角が達成されるようないわゆる棒形テンプルを採
用することが有利である種類の織物に対しては、織機の
切換が行われねばならない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヨー
ロッパ特許出願第０４１２２９４号におけるテンプル台
から出発して、このテンプル台をこれが瞬間的に棒形テ
ンプルの形に変更できるように形成することにある。即
ち、公知の伸張装置を織機の面倒な切換なしに種々の種
類の織物に合わせ、織物の伸張作用および締付け作用を
同時に発揮することができるようにするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によればこの目的
は、冒頭に述べた形式の槽状テンプル台において、出口
側のテンプル要素とテンプル台における前部の織物転向
範囲に一体化されているテンプル要素との間に、半殻状
に形成された織物転向要素が、入口側のテンプル要素と
半殻状転向要素の自由端との間に織物隙間が形成される
ように、テンプル台の槽状に形成された部分の中に設置
され、テンプル台にかみ合い結合あるいは摩擦結合さ
れ、前記織物隙間の内のり幅が織物によって支えられて
いるテンプル棒の直径に関係して変更できることによっ
て達成される。

【０００８】

【実施例】以下図に示した実施例を参照して本発明を詳
細に説明する。図１において槽状に形成されているテン
プル（伸子）台１は、織機（図示せず）の構造部品２に
支柱１ａを介して着脱可能に結合されている。テンプル
台１は公知のように織機の全織物幅にわたって延びてい
る。

【０００９】テンプル台１の突起として形成されている
織物案内台３が、よこ糸５とたて糸６が互いに織られる
結び点４に向けられている。７は出来上がった織物であ
る。織物案内台３からテンプル台１の槽状に形成されて
いる部分への移行範囲に、テンプル要素８が一体化され
ている。後方の織物転向範囲即ちテンプル台１の出口範
囲にも、テンプル要素９が設けられている。ここでは同
様に図示してないニードルローラ（特にヨーロッパ特許
第０１４２２９４号公報あるいは米国特許第３８８５６
００号公報参照）が、一般にテンプル台１の槽状部分の
中に回転可能に収容されている。このニードルローラは
テンプル台１の槽状部分において織物入口から織物出口
への織物軌道によって部分的に巻き付けられている。こ
のローラは、その長さにわたって形成された表面構造に
相応して帯状織物が主にその縁部範囲において伸張作用
を受けるように作用する。テンプル台の上述した構造
は、ヨーロッパ特許第０１４２２９４号公報に詳細に記
載されているものに相応している。

【００１０】しかし空気ノズル式織機で製造すべき所定
の織物に対して、織物の伸張作用および織物の締付け作
用を組み合わせる必要がある。これは、さもなければこ
こでは図示していない織機の開口形成機構により仕上が
った織物７が織物排出方向１０（図３参照）と反対側に
引き戻されてしまうからである。このことは織物の品質
を悪くしてしまうので、避けねばならない。

【００１１】図１に示されているように半殻状に形成さ
れた転向要素１２を係止する手段１１が、テンプル台の
槽の底にほぼ同心的に固定してあるいは着脱可能に配置
されている。この係止手段１１は図４から分かるように
テンプル台１の長さにわたって相互に間隔を隔てて複数
配置されている。

【００１２】半殻体１２のテンプル台１の槽の底と接触
する部分における前部切欠き１３および後部切欠き１４
は係止手段１１と一致している。その場合、後部切欠き
１４は、半殻体１２が手動の回転および同時の軸方向移
動によって「テンプル棒１５の挿入ないし取出し」位置
に置けるように決められている。この位置においてテン
プル要素８と織物７を転向する半殻体１２の自由端１２
ａとの間に大きな内のり幅の織物隙間１６が存在してい
る。テンプル棒１５は矢印１７，１８に相応して織物７
の上に置いたり、そこから取り出したりできる。

【００１３】構造部品２にはテンプル台の長さにわたっ
て、ばね弾性ピンの形をした少なくとも第１および第２
の回り止め１９が配置されている。これらのピンは、そ
れが半殻体におけるノッチ２１あるいは孔２０に係合
し、半殻体が回転および軸方向移動を阻止されるように
作用する。

【００１４】図２はテンプル台１における半殻体１２が
いわゆる中間位置にある状態を示している。ここでは半
殻体１２は織物隙間１６の内のり幅を減少する方向に、
係止手段１１が後部切欠き１４にもはやかみ合わないよ
うに回転されている。半殻体１２はテンプル台１の内部
において軸方向（図４の矢印２２参照）に、前部切欠き
１３が係止手段１１とかみ合うまで移動できる。

【００１５】図３においてテンプル台１は織物の伸張作
用および締付け作用の両運転状態にある。半殻体１２の
前部切欠き１３は、係止手段１１ここでは例えば槽状テ
ンプル台１の底を貫通するさら頭ボルト２４によって受
けられている心出し部材２３にかみ合い結合している。
なお半殻体の係止範囲において切欠き１３，１４は、心
出し部材２３の円筒状部分を十分な隙間をもって収容で
きるように寸法づけられている。ばね弾性の回り止め１
９は半殻体１２の孔２０に挿入され、これを回り止して
いる。

【００１６】テンプル台１の入口側のテンプル要素８と
半殻体１２の織物７を転向する自由端１２ａとの間に織
物隙間１６が存在し、その内のり幅はテンプル棒１５の
直径Ｄよりも小さい。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、テンプル台を瞬間的に
棒形テンプルの形に変更でき、織機の面倒な切換なしに
種々の種類の織物に合わせることができ、織物の伸張作
用および締付け作用を同時に発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】テンプル台の内部において半殻体が「織物テン
プル棒の挿入ないし取出し」位置にある状態の概略図。

【図２】テンプル台の内部において半殻体が図４の後部
切欠きから前部切欠きへ軸方向に移動できる状態にある
概略図。

【図３】テンプル台の内部において半殻体がテンプル棒
の伸張作用位置にある状態の概略図。

【図４】図１および図３における半殻体の一部平面図。

【符号の説明】 １ 槽状のテンプル台 １ａ 支柱 ２ 構造部品 ３ 織物案内面 ４ 結び点 ５ よこ糸 ６ たて糸 ７ 織物 ８ テンプル要素 ９ テンプル要素 １０ 織物排出方向 １１ 係止手段 １２ 織物転向要素 １２ａ 転向端 １３ 前部切欠き １４ 後部切欠き １５ テンプル棒 １６ 織物隙間 １７ 矢印 １８ 矢印 １９ 回り止め ２０ 孔 ２１ ノッチ ２２ 矢印 ２３ 心出し要素 ２４ さら頭ボルト

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前部の織物転向範囲においておさのよこ糸
   通し通路の中央に向きその上側面がテンプル台の織物支
   持面の延長部を形成している突起と、テンプル台の入口
   並びに出口に配置された織物用テンプル要素とを有する
   空気ノズル式織機における切換可能な槽状テンプル台に
   おいて、 出口側のテンプル要素（９）とテンプル台（１）におけ
   る前部の織物転向範囲に一体化されているテンプル要素
   （８）との間に、半殻状に形成された織物転向要素（１
   ２）が、入口側のテンプル要素（８）と半殻状転向要素
   （１２）の自由端（１２ａ）との間に織物隙間（１６）
   が形成されるように、テンプル台（１）の槽状に形成さ
   れた部分の中に設置され、テンプル台（１）にかみ合い
   結合あるいは摩擦結合され、前記織物隙間（１６）の内
   のり幅が織物（７）によって支えられているテンプル棒
   （１５）の直径（Ｄ）に関係して変更できることを特徴
   とする空気ノズル式織機における切換可能な槽状テンプ
   ル台。
2. 【請求項２】転向要素（１２）がテンプル台（１）の全
   長にわたって一体部品で配置されていることを特徴とす
   る請求項１記載のテンプル台。
3. 【請求項３】前部のテンプル要素（８）および半殻状転
   向要素（１２）の自由端（１２ａ）が互いに平行に延
   び、一緒にテンプル棒（１５）を織物（７）の引張りに
   抗して案内することを特徴とする請求項１又は２記載の
   テンプル台。
4. 【請求項４】転向要素（１２）がテンプル台（１）との
   結合範囲に少なくとも前部および後部の切欠き（１３，
   １４）を有していることを特徴とする請求項１記載の半
   殻状転向要素。
5. 【請求項５】切欠き（１３，１４）が半殻体の長さにわ
   たって間隔を隔てて複数配置されていることを特徴とす
   る請求項４記載の転向要素。
6. 【請求項６】切欠き（１３，１４）がテンプル台（１）
   に固定して配置された係止手段（１１）と接続されるこ
   とを特徴とする請求項４又は５記載の転向要素。
7. 【請求項７】切欠き（１３，１４）がテンプル台（１）
   に調整可能に配置された係止手段（１１）と接続される
   ことを特徴とする請求項４又は５記載の転向要素。
8. 【請求項８】テンプル台（１）と転向要素（１２）との
   結合がバヨネット接続方式で形成されていることを特徴
   とする請求項１，６，７のいずれか１つに記載の転向要
   素。