JPH05338400A - 樹脂入り木製品の製造方法 - Google Patents

樹脂入り木製品の製造方法

Info

Publication number
JPH05338400A
JPH05338400A JP17740692A JP17740692A JPH05338400A JP H05338400 A JPH05338400 A JP H05338400A JP 17740692 A JP17740692 A JP 17740692A JP 17740692 A JP17740692 A JP 17740692A JP H05338400 A JPH05338400 A JP H05338400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
hole
wood
processed
workpiece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17740692A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Manabe
英次 真部
Takeo Matsuo
武雄 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UTSUDO RETSUKUSU KK
Original Assignee
UTSUDO RETSUKUSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UTSUDO RETSUKUSU KK filed Critical UTSUDO RETSUKUSU KK
Priority to JP17740692A priority Critical patent/JPH05338400A/ja
Publication of JPH05338400A publication Critical patent/JPH05338400A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木製の被加工材が変形せず、保持固定させた
装飾効果の高い樹脂象嵌とステンドグラスの様な樹脂入
り木製品を製造することを目的にする。 【構成】 レーザ加工により原稿のパターンと同一形状
の透孔部6を被加工材5に穿設したのち、被加工材5の
裏面に裏板7を重ね合せた状態で、該透孔部6に熱硬化
性樹脂8を注入し、次に超音波振動により透孔部6内に
発生する気泡を除去後、10℃〜50℃の温度で前記樹
脂8を硬化させ、その後、被加工材5表面を研磨する。
前記発明の透孔部6を溝部18に換え、裏板7を省略
した構成としても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木製の被加工材を装飾
模様に従って穿設し、この透孔部ないし溝部に透明また
は着色された樹脂を注入して、樹脂入りの木製品を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特公昭60−49440号公報に
記載されているように、金属製の被加工材を装飾模様に
従って薬液による腐食を利用して透孔部を形成し、この
透孔部に透明または着色されたプラスチックを圧入し
て、プラスチックで模様を描いた金属製品を製造する方
法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で樹
脂入りの木製品を製造しようとしても、薬液では木製品
に正確な穿孔を形成できないので、複雑な形状の透孔部
を形成すること自体が困難である。また、注入した溶融
樹脂が固形化する際収縮が起こり被加工材である木材が
反ったりひび割れるなどの変形を起こすばかりか、高温
のプラスチックを注入する際、熱で木材の導管等から気
泡が発生し、注入したプラスチック中に微細な気泡が多
数封入され装飾性に欠ける等の欠点がある。木製品を装
飾模様に従って穿孔することは、従来公知のレーザ加工
技術を応用することにより可能にできても、なお被加工
材の変形や気泡の問題が残り、このため木製品に樹脂を
注入する技術は未だ存在しないのが実情である。本発明
はこうした事情に鑑み、木材の持つ金属にない暖い感じ
や装飾性の高さを利用し、木材である被加工材が変形せ
ず、その中に保持固定させた樹脂に気泡が封入されず装
飾効果の高い樹脂入り木製品を製造することを目的にす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、レーザ加工により原稿のパターンと同一形
状の透孔部を被加工材に穿設したのち、被加工材の裏面
に裏板を重ね合せ、該透孔部に熱硬化性樹脂を注入し、
次に超音波振動により透孔部内に発生する気泡を除去
後、10℃〜50℃の温度で前記樹脂を硬化させ、その
後、被加工材表面を研磨する。
【0005】また、レーザ加工により原稿のパターンと
同一形状の溝部を被加工材に穿設したのち、該溝部に熱
硬化性樹脂を注入し、次に超音波振動により溝部から発
生する気泡を除去後、10℃〜50℃の温度で前記樹脂
を硬化させた、その後、被加工材表面を研磨する。
【0006】
【作用】レーザ加工により、複雑な模様でも原稿に忠実
に透孔や溝部が作製される。そして超音波振動により木
の導管より発生する細かな気泡までが素早く確実に除去
できる。また、熱硬化性樹脂の硬化温度を低めに抑える
ことにより熱硬化性樹脂の収縮を抑え木の反りなどの変
形が防げる。出来上がった樹脂入り木製品は、木材と樹
脂の色のコントラストが鮮やかであり、光を通さない木
材と光を通す樹脂との違いによりさらに装飾価値が高ま
る。
【0007】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。なお
本発明により製造される模様は微細かつ複雑なものが可
能であるが、ここでは模様は簡単なものを例にして説明
する。レーザによる穿孔は、以下のようにする。図1
(A)において、1は白地に黒い四角形を描いた原稿
で、これを黒白反転させて等倍で印画紙(図示せず)に
焼付け、その印画紙をネガフィルムで撮影することによ
り、原稿どおりに四角形部分を黒く現像しその余は透明
の彫刻用フォトマスク2を作成する(図1(B))。次
に、表面にフォトレジスト皮膜を塗った薄い金属板(図
示せず)を用意し、この金属板に彫刻用フォトマスク2
を重ねて露光し、その透明部分を通過して感光した部分
のフォトレジスト皮膜を不溶性にすると共に、フォトマ
スク2の黒い四角形部分に相当する非感光部分のフォト
レジスト皮膜を現像液により溶解して除去する。そして
この金属板をエッチングして、前記の現像液により除去
した四角形部分を腐蝕させ、これにより原稿1と同じ四
角形の穿孔3を打抜いた彫刻用レーザマスク4を作成す
る(図1(C))。次に、この彫刻用レーザマスク4を
木製の被加工材5の表面に重ねてその上方よりマスク4
の全面にわたってレーザ光線を照射すると、木製の被加
工材5の穿孔3より露出する箇所だけが蒸発して、穿孔
3と同じ形の四角形をした透孔部6が被加工材5に穿設
される(図1(D))。
【0008】レーザによる穿孔の別の実施例を説明す
る。図2において、9は原稿10を載置するXYテーブ
ルであり、このXYテーブル9の上方に原稿を読み取る
原稿読取装置11の検出ヘッド(光電変換器)12を配
置する。原稿10は、例えば地色が白の紙を使用し、そ
の紙の上に後述のように加工すべき所望のパターン13
を黒で描いたものである。14は被加工材5を載置する
XYテーブルであり、このテーブルの上方にレーザ発振
器15の加工ヘッド16を配置する。前記両XYテーブ
ル9,14は、いずれもX方向およびY方向にそれぞれ
移動する機構(図示せず)を有し、しかもこれらは同期
して移動するように構成する。穿孔工程は、以下のよう
に行う。原稿10をXYテーブル9上に載せ、被加工材
5をXYテーブル14上に置く。そして、XYテーブル
9がX方向およびY方向に移動を開始すると、これに同
期してXYテーブル14はX方向およびY方向に移動す
る。XYテーブル9の移動に伴って、原稿読取装置11
の検出ヘッド12が原稿10を順次走査して読み取って
いく。そして、検出ヘッド12が黒で描かれたパターン
13を読み取っているときにはレーザ発振器15の出力
がオンになるように制御回路17で制御する。従って、
検出ヘッド12がパターン13を読み取っているときに
のみ加工ヘッド16からレーザビームが発射されるの
で、このレーザビームにより被加工材5には原稿10に
描かれているパターン13と同一パターンの透孔部6が
穿設される。
【0009】第1発明は、この様にして形成した被加工
材5の裏面に、裏板7を重ね合せる(図3)。この裏板
7としては、ガラス板,塩化ビニル板,アクリル板等の
透明な薄板を用いる。そして、透孔部6に熱硬化性樹脂
8を透孔部6よりややあふれる程度注入する(図4)。
木製の被加工材5はその透孔部6に注入した樹脂8が硬
化する際、大幅に収縮すると、反りやひび割れの原因に
なる。よって、注入する熱硬化性樹脂8は、不飽和ポリ
エステル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂など常温で
硬化し収縮の少ないものがよい。樹脂8の硬化は以下の
ようにする。図5に示すように、超音波発生装置19の
上に被加工材5を載置する。そして、超音波発生装置を
5〜20分作動する。超音波発生装置19が被加工材5
を振動させ透孔部6内より気泡を除去する。樹脂8は、
10〜25℃の常温で2〜5時間で硬化する。あるい
は、30〜50℃に加熱すると1〜2時間で硬化する。
樹脂8は10℃以下の低温では硬化しない。50℃以上
の高温では硬化しても、熱ひずみにより木材が変形する
ので本発明では50℃以下で硬化させる。木の導管内よ
り発生する気泡は、超音波振動によりすばやく除去さ
れ、樹脂8は気泡がなく清明な状態で硬化する。
【0010】樹脂8が硬化した後被加工材5の表面を研
磨して、余分にはみ出している樹脂8を除去すると共
に、被加工材5の表面を平滑に仕上げる。前記実施例に
おいて、透孔部6を複数個所設け、それぞれに色の異な
る半透明の樹脂を注入することによりステンドグラスの
ように色彩のことなる模様が形成できる。裏板7は透明
不透明のいずれでも良いが、色付き透明板を利用するこ
とによりより高い装飾効果が得られる。
【0011】第2発明は、透孔部6の代りに溝部18を
形成し、これに裏板を使用せずに熱硬化性樹脂8を注入
したものである。前記実施例の板を厚くすることによ
り、透孔部6を溝部18にすることができる。この場合
に溝部18の底に金属粉末を入れてから熱硬化性樹脂8
を注入して封入すると、金属が反射し装飾効果の高いも
のになる。脱泡および樹脂の硬化の方法は前記第1発明
と同じである。
【0012】上記の各実施例では、超音波発生装置19
に直接被加工材5を載せたが、超音波発生装置19と被
加工材5の間に水を介在させて振動を伝達させるように
することも可能である。この構成にすると、超音波発生
装置19からの熱が水を温め、この熱で樹脂の硬化が促
進する。また水を温水にすることにより硬化温度の調節
ができる。
【0013】
【発明の効果】これを要するに本発明においては、超音
波発生装置からの超音波振動により脱泡するので、保持
固定させた樹脂に気泡が封入されず装飾効果の高い樹脂
入り木製品が製造できる。また、10℃〜50℃の温度
で熱硬化性樹脂を硬化させるので被加工材の反り、ひび
割れが防止でき、さらに保持固定された樹脂により被加
工材の強度が増す。これによりステンドグラスのような
色彩の豊かな装飾品も作成でき、装飾材としての利用範
囲が広がる。そして、被加工材はレーザ加工により穿孔
するので、微細で原稿に忠実な加工が施せ装飾価値が一
層向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被加工材に透孔部を作製する一実施例の工程図
である。
【図2】被加工材に透孔部を作製する別の実施例の工程
図である。
【図3】被加工材に裏板を固着した状態の斜視図であ
る。
【図4】透孔部に樹脂を注入している状態の斜視図であ
る。
【図5】気泡を除去している状態の斜視図である。
【図6】樹脂が硬化した後、被加工材表面を研磨した状
態の一実施例の斜視図である。
【図7】樹脂が硬化した後、被加工材表面を研磨した状
態の別の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
5 被加工材 6 透孔部 7 裏板 8 樹脂 18 溝部 19 超音波発生装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】明細書の全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 樹脂入り木製品の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木製の被加工材を装飾
模様に従って穿設し、この透孔部ないし溝部に透明また
は着色した樹脂を注入して、樹脂入りの木製品を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特公昭60−49440号公報に
記載されているように、金属製の被加工材を装飾模様に
従って薬液による腐食処理をし、これに透孔部を形成
し、この透孔部に透明または着色したプラスチックを圧
入して、プラスチックで模様を描いた金属製品を製造す
る方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これと同じ方
法で樹脂の象嵌を施した木製品を製造しようとしても、
薬液では木製品に正確な穿孔を形成できないので、複雑
な形状の透孔部を形成すること自体が困難である。もっ
とも木製品に正確な装飾模様を穿設する程度のことは従
来公知のレーザ加工技術を利用すれば可能である(例え
ば特公昭58−15232号公報)が、木製品の穿孔に
プラスチックを圧入するとなると、破損の虞れが大きく
複雑で繊細な模様の加工がほとんど不可能なため、木製
品に樹脂の象嵌を施した技術は未だ存在しないのが実情
である。本発明はこうした事情に鑑み、木材の持つ金属
にない暖い感じと樹脂が備える装飾性の高さの双方を利
用し、木材の中に樹脂を嵌入して装飾効果の高い樹脂象
嵌を施した木製品を製造することを目的にする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、レーザ加工により原稿のパターンと同一形
状の透孔部を被加工木材に穿設したのち、被加工木材の
裏面に裏板を重ね合せて透孔部の裏側を閉塞した状態で
表側より透孔部に熱硬化性樹脂を注入して、この樹脂を
硬化させる。
【0005】また、レーザ加工により原稿のパターンと
同一形状の溝部を被加工木材に穿設したのち、該溝部に
熱硬化性樹脂を注入してこの樹脂を硬化させる。
【0006】
【作用】本発明によれば、レーザ加工により作製した原
稿に忠実な透孔や溝部に液状の熱硬化性樹脂を注入する
ので、透孔や溝部の細部に樹脂が行き渡り、しかも被加
工木材は変形しないで済む。出来上がった樹脂入り木製
品は、木材と樹脂の色のコントラストが鮮やかであり、
光を通さない木材と光を通す樹脂との違いによりさらに
装飾価値が高まる。
【0007】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。なお
本発明により製造される模様は微細かつ複雑なものが可
能であるが、ここでは模様は簡単なものを例にして説明
する。レーザによる穿孔は、以下のようにする。図1
(A)において、1は白地に黒い四角形を描いた原稿
で、これを黒白反転させて等倍で印画紙(図示せず)に
焼付け、その印画紙をネガフィルムで撮影することによ
り、原稿どおりに四角形部分を黒く現像しその余は透明
の彫刻用フォトマスク2を作成する(図1(B))。次
に、表面にフォトレジスト皮膜を塗った薄い金属板(図
示せず)を用意し、この金属板に彫刻用フォトマスク2
を重ねて露光し、その透明部分を通過して感光した部分
のフォトレジスト皮膜を不溶性にすると共に、フォトマ
スク2の黒い四角形部分に相当する非感光部分のフォト
レジスト皮膜を現像液により溶解して除去する。そして
この金属板をエッチングして、前記の現像液により除去
した四角形部分を腐蝕させ、これにより原稿1と同じ四
角形の穿孔3を打抜いた彫刻用レーザマスク4を作成す
る(図1(C))。次に、この彫刻用レーザマスク4を
木製の被加工材5の表面に重ねてその上方よりマスク4
の全面にわたってレーザ光線を照射すると、木製の被加
工木材5の穿孔3より露出する箇所だけが蒸発(昇華)
して、穿孔3と同じ形の四角形をした透孔部6が被加工
木材5に穿設される(図1(D))。
【0008】レーザによる穿孔の別の実施例を説明す
る。図2において、9は原稿10を載置する読取り用X
Yテーブルであり、このXYテーブル9の上方に原稿を
読み取る原稿読取装置11の検出ヘッド(光電変換器)
12を配置する。原稿10は、例えば地色が白の紙を使
用し、その紙の上に後述のように加工すべき所望のパタ
ーン13を黒で描いたものである。14は被加工材5を
載置する加工用XYテーブルであり、このテーブルの上
方にレーザ発振器15の加工ヘッド16を配置する。前
記両XYテーブル9,14は、いずれもX方向およびY
方向にそれぞれ移動する機構(図示せず)を有し、しか
もこれらは互いに同期して移動するように構成する。穿
孔工程は、以下のように行う。原稿10を読取り用XY
テーブル9上に載せ、被加工木材5を加工用XYテーブ
ル14上に置く。そして、読取り用XYテーブル9がX
方向およびY方向に移動を開始すると、これに同期して
加工用XYテーブル14はX方向およびY方向に移動す
る。読取り用XYテーブル9の移動に伴って、原稿読取
装置11の検出ヘッド12が原稿10を順次走査して読
み取っていく。そして、検出ヘッド12が黒で描かれた
パターン13を読み取っているときにはレーザ発振器1
5の出力がオンになるように制御回路17が制御する。
従って、検出ヘッド12がパターン13を読み取ってい
るときにのみ加工ヘッド16からレーザビームが発射さ
れるので、このレーザビームにより被加工木材5には原
稿10に描かれているパターン13と同一パターンの透
孔部6が穿設される。
【0009】第1発明は、この様にして形成した被加工
木材5の裏面に、裏板7を重ね合せて透孔部6の裏側を
塞ぐ(図3)。この裏板7としては、ガラス板,塩化ビ
ニル板,アクリル板等の透明な薄板を用いる。そして、
透孔部6に熱硬化性樹脂8を透孔部6よりややあふれる
程度注入する(図4)。木製の被加工材5はその透孔部
6に注入した樹脂8が硬化する際、大幅に収縮すると、
反りやひび割れの原因になる。よって、注入する熱硬化
性樹脂8は、不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,
ウレタン樹脂などの収縮率の小さい樹脂を選ぶことが好
ましい。樹脂8の硬化は以下のようにする。図5に示す
ように、超音波発生装置19の上に被加工材5を載置
し、超音波発生装置を5〜20分作動する。超音波発生
装置19が被加工木材5を振動させ木材の導管より発生
した透孔部6内の気泡を除去する。前記樹脂は、一般に
0℃以下の低温でない限り硬化反応は進行するが、実用
的な硬化速度が得られ、かつ樹脂の硬化時の発熱や硬化
ひずみ等により木材の変形を起こさない温度範囲10〜
50℃で1〜5時間硬化させるのが好ましい。気泡は超
音波振動によりすばやく除去され、樹脂8は気泡による
白濁がなく清明な状態で硬化する。
【0010】樹脂8が硬化した後被加工材5の表面を研
磨して、余分にはみ出している樹脂8を除去すると共
に、被加工材5の表面を平滑に仕上げる。前記実施例に
おいて、透孔部6を複数個所設け、それぞれに色の異な
る半透明の樹脂を注入することによりステンドグラスの
ように色彩の異なる模様が形成できる。裏板7は透明不
透明のいずれでも良いが、色付き透明板を利用すること
によりより高い装飾効果が得られる。
【0011】第2発明は、透孔部6の代りに溝部18を
形成し、これに裏板を使用せずに熱硬化性樹脂8を注入
したものである。前記実施例よりも被加工木材の板厚を
厚くすることにより、レーザ光を貫通させず溝部18を
形成させることができる。この場合に溝部18の底に着
色した金属粉末等の着色剤を塗布してから熱硬化性樹脂
8を注入してこの着色剤を上から封止すると、底面の着
色剤が反射し装飾効果の高いものになる。気泡の除去や
樹脂の硬化の方法は前記第1発明と同じである。
【0012】上記の各実施例では、超音波発生装置19
に直接被加工木材5を載せたが、超音波発生装置19と
被加工木材5の間に水を介在させて振動を伝達させるよ
うにすることも可能である。この構成にすると、超音波
発生装置19からの熱が水を温め、この熱で樹脂の硬化
が促進する。また水を温水にすることにより硬化温度の
調節ができる。
【0013】
【発明の効果】レーザ加工により作製した原稿に忠実な
透孔部や溝部に液状の熱硬化性樹脂を注入するので、透
孔部や溝部の細部に樹脂が容易に行き渡り、木材に無理
な外力を加えることによるひび割れ等の破損も生ずるこ
となく、精密な樹脂象嵌の木製品が製造できるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被加工材に透孔部を作製する一実施例の工程図
である。
【図2】被加工材に透孔部を作製する別の実施例の工程
図である。
【図3】被加工材に裏板を固着した状態の斜視図であ
る。
【図4】透孔部に樹脂を注入している状態の斜視図であ
る。
【図5】気泡を除去している状態の斜視図である。
【図6】樹脂が硬化した後、被加工材表面を研磨した状
態の一実施例の斜視図である。
【図7】樹脂が硬化した後、被加工材表面を研磨した状
態の別の実施例の斜視図である。
【符号の説明】 5 被加工材 6 透孔部 7 裏板 8 樹脂 18 溝部 19 超音波発生装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ加工により原稿のパターンと同一形
    状の透孔部を被加工材に穿設したのち、被加工材の裏面
    に裏板を重ね合せ、 該透孔部に熱硬化性樹脂を注入し、 次に超音波振動により透孔部内に発生する気泡を除去
    後、10℃〜50℃の温度で前記樹脂を硬化させ、その
    後、被加工材表面を研磨して成る樹脂入り木製品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】レーザ加工により原稿のパターンと同一形
    状の溝部を被加工材に穿設したのち、該溝部に熱硬化性
    樹脂を注入し、 次に超音波振動により溝部内から発生する気泡を除去
    後、10℃〜50℃の温度で前記樹脂を硬化させた、そ
    の後、被加工材表面を研磨して成る樹脂入り木製品の製
    造方法。
JP17740692A 1992-06-11 1992-06-11 樹脂入り木製品の製造方法 Pending JPH05338400A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17740692A JPH05338400A (ja) 1992-06-11 1992-06-11 樹脂入り木製品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17740692A JPH05338400A (ja) 1992-06-11 1992-06-11 樹脂入り木製品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05338400A true JPH05338400A (ja) 1993-12-21

Family

ID=16030380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17740692A Pending JPH05338400A (ja) 1992-06-11 1992-06-11 樹脂入り木製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05338400A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5976204A (ja) * 1982-09-09 1984-05-01 ジヨン・エス・キヤリリ 装飾板およびその製造方法
JPS6225099A (ja) * 1985-07-25 1987-02-03 高遠製函株式会社 象嵌品の製法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5976204A (ja) * 1982-09-09 1984-05-01 ジヨン・エス・キヤリリ 装飾板およびその製造方法
JPS6225099A (ja) * 1985-07-25 1987-02-03 高遠製函株式会社 象嵌品の製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1255071A (zh) 制造蚀刻高尔夫球棒零件的方法
JPH05338400A (ja) 樹脂入り木製品の製造方法
US5594989A (en) Process for making jewelry utilizing a hard photopolymer
US5896663A (en) Process for making jewelry utilizing a soft photopolymer
JPH079798A (ja) 樹脂入り木製品の製造方法
JPH02132881A (ja) 回路基板の製造方法
JPH11147399A (ja) 木目エンボス化粧材
JPH10278500A (ja) 装飾板及びその製造方法
JPH02117195A (ja) 回路基板の半田レジスト層形成方法
KR950013742A (ko) 장식문양 자개판과 이의 제조방법
JPS5848055A (ja) 彫刻機用原版の製造方法
JPH04261831A (ja) 光学的立体造形方法
JPH10235009A (ja) ジグゾーパズルとシート部材及びこれらの製造方法
JP2000059005A (ja) 配線パターン形成方法
JPS62208909A (ja) 三次元形状伝送成形方法
JPH01171807A (ja) 塑性物表面への画像形成方法
JPH03279000A (ja) 象嵌品の製造方法
JPH0436000A (ja) 象嵌品の製造方法
KR20040009559A (ko) 금속사진 제작방법 및 그 방법에 의하여 제작된 금속사진
JPH03295700A (ja) べっ甲に似せた装飾品の製造方法
JPS63139304A (ja) 高分子光導波路の製造方法
JPS61137744A (ja) レリ−フ作成用母型の作成法
JPH0455784B2 (ja)
JPS6235479B2 (ja)
JPH01299100A (ja) 文字、模様を突出表現したプレート

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19960618