JPH0533715B2 - - Google Patents

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JPH0533715B2
JPH0533715B2 JP12256685A JP12256685A JPH0533715B2 JP H0533715 B2 JPH0533715 B2 JP H0533715B2 JP 12256685 A JP12256685 A JP 12256685A JP 12256685 A JP12256685 A JP 12256685A JP H0533715 B2 JPH0533715 B2 JP H0533715B2
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Tadayuki Hino
Yukiharu Kobayashi
Masahiro Nishida
Yoshimi Senoo
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Kojin Co Ltd
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Kojin Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグルタチオン及びγ−グルタミルシス
テインの精製方法に関するものである。
一般にグルタチオンは酵母及び動物の肝臓など
に広く分布しており、生体内の酸化還元系に関与
しているトリペプタイドで、肝機能回復作用や解
毒作用などの重要な役割を果す医薬上極めて有用
な物質である。
またγ−グルタミルシステインはグルタチオン
類縁物質を合成するための原料や試薬としての応
用が期待されている物質である。
〔従来の技術〕
従来グルタチオンは生化学的合成法としてはγ
−グルタミルシステインシンセターゼの作用によ
りグルタミン酸とシステインが結合しγ−グルタ
ミルシステインが合成される反応と、グルタチオ
ンシンセターゼの作用によりγ−グルタミルシス
テインとグリシンが結合しグルタチオンが合成さ
れるという2段階の反応で生合成されるため、酵
母などの生体よりの抽出法やサルベージ合成法に
おいては、システイン等の構成アミノ酸や中間体
であるγ−グルタミルシステイン等がグルタチオ
ンと共存している。
そのため純粋のグルタチオンを製造する方法と
して 硫酸酸性下亜酸化銅と銅塩を形成させる方法 強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させ、酸又は
塩により溶離する方法(特公44−239、特公45
−4755、特公46−2838)、 弱塩基性陰イオン交換樹脂を通過させる方法
(特公45−27797)、 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりな
る多孔性非極性樹脂を使用する方法(特開49−
126889、特開52−100421)、 などが提案されている。
またγ−グルタミルシステイン精製法としては
グルタチオンを酸化後カルボキシペプチダーゼで
グリシンを除き、亜鉛で還元後凍結乾燥する方法
(「バイオケミカル プレパレーシヨンズ」第9巻
52頁ジヨン ウイリイ アンド サンズ社)が報
告されている。
〔発明が解決しようとしている問題点〕
しかしながら従来提案されたいずれの方法によ
つてもグルタチオンの精製度は十分ではなく、シ
ステイン及びγ−グルタミルシステインを除去す
ることは困難であり、特にγ−グルタミルシステ
インは結晶化を繰り返すことによつても除去し得
ず、システイン及びγ−グルタミルシステインの
混入しない高度に精製されたグルタチオンは極め
て製造困難であつた。
またシステインやγ−グルタミルシステインが
存在すると結晶化率が低下することはいうまでも
ないことである。
またγ−グルタミルシステイン精製法としては
前述の方法では高価なグルタチオンやカルボキシ
ペプチダーゼを使用するため工業上有利な方法と
はいえず、安価な精製方法が望まれていた。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らはシステイン及びγ−グルタミルシ
ステインの混入しない高純度のグルタチオン、及
びシステイン及びグルタチオンの混入しないγ−
グルタミルシステインを工業的に製造する方法に
つき鋭意研究を行つた結果ある種の弱塩基性陰イ
オン交換樹脂に、システイン、γ−グルタミルシ
ステイン及びグルタチオンを含む液を通し、グル
タチオンとγ−グルタミルシステインを吸着させ
た後酸溶液でグルタチオンとγ−グルタミルシス
テインを分離溶出することが可能であることを見
出し本発明を完成するに至つたものである。
すなわち、少なくともグルタチオン及びγ−グ
ルタミルシステインを含む液を弱塩基性陰イオン
交換樹脂に通した後、グルタチオンのみが溶離す
る濃度の酢酸水溶液でグルタチオンを溶離し、次
いで高濃度の酢酸、又は酢酸よりイオン強度の強
い有機酸あるいは無機酸でγ−グルタミルシステ
インを溶離することを特徴とするグルタチオン及
びγ−グルタミルシステイを精製する方法であ
る。
なお、本発明の方法によればシステインは該樹
脂には吸着されないので分別することができるた
め一段の樹脂処理でシステイン、グルタチオン及
びγ−グルタミルシステインが分離できるため工
業上極めて有利な方法である。
以下本発明について詳しく述べる。
本発明に使用されるグルタチオン及びγ−グル
タミルシステイン含有液は、酵母などの微生物よ
りの抽出液、サルベージ合成により得られる反応
液又はそれらの部分精製液等生化学的反応により
得られるグルタチオン含有液、その他グルタチオ
ン及びγ−グルタミルシステインを含有する溶液
であればいずれにも用いられる。
また本発明に用いられる樹脂としては弱塩基性
陰イオン交換樹脂が良く、中でも好ましくは、イ
オン交換基が3級アミンを有するものが好まし
く、更に、弱塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形
は酢酸形、ギ酸形、遊離形又はそれらの混合形が
用いられる。中でも酢酸形又は酢酸形と遊離形と
の混合形が特に好ましい。硫酸形及び塩酸形の場
合はグルタチオン及びγ−グルタミルシステイン
を殆ど吸着せず好ましくない。
〔作用及び効果〕
グルタチオン、システイン及びγ−グルタミル
システイン含有液を酢酸形又は酢酸形と遊離形の
弱塩基性陰イオン交換樹脂を詰めたカラムに通液
するとシステインは吸着されず通過し、グルタチ
オンとγ−グルタミルシステインは吸着される。
付着したシステインを除去するために少量の水を
カラムに通し水洗した後、グルタチオンのみが溶
出する濃度の酢酸水溶液でグルタチオンを溶離す
ることにより、システイ及びγ−グルタミルシス
テインを含まないグルタチオンを溶出した後、更
に高濃度の酢酸溶液又はギ酸溶液、塩酸溶液、硫
酸溶液などを流してγ−グルタミルシステインを
溶出することができる。
なお、必要によりグルタチオンが混入する部分
を除外することによつて純粋なγ−グルタミルシ
ステインを得ることができる。
以上の方法により得たグルタチオン溶液及びγ
−グルタミルシステイン溶液をそのまま若しくは
必要な場合は更に精製を続けた後濃縮し結晶化や
凍結乾燥等により高純度のグルタチオン及びγ−
グルタミルシステインを得ることができる。
〔実施例〕
次に実施例により具体的に本発明を説明する
が、これによつて本発明が制限されるものではな
い。なお、本実施例中グルタチオン及びγ−グル
タミルシステインの定量法はヨード法及びグリオ
キサラーゼ法(「メリツド・イン・エンザイモロ
ジー」第1巻540頁、アカデミツクプレス社、
1955年版)で行い、システイン、グルタチオン及
びγ−グルタミルシステインの分別検出は高圧ろ
紙電気泳動法で行い、その条件は以下の通りであ
る。
1 緩衝液;酢酸:ピリジン:水(100:10:
890)PH3.6 2 試 料;N−エチルマレイミドを加えSH基
を保護し100μg相当をろ紙にスポツトする。
3 電気泳動; 電圧3000V 電流6〜8mA/ろ紙巾1cm 時間90分間 4 発色;ニンヒドリン溶液をスプレイ後105℃
3分間加熱し発色させる。
実施例 1 キヤンデイダ・ウチルスKJS−0582株
(FERM P−7396株)の培養菌体1100g(乾燥
時換算)を熱水抽出し、除菌後常法により銅塩を
形成させ、硫化水素で脱銅することにより、グル
タチオン48.0g(グルオキサラーゼ法)を含む溶
液600mlを得た。
該グルタチオン含有液を酢酸形とした弱塩基性
陰イオン交換樹脂ダイヤイオンWA30S(三菱化成
工業製)を詰めたカラム(内径28mm、高さ360mm)
にSV=1.5で通液し、150mlの水で洗浄した。こ
の非吸着部分を区分とした。次いで1.5%の酢
酸水溶液1200mlを用いSV=2.0で溶離しグルタチ
オン画分1000mlを区分とした。次いで6.0%の
酢酸水溶液に切替え引き続き溶離を続けた。この
うちグルタチオンの混入が認められた部分300ml
を除きγ−グルタミルシステイン画分400mlを区
分とした。
本カラムクロマトグラフイーの様子は図1に示
す。また、各区分の高圧ろ紙電気泳動の様子をカ
ラムクロマトグラフイー前液、システイン及びγ
−グルタミルシステインの純粋品、グルタチオン
の再結晶法精製品の様子と共に図2に示した。
図2中区分Bにはシステインが含まれ、グル
タチオン及びγ−グルタミルシステインは含まれ
ず、区分Cにはグルタチオンが含まれ、システ
イン及びγ−グルタミルシステインは含まれず、
区分Dにはγ−グルタミルシステインが含ま
れ、システイン及びグルタチオンは混入していな
かつた。
区分を減圧濃縮することにより結晶グルタチ
オン41.5gを得た。
得られたグルタチオンを高圧ろ紙電気泳動によ
り分析した結果、システイン及びγ−グルタミル
システインは全く検出されなかつた。
また区分を濃縮し凍結乾燥することにより、
γ−グルタミルシステインの粉末1.3gを得た。
得られた粉末を高圧ろ紙電気泳動で分析した結
果、システイン及びグルタチオンは検出されなか
つた。
比較例 実施例1と同様にして得られたカラム処理前の
液(グルタチオン46.0gを含む)をそのまま減圧
濃縮し、結晶化することにより、結晶グルタチオ
ン38.8gを得た。
得られたグルタチオン及び処理前の液を高圧ろ
紙電気泳動で分析した結果をそれぞれ図2G及び
図2Aに示した。
これらの結果からもわかるように処理前の液中
にはグルタチオンの他にγ−グルタミルシステイ
ン及びシステインその他の不純物の混入が認めら
れた。この液から結晶法により精製してもなおγ
−グルタミルシステイン及びシステインの混入が
認められた。
実施例 2 サツカロマイセス・セレビシエーIAM4248の
培養菌体1500g(乾燥時換算)を熱水抽出後除菌
することにより50.0gのグルタチオン(ヨード
法)を含む抽出液15.0を得た。この抽出液を強
酸性陽イオン交換樹脂ダイヤイオンSK116(H形)
200mlの樹脂を詰めたカラム(内径28mm、高さ360
mm)に通液し酸性にした後引き続き弱塩基性陰イ
オン交換樹脂アンバーライトIRA−68(酢酸形と
遊離形の混合形)1000mlを詰めたカラム(内径50
mm、高さ500mm)にSV=1.0で通液し、水洗後1.3
%の酢酸溶液6.0を用いSV=1.5で溶離しグルタ
チオン画分5を区分とした。
次に1N硫酸溶液に切替え溶離を続け、グルタ
チオンの混入が認められた部分2.0を除きγ−
グルタミルシステイン画分3.0を集め区分と
した。
区分及び区分を高圧ろ紙電気泳動で分析し
た結果、区分にはグルタチオンが検出され、シ
ステイン及びγ−グルタミルシステインは検出さ
れず、区分にはγ−グルタミルシステインが検
出されシステイン及びγ−グルタミルシステイン
は検出されなかつた。
区分に0.5Nになるように硫酸を加え亜酸化
銅を加えて銅塩を形成させ、銅塩を水洗後硫化水
素で脱銅し清澄液を濃縮結晶化することによりシ
ステイン及びγ−グルタミルシステインを含まな
いグルタチオン27.0gを得た。
また区分に亜酸化銅を加え、同様の工程を経
て濃縮液を凍結乾燥することによりシステイン及
びグルタチオンを含まないγ−グルタミルシステ
イン7.8gを得た。
【図面の簡単な説明】
図1はダイヤイオンWA30Sによるグルタチオ
ン含有液の分画の様子を示したものである。図2
は高圧ろ紙電気泳動によるシステイン、グルタチ
オン及びγ−グルタミルシステインの分離検出の
様子を示したものである。図中サンプルAはカラ
ムクロマト処理前の液、Bは区分、Cは区分
、Dは区分、Eは純粋なシステイン、Fは純
粋なγ−グルタミルシステイン、Gはカラム処理
前液の結晶法による精製グルタチオンである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくともグルタチオン及びγ−グルタミル
    システインを含む液を弱塩基性陰イオン交換樹脂
    に通した後、グルタチオンのみが溶離する濃度の
    酢酸水溶液でグルタチオンを溶離し、次いで高濃
    度の酢酸、又は酢酸よりイオン強度の強い有機酸
    あるいは無機酸でγ−グルタミルシステインを溶
    離することを特徴とするグルタチオン及びγ−グ
    ルタミルシステインを精製する方法。 2 弱塩基性陰イオン交換樹脂のイオン交換基が
    3級アミンである特許請求の範囲第1項のグルタ
    チオン及びγ−グルタミルシステインを精製する
    方法。 3 弱塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形が酢酸
    形又は酢酸形と遊離形の混合形である特許請求の
    範囲第1項又は第2項のグルタチオン及びγ−グ
    ルタミルシステインを精製する方法。
JP12256685A 1985-06-07 1985-06-07 グルタチオン及びγ−グルタミルシステインの精製法 Granted JPS61282397A (ja)

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WO2016195070A1 (ja) * 2015-06-05 2016-12-08 協和発酵バイオ株式会社 還元型グルタチオンのα型結晶の製造方法及び当該結晶の保存方法
EP3431488A4 (en) 2016-03-17 2019-10-16 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. CRYSTAL WITH GLUTATHION WITH REDUCED FORM AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF

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