JP4009694B2 - コンバインの走行伝動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの走行伝動装置であって、稲の刈取、脱穀作業を機械的に行なうコンバインの属する農業機械の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンバインにおける走行伝動装置は、搭載しているエンジンの回転動力を、油圧無段変速装置、迂回伝動ケ−ス、走行ミッション装置を経由してクロ−ラに伝動する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、該公知の特許文献に示されている迂回伝動ケ−スは、油圧無段変速装置によって変速された1系統(前進回転、又は後進回転のいずれか一方のみ)の伝動経路しか設けられておらず、前進速度と後進速度とに予め(走行ミッション装置に入力する前に)速度差をつけて走行ミッション装置に入力する等の手段がとれない構成になっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−315421号公報(第3、及び6頁、第6図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来型コンバインの走行伝動装置は、エンジンから出力される回転動力の伝動経路において、上手側にある油圧無段変速装置と、該油圧無段変速装置から迂回伝動ケ−スを経由して入力された下手側の走行ミッション装置とを経由して走行装置(クロ−ラ)に走行動力が伝動される構成となっている。この場合、最終的にクロ−ラに伝達される回転動力は、油圧無段変速装置と走行ミッション装置の副変速装置とによって変速されるが、前進側、及び後進側が同一速度(副変速を高、中、低のどの位置にしても前・後進が同一速度になる意味)であって、両者に速度差をつけることはできない構成になっている。すなわち、クロ−ラは、最高速度、又は最低速度の走行速度において、前進速度と後進速度とに差をつけて作業能率を上げることができない課題がある。
【0005】
これを具体的に述べれば、コンバインは、刈取脱穀作業を行なうにあたり、前進走行時には圃場の穀稈を刈取るために所定の作業速度を保ちながら走行することが要求されるが、圃場の端に達して前進・バックを繰り返して旋回するときの後進走行では、刈取作業を行なわないから、安全性が保てる範囲で高速にして走行し旋回走行を高能率で行なって、全体として作業能率を大幅に上げる等の効率的な作業が、従来型コンバインではできない構成となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、つぎの如き技術手段を講ずるものである。まず、請求項1の発明は、エンジン1の回転動力を正・逆回転切替装置2から走行ミッション装置3を経由して車体4の走行装置5を伝動する一連の走行伝動装置であって、該走行ミッション装置3の入力軸6と、前記正・逆回転切替装置2の出力軸7との間に、正転の回転動力のみを伝動する前進側ワンウエイクラッチ装置8を装備した伝動経路Fと、逆転の回転動力のみを伝動する後進側ワンウエイクラッチ装置9を装備した伝動経路Rとの2つの伝動経路F・Rを介装して構成したコンバインの走行伝動装置であって、正・逆回転切替装置2と走行ミッション装置3との間に、前進回転動力のみを伝達する伝動経路と、後進回転動力のみを伝動する経路との2系統の伝動経路を有する構成にしているから、前後進に速度差を設けることができる機構となっている。
【0007】
つぎに、請求項2の発明は、前進側ワンウエイクラッチ装置8と後進側ワンウエイクラッチ装置9との2系統の伝動経路F・Rは、走行ミッション装置3を内装したミッションケ−ス11とは別の迂回伝動ケ−ス12に内装して構成した請求項1記載のコンバインの走行伝動装置であって、多様な変速伝動を行なう構成でありながら極力コンパクトな伝動構成にすることができるものとなっている。
【0008】
つぎに、請求項3の発明は、伝動経路Rの後進側ワンウエイクラッチ装置9を経由して出力される後進回転速度は、伝動経路Fの前進側ワンウエイクラッチ装置8を経由して出力される前進回転速度より高速で走行ミッション装置3に入力する構成とした請求項1記載のコンバインの走行伝動装置であって、通常、コンバインは、往復刈りを行なう場合、圃場の端に達すると車体を旋回して新しいつぎの穀稈条列に移って刈り始める。その旋回走行において、コンバインは、前進・バックを繰り返しながら走行して車体を反転し、刈取の終わった穀稈条列から未刈穀稈条列に移って刈取作業を再開する。
【0009】
このように、本案発明によれば、コンバインは、前進しながら刈取作業を行なう場合は、中速、又は低速(穀稈の倒伏が激しい圃場)による作業速度が要求されるが、旋回時には後進速度は安全性が保てる範囲内において高速にすることが可能であり、特に、副変速を切替操作しないで正・逆回転切替装置の前進・バックの切替操作だけで、後進が前進より速くなるものであって、全体として作業能率を大幅に高めることができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したものであるから、請求項1の発明は、正・逆回転切替装置と走行ミッション装置との間に、前進回転動力のみを伝達する伝動経路と、後進回転動力のみを伝動する経路との2系統の伝動経路を有する構成にしたものであって、その伝動経路に変速装置を組み込んで前後進に速度差を設けることがきわめて容易にできる特徴がある。
【0011】
特に、上記変速装置は、走行ミッション装置の副変速より伝動上手側にあるから副変速の操作に関係なく速度差を保つことができる効果を有する。
つぎに、請求項2の発明は、多様な変速伝動を行なう構成でありながら、迂回伝動ケ−スにまとめることによって、極力コンパクトな伝動構成にすることができる特徴がある。
【0012】
つぎに、請求項3の発明は、コンバインが圃場の端に達して車体を旋回して新しいつぎの穀稈条列に移るときの旋回走行において、前進・バックを繰り返して車体を進路変更、又は反転するときにきわめて有効である。
すなわち、本案発明によれば、コンバインは、前進しながら行なう刈取作業では必要な作業速度が要求されるが、旋回時の後進速度は安全性が保てる範囲内において高速にすることが許されるから、副変速を切替操作しないで、前後進の切替操作だけで後進速度が前進速度より速くなり、全体として作業能率を大幅に高めることができる優れた効果がある。
【0013】
結局のところ、請求項3の発明は、走行動力が副変速装置に達する前に後進速度を前進速度より高速にしているから、後述する図2の速度比較グラフに示すように、副変速の低速、中速、高速のどの位置においても、必ず後進速度が速くなり、効率的な旋回ができる効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
まず、コンバインは、図3に示すように、走行装置5として左右のクロ−ラ13、13を有する車体4上において、前部右側にキャビン14を装置し、その背後にグレンタンク15を搭載し、更に、その左側に隣接して脱穀装置16を搭載して構成している。そして、刈取前処理装置17は、前記車体4の前部に上下昇降自由に支架して設け、前進に伴って刈り取った穀稈を後部上方に搬送して上記脱穀装置16に供給する構成としている。
【0015】
なお、本明細書に記載している左側、又は右側の表現は、全てコンバインの前進方向に向かって見た状態を基準にして説明する。
つぎに、コンバインの走行伝動装置について説明する。
図1において、1はエンジンであって、車体4上に搭載している。2は正・逆回転切替装置であって、実施例の場合、油圧無段変速装置2から構成している。以下の説明では、正・逆回転切替装置2を油圧無段変速装置2として説明する。
【0016】
ここに述べる油圧無段変速装置2は、図1に示すように、油圧ポンプ2pと油圧モ−タ2mとから構成し、既に広く知られているように、正・逆回転の切替えと増減速を無段階に変速操作ができる構成とし、変速動力を出力軸7から伝動下手側に出力する構成となっている。
【0017】
つぎに、走行ミッション装置3は、図1で解るように、ミッションケ−ス11に回転動力を入力する入力軸6を軸架し、その下手側に副変速装置18を設け、更に、伝動下手側に左右両側のサイドクラッチ19,19、及びサイドブレ−キ20、20を配置し、更に、伝動下手側の左右両側に軸装しているホイルシャフト21、21を経由してクロ−ラ13、13に走行動力を伝動する構成としている。そして、上記副変速装置18は、詳細な説明は省略するが、実施例の場合、低速位置、中速位置、高速位置の3速の中から作業条件に適合する1つを選択できる構成としている。
【0018】
そして、前記刈取前処理装置17は、上記ミッションケ−ス11に設けた入力軸6から回転動力が刈取動力取出軸22に伝動され、中間プ−リ23を経由して刈取入力プ−リ24に達し、入力される構成としている。そして、25はワンウエイクラッチであって、逆転時(後進時)には伝動を中断する構成としている。
【0019】
つぎに、迂回伝動ケ−ス12は、図1に示すように、油圧無段変速装置2の出力軸7と走行ミッション装置3の入力軸6との間に設けられている。この場合、迂回伝動ケ−ス12には、図面から解るように、正転の回転動力のみを伝動する前進側ワンウエイクラッチ装置8を装備した伝動経路Fと、逆転の回転動力のみを伝動する後進側ワンウエイクラッチ装置9を装備した伝動経路Rとの2つの伝動経路F・Rが設けられている。そして、一方の伝動経路Fは、前進側ワンウエイクラッチ装置8を装備して中間軸26に軸装した小歯車27を、入力軸6上の大歯車28に噛合して設け、他方の伝動経路Rは、後進側ワンウエイクラッチ装置9を装備して中間軸26に軸装している大歯車29を、入力軸6の小歯車30に噛合して設けた2系統の伝動経路を構成している。
【0020】
上記した2系統の伝動経路F・Rは、図面から明らかなように、大歯車29から小歯車30に伝動する後進側の回転速度を、小歯車27から大歯車28に伝動する前進側の回転速度より高速にして伝動する構成としている。
以上のように構成された2系統の伝動経路F・Rは、図2に示すグラフで解るように、前記副変速装置18の各変速位置から低速、中速、高速のどれを選択しても、本案実施例の場合、グラフに示すように、必ず後進走行速度が前進走行速度より高速でクロ−ラ13、13を伝動し走行する構成となっている。
【0021】
このように、本案の走行伝動装置は、コンバインの作業中に1列の穀稈条列を刈り終わり、圃場の端に達して旋回する場合、副変速を操作しないで油圧無段変速装置2の操作レバ−を切替操作して、前進・バックを繰り返すだけで前進走行速度より後進速度が速く走行できる。したがって、コンバインは、副変速を中速位置にして刈取作業を続けていたとしても、旋回時に油圧無段変速装置2の操作レバ−を切替操作して後進にすれば、前進速度より速く走行できて、結局のところ、全体として作業能率を大幅に上げることができる特有の走行伝動装置になっている。
【0022】
以上述べたように、請求項1の発明に係る実施例は、油圧無段変速装置2と走行ミッション装置3との間に、前進回転動力のみを伝達する伝動経路Fと、後進回転動力のみを伝動する経路Rとの2系統の伝動経路F・Rを有する構成にしたものであって、その伝動経路F・Rに変速装置を組み込んで前後進に速度差を設けることが比較的簡単にできる構成となっている。そして、上記伝動経路F・Rの変速装置は、走行ミッション装置3の副変速装置18より伝動上手側にあるから副変速の操作に関係なく速度差を保つことができる。
【0023】
そして、請求項2の発明に係る実施例は、上記伝動経路F・Rを構成するワンウエイクラッチ装置8、9や2組の変速歯車を迂回伝動ケ−ス12にまとめることによって、極力コンパクトな伝動構成にすることができた。
つぎに、請求項3の発明に係る実施例は、コンバインが圃場の端に達して車体を旋回して新しいつぎの穀稈条列に移るときの旋回走行において、走行動力が副変速装置18に達する前に後進速度を前進速度より高速にしているから、図2の速度比較グラフで説明したように、副変速の低速、中速、高速のどの位置においても必ず後進速度が速くなり、効率的な旋回を行なうことができるものである。
【0024】
別実施例1
つぎに、図4、乃至図17に基づいて別実施例1を説明する。
別実施例1は、第1の目的として、従来のコンバインでは、走行伝動装置を構成する左右のサイドクラッチの一方を切り操作すると、接続されている他方のサイドクラッチを経由した走行動力が他方のクロ−ラのみを伝動するため、車体に激しいショックを与えながら旋回走行が行われていた。そのとき、乗車しているオペレ−タは、サイドクラッチの一方を切ったつぎの瞬間に、車体に発生するショックを受けながらコンバイン作業を続けることになり、疲労が蓄積し、連続して長時間の作業に耐えられない課題があった。
【0025】
それに対して、本案に係る別実施例1は、上記の如く一方のサイドクラッチを切ったときに発生するショックを低減して、オペレ−タに与えるショックを極力少なくするためのショックレスクラッチを提供するものである。
そして、別実施例1は、第2の目的として、上記ショックレスクラッチにおいて、操縦座席から操作可能な位置に、上記クラッチの初期伝達トルクを変更調節して圃場条件等に適合させることができる操作機構を設けた構成としたものである。
【0026】
そして、別実施例1は、第3の目的として、旋回操作レバ−(左右サイドクラッチ、及び左右サイドブレ−キを入・切操作するレバ−、以下同じ)の操作度合いに応じて前記ショックレスクラッチの伝達トルクを自動的に変化(低くする)する構成にしたものである。
【0027】
これを言い換えると、第3の目的は、旋回操作レバ−を順次操作して、一方のサイドクラッチを切り、方向修正しながら、続いてサイドブレ−キを働かせてブレ−キタ−ンに移るにしたがって、前記ショックレスクラッチの伝達トルクを順次低下してショックレスクラッチの働きを弱めて最後には0としてブレ−キタ−ンを抵抗なく行なわせることができるものとしている。
【0028】
そして、別実施例1は、第4の目的として、前記ショックレスクラッチの初期の伝達トルクを、車体のショックセンサの検出値と、予め、旋回力調節ダイヤルで設定した設定値とに基づいて自動的に制御する構成のショックレスクラッチの制御装置を提供せんとするものである。
【0029】
以下、図面に基づいて具体的な構成を説明する。
まず、ショックレスクラッチ35は、図4に示すように、走行ミッション装置36の左右サイドクラッチ37、37の伝動下手側に軸架している中間軸38に、一方のサイドクラッチギヤ37aに噛合したクラッチ伝動ギヤ35aを遊転状に軸装し、他方のサイドクラッチギヤ37bに噛合するクラッチ伝動ギヤ35bを軸着して構成している。そして、ショックレスクラッチ35は、外側クラッチ回転体40と、内側クラッチ回転体41とにそれぞれ複数のクラッチ板42、43を設け、外側クラッチ回転体40をクラッチ爪39を介して前記クラッチ伝動ギヤ35aに接続し、内側クラッチ回転体41を前記中間軸38を介して前記クラッチ伝動ギヤ35bと一体回転する構成としている。
【0030】
この場合、ショックレスクラッチ35は、図4に示すように、側部にクラッチばね44を設けて、内側クラッチ回転体41を、常時、内側(中心側)に張圧させて中間軸38上を摺動して複数の外側クラッチ板42に、複数の内側クラッチ板43を圧接状態にして保持させ伝動状態を保つ構成としている。
【0031】
そして、左右の中間ギヤ45、45は、図4に示すように、一方が前記中間軸38上に、他方が外側クラッチ回転体40上の内側にあって、それぞれホイルギヤ46、46に走行動力を伝動し、ホイルシャフト47、47から駆動スプロケット48、48を介して、図外のクロ−ラを駆動する構成としている。
【0032】
そして、左右のサイドブレ−キ52、52は、図面に示すように、上記した左右のサイドクラッチ37、37の外側にそれぞれ配置して設け、サイドクラッチ37、37を切った後、更に、旋回操作を続けることにより外側に移動して制動作用が働く構成となっている。
【0033】
以上のように構成したショックレスクラッチ35は、図面からも解るように、常時、クラッチ入りの状態にあって、一方のサイドクラッチ37を切りにしても、入り状態が保たれている他方のサイドクラッチ37から伝動される回転動力を、切り状態の一方の中間ギヤ45に伝達して、最終のクロ−ラに伝達できる構成となっている。
【0034】
このように、ショックレスクラッチ35は、図4に示すように、コンバインの走行中に左旋回をするために、旋回内側の左サイドクラッチ37を切ると、継続されている右のサイドクラッチ37からサイドクラッチギヤ37a、クラッチ伝動ギヤ35a、ショックレスクラッチ35を経由した走行動力が中間軸38、中間ギヤ45、45に走行動力が伝わって、サイドクラッチ37を切った側のクロ−ラも走行動力が伝動される。したがって、コンバインは、従来のように、左サイドクラッチ37を切ると、つぎの瞬間に左クロ−ラが急停止して、車体にショックが発生することがない。
【0035】
要するに、ショックレスクラッチ35は、上記のように、サイドクラッチ37の一方を切ったときに発生するショックを、他方側から付回りすることにより低減して、オペレ−タに与えるショックを極力少なくして緩やかに旋回ができるものとなっている。
【0036】
なお、ショックレスクラッチ35は、前記クラッチ爪39を切り状態にすれば、左右の連動を完全に断つことができる構成としている。
以上のように構成したショックレスクラッチ35は、図5に示す実施例は、上述のとおり中間軸38を軸架して設け、図6に示す実施例は、左右のホイルギヤ46と46との間にある空間を利用して装置し、図7に示す実施例は、上記ホイルギヤ46、46の伝動下手側に設けたクラッチ軸49上に装置して構成している。
【0037】
そして、図5に示す実施例は、ホイルギヤ46、46より伝動上手側にショックレスクラッチ35を装置したから、伝達トルクが小さくても充分に対応できるため、クラッチ容量を小さくできる利点があり、その上に加えて、実施例のように、ミッションケ−ス50の側部に位置するからミッションケ−ス50を分解しなくても、蓋ケ−ス51を着脱自由に設けることによりメンテナンスが容易にできる特徴がある。
【0038】
そして、図6に示す実施例は、左右ホイルギヤ46、46の間にある空間を有効に利用してショックレスクラッチ35を装置できる特徴がある。
そして、図7に示す実施例は、図5の実施例と同様に、着脱可能な蓋ケ−ス51を設けることによって、メンテナンスが容易にできる利点がある。
【0039】
つぎに、上記ショックレスクラッチ35の初期伝達トルクを、外部から変更調節する調節装置について説明する。
まず、コンバインは、圃場において進行方向を修正するとき(サイドクラッチ37、37の一方を切ったとき)に発生するショックは、圃場条件や機体(車体)重量によって大きく左右されることが解っている。そこで、別実施例1は、操縦座席53に操作レバ−54を設けて方向修正にあたり、予め、ショックレスクラッチ35の初期伝達トルクを変更調節できる構成としている。
【0040】
すなわち、操作レバ−54は、図5、乃至図7に示すように、操縦座席53の左サイドに配置して設け、連動ワイヤ−55、連動スプリング56を介してショックレスクラッチ35に接続して内側クラッチ回転体41を外側のクラッチばね44に抗して調節操作可能に構成している。この場合、ショックレスクラッチ35は、図4で解るように、内側クラッチ回転体41が操作レバ−54によって、クラッチばね44に抗する側に操作され、外側クラッチ回転体40との関係位置が変化して双方のクラッチ板42、43の圧接力が変更調節されて、初期伝達トルクを変更、調節することになる。
【0041】
このように、ショックレスクラッチ35は、オペレ−タが操縦座席53に居ながらにして操作レバ−54を操作し、圃場の条件に合わせて初期の伝達トルクを変更調節して、旋回時に発生するショックを低減しながら、尚且つ、円滑な旋回ができるようになっている。
【0042】
つぎに、自動方向制御装置を装備したコンバインの場合、図8、乃至図10に示すように、制御機構(cpu)57に旋回力調節ダイヤル58を設けて、予め、ショックレスクラッチ35の伝達トルク値を設定できる構成にしている。
以下、図8、乃至図10に示す自動方向制御装置について説明する。
【0043】
まず、旋回操作レバ−(左右サイドクラッチ37、37、及び左右サイドブレ−キ52、52を入・切操作するレバ−、以下同じ)59は、これを左、又は右へ傾倒操作してスイッチ60、60をON操作し、電磁バルブ61を操作して油路を切り替えて左、又は右のクラッチ操作シリンダ62、62に作動油を送り込んでサイドクラッチ37、37、更に操作が進むとサイドブレ−キ52、52を操作する構成としている。
【0044】
そして、自動方向制御の場合、図8、乃至図10に示すように、左右の方向センサ63、63は、左分草杆64の背後に装置して圃場の穀稈条列の株元を検出し、その検出情報を電流として、前記電磁バルブ61を切り替え操作する構成としている。
【0045】
この場合、比例電磁バルブ65は、図8、乃至図10に示すように、旋回力調節ダイヤル58によって、予め、ショックレスクラッチ35の初期伝達トルクを設定しておくと、制御機構57が制御信号を出力して油路66の還流量を加減して自動的に設定値にすることができる。したがって、自動方向制御装置によって走行する場合、コンバインは、方向修正に伴うショックが極力小さい状態でありながら、適確に自動方向制御が行われて穀稈条列に沿って前進しながら刈取脱穀作業を行なうことができる。なお、67は操作シリンダであって、油路66から送油される作動油によって伸縮作動して前記ショックレクラッチ35のクラッチトルクを調整する構成となっている。
【0046】
つぎに、ショックレスクラッチ35は、ブレ−キタ−ンを行なうときに、それに関連して連動しながら、自動的に伝達トルクを低下さしてクラッチ板42、43の間の滑り、発熱をなくして順次制動力を高めて円滑な旋回を可能にした構成を説明する。
【0047】
まず、ショックレスクラッチ35は、図11、図13、及び図14に示すように、クラッチ操作シリンダ62から油路68を通って、更に、油路66に供給された作動油が操作シリンダ67に送られて操作され、伝達トルクが変更調節される構成となっている。図面に示す実施例の場合、油路66は、図面から解るように、一方が上記操作シリンダ67に連通し、他方がリリ−フバルブ69を経由してタンク70に通じている。そして、リリ−フバルブ69は、旋回操作レバ−59を傾倒する操作に連動して作動し、操作度合いが大きくなるにつれてリリ−フ圧が高くなって操作シリンダ67側の油圧を高め、ショックレスクラッチ35の伝達トルクを下げることになる。
【0048】
そのとき、サイドブレ−キ52、52は、上記旋回操作レバ−59の操作度合いが大きくなるにしたがって制動力が強くなり、ブレ−キタ−ンが行われる。
上記の旋回操作レバ−59と、操作シリンダ67の油圧と、ショックレスクラッチの伝達トルク(クラッチトルク)との関係は、図12のグラフに示すように、旋回操作レバ−59を傾倒操作すると、まず、電磁バルブ61がONとなって作動し、油路を切換えた時点で、操作シリンダ67の油圧が立上り、ショックレスクラッチ35の伝達トルクを下げ始め、旋回操作レバ−59の傾倒操作が、なおも進むと、図12に示すように変化し、サイドブレ−キ52、又は52の制動力が大きくなってブレ−キタ−ンが行われる。
【0049】
このように、ショックレスクラッチ35は、図11、乃至図14に示すように、旋回初期の車体のショックを低減し、方向修正を可能としているが、旋回操作レバ−59の操作が更に進んでサイドクラッチ37の切れた後、サイドブレ−キ圧が効き始めると、旋回操作レバ−59の操作に連動するリリ−フバルブ69が作動してリリ−フ圧の上昇によって伝達トルクを順次下げ、逆に、制動力が順次高くなって円滑にブレ−キタ−ンができることになる。したがって、ショックレスクラッチ35は、クラッチ板42、43の滑り、発熱等の発生もなく耐久性が向上する。
【0050】
つぎに、実施例を示す図15、乃至図17に基づいて、ショックレスクラッチ35の伝達トルクを自動制御によって変更、調節し、予め設定している圃場条件等の実体に合わせた旋回を可能にした装置を説明する。
まず、制御機構57は、制御プログラムや基準デ−タ等を内蔵したメモリを有するマイクロコンピュ−タの演算制御部であって、算術、論理および比較演算等を行なう構成となっている。そして、制御機構57は、入力側に、旋回力調節ダイヤル58とショックセンサ71とを接続し、出力側に比例電磁バルブ65を接続して油路66を制御する構成としている。この場合、制御機構57は、旋回力調節ダイヤル58によって、予め設定した設定値と、車体上で検出したショックセンサ71の検出値とに基づいて制御し、圃場条件や車体重量に適した伝達トルクに制御する構成としている。
【0051】
なお、実施例の構成は、既に、自動方向制御とショックレスクラッチ35との関連について説明した図8、乃至図10の構成において、制御機構57にショックセンサ71を接続して構成している。
そして、図15、乃至図17に示す構成は、図8、乃至図10から方向センサ63を外して、制御機構57にショックセンサ71を接続したものである。そして、制御機構57は、予め、旋回力調節ダイヤル58によってショックレスクラッチ35の伝達トルクを設定しておき、ショックセンサ71によって検出した数値から伝達トルクを演算し、これを設定値に近づけるように制御を行なうものである。
【0052】
以上述べたように、別実施例1は、旋回当初に発生する車体のショックを低減し、旋回操作の進行に伴ってショックレスクラッチ35の伝達トルクを下げて、最終ブレ−キタ−ンに達する直前にショックレスクラッチ35の伝達トルクを0にまで低減できるものである。したがって、ショックレスクラッチ35は、クラッチ板42、43の摩擦、発熱による劣化をなくし、耐久性に富む装置を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であって、線図で示す伝動機構図である。
【図2】本発明の実施例であって、前・後進の速度を比較するグラフである。
【図3】本発明の実施例であって、コンバインの側面図である。
【図4】本発明の別実施例1であって、線図で示す伝動機構図である。
【図5】本発明の別実施例1であって、線図で示す伝動機構図である。
【図6】本発明の別実施例1であって、線図で示す伝動機構図である。
【図7】本発明の別実施例1であって、線図で示す伝動機構図である。
【図8】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図9】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図10】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図11】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図12】本発明の別実施例1であって、油圧とトルクの変化を示すグラフである。
【図13】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図14】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図15】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図16】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【図17】本発明の別実施例1であって、電気、及び油圧の概要を示す回路図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 正・逆回転切替装置
3 走行ミッション装置 4 車体
5 走行装置 6 入力軸
7 出力軸 8 前進側ワンウエイクラッチ装置
9 後進側ワンウエイクラッチ装置
11 ミッションケ−ス 12 迂回伝動ケ−ス
F 伝動経路(前進側) R 伝動経路(後進側)。

Claims (3)

  1. エンジン1の回転動力を正・逆回転切替装置2から走行ミッション装置3を経由して車体4の走行装置5を伝動する一連の走行伝動装置であって、該走行ミッション装置3の入力軸6と、前記正・逆回転切替装置2の出力軸7との間に、正転の回転動力のみを伝動する前進側ワンウエイクラッチ装置8を装備した伝動経路Fと、逆転の回転動力のみを伝動する後進側ワンウエイクラッチ装置9を装備した伝動経路Rとの2つの伝動経路F・Rを介装して構成したコンバインの走行伝動装置。
  2. 前進側ワンウエイクラッチ装置8と後進側ワンウエイクラッチ装置9とを有する2系統の伝動経路F・Rは、走行ミッション装置3を内装したミッションケ−ス11とは別の迂回伝動ケ−ス12に内装して構成した請求項1記載のコンバインの走行伝動装置。
  3. 伝動経路Rの後進側ワンウエイクラッチ装置9を経由して出力される後進回転速度は、伝動経路Fの前進側ワンウエイクラッチ装置8を経由して出力される前進回転速度より高速で走行ミッション装置3に入力する構成とした請求項1記載のコンバインの走行伝動装置。
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