JPH0533574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、油圧シヨベル、バケツトホイールイ
クスカヴエータ等、基本的にカウンタウエイトを
有する機械の車体揺動および車体振動の低減装置
に関するものである。

（従来の技術） 第４図に示すように、従来、油圧シヨベル等の
掘削機械１は掘削後バケツト２中の掘削土３の重
量により転倒しないように、走行体４に関して静
的バランスをとるために、車体構造物５の後尾に
カウンタウエイト６を設置しているが、ほとんど
の場合、カウンタウエイト６は車体構造物５にボ
ルト締結されている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来は、カウンタウエイト６が車体構造物５
に、直接的にボルト締結されているため、車体揺
動については、掘削積込作業および走行時に車体
全体が揺動し、それに伴なつてカウンタウエイト
６が振動し、かつ、何ら減衰装置を有していない
ため振動が持続し、機械に搭乗しているオペレー
タの乗心地をそこなつていた。

また、車体振動に関しては、エンジンおよびポ
ンプ等を起振源とした揺動が車体全体に伝搬し、
車体からの放射騒音および車体のびびりなどを引
き起こし、環境騒音問題ならびにオペレータの不
快感をもたらしていた。

さらに、実開昭50−94709号公報に示される油
圧式作業機のように、油圧シリンダによりバラン
スウエイトの位置を水平方向に移動させて、作業
機全体のバランスを均衡させるものはあるが、こ
の水平移動のバランスウエイトでは車体の揺動や
振動を抑えることはできない。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、建設機械車両の車体揺動および車体振動を効
果的に減衰させることができる装置を提供するこ
とを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、建設機械車両の車体構造物上に取付
けられたボツクスカバーと、このボツクスカバー
の内部に上下方向に設けられたガイドと、前記ボ
ツクスカバーの外部に露出しないように形成さ
れ、前記ガイドに上下動自在に嵌合されたカウン
タウエイトと、このカウンタウエイトの下面と車
体構造物の上面との間に介在され、車体構造物の
揺動、振動等の外乱を減衰させる方向にカウンタ
ウエイトを振動させるアクチユエータとにより構
成された車体揺動および車体振動減衰装置であ
る。

（作用） 以上のような手段により、車体に生じた揺動な
らびに振動などの外乱は、急速に減衰し、オペレ
ータの乗心地向上、騒音発生防止などによつて極
めて有用となる。

（実施例） 以下、本考案を第１図乃至第３図に示される実
施例を参照して詳細に説明する。

第１図および第２図は本考案に係る車体揺動お
よび車体振動減衰装置を示し、建設機械車両の車
体構造物５上にボツクスカバー１６が取付けら
れ、このボクツスカバー１６の内部に一対のロツ
ドからなるガイド１８が上下方向に設けられてい
る。

さらに、前記ボツクスカバー１６の外部に露出
しないように形成されたカウンタウエイト６が、
これに穿孔された穴１７を通して前記ガイド１８
に上下動自在に嵌合されている。

このカウンタウエイト６の下面と車体構造物５
の上面との間に、油圧式または電磁式のアクチユ
エータ１２が介在されている。このアクチユエー
タ１２は、車体構造物５の揺動、振動等の外乱を
減衰させる上下方向１９にカウンタウエイト６を
振動させるものである。

さらに、この車体構造物５には、車体構造物５
の揺動、振動等の外乱を感知するためにジヤイ
ロ、加速度計等のセンサが取付けられている。

次に、第３図は本考案の機能を示す模式図であ
り、この図を参照しながら本考案の作用を説明す
る。同図において、車体構造物５に揺動および振
動などの外乱７が発生すると、それは加速度計等
のセンサ８により感知され、増幅器９を経てコン
ピユータ１０に入力される。コンピユータ１０で
は、その外乱７を減衰させる適切な信号を演算処
理し、発振器１１により発振させる。その信号を
受けたアクチユエータ１２は、取付けられている
カウンタウエイト（質量体）６を前記信号に従つ
て振動させ、外乱７を減衰１３させる。その減衰
効果を確実なものとするため、アクチユエータ１
２からセンサ８に対しフイードバツク補償１４を
行なう。

前記外乱７を減衰１３させる具体例を説明する
と、カウンタウエイト６の設けられた車体構造物
５から例えば上方への加速度が感知された場合
は、アクチユエータ１２を伸長するように作動す
ると、慣性により定位置に止まろうとするカウン
タウエイト６から下向きの反力がアクチユエータ
１２を介して車体構造物５に作用し、前記上方へ
の運動が抑制される。

以上のように、ボツクスカバー１６の内部に全
ての機構がまとめられて設けられ、上下方向１９
に振動するカウンタウエイト６が外部に露出しな
いので、スペースを取らずコンパクトに構成でき
るとともに、完全性を確保できる。

さらに、カウンタウエイト６の下面と車体構造
物５の上面との間にアクチユエータ１２を直付け
したから、アクチユエータ作動時にカウンタウエ
イト６からの反力を車体構造物５に直に作用させ
ることができ、弾性体を介することがないので、
高周波数域の振動にも対応できる振動減衰装置と
なつている。

また、カウンタウエイト６の穴１７をガイド１
８により案内しているので、アクチユエータ１２
のこじれなどを防止できる。

（考案の効果） 本考案の減衰装置によれば、以上に詳述したよ
うに次のような効果を上げることができる。

(1) カウンタウエイトを有する建設機械車両に生
じた揺動および振動を、強制的なカウンタウエ
イト（質量体）の上下方向の振動により打ち消
して、効果的に減衰させることができる。

(2) 車体揺動および車体振動を減衰させることに
より、オペレータの乗心地の向上、騒音発生の
防止および機械構造物の疲労強度の向上に役立
つ。

(3) ボツクスカバーの内部に全ての機構がまとめ
られて設けられているから、コンパクトで場所
をとらないとともに安全性を確保できる。

(4) カウンタウエイトの下面と車体構造物の上面
との間にアクチユエータを直付けしたコンパク
トでシンプルな構造であるから、アクチユエー
タ作動時にカウンタウエイトからの反力を車体
構造物に直に作用させることができ、高周波数
域の振動にも対応できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の車体揺動および車体振動減衰
装置の一実施例を示す正面図、第２図はその側面
図、第３図は本考案の機能を説明する模式図、第
４図は従来の油圧シヨベルの全体図である。 ５……車体構造物、６……カウンタウエイト、
１２……アクチユエータ、１６……ボツクスカバ
ー、１８……ガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 建設機械車両の車体構造物上に取付けられたボ
   ツクスカバーと、 このボツクスカバーの内部に上下方向に設けら
   れたガイドと、 前記ボツクスカバーの外部に露出しないように
   形成され、前記ガイドに上下動自在に嵌合された
   カウンタウエイトと、 このカウンタウエイトの下面と車体構造物の上
   面との間に介在され、車体構造物の揺動、振動等
   の外乱を減衰させる方向にカウンタウエイトを振
   動させるアクチユエータと を具備したことを特徴とする車体揺動および車体
   振動減衰装置。