JPH0533508U

JPH0533508U - 回転ヘツドドラムの回転式トランス

Info

Publication number: JPH0533508U
Application number: JP054310U
Authority: JP
Inventors: ヨンチヤイチヨイ
Original assignee: 株式会社金星社
Priority date: 1991-08-03
Filing date: 1992-08-03
Publication date: 1993-04-30
Also published as: US5359312A; KR930005489U; KR940002829Y1; DE4225565A1

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】本考案は回転ヘッドドラムの回転式トランス
に関し、回転式トランスの各チャネル間に遮断壁を突出
形成し、起電力の漏洩による漏話を防止させて、映像信
号の相互干渉を防止することを目的とする。【構成】本考案の回転式トランスは、トランス回転子
３０の各チャネル３１，４１間の間隔部位、又はトラン
ス固定子４０の各チャネル３１，４１間の間隔部位のう
ち、何れか一方側部位に遮断壁３３を各々形成し、その
一方側部位と対向した他方側部位にそれら遮断壁３３の
挿合される遮断溝４３を各々切刻形成して構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビデオテープレコーダー又はカメラ＆ビデオテープレコーダー一体形システム等に使用される回転ヘッドドラムの回転式トランスに係るもので、詳しくは回転式トランスの各チャネル間に遮断壁を形成し、起電力の漏洩を防止して漏話を防止し得るようにした回転ヘッドドラムの回転式トランスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ビデオテープレコーダーの回転ヘッドドラムにおいては、図３に示したように、ドラムモーター１の回転軸２にフランジ３が嵌合されて該フランジ３に回転ドラム４が固定され、該回転ドラム４の下方面には複数個（２個又は４個）のヘッド５が所定間隔を置いて装着され、前記フランジ３の下方面にトランス回転子１０が固定され、前記回転ドラム４に脚リレー６及びディスクリレー７が各々装着されて前記ヘッド５と前記トランス回転子１０間に信号の伝達が行われるようになっていた。

【０００３】且つ、前記回転ドラム４の下方側回転軸２に固定ドラム８が嵌合され、該固定ドラム８の上方面に前記トランス回転子１０と微小な間隙を有し、かつ対向してトランス固定子２０が固定され、その回転ドラム４と固定ドラム８間の信号伝達が行われ、前記トランス固定子２０は信号ケーブル９を通して記録／再生信号処理回路（図示せず）との信号伝達を行うようになっていた。

【０００４】そして、前記トランス回転子１０とトランス固定子２０とにより回転式トランスが構成されるが、図４に示したように、それらトランス回転子１０及びトランス固定子２０には互いに対向して複数個のチャネル１１，２１，１１’，２１’ ……が各々同心円状に切刻形成され、それらチャネル内方側に複数個のコイル１２・２２，１２’・２２’……が各々配設され、それらトランス回転子１０及びトランス固定子２０は互いに所定間隙を有し対向して設置され、前記各チャネル間の磁気誘導により信号伝達が行われるようになっていた。

【０００５】このように構成された従来回転ヘッドドラムの回転式トランスの作用を次に説明する。記録モード又は再生モードの場合、ドラムモーター１により回転ドラム４が回動され、該回転ドラム４のヘッド５にビデオテープが当接され、該ビデオテープに記録された映像信号が再生されたり、又はそのテープに映像信号が記録される。

【０００６】そして、この場合、前記回転ドラム４と固定ドラム８間の信号伝達は、フランジ３に固定されたトランス回転子１０と前記固定ドラム８に固定されたトランス固定子２０との各チャネルのコイルの磁気誘導により行われ、各チャネルのコイルに流れる電流が変化するとそのコイルを貫通する磁束が変化するので、それらコイルに起電力が発生される。

【０００７】このように発生された起電力が対向された他方側チャネルのコイルに伝達されるためには、その一方側コイルの起電力が他方側コイルに影響を及ぼすようにそれらトランス回転子１０とトランス固定子２０とが互いに近接されなければならない。併し、それらトランス回転子１０とトランス固定子２０間に微小な間隙が形成されると、該間隙を通して前記各チャネル間のコイルから発生した起電力が漏洩され、該起電力の漏洩によりそれらチャネル間に漏話（Cross talk）が発生し雑音として作用される。

【０００８】そこで、従来回転式トランスにおいては、．各チャネル間の間隔を広くさせて漏話の発生を防止したり、．図５に示したようにトランス回転子１０又は、トランス固定子２０中、何れか一方側の所定チャネル間にショートリング２５を挟持させ、漏洩された起電力が他のチャネルに影響を及ぼす以前に該ショートリング２５によりその起電力を接地吸収させて漏洩の発生を防止していた。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

然るに、このような従来回転ヘッドドラムの回転式トランスにおいては、前記項記載の各チャネル間の間隔を広くさせる場合、間隔を広くさせるほど回転ヘッドドラムの大きさは大きくなるので、ドラムの大きさに制限が加えられ、製品の小型化を図り得なくなるという不都合な点があった。

【００１０】又、前記項記載のショートリングをトランス回転子１０又はトランス固定子２０に挟持させる場合は、挟持されるショートリングの占有面積により大きさが増大し、全てのチャネルには挟持し得ず、せいぜい１乃至２個のチャネルのみに挟持させるようになり、やはり漏話を効率的に防止し得ないという不都合な点があった。更に、ショートリングの接地作用により映像信号の成分が弱化され易いという不都合な点があった。

【００１１】それで、このような問題点を解決するため、本考案者達は研究を重ねた結果、次のような回転ヘッドドラムの回転式トランスを提供しようとするものである。本考案の目的は、回転式トランスの各チャネル間に遮断壁を形成し、起電力の漏洩による漏話を防止させて、映像信号の相互干渉を防止し得るようにした回転ヘッドドラムの回転式トランスを提供しようとするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

このような本考案の目的は、トランス回転子の各チャネル間の各間隔部位又は、トランス固定子の各チャネル間の各間隔部位のうち、何れか一方側部位に各々遮断壁を突出形成し、その一方側部位と対向した他方側部位にそれら遮断壁の挿合される遮断溝を各々切刻形成して、回転式トランスを構成することにより達成される。

【００１３】

【作用】

再生モード又は記録モードの場合、トランス回転子及びトランス固定子の各チャネル間に起電力が発生され互いに信号の伝達が行われるが、それらチャネルの間隔部位に形成された遮断壁によりその起電力の漏洩が防止され、漏話が防止されて映像信号の干渉が防止されるようになる。

【００１４】

【実施例】

以下本考案の実施例に対し図面を用いで詳細に説明する。図１に示したように、本考案に係る回転ヘッドドラムの回転式トランスにおいては、中心部位が穿孔されて円板状をなし、該円板の内方の表面に複数個のチャネル３１が同心円状に各々所定間隔を置いて切刻形成され、それらチャネル間の各間隔部位と外方側チャネルの外方側及び内方側チャネルの内方側部位とには各々同心円状に遮断壁３３が突出形成され、前記各チャネル３１内方側には複数個のコイル３２が各々配設されて、トランス回転子３０が構成されている。

【００１５】且つ、該トランス回転子３０と対向して中心部位が穿孔された円板状のトランス固定子４０がその回転子３０と所定間隙を有して対向設置され、そのトランス固定子４０表面上にも前記各チャネル３１に対向して各チャネル４１が各々同心円状に切刻形成され、それらチャネル４１間の各間隔部位に前記遮断壁３３と対向してそれら遮断壁３３の挿合される遮断溝４３が各々切刻形成され、前記各チャネル４１の内方側に複数個のコイル４２が各々配設されて本考案に係る回転式トランスの一実施例が構成されている。

【００１６】又、本考案に係る回転ヘッドドラムの回転式トランスの他の実施例として、図２に示したように、トランス固定子４０の各チャネル４１間の各間隔部位に遮断壁３３を突出形成し、それら遮断壁３３と対向したトランス回転子３０の各チャネル３１間の各間隔部位にその遮断壁３３の挿合される遮断溝４３を各々切刻形成し、その他は実施例１と同様に形成して使用することもできる。

【００１７】更に、前記各遮断壁３３は回転式トランスの表面から直立状に形成することもできるし、テーパ状に形成することもできる。従って、前記遮断溝４３もトランス表面から下方向きに直立状に切刻形成することもできるし、テーパ状に切刻形成して使用することもできる。このように構成された本考案に係る回転ヘッドドラムの回転式トランスにおいては、トランス回転子又はトランス固定子表面上に各チャネルが同心円状に切刻形成され、それらチャネル間の各間隔に遮断壁が各々突設され、それら遮断壁に対抗したトランス固定子又はトランス回転子表面上には各々遮断溝が切刻形成されているため、再生又は記録モードの場合、それらチャネルに誘導起電力が発生され互いに信号の伝達が行われるが、それら誘導起電力の漏洩が前記各遮断壁により遮断され、起電力の漏洩が防止されて漏話が防止され、各チャネル間の信号干渉が防止されて、該信号の伝達が良好に行われるようになる。

【００１８】そして、このような本考案に係る回転ヘッドドラムの回転式トランスは、ビデオテープレコーダーと、カメラ＆ビデオテープレコーダー一体形システムのような、回転式トランスを利用する全ての回転ヘッドドラムに適用することができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上、説明したように本考案に係る回転ヘッドドラムの回転式トランスによれば、トランス回転子又はトランス固定子に複数個の遮断壁が形成され、それら遮断壁に対向したトランス固定子又はトランス回転子には各々複数個の遮断溝が形成されているため、それら遮断壁により各チャネルからの起電力漏洩による漏話が殆ど完全に防止され、安定な映像信号の伝達が行われるようになるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る回転ヘッドドラムの回転式トラン
スの一実施例を示した断面図である。

【図２】本考案に係るヘッドドラムの回転式トランスの
他の実施例を示した一部概略断面図である。

【図３】一般の磁気記録／再生機の回転ヘッドドラムの
断面図である。

【図４】従来回転ヘッドドラムの回転式トランスを示し
た断面図である。

【図５】従来ショートリングの挟持された回転式トラン
スのトランス固定子の平面図である。

【符号の説明】

３０…トランス回転子３１…チャネル３２，４２…コイル３３…遮断壁４０…トランス固定子４１…チャネル４３…遮断溝

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】回転ドラムと固定ドラム間に各々固定さ
れ、複数個のチャネル（３１）が各々同心円状に切刻形
成されたトランス回転子（３０）と、該トランス回転子
（３０）と所定間隙を置いて対向設置され、前記チャネ
ル（３１）に対向して各チャネル（４１）が各々同心円
状に切刻形成されたトランス固定子（４０）とを具備し
てなる回転ヘッドドラムの回転式トランスであって、前記トランス回転子（３０）の各チャネル（３１）間の
各間隔部位と外方側チャネルの外方側及び内方側チャネ
ルの内方側部位、若しくは、前記トランス固定子（４
０）の各チャネル（４１）間の各間隔部位と外方側チャ
ネルの外方側及び内方側チャネルの内方側部位、のう
ち、何れか一方側部位に遮断壁（３３）が各々同心円状
に突出形成され、当該一方側部位と対向された他方側部位には、それら遮
断壁（３３）に対向して該遮断壁（３３）の挿合される
遮断溝（４３）が各々同心円状に切刻形成されてなる回
転ヘッドドラムの回転式トランス。
【請求項２】回転ドラムと固定ドラム間に各々固定さ
れ、複数個のチャネル（３１）が各々同心円状に切刻形
成されたトランス回転子（３０）と、該トランス回転子
（３０）と所定間隔を置いて対向設置され前記チャネル
（３１）に対向して各チャネル（４１）が各々同心円状
に切刻形成されたトランス固定子（４０）とを具備して
なる回転ヘッドドラムの回転式トランスであって、前記トランス回転子（３０）及びトランス固定子（４
０）の各チャネル（３１）（４１）から発生された起電
力の漏洩を防止するように複数個の遮断壁（３３）が形
成されてなる回転ヘッドドラムの回転式トランス。
【請求項３】前記各遮断壁（３３）は、前記トランス
回転子（３０）の各チャネル（３１）間の間隔部位に各
々突出形成されてなる請求項２記載の回転ヘッドドラム
の回転式トランス。
【請求項４】前記トランス回転子（３０）の各遮断壁
（３３）に対向したトランス固定子（４０）の各チャネ
ル（４１）間の間隔部位に、当該遮断壁（３３）の挿合
される各遮断溝（４３）が各々切刻形成されてなる請求
項２又は３記載の回転ヘッドドラムの回転式トランス。