JPH05338452A - 作業機の伝動機構 - Google Patents

作業機の伝動機構

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JPH05338452A
JPH05338452A JP17376392A JP17376392A JPH05338452A JP H05338452 A JPH05338452 A JP H05338452A JP 17376392 A JP17376392 A JP 17376392A JP 17376392 A JP17376392 A JP 17376392A JP H05338452 A JPH05338452 A JP H05338452A
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JP
Japan
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clutch
speed
transmission
rotation
mowing
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Application number
JP17376392A
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English (en)
Inventor
Yasushi Fujita
靖 藤田
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刈取速度を圃場の穀稈に対応させて変更す
る。 【構成】 車速度と刈取速度とを、車速度に比例して刈
取速度が速くなるようにするとともに、倒伏穀稈がある
ときは稍々刈取速度を速くし、ある程度以上では刈取速
度を一定にするように、HST変速機構17により変速
されるミッションケース16の伝動経路を2分して一方
を走行装置2の車軸19に、他方を刈取部変速装置23
に接続し、該刈取部変速装置23内には、前記ミッショ
ンケース16からの回転を伝達する標準用クラッチ34
を介して出力軸50に至る標準用伝達経路Aと、倒伏用
クラッチ32が入になると回転を増速させて出力軸50
が早く回転する倒伏用伝達経路Bと、原動機46からの
一定回転を伝達する一定速度用伝達経路Cとを設けた作
業機の伝動機構。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業機の走行装置の伝
動機構に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来、公知の特開平3−25081号公報
には、原動機にHST変速機構を接続し、HST変速機
構をミッションケースに接続し、ミッションケースより
伝動経路を2分して一方を走行装置の車軸に、他方を刈
取部に接続した構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例では、走行
装置および刈取部の両者は前記HST変速機構により原
動機からの回転を変速されて伝達されているので、走行
速度と刈取部の作業速度は比例して増減し、円滑に作業
が行なえるが、倒伏穀稈の刈取作業のとき、走行速度と
刈取部の作業速度が比例していると、倒伏穀稈の引起し
等の刈取部の作業速度が遅れがちとなる。走行速度と刈
取部の作業速度の関係は、倒伏穀稈の刈取作業のとき、
走行速度に対して刈取部の作業速度を相対的に早くする
と、倒伏穀稈の刈取が円滑に行なえる。
【0004】
【発明の目的】本発明は、走行速度と刈取部の作業速度
の関係を変更自在に構成して圃場に対応した走行速度と
刈取部の作業速度の関係にしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、車速
度と刈取速度とを、車速度に比例して刈取速度が速くな
るようにするとともに、倒伏穀稈があるときは稍々刈取
速度を速くし、ある程度以上では刈取速度を一定にする
ように、HST変速機構17により変速されるミッショ
ンケース16の伝動経路を2分して一方を走行装置2の
車軸19に、他方を刈取部変速装置23に接続し、該刈
取部変速装置23内には、前記ミッションケース16か
らの回転を伝達する標準用クラッチ34を介して出力軸
50に至る標準用伝達経路Aと、倒伏用クラッチ32が
入になると回転を増速させて出力軸50が早く回転する
倒伏用伝達経路Bと、原動機46からの一定回転を伝達
する一定速度用伝達経路Cとを設けた作業機の伝動機構
としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明すると、1
はコンバインの機体フレーム、2は該機体フレーム1の
下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設
けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前方位置に設けた刈取
部、5は刈取部4の最前方位置に設けた分草体、6は引
起装置、7は掻込装置、8は刈刃、9は株元側穀稈搬送
装置、10は穂先側穀稈搬送装置、11は株元側穀稈引
継搬送装置、12は穂先側引継搬送装置、13は穀稈供
給搬送装置、14は扱胴、15は排藁搬送装置である。
16は前記走行装置2のミッションケースであり、前記
機体フレーム1の前側部に設ける。ミッションケース1
6には、HST変速機構17(油圧式無段変速装置 ハ
イドロスタチックトランスミッション)のHSTモータ
18を設け、HSTモータ18の出力軸をミッションケ
ース16内に軸装する。また、図示は省略するが、ミッ
ションケース16内には、複数の歯車の組合せにより前
記HSTモータ18の出力軸の回転を変速(逆転を含
む)する構成の副変速装置と、左右の車軸19に伝達す
る回転を継脱する左右クラッチと、左右の車軸19を互
いに逆転させる逆転クラッチと、ブレーキ等を設け、前
記走行装置2は、前後進、方向修正(旋回)、スピンタ
ーン可能である。前記HSTモータ18はHSTポンプ
20により原動機46の回転が伝達されるが、本実施例
ではHSTポンプ20とHSTモータ18とは別体に形
成し、送油パイプにより接続している。前記HST変速
機構17は、HSTポンプ20によるHSTモータ18
への送油量を無段階に変更することで原動機46の回転
を無段階に変速しながら伝達する。また、前記HSTモ
ータ18は、独自に有段階に変速可能に、あるいは、H
STポンプ20からHSTモータ18への送油方向を切
替えることにより前記副変速機構によらずして車軸19
を逆転させて走行装置2の後進も可能に構成することも
ある。
【0007】前記ミッションケース16には、前記HS
Tモータ18の回転を前記刈取部4へ伝達する出力軸2
1を設け、出力軸21にはプーリ22を固定する。プー
リ22には刈取部変速装置23の入力軸24に固定のプ
ーリ25に掛け回したベルト26を掛け回す。入力軸2
4には、クラッチハウンジング27の中央仕切板部28
を密に嵌合固定させ、中央仕切板部28の一側には入力
軸24に密に嵌合状態でかつ入力軸24の軸心方向に摺
動自在であるピストン29を設け、ピストン29とクラ
ッチハウンジング27により変速用シリンダ室30を形
成する。クラッチハウンジング27には該クラッチハウ
ンジング27と共に回転するクラッチディスクを設け、
該クラッチディスクは前記入力軸24に対して回転自在
の倒伏用歯車31に取付けたクラッチディスクと接離自
在に構成して、倒伏用クラッチ32を形成する。中央仕
切板部28の他側のクラッチハウンジング27には該ク
ラッチハウンジング27と共に回転するクラッチディス
クを設け、該クラッチディスクは前記入力軸24に対し
て回転自在の標準用歯車33に取付けたクラッチディス
クを接離自在に構成して標準用クラッチ34を形成す
る。中央仕切板部28と標準用クラッチ34の間にはバ
ネ35を設け、標準用クラッチ34を常時「入」となる
ように付勢している。前記クラッチハウンジング27の
外周には入力軸24の軸心方向に摺動自在の切替部材3
6を設け、切替部材36は倒伏用クラッチ32を入にす
ると自動的に標準用クラッチ34のクラッチディスクを
離脱させて切にする。
【0008】37は前記入力軸24と平行に設けた中間
軸、38は前記倒伏用歯車31に噛合う中間小歯車、3
9は前記標準用歯車33に噛合う中間大歯車である。前
記中間軸37の近傍には切替クラッチ軸40を設け、切
替クラッチ軸40にはクラッチハウンジング42の中央
仕切板部43を密に嵌合固定させ、中央仕切板部43の
一側のクラッチハウンジング42には該クラッチハウン
ジング42と共に回転するクラッチディスクを設け、該
クラッチディスクは前記切替クラッチ軸40に対して回
転自在のミッション側入力歯車44に設けたクラッチデ
ィスクに接離自在に構成してミッション側入力クラッチ
45を形成する。前記ミッション側入力歯車44は前記
中間大歯車39に噛合わせる。前記切替クラッチ軸40
の近傍には、刈取部変速装置23の出力軸50を設け、
該出力軸50の歯車51と前記切替クラッチ軸40に設
けた歯車52とを噛合わせ、出力軸50には刈取部4等
に出力する刈取部出力プーリ53を設ける。54は刈取
部入力プーリである。したがって、走行速度と刈取部4
の作業速度の関係は、前記HST変速機構17により変
速された原動機46からの回転が走行装置2および刈取
部4の両者にそれぞれ伝達されるので、比例して増減す
るが、前記倒伏用クラッチ32を入にすると倒伏用歯車
31と中間小歯車38の噛合いにより、走行速度に対し
て刈取部4の作業速度を相対的に早くすることができ、
倒伏穀稈の刈取が円滑に行なえる。前記HST変速機構
17が原動機46の回転を逆転させて伝達可能に構成し
たときは、前記ミッションケース16の出力軸21に固
定のプーリ22から刈取部4変速装置23の出力軸50
の刈取部4出力プーリ53に至る間にワンウェイクラッ
チ等の逆転防止機構を設けることもある。
【0009】しかして、刈取部4の作業速度は所定速度
以上に早くすると、かえって、刈取作業に悪影響をおよ
ぼすので、所定速度に達すると、この所定速度を保持す
るとよく(図8)、本発明は、この刈取作業速度を一定
保持する伝達経路を前記倒伏用クラッチ32と標準用ク
ラッチ34とは別の原動機46からの経路とし、切替え
るように構成している。即ち、刈取部4変速装置23内
には、標準用クラッチ34から出力軸50に至る標準用
伝達経路Aと、倒伏用クラッチ32から出力軸50に至
る倒伏用伝達経路Bと、原動機46から出力軸50に至
る一定速度用伝達経路Cを形成する。前記一定速度用伝
達経路Cは、中央仕切板部43の他側に原動機46側入
力クラッチ55を形成する。中央仕切板部43の他側に
は切替クラッチ軸40に密に嵌合状態でかつ切替クラッ
チ軸40の軸心方向に摺動自在であるピストン56を設
け、ピストン56と中央仕切板部43によりシリンダ室
57を形成し、前記クラッチハウンジング42には該ク
ラッチハウンジング42と共に回転するクラッチディス
クを設け、該クラッチディスクは前記切替クラッチ軸4
0に対して回転自在の原動機側入力歯車58に取付けた
クラッチディスクに接離自在に構成して前記原動機側入
力クラッチ55を形成する。そして、中央仕切板部43
とミッション側入力クラッチ45の間にバネ59を設
け、ミッション側入力クラッチ45が常時「入」となる
ようにしている。前記クラッチハウンジング42の外周
には切替クラッチ軸40の軸心方向に摺動自在の切替部
材60を設け、切替部材60は原動機側入力クラッチ5
5を入にすると、自動的にミッション側入力クラッチ4
5のクラッチディスクを離脱させて切にする。
【0010】61は一定速度用伝達経路Cを構成する複
数の中間歯車群60を設けた中間軸、62は原動機46
に設けたプーリ、63は中間伝動軸、64は中間伝動軸
63に設けた受動プーリ、65はベルトである。また、
中間伝動軸63には脱穀部への出力プーリ67と、グレ
ンタンクに設けた排出装置への出力軸68とを設けてい
る。69はHSTポンプ20を駆動させる入力軸であ
り、前記中間軸61と同芯状に設けて原動機46の回転
により作動する。なお、HSTポンプ20は刈取部4変
速装置23の外側側部に設けられ、容易にメンテナンス
を行なえると共に、最適な回転数に設定できる。しかし
て、図11は油圧回路を示し、75、75’は前記左右
の車軸19に回転を伝達するミッションケース16内の
左右クラッチの入と切とを切替えるクラッチ切替バル
ブ、76、76’は左クラッチ用シリンダ室77及び右
クラッチ用シリンダ室77’のそれぞれのクラッチを入
にする側のクラッチ入側送油口、78、78’は左クラ
ッチ用シリンダ室77及び右クラッチ用シリンダ室7
7’のそれぞれのクラッチを切にする側のクラッチ切側
送油口、79は前記倒伏用クラッチ32の変速用シリン
ダ室30と前記原動機側入力クラッチ55のシリンダ室
57への送油方向を切替える倒伏一定クラッチ切替バル
ブ、80、80’は送油ポンプからクラッチ切替バルブ
75、75’および倒伏一定クラッチ切替バルブ79に
至る油路、81、81’はクラッチ切替バルブ75、7
5’よりクラッチ入側送油口76、76’に至るクラッ
チ入側油路、82、82’はクラッチ切替バルブ75、
75’よりクラッチ切側送油口78、78’に至るクラ
ッチ切側油路、83、83’はクラッチ切側油路82、
82’より分岐して前記左右ブレーキ用シリンダ室8
4、84’のそれぞれの左右ブレーキ用減圧バルブ8
5、85’及び左右逆転クラッチ用シリンダ室86、8
6’のそれぞれの逆転クラッチ用減圧バルブ87、8
7’に至る油路、88は油タンクに戻る戻し油路であ
る。なお、送油ポンプよりクラッチ切替バルブ75、7
5’に至る間には、図示は省略するが油圧を制御する制
御弁が設けられている。
【0011】しかして、前記油路83、83’とクラッ
チ切側油路82、82’の関係をクラッチ切側油路8
2、82’に送油すると油路83、83’にも送油され
るが、クラッチ切側油路82、82’から戻し油路88
に戻る油は油路83、83’に送油されないように構成
する。即ち、方向修正及びスピンターンのときは、左右
クラッチを「切」にしてから、これに対応する左右逆転
クラッチまたは左右ブレーキを入にするように、前記左
右クラッチを「切」にするために送油したときのみ前記
左右ブレーキ用シリンダ室84、84’と左右逆転クラ
ッチ用シリンダ室86、86’のそれぞれに送油される
ように構成したのである。そして、クラッチ切替バルブ
75、75’と左右ブレーキ用減圧バルブ85、85’
と逆転クラッチ用減圧バルブ87、87’は、直進、方
向修正及びスピンターンしうるように、電気的に制御さ
れ、左右逆転クラッチが同時に「入」となることはな
い。なお、左右クラッチが何等かの理由により「入」と
ならずに走行不能になったとき、緊急切替スイッチによ
り左右の逆転クラッチ用減圧バルブ87、87’が同時
に「入」なるようにすることもある。
【0012】89は前記倒伏一定クラッチ切替バルブ7
9を切替える倒伏モードスイッチであり、前記HST変
速機構17を操作する主変速レバーに設ける。本実施例
では、通常倒伏一定クラッチ切替バルブ79は、原動機
側入力クラッチ55と倒伏用クラッチ32の両方を切に
する「標準モード」とし、倒伏モードスイッチ89を一
度押すと、倒伏一定クラッチ切替バルブ79を切替えて
倒伏用クラッチ32を入にする「倒伏モード」とし、も
う一度押すと、再び「標準モード」に復帰するように構
成している。そして、倒伏モードスイッチ89を一度押
して倒伏一定クラッチ切替バルブ79を切替えて倒伏用
クラッチ32を入にして「倒伏モード」で倒伏穀稈刈取
作業を行なって(ミッション側入力クラッチ45は入の
ままである)、前記出力軸50の回転を検出する刈取出
力回転センサ90により刈取作業速度が所定速度になっ
たら、コントローラ91は自動的に倒伏一定クラッチ切
替バルブ79を原動機側入力クラッチ55を入にするよ
うに切替え、原動機46の一定回転を出力軸50に伝達
し、刈取作業速度を所定速度に保持する。
【0013】また、「倒伏モード」における前記倒伏一
定クラッチ切替バルブ79の切替制御は、前記刈取出力
回転センサ90と車速センサ93とにより行なうことが
可能であり、二つのセンサ90、93により正確な制御
を行なえる。また、前記刈取出力回転センサ90と車速
センサ93とにより制御するときに、刈取出力回転セン
サ90に対して車速センサ93を優先させて、倒伏用ク
ラッチ32を入にすることなく原動機側入力クラッチ5
5を入にするように倒伏一定クラッチ切替バルブ79を
切替えるように構成することもある。また、「倒伏モー
ド」において、コントローラ91は刈取出力回転センサ
90と車速センサ93により、刈取作業速度が所定速度
に上昇すると、自動的に原動機側入力クラッチ55を入
にするが、原動機側入力クラッチ55を切にする速度
は、刈取作業速度が所定速度よりもやや低速になったと
きにする。図9は別の回路を示し、前記倒伏一定クラッ
チ切替バルブ79を、原動機側入力クラッチ55が入に
なるように切替えうる一定回転出力手動スイッチを設け
ている。図11において、94は前記中間軸61と同芯
に設けた入力軸95により作動するギヤポンプであり、
前記HSTポンプ20の反対側の刈取部4変速装置23
に設けられ、前記倒伏用クラッチ32と原動機側入力ク
ラッチ55に送油する。このため、前記脱穀部への出力
プーリ67と、グレンタンクに設けた排出装置への出力
プーリ68との配置が容易となり、メンテナンスも容易
となるばかりでなく、原動機46に設けるより低回転駆
動が可能となり低流量の前記クラッチ32、45に利用
できる。
【0014】
【作用】次に作用を述べる。 (通常作業)原動機46の回転が、プーリ62、ベルト
65、受動プーリ64、中間伝動軸63、中間歯車群6
0を介して中間軸61に伝達され、中間軸61はHST
ポンプ20の入力軸69を回転させ、HSTポンプ20
はHSTモータ18に無段階に送油量を増減させながら
回転を伝達し、ミッションケース16内の副変速機構を
介して車軸19に回転を伝達して機体を走行させる。他
方、ミッションケース16に伝達された原動機46の回
転は出力軸21を介して刈取部変速装置23の入力軸2
4に伝達され、通常はバネ35の弾力により標準用クラ
ッチ34が入となって、入力軸24の回転が、入力軸2
4に固定のクラッチハウンジング27、中央仕切板部2
8から標準用クラッチ34を介して標準用歯車33に伝
達され、標準用歯車33の回転が中間大歯車39を介し
てミッション側入力歯車44に伝達され、切替クラッチ
軸40に遊嵌されているミッション側入力歯車44の回
転はミッション側入力クラッチ45からクラッチハウン
ジング42、中央仕切板部43を介して切替クラッチ軸
40に伝達され、切替クラッチ軸40の回転が切替クラ
ッチ軸40に固定の歯車52と出力軸50に固定の歯車
51を介して出力軸50に伝達され、刈取部出力プーリ
53より刈取部4に出力される。そして、刈取部4は分
草体5により分草し、引起装置6により引起し、掻込装
置7により掻込んで刈刃8で刈取り、刈取った穀稈の株
元は株元側穀稈搬送装置9で、穂先側は穂先側穀稈搬送
装置10で搬送し、この穀稈を株元側穀稈引継搬送装置
11および穂先側穀稈引継搬送装置12により脱穀装置
3の脱穀室に供給する穀稈供給搬送装置13に引継ぎ、
脱穀する。この場合、HST変速機構17により原動機
46の回転を変速させて、ミッションケース16から車
軸19および出力軸21に出力するので、前記走行装置
2の走行速度と、刈取部4の前記引起装置6の引起しや
株元側穀稈搬送装置9および穂先側穀稈搬送装置10の
搬送等の刈取部4の作業速度とを、同調させることがで
き、円滑な作業が行なえる。なお、刈取出力プーリ53
の回転は、株元側穀稈引継搬送装置11、穂先側引継搬
送装置12、穀稈供給搬送装置13、排藁搬送装置15
等に伝達することもあり、伝達先は任意である。
【0015】(倒伏穀稈刈取作業)倒伏穀稈刈取作業に
おいては、走行速度に対して刈取部4作業速度を早くす
ると、円滑に行なえるので、前記倒伏用クラッチ32を
入にすると、入力軸24の回転は、倒伏用伝達経路Bの
倒伏用クラッチ32を介して倒伏用歯車31に伝達さ
れ、倒伏用歯車31と中間小歯車38との組合わせによ
り中間軸37は早く回転し、中間軸37の回転が、中間
大歯車39を介してミッション側入力歯車44に伝達さ
れ、前記と同様に、ミッション側入力歯車44の回転が
切替クラッチ軸40に伝達され、切替クラッチ軸40の
回転が切替クラッチ軸40に固定の歯車52と出力軸5
0に固定の歯車51を介して出力軸50に伝達され、刈
取部出力プーリ53より刈取部4に出力される。この場
合、変速用シリンダ室30に送油してピストン29を移
動させて倒伏用クラッチ32が入になると、ピストン2
9の移動に連動して切替部材36が移動して標準用クラ
ッチ34を自動的に切にする。しかして、前記倒伏用ク
ラッチ32の「入」操作は、倒伏モードスイッチ89を
一度押すとことにより、倒伏一定クラッチ切替バルブ7
9を切替えて「倒伏モード」とするが、もう一度押す
と、再び「標準モード」に復帰するように構成されてい
るから、部分的に倒伏穀稈があるときでも、「倒伏モー
ド」と「標準モード」を倒伏モードスイッチ89の操作
のみにより切替えることにより簡単に行なえる。
【0016】しかして、刈取部4の作業速度が所定速度
以上に早くなると、かえって、悪影響をおよぼすが、本
発明では、出力軸50の回転が所定回転数になると、刈
取出力回転センサ90がこの旨を検知して自動的に倒伏
一定クラッチ切替バルブ79を切替えて、原動機側入力
クラッチ55を入にし、原動機46の回転が原動機側入
力クラッチ55より中央仕切板部43、クラッチハウン
ジング42を介して切替クラッチ軸40に伝達され、切
替クラッチ軸40より歯車52、歯車51を介して出力
軸50に伝達される。したがって、刈取部4の作業速度
は一定保持される。前記原動機側入力クラッチ55が入
になると、ピストン56の移動に連動して切替部材60
が移動してミッション側入力クラッチ45を自動的に切
にする。前記「倒伏モード」と「標準モード」の速度の
切替えは、倒伏用クラッチ32と標準用クラッチ34の
クラッチ構成としたので、応答の遅れがなく、操作性が
向上する。また、刈取部4の作業速度は所定速度以上に
ならないので、騒音を減少させ、耐久性を向上させる。
また、倒伏用クラッチ32と標準用クラッチ34および
ミッション側入力クラッチ45と原動機側入力クラッチ
55とを単一の刈取部4変速装置23内に設けたので、
構成が簡単であり、組立、メンテナンスが簡単にでき
る。また、倒伏用クラッチ32と原動機側入力クラッチ
55は1個の倒伏一定クラッチ切替バルブ79により切
替えるので、応答性が良く、コストを低くでき、故障が
少なく、故障原因を減少させ、メンテナンスも容易とな
る。また、前記、ミッションケース16内のクラッチ等
を作動させる油圧回路を利用できる。
【0017】また、油圧系統あるいは電気系統の故障等
の理由により倒伏用クラッチ32あるいは原動機側入力
クラッチ55が入になっていても、油圧を解除すると、
バネ35とバネ59により、夫々標準用クラッチ34と
ミッション側入力クラッチ45が入となるので、通常の
作業が行なえる。しかして、前記倒伏モードスイッチ8
9を押して「倒伏モード」にしたとき、既に車速センサ
93が所定速度以上であると検出する状態では、倒伏用
クラッチ32を入にしても、刈取出力回転センサ90が
設定値より越えた出力軸50の回転数を検出して結局原
動機側入力クラッチ55を入にすることになるが、倒伏
一定クラッチ切替バルブ79の切替えを刈取出力回転セ
ンサ90と車速センサ93とにより制御する場合で、刈
取出力回転センサ90に対して車速センサ93を優先さ
せると、倒伏用クラッチ32を入にすることなく原動機
側入力クラッチ55を入にできる。したがって、無用な
倒伏用クラッチ32とミッション側入力クラッチ45の
入切が避けられるので、耐久性を向上させるだけでな
く、刈取部4の作業速度の変更の制御遅れを防止する。
また、「倒伏モード」において、走行速度を次第に遅く
したとき、コントローラ91が原動機側入力クラッチ5
5を切にする速度は、原動機側入力クラッチ55を入に
する設定した刈取作業所定速度よりもやや低速に設定し
ているので、頻繁な各クラッチの入切を防止し、耐久性
を向上させる。
【0018】しかして、前記倒伏一定クラッチ切替バル
ブ79を手動で原動機側入力クラッチ55を入にするよ
うに切替える一定回転出力手動スイッチ92を設けた構
成では、一定回転出力手動スイッチ92を操作するだけ
で、走行速度が零の停止状態では、原動機46の回転を
一定速度用伝達経路Cより出力軸50に伝達して刈取部
4を作動させることができ、注油等のメンテナンスや、
搬送途中の穀稈の移送や、脱穀装置3への供給ができる
(一定回転出力手動スイッチ92をオンして、ミッショ
ンケース16内のブレーキを作動させて走行装置を停止
させ、主変速操作レバーの操作で変速した回転を刈取部
4に伝達する構成も可能である)。また、車速が遅い状
態で、一定回転出力手動スイッチ92により原動機側入
力クラッチ55を入にすると、図10の鎖線部分の出力
が可能となり、走行速度と刈取部4の作業速度の相対関
係を更に刈取部4の作業速度を早くすることができる。
なお、反対に、走行速度が早い状態で、かつ、「倒伏モ
ード」のときに、一定回転出力手動スイッチ92により
原動機側入力クラッチ55を切にすると、倒伏用クラッ
チ32を入にするように構成することも可能である。し
かして、油圧系統あるいは電気系統の故障等の理由によ
り倒伏用クラッチ32あるいは原動機側入力クラッチ5
5が入になっていても、油圧を解除すると、バネ35と
バネ59により、夫々標準用クラッチ34とミッション
側入力クラッチ45が入となるので、通常の作業が行な
える。また、所定速度を越える走行速度状態で、本来、
原動機側入力クラッチ55を自動的に入にしなければな
らないときに、油圧系統あるいは電気系統の故障等の理
由によりできない場合、前記倒伏モードスイッチ89を
押して「標準モード」に復帰させると、標準用クラッチ
34を入にして、標準用歯車33と中間大歯車39との
噛合わせにより刈取作業速度を低下させることができ
る。なお、前記各クラッチ32、34、45、55の入
切させる組合わせや、ミッショケース16内の副変速装
置との関係、制御順序等は任意である。
【0019】
【効果】本発明は、車速度と刈取速度とを、車速度に比
例して刈取速度が速くなるようにするとともに、倒伏穀
稈があるときは稍々刈取速度を速くし、ある程度以上で
は刈取速度を一定にするように、HST変速機構17に
より変速されるミッションケース16の伝動経路を2分
して一方を走行装置2の車軸19に、他方を刈取部変速
装置23に接続し、該刈取部変速装置23内には、前記
ミッションケース16からの回転を伝達する標準用クラ
ッチ34を介して出力軸50に至る標準用伝達経路A
と、倒伏用クラッチ32が入になると回転を増速させて
出力軸50が早く回転する倒伏用伝達経路Bと、原動機
46からの一定回転を伝達する一定速度用伝達経路Cと
を設けた作業機の伝動機構としたものであるから、倒伏
穀稈刈取作業においては、走行速度に対して刈取部作業
速度を早して円滑に作業し、ある程度以上では刈取速度
を一定にでき、圃場の穀稈に対応させて作業ができる。
前記作業速度の変更はクラッチを介して行なうので、構
成が簡単であり、正確な制御ができ、操作も容易とな
る。また、原動機46からの一定回転を伝達する一定速
度用伝達経路Cを設けているので、機体を停止させた状
態での刈取部4の駆動等の作業適応性を広げることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面図。
【図2】 同平面図。
【図3】 刈取部変速装置の断面図。
【図4】 同拡大断面図。
【図5】 同概略図。
【図6】 油圧回路図。
【図7】 回路図。
【図8】 説明図。
【図9】 回路図。
【図10】 説明図。
【図11】 断面図。
【符号の説明】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…
刈取部4、5…分草体、6…引起装置、7…掻込装置、
8…刈刃、9…株元側穀稈搬送装置、10…穂先側穀稈
搬送装置、11…株元側穀稈引継搬送装置、12…穂先
側穀稈引継搬送装置、13…穀稈供給搬送装置、14…
扱胴、15…排藁搬送装置、16…ミッションケース、
17…HST変速機構、18…HSTモータ、19…車
軸、20…HSTポンプ、21…出力軸、22…プー
リ、23…刈取部変速装置、24…入力軸、25…プー
リ、26…ベルト、27…クラッチハウンジング、28
…中央仕切板部、29…ピストン、30…変速用シリン
ダ室、31…倒伏用歯車、32…倒伏用クラッチ、33
…標準用歯車、34…標準用クラッチ、35…バネ、3
6…切替部材、37…中間軸、38…中間小歯車、39
…中間大歯車、40…切替クラッチ軸、42…クラッチ
ハウンジング、43…中央仕切板部、44…ミッション
側入力歯車、45…ミッション側入力クラッチ、46…
原動機、50…出力軸、51…歯車、52…歯車、53
…刈取部出力プーリ、54…刈取部入力プーリ、55…
原動機側入力クラッチ、56…ピストン、57…シリン
ダ室、58…原動機側入力歯車、60…中間歯車群、6
1…中間軸、62…プーリ、63…中間伝動軸、64…
受動プーリ、65…ベルト、67…出力プーリ、68…
出力プーリ、69…入力軸、75、75’…クラッチ切
替バルブ、76、76’…クラッチ入側送油口、77…
左クラッチ用シリンダ室、77’…右クラッチ用シリン
ダ室、78、78’…クラッチ切側送油口、79…倒伏
一定クラッチ切替バルブ、80、80’…油路、81、
81’…クラッチ入側油路、82、82’…クラッチ切
側油路、83、83’…油路、84、84’…左右ブレ
ーキ用シリンダ室、85、85’…左右ブレーキ用減圧
バルブ、86、86’…左右逆転クラッチ用シリンダ
室、87、87’…逆転クラッチ用減圧バルブ、88…
油路、89…倒伏モードスイッチ、90…刈取出力回転
センサ、91…コントローラ、92…一定回転出力手動
スイッチ、93…車速センサ、94…ギヤポンプ、95
…入力軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速度と刈取速度とを、車速度に比例し
    て刈取速度が速くなるようにするとともに、倒伏穀稈が
    あるときは稍々刈取速度を速くし、ある程度以上では刈
    取速度を一定にするように、HST変速機構17により
    変速されるミッションケース16の伝動経路を2分して
    一方を走行装置2の車軸19に、他方を刈取部変速装置
    23に接続し、該刈取部変速装置23内には、前記ミッ
    ションケース16からの回転を伝達する標準用クラッチ
    34を介して出力軸50に至る標準用伝達経路Aと、倒
    伏用クラッチ32が入になると回転を増速させて出力軸
    50が早く回転する倒伏用伝達経路Bと、原動機46か
    らの一定回転を伝達する一定速度用伝達経路Cとを設け
    た作業機の伝動機構。
JP17376392A 1992-06-08 1992-06-08 作業機の伝動機構 Withdrawn JPH05338452A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002036895A (ja) * 2000-07-24 2002-02-06 Iseki & Co Ltd トラクタのpto軸回転センサ及び取付構造
JP2003054276A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd コンバインの前処理部駆動構造

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