JPH05337967A - ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法

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JPH05337967A
JPH05337967A JP17933492A JP17933492A JPH05337967A JP H05337967 A JPH05337967 A JP H05337967A JP 17933492 A JP17933492 A JP 17933492A JP 17933492 A JP17933492 A JP 17933492A JP H05337967 A JPH05337967 A JP H05337967A
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聡 藤田
Akira Kubotsu
彰 窪津
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    • C08J2329/04Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 品質の優れたポリビニルアルコール系重合体
フィルムの製造方法を提供する。 【構成】 ポリビニルアルコール系重合体の水溶液を溶
液流延法によって製膜する製造方法において、キャステ
ィング用基材13から剥離する時のフィルムFの含水率
を10重量%未満に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば偏光膜や位
相差膜として用いられる光学部品などに適したポリビニ
ルアルコール系重合体フィルムの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール(以下、「PV
A」という。)系重合体フィルムは、一般に、キャステ
ィング法(溶液流延法)により製造される(たとえば、
特公昭51−23981号公報参照)。この製造方法
は、PVA系重合体のチップを溶解して原液を得、この
原液をスリット状の開口から回転するドラムのようなキ
ャスティング用基材外周に流し出して流延させた後、乾
燥させてフィルムを得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、フィルムが十分に乾燥していないうちに、フィル
ムをドラムから剥がしており、そのため、以下のような
問題点が生じていた。 1)乾燥が不十分な場合には、幅の広い膜をロールから
均一に剥離することができないので、剥離時のむらによ
り、厚薄むら(厚さのむら)を生じる。 2)乾燥が不十分な場合には、キャスティング用基材か
らフィルムを剥離する時の張力を大きくする必要があ
り、張力を大きくした場合には、剥離むらが生じ、その
結果、部分的に分子配向が異なった状態を生じる。この
分子配向むらは複屈折率によって測定される。すなわ
ち、キャスティング用基材からフィルムを剥離する時の
張力を大きくした場合には、剥離むらが生じ、図4の破
線で示すように、フィルムの幅方向の両端部において複
屈折率が高くなる傾向がある。このような分子配向むら
を有するフィルムを用いて偏光膜や位相差板を製造した
場合には、偏光むらや位相差むらが生じ、光学用途には
適さない。 3)キャスティング用基材からフィルムを剥離する時の
張力を大きくした場合には、フィルムの長さ方向に大き
な分子配向が生じ、その結果、得られたフィルムを長さ
方向に延伸する場合の最大延伸倍率が低下する。このよ
うなフィルムを偏光膜に加工した場合には、延伸性が低
いために、高性能の偏光膜を得るのが難しい。この発明
は上記従来の問題に鑑みてなされたもので、品質の優れ
たPVA系重合体フィルムの製造方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、鋭意検討した結果、PVA系重合体水溶液からなる
原液をキャスティング用基材上に流延し、乾燥して得ら
れたフィルムを上記キャスティング用基材から剥離する
PVA系重合体フィルムの製造方法において、上記キャ
スティング用基材からフィルムを剥離する時のフィルム
の含水率を10重量%未満に設定することを特徴とする
PVA系重合体フィルムの製造方法を見出し、本発明を
完成させるに到った。
【0005】
【作用】この発明によれば、キャスティング用基材から
フィルムを剥離する時のフィルムの含水率を10重量%
未満まで乾燥させているので、以下のような利点が得ら
れる。 1)厚薄むらを軽減できる。 2)フィルムの分子配向およびそのむらを軽減できる。 3)フィルムを長さ方向に延伸する場合の最大延伸倍率
(以下、「延伸性」と略記することがある。)が向上す
る。
【0006】この発明において、キャスティング用基材
からフィルムを剥離する時のフィルムの含水率は、10
重量%未満であれば特に制限はないが、3重量%以上1
0重量%未満が好ましく、5重量%以上10重量%未満
がより好ましい。剥離時のフィルムの含水率が3重量%
未満の場合には、フィルムのカールが増し、その後の製
造工程における取扱が難しくなる場合がある。
【0007】この発明の製造方法において、キャスティ
ング用基材としては、以下に説明するベルト型製膜機ま
たはドラム型製膜機などを用いることができる。図1は
ベルト型製膜機11を示す。ベルト型製膜機11には、
ダイ10を有している。ダイ10には、PVA系重合体
水溶液からなる原液Lが供給される。ダイ10は、図3
の正面図に示すように、幅方向Dに長いスリット状の開
口10aを有しており、この開口10aから原液を幅方
向Dに均一な厚みでキャスティング用基材としてのベル
ト13上に流し出すものである。
【0008】図1のベルト型製膜機11は、一対のロー
ラ12,12間に架け渡されて走行する無端状の上記ベ
ルト13を有し、上記ダイ10から流れ出た原液をベル
ト13上に流延させるとともに乾燥させるものである。
上記ベルト13は、たとえばステンレススチールからな
り、その外周表面は鏡面仕上げがなされている。このベ
ルト13の外周および内周には、それぞれ、ベルト13
の進行方向に空間を仕切る仕切壁14が設けられてい
る。上記ベルト13の外周面および内周面には、図示し
ない温風機から80℃〜170℃の熱風Hが吹き付けら
れて、原液の乾燥を促進している。また、剥離の際のフ
ィルム強度を上げる目的で、最も下流のゾーン14Aに
おいては、フィルムFを常温の風Cにより冷却してもよ
い。
【0009】右側のローラ12の付近には、剥がしロー
ラ15が設けられており、所定含水率まで乾燥したフィ
ルムFが、剥がしローラ15によりベルト13から剥が
される。
【0010】つぎに、このベルト型製膜機11を用いた
場合の製造方法について説明する。PVA系重合体水溶
液からなる原液は、ダイ10に送られ、図3のように、
ダイ10のスリット状の開口10aから、ベルト13上
に流出する。ベルト13上に流れ出た原液は、図1のベ
ルト13が矢印A方向に走行することにより流延され、
ベルト13上において、熱風Hにより乾燥が促進され
る。ここで、ベルト13は、後述のドラムと異なり、長
くすることができるので、乾燥時間を長くとって、ベル
ト13上で十分にフィルムFを乾燥させることができる
から、フィルムFの含水率を容易に10重量%未満まで
小さくして、フィルムFをベルト13から容易に剥がす
ことができる。そのため、図4の実線で示すように、複
屈折率が均一でかつ低くなる。しかも、複屈折率が幅方
向に均一で、かつ低いフィルムFが得られるので、フィ
ルムの延伸性が向上する。
【0011】また、図1のベルト型製膜機11はそのベ
ルト13を長くすることに特に制約はないから、ベルト
13を長くとることによって、乾燥時間を長くできる。
したがって、フィルムFを十分乾燥させながら、ベルト
速度を速くして、ラインの生産能力を上げることができ
る。ベルト13の走行速度は、5〜50m/分程度の範
囲で適宣選択される。また、ベルト13上での滞留時間
は、1〜10分程度の範囲で適宣選択される。
【0012】また、このベルト型製膜機11のように、
ベルト13の走行方向に仕切壁14を設けて、熱風Hを
ベルト13に当てた場合は、各仕切壁14間において熱
風Hの温度を変えることができる。そのため、フィルム
Fの乾燥状態(乾燥段階)に応じた最適な温度を選択す
ることができる。これにより、更にフィルムの延伸性を
向上させることができる。
【0013】また、この発明方法の製膜機としては、図
2のドラム型製膜機11Aを用いてもよい。図2におい
て、ドラム型製膜機11Aは、ダイ10から原液が流延
されるキャスティング用基材としてのキャストロール2
0を備えており、キャストロール20から乾燥ロール2
1を介して、フィルムFが乾燥される。なお、この場
合、キャストロール20は、製造や運搬上の制約から、
直径4m程度以上のものは得られないので、乾燥時間を
長くして、キャストロール20の周速度を遅くする必要
がある。
【0014】また、原液の溶解には、公知の耐圧溶解タ
ンク内で溶解してもよく、あるいは、多軸押出機で溶解
してもよい。
【0015】PVA系重合体の可塑剤としては、グリセ
リン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール系
可塑剤およびこれらの混合物が挙げられ、これらの多価
アルコール系可塑剤のなかでもグリセリンが好ましい。
可塑剤を添加しても、添加しなくても良いが、可塑剤を
添加する場合には、PVA系重合体100重量部に対し
て2〜20重量部程度添加する。
【0016】この発明において用いられるPVA系重合
体の重合度には、特に制限はないが、1,000 以上が好ま
しく、1,000 〜20,000がより好ましく、1,500 〜10,000
がさらにより好ましい。PVA系重合体のけん化度は、
特に制限はないが、80モル%以上が好ましく、90モ
ル%以上がより好ましく、95モル%以上が更により好
ましい。
【0017】この発明のPVA系重合体は、ビニルエス
テル系モノマーの重合体をけん化することにより得られ
る。ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、
カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、2,2,4,4−テトラメチルバレリアン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサテ
ィック酸ビニルなどが挙げられる。これらのなかでも酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バ
ーサティック酸ビニルが単独もしくは混合物として好ま
しく使用される。
【0018】また、上記のビニルエステル系モノマーと
共重合可能なモノマーを共重合することも差し支えな
く、これらの共重合可能なモノマーとしては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフ
ィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル
酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデ
シルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸および
その塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メ
タクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ドデジル、メタクリル酸オクタデシル
などのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−
メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその
塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドお
よびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリ
ルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメ
タクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸
およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタ
クリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド
誘導体;メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエ
ーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビ
ニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビ
ニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン
などのハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリルな
どのアリル化合物;マレイン酸およびその塩またはその
エステル;イタコン酸およびその塩またはそのエステ
ル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合
物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。これらの共
重合可能なモノマーの含有量としては、10モル%以下
が好ましく、5モル%以下がより好ましい。また、この
発明により得られるPVA系重合体フィルムの膜厚とし
ては20〜100μmが好ましい。
【0019】
【実施例】以下の実施例において本発明をより具体的に
説明する。なお、以下の実施例および比較例におけるフ
ィルムの物性は、以下の方法により測定した。
【0020】含水率:赤外線真空乾燥機(サトウ真空
(株)製)を用いて、フィルム2gを50℃, 2Torrで2
時間乾燥し、下記の式により算出した。 含水率= 100×(乾燥前の重量−乾燥後の重量)/乾燥
前の重量 本測定方法は、フィルムに含まれるグリセリン等の可塑
剤が蒸発しない条件である。
【0021】平均厚さおよび厚さむら:フィルムの幅方
向に等間隔で全幅5点およびフィルムの長さ方向に1m
の等間隔で5点の合計10点のサンプリングを行い、接
触式フィルム厚み連続式測定器(安立電気(株)製)を
使用して、直径3mmのダイヤモンド球の検出端に、30
g の測定荷重を加え、 1.5m/ minの引取り速度で、フ
ィルムの厚さを測定した。つぎに、10点のサンプルの測
定値から、平均値を計算して平均厚さとし、10点のサン
プルの測定値の最大値と最小値の差を求めて厚さむらと
した。
【0022】平均複屈折率および複屈折率むら:フィル
ムの長さ方向に5cmピッチで20点のサンプリングを行
い、リタデーション測定器(神崎製紙(株)製のKOB
RA−21(商品名))を使用して、リタデーションを
測定するとともに、同一の場所についてマイクロメータ
を用いてフィルムの厚さを測定した。つぎに、リタデー
ションの測定値をフィルム厚さの測定値で割ることによ
り、複屈折率を計算した。20点のサンプルについて複屈
折率を求めて、その平均値を平均複屈折率とし、20点の
サンプルの複屈折率の最大値と最小値の差を求めて、複
屈折率むらとした。
【0023】最大延伸倍率:35℃のホウ酸4重量%水中
で、15cm幅のPVAフィルムサンプルを用いて、延伸
速度0.26m/min で延伸した時の延伸可能な最大延伸倍
率を示した。
【0024】偏光むら:実施例および比較例により得ら
れたPVAフィルムを用いて、以下の方法により偏光膜
を製造した。すなわち、染色浴の染料濃度はヨウ素/ヨ
ウ化カリウムの重量比を1/10に固定し、単体透過率
が43%になるように、ヨウ素濃度を1〜20g/リットル
の範囲内で適宣選択した。ホウ酸浴のホウ酸濃度は4重
量%とし、延伸浴にもホウ酸を4重量%濃度になるよう
に添加し、表1に示す最大延伸倍率まで延伸した。乾燥
は50℃の熱風で行った。得られた偏光膜の偏光むらを
目視観察した。
【0025】実施例1 PVA(重合度1750, けん化度99.9モル%)100重量部と
グリセリン12重量部、さらに溶媒として水を加え、含水
率60%wb(ウエットベースにおける重量%、以下同
じ)の均質な原液をダイ10へ定量供給し、ベルト型製
膜機11にて、厚さ75μm,幅1mのフィルムを製造
し、熱処理機で熱処理を施した。以下に、主な製造条件
を示す。 ダイ :T型スリットダイ ダイ温度 100 ℃ 製膜機 :ステンレス製ベルト 長さ 20 m ベルト速度 10 m/分 乾燥条件 乾燥初期温度 100 ℃ 乾燥後期温度 150 ℃ 乾燥時間 120 秒 フィルム剥離時の含水率 9.0 wt% 熱処理機:熱風式 熱風温度 160 ℃ 処理時間 15 秒 出口フィルムの含水率 1.5 wt% 調湿後のフィルムの含水率 6.0 wt% こうして得られたフィルムの物性を表1に示す。このフ
ィルムは、厚さむら、平均複屈折率および複屈折率むら
が小さく、延伸性が良好であった。
【0026】実施例2 実施例1と同じ原液をダイ10へ定量供給し、ベルト型
製膜機11にて乾燥時間を実施例1より長くし、フィル
ム剥離時の含水率をさらに低下させて剥離することによ
り、厚さ75μm,幅1mのフィルムを製造し、熱処理機
で熱処理を施した。以下に、主な製造条件を示す。 ダイ :実施例1に同じ 製膜機 :実施例1に同じ ベルト速度 7 m/分 乾燥条件 乾燥初期温度 100 ℃ 乾燥後期温度 150 ℃ 乾燥時間 170 秒 フィルム剥離時の含水率 5.0 wt% 熱処理機:実施例1に同じ 熱風温度 150 ℃ 処理時間 21 秒 出口フィルムの含水率 0.8 wt% 調湿後のフィルムの含水率 5.4 wt% こうして得られたフィルムの物性を表1に示す。このフ
ィルムは、厚さむら、平均複屈折率および複屈折率むら
が実施例1よりも更に良好であり、延伸性も良好であっ
た。
【0027】実施例3 実施例1と同じ原液をダイ10へ定量供給し、ドラム型
製膜機20にて厚さ75μm,幅1mのフィルムを製造し
た。乾燥ロールは使用しなかった。以下に、主な製造条
件を示す。 ダイ :実施例1に同じ ドラム型製膜機:キャストロール 直径 2 m 回転速度 2 m/分 ロール温度 90 ℃ 乾燥時間 155 秒 フィルム剥離時の含水率 8.0 wt% 熱処理機:熱風式 熱風温度 160 ℃ 処理時間 15 秒 出口フィルムの含水率 1.8 wt% 調湿後のフィルムの含水率 6.5 wt% こうして得られたフィルムの物性を表1に示す。このフ
ィルムは、厚さむら、平均複屈折率および複屈折率むら
が小さく、延伸性も良好であった。
【0028】比較例1 実施例1と同じ原液をダイ10へ定量供給し、ベルト型
製膜機11にて厚さ75μm,幅1mのフィルムを製造
し、熱処理機で熱処理を施した。以下に、主な製造条件
を示す。 ダイ :実施例1に同じ 製膜機 :実施例1に同じ ベルト速度 16 m/分 乾燥条件 乾燥初期温度 100 ℃ 乾燥後期温度 150 ℃ 乾燥時間 70 秒 フィルム剥離時の含水率 20 wt% 熱処理機:熱風式 熱風温度 165 ℃ 処理時間 9 秒 出口フィルムの含水率 5.2 wt% 調湿後のフィルムの含水率 6.5 wt% こうして得られたフィルムの物性を表1に示す。このフ
ィルムは、厚さむら、平均複屈折率および複屈折率むら
が大きく、延伸性についても実施例に比べ低い。
【0029】比較例2 実施例1と同じ原液をダイ10へ定量供給し、ベルト型
製膜機11にて厚さ75μm,幅1mのフィルムを製造
し、熱処理機で熱処理を施した。以下に、主な製造条件
を示す。 ダイ :実施例1に同じ 製膜機 :実施例1に同じ ベルト速度 14 m/分 乾燥条件 乾燥初期温度 100 ℃ 乾燥後期温度 150 ℃ 乾燥時間 86 秒 フィルム剥離時の含水率 15 wt% 熱処理機:熱風式 熱風温度 160 ℃ 処理時間 11 秒 出口フィルムの含水率 3.0 wt% 調湿後のフィルムの含水率 6.0 wt% こうして得られたフィルムの物性を表1に示す。このフ
ィルムは厚さむら、平均複屈折率および複屈折率むらが
大きく、延伸性についても実施例に比べ低い。
【0030】比較例3 実施例1と同じ原液をダイ10へ定量供給し、ドラム型
製膜機20にて厚さ75μm,幅1mのフィルムを製造し
た。以下に、主な製造条件を示す。 ダイ :実施例1に同じ ドラム型製膜機:キャストロール 実施例3に同じ 回転速度 5 m/分 ロール温度 90 ℃ 乾燥時間 62 秒 フィルム剥離時の含水率 25 wt% 乾燥ロール ロール温度 70 ℃〜110 ℃ 乾燥時間 100 秒 熱処理機:熱風式 熱風温度 160 ℃ 処理時間 15 秒 出口フィルムの含水率 1.5 wt% 調湿後のフィルムの含水率 6.3 wt% こうして得られたフィルムの物性を表1に示す。このフ
ィルムは厚さむら、平均複屈折率および複屈折率むらが
大きく、延伸性についても実施例に比べ低い。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、キャスティング用基材からフィルムを剥離する時の
フィルムの含水率を10重量%未満まで乾燥させている
から、フィルムの品質(厚薄むら、分子配向およびその
むらならびに延伸性)が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法に用いることができる製膜
機の一例を示す概略構成図である。
【図2】同製膜機の他の例を示す概略構成図である。
【図3】ダイの正面図である。
【図4】フィルムの幅方向における複屈折率の変化を示
す特性図である。
【符号の説明】
13,20…キャスティング用基材、F…フィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 介彦 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系重合体水溶液か
    らなる原液をキャスティング用基材上に流延し、乾燥し
    て得られたフィルムを上記キャスティング用基材から剥
    離するポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方
    法において、 上記キャスティング用基材からフィルムを剥離する時の
    フィルムの含水率を10重量%未満に設定することを特徴
    とするポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方
    法。
JP17933492A 1992-06-11 1992-06-11 ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法 Expired - Lifetime JP3632929B2 (ja)

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