JPH0533586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置
に関する。

〔従来の技術〕 従来から、局部洗浄機能を持つ衛生洗浄装置は
たとえば腰掛式の水洗便器等に据付けたものとし
て利用されている。第５図は衛生洗浄装置Ａを便
器本体Ｂに据え付けた一例を示す斜視図であり、
衛生洗浄装置Ａは洗浄水タンクＣの前側に配置さ
れ、そのケーシング１の内部にノズル装置等の機
器を収納している。そして、このケーシング１に
は便座１ａ及び便蓋１ｂがヒンジ構造によつて開
閉自在に取り付けられている。

第６図はケーシング１の内部を示す概略平面図
であり、ケーシング１のほぼ中央には局部洗浄用
のノズル装置２が配置されている。ノズル装置２
はシリンダ２ａにノズルロツド２ｂを収納し、モ
ータ２ｃによつてシリンダ２ａを前側へ移動させ
ると同時に供給された洗浄水の水圧を利用してノ
ズルロツド２ｂを便器本体Ｂのボール部方向に進
出させて洗浄水を噴出する構造を持つている。な
お、ノズル装置２への洗浄水の供給は、外部の給
水源に接続されるバルブユニツト３及び熱交換器
４によつて行われる。

ノズルロツド２ｂの先端には、噴射孔を開けた
ノズルヘツド５が着脱自在に取り付けられる。こ
のノズルヘツド５を着脱自在としたのは、流路が
屈曲した複雑な形状となるのでノズルロツド２ｂ
とノズルヘツド５とを別体として部材のコストを
下げることや、内部流路の詰まり等に対しての保
守点検等を目的としている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ノズルヘツド５の着脱構造は、第７図に示すよ
うにノズルロツド２ｂの先端をノズルヘツド５の
中に嵌め込むものとなつている。ノズルヘツド５
はその先端に噴出孔５ａを設けた合成樹脂製であ
り、ノズルロツド２ｂを挿入する部分の内周には
嵌合溝５０を形成すると共に、縁部から軸線方向
に切欠５１を周面に４ケ所設けている。一方、ノ
ズルヘツド２ｂの先端の外周には、ノズルヘツド
５の嵌合溝５０に嵌まり込む突条２ｄを膨出形成
すると共に、切欠５１に嵌合して回り止めとする
ための突片２ｆが設けられる。

ノズルヘツド５は、図示のように嵌合溝５０と
突条２ｄとの凹凸嵌合によつてノズルロツド２ｂ
に連結一体化され、これと同時に突片２ｆを切欠
５１に差し込んでノズルロツド２ｂに対するノズ
ルヘツド５の姿勢を保持する。なお、ノズルロツ
ド２ｂの周面にはシール用のＯリング２ｅが設け
られる。

ところが、組み立てや保守点検の際にノズルヘ
ツド５をノズルロツド２ｂに嵌め込むとき、嵌め
込み量が不十分であるとノズルヘツド５が脱落し
やすい。これは、ノズルヘツド５の差し込みが不
足して、嵌合溝５０が突条２ｄ部分まで達しなか
つたり又は嵌合度が弱かつたりすることが一つの
原因である。このため、洗浄水を送り込むときの
水圧はノズルヘツド５を前側に動かすように作用
するので、使用している間にノズルヘツド５が外
れてしまう恐れがある。

また、ノズルヘツド５をノズルロツド２ｂに嵌
め込むとき及び抜き取るときには、かなり大きな
力が必要となる。これは、突条２ｄが嵌合溝５０
に嵌まり込むまでのノズルヘツド５の内径が突条
２ｄの外形よりも小さいためであり、組み立てや
保守点検の際の分解にも手間がかかる。

そこで、本考案は、ノズルヘツドが脱落するこ
とがなく且つ適正な姿勢に容易にセツトできるよ
うにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は、局部洗浄用のノズル装置を、進退動
作するノズルロツドと該ノズルロツドの先端に着
脱自在に連通連結されるノズルヘツドとから構成
した衛生洗浄装置であつて、前記ノズルロツドの
先端側の周面に半径方向へ突き出る係合ピンを設
け、前記ノズルヘツドの基端側を前記ノズルロツ
ドの外周に嵌合可能な内径とすると共に、周壁に
前記係合ピンが嵌まり込む係合溝をノズルヘツド
の基端から先端側へ向けて軸線方向に向かいなが
ら周方へ緩やかに曲がる形状として切開し、前記
係合溝は、その切開方向の終端部の手前であつて
前記ノズルヘツドの基端に近い側の内縁部に、前
記係合ピンとの間で前記ノズルヘツドの周方向の
動きを拘束する係止突起を備えたことを特徴とす
る。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を
具体的に説明する。

第１図は本考案の衛生洗浄装置のノズル装置の
要部を分解して底面側から見た斜視図、第２図は
組み立てたときの底面図、第３図はノズル装置全
体の縦断面図である。なお、従来例で示したもの
と同じ部材については共通の符番で指示しその詳
細な説明は省略する。

第３図において、ノズル装置２のシリンダ２ａ
はケーシング１（第５図参照）に設けたベース１
ｃに載せられ、リンク（図示せず）を利用してモ
ータ２ｃの作動によつてシリンダ２ａ全体が前側
に移動する。また、ノズルロツド２ｂは中空状で
あつてその内部を洗浄水の流路とし、基端部には
ピストン６を設けている。そして、シリンダ２ａ
の基端には熱交換器からの洗浄水を送り込む供給
管７が接続され、流入した洗浄水がピストン６を
押してノズルロツド２ｂを洗浄位置まで進出させ
ると同時に洗浄水を噴出する。

ノズルヘツド５は、第４図に示すように、先端
側に噴出孔５ａを上に向けて開口し、基端側をノ
ズルロツド２ｂとの装着口５ｂとしている。そし
て、装着口５ｂの周壁の縁部にはノズルロツド２
ｂとの係合溝８を切開している。一方、ノズルロ
ツド２ｂは、その突条２ｄに半径方向へ突き出た
係合ピン９を形成し、これをノズルヘツド５の係
合溝８に嵌め込めるようにしている。

係合溝８は、第１図のように、装着口５ｂ側の
周壁の縁部を切欠したもので、軸線に対して傾斜
した外郭を持つガイド部８ａ及びこれに連なつて
円周方向に走るような切開線を持つ保持部８ｂが
それぞれ形成されている。そして、保持部８ｂは
縁部に沿つて保持アーム８ｃを形成し、その先端
部には保持部８ｂ内に突き出る係止突起８ｄを設
けている。

ノズルヘツド５は、第１図に示すようにノズル
ロツド２ｂの係合ピン９が係合溝８に嵌まり込め
るようにその姿勢を合わせる。そして、ノズルヘ
ツド５をノズルロツド２ｂに嵌めてゆき、係合ピ
ン９がガイド部８ａに当たるようになると、ノズ
ルヘツド５を第１図の矢印方向に回す。これによ
り、係合ピン９に沿つて係合溝８が移動し、第２
図のように保持部８ｂに係合ピン９が位置して回
転が停止する。このとき、係合ピン９は保持部８
ｂの中に嵌まり込むと同時に係止突起８ｄによつ
て拘束され、一定以上の回転力を与えない限りノ
ズルヘツド５は第２図の状態に保持される。

ここで、係合ピン９はノズルロツド２ｂの下面
側に設け、係合溝８もこれに合わせてノズルヘツ
ド５の下面に設ける。そして、第２図のように係
合ピン９が保持部８ｂ内に拘束されたときに、噴
出孔５ａが真上を向く位置関係を持たせる。つま
り、保持部８ｂの開口軸線と噴出孔５ａの軸線と
が同一の平面に含まれるようにし、第４図の拡大
断面図に示すように、ノズルヘツド５の下面及び
底面にこれらの保持部８ｂ及び係合溝８を配置す
ればよい。

以上の構成において、ノズルヘツド５をノズル
ロツド２ｂに装着するときには、係合溝８に係合
ピン９が嵌まり込むように回転させ、これを保持
部８ｂに嵌め込むことによつて固定保持してい
る。そして、係合ピン９は係止突起８ｄによつて
拘束されるので、容易に回転することはない。こ
のため、従来のように軸線方向に単に嵌め込む構
造に比べて、ノズルヘツド５を回転させない限り
脱落することなく利用できる。

また、ノズルヘツド５の噴出孔５ａがゴミ等に
よつて詰まつたときにこれを交換する場合には、
係合ピン９が係合溝８の保持部８ｂから外れる方
向へノズルヘツド５を回す。このとき、ガイド部
８ａは弧状をなして大きなテーパ状に形成されて
いるので、ノズルヘツド５は係合ピン９を基点と
してガイド部８ａに沿つて回動しながら軸方向へ
移動可能である。すなわち、ガイド部８ａを装着
口５ｂの縁部から切開してテーパ状とすることに
より、ノズルヘツド５を回す力がネジ作用によつ
てノズルヘツド５を軸方向へ押動する力として働
き、ノズルヘツド５の抜き取りが小さな力で簡単
に行える。このことは、ノズルヘツド５をノズル
ロツド２ｂに装着する場合でも同様であり、従来
のように大きな力を必要とすることなくノズルヘ
ツド５の着脱が可能である。

更に、保守点検の際に取り外したノズルヘツド
５を再び装着するとき、係合ピン９が完全に保持
部８ｂに嵌まり込むまで回転させてロツクされた
ことを指先で感じ取ることができる。このため、
常に適正な嵌合度でノズルヘツド５をノズルロツ
ド２ｂに連結でき、抜け防止が更に一層確実にな
る。

また、係合ピン９と係合溝８とによつてノズル
ヘツド５の姿勢の位置決めが可能であり、装着時
にロツクされたときには噴出孔５ａが正確に上を
向く姿勢となり、位置決めも簡単になる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の衛生洗浄装置
においては、ノズルロツドの周面に設けた係合ピ
ンが嵌まり込む係合溝をノズルヘツドの縁部から
形成し、ノズルヘツドを回転させながら係合ピン
をこの係合溝に嵌まり込ませている。このため、
従来のようにノズルヘツドをノズルロツドの軸線
方向に嵌め込みんで凹凸嵌合によつて連結する構
造に比べて、ノズルヘツドを回転させない限りは
抜け落ちることがなく、使用中に洗浄水が飛び散
る等の不都合が防止される。

また、ノズルヘツドを回すだけの操作で、係合
ピンと係合溝との相対位置を変えることができ、
ノズルヘツドの軸線方向の位置が変更されて簡単
にノズルヘツドの着脱が行える。したがつて、従
来構造に比べて、着脱作業も軽い力で行えるほ
か、嵌め込み不足もなく確実な連結が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の衛生洗浄装置のノズル装置の
要部を示す分解斜視図、第２図はノズルヘツド部
分の一部切欠底面図、第３図はノズル装置の全体
を示す縦断面図、第４図はノズルヘツドとノズル
ロツドの接続部分の拡大断面図、第５図は衛生洗
浄装置を便器に据付けた斜視図、第６図はノズル
装置の配置を示す平面図、第７図は従来のノズル
ヘツドの接続を示す一部切欠底面図である。 １……ケーシング、１ａ……便座、１ｂ……便
蓋、１ｃ……ベース、２……ノズル装置、２ａ…
…シリンダ、２ｂ……ノズルロツド、２ｃ……モ
ータ、２ｄ……突条、２ｅ……Ｏリング、３……
バルブユニツト、４……熱交換器、５……ノズル
ヘツド、５ａ……噴出孔、５ｂ……装着口、５ｃ
……嵌合溝、６……ピストン、７……供給管、８
……係合溝、８ａ……ガイド部、８ｂ……保持
部、８ｃ……保持アーム、８ｄ……係止突起、９
……係合ピン、Ａ……衛生洗浄装置、Ｂ……便器
本体、Ｃ……洗浄水タンク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 局部洗浄用のノズル装置を、進退動作するノズ
   ルロツドと該ノズルロツドの先端に着脱自在に連
   通連結されるノズルヘツドとから構成した衛生洗
   浄装置であつて、 前記ノズルロツドの先端側の周面に半径方向へ
   突き出る係合ピンを設け、 前記ノズルヘツドの基端側を前記ノズルロツド
   の外周に嵌合可能な内径とすると共に、周壁に前
   記係合ピンが嵌まり込む係合溝をノズルヘツドの
   基端から先端側へ向けて軸線方向に向かいながら
   周方へ緩やかに曲がる形状として切開し、 前記係合溝は、その切開方向の終端部の手前で
   あつて前記ノズルヘツドの基端に近い側の内縁部
   に、前記係合ピンとの間で前記ノズルヘツドの周
   方向の動きを拘束する係止突起を備えたことを特
   徴とする衛生洗浄装置。