JPH05337293A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム式で、なお且つ乾燥仕上り時刻を予約
することが可能な予約機能を有する衣類乾燥機にあっ
て、その予約運転時に被乾燥衣類がドラム内底部で固ま
ることを防止して起動性を良くすると共に、使用者に錯
覚や心配を起こさせることもなく使用できるようにす
る。 【構成】 予約がされたとき、予約スタート後の乾燥運
転が開始されるまでの間、少なくともドラムを間欠的に
回転させる運転を行なって、被乾燥衣類を時々撹拌する
ようにした。又、その間欠運転は、予約スタート後、若
干時間休止した後に行なうことによって、予約スタート
後、直ちにドラムの回転が開始されることを避け、使用
者が乾燥機が誤動作したと錯覚することのないようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるドラム式の衣
類乾燥機に係わり、中でも乾燥仕上り時刻を予約するこ
とが可能な予約機能を有する衣類乾燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ドラム式の衣類乾燥機において
は、乾燥仕上り時刻を予約することが可能な予約機能を
有するものが供されている。

【０００３】図１０はこのものの予約時の運転仕様を示
しており、２３時に、翌朝の７時に仕上るように予約し
た例である。

【０００４】この場合、予約スタートさせると、実際の
被乾燥衣類の量や湿り度等に関係なく、仕上り時刻に対
して、定格量の被乾燥衣類の乾燥に要する時間に、想定
される定格量を上回る所定量の被乾燥衣類の乾燥に要す
る時間を加え、更に仕上げ運転の時間を加えて設定した
所定時間前（この場合、５時間前）から、乾燥運転が開
始される。

【０００５】しかして、その乾燥運転時間に対し、予約
を行なった時刻から仕上り時刻までには普通充分な時間
があり、このため、乾燥運転が開始されるまでの間、乾
燥機は休止する。

【０００６】又、ドラム内に定格量以上の被乾燥衣類が
入れられることは実際にはまれで、普通は定格量以下の
被乾燥衣類が入れられる。このため、乾燥運転は仕上げ
運転が開始されるよりある程度前（この場合、例えば１
時間ほど前）に終わり、仕上げ運転が開始されるまでの
間、乾燥機は再び休止する。

【０００７】そして、仕上げ運転は２０分間ほど行なわ
れるもので、それにより休止で冷めた被乾燥衣類が再度
温められ、仕上げ運転後には所定時間ごとに所定時間ず
つ運転する間欠運転により被乾燥衣類のしわ付きを防止
するいわゆるソフトキープ運転が行なわれるようになっ
ている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述のものの場合、予
約スタート後乾燥運転が開始されるまでの休止時間中
に、湿ったままの被乾燥衣類がドラム内底部で徐々に固
まっていき、その重心を下げるから、ドラムを回転させ
るときのモーメントが大きくなって、乾燥運転開始時の
起動性が悪くなるという問題点を有していた。

【０００９】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、予約運転時に、乾燥運転を
起動性良く開始することのできる衣類乾燥機を提供する
にある。

【００１０】加えて本発明の目的は、使用者に錯覚や心
配を起こさせることなく使用することもできる衣類乾燥
機を提供するにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の衣類乾燥機においては、被乾燥衣類を収容
するドラムと、このドラムを回転駆動する駆動装置、ド
ラム内部に送風する送風装置、その風を熱するヒータを
具備すると共に、乾燥仕上り時刻を予約することが可能
な予約機能を有し、その予約がされたとき、乾燥仕上り
時刻の所定時間前から上記各装置及びヒータによる乾燥
運転を開始するようにしたものにおいて、予約スタート
後のその乾燥運転が開始されるまでの間、少なくともド
ラムを間欠的に回転させる運転を行なうようにしたこと
を特徴とする。

【００１２】この場合、上述の少なくともドラムを間欠
的に回転させる運転は、予約スタート後、若干時間休止
した後に行なうようにすると良い。

【００１３】

【作用】上記手段によれば、予約スタート後の乾燥運転
が開始されるまでの間に行なう少なくともドラムを間欠
的に回転させる運転により、被乾燥衣類が撹拌されて、
ドラム内底部で固まることが防止される。

【００１４】又、その少なくともドラムを間欠的に回転
させる運転を、予約スタート後、若干時間休止した後に
行なうものでは、その休止時間中に使用者が乾燥機から
離れることになり、予約スタート後直ちに少なくともド
ラムを回転させる運転を開始した場合のような予約機能
についての錯覚，心配を起こさせることを避けることが
できる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図１ないし
図８を参照して説明する。

【００１６】まず図２には衣類乾燥機全体の構成を示し
ており、外箱１の前面部のほゞ中央に、被乾燥衣類出入
口２を形成すると共に、該出入口２を開閉する扉３を枢
設している。

【００１７】外箱１の内部にはドラム４を収容してお
り、収容したドラム４は、その前面部に形成した径大な
開口部５を、外箱１内の前部に設けたドラム支え６に回
転可能に支承せしめ、後面部の中心部に設けた軸７を、
外箱１内の後部に設けたファンケーシング８に同じく回
転可能に支承せしめている。

【００１８】ファンケーシング８内には前面側と後面側
とにそれぞれ翼部を有する両翼形の熱交換器を兼ねるフ
ァン９を配設しており、このファン９を、外箱１内の底
部に配設したモータ１０によりベルト１１を介して回転
させるようにしている。

【００１９】ここで、ファン９が回転されると、ドラム
４内の空気がドラム４内の奥部に装着したフィルタ１２
を通じてファンケーシング８内のファン９より前側の部
分に吸入されると共に、機外の空気が外箱背板１３の上
部に形成した外気取入口１４からファンケーシング８内
のファン９より後側の部分に吸入されるもので、これら
により、ドラム４内の空気と機外の空気とがファン９を
境に接して熱交換され、ドラム４内空気の除湿が行なわ
れる。

【００２０】しかして、除湿されたドラム４内空気は、
その後、図３に示すダクト１５を通じてドラム４内に供
給されるものであり、かくして、上記ファンケーシング
８とファン９、モータ１０、ベルト１１及びダクト１５
が、ドラム４内部に送風する送風装置として機能するよ
うになっている。

【００２１】又、その送風装置のダクト１５先端部には
ヒータ１６を配設しており、これがオンで発熱するとき
に、ドラム４内に供給される空気が加熱されて、ドラム
４内には熱風が供給させるようになっており、オフで発
熱しないときには、ドラム４内に供給される空気は加熱
されず、ドラム４内には冷風が供給されるようになって
いる。

【００２２】そして更に、図２に示すように、前記モー
タ１０はベルト１７を介してドラム４を回転駆動するよ
うになっており、従って、それらモータ１０及びベルト
１７が駆動装置として機能するようになっている。

【００２３】又、前記ドラム支え６下部のドラム４内に
面する部分には、被乾燥衣類の量を検出する衣類量検出
手段として機能すると共に被乾燥衣類の乾燥度を検出す
る乾燥度検出手段として機能する一対の電極１８を配設
している。

【００２４】一方、前記外箱１の扉３隣の部分には図４
に示す操作・表示パネル１９を設けている。この操作・
表示パネル１９には、電源の入り切りをするキースイッ
チ２０と、運転をスタートあるいは一時停止させるキー
スイッチ２１、現在時刻及び予約時刻の設定をするキー
スイッチ２２、ヒータの強弱切換えをするキースイッチ
２３、運転コースの選択をするキースイッチ２４、運転
の所要時間や残り時間を表示すると共に現在時刻や予約
時刻の表示をもするデジタル表示器２５等が存してお
り、そのうちのキースイッチ２２にあって、「時計」を
押し、次に「時」、「分」を押して、更に「時計」を押
すことにより、現在時刻が設定され、次いで、「予約」
を押し、次に「時」、「分」を押すことにより、予約時
刻（乾燥仕上り時刻）が設定され、その後にキースイッ
チ２１を押すことにより、予約運転が開始されるように
なっている。

【００２５】外箱１内には、図５に示すマイクロコンピ
ュータ２６を運転制御手段として具えており、このマイ
クロコンピュータ２６に、電源２７から整流回路２８を
介して直流電源を供給するようにしている。

【００２６】又、マイクロコンピュータ２６には、前記
電極１８から検出回路２９を介して衣類量検出信号と乾
燥度検出信号とが入力されるようにしている。

【００２７】図６は上記検出回路２９を詳細に示してお
り、電極１８に被乾燥衣類が接触するごとに比較的高い
電圧が得られることにより、それを接触頻度測定回路３
０でカウントすることによって、被乾燥衣類の量が検出
され、それをマイクロコンピュータ２６に入力する。
又、その電圧の大きさは、被乾燥衣類の電気抵抗が被乾
燥衣類の湿り度により異なることから、該被乾燥衣類の
湿り度によって異なり、よって、この電圧をピークホー
ルド回路３１を通すことにより、被乾燥衣類の湿り度が
検出され、それをバッファ回路３２を介してマイクロコ
ンピュータ２６に入力する。

【００２８】更に、乾燥が進むと、被乾燥衣類の湿り度
が低下して電気抵抗が図７に示すように上昇するから、
電極１８に被乾燥衣類が接触することで得られる電圧
は、図８に示すように漸次低下する。よって、これを図
６に示すピークホールド回路３１を通すことにより、被
乾燥衣類の乾燥度の変化（湿り度の変化）が検出され、
それをバッファ回路３２を介してマイクロコンピュータ
２６に入力する。

【００２９】しかして、それらの入力に基づき、マイク
ロコンピュータ２６は前記ヒータ１６（１６ａ、１６
ｂ）の通電とモータ１０の通電とを３組のリレー３３〜
３５から成る駆動回路３６を介して制御するようになっ
ている。

【００３０】なお、マイクロコンピュータ２６には、そ
のほか、前記操作・表示パネル１９のキースイッチ２０
〜２４から成るスイッチ入力部３７より各スイッチ信号
が入力されると共に、ドラム４内の温度を検出するよう
に設けた温度センサ３８（図２参照）から温度検出信号
が、そして、クロックパルス発生回路３９からはクロッ
クパルスがそれぞれ入力されるようになっており、更
に、電源２７から前記ヒータ１６（１６ａ、１６ｂ）並
びにモータ１０へと至る回路には電源スイッチ４０を介
挿接続している。

【００３１】次に上記構成のものの作用を述べる。ま
ず、通常の乾燥運転については、「スタート」キースイ
ッチ２１を押すことによって、マイクロコンピュータ２
６が乾燥運転を開始させ、その最初の例えば２分間で、
電極１８から検出回路２９を介して検出されるデータに
より被乾燥衣類の量の検出と湿り度の検出とを行なう。
そして、その検出結果に基づき、必要乾燥運転時間を決
定し、それをデジタル表示器２５に表示させて、乾燥運
転を続ける。

【００３２】これに対して、予約運転を行なうべく、キ
ースイッチ２２を押して予約をする。この場合、例えば
図１に示すように、現在時刻が２３時で、翌朝の７時に
仕上るように予約したとする。

【００３３】次いで、「スタート」キースイッチ２１を
押すと、マイクロコンピュータ２６は、最初に、ヒータ
１６をオンさせずに、モータ１０だけ間欠的にオンさせ
ることにより、ドラム４を間欠的に回転させると共に、
ファン９も間欠的に回転させる運転を行なう。この場
合、ドラム４の駆動とファン９の駆動とを別個のモータ
で行なうようにすることにより、ドラム４だけを間欠的
に回転させるようにしても良い。

【００３４】そしてその後、実際の被乾燥衣類の量等に
関係なく、仕上り時刻に対して、定格量の被乾燥衣類の
乾燥に要する時間に、想定される定格量を上回る所定量
の被乾燥衣類の乾燥に要する時間を加え、更に仕上げ運
転の時間を加えて設定した所定時間前の時刻（この場
合、５時間前で、時刻２時）に達したところで、乾燥運
転を開始させる。

【００３５】上記乾燥運転は、普通、ドラム４内に定格
量以下の被乾燥衣類が入れられるため、仕上げ運転が開
始されるよりある程度前（この場合、例えば１時間ほど
前）に終わる。

【００３６】乾燥運転が終わると、仕上げ運転が開始さ
れるまでの間、ソフトキープ運転を行なう。このソフト
キープ運転は、所定時間ごとに所定時間ずつ（例えば５
分ごとに１０秒ずつ）運転するもので、その運転は、こ
の場合、ドラム４を回転させると共にファン９をも回転
させる内容で行なうようにしているが、これも、ドラム
４の駆動とファン９の駆動とを別個のモータで行なうよ
うにすることにより、ドラム４だけを間欠的に回転させ
る内容で行なうようにしても良い。更に、場合によって
は、ヒータ１６をもオンさせる内容で行なうようにして
も良い。

【００３７】このソフトキープ運転後、仕上げ運転を仕
上がり時刻直前の例えば２０分間行なう。この仕上げ運
転は、ドラム４を回転駆動すると共に、該ドラム４内に
送風し、更にヒータ１６をオンさせて行なうようにして
いる。

【００３８】そして、仕上がり時刻に達してからは、以
後、上述同様のソフトキープ運転を行なう。

【００３９】このように本構成のものでは、予約スター
ト後の乾燥運転が開始されるまでの間に少なくともドラ
ムを間欠的に回転させる運転を行なうようにしたもの
で、それにより、被乾燥衣類が撹拌されて、ドラム４内
底部で固まることが防止されるから、乾燥運転を起動性
良く開始することができる。

【００４０】以上に対して、図９は本発明の異なる実施
例を示したもので、上述の乾燥運転が開始されるまでの
間に行なう少なくともドラム４を間欠的に回転させる運
転を、予約スタート後、若干時間例えば数分間休止した
後に行なうようにしたものを示している。

【００４１】この場合、予約スタート後、直ちにドラム
４の回転が開始されると、使用者が乾燥機が誤動作した
と錯覚し、予約機能が正常に機能しているか否か心配し
がちであるが、それに対し、予約スタート後、若干の休
止時間を置いてドラム４を間欠的に回転させる運転を行
なうようにしているのであるから、その休止時間中に使
用者が乾燥機から離れることになり、上述のような錯覚
や心配を起こさせることを避けることができる。

【００４２】このほか、本発明は上記し且つ図面に示し
た実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００４３】

【発明の効果】本発明の衣類乾燥機は以上説明したとお
りのもので、下記の効果を奏する。

【００４４】請求項１の衣類乾燥機においては、いわゆ
るドラム式で、なお且つ乾燥仕上り時刻を予約すること
が可能な予約機能を有する衣類乾燥機にあって、その予
約がされたとき、予約スタート後の乾燥運転が開始され
るまでの間、少なくともドラムを間欠的に回転させる運
転を行なうようにしたことにより、予約運転時に被乾燥
衣類がドラム内底部で固まることを防止し得て、乾燥運
転を起動性良く開始することができる。

【００４５】請求項２の衣類乾燥機においては、上記構
成において、更に、上述の少なくともドラムを間欠的に
回転させる運転を、予約スタート後、若干時間休止した
後に行なうようにしたことにより、使用者に錯覚や心配
を起こさせることもなく使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す作用説明用のタイムチ
ャート

【図２】一部を破断した全体の縦断側面図

【図３】全体の正面図

【図４】操作・表示パネルの拡大正面図

【図５】概略電気構成図

【図６】電極で検出される信号を処理し更にそれに基づ
いて機能する回路の図

【図７】被乾燥衣類の電気抵抗と乾燥率との関係を示す
図

【図８】電極で検出される電圧と乾燥率との関係を示す
図

【図９】本発明の異なる実施例を示す図１相当図

【図１０】従来例を示す図１相当図

【符号の説明】

４はドラム、８はファンケーシング（送風装置）、９は
ファン（送風装置）、１０はモータ（送風装置・駆動装
置）、１５はダクト（送風装置）、１６はヒータ、２２
はキースイッチ、２６はマイクロコンピュータを示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被乾燥衣類を収容するドラムと、このド
   ラムを回転駆動する駆動装置、ドラム内部に送風する送
   風装置、その風を熱するヒータを具備すると共に、乾燥
   仕上り時刻を予約することが可能な予約機能を有し、そ
   の予約がされたとき、乾燥仕上り時刻の所定時間前から
   前記各装置及びヒータによる乾燥運転を開始するように
   したものにおいて、予約スタート後のその乾燥運転が開
   始されるまでの間、少なくともドラムを間欠的に回転さ
   せる運転を行なうようにしたことを特徴とする衣類乾燥
   機。
2. 【請求項２】 少なくともドラムを間欠的に回転させる
   運転を、予約スタート後、若干時間休止した後に行なう
   ようにしたことを特徴とする請求項１記載の衣類乾燥
   機。