JP2001315142A - ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造法 - Google Patents
ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造法Info
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Abstract
度や透過度などの光学特性の均一性の高いポリビニルア
ルコール系重合体フィルムの製造法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールを含有する製膜原
料2を用いてドラム製膜する際の乾燥工程において、第
1ドラム3から剥離したPVAフィルム6を浮遊させて
乾燥する。
Description
造原料として有用な、大面積における偏光特性の均一性
が優れたポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造
法に関する。
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、初期の頃の電卓および腕時計な
どの小型機器から、ラップトップパソコン、ワープロ、
液晶カラープロジェクター、車載用ナビゲーションシス
テム、液晶テレビなどの広範囲に広がり、大画面で使用
されるようになってきたことから、従来品以上に大面積
における偏光性能の均一性が優れた偏光板が求められて
いる。
重合体フィルム(以下、ポリビニルアルコール系重合体
を「PVA」、ポリビニルアルコール系重合体フィルム
を「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延
伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、ホ
ウ素化合物で固定処理を行った(染色と固定処理が同時
の場合もある)偏光フィルムに、三酢酸セルロース(T
AC)フィルムや酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィ
ルムなどの保護膜を貼り合わせた構成となっている。
均一性のためには、PVAフィルムを均一に延伸するこ
と、ムラなく貼り合わせることなど多くの注意点があ
る。PVAフィルムの熱履歴が均一でない場合には、精
密延伸を行っても大面積において均一な偏光性能が得ら
れない。従来、PVAフィルムの熱履歴の均一性を高め
るために、PVAの希薄溶液で流延製膜することが行わ
れているが、熱履歴の均一性が充分ではなく、液晶表示
画面の大型化に伴う大面積の偏光フィルムとしては、偏
光性能の均一性が不充分であった。
が優れて偏光性能の均一性が高く、液晶表示画面の大型
化に対応可能な偏光フィルム膜用途等に有用であるPV
Aフィルムが得られる製造法を提供することにある。
解決するために鋭意研究した結果、PVAを含有する製
膜原料を用いてドラム製膜する工程において、第1ドラ
ムから剥離したフィルムを浮遊させて乾燥することが、
熱履歴の均一性に優れたPVAフィルムを製造する方法
として有用であることを見出し、本発明を完成するに至
った。
る製膜原料を用いてドラム製膜する工程において、第1
ドラムから剥離したフィルムを浮遊させて乾燥する。こ
の発明によれば、得られたPVAフィルムは熱履歴の均
一性が向上し、このPVAフィルムで製造した偏光フィ
ルムは偏光性能の均一性が向上する。
製膜機とは、通常、1個以上の回転する金属の乾燥ドラ
ムと乾燥装置や調湿装置および巻き取り装置などから構
成される。また、それぞれの装置駆動にはモータや変速
機などが使用されて速度調整される。乾燥温度は50℃
〜150℃が一般的である。
において、第1ドラムから剥離したフィルムを浮遊させ
て乾燥する点に特徴があるが、PVAフィルムを浮遊さ
せて乾燥させる方法に特に限定はなく、通常、ドラム、
ピンバンド等の支持体をつけたドラム、テンター、フロ
ーティング乾燥機などが用いられる。
ラム周囲の風の状態等をコントロールすることにより、
PVAフィルムの浮遊状態を制御することができるが、
各種浮遊状態のなかでも、第1ドラムから剥離したPV
Aフィルムを全幅浮遊させたり、端部の少なくとも1方
を乾燥ドラムと接触させて中央部を浮遊させたり、ある
いはこれらの両方を組み合わせた状態でPVAフィルム
を浮遊させて乾燥することが好ましい。PVAフィルム
を浮遊させて乾燥することにより、PVAフィルムの熱
履歴は均一となり、偏光フィルム用の原料として有用な
PVAフィルムが得られる。ドラムの組み合わせを用い
て第1ドラムから剥離したPVAフィルムを浮遊させる
には、隣接するドラム表面間距離を30cm以下に調整
することが好ましく、10cm以下がより好ましく、5
cm以下がさらに好ましく、3cm以下が特に好まし
い。ドラム表面間距離は狭いほどドラムの回転による随
伴流等により、PVAフィルムが安定して浮遊すること
から、狭いほど好ましい。また、第2ドラム以降のドラ
ムの直径が大きいと乾燥長が長くなるため、フィルムの
自重、随伴流の乱れ等により、安定した浮遊状態が保て
なかったり、また、乾燥による収縮シワ等が発生するこ
とから、第2ドラム以降のドラムの直径は2m以下が好
ましく、1.5m以下がより好ましい。一方、ドラムの
直径が小さすぎると安定した浮遊状態が保てないので、
20cm以上が好ましい。
は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られたビニ
ルエステル系重合体をけん化し、ビニルエステル単位を
ビニルアルコール単位としたものを用いることができ
る。前記のビニルエステル系モノマーとしては、例え
ば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ
レリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティッ
ク酸ビニルなどを挙げることができ、これらのなかでも
酢酸ビニルを用いるのが好ましい。
際に、必要に応じて、共重合可能なモノマーを、本発明
の効果を損なわない範囲内(好ましくは15モル%以
下、より好ましくは5モル%以下の割合)で共重合させ
ることもできる。
重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテンなどの炭素数3〜30
のオレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
2−エチルへキシル、アクリル酸ドデシルアクリル酸オ
クタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸
およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およ
びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘
導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルア
ミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導
体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテ
ル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニル
エーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニル
エーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの
ハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリルなどのア
リル化合物;マレイン酸およびその塩またはそのエステ
ル;イタコン酸およびその塩またはそのエステル;ビニ
ルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸
イソプロペニル;N−ビニルホルムアミド、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル
アミド類などを挙げることができる。
合度は、フィルムの強度の点から500以上が好まし
く、偏光性能の点から1000以上がより好ましく、2
000以上がさらに好ましく、3500以上が特に好ま
しい。一方、PVAの重合度の上限は、フィルムの製膜
性の点から10000以下が好ましい。なお、PVAの
重合度(P)はJIS K 6726に準じて測定され
る。すなわちPVAを再けん化し、精製した後、30℃
の水中で測定した極限粘度[η](単位:dL/g、L
はリットル)から次式により求められる。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62)
度は、偏光フィルムの耐久性の点から90モル%以上が
好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モル%
以上がさらに好ましい。一方、フィルムの染色性の点か
ら99.99モル%以下が好ましい。
ニルアルコール単位に変換されうる単位の中で、実際に
ビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を
示したものである。なお、PVAのけん化度は、JIS
記載の方法により測定を行った。
して多価アルコールを添加することが好ましい。多価ア
ルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、
これらのうち1種または2種以上を使用することができ
る。これらの中でも延伸性向上効果から、エチレングリ
コールまたはグリセリンが好適に使用される。
100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜
25重量部がさらに好ましく、5〜20重量部が特に好
ましい。1重量部より少ないと染色性や延伸性が低下す
る場合があり、30重量部より多いとフィルムが柔軟に
なりすぎて取り扱い性が低下する場合がある。
剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種類として
は特に限定はないが、アニオン性またはノニオン性の界
面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、
例えば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、オク
チルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシルベン
ゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性界面
活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤としては、
例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのア
ルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル型、ポリオ
キシエチレンラウレートなどのアルキルエステル型、ポ
リオキシエチレンラウリルアミノエーテルなどのアルキ
ルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドなど
のアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンエーテルなどのポリプロピレングリコールエー
テル型、オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノ
ールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエ
ーテルなどのアリルフェニルエーテル型などのノニオン
性界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤の1種
または2種以上の組み合わせで使用することができる。
0重量部に対して0.01〜1重量部が好ましく、0.
02〜0.5重量部がさらに好ましく、0.05〜0.
3重量部が特に好ましい。0.01重量部より少ないと
延伸性向上や染色性向上の効果が現れにくく、1重量部
より多いとフィルム表面に溶出し、ブロッキングの原因
になり取り扱い性が低下する場合がある。
製造する方法としては、例えば、PVAを溶媒に溶解し
たPVA溶液を使用して、PVA溶液を回転する第1ド
ラム表面に流延するキャスト製膜法や、PVA溶融物を
回転する第1ドラム表面に押し出す溶融押出製膜法等を
挙げることができる。
PVAを含有する製膜原料の揮発分率は、50〜90重
量%が好ましく、55〜80重量%がさらに好ましい。
揮発分率が50重量%より小さいと粘度が高くなるため
製膜が困難となる場合がある。揮発分率が90重量%よ
り大きいと粘度が低くフィルムの厚み均一性が損なわれ
易くなる。
0μmが好ましく、40〜120μmがより好ましい。
ィルムを製造するには、例えば、PVAフィルムを染
色、一軸延伸、固定処理、および乾燥処理、さらに必要
に応じて熱処理を行えばよい。各工程の順序は特に限定
はなく、また染色と一軸延伸などの二つの工程を同時に
実施してもよく、また、各工程を複数回繰り返しても良
い。
時、一軸延伸後のいずれでも可能であるが、PVAは、
一軸延伸により結晶化度が上がりやすく染色性が低下す
ることがあるため、一軸延伸に先立つ任意の工程または
一軸延伸工程中において染色するのが好ましい。染色に
用いる染料としては、ヨウ素−ヨウ化カリウムまたはDi
rect black 17 、19、154 ;Direct brown 44 、106 、
195 、210 、223 ;Direct red 2、23、28、31、37、3
9、79、81、240 、242 、247 ;Direct blue 1、15、2
2、78、90、98、151 、168 、202 、236 、249 、270
;Direct violet9 、12、51、98;Direct green 1、8
5;Direct yellow 8 、12、44、86、87;Direct orange
26、39、106 、107 などの二色性染料などが使用でき
る。染色は、通常PVAフィルムを上記染料を含有する
溶液中に浸漬させることにより行うことができるが、そ
の処理条件や処理方法は特に制限されるものではない。
伸法が使用でき、温水中(前記染料を含有する溶液や後
記固定処理浴中でもよい)または吸水後のPVAフィル
ムを用いて空気中で行うことができる。延伸倍率は4倍
以上が好ましく、5倍以上が特に好ましい。延伸倍率が
4倍より小さいと、実用的に十分な偏光性能や耐久性能
が得られにくい。延伸温度は、特に限定されないが、P
VAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は3
0〜90℃が、また乾熱延伸する場合は50〜180℃
が好適である。延伸後のPVAフィルムの厚みは、3〜
75μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
にすることを目的に、固定処理を行うことが多い。固定
処理に使用する処理浴には、通常ホウ酸および/または
ホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理浴
中にヨウ素化合物を添加してもよい。
は、30〜150℃で行うのが好ましく、50〜150
℃で行うのがより好ましい。
は、通常、その両面あるいは片面に、光学的に透明で、
かつ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板と
して使用される。保護膜としては、通常、セルロースア
セテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステ
ル系フィルムなどが使用される。
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評
価した。
能を評価する指数として二色性比を使用した。この二色
性比は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−2
01−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光
源、2度視野にて測定、計算して得た透過率Ts(%)
と偏光度P(%)を使用して下記の式から求めた。 二色性比=log(Ts/100−Ts/100×P/
100)/log(Ts/100+Ts/100×P/
100)
んでいても良い)を加熱したドラムに吐出し乾燥するド
ラム型製膜機を示している。この製膜機は、T形スリッ
トダイ1から製膜原料2を、回転するキャスト用の第1
ドラム3上に吐出し、この円周面7に接触させてドラム
乾燥させ、剥がしたPVAフィルム6を複数の乾燥ドラ
ム41〜4nで構成された乾燥装置の乾燥ドラム41〜
4nの外周面を浮遊させた状態で順次走行させて乾燥さ
せ、乾燥したPVAフィルム6を剥離ローラ5を経て図
示しない熱処理機や調湿機および検査機などを通過させ
てワインダに巻き取り、PVAフィルム6を得ている。
%、重合度4000のPVA100重量部とグリセリン
10重量部とラウリン酸ジエタノールアミド0.1重量
部と水からなる揮発分率80重量%の製膜原料を、図1
に示す表面温度90℃の第1ドラム3の表面7に吐出
し、製膜した。ドラム乾燥機4を構成している乾燥ドラ
ム41〜4nの直径Dはそれぞれ70cmであり、第1
ドラム3と乾燥ドラム41の表面間の距離W1、各乾燥
ドラム41〜4nの表面間の距離W2は、2cmであっ
た。さらに第1ドラム3の表面7の製膜原料を90℃の
熱風で乾燥し、平均厚さ75μmのPVAフィルム6を
得た。PVAフィルム6は、乾燥ドラム41以降の各乾
燥ドラム42〜4nの表面8と両端部で密着し、中央部
は浮遊していた。
色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して
偏光フィルムを作成した。すなわち、PVAフィルム6
を30℃の水中に3分間浸漬して予備膨潤し、ヨウ素濃
度0.4g/L、ヨウ化カリウム濃度40g/Lの40
℃の水溶液中に4分間浸漬した。続いて、ホウ酸4%の
50℃の水溶液中で5.5倍に一軸延伸を行い、ヨウ化
カリウム40g/L、ホウ酸40g/Lの30℃の水溶
液中に5分間浸漬して固定処理を行った。このPVAフ
ィルム6を取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さ
らに100℃で5分間熱処理を行った。
10cm四方の平均透過率は43.1%、平均偏光度は
99.8%、平均二色性比は47.2であった。この1
0cm四方の偏光フィルムの透過率を、大塚電子(株式
会社)製のRETS−2000を用いて1cm間隔で1
00μm径の光源を用いて測定したところ、最大透過率
と最小透過率の差は0.7%であった。クロスニコル状
態の2枚の偏光板の間に、得られた偏光フィルムを45
°の角度に置き、透過光を目視で観察すると光学ムラは
ほとんど認められなかった。
ル%、重合度2400のPVA100重量部とグリセリ
ン12重量部とポリオキシエチレンラウリルエーテル
0.1重量部と水からなる揮発分率74重量%の製膜原
料を表面温度85℃の第1ドラム3の表面7に吐出し、
製膜した。ドラム乾燥機4を構成している乾燥ドラム4
1〜4nの直径Dは60cmであり、第1ドラム3と乾
燥ドラム41の表面間の距離W1、各乾燥ドラム41〜
4nの表面間の距離W2は、1cmであった。さらに第
1ドラム3の表面7の製膜原料を85℃の熱風で乾燥
し、厚さ75μmのPVAフィルム6を得た。PVAフ
ィルム6は、乾燥ドラム41以降の各乾燥ドラム42〜
4nの表面8と両端部で密着し、中央部は浮遊してい
た。
同様に、予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、
熱処理の順に処理して偏光フィルムを作成した。前記実
施例1の処理との相違点は、一軸延伸における延伸倍率
を5.5倍から5.0倍にした点だけである。
10cm四方の平均透過率は43.4%、平均偏光度は
99.8%、平均二色性比は49.5であった。10c
m四方の偏光フィルムの透過率を、前記RETS−20
00を用いて1cm間隔で100μm径の光源を用いて
測定したところ、最大透過率と最小透過率の差は0.7
%であった。クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に、
得られた偏光フィルムを45°の角度に置き、透過光を
目視で観察すると光学ムラはほとんど認められなかっ
た。
ル%、重合度1700のPVA100重量部とグリセリ
ン14重量部とポリオキシエチレンラウリルエーテルサ
ルフェート0.1重量部と水からなる揮発分率63重量
%の製膜原料を表面温度85℃の第1ドラム3の表面7
に吐出し、製膜した。ドラム乾燥機4を構成している乾
燥ドラム41〜4nの直径Dは80cmであり、第1ド
ラム3と乾燥ドラム41の表面間の距離W1、各乾燥ド
ラム41〜4nの表面間の距離W2は、2cmであっ
た。さらに第1ドラム3の表面7の製膜原料を85℃の
熱風で乾燥し、フローティング乾燥装置9でPVAフィ
ルム6を浮遊させた状態で、乾燥し、厚さ75μmのP
VAフィルムを得た。PVAフィルム6は、乾燥ドラム
41以降の各乾燥ドラム42〜4nの表面8上でも浮遊
していた。
同様に、予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、
熱処理の順に処理して偏光フィルムを作成した。前記実
施例1の処理との相違点は、一軸延伸における延伸倍率
を5.5倍から4.5倍にした点だけである。
10cm四方の平均透過率は42.0%、平均偏光度は
99.6%、平均二色性比は36.2であった。10c
m四方の偏光フィルムの透過率を、前記RETS−20
00を用いて1cm間隔で100μm径の光源を用いて
測定したところ、最大透過率と最小透過率の差は1.1
%であった。クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に、
得られた偏光フィルムを45°の角度に置き、透過光を
目視で観察するとほとんど光学ムラが認められなかっ
た。
4とフローティング乾燥装置9をタンデムに配列した
が、フローティング乾燥装置9のみを用いた構成として
もよい。
料とを用い、乾燥ドラム41上のPVAフィルム6に布
を押しあてて、PVAフィルム6が乾燥ドラム41の表
面8に密着するようにしたこと以外は、実施例1と同様
の製法で製造して厚さ75μのPVAフィルム6を得
た。このPVAフィルム6を、前記実施例1と同一の処
理で、予備膨潤、染色、一軸延伸(5.5倍)、固定処
理、熱風乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作
成した。
10cm四方の偏光フィルムの平均透過率は43.3
%、平均偏光度は99.8%、平均二色性比は48.7
であった。10cm四方の偏光フィルムの透過率を、前
記RETS−2000を用いて1cm間隔で100μm
径の光源を用いて測定したところ、最大透過率と最小透
過率の差は6.0%であった。クロスニコル状態の2枚
の偏光板の間に、得られた偏光フィルムを45°の角度
に置き、透過光を目視で観察すると大きな光学ムラが認
められた。
ル%、重合度2400のPVA100重量部とグリセリ
ン12重量部とラウリン酸ジエタノールアミド0.1重
量部と水からなる揮発分率80重量%の製膜原料を、表
面温度95℃の第1ドラム3の表面7に吐出し、製膜し
た。ドラム乾燥機4を構成している乾燥ドラム41〜4
nの直径Dは50cmであり、第1ドラム3と乾燥ドラ
ム41の表面間の距離W1は50cm、各乾燥ドラム4
1〜4nの表面間の距離W2は2cmであった。さらに
第1ドラム3の表面7の製膜原料を85℃の熱風で乾燥
し、平均厚さ75μmのPVAフィルムを得た。PVA
フィルム6は、乾燥ドラム41の表面8に密着してい
た。
同一の処理で、予備膨潤、染色、一軸延伸(5.5
倍)、固定処理、熱風乾燥、熱処理の順に処理して偏光
フィルムを作成した。
10cm四方の平均透過率は43.3%、平均偏光度は
99.7%、平均二色性比は45.7であった。10c
m四方の偏光フィルムの透過率を、前記RETS−20
00を用いて1cm間隔で100μm径の光源を用いて
測定したところ、最大透過率と最小透過率の差は4.7
%であった。クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に、
得られた偏光フィルムを45°の角度に置き、透過光を
目視で観察すると大きな光学ムラが認められた。
ル%、重合度1700のPVA100重量部とグリセリ
ン10重量部とポリオキシエチレンラウリルエーテルサ
ルフェート0.1重量部と水からなる揮発分率58重量
%の製膜原料を表面温度85℃の第1ドラム3の表面7
に吐出し、製膜した。ドラム乾燥機4を構成している乾
燥ドラム41〜4nの直径Dは15cmであり、第1ド
ラム3と乾燥ドラム41の表面間の距離W1、各乾燥ド
ラム41〜4nの表面間の距離W2は、2cmであっ
た。さらに第1ドラム3の表面7の製膜原料を85℃の
熱風で乾燥し、厚さ75μmのPVAフィルムを得た。
PVAフィルム6は、乾燥ドラム41の表面8に密着し
ていた。
同様に、予備膨潤、染色、一軸延伸(4.5倍)、固定
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作成
した。前記実施例1の処理との相違点は、一軸延伸にお
ける延伸倍率を5.5倍から4.5倍にした点だけであ
る。
10cm四方の平均透過率は42.0%、平均偏光度は
99.6%、平均二色性比は36.2であった。10c
m四方の偏光フィルムの透過率を、前記RETS−20
00を用いて1cm間隔で100μm径の光源を用いて
測定したところ、最大透過率と最小透過率の差は5.1
%であった。クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に、
得られた偏光フィルムを45°の角度に置き、透過光を
目視で観察すると大きな光学ムラが認められた。
ル%、重合度1700のPVA100重量部とグリセリ
ン10重量部とポリオキシエチレンラウリルエーテルサ
ルフェート0.1重量部と水からなる揮発分率60重量
%の製膜原料を、表面温度85℃の第1ドラム3の表面
7に吐出し、製膜した。ドラム乾燥機4を構成している
乾燥ドラム41〜4nの直径Dは2.5mであり、第1
ドラム3と乾燥ドラム41の表面間の距離W1、各乾燥
ドラム41〜4nの表面間の距離W2は、2cmであっ
た。さらに第1ドラム3表面7の製膜原料を85℃の熱
風で乾燥し、厚さ75μmのPVAフィルムを得た。P
VAフィルム6は、乾燥ドラム41の表面8に密着して
いた。
同様に、予備膨潤、染色、一軸延伸(4.5倍)、固定
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作成
した。前記実施例1の処理との相違点は、一軸延伸にお
ける延伸倍率を5.5倍から4.5倍にした点だけであ
る。
10cm四方の平均透過率は42.2%、平均偏光度は
99.6%、平均二色性比は37.2であった。10c
m四方の偏光フィルムの透過率を、前記RETS−20
00を用いて1cm間隔で100μm径の光源を用いて
測定したところ、最大透過率と最小透過率の差は5.5
%であった。クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に、
得られた偏光フィルムを45°の角度に置き、透過光を
目視で観察すると大きな光学ムラが認められた。
ルムは、ドラム製膜する際の乾燥工程において、第1ド
ラムから剥離したPVAフィルムを浮遊した状態で乾燥
させるので、熱履歴の均一性が向上する。このため、こ
のPVAフィルムから製造した偏光フィルムは、従来製
法のPVAフィルムから製造した偏光フィルムに比べ
て、大面積における偏光度や透過度などの光学特性の均
一性が向上する。
ムの製造法に用いるドラム型製膜機の概略構成図であ
る。
ムの製造法に用いる他のドラム型製膜機の概略構成図で
ある。
ルム、9…フローティング乾燥機、D…乾燥ドラムの直
径、W1…第1ドラムと乾燥ドラムの表面間距離、W2
…乾燥ドラムの表面間距離。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールを含有する製膜原
料を用いてドラム製膜する際の乾燥工程において、第1
ドラムから剥離したフィルムを浮遊させて乾燥すること
を特徴とするポリビニルアルコール系重合体フィルムの
製造法。 - 【請求項2】 請求項1において、第1ドラムから剥離
したフィルムを幅方向に全幅浮遊させる、および/また
は、フィルムの端部の少なくとも一方をドラムと接触さ
せ中央部を浮遊させることを特徴とするポリビニルアル
コール系重合体フィルムの製造法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、製膜の乾燥
工程に使用するドラム表面間距離が30cm以下である
ことを特徴とするポリビニルアルコール系重合体フィル
ムの製造法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、第1
ドラムから剥離したフィルムを浮遊させて乾燥する工程
において使用するドラムの直径が2m以下20cm以上
であることを特徴とするポリビニルアルコール系重合体
フィルムの製造法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、第1
ドラムから剥離したフィルムを浮遊させて乾燥する工程
において、ドラムもしくはフローティング乾燥機を単独
で、またはドラムおよびフローティング乾燥機を組み合
わせて用いることを特徴とするポリビニルアルコール系
重合体フィルムの製造法。 - 【請求項6】 偏光フィルム用ポリビニルアルコール系
重合体フィルムの製造法である請求項1〜5のいずれか
に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造
法。
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