JPH05336988A - 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナル抗体 - Google Patents

2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナル抗体

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JPH05336988A
JPH05336988A JP3214133A JP21413391A JPH05336988A JP H05336988 A JPH05336988 A JP H05336988A JP 3214133 A JP3214133 A JP 3214133A JP 21413391 A JP21413391 A JP 21413391A JP H05336988 A JPH05336988 A JP H05336988A
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keto
pgf
dinor
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solution
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JP3214133A
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Makoto Hiramatsu
真 平松
Akio Hayashi
昭夫 林
Nobuyuki Hamanaka
信行 浜中
Shozo Yamamoto
尚三 山本
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特
異的に認識するモノクローナル抗体。 【効果】 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特
異的に認識し、それ以外のPG類似化合物とはほとんど
交差しない(1%以下)。従って、2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αの免疫学的定量法や精製法に利用で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,3−ジノル−6−
ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナル抗
体に関するものである。
【0002】
【発明の背景】プロスタグランジン(以下、PGと略記
する。)I2 は、式
【化1】
【0003】で示される生体内活性物質であって、強力
な血管拡張作用、降圧作用、血小板凝集抑制作用を有す
る。PGI2 は哺乳動物の血管壁より産生されるが、非
常に不安定でその半減期は約5分と極めて短い。PGI
2 は血液中ですぐに代謝され、式
【0004】
【化2】 で示される6−ケト−PGF1αになり、さらに肝臓中
でβ−酸化を受けて、6−ケト−PGF1αよりカルボ
キシ側鎖が炭素原子2原子分短い、式
【0005】
【化3】 で示される2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αとい
う安定代謝物へと代謝される。
【0006】
【従来の技術とその問題点】今日、さまざまな病態にお
けるPGI2 の関与を検討するため、血中あるいは尿中
のPGI2 代謝物の定量が試みられている。一般に、
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αは全身的なPG
2 レベルをよく反映していると考えられている。従っ
て、最近では2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
定量がさかんに試みられている。例えば、Clin. Chem.,
36, 1978(1990) 、J. Chromatog., 383,317(1986) 、B
iology of icosanoids, Colloque INSERM, 152, 187(19
87) に詳しく記載されているが、これらはいずれも、
6−ケト−PGF1αに対する抗体が2,3−ジノル−
6−ケト−PGF1αをも認識する(この現象を交差反
応と呼ぶ。)ことを利用したものである。例えば、Cli
n. Chem. に記載された抗体は6−ケト−PGF1α
対する結合を100としたとき、同じ条件で2,3−ジ
ノル−6−ケト−PGF1αに対しても100結合し
(すなわち、交差率100%)、またJ. Chromatog. お
よびBiology of icosanoids に記載された抗体は、2,
3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対する交差率がそ
れぞれ16%および60%であることが報告されてい
る。
【0007】このように6−ケト−PGF1αに対する
抗血清を用いて、2,3−ジノル−6−ケト−PGF
1αを定量する場合には、採取したサンプルから交差率
の大きいPG類似化合物(6−ケト−PGF1α)を予
めHPLCなどで除去しておく必要がある。この前処理
は煩雑な操作であり、大量のサンプルを短時間で定量す
る場合には大きな障害となる。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、PGI
2 の安定代謝物である2,3−ジノル−6−ケト−PG
1αの定量法を鋭意検討する中で、2,3−ジノル−
6−ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナ
ル抗体を作製することに成功し、本発明を完成するに至
った。2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対する
抗体を得たという報告はポリクローナル、モノクローナ
ルを問わずこれまでまったくなされていない。従って、
本発明は完全に新規な物質に関するものであるというこ
とができる。
【0009】
【発明の構成】本発明は、2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1αを特異的に認識するモノクローナル抗体に関
する。本発明には、本発明の実施例で得られたモノクロ
ーナル抗体の抗原結合部位以外の抗原結合部位を有する
モノクローナル抗体も含まれる。また、免疫グロブリン
のクラスおよびサブクラスも特に限定されるものではな
いが、好ましくはIgGまたはIgMクラスであり、特
に好ましくはIgGクラスである。本発明に含まれるモ
ノクローナル抗体の具体的な例としては、MK−11E
4が挙げられるが、本発明はこのモノクローナル抗体の
みに限定されるものではない。本発明のモノクローナル
抗体は、2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特異
的に認識する。すなわち、2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1α以外のPG類似化合物とはほとんど交差しな
い点に特徴を有する。
【0010】本発明のモノクローナル抗体のうち、好ま
しいものはPGF2α、PGF1α、6−ケト−PGF
1α、PGF2α−MPMおよびPGF2α−MUMと
の交差率が1.0 %以下のものである。例えば、本発明の
モノクローナル抗体のうちのひとつ、MK−11E4の
PGF2α、PGF1α、6−ケト−PGF1α、PG
2α−MPMおよびPGF2α−MUMとの交差率
は、それぞれ0.1 %、0.6 %、0.42%、0.015 %以下お
よび0.015 %以下である。
【0011】
【命名法】本発明の研究過程において、2,3−ジノル
−6−ケト−PGF1αは式(3)で示されるような構
造で存在する可能性は低いことが判明した。すなわち、
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αはケト−エノー
ル型の互変異性をとり、分子内ラクトン化を起こして、
下式のような平衡関係にあると推察される。
【0012】
【化4】
【0013】特許請求の範囲を含む本明細書において
は、式(3b)の化合物を2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1αのスピロラクトン体、または式(3a)化合
物を2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αのヘミアセ
タール体と命名することとする。さらに、2,3−ジノ
ル−6−ケト−PGF1αという用語を特に制限するこ
となく用いた場合には、相当するスピロラクトン体およ
び相当するヘミアセタール体をも含んでいるものとす
る。また、2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの2
0位のメチル基を他の官能基に置き換えた化合物はω−
置換−2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αとして命
名することとする。例えば、式
【0014】
【化5】 および
【0015】
【化6】 は、それぞれω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケ
ト−PGF1αおよびω−カルボキシ−2,3−ジノル
−6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体として命名
される。
【0016】本発明のモノクローナル抗体は、(1) ω鎖
(PG骨格中の下の側鎖)を修飾した2,3−ジノル−
6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体をキャリア−
タン白にコンジュゲートし、(2) 得られたPG−タン白
結合物を免疫抗原として、マウスを感作し、(3) 感作マ
ウスの脾細胞とマウスミエローマ細胞を細胞融合し、
(4) 得られたハイブリドーマより、2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αに対するモノクローナル抗体を産生
する細胞をスクリーニングし、(5) 目的とする抗体産生
ハイブリドーマをクロ−ニングし、(6) クローン化され
た抗体産生ハイブリドーマを増殖させ、(7) 産生された
抗体を分離精製することによって調整することができ
る。
【0017】より具体的に各ステップを説明すると以下
のようになる。(1) の工程における、ω鎖を修飾した
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクト
ン体とは、ω−末端部分でキャリア−タン白の特性基と
直接または間接的に結合できるように、ω−末端に反応
性官能基を導入した2,3−ジノル−6−ケト−PGF
1αのスピロラクトン体を意味する。この反応性官能基
は、キャリア−タン白と直接または間接に結合できるも
のであれば特に限定されない。より具体的には、カルボ
キシル基(−COOH)、ヒドロキシ基(−OH)、ホ
ルミル基(−CHO)、アミノ基(−NH2 )、アジド
基(−N3 )、メルカプト基(−SH)、スルホ基(−
SO3 H)などが挙げられ、好ましくは、カルボキシル
基である。これらの反応性官能基は2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αのスピロラクトン体の20位の炭素
原子に結合している必要はない。18位以降の3個の炭
素原子が1乃至3個欠如しているか、あるいは20位以
降に炭素数1乃至3個のアルキル鎖が付加された2,3
−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体の
ω鎖末端に官能基が導入された化合物も同じようにハプ
テンPGとして用いることができる。このようなハプテ
ンPGを用いても得られたモノクローナル抗体は2,3
−ジノル−6−ケト−PGF1αに十分特異的に結合す
るものと考えられる。
【0018】ω鎖を修飾した2,3−ジノル−6−ケト
−PGF1αのスピロラクトン体は、公知のPG合成法
に従って容易に製造することができる。代表的な合成ス
キームを以下の反応工程式Iに示す。さらに、反応工程
式I中、出発物質として用いられる式(9)の化合物の
代表的な合成スキームを反応工程式IIに示す
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】前記した反応工程式中、各略号はそれぞれ
以下の意味を表わす。 Et :エチル基 iPr:i−プロピル基 nBu:n−ブチル基 tBu:t−ブチル基 Ac :アセチル基 φ :フェニル基 Ms :メシル基 Ts :トシル基 THP:テトラヒドロピラン−2−イル基 BMS:t−ブチルジメチルシリル基 Py :ピリジン THF:テトラヒドロフラン DHP:ジヒドロピラン DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート SBN:(s)−(−)−ビナフトール
【0025】各工程は、反応工程式中に記載した試薬を
用いて公知の方法で行なうことができる。反応工程式II
中、出発物質として用いた式(13)の化合物は、特開
昭50-137961 号明細書、参考例1および8に記載された
方法により製造される公知化合物である。18位以降の
3個の炭素原子が1乃至3個欠如しているか、あるいは
20位以降に炭素数1乃至3個のアルキル鎖が付加され
た2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラク
トン体のω鎖末端に官能基が導入された化合物も前記し
た反応工程式と同様にして(ただし、化合物(13)か
ら化合物(14)を合成する工程で使用する式
【0026】
【化12】
【0027】で示されるホスホネート化合物の代わり
に、所望のアルキル鎖長を有するホスホネート化合物を
使用する必要がある。)製造するすることができる。適
当なキャリア−タン白としては、アルブミン、グロブリ
ン、サイログロブリン、ヘモシアニン、エデスチンなど
の天然タン白、およびポリリジンなどの合成ポリペプチ
ドが挙げられるが、好ましくは、アルブミンである。ω
鎖を修飾した2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
スピロラクトン体とキャリア−タン白を結合する反応は
公知であり、例えば、文献「酵素免疫測定法」、第2版
(1982年)、石川栄治ら編、医学書院発行、82頁
に詳しく記載されている。すなわち、適当な溶媒(例え
ば、リン酸緩衝液)中、ハプテンとなるPGとキャリア
−タン白を直接結合できる場合には、カルボジイミド
法、酸無水物法、マレイミド法など、好ましくはシクロ
ヘキシルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを縮合剤とし
て用いる方法、またハプテンPGとキャリア−タン白を
直接結合できない場合には、この分野で公知の架橋剤、
例えば1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン
を用いる方法を用いて行なわれる。反応後、目的物はカ
ラムクロマトグラフィーにかけて単離精製される。
【0028】(2) の免疫感作の工程は、初回免疫感作時
には、(1) で得られた、ハプテンPGとキャリア−タン
白との結合物を生理的食塩含有リン酸緩衝液(以下、P
BSと略記する。)中に溶解し、フロイントの完全アジ
ュバント(FCA)と1:1の割合で乳化させたものを
マウスに腹腔内投与する。さらに1〜2週間間隔で数
回、ハプテンPGとキャリア−タン白との結合物を含む
PBSをフロイントの不完全アジュバント(FICA)
と1:1の割合で乳化させたものを腹腔内投与し、1〜
2週間後、ハプテンPGとキャリア−タン白との結合物
を含むPBSを腹腔内投与することによって行なわれ
る。用いられるマウスの種類は、特に限定されないが、
好ましくはBALB/cである。感作の回数は特に限定
されないが、抗体価が十分上がるまで行なうのが望まし
い。抗原の投与量も特に限定されないが、1回につき1
00〜200μg(キャリア−タン白量として)を投与
すれば十分である。免疫感作の工程では、途中マウスの
血中抗体価を測定し、抗体価が十分に上昇していること
を確認するのが望ましい。血中抗体価の測定は、通常の
方法で行なわれる。すなわち、マウス血清の希釈液(例
えば、PBS希釈液)とハプテンとして用いたPGの標
識物とを反応させた後、抗体画分を分離し、標識物量を
定量することによって行なわれる。
【0029】(3) の細胞融合は、(2) で免疫感作したマ
ウスのうち、抗体価が十分に上昇してきたマウスの脾臓
を摘出し、常法に従って、脾細胞の懸濁液を調製し、次
に得られた脾細胞とマウスミエローマ細胞との混合物に
37℃でポリエチレングリコール(好ましくは、PEG
1000)を加えることによって行なわれる。マウスミエロ
ーマ細胞にはP3×63Ag8、P3/NS1/1−A
g4−1、SP−2/0−AG−14など数種類が知ら
れており、いずれも容易に入手可能である。ミエローマ
細胞はHAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリンお
よびチミジンを含む培地)では生存できないHGPRT
(ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トラン
スフェラーゼ)欠損細胞株が有用であり、さらにミエロ
ーマ細胞自身が抗体を分泌しない細胞株であることが望
ましい。好適にはSP−2/0−Ag−14が用いられ
る。次に、得られた細胞融合の混合物を、低細胞密度で
96マイクロウェルプレートに分注し、HAT培地で培
養する。1〜2週間の培養で未融合のミエローマ細胞、
ミエローマ細胞同志のハイブリドーマ、さらに未融合の
脾細胞、脾細胞同志のハイブリドーマは生存条件が満足
されないため死滅し、脾細胞とミエローマ細胞とのハイ
ブリドーマのみが増殖してくる。
【0030】(4) のスクリーニングは、ハイブリドーマ
培養上清と、ハプテンとして用いたPGの標識物とを反
応させた後、抗体画分を分離し、抗体画分中の標識物量
を定量することによって、2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1αに対する抗体を産生しているハイブリドーマ
か否かを判定する。(5) の工程は、抗体産生ハイブリド
ーマを軟寒天培養法[Monoclonal Antibodies, 372頁
(1980年)参照のこと]に従ってクローニングすること
によって行なわれる。この際、限界希釈法を用いること
も可能である。(6) の工程は、クローン化されたハイブ
リドーマを通常の培地で培養し、その培養上清から分離
精製することによって得られるが、より大量の抗体を効
率よく得るにはハイブリドーマをマウス腹腔内に投与
し、増殖させ、その腹水中より分離精製する方法が用い
られる。
【0031】(7) の工程は、通常の方法、例えば塩析、
イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎水性クロ
マトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーな
どにより精製できるが、より効果的にはプロテインA−
セファロースCL−4B(ファルマシア社製)を用いた
アフィニティークロマトグラフィーが用いられる。本発
明のモノクローナル抗体は、2,3−ジノル−6−ケト
−PGF1αを特異的に認識するので、2,3−ジノル
−6−ケト−PGF1αの精製、例えばアフィニティー
クロマトグラフィーなどに利用することができる(特開
平2-191544号明細書参照のこと)。しかし、本発明のモ
ノクローナル抗体の最大かつ重要な利用方法は、精度お
よび検出限界に優れた2,3−ジノル−6−ケト−PG
1αの免疫学的定量法への適用である。
【0032】2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
ような低分子の物質の免疫学的定量法としては競合法が
一般的である。競合法は、(i) 標識抗原と非標識抗原を
抗体に対して競合反応させ、次に(ii)抗体と結合した
(または結合していない)標識抗原を定量することによ
り、非標識抗原量を算出する方法である。抗体に結合し
た(または結合していない)標識抗原量を知るには、抗
体結合抗原と非結合抗原を分離しないで定量する方法
(ホモジニアス)もあるが、抗体結合抗原(Bound,、B
と略す。)と非結合抗原(free, Fと略す。)を分離し
て(B/F分離という。)測定する方法(ヘテロジニア
ス)が一般的である。標識抗原としては、2,3−ジノ
ル−6−ケト−PGF1αまたは2,3−ジノル−6−
ケト−PGF1αの類似化合物(すなわち、抗2,3−
ジノル−6−ケト−PGF1α抗体と交差反応をするも
の、例えば、ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケ
ト−PGF1α)の放射標識抗原あるいは酵素標識抗原
が用いられる。ここで用いられる酵素としては、一般に
酵素免疫測定に用いられる酵素であれば何でもよく、例
えばペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ア
ルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、グル
コース−6−リン酸脱水素酵素、アセチルコルンエステ
ラーゼ、アルコール脱水素酵素などが挙げられる。
【0033】B/F分離の方法も特に限定されることは
ない。放射標識抗原の場合には、ポリエチレングリコー
ルによる沈殿法、活性炭による吸着法などがよく用いら
れる。酵素標識抗原の場合には、第1抗体固相法、第2
抗体法などがある。第1抗体固相法は、(1) 固相化した
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対するモノク
ローナル抗体(第1抗体)に、2,3−ジノル−6−ケ
ト−PGF1αを含有するサンプル、および標識抗原を
添加して、競合反応させ、次に(2) 液相を除去した後、
固相に結合した標識物の活性を測定することによってサ
ンプル中の2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの量
を測定する方法である。第1抗体としては、本発明のモ
ノクローナル抗体、例えばMK−11E4が用いられ
る。免疫学的定量法に用いられる固相および固定化方法
はよく知られている[千畑一郎編、固定化酵素(1975
年、講談社発行)参照のこと]。例えば、固相として
は、ポリスチレンプレート、ポリスチレンビーズ、ナイ
ロンビーズ、ガラスビーズ、プロテインAアガローズビ
ーズ、プロテインGアガローズビーズ、ポリスチレンチ
ューブなどが挙げられる。固定化は、物理的吸着や共有
結合による不溶化法が用いられる。標識抗原の標識物と
しては一般に酵素が用いられるが、放射物質や蛍光物質
も使用できる。ここで用いられる酵素としては、一般に
酵素免疫測定に用いられる酵素であれば何でもよく、例
えば先に列挙した酵素が挙げられる。第1抗体とサンプ
ルおよび標識抗原との反応は、通常4℃、約10時間か
けて行なうのが望ましい。
【0034】(2) の標識物の活性の測定も公知の方法に
より行なわれる。例えば、ペルオキシダーゼで標識した
場合には、基質として3,3′,5,5′−テトラメチ
ルベンチジンを用いて過酸化水素と反応させ、反応生成
物の吸光度を測定することによって行なわれる。この場
合、基質として3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸やオルトフェニレンジアミン、ルミノールなどを
使用することもできる。これ以外の酵素で標識した場合
でも適当な基質を用いて行なわれる。第2抗体法には、
第1抗体と第2抗体の反応を液相で行なう方法と、第2
抗体固相法がある。特に、第2抗体固相法は、第2抗体
を固相化することによりB/F分離が容易となって有利
である。第2抗体固相法は、(1) マウスIgGに対する
抗体(第2抗体)を固相化し、(2) そこに、2,3−ジ
ノル−6−ケト−PGF1αを含むサンプル、標識抗原
および2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対する
モノクローナル抗体(第1抗体)を加え、反応させた
後、(3) 固相の標識を測定することによって行なわれ
る。
【0035】第2抗体は、マウスIgGに対する抗体で
あればポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でも
よく、また感作する動物種に制限はない。マウスIgG
に対するポリクローナル抗体は、マウス血清あるいはマ
ウスγ−グロブリンを一般的に知られた方法で別種の動
物(例えばラット、モルモット、ウサギ、ヤギなど)に
投与、感作して調製することができる[臨床検査、26
巻(7)、777頁(1982年)参照のこと]が、マ
ウスIgGに対するポリクローナル抗体のいくつかは市
販されている。その他、固相、固定化方法、標識抗原、
標識方法、第1抗体、標識物の活性測定方法、反応温度
と時間等は、第1抗体固相法に準じて任意に選択でき
る。また、上記以外の方法として、2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナル
抗体(第1抗体、本発明のモノクローナル抗体)に対
し、固相化した抗原とサンプル中の2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αを競合させた後、固相または液相の
第1抗原量を、予め第1抗体を標識しておくが、または
第1抗体と結合する標識された第2抗体を用いることな
どにより定量する方法もある。
【0036】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、2,3
−ジノル−6−ケト−PGF1αを特異的に認識し、か
つ他のPG類似化合物との交差反応率が極めて低い優れ
たモノクローナル抗体である。従って、本発明のモノク
ローナル抗体を用いることによって、測定感度が極めて
高く、特異性に優れた、再現性の高い2,3−ジノル−
6−ケト−PGF1αの免疫学的定量法が確立された。
【0037】
【より広範囲な開示】2,3−ジノル−6−ケト−PG
1αのスピロラクトン体のω鎖部分に反応性官能基を
導入し、この部分でキャリア−タン白とコンジュゲート
することは本発明にとって意義深い。なぜなら、この操
作によって、2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
特異的に認識するモノクローナル抗体が得られたと考え
られるからである。すなわち、α鎖(PG骨格中の上の
側鎖)にもともと存在するカルボキシル基をキャリア−
タン白とコンジュゲートしたものを抗原に用いると、得
られた抗体はα鎖の構造上の特徴を十分認識することが
困難となる。従って、2,3−ジノル−6−ケト−PG
1αに対する特異性が低く、6−ケト−PGF
1α(2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αよりα鎖
の炭素鎖が2個長い)との交差反応が大きくなることが
予想される。このことは、実際に6−ケト−PGF1α
のα鎖末端のカルボキシル基をキャリア−タン白とコン
ジュゲートして得られた抗体が2,3−ジノル−6−ケ
ト−PGF1αに対して高い交差率を示す(
【従来技術とその問題点】で記載した文献を参照のこ
と)ことからも十分推察される。
【0038】従って、ω鎖末端に反応性官能基を導入
し、キャリア−タン白とコンジュゲートすることによっ
て、α鎖の構造上の特徴を十分に認識する特異性の高い
モノクローナル抗体が得られたものと考えられる。この
ことは、他のPG代謝物のモノクローナル抗体の作製に
も応用できる理論である。とりわけ、α鎖の炭素鎖末端
の長さが異なる複数の代謝物を、それぞれ特異的に認識
するモノクローナル抗体を得る場合には極めて有効な手
法である。例えば、トロンボキサン(以下、TXと略記
する。)A2 の主要代謝物のひとつである、式
【0039】
【化13】 で示される2,3−ジノル−TXB2 の場合が挙げられ
る。すなわち、ω鎖末端に反応性官能基を導入した2,
3−ジノル−TXB2 をハプテンとしてキャリア−タン
白とコンジュゲートした化合物を抗原として用いると、
得られたモノクローナル抗体は、2,3−ジノル−TX
2 に対し特異性が高く、他の代謝物である式
【0040】
【化14】 で示されるTXB2 との交差反応はほとんど起こらない
のではないかと予想される。ω鎖末端に反応性官能基を
導入した2,3−ジノル−TXB2 を製造するために、
例えば次の反応工程式III およびIVが提示される。
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】前記した反応工程式中、9−BBNは9−
ボラビシクロ[3.3.1]ノナンを表わし、その他の
記号は前記と同じ意味を表わす。式(30−1)から
(30−6)で示されるハプテンは、前記した方法でキ
ャリア−タン白と結合することができる。得られたハプ
テンとキャリア−タン白の結合物は、アルカリ条件下の
加水分解(例えば、炭酸カリウムを用いた)に付し、α
鎖末端を、フリーのカルボン酸とした後、感作抗原とし
て用いられる。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものでは
ない。なお、実施例中、「TLC」、「MS」、「I
R」および「NMR」は、それぞれ「薄層クロマトグラ
フィー」、「質量分析」、「赤外吸収スペクトル」およ
び「核磁気共鳴スペクトル」を表わす。クロマトグラフ
ィーによる分離の箇所に記載されているカッコ内の溶媒
は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体
積比を表わす。また、AcOEtは酢酸エチルを表わ
し、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
【0050】実施例1 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対するモノク
ローナル抗体の作製 (1)ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−PGF
1αのスピロラクトン体の合成 (a) 式
【化22】 の合成
【0051】アルゴン雰囲気下、ジメチルホスホナート
(2.6 ml)のTHF溶液(48ml)に、n−ブチル
リチウムのn−ヘキサン溶液(2.2 M、14.7ml)を、
−78℃でかきまぜながらゆっくりと滴下し、滴下後4
0分間かきまぜた。次に、ε−カプロラクトン(1.11m
l)を同温度でゆっくりと滴下した後、1.4 時間かけて
−10℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム
水溶液を加え、エーテルで抽出した。さらに水層をクロ
ロホルムで抽出した。ふたつの抽出液を一緒にして乾燥
した後、減圧濃縮した。残留物を塩化メチレン(50m
l) に溶解し、p−トルエンスルホン酸(39mg)を
加え、アルゴン雰囲気下、室温でジヒドロピラン(1.37
ml) をゆっくり加え、20分間かきまぜた。トリエチ
ルアミン(60μl)を加えた後、減圧濃縮して、残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOE
t:メタノール=99.5:0.5 )で精製し、次の物性値を
有する標題化合物物(3.2 g)を得た。 TLC(AcOEt:メタノール=9:1):Rf 0.
52。
【0052】(b) 式
【化16】の合成
【0053】アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(2
84mg)のTHF懸濁液(30ml)に、(a) で得ら
れたホスホネート(2.55g)のTHF懸濁液(25m
l) を室温で滴下し、25分間かきまぜた後、2−オキ
サ−6β−ホルミル−7α−(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン(特開昭50-137961 号明細書、参考例1お
よび8記載の方法で製造した。1.82g)のTHF溶液
(12ml)を4℃で滴下し30分間かきまぜた。さら
に、30分間かきまぜて室温まで昇温した後、反応液に
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
した。抽出液を水洗し、乾燥後、減圧濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:A
cOEt=1:1)で精製し、次の物性値を有する標題
化合物(2.8 g)を得た。 TLC(AcOEt):Rf 0.61; MS:m/z 385、348、282、265、27
4。
【0054】(c) 式
【化24】 の合成
【0055】水素化リチウムアルミニウム(530m
g)のTHF溶液(33ml)に、アルゴン雰囲気下、
室温でエタノール(780μl)とTHF(6.5 ml)
の混合液を徐々に滴下し、15分間かきまぜた後、SB
N[(s)−(−)−ビナフトール](3.81g)のTH
F溶液(20ml)を加え、0℃で2時間激しくかきま
ぜた。次に、反応液に(b) で得られたケトン体(1.0
g)のTHF溶液(10ml)を−78℃で滴下した。
滴下後、メタノール(1.78ml)および1N−塩酸(1
4.2ml)を順次加え、室温まで昇温した。反応液をセ
ライトを通じてろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。
抽出液を水洗し、乾燥後減圧濃縮した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcO
Et=1:3)で精製し、2−オキサ−6β−(8−
(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−3α−ヒド
ロキシオクタ−トランス−1−エニル)−7α−(テト
ラヒドロピラン2−イルオキシ)−シス−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン(950mg)を得
た。
【0056】得られたビス(テトラヒドロピラン−2−
イルオキシ)体(950ml) をメタノール(22m
l) に溶解し、p−トルエンスルホン酸(12mg)を
加えて、アルゴン雰囲気下、室温で50分間かきまぜ
た。反応液にトリエチルアミン(0.2 ml)を加えて減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(AcOEt:エタノール=97:3)で精製し
て、次の物性値を有する2−オキサ−6β−(8,3α
−ジヒドロキシオクタ−トランス−1−エニル)−7α
−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−オン(567mg)を得た。
【0057】TLC(AcOEt:メタノール=19:
1):Rf 0.11。 次に得られたトリヒドロキシ体(567mg)を塩化メ
チレン(3.8 ml) に溶解し、ピリジン(1ml) を加
えて、さらにアルゴン雰囲気下、0℃でt−ブチルジメ
チルシリルクロライド(460mg) を加えて1時間か
き混ぜた。反応液を水で希釈し、10分間かきまぜた
後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸銅水溶液、水
および飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:AcOEt=1:2)で精製して、次の物
性値を有する標題化合物(628mg) を得た。 TLC(AcOEt:メタノール=95:5):Rf
0.69。
【0058】(d) 式
【化25】 の合成
【0059】アルゴン雰囲気下、(c) で得られたジヒド
ロキシ体(363mg) 、p−トルエンスルホン酸一水
和物(4mg) および塩化メチレン(10ml)の混合
物に、室温でジヒドロピラン(100μl)を滴下し、
同温度で10分間かきまぜた。反応液にトリエチルアミ
ン(0.5 ml) を加え、減圧濃縮した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcO
Et=4:1)で精製して、次の物性値を有する標題化
合物(488mg)を得た。 TLC(n−ヘキサン:AcOEt=2:1):Rf
0.36。
【0060】(e) 式
【化26】 の合成
【0061】アルゴン雰囲気下、乾燥トルエン(26m
l) とジイソプロピルアミン(743μl)の混合液
に、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5 M、
3.25ml)を室温で滴下し、−78℃まで冷却した。こ
こへ(d) で得られたラクトン体(1.20g)の乾燥トルエ
ン溶液(5.6 ml)を滴下し、45分間かきまぜた。得
られた混合物に、3−メトキシカルボニルプロピオニル
クロライド(350μl)の乾燥トルエン溶液(3.8 m
l) を10分間かけて徐々に加えた後、40分間かきま
ぜた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢
酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順
次洗浄し、乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcOEt
=3:1)で精製して、次の物性値を有する標題化合物
(1.18g)を得た。 TLC(n−ヘキサン:AcOEt=3:2):Rf
0.49。
【0062】(f) 式
【化27】 の合成
【0063】(e) で得られたジケトン体(155mg)
、エチレングリコールジメチルエーテル(2.5 ml)
および1M 水酸化リチウム水溶液(1.2 ml) の混合
液を室温で30分間かきまぜた後、2N 水酸化ナトリ
ウム水溶液(0.2 ml) を加えて、80℃で6.5 時間か
きまぜた。反応液を氷水で冷却し、飽和塩化アンモニウ
ム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を1N
塩酸で洗浄し、乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:Ac
OEt=1:3)で精製して、次の物性値を有する標題
化合物(79mg)を得た。 TLC(AcOEt:酢酸=99:1):Rf 0.27。
【0064】(g) 式
【化28】 の合成
【0065】アルゴン雰囲気下、オキザリルクロライド
(14μl)の塩化メチレン溶液1ml) を−78℃まで
冷却し、ここへジメチルスルホキシド(23μl)の塩
化メチレン溶液(0.5 ml) を滴下し、10分間かきま
ぜた。さらに、(f) で得られたアルコール体(50m
g) の塩化メチレン溶液(1ml) を徐々に加えた後、
20分間かきまぜた。反応液にトリエチルアミン(75
μl)を加えた後、45分間かけて−50℃まで昇温
し、次に水(2ml) を加え、10分間かけて室温まで
昇温した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水お
よび飽和塩化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥
後、減圧濃縮して、2−オキサ−6β−(7−ホルミル
−3α−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ヘプ
タ−トランス−1−エニル)−7α−(テトラヒドロピ
ラン−2−イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−スピロ−2′−オキソラン−5′−
オンの粗生成物(約49mg)を得た。
【0066】得られたホルミル体(約49mg)をアセ
トン(1.1 ml) に溶かし、−30℃で2.7 M ジョー
ンズ(Jone′s)試薬(0.17ml) を滴下し、15
分間かきまぜた後、イソプロパノール(0.1 ml) を加
えて、さらに10分間かきまぜた。反応液に水(1m
l)を加えてジエチルエーテルと酢酸エチル(2:1)
の混合液で抽出し、抽出液を水洗し、乾燥後、減圧濃縮
して、2−オキサ−6β−(7−カルボキシ−3α−
(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ヘプタ−トラ
ンス−1−エニル)−7α−(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−スピロ−2′−オキソラン−5′−オンの粗生
成物を得た。
【0067】得られたカルボキシ体を少量のテトラヒド
ロフランに溶かし、65%酢酸(1.5 ml) を加え、4
5℃で1.5 時間かきまぜた後、減圧濃縮した。残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:エ
タノール=99:1)で精製して、次の物性値を有する
標題化合物(20mg)を得た。 TLC(AcOEt:メタノール:酢酸=90:10:
1):Rf 0.46; NMR:δ 5.70〜5.40(2H,m)、4.70〜4.57(1H,m)、4.
18〜4.00(1H,m)、4.00〜3.60(1H,m)、2.90〜1.20(18H,
m) ; IR(液膜法):ν 3351、2931、2284、1757、1027、
1088、 895cm-1; MS:m/z 355、338、307、289、24
6、185、154、138。
【0068】(2)感作抗原の調製 (1)で合成したω−カルボキシ−2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αのスピロラクトン体(300μg)
のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(100μl)
に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩(900μg)の水溶液(50μ
l)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(600μg)の
水溶液(50μl)を加えて、30℃で2時間かきまぜ
た後、水(1.8 ml)を加えた。反応混合物を酢酸エチ
ルで抽出し、抽出液を濃縮乾固した。得られた固体を、
ウシ血清アルブミン(以下、BSAと略記する。3m
g)を含む50mMリン酸緩衝液(以下、PBと略記す
る。pH7.4 、200μl)に加え、4℃で一晩反応さ
せた。反応液をN,N−ジメチルホルムアミドと10m
M−PB(2:3)の混合液で透析し、さらに10mM
PBで透析し、目的とする感作抗原を得た。
【0069】(3)マウスの感作 (2)で調製した感作抗原(BSA量として100μ
g)を含む10mM PB(pH7.4 、80μl)と0.
75M 塩化ナトリウム水溶液(20μl)とFCA(1
00μl)からなるエマルジョンを8週令のBALB/
c雌性マウスに腹腔内投与した。以後約10日の間隔
で、前回と同様に調製した、感作抗原を含むPB溶液
(80μl)と0.75M 塩化ナトリウム水溶液(20μ
l)とFICA(100μl)からなるエマルジョンを
7回腹腔内投与した。さらに、7回目の感作から10日
後、感作抗原(BSA量として300μg)を含む10
mM PB(pH7.4 、120μl)と0.75M 塩化ナ
トリウム水溶液(30μl)の混合液を腹腔内投与し
た。なお、感作抗原とFICAによる感作のうち、3回
目、5回目、6回目、7回目の感作の後に、血中抗体価
を測定した。方法は以下のとおりである。
【0070】マウスより採血し、血清をPBSで100
倍に希釈し、希釈液(100μl)に対して、水(40
0μl)、0.5 %γ−グロブリン(80μl)、飽和硫
安(580μl)を加え、遠心分離した。沈殿物を0.1
M PB(200μl)に溶かし、ω−カルボキシ−
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの[ 3H]−ω
−メチルエステル(ω−カルボキシ−2,3−ジノル−
6−ケト−PGF1αをMoonenらの方法[Prostaglandi
ns, 29,443(1985)参照のこと]に従って[ 3H]−CH
3 Iと反応させることにより製造した。比放射能は 3.1
×106 MBq/mmolであった。)300Bqを含
む0.1 M PB(100μl)を加え、4℃で一晩反応
させた後、0.5 %ウシγ−グロブリンを含む0.1 M P
B(200μl)を加え、さらに30%ポリエチレング
リコール6000(登録商標、和光純薬製、600μl)を
加えて遠心分離した後、沈殿物の放射活性を測定した。
7回目の感作の後の血中抗体価が有意に上昇していたの
で、ここで感作抗原とFICAによる感作を打ち切っ
た。
【0071】(4)細胞融合 最終免疫から3日後に、感作マウスから脾臓を摘出し脾
細胞を調製した。得られた脾細胞とマウス骨髄腫細胞S
P−2/0−Ag14[Nature, 276, 269(1978)記載の
方法により調製した。]を5:1の割合で混合し、ポリ
エチレングリコール[PEG1000(登録商標)、和光純
薬製]を50%の濃度で加えて、Godingの方法[J. Imm
unol, Methods, 39, 285 1989)参照のこと]に準じて細
胞融合を行なった。融合操作後の細胞混合物を、20%
ウシ胎児血清(FBS)、10%NCTC109培地
(登録商標、MAバイオプロダクト社製)、ヒポキサン
チン(13.6μg/ml)、チミジン(3.9 μg/ml)
およびグリシン(2.0 μg/ml) を含有するダルベッ
コ変法イーグル培地(以下、DMEと略記する。)(4.
5 g/lグルコース含有タイプ、ギブコ社製)に浮遊さ
せ、37℃、7%CO2 含有大気下で培養した。培養後
2、4および7日目に、培地の半量をHAT培地(アミ
ノプテリン0.18μg/mlを含有する上記イーグル培
地)に変換し培養を続けた。培養10日目ごろより、い
くつかのウェルではブドウの房状のコロニーが形成さ
れ、最終的に1215ウェルにおいてハイブリドーマの増殖
が認められた。
【0072】(5)モノクローナル抗体産生株のスクリ
ーニング ハイブリドーマ培養上清(100μl)と、ω−カルボ
キシ−2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
3H]−ω−メチルエステル300Bqを含む0.1M
PB(200μl)を4℃で10時間反応させた。反
応液に0.5 %ウシγ−グロブリンを含む0.1 M PB
(200μl)加え、さらに30%ポリエチレングリコ
ール6000(600μl)を加えて遠心分離し、沈殿物の
放射活性を測定した。有意に放射活性の上昇している培
養上清をもって、2,3−ジノル−6−ケト−PGF
1αに対するモノクローナル抗体を産生しているウェル
であると判定した。
【0073】(6)抗体産生ハイブリドーマ細胞の培養 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対する抗体を
産生していると判定された細胞をKennett の方法[Mono
clonal Antibodies, 372頁(1989)参照のこと]に従っ
て、軟寒天培養法でクローニングした。クローン化した
細胞株をMK−11E4株と命名した。クローン化した
株細胞107 個を予めプリスタン処理しておいたBAL
B/c雌性マウスの腹腔内に移植した。約2週間後、腹
水が大量に蓄積された時点で腹水を採取した。得られた
採水を50%飽和硫安で分画した後、プロテインA−セ
ファロースCL4Bカラム(ファルマシア社製)を用い
たアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製して
IgG画分を得た。なお、本発明のモノクローナル抗
体、MK−11E4を産生するハイブリドーマ、MK−
11E4株は、微生物工業技術研究所に寄託番号微工研
条寄第3481号(FERM BP−4381)で1991年7
月10日に寄託されている。
【0074】実施例2 本発明のモノクローナル抗体の諸性質 (1)イムノグロブリンサブクラス 実施例1で作製したモノクローナル抗体、MK−11E
4について、マウスMono Ab−ID EIAキッ
ト(Zymed 社製)を用いてサブクラスをスクリーニング
した。その結果、MK−11E4は、マウスIgG2b
κであった。
【0075】(2)種々のPG類似体との交差 ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケト−PGF
1αの[ 3H]−ω−メチルエステル300Bgを含む
0.1 M PB(pH7.3 、100μl)、本発明のモノ
クローナル抗体MK−11E4(100ng) 、ニワトリ
卵アルブミン(0.1 mg)を含む0.1 M PB(pH7.
3 、100μl)に下表に示すPG類似体の標準液[0.
1 M PB(pH7.3 )溶液、100μl)を加え、4
℃で一晩反応させた。反応液に、0.5 %ウシγ−アルブ
ミンを含む0.1 M PB(200μl)および30%ポ
リエチレングリコール6000(600μl)を加えて遠心
分離した後、沈殿物の放射活性を測定した。結果を次の
表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】1)はPGF2αの主要血漿代謝物である式
【化29】 で示される13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGF
2αを表わし、
【0078】2)はPGF2αの主要尿代謝物である式
【化30】 で示される9α,11α−ジヒドロキシ−15−ケト−
2,3,4,5−テトラノルプロスタン−1,20−ジ
オイックアシッドを表わし、
【0079】3)はPGE2 の主要血漿代謝物である式
【化31】 で示せされる13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG
2 を表わす。
【0080】表1より、本発明のモノクローナル抗体
は、低濃度の2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
特異的に結合し、他のPG類似化合物との交差率は1%
以下と非常に低いものであることが理解される。
【0081】実施例3 本発明のモノクローナル抗体、MK−11E4を用いた
免疫学的定量法 (1)ペルオキシダーゼで標識されたω−カルボキシ−
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクト
ン体の調製 実施例1(2)と同様にして、ω−カルボキシ−2,3
−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体と
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩とN−ヒドロキシコハク酸イミドを用
いて、ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケト−P
GF1αのスピロラクトン体のコハク酸イミドエステル
を調製した。コハク酸イミドエステル体(25μg)
に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(東洋紡製、0.5 m
g)を含むPBS(250ml) を加え、4℃で一晩反
応させた後、反応物を1,4−ジオキサンとPBS
(1:1)の混合液で透析し、さらにPBSで透析し
て、目的とする標識抗原を得た。
【0082】(2)2,3−ジノル−6−ケト−PGF
1αの免疫学的定量試薬の調製 (a) 抗体溶液 本発明のモノクローナル抗体(MK−11E4、実施例
1で調製した。)をPBSで1μg/150μlになる
ように調製したもの。 (b) 標識抗原溶液 実施例3(1)で調製したペルオキシダーゼ標識抗原
を、0.1 %ニワトリ卵アルブミンを含むPBSで20n
g/ml(ペルオキシダーゼタン白として)となるよう
に調製したもの。 (c) 標準溶液 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αをPBSで、1
μg/ml、100ng/ml、20ng/ml、4n
g/ml、800pg/ml、160pg/ml、16
pg/mlおよび1.6 pg/mlとなるように調製した
もの。
【0083】(d) 洗浄液 0.1 %ニワトリ卵アルブミンを含むPBS。 (e) ブロッキング剤 0.5 %BSAを含むPBS。 (f) 基質溶液1 ジメチルスルホキシド 40μl 蒸留水 460μl 20mM 3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジン を含む0.1 M クエン酸溶液 20μl マックイルバイン(McIlvaine )緩衝液(pH4.5 ) 380μl を混合したもの(上記の量は1回分)。 (g) 基質溶液2 10mM 過酸化水素溶液。 (h) 反応停止液 1N 硫酸溶液。
【0084】(3)(2)で調製した試薬を用いた2,
3−ジノル−6−ケト−PGF1αの測定 1) ポリスチレンチューブ(ファルコン社製)に抗体溶
液150μlを加え、37℃で1時間放置した。 2) ポリスチレンチューブ内の抗体溶液を除き、洗浄液
1mlで洗浄した。 3) ブロッキング液1.5 mlを加え、37℃で30分間
放置した。 4) ブロッキング液を除去した後洗浄した。 5) 標準溶液(またはサンプル)100μlを加えた
後、標識抗原溶液100μlを加え、4℃で一晩放置し
た。 6) チューブ内の溶液を除去した後、洗浄液で2回洗浄
した。 7) 基質溶液1 900μlおよび基質溶液2 100
μlを加えて、25℃で1時間反応させた。 8) 反応停止液を200μl加え、反応を停止させた。 9) 450nmでの吸光度を測定した。 標準2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの測定値を
プロットした標準検量線を図1に示す。図1から明らか
なように、本定量法では、3〜560pg/testの範囲
の2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αが測定可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモノクローナル抗体、MK−11E4
を用いた2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの免疫
学的定量法における検量線である。
【化23】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の構成】本発明は、2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1αを特異的に認識するモノクローナル抗体に関
する。本発明には、本発明の実施例で得られたモノクロ
ーナル抗体の抗原結合部位以外の抗原結合部位を有する
モノクローナル抗体も含まれる。また、免疫グロブリン
のクラスおよびサブクラスも特に限定されるものではな
いが、好ましくはIgGまたはIgMクラスであり、特
に好ましくはIgGクラスである。本発明に含まれるモ
ノクローナル抗体の具体的な例としては、MH−11E
が挙げられるが、本発明はこのモノクローナル抗体の
みに限定されるものではない。本発明のモノクローナル
抗体は、2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特異
的に認識する。すなわち、2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1α以外のPG類似化合物とはほとんど交差しな
い点に特徴を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 本発明のモノクローナル抗体のうち、好
ましいものはPGF2α、PGF1α、6−ケト−PG
1α、PGF2α−MPMおよびPGF2α−MUM
との交差率が1.0 %以下のものである。例えば、本発明
のモノクローナル抗体のうちのひとつ、MH−11E4
のPGF2α、PGF1α、6−ケト−PGF1α、P
GF2α−MPMおよびPGF2α−MUMとの交差率
は、それぞれ0.1 %、0.6 %、0.42%、0.015 %以下お
よび0.015 %以下である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 特許請求の範囲を含む本明細書において
は、式(3b)の化合物を2,3−ジノル−6−ケト−
PGF1αのスピロラクトン体、また式(3a)化合物
を2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αのヘミアセタ
ール体と命名することとする。さらに、2,3−ジノル
−6−ケト−PGF1αという用語を特に制限すること
なく用いた場合には、相当するスピロラクトン体および
相当するヘミアセタール体をも含んでいるものとする。
また、2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの20位
のメチル基を他の官能基に置き換えた化合物はω−置換
−2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αとして命名す
ることとする。例えば、式
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】 本発明のモノクローナル抗体は、(1) ω
鎖(PG骨格中の下の側鎖)を修飾した2,3−ジノル
−6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体をキャリア
−タン白にコンジュゲートし、(2) 得られたPG−タン
白結合物を免疫抗原として、マウスを感作し、(3) 感作
マウスの脾細胞とマウスミエローマ細胞を細胞融合し、
(4) 得られたハイブリドーマより、2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αに対するモノクローナル抗体を産生
する細胞をスクリーニングし、(5) 目的とする抗体産生
ハイブリドーマをクロ−ニングし、(6) クローン化され
た抗体産生ハイブリドーマを増殖させ、(7) 産生された
抗体を分離精製することによって調製することができ
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 ω鎖を修飾した2,3−ジノル−6−ケ
ト−PGF 1α のスピロラクトン体は、公知のPG合成
法に従って容易に製造することができる。代表的な合成
スキームを以下の反応工程式Iに示す。さらに、反応工
程式I中、出発物質として用いられる式(9)の化合物
の代表的な合成スキームを反応工程式IIに示す
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
のような低分子の物質の免疫学的定量法としては競合法
が一般的である。競合法は、(i) 標識抗原と非標識抗原
を抗体に対して競合反応させ、次に(ii)抗体と結合した
(または結合していない)標識抗原を定量することによ
り、非標識抗原量を算出する方法である。抗体に結合し
た(または結合していない)標識抗原量を知るには、抗
体結合抗原と非結合抗原を分離しないで定量する方法
(ホモジニアス)もあるが、抗体結合抗原( Bound, B
と略す。)と非結合抗原(free, Fと略す。)を分離し
て(B/F分離という。)測定する方法(ヘテロジニア
ス)が一般的である。標識抗原としては、2,3−ジノ
ル−6−ケト−PGF 1α または2,3−ジノル−6−
ケト−PGF1αの類似化合物(すなわち、抗2,3−
ジノル−6−ケト−PGF1α抗体と交差反応をするも
の、例えば、ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケ
ト−PGF1α)の放射標識抗原あるいは酵素標識抗原
が用いられる。ここで用いられる酵素としては、一般に
酵素免疫測定に用いられる酵素であれば何でもよく、例
えばペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ア
ルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、グル
コース−6−リン酸脱水素酵素、アセチルコルンエステ
ラーゼ、アルコール脱水素酵素などが挙げられる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】 B/F分離の方法も特に限定されること
はない。放射標識抗原の場合には、ポリエチレングリコ
ールによる沈殿法、活性炭による吸着法などがよく用い
られる。酵素標識抗原の場合には、第1抗体固相法、第
2抗体法などがある。第1抗体固相法は、(1) 固相化し
た2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対するモノ
クローナル抗体(第1抗体)に、2,3−ジノル−6−
ケト−PGF1αを含有するサンプル、および標識抗原
を添加して、競合反応させ、次に(2) 液相を除去した
後、固相に結合した標識物の活性を測定することによっ
てサンプル中の2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
の量を測定する方法である。第1抗体としては、本発明
のモノクローナル抗体、例えばMH−11E4が用いら
れる。免疫学的定量法に用いられる固相および固定化方
法はよく知られている[千畑一郎編、固定化酵素(1975
年、講談社発行)参照のこと]。例えば、固相として
は、ポリスチレンプレート、ポリスチレンビーズ、ナイ
ロンビーズ、ガラスビーズ、プロテインAアガロース
ーズ、プロテインGアガロースビーズ、ポリスチレンチ
ューブなどが挙げられる。固定化は、物理的吸着や共有
結合による不溶化法が用いられる。標識抗原の標識物と
しては一般に酵素が用いられるが、放射物質や蛍光物質
も使用できる。ここで用いられる酵素としては、一般に
酵素免疫測定に用いられる酵素であれば何でもよく、例
えば先に列挙した酵素が挙げられる。第1抗体とサンプ
ルおよび標識抗原との反応は、通常4℃、約10時間か
けて行なうのが望ましい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】 (2) の標識物の活性の測定も公知の方法
により行なわれる。例えば、ペルオキシダーゼで標識し
た場合には、基質として3,3′,5,5′−テトラメ
チルベンチジンを用いて過酸化水素と反応させ、反応生
成物の吸光度を測定することによって行なわれる。この
場合、基質として3−(4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオン酸やオルトフェニレンジアミン、ルミノールなど
を使用することもできる。これ以外の酵素で標識した場
合でも適当な基質を用いて行なわれる。第2抗体法に
は、第1抗体と第2抗体の反応を液相で行なう方法と、
第2抗体固相法がある。特に、第2抗体固相法は、第2
抗体を固相化することによりB/F分離が容易となって
有利である。第2抗体固相法は、(1) マウスIgGに対
する抗体(第2抗体)を固相化し、(2) そこに、2,3
−ジノル−6−ケト−PGF1αを含むサンプル、標識
抗原および2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対
するモノクローナル抗体(第1抗体)を加え、反応させ
た後、(3) 固相の標識物を測定することによって行なわ
れる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 第2抗体は、マウスIgGに対する抗体
であればポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体で
もよく、また感作する動物種に制限はない。マウスIg
Gに対するポリクローナル抗体は、マウス血清あるいは
マウスγ−グロブリンを一般的に知られた方法で別種の
動物(例えばラット、モルモット、ウサギ、ヤギなど)
に投与、感作して調製することができる[臨床検査、2
6巻(7)、777頁(1982年)参照のこと]が、
マウスIgGに対するポリクローナル抗体のいくつかは
市販されている。その他、固相、固定化方法、標識抗
原、標識方法、第1抗体、標識物の活性測定方法、反応
温度と時間等は、第1抗体固相法に準じて任意に選択で
きる。また、上記以外の方法として、2,3−ジノル−
6−ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナ
ル抗体(第1抗体、本発明のモノクローナル抗体)に対
し、固相化した抗原とサンプル中の2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αを競合させた後、固相または液相の
第1抗体量を、予め第1抗体を標識しておくか、または
第1抗体と結合する標識された第2抗体を用いることな
どにより定量する方法もある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】 前記した反応工程式中、9−BBNは9
−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンを表わし、その他
の記号は前記と同じ意味を表わす。式(30−1)から
30−7)で示されるハプテンは、前記した方法でキ
ャリア−タン白と結合することができる。得られたハプ
テンとキャリア−タン白の結合物は、アルカリ条件下の
加水分解(例えば、炭酸カリウムを用いた)に付し、α
鎖末端を、フリーのカルボン酸とした後、感作抗原とし
て用いられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】 実施例1 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対するモノク
ローナル抗体の作製(1)ω−カルボキシ−2,3−ジ
ノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体の合成 (a) 式
【化22】 の合成
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】 アルゴン雰囲気下、ジメチルメチルホス
ホナート(2.6 ml)のTHF溶液(48ml)に、n
−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(2.2 M、14.7m
l)を、−78℃でかきまぜながらゆっくりと滴下し、
滴下後40分間かきまぜた。次に、ε−カプロラクトン
(1.11ml)を同温度でゆっくりと滴下した後、1.4 時
間かけて−10℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アン
モニウム水溶液を加え、エーテルで抽出した。さらに水
層をクロロホルムで抽出した。ふたつの抽出液を一緒に
して乾燥した後、減圧濃縮した。残留物を塩化メチレン
(50ml) に溶解し、p−トルエンスルホン酸(39
mg)を加え、アルゴン雰囲気下、室温でジヒドロピラ
ン(1.37ml) をゆっくり加え、20分間かきまぜた。
トリエチルアミン(60μl)を加えた後、減圧濃縮し
て、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(A
cOEt:メタノール=99.5:0.5 )で精製し、次の物
性値を有する標題化合物物(3.2 g)を得た。 TLC(AcOEt:メタノール=9:1):Rf 0.
52。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】 アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム
(284mg)のTHF懸濁液(30ml)に、(a) で
得られたホスホネート(2.55g)のTHF溶液(25m
l) を室温で滴下し、25分間かきまぜた後、2−オキ
サ−6β−ホルミル−7α−(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン(特開昭50-137961 号明細書、参考例1お
よび8記載の方法で製造した。1.82g)のTHF溶液
(12ml)を4℃で滴下し30分間かきまぜた。さら
に、30分間かきまぜて室温まで昇温した後、反応液に
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
した。抽出液を水洗し、乾燥後、減圧濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:A
cOEt=1:1)で精製し、次の物性値を有する標題
化合物(2.8 g)を得た。 TLC(AcOEt):Rf 0.61; MS:m/z 385、348、282、265、27
4。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】 水素化リチウムアルミニウム(530m
g)のTHF溶液(33ml)に、アルゴン雰囲気下、
室温でエタノール(780μl)とTHF(6.5ml)
の混合液を徐々に滴下し、15分間かきまぜた後、SB
N[(s)−(−)−ビナフトール](3.81g)のTH
F溶液(20ml)を加え、0℃で2時間激しくかきま
ぜた。次に、反応液に(b) で得られたケトン体(1.0
g)のTHF溶液(10ml)を−78℃で滴下した。
滴下後、メタノール(1.78ml)および1N 塩酸(1
4.2ml)を順次加え、室温まで昇温した。反応液をセ
ライトを通じてろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。
抽出液を水洗し、乾燥後減圧濃縮した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcO
Et=1:3)で精製し、2−オキサ−6β−(8−
(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−3α−ヒド
ロキシオクタ−トランス−1−エニル)−7α−(テト
ラヒドロピラン2−イルオキシ)−シス−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン(950mg)を得
た。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】 得られたビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)体(950mg) をメタノール(22m
l) に溶解し、p−トルエンスルホン酸(12mg)を
加えて、アルゴン雰囲気下、室温で50分間かきまぜ
た。反応液にトリエチルアミン(0.2 ml)を加えて減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(AcOEt:エタノール=97:3)で精製し
て、次の物性値を有する2−オキサ−6β−(8,3α
−ジヒドロキシオクタ−トランス−1−エニル)−7α
−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−オン(567mg)を得た。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】 アルゴン雰囲気下、オキザリルクロライ
ド(14μl)の塩化メチレン溶液(1ml)を−78℃
まで冷却し、ここへジメチルスルホキシド(23μl)
の塩化メチレン溶液(0.5 ml) を滴下し、10分間か
きまぜた。さらに、(f) で得られたアルコール体(50
mg) の塩化メチレン溶液(1ml) を徐々に加えた
後、20分間かきまぜた。反応液にトリエチルアミン
(75μl)を加えた後、45分間かけて−50℃まで
昇温し、次に水(2ml) を加え、10分間かけて室温
まで昇温した。反応液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を
水および飽和塩化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾
燥後、減圧濃縮して、2−オキサ−6β−(7−ホルミ
ル−3α−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ヘ
プタ−トランス−1−エニル)−7α−(テトラヒドロ
ピラン−2−イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−スピロ−2′−オキソラン−5′−
オンの粗生成物(約49mg)を得た。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】 (2)感作抗原の調製 (1)で合成したω−カルボキシ−2,3−ジノル−6
−ケト−PGF1αのスピロラクトン体(300μg)
のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(100μl)
に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩(900μg)の水溶液(50μ
l)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(600μg)の
水溶液(50μl)を加えて、30℃で2時間かきまぜ
た後、水(1.8 ml)を加えた。反応混合物を酢酸エチ
ルで抽出し、抽出液を濃縮乾固した。得られた固体を、
ウシ血清アルブミン(以下、BSAと略記する。3m
g)を含む50mMリン酸緩衝液(以下、PBと略記す
る。pH7.4 、200μl)に加え、4℃で一晩反応さ
せた。反応液をN,N−ジメチルホルムアミドと10m
M PB(2:3)の混合液で透析し、さらに10mM
PBで透析し、目的とする感作抗原を得た。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】 (4)細胞融合 最終免疫から3日後に、感作マウスから脾臓を摘出し脾
細胞を調製した。得られた脾細胞とマウス骨髄腫細胞S
P−2/0−Ag14[Nature, 276, 269(1978)記載の
方法により調製した。]を5:1の割合で混合し、ポリ
エチレングリコール[PEG1000(登録商標)、和光純
薬製]を50%の濃度で加えて、Godingの方法[J. Imm
unol, Methods, 39, 285 1980)参照のこと]に準じて細
胞融合を行なった。融合操作後の細胞混合物を、20%
ウシ胎児血清(FBS)、10%NCTC109培地
(登録商標、MAバイオプロダクト社製)、ヒポキサン
チン(13.6μg/ml)、チミジン(3.9 μg/ml)
およびグリシン(2.0 μg/ml) を含有するダルベッ
コ変法イーグル培地(以下、DMEと略記する。)(4.
5 g/lグルコース含有タイプ、ギブコ社製)に浮遊さ
せ、37℃、7%CO2 含有大気下で培養した。培養後
2、4および7日目に、培地の半量をHAT培地(アミ
ノプテリン0.18μg/mlを含有する上記イーグル培
地)に変換し培養を続けた。培養10日目ごろより、い
くつかのウェルではブドウの房状のコロニーが形成さ
れ、最終的に1215ウェルにおいてハイブリドーマの増殖
が認められた。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】 (6)抗体産生ハイブリドーマ細胞の培
養 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αに対する抗体を
産生していると判定された細胞をKennett の方法[Mono
clonal Antibodies, 372頁(1980)参照のこと]に従っ
て、軟寒天培養法でクローニングした。クローン化した
細胞株をMH−11E4株と命名した。クローン化した
株細胞107 個を予めプリスタン処理しておいたBAL
B/c雌性マウスの腹腔内に移植した。約2週間後、腹
水が大量に蓄積された時点で腹水を採取した。得られた
採水を50%飽和硫安で分画した後、プロテインA−セ
ファロースCL4Bカラム(ファルマシア社製)を用い
たアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製して
IgG画分を得た。なお、本発明のモノクローナル抗
体、MH−11E4を産生するハイブリドーマ、MH−
11E4株は、微生物工業技術研究所に寄託番号微工研
条寄第3481号(FERM BP−3481)で1991年7
月10日に寄託されている。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】 実施例2 本発明のモノクローナル抗体の諸性質 (1)イムノグロブリンサブクラス 実施例1で作製したモノクローナル抗体、MH−11E
について、マウスMono Ab−ID EIAキッ
ト(Zymed 社製)を用いてサブクラスをスクリーニング
した。その結果、MH−11E4は、マウスIgG2b
κであった。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】 (2)種々のPG類似体との交差 ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケト−PGF
1αの[ 3H]−ω−メチルエステル300Bgを含む
0.1 M PB(pH7.3 、100μl)、本発明のモノ
クローナル抗体MH−11E4(100ng) およびニワ
トリ卵アルブミン(0.1 mg)を含む0.1 M PB(p
H7.3 、100μl)に下表に示すPG類似体の標準液
[0.1 M PB(pH7.3 )溶液、100μl)を加
え、4℃で一晩反応させた。反応液に、0.5 %ウシγ−
グロブリンを含む0.1 M PB(200μl)および3
0%ポリエチレングリコール6000(600μl)を加え
て遠心分離した後、沈殿物の放射活性を測定した。結果
を次の表1に示す。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】 実施例3 本発明のモノクローナル抗体、MH−11E4を用いた
免疫学的定量法 (1)ペルオキシダーゼで標識されたω−カルボキシ−
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクト
ン体の調製 実施例1(2)と同様にして、ω−カルボキシ−2,3
−ジノル−6−ケト−PGF1αのスピロラクトン体と
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩とN−ヒドロキシコハク酸イミドを用
いて、ω−カルボキシ−2,3−ジノル−6−ケト−P
GF1αのスピロラクトン体のコハク酸イミドエステル
を調製した。コハク酸イミドエステル体(25μg)
に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(東洋紡製、0.5 m
g)を含むPBS(250μl) を加え、4℃で一晩反
応させた後、反応物を1,4−ジオキサンとPBS
(1:1)の混合液で透析し、さらにPBSで透析し
て、目的とする標識抗原を得た。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】 (2)2,3−ジノル−6−ケト−PG
1αの免疫学的定量試薬の調製 (a) 抗体溶液 本発明のモノクローナル抗体(MH−11E4、実施例
1で調製した。)をPBSで1μgIgG/150μl
になるように調製したもの。 (b) 標識抗原溶液 実施例3(1)で調製したペルオキシダーゼ標識抗原
を、0.1 %ニワトリ卵アルブミンを含むPBSで20n
g/ml(ペルオキシダーゼタン白として)となるよう
に調製したもの。 (c) 標準溶液 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αをPBSで、1
μg/ml、100ng/ml、20ng/ml、4n
g/ml、800pg/ml、160pg/ml、16
pg/mlおよび1.6 pg/mlとなるように調製した
もの。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】 (d) 洗浄液 0.1 %ニワトリ卵アルブミンを含むPBS。 (e) ブロッキング剤 0.5 %BSAを含むPBS。 (f) 基質溶液1 ジメチルスルホキシド 40μl 蒸留水 460μl 20mM 3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジン を含む0.1 M クエン酸溶液 20μl マックイルバイン(McIlvaine )緩衝液(pH4.5 ) 380μl を混合したもの(上記の量は1回分)。 (g) 基質溶液214 mM 過酸化水素溶液。 (h) 反応停止液 1N 硫酸溶液。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】 (3)(2)で調製した試薬を用いた
2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの測定 1) ポリスチレンチューブ(ファルコン社製)に抗体溶
液150μlを加え、37℃で1時間放置した。 2) ポリスチレンチューブ内の抗体溶液を除き、洗浄液
1mlで洗浄した。 3) ブロッキング液1.5 mlを加え、37℃で30分間
放置した。 4) ブロッキング液を除去した後洗浄した。 5) 標準溶液(またはサンプル)100μlを加えた
後、標識抗原溶液100μlを加え、4℃で一晩放置し
た。 6) チューブ内の溶液を除去した後、洗浄液で2回洗浄
した。 7) 基質溶液1 900μlおよび基質溶液2 100
μlを加えて、24℃で1時間反応させた。 8) 反応停止液を200μl加え、反応を停止させた。 9) 450nmでの吸光度を測定した。 標準2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの測定値を
プロットした標準検量線を図1に示す。図1から明らか
なように、本定量法では、3〜560pg/testの範囲
の2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αが測定可能で
ある。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明のモノクローナル抗体、MH−11E4
を用いた2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αの免疫
学的定量法における検量線である。
【手続補正28】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39/395 N 9284−4C C07C 405/00 F 8619−4H 503 E 8619−4H C12N 5/20 15/06 G01N 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 山本 尚三 徳島県徳島市八万町中津浦24−59

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1α
    を特異的に認識するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 前記抗体のPGF2α、PGF1α、6
    −ケト−PGF1α、PGF2α−MPMおよびPGF
    2α−MUMに対する交差率が1.0 %以下である請求項
    1記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 前記抗体の免疫グロブリンがマウス由来
    のものである請求項1記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 前記抗体の免疫グロブリンのクラスがI
    gGである請求項3記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 前記抗体がMK−11E4である請求項
    4記載のモノクローナル抗体。
JP3214133A 1991-08-01 1991-08-01 2,3−ジノル−6−ケト−PGF1αを特異的に認識するモノクローナル抗体 Pending JPH05336988A (ja)

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