JPH05339234A - ヘキサヒドロインデノ〔1,2−b〕ピロール誘導体 - Google Patents

ヘキサヒドロインデノ〔1,2−b〕ピロール誘導体

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JPH05339234A
JPH05339234A JP14722092A JP14722092A JPH05339234A JP H05339234 A JPH05339234 A JP H05339234A JP 14722092 A JP14722092 A JP 14722092A JP 14722092 A JP14722092 A JP 14722092A JP H05339234 A JPH05339234 A JP H05339234A
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靖男 大城
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伸幸 倉橋
Seiji Sato
誠司 佐藤
Tetsuro Kikuchi
哲朗 菊地
Katsura Tottori
桂 鳥取
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、中枢神経賦活作用及び意識障害改善
作用を有する新規なヘキサヒドロインデノ〔1,2−
b〕ピロール誘導体を提供することを目的とする。 【構成】本発明のヘキサヒドロインデノ〔1,2−b〕
ピロール誘導体は、下記一般式で表わされる。 【化1】 〔式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基を示す。R
2 、R3 及びR4 は、同一又は異なって、水素原子、水
酸基、低級アルケニルオキシ基、低級アルコキシ基、低
級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又は低級アルケ
ニル基を示す。但し、R2 が水素原子を示す場合、R3
及びR4 は同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原
子であってはならない。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なヘキサヒドロイ
ンデノ〔1,2−b〕ピロール誘導体に関する。
【0002】
【発明の開示】本発明のヘキサヒドロインデノ〔1,2
−b〕ピロール誘導体は、文献未記載の新規化合物であ
り、下記一般式(1)で表わされる。
【0003】
【化2】
【0004】〔式中、R1 は水素原子又は低級アルキル
基を示す。R2 、R3 及びR4 は、同一又は異なって、
水素原子、水酸基、低級アルケニルオキシ基、低級アル
コキシ基、低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又
は低級アルケニル基を示す。但し、R2 が水素原子を示
す場合、R3 及びR4 は同一又は異なって、水素原子又
はハロゲン原子であってはならない。〕 近年のモターリゼーションの発達に伴い交通事故等によ
る頭部外傷患者の数は増加する傾向にある。頭部外傷に
基ずく脳機能の損傷はまず昏睡とうの意識障害として現
われるが脳機能の損傷の程度に応じて意識障害の度合い
が異なっている。而して脳機能の損傷の程度が軽徴であ
れば、間もなく意識を回復するが、脳機能の損傷の程度
が高度になればなるほど意識の回復が遅れ、その回復が
遅れれば遅れるほど予後は悪く、痴呆、最悪のケースで
は植物人間となる。従って、頭部外傷の後、速やかに意
識障害を改善することは重要である。更に脳血管障害に
より高齢者には意識障害により、譫妄、知的機能低下等
の痴呆症状を示すケースがあり、この場合にも速やかな
意識障害の改善が望まれている。
【0005】本発明者らは、一般式(1)て表わされる
新規ヘキサヒドロインデノ(1,2−b)ピロール誘導
体に脳機能を賦活し、強力な意識障害改善作用を有する
ことを見い出した。
【0006】本発明化合物は、中枢神経賦活作用及び意
識障害改善作用を有し、頭部外傷、脳出血、脳梗塞、ク
モ膜下出血、酸素欠乏症、脳手術後の意識障害、またこ
れらの後遺症である精神発達遅滞、注意力低下、言語障
害、動作障害、意欲低下、記憶障害、情緒障害等の治療
薬として有用であり、更に老人性症痴呆症の鬱状態、譫
妄、言語障害、動作障害、注意力低下の改善剤として有
用である。また本発明化合物は、多動症候群、自閉症等
の症状改善剤、更に抗鬱剤として有用である。本発明化
合物は経口投与にても中枢神経賦活作用及び意識障害改
善作用を発現するという特徴を有している。
【0007】上記一般式(1)において示される各基は
より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0008】低級アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ
基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を
例示できる。
【0009】低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は
分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0010】低級アルケニルオキシ基としては、例えば
ビニルオキシ、アリルオキシ、2−ブテニルオキシ、3
−ブテニルオキシ、1−メチルアリルオキシ、2−ペン
テニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜
6の直鎖又は分枝鎖状アルケニルオキシ基を挙げること
ができる。
【0011】低級アルケニル基としては、例えばビニ
ル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル
アリル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル基等の炭素数
2〜6の直鎖又は分枝鎖状アルケニル基を例示できる。
【0012】ハロゲン原子としては、例えば弗素原子、
塩素原子、臭素原子及び沃素原子が挙げられる。
【0013】本発明の化合物は各種の方法で製造できる
が、その好ましい一例を挙げれば例えば下記反応式−1
に示す方法により製造できる。
【0014】〔反応式−1〕
【0015】
【化3】
【0016】〔式中R1 、R2 、R3 及びR4 は前記に
同じ。R5 は低級アルキル基を示す。Xはハロゲン原子
を示す。〕化合物(2)とヒドロキシルアミン(3)と
の反応は、適当な不活性溶媒中、塩基性化合物の存在下
又は非存在下に行なうことができる。この際使用される
塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩
基性化合物、ピペリジン、ピリジン、トリエチルアミ
ン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5
(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウ
ンテセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2,〕オクタン(DABCO)等の有機塩基
を例示できる。使用される不活性溶媒としては、反応に
悪影響を及ぼさないものであればいずれでもよいが、例
えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低
級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化水素類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド等又はこれらの混合溶媒等が挙げ
られる。ヒドロキシルアミン(3)の使用量は、化合物
(2)に対して通常少なくとも等モル量、好ましくは等
モル〜5倍モル量使用するのがよい。反応温度は、通常
室温〜200℃、好ましくは50〜150℃とするのが
よく、一般に1〜10時間程度で反応は終了する。
【0017】化合物(4)の還元は、適当な溶媒中触媒
の存在下、接触水素添加することにより行なうことがで
きる。使用される溶媒としては、例えば水、酢酸、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド等の非プロトン性極性溶媒又はこれらの混合溶媒等
が挙げられる。また使用される触媒としては、例えばパ
ラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、白金、
酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等が用いられ
る。触媒の使用量としては、化合物(4)に対して一般
に0.02〜1倍量程度用いるのがよい。反応温度は通
常−20℃〜室温付近、好ましくは0℃〜室温付近、水
素圧は通常1〜10気圧とするのがよく、該反応は一般
に0.5〜10時間程度で終了する。
【0018】化合物(1a)と化合物(5)の反応は、
適当な不活性溶媒中、脱ハロゲン化水素剤の存在下にて
容易に実施される。一般式(1a)の化合物と化合物
(5)との使用割合としては、特に制限されず広い範囲
内で適宜選択すればよいが、通常前者に対して後者を等
モル以上、好ましくは等モル〜3倍モル量用いるのがよ
い。用いられる脱ハロゲン化水素剤としては例えばナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属原子、ナトリウムア
ミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド、水素化
ナトリウム等を挙げることができ、また不活性溶媒とし
ては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド等を挙げることができる。該反応は、通
常0〜150℃、好ましくは0〜100℃にて行なわ
れ、一般に1〜12時間程度で反応は終了する。斯くし
て一般式(1b)で表わされる化合物が収得される。
【0019】化合物(2)と化合物(6)の反応は、無
溶媒又は適当な溶媒中、脱水剤の非存在下又は存在下に
行なわれる。ここで使用される溶媒としては、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン等の非プロトン性極性溶媒又はこれらの混合溶媒等
が挙げられる。脱水剤としては、例えばモレキュラーシ
ーブ等の通常の溶媒の脱水に用いられる乾燥剤、塩酸、
硫酸、三弗化ホウ素等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸等を挙げることができる。該反応は、通常室
温〜250℃、好ましくは50〜200℃程度にて行な
われ、一般に1〜48時間程度で反応は終了する。化合
物(6)の使用量としては、特に制限されないが、通常
化合物(2)に対して少なくとも等モル量、好ましくは
等モル〜大過剰量使用するのがよい。また脱水剤の使用
量としては、乾燥剤の場合には通常大過剰量、酸を用い
る場合には触媒量用いるのがよい。該反応において、中
間体として
【0020】
【化4】
【0021】〔式中R1 、R2 、R3 及びR4 は前記に
同じ。〕が生成する。該化合物は単離することができる
が、通常単離することなく次の反応に供される。
【0022】引き続く還元反応には、種々の方法が適用
でき、適当な溶媒中触媒の存在下、接触水素添加するこ
とにより行ない得る。使用される溶媒としては、例えば
水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化
水素類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジ
メチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒又はこれ
らの混合溶媒等が挙げられる。また使用されるは触媒と
しては、例えばパラジウム、パラジウム−黒、パラジウ
ム−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネ−ニッ
ケル等が挙げられる。触媒は、原料化合物に対して一般
に0.02〜1倍量程度用いるのがよい。反応温度は通
常−20℃〜100℃付近、好ましくは0℃〜70℃付
近、水素圧は通常1〜10気圧とするのがよく、該反応
は一般に0.5〜20時間程度で終了する。
【0023】上記還元反応条件を利用できるが、好まし
くは水素化還元剤を用いる還元法が好適に利用される。
用いられる水素化還元剤としては、例えば水素化アルミ
ニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等
が挙げられ、その使用量は、通常化合物(2)に対して
少なくとも等モル、好ましくは等モル〜10倍モルの範
囲である。この還元反応は、通常適当な溶媒、例えば
水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低
級アルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジグライム等のエーテル類、ジメチルホルムアミド
又はこれらの混合溶媒等を用い、通常約−60〜50
℃、好ましくは−30℃〜室温にて、約10分間〜5時
間程度で行なわれる。なお、還元剤として水素化アルミ
ニウムリチウムやジボランを用いた場合には、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等の無水の
溶媒を用いるのがよい。
【0024】〔反応式−2〕
【0025】
【化5】
【0026】〔式中R1 、R2 及びR4 は前記に同じ。
3aはハロゲン原子を示す。〕化合物(1c)のハロゲ
ン化反応は、通常のハロゲン化剤の存在下に行なわれ
る。斯かる反応に使用されるハロゲン化剤としては公知
のものを広く使用でき、例えば臭素、塩素等のハロゲン
分子又は一塩化ヨウ素、スルフリルクロライド、N−ブ
ロムコハク酸イミド、N−クロルコハク酸イミド等のN
−ハロゲノコハク酸イミド等のハロゲン化剤を挙げるこ
とができる。ハロゲン化剤の使用量としては、通常化合
物(1c)に対して等モル量用いるのがよい。該反応に
用いられる溶媒は、例えばジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素類、酢酸、プロピオン酸、水等が挙げられる。該反応
において、反応温度は通常0℃〜反応溶媒の沸点、好ま
しくは0〜100℃とするのがよく、通常1〜10時間
程度で反応は終了する。
【0027】〔反応式−3〕
【0028】
【化6】
【0029】〔式中R1 、R2 及びR4 は前記に同じ。
3bはニトロ基を示す。〕化合物(1c)のニトロ化反
応は、通常の芳香族化合物のニトロ化反応条件下に実施
できる。即ち、例えば無溶媒もしくは適当な不活性溶媒
中で、ニトロ化剤を用いて行なわれる。ここで用いられ
る不活性溶媒としては例えば酢酸、無水酢酸、濃硫酸等
を、また用いられるニトロ化剤としては例えば発煙硝
酸、濃硝酸、混酸(硫酸、発煙硫酸、リン酸又は無水酢
酸と硝酸)、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等のアルカ
リ金属硝酸塩と硫酸等をそれぞれ例示できる。上記ニト
ロ化剤の使用量は原料化合物に対して等モル量程度以
上、通常過剰量とするのがよく、反応は有利には0℃程
度〜室温付近で、0.5〜4時間程度を要して実施する
ことができる。
【0030】〔反応式−4〕
【0031】
【化7】
【0032】〔式中R1 、R3 、R4 及びXは前記に同
じ。R6 は低級アルキル基を示す。〕化合物(1f)と
化合物(6)の反応は、塩基性化合物の存在下適当な溶
媒中にて行なわれる。ここで使用される塩基性化合物と
しては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナ
トリウムエチラート、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、ナトリウムアミド、カリウムアミド等を挙げること
ができる。また溶媒としては、例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジオキサ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテルと等のエー
テル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド等を挙げることができる。化合物
(6)の使用量としては特に限定がなく、広い範囲内で
適宜選択すればよいが、通常化合物(1f)に対して少
なくとも等モル量、好ましくは等モル〜5倍モル量使用
するのがよい。該反応は、通常0〜70℃程度、好まし
くは0℃〜室温付近にて行なわれ、一般に0.5〜12
時間程度で反応は終了する。
【0033】化合物(1g)を化合物(1f)に導く反
応は、適当な溶媒、例えば水、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等の低級アルコール類、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸等の溶媒
又はこれらの混合溶媒中で、パラジウム−炭素、パラジ
ウム−黒等の接触還元触媒の存在下に、0〜100℃付
近にて、水素圧1〜10気圧で0.5〜3時間程度処理
するか、又は臭化水素酸、塩酸等の酸と水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の溶媒との混合物
中で、30〜150℃、好ましくは50〜120℃に加
熱処理することにより、化合物(1f)を得ることがで
きる。
【0034】また化合物(1g)を加水分解することに
よっても化合物(1f)を得ることができる。この加水
分解は適当な溶媒中酸又は塩基性化合物の存在下にて行
なわれる。溶媒としては例えば水、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニト
リル等の極性溶媒、これらの混合溶媒等を挙げることが
できる。酸としては例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の
鉱酸類、塩化アルミニウム等のルイス酸、ヨウ化ナトリ
ウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化物、上記ルイス酸とヨ
ウ化物の混合物等を、また塩基性化合物としては例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム
等の金属水酸化物等をそれぞれ挙げることができる。該
反応は通常室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃
にて好適に進行し、一般に0.5〜15時間程度で終了
する。
【0035】〔反応式−5〕
【0036】
【化8】
【0037】〔式中R1 、R4 及びXは前記に同じ。R
7 及びR3cはそれぞれ低級アルケニル基を示す。〕化合
物(1h)と化合物(7)との反応は、塩基性化合物の
存在下に行なわれる。塩基性化合物としては公知のもの
を広く使用でき、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウム、炭酸銀等
の無機塩基、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、
ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアル
コラート、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメ
チルアニリン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルア
ミノピリジン、DBN、DBU、DABCO等の有機塩
基が挙げられる。該反応は無溶媒でもあるいは溶媒の存
在下でも行なわれ、溶媒としては反応に悪影響を与えな
い不活性のものがすべて用いられ、例えば水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライ
ム等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイ
ド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極
性溶媒等やこれらの混合溶媒が挙げられる。また該反応
はヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物
の存在下に行なうのが有利である。上記方法における化
合物(1h)と化合物(7)との使用割合は特に限定さ
れず、広範囲の中から適宜に選択されるが、通常前者に
対して後者を等モル〜5倍モル、好ましくは等モル〜2
倍モル量にて用いるのが望ましい。また、その反応温度
も特に限定されないが、通常0℃〜200℃、好ましく
は0℃〜150℃で行なわれる。反応時間は通常1〜3
0時間、好ましくは1〜15時間である。
【0038】化合物(1i)から化合物(1j)を得る
反応は、一般にクライゼン転位と呼ばれるものであり、
例えば適当な溶媒中にて化合物(1i)を加熱すること
により化合物(1j)に導くことができる。用いられる
溶媒としては、ジメチルホルムアミド、テトラリン等の
高沸点溶媒を例示できる。加熱温度としては、通常10
0〜250℃、好ましくは150〜250℃程度であ
り、1〜30時間程度で該反応は終了する。
【0039】出発原料として用いられる化合物(2)は
新規化合物を含むが、この化合物(2)は、例えば、公
知方法〔L.H.Groves and G.A.Swan,J.Chem.Soc.,P867-P
870(1951)〕に従って合成することができる。
【0040】本発明において有効成分とする一般式
(1)の化合物は、通常の薬理的に許容される酸と容易
に塩を形成し得る。かかる酸としては、例えば硫酸、硝
酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸、酢酸、、p−トルエ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸、シユウ酸、マレイン
酸、フマル酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸等の有機
酸を例示できる。之等の塩もまた遊離形態の一般式
(1)の化合物と同様に本発明の有効成分化合物として
用いることができる。尚、上記一般式(1)の化合物に
は、立体異性体、光学異性体が包含されるが、之等も同
様に有効成分化合物として用いることができる。
【0041】上記各反応工程式に示される方法により得
られる目的とする化合物は、通常の分離手段により反応
系内より分離され、更に精製することができる。この分
離及び精製手段としては、例えば蒸留法、再結晶法、カ
ラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲルクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィ
ー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出
法等を採用できる。
【0042】かくして得られる有効成分化合物は、中枢
神経賦活剤及び意識障害改善剤として有効であり、これ
らは、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。製剤は通
常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊
剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用
いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態が治
療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠
剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセ
ル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられ
る。錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの
分野で従来よりよく知られている各種のものを広く使用
することができる。その例としては、例えば乳糖、白
糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸
カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦
形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブ
ドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチ
ルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カ
リウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプ
ン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン
末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳
糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素
添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウ
リル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デン
プン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナ
イト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステ
アリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑
沢剤等を使用できる。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤
皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶
被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠
とすることができる。丸剤の形態に成形するに際して
は、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用で
きる。その例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプ
ン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形
剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノ
ール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を
使用できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して従来公知のものを広く使用できる。その例として
は、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級ア
ルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半
合成グリセライド等を挙げることができる。カプセル剤
は常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種
の担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル
等に充填して調製される。注射剤として調製される場
合、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張
であるのが好ましく、これらの形態に成形するに際して
は、希釈剤としてこの分野において慣用されているもの
をすべて使用でき、例えば水、エチルアルコール、マク
ロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステ
アリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類
等を使用できる。なお、この場合等張性の溶液を調製す
るに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医
薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助
剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に
応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の
医薬品を医薬製剤中に含有させることもできる。
【0043】本発明のこれら医薬製剤中に含有されるべ
き有効成分化合物の量としては、特に限定されず広範囲
から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70
重量%、好ましくは約5〜50重量%とするのがよい。
【0044】本発明のこれら医薬製剤の投与方法は特に
制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の
条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば
錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル
剤の場合には、経口投与される。また注射剤の場合には
単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合し
て静脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直
腸内投与される。
【0045】本発明のこれら医薬製剤の投与量は、用
法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等によ
り適宜選択されるが、通常有効成分化合物の量が、一日
当り体重1kg当り、約0.6〜50mg程度とするのが良
い。また投与単位形態の製剤中には有効成分化合物が約
10〜1000mgの範囲で含有されるのが望ましい。
【0046】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明するため、本
発明の医薬製剤の製剤例を挙げ、次いで上記有効成分化
合物の製造例を実施例として挙げ、更に有効成分化合物
の試験例を挙げる。
【0047】製剤例1 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ− 5−メチルインデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オン 150g アビセル(商標名,旭化成社製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g エタノール 40g 本発明有効成分化合物、アビセル、コーンスターチ及び
ステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油及びエタノールからなるフィルムコーティ
ング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造
する。
【0048】製剤例2 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ− 1,5−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オン 150 g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ステアリン酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 本発明有効成分化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸
二カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸
ナトリウムを混合する。
【0049】上記混合物をNo.60スクリーンでふる
い、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500及
び同6000を含むアルコール製溶液で湿式粒状化す
る。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト
状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形
成されるまで混合を続ける。混合物をNo.10スクリー
ンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオーブンで1
2〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーン
でふるい、乾燥ラウリンル硫酸ナトリウム及び乾燥ステ
アリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠機で所望の
形状に圧縮する。
【0050】上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散
布し、湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を
被覆する。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行
なう。錠剤を完全に丸く且つ平滑にするために更に下塗
り層及び平滑被覆が適用される。所望の色合が得られる
まで着色被覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一
な光沢の錠剤にする。
【0051】製剤例3 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ− 5−メチルインデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オン 5 g ポリエチレングリコール(分子量:4000) 0.3g 塩化ナトリウム 0.9g ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート 0.4g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g メチル−パラベン 0.18g プロピル−パラベン 0.02g 注射用蒸留水 10.0ml 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナト
リウムを攪拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水に
溶解させる。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明
の有効成分化合物、次いでポリエチレングリコール及び
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを、上記
溶液中に溶解させる。次にその溶液に注射用蒸留水を加
えて最終の容量に調製し、適当なフィルターペーパーを
用いて滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製
する。
【0052】参考例1 7−メトキシ−4−メチルインダノン−2−酢酸メチル
10gをクロロホルム−メタノール(1:5)混合溶媒
に溶解させ、ヒドロキシルアミン塩酸塩3.2g及びピ
リジン6.5mlを加えて6時間加熱攪拌を行なった。
反応液を冷却した後クロロホルム200mlを加えて希
釈して得られたクロロホルム溶液を、水、10%塩酸、
飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾
燥後、溶媒を留去した。メタノールから再結晶して無色
針状晶の1−ヒドロキシイミノ−7−メトキシ−4−メ
チルインダン−2−酢酸メチルを7.34g(69%)
を得た。
【0053】融点190−192℃。
【0054】参考例2 参考例1と同様にして、7−ヒドロキシ−4−メチルイ
ンダノン−2−酢酸メチルから無色針状晶の7−ヒドロ
キシ−1−ヒドロキシイミノ−4−メチルインダン−2
−酢酸メチルを得た。
【0055】融点116−117℃。
【0056】参考例3 7−ヒドロキシ−4−メチルインダノン−2−酢酸メチ
ル4gを40%メチルアミンメタノール溶液に加え17
時間加熱攪拌を行なった後、減圧下メチルアミンメタノ
ール溶液を留去した。メタノールから再結晶して無色針
状晶の7−ヒドロキシ−4−メチル−1−メチルイミノ
インダン−2−(N−メチル)酢酸アミドを3.3g
(78%)を得た。
【0057】融点178−180℃。
【0058】参考例4 参考例3と同様にして、7−メトキシ−4−メチルイン
ダノン−2−酢酸メチルから7−メトキシ−4−メチル
−1−メチルイミノインダン−2−(N−メチル)酢酸
アミドを32%の収率で得た。
【0059】融点129−130℃。
【0060】実施例1 1−ヒドロキシイミノ−4−メトキシインダン−2−酢
酸メチル2.49gをメタノール80ml及び酢酸20
mlに溶解させ、酸化白金触媒250mgを加え、3気
圧室温で還元した。触媒を濾過して除き、濾液を減圧下
濃縮した。ジイソプロピルエーテルから再結晶すること
により白色粉末状晶で融点191−192℃の1,2,
3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−5−メトキシイン
デノ〔1,2−b〕ピロール−2−オンを760mg
(37.4%)を得た。
【0061】適当な出発原料を用い、実施例1と同様に
して下記表1に記載の化合物を得る。
【0062】
【表1】
【0063】実施例8 7−メトキシ−4−メチルインダノン−2−酢酸メチル
(1.76g)にメチルアミン40%メタノール溶液3
0mlを加えて16時間加熱攪拌した。溶媒を留去し
て、得られた残渣にエタノール200ml及び酸化白金
触媒100mgを加え、3気圧室温で還元した。触媒を
濾過して除き、濾液を減圧下濃縮した。シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル)にて精製
後、ジエチルエーテル−ジイソプロピルエーテルから再
結晶することにより淡黄色針状晶で融点97−98℃の
1,5−ジメチル−1,2,3,3a,4,8b−ヘキ
サヒドロ−8−メトキシインデノ〔1,2−b〕ピロー
ル−2−オンを760mg(42%)を得た。
【0064】適当な出発原料を用い、実施例8と同様に
して下記表2〜表3に記載の化合物を得る。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】実施例19の化合物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;2.17(3
H,s)、2.40(1H,d)、2.71(2H,
m)、2.92(3H,s)、3.13(2H,m)、
4.56(2H,d)、5.03(1H,d).5.2
9(1H,d)、5.42(1H,d)、6.06(1
H,d,d,d)、5.42(1H,d)、6.06
(1H,d,d,d)、6.66(1H,d)、7.0
4(1H,d)。
【0068】実施例20の化合物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;1.75(3
H,d)、2.17(3H,s)、2.39(1H,
d)、2.71(2H,m)、2.86(3H,s)、
3.14(2H,m)、4.48(2H,d)、5.0
2(1H,d)、5.77(2H,m)、6.65(1
H,d)、7.03(1H,d)。
【0069】実施例21 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−5−メト
キシインデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オン812
mgのジメチルホルムアミド5mlからなる溶液に水素
化ナトリウム400mgを少量ずつ加え30分攪拌し
た。ヨウ化メチル1mlを加え更に室温で1時間攪拌を
行なった後減圧下で濃縮した。残渣を水に溶かし、クロ
ロホルムで抽出し、抽出液を水洗、硫酸マグネシウム乾
燥後クロロホルムを留去し、ジイソプロピルエーテルで
結晶化させ、同溶媒で再結晶することにより無色針状
晶、融点98−99℃の1,2,3,3a、4,8b−
ヘキサヒドロ−5−メトキシ−1−メチルインデノ
〔1,2−b〕ピロール−2−オンを370mg(4
2.6%)を得た。
【0070】適当な出発原料を用い、実施例21と同様
にして、前記実施例8〜20の化合物を得る。
【0071】実施例22 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒド
ロキシ−1,5,7−トリメチルインデノ〔1,2−
b〕ピロール−2−オンの1,2gをジメチルホルムア
ルデヒド20mlに溶かし、0℃で水素化ナトリウム
(60%油性)242mgを加え、30分攪拌した。ヨ
ウ化メチル1mlを加え更に1時間攪拌した後、氷水に
加え塩酸で中和した。塩化メチレンで抽出、水洗、乾燥
後溶媒を留去した。酢酸エチル−n−ヘキサンを展開溶
媒としてシリカゲルカラムを通して精製した後、ジイソ
プロピルエーテルより再結晶することにより、融点12
7−132℃の1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒ
ドロ−8−メトキシ−1,5,7−トリメチルインデノ
〔1,2−b〕ピロール−2−オンを770mg(35
%)を得た。淡黄色粉末状。
【0072】適当な出発原料を用い、実施例22と同様
にして前記実施例1、3、5、7、9、13及び18の
化合物を得る。
【0073】実施例23 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−メト
キシ−1,5−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピロー
ル−2−オン3.2gの酢酸50mlの溶液に室温で臭
素0.86mlを滴加し1時間攪拌した後、80℃で更
に1時間攪拌した。水にあけ、クロロホルムで抽出、水
洗、乾燥の後溶媒を留去した。メタノールより再結晶す
ることにより融点156−159℃の7−ブロモ−1,
5−ジメチル−1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒ
ドロ−8−メトキシインデノ〔1,2−b〕ピロール−
2−オンを2.66g(62%)を得た。淡黄色ピラミ
ダル状晶。
【0074】適当な出発原料を用い、実施例23と同様
にして前記実施例7及び14の化合物を得る。
【0075】実施例24 硝酸(d=1.38)10mlに0℃で1,2,3,3
a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ−1,5
−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オン
の350mgを加えその後2時間攪拌した後、氷水にあ
け、クロロホルムで抽出、水洗、乾燥の後、溶媒を留去
した。メタノールより再結晶することにより融点191
−192℃の、1,5−ジメチル−1,2,3,3a,
4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ−7−ニトロ
インデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オンを220m
g(52%)を得た。無色プリズム状晶。
【0076】実施例25 1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒド
ロキシ−1,5−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピロ
ール−2−オン2g及びジメチルホルムアルデヒド30
mlからなる溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%
油性)450mgを加え、30分攪拌した後、臭化アリ
ル1mlを加えて更に3時間攪拌した後、氷水に加え塩
酸で中和した。酢酸エチルで抽出、水洗、乾燥後溶媒を
留去した。酢酸エチル−n−ヘキサンを展開溶媒として
シリカゲルカラムを通して精製して、8−アリルオキシ
−1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−1,5
−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピロール−2−オン
を淡黄色油状物として2,3gを得た。この8−アリル
オキシ−1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−
1,5−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピロール−2
−オンをテトラリン30mlに加え24時間200℃で
攪拌した。テトラリンを留去し、シリカゲルカラムを通
し精製後エタノール−ジイソプロピルエーテルより再結
晶することにより、融点174−175℃の7−アリル
−1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−8−ヒ
ドロキシ−1,5−ジメチルインデノ〔1,2−b〕ピ
ロール−2−オンを900mg(38%)を得た。淡褐
色粒状晶。
【0077】適当な出発原料を用い、実施例25と同様
にして、前記実施例17の化合物を得る。
【0078】薬理試験 (1)ハロセン麻酔からの回復促進作用(覚醒促進作
用) British Journal of Pharmacology ,第58巻,第27
−35頁(1976年)に記載の方法に準じてマウスを
用いて試験した。即ち、4〜5週年齢雄性マウス(体重
20〜29g)を18〜20時間絶食させた後、4%ハ
ロセンを毎分2リットルで通気している箱の中に入れ
た。マウスは箱の中で速やかに正向反射を失う。正向反
射を失ったマウスを箱の中から取り出す。しばらく正向
反射を失った状態でいるがしばらくすると正向反射を回
復する。正向反射を消失した時点から回復するまでの時
間を測定しその時間をハロセンによる麻酔時間とする。
薬物は5%アラビアゴム生理食塩水に懸濁又は溶解させ
麻酔負荷1時間前に経口投与した。対照のマウスには5
%アラビアゴム生理食塩水のみを投与した。被験薬物の
覚醒促進作用は対照マウスの麻酔時間に対する被験薬物
投与マウスの麻酔時間の比(%コントロール)で表わし
た。結果を表1に示した。
【0079】
【表4】
【0080】表1においては、コントロールマウスのハ
ロセンによる麻酔時間を100%としたときの被験化合
物投与したマウスの麻酔時間が示されている。本発明の
化合物は、表1に示すように麻酔時間を短縮し、中枢神
経賦活作用を有することが認められた。
【0081】(2)頭部外傷昏睡モデルでの意識障害改
善作用の評価 「日災医誌,第25巻,第202頁(1977年)」及
び「医学の歩み,第102巻,第867〜869頁(1
977年)」に記載の方法に準じて試験を行なった。即
ち、4〜5週年齢雄性マウス(体重20〜29g)を1
8〜20時間絶食させた後その頭部を発泡スチロール製
の枕に固定し、アクリル製の円柱棒を透明プラスチック
チューブにそわせてマウスの頭頂部に落下させ衝撃を与
えた。意識障害の観察は次の2点を観察することにより
行なった。即ち、衝撃後の昏睡から正向反射を回復する
までの時間(RR時間)及び自発運動が回復するまでの
時間(SM時間)の2点である。被験薬物は5%アラビ
アゴム生理食塩水に懸濁又は溶解させ麻酔負荷1時間前
に経口投与した。対照のマウスには5%アラビアゴム生
理食塩水のみを投与した。被験薬物の意識障害改善作用
は対照マウスのRR時間又はSM時間に対する被験薬物
投与マウスのRR時間又はSM時間の比(%コントロー
ル)で表わした。結果を表2に示した。
【0082】
【表5】
【0083】表2においては、コントロールマウスの頭
部外傷による昏睡からの回復の目安として、RR時間又
はSM時間を100%としたときの被験化合物投与した
マウスのRR時間又はSM時間が%で示されている。本
発明化合物は、明らかにこのモデルにおいてRR時間及
びSM時間を短縮し、頭部外傷による昏睡からの回復を
促進し、意識障害改善作用を有していることが認められ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 哲朗 徳島県徳島市川内町小松西157番地の13 (72)発明者 鳥取 桂 徳島県板野郡上板町上六條15番地の1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基を示す。R
    2 、R3 及びR4 は、同一又は異なって、水素原子、水
    酸基、低級アルケニルオキシ基、低級アルコキシ基、低
    級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又は低級アルケ
    ニル基を示す。但し、R2 が水素原子を示す場合、R3
    及びR4 は同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原
    子であってはならない。〕で表わされるヘキサヒドロイ
    ンデノ〔1,2−b〕ピロール誘導体又はその塩。
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