JPH053384Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動変速機のシフトレバーロツク装置
に関する。

（従来の技術及びその問題点） 自動変速機付自動車の発進時における暴走を防
止するため種々の形式、構造の暴走防止装置が多
数提案されているが、これらはいずれも確実性に
欠けたり、構造が複雑であつたり、誤作動のおそ
れがある等の問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記に鑑み、自動車の発進時、ブレー
キペダルを踏んで制動しない限りシフトレバーを
駐車位置以外にシフトできないようにして自動車
の発進時における暴走を防止するとともにイグニ
ツシヨンスイツチのキーシリンダがロツク位置に
ある場合にはシフトレバーを駐車位置以外にシフ
トできないようにして自動車の盗難を防止しよう
とするものであつて、その要旨とするところは、
シフトレバーの回動軸と直交する軸まわりに傾転
するロツクプレートをイグニツシヨンスイツチの
キーシリンダがキーの抜差可能なロツク位置にあ
る時デイテントプレートに近接するように上記キ
ーシリンダと連動連結するとともに上記シフトレ
バーが駐車位置にあり、かつ、上記キーシリンダ
がエンジンを運転するOn位置にあるとき上記ロ
ツクプレートを上記デイテントプレートに近接さ
せ、また、自動車の制動時に上記ロツクプレート
を上記デイテントプレートから離間させるソレノ
イドを設け、上記ロツクプレートが上記デイテン
トプレートに近接した状態で上記シフトレバーが
駐車位置にあるときそのコントロールピンが嵌合
してその上下動を許容するがそれ以外の動きを阻
止するスリツトを上記ロツクプレートに設けたこ
とを特徴とする自動変速機のシフトレバーロツク
装置にある。

（作用） 本考案においては、上記構成を具えているた
め、シフトレバーが駐車位置にあり、かつ、キー
シリンダがOn位置にあるときはロツクプレート
はソレノイドによつてデイテントプレートに接近
せしめられる。また、キーシリンダがロツク位置
にあるときはロツクプレートはキーシリンダに連
動してデイテントプレートに接近せしめられる。
そして、この状態においてはシフトレバーのコン
トロールピンがロツクプレートに設けスリツトに
嵌合しているので、シフトレバーを駐車位置から
シフトすることができない。一方、シフトレバー
が駐車位置にあるとき、キーシリンダをOn位置
に位置させ、かつ、ブレーキを踏むことによつて
自動車を制動すると、ロツクプレートはデイテン
トプレートから離間し、シフトレバーのロツクピ
ンはスリツトから抜け出るので、シフトレバーを
駐車位置以外にシフトすることができる。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図ないし第５図に示さ
れている。

第１図ないし第５図において、１は自動変速機
のシフトレバーで、ブラケツト２に固定されて水
平に延びる軸３まわりに前後に回動しうるように
なつている。このシフトレバー１に近接してその
外側に上記軸３と直交するようにデイテントプレ
ート４が立設されている。シフトレバー１の内部
にはプツシユロツド１７が嵌挿され、このプツシ
ユロツド１７はシフトレバー１の頂部に設けられ
たプツシユノブ５を押圧してスプリングに抗して
押し下げると、その下端に固定されて水平に伸び
るコントロールピン６がシフトレバー１に穿設さ
れたスリツトに案内されて下方に移動するように
なつている。このコントロールピン６はデイテン
トプレート４に設けられた開口７を貫通してい
て、シフトレバー１をＰ（駐車位置）、Ｒ（後進位
置）、Ｎ（中立位置）、Ｄ（ドライブ位置）、２（２
速位置）、Ｌ（低速位置）に位置させると、これら
各位置に対応するように開口７の上縁に形成され
た切溝にコントロールピン６が係合するようにな
つている。

以上の構成、作用は従来のものと同様である
が、本考案のものにおいては、デイテントプレー
ト４の外側に若干の間隔を隔ててロツクプレート
８が配置され、このロツクプレート８の下端はブ
ラケツト９に固定されて軸３と直交するように水
平に延びる軸１０まわりに傾転自在に支持されて
いる。このロツクプレート８はその上端とブラケ
ツト２の上端との間に張架されたスプリング１１
によつて牽引されてブラケツト２に固定されたス
トツパ１６に当接し図に仮想線で示す位置を占め
るようになつている。そして、ロツクプレート８
がデイテントプレート４に近接した図に実線で示
す位置を占め、かつ、シフトレバー１が駐車位置
Ｐを占めているとき、コントロールピン６が貫通
してその上下動を許容するがそれ以外の動きを阻
止するスリツト１２がロツクプレート８に設けら
れている。このロツクプレート８の上端にはケー
ブル１３が係止され、さのケーブル１３の他端は
イグニツシヨンスイツチのキーシリンダ１４に係
止されている。しかして、キー１５によりキーシ
リンダ１４をLock位置（キーの抜差が可能で、
ハンドルが錠止される位置）、Acc位置（灯器類
が点灯可能で、エンジンが停止する位置）、On位
置（エンジンを運転する位置）、Start位置（エン
ジンを始動させる位置）に回動すると、これに応
じてケーブル１３の一端及び他端はそれぞれ図示
のLock、Acc、On、Start位置を占め、ロツクプ
レート８はこれに伴つてLock、Acc位置を占め
るが、Acc位置でストツパ１６に当接して制止さ
れるので、On、Start位置には移動しないように
なつている。

２０はソレノイドで、デイテントプレート４に
固定され、そのプランジヤ２０ａはロツクプレー
ト８の上部一端にボルト２１によつて連動連結さ
れている。そして、このソレノイド２０はシフト
レバー１が駐車位置Ｐに位置し、かつ、キーシリ
ンダ１４がOn位置にあるとき励磁されてロツク
プレート８を吸引して図示の実線位置に引き寄
せ、自動車の制動時、即ち、ブレーキペダルを踏
み込んだとき消磁されてロツクプレート８を図示
の仮想線位置に位置させるようになつている。

しかして、図示のように、シフトレバー１が駐
車位置Ｐに位置せしめられていて、かつ、キーシ
リンダ１４がLock位置にあるとき、ロツクプレ
ート８はデイテントプレート４に近接し、コント
ロールピン６はデイテントプレート４の開口７に
Ｐ位置に対応して設けられた切溝に係合するとと
もにロツクプレート８のスリツト１２内に嵌合し
ている。従つて、この状態ではコントロールピン
６がスリツト１２内に嵌合しているので、シフト
レバー１を軸３まわりに回動することは出来ず、
この結果、自動車の盗難を阻止することができ
る。

一方、キーシリンダ１４がLock位置にあると
きはこれにキー１５を差し込むことができ、そこ
で、キー１５を操作してキーシリンダ１４を回動
することによりエンジンを始動することができ
る。しかし、キーシリンダ１４がOn位置にある
ときはソレノイド２０は励磁されているので、こ
のソレノイド２０によつてロツクプレート８は引
き寄せられて依然図に実線で示すLock位置を占
めている。そこで、ブレーキペダルを踏むことに
よつて自動車を制動するとソレノイド２０が消磁
されるので、ロツクプレート８はスプリング１１
によつて牽引されてデイテントプレート４より離
間して図に仮想線で示すAcc位置を占める。する
と、コントロールピン６はスリツト１２から抜け
出るので、プツシユノブ５を押圧することによつ
てコントロールピン６を下降させれば、シフトレ
バー１を軸３まわりに回動させて任意の位置にシ
フトさせることができる。

一方、シフトレバー１を駐車位置Ｐにシフトし
ない限り、キーシリンダ１４をLock位置に回動
できず、従つて、キー１５をキーシリンダ１４か
ら抜き取ることができないので、シフトレバー１
の錠止を失念することはない。

（考案の効果） 本考案においては、シフトレバーの回動軸と直
交する軸まわりに傾転するロツクプレートをイグ
ニツシヨンスイツチのキーシリンダがキーの抜差
可能なロツク位置にある時デイテントプレートに
近接するように上記キーシリンダと連動連結する
とともに上記シフトレバーが駐車位置にあり、か
つ、上記キーシリンダがエンジンを運転するOn
位置にあるとき上記ロツクプレートを上記デイテ
ントプレートに近接させ、また、自動車の制動時
に上記ロツクプレートを上記デイテントプレート
から離間させるソレノイドを設け、上記ロツクプ
レートが上記デイテントプレートに近接した状態
で上記シフトレバーが駐車位置にあるときそのコ
ントロールピンが嵌合してその上下動を許容する
がそれ以外の動きを阻止するスリツトを上記ロツ
クプレートに設けたため、キーをキーシリンダか
ら抜き取つた駐車状態、即ち、シフトレバーが駐
車位置を占め、かつ、キーシリンダがロツク位置
を占めている状態においては、ロツクプレートは
デイテントプレートに近接し、コントロールピン
はスリツト内に嵌合しているので、シフトレバー
を回動することができず、この結果、自動車の盗
難を防止できる。

一方、この駐車状態から自動車を発進させるた
め、キーをキーシリンダに差し込んでキーシリン
ダを回動させることによつてエンジンを始動し、
運転状態とした場合であつてもソレノイドによつ
てロツクプレートがデイテントプレートに接近せ
しめられているため、コントロールピンがロツク
プレートのスリツト内に嵌合しているので、シフ
トレバーを回動できず、この結果、自動車を発進
させることができない。しかし、ブレーキペダル
を踏み込んで自動車を制動することによつてロツ
クプレートをデイテントプレートから離間させ、
コントロールピンをロツクプレートのスリツトか
ら抜き取ることによつて始めてコントロールレバ
ーを回動することが可能となるので、自動車の発
進時の暴走を未然に防止できる。

また、シフトレバーを駐車位置にシフトしない
限りキーをキーシリンダから抜き取れないので、
シフトレバーの錠止を失念することがない。

更に、キーをキーシリンダに差し込んでエンジ
ンを始動する場合、シフトレバーは常に駐車位置
にあるので、エンジン始動時における自動車の暴
走を防止できる。

しかも、構造は極めて簡単であるため、安価に
製造できるとともにその誤操作を防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示し、第１図は部分
的に切り欠いて示す略示的上面図、第２図は第１
図の−矢に沿う矢視図、第３図は第１図の−
矢に沿う矢視図である。第４図は第１図の矢
に沿う側面図、第５図は第４図の矢に沿う矢視
図である。 シフトレバー……１、回動軸……３、ロツクプ
レート……８、軸……１０、キーシリンダ……１
４、キー……１５、デイテントプレート……４、
ソレノイド……２０、コントロールピン……６、
スリツト……１２。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフトレバーの回動軸と直交する軸まわりに傾
   転するロツクプレートをイグニツシヨンスイツチ
   のキーシリンダがキーの抜差可能なロツク位置に
   ある時デイテントプレートに近接するように上記
   キーシリンダと連動連結するとともに上記シフト
   レバーが駐車位置にあり、かつ、上記キーシリン
   ダがエンジンを運転するOn位置にあるとき上記
   ロツクプレートを上記デイテントプレートに近接
   させ、また、自動車の制動時に上記ロツクプレー
   トを上記デイテントプレートから離間させるソレ
   ノイドを設け、上記ロツクプレートが上記デイテ
   ントプレートに近接した状態で上記シフトレバー
   が駐車位置にあるときそのコントロールピンが嵌
   合してその上下動を許容するがそれ以外の動きを
   阻止するスリツトを上記ロツクプレートに設けた
   ことを特徴とする自動変速機のシフトレバーロツ
   ク装置。