JPH05338679A - クリーム状物吐出容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアゾール式容器のように、ヘッドを押下げ
エアゾール弁を開くだけでクリーム状物を吐出させるこ
とを、高圧ガスやスプリングを使用しないで可能とす
る。 【構成】 頂板１外周から大径シリンダ２を、頂板中央
部から下端に小径筒状ピストン３を有する吐出筒４を、
それぞれ垂設すると共に、その吐出筒上部内に装着した
エアゾール弁５からステム６を介してノズル付きヘッド
７を起立する吐出器本体９と、大径シリンダ２の上部内
へ嵌合させた大径筒状ピストン10内周から垂設した小径
シリンダ11内へ上記小径筒状ピストン３を嵌合させ、小
径シリンダ11下端に容器部12を連通させた作動部材19と
からなり、該作動部材引下げで容器部内から小径シリン
ダ内へ入ったクリーム状物の逆流防止装置を付設するク
リーム状物吐出容器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はクリーム状物吐出容器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】

【発明が解決しようとする課題】例えば実開平3-32050
号が示すように、容器体上部にポンプ装置を設けると共
に容器体の胴部下部内に摺動底板を嵌合させ、上記ポン
プ操作により容器体内クリーム状物を吸上げ吐出する
と、該クリーム状物減少による容器体内の負圧化を摺動
底板が上昇して解消するよう設けた、クリーム状物吐出
容器が知られている。

【０００３】上記従来の吐出容器は、容器体内に垂設さ
せたシリンダと該シリンダ内から上方付勢状態で起立す
る、ノズル付き作動部材とでポンプを構成し、その作動
部材を上下動させることで容器体内クリーム状物をシリ
ンダ内へ吸上げかつ吐出するが、作動部材一回の上下動
で吐出できる量は定まっているため、数回も作動部材を
上下動させなければ所望量の取出しができないことがあ
った。

【０００４】そのような欠点を有しないものとして、容
器体内に収納したクリーム状物上面を高圧ガスで加圧し
ておき、容器体頂壁に設けたエアゾール弁からステムを
介して上方突出する押下げヘッドを付勢に抗して押下げ
すると、上記エアゾール弁が開いて該弁から垂下する吐
出管を通って容器体内クリーム状物が上記押下げヘッド
のノズルから吐出し、その押下げヘッド解放によりステ
ムが上昇してエアゾール弁が閉じるまで吐出し続けるよ
う設けた、エアゾール式容器が知られている。しかし該
エアゾール式容器は高価であると共に使用ガスが環境に
悪影響を及ぼすことから好ましくない。

【０００５】本発明は上記エアゾール式容器における、
高圧ガスでのクリーム状物加圧を、手動操作により負圧
化された気密室の吸引力を利用して行えるよう設けたも
のであり、ヘッド押下げによりステムを介してエアゾー
ル弁を開くと、上記吸引力が解消しない限り、そのヘッ
ド上昇によりエアゾール弁が閉じるまで、容器体内クリ
ーム状物がノズルから吐出し続けるよう設けたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】頂板１外周から大径シリ
ンダ２を、かつ頂板１中央の開口部から下端外周に小径
筒状ピストン３を有する吐出筒４を、それぞれ垂設する
と共に、該吐出筒の上部内に装着したエアゾール弁５か
ら起立するステム６上端へノズル付きヘッド７を嵌着す
る吐出器本体９と、上記大径シリンダ２の上部内へ嵌合
させた大径筒状ピストン10の円周から小径シリンダ11を
垂下して、該小径シリンダの下部内へ上記小径筒状ピス
トン３を嵌合させると共に、小径シリンダ11と連通する
容器部12を付設した作動部材19とからなり、該作動部材
の少くとも一部を上記大径シリンダ２下方へ露出して作
動部材引下げ用の握持筒部とすると共に、上記容器部内
から小径シリンダ11内へ入ったクリーム状物の逆流防止
装置を設けた。

【０００７】上記クリーム状物吐出容器において、大径
筒状ピストン10の外周部から、下端面を底板14で閉塞す
る筒部15を垂下して該筒部を容器部19となし、かつ筒部
15の上部内へ、小径シリンダ11外面と筒部15内面とに内
外両周面を水密に接する摺動蓋17を下降可能に嵌合さ
せ、更に該摺動蓋上方の筒部15筒壁部分に外気吸入孔18
を穿設した。

【０００８】上記クリーム状物吐出容器において、小径
シリンダ11下端と容器部２との連通部に逆止弁25を設け
て、該逆止弁を、小径シリンダ内へ吸込まれたクリーム
状物の逆流防止装置とした。

【０００９】

【作用】図２が示すように、大径筒状ピストン10が大径
シリンダ２の上部内にある状態から、図１のように作動
部材19を大径シリンダ２から引き下げすると、大径シリ
ンダ２内は負圧化すると共に、小径シリンダ11内も負圧
化して容器部12内のクリーム状物が小径シリンダ11内へ
入り、又容器部内のクリーム状物減少による負圧化を、
その容器部12内上部に嵌合された摺動蓋17が下降するこ
とで解消し、更に該摺動蓋下降による容器部の上部内の
負圧化を外気流入孔18から流入した外気が解消する。図
１の状態から作動部材19を離すと、該作動部材は大径シ
リンダ２内が負圧状態にあるため、引き戻される筈であ
るが、既に小径シリンダ11内にクリーム状物が吸込まれ
ており、又摺動蓋17も下降していて該摺動蓋17は上昇不
能としてあるため、小径シリンダ11内のクリーム状物は
吐出筒４内へ押込まれることとなる。該状態からヘッド
７を押下げすると、ステム６が下降し、するとエアゾー
ル弁５が開いて吐出筒４内クリーム状物はノズル８を通
って吐出し、該吐出による吐出筒４内のクリーム状物減
少で作動部材19が大径シリンダ２内を上昇し、このため
小径シリンダ11内を吐出管４下端の小径筒状ピストン３
が相対的に下降することとなり、上記ヘッド７を離して
エアゾール弁５を閉塞しない限り、大径筒状ピストン10
が大径シリンダ２上端まで移動して既述負圧状態が解消
するまで小径シリンダ内のクリーム状物を吐出し続ける
こととなる。

【００１０】

【実施例】まず図１が示す第１実施例と図２が示す第２
実施例について説明すると、１は頂板で、その外周から
大径シリンダ２を、又その頂板中央の開口部から下端外
周に小径筒状ピストン３を有する吐出筒４を、それぞれ
垂下する。その吐出筒の上部内には周知のエアゾール弁
５を装着させる。該エアゾール弁は上方付勢状態にステ
ム６を起立し、かつ該ステム上端にノズル付きのヘッド
７を嵌着する。図１のヘッドはクリーム状物をそのまま
ノズル８から吐出するよう設けたものであり、図２のヘ
ッドは液体噴霧用でこれ等いずれも又周知のものであ
る。そのエアゾール弁は、ヘッド７を押下げすると、ス
テム６の下降によりステム下部に設けた弁孔が開き、又
押下げ解放によるステム上昇により上記弁孔が閉塞する
よう設けたものであるが、周知のためその説明は省略す
る。

【００１１】上記吐出器本体９の大径シリンダ２上部内
へは大径筒状ピストン10を嵌合させる。又該ピストンの
内周からは小径シリンダ11を垂下し、該小径シリンダの
下部内へ、既述小径筒状ピストン３を嵌合させる。更に
該小径シリンダ11下端を容器部12と連通させる。

【００１２】図１および図２の各実施例では大径筒状ピ
ストン10の内向きフランジ下面へ鍔状頂壁13を固着させ
てその頂壁の内外周から小径シリンダ11と下端面を底板
14で閉塞する筒部15を垂下し、その底板付き筒部で容器
部12を形成した。その筒部の下部からは外向きフランジ
を介して底板14外周から起立する周壁挟持用筒を兼用す
る摘み筒16を垂下しており、該摘み筒を持ち引下げるこ
とで、図１が示すように大径筒状ピストン10を大径シリ
ンダ下方内まで引下げることが、従って大径シリンダ内
を負圧室とすることが可能としている。上記大径筒状ピ
ストンと小径シリンダと容器部とが作動部材19を形成す
る。又筒部15の上部内へは小径シリンダ11外面と筒部15
の内面とに内外両周面を水密に接する摺動蓋17を下降可
能に、かつ上昇不能に嵌合させる。該摺動蓋はフランジ
状板の内外両周縁に短管状部を付設して形成している。
該摺動蓋17の上昇阻止のためには既述実開平3-32050 号
が示すように上昇阻止用の金属爪を付設してもよく、又
小径シリンダ11外面又は筒部15内面に断面鋸歯状の突条
を多数周設して上記短管状部上端がその突条下面へ接す
ることで上昇不能としてもよい。更に後述の図３および
図４が示す実施例のように、小径シリンダ下端部に逆止
弁を設けてもよい。上記摺動蓋17上方の筒部15筒壁部分
には外気吸入孔18を穿設している。

【００１３】図３が示す第３実施例は、容器部12を大径
シリンダ２下方に設けたもので、底壁12a 外周から周壁
12b を起立して形成した容器部12上部に、頂壁20から嵌
合壁21を垂下する蓋22を気密に螺合させ、その頂壁中央
部から小径シリンダ11を起立すると共に、頂壁外周部か
ら筒部23を起立して該筒部上端に大径筒状ピストン10を
固着している。又小径シリンダ11が囲む頂壁部分に容器
部12内と連通する透孔24を穿設し、逆止弁25で閉塞して
いる。図示例においては、透孔周囲のフランジ状頂壁部
分上へ図５が示す円板状の弁体26を固定し、該弁体中央
部をＣ字状に切断して形成した弁板27で上記透孔上面を
閉塞しているが他の逆止弁に代えてもよい。容器部12の
下部内には摺動蓋17を上昇可能に嵌合させ、又底壁12a
には外気吸入孔18を穿設している。該実施例の場合は、
小径シリンダ11内へ入ったクリーム状物の逆流防止を上
記逆止弁25で行うため、摺動蓋17に下降防止用の金属爪
等を付設しなくてよい。

【００１４】該実施例においては頂板１外周部に、逆止
弁28を設けて大径シリンダ２内への大径筒状ピストン10
の嵌合を容易としている。該実施例において、作動部材
19引下げは容器部12で行えばよい。

【００１５】図４が示す実施例は、図３の容器部12をチ
ューブ容器とした例を示す。該実施例の場合はその胴部
12c がクリーム状物減少と共に圧搾状態に変形するた
め、摺動蓋が不要となる。小径シリンダ内へ入ったクリ
ーム状物の逆流防止は図３実施例の場合と同様に設けた
逆止弁25で行っている。尚該実施例において作動部材19
の引下げは、蓋22の外周壁22a で行うことが出来る。

【００１６】

【発明の効果】本発明は既述構成としたから、吐出器本
体９に対して作動部材19を引下げておき、該状態からヘ
ッド７を押下げるだけで、上記引下げにより小径シリン
ダ内へ入ったクリーム状物を吐出させ続けることが、又
ヘッドを離すことでその吐出を停止させることが出来る
こととなり、よって従来のポンプ式吐出容器のように作
動部材を何回も上下動させる面倒がなく、又上記作動部
材19引下げにより大径シリンダ２内を負圧化させて、該
負圧状態解消のために作動部材を引戻そうとする力を利
用してクリーム状物を吐出するから、従来のエアゾール
式吐出容器の場合のような特別のガスは不要であり、従
ってそのガス放出による悪影響の心配もない。

【００１７】請求項２のように大径筒状ピストン10の外
周部から、下端面を底板14で閉塞する筒部15を垂下し
て、該底板付き筒部を容器部とすることで、吐出容器の
全体長さを短かくすることが出来、該容器を小形化する
ことが出来る。

【００１８】請求項３のように、小径シリンダ11下端と
容器部12との連通部に逆止弁25を設けることで、小径シ
リンダ内に吸込まれたクリーム状物の逆流防止装置を簡
易化して、しかもその逆流防止を確実とすることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】作動部材引下げ状態で示す、本発明吐出容器の
断面図である。

【図２】実施例を異にして示す、断面図である。

【図３】第３実施例として示す、半断面図である。

【図４】第４実施例として示す、一部切欠きの側面図で
ある。

【図５】図３、図４実施例で使用する弁体の平面図であ
る。

【符号の説明】

２ 大径シリンダ ９ 吐出器本体 11 小径シリンダ 19 作動部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 頂板１外周から大径シリンダ２を、かつ
   頂板１中央の開口部から下端外周に小径筒状ピストン３
   を有する吐出筒４を、それぞれ垂設すると共に、該吐出
   筒の上部内に装着したエアゾール弁５から起立するステ
   ム６上端へノズル付きヘッド７を嵌着する吐出器本体９
   と、上記大径シリンダ２の上部内へ嵌合させた大径筒状
   ピストン10の内周から小径シリンダ11を垂下して、該小
   径シリンダの下部内へ上記小径筒状ピストン３を嵌合さ
   せると共に、小径シリンダ11と連通する容器部12を付設
   した作動部材19とからなり、該作動部材の少くとも一部
   を上記大径シリンダ２下方へ露出して作動部材引下げ用
   の握持筒部とすると共に、上記容器部内から小径シリン
   ダ11内へ入ったクリーム状物の逆流防止装置を設けたこ
   とを特徴とするクリーム状物吐出容器。
2. 【請求項２】 大径筒状ピストン10の外周部から、下端
   面を底板14で閉塞する筒部15を垂下して該筒部を容器部
   19となし、かつ筒部15の上部内へ、小径シリンダ11外面
   と筒部15内面とに内外両周面を水密に接する摺動蓋17を
   下降可能に嵌合させ、更に該摺動蓋上方の筒部15筒壁部
   分に外気吸入孔18を穿設したことを特徴とする、請求項
   １記載のクリーム状物吐出容器。
3. 【請求項３】 小径シリンダ11下端と容器部２との連通
   部に逆止弁25を設けて、該逆止弁を、小径シリンダ内へ
   吸込まれたクリーム状物の逆流防止装置としたことを特
   徴とする、請求項１記載のクリーム状物吐出容器。