JPH0533451Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、入出庫用走行クレーンによつて荷を
出し入れされる自動倉庫用棚、特に当該棚の各荷
収納区画の後端部に設けられる荷ストツパーの構
造に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 自動倉庫用棚の荷収納区画に於ける荷ストツパ
ーは、既に荷が収納されている荷収納区画に入出
庫用走行クレーンの誤動作で荷が二重搬入された
ような場合に、先に収納されている荷が後方に押
されて棚の後側にずり落ちる事故を回避するため
に必要である。

従来の自動走行用棚に於ける前記荷ストツパー
は、各荷収納区画の四隅に立設されている支柱の
内、後側左右一対の支柱や、左右両側の支柱に各
別に支持された左右一対の荷受け用板材の後端
に、ボルト止め或いは溶接方法により取り付けら
れていた。このような従来の構成では、部品点数
や組立作業工数が多くなるのでコスト高になるの
を免れなかつた。

又、実願昭58−102750号のマイクロフイルム
（実開昭60−10548号公報）に開示されているよう
に、荷受け用板材に切目を設け、この切目で囲ま
れた部分を垂直に折曲起立させて荷ストツパーを
形成することも考えられたが、このようにして形
成された荷ストツパーは、その付け根の折り曲げ
部を支点にする前後方向の曲げ強度が非常に弱い
ため、荷が繰り返し当たることにより、或いは荷
が強く当たつたときに、後方へ曲がつて変形する
可能性が大きく、安全性に劣る欠点があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決する
ために、荷収納区画の底部に左右一対の荷受け用
板材を架設し、各荷受け用板材の後端部に、当該
板材の後端縁から適当距離離れた位置で１本の左
右横方向の切目を設け、この切目と板材後端縁と
の間の部分を上方に加圧突出せしめて、当該突出
部分の前記切目に相当する前縁で荷を受け止める
荷ストツパーを形成して成る自動倉庫用棚を提案
するものである。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に於いて、１は立体的に配設
された荷収納区画であつて、各荷収納区画１の底
部には、各荷収納区画１の四隅に位置するように
棚の前後に一定間隔置きに立設された支柱２，３
に各々前後両端が取り付けられた左右一対の荷受
け用板材４が並設されている。

第３図乃至第５図に示すように、前記荷受け用
板材４は支柱２，３の側面に当接する立ち上がり
垂直板部５ａと荷受け用水平板部５ｂとから成る
断面Ｌ形状のものであつて、前記垂直板部５ａの
前後両端には、上下２段の水平切目間の帯状板部
６を外側へ略台形状に加圧突出させて成る係止部
７が設けられている。一方、支柱２，３の側面で
前記係止部７に対応する箇所には、下向きコの字
形の切り欠き穴８ａにより上向きの被係止片８ｂ
を形成した被係止部９が設けられており、前記荷
受け用板材４は、その係止部７を前記被係止部９
に於ける切り欠き穴８ａの上部に真横から嵌合さ
せるように垂直板部５ａを支柱２，３の側面に当
接させた後、当該荷受け用板材４を押し下げて前
記係止部７を被係止部９に於ける上向きの被係止
片８ｂの内側に係合させることにより、支柱２，
３に取り付けている。

１０は荷ストツパーであつて、前記荷受け用板
材４に於ける水平板部５ｂの後端縁から適当距離
離れた位置に設けられた１本の左右横方向の切目
と板材後端縁との間の左右方向の帯状板部１１
を、当該部分の板上面を上方に持ち上げるように
上方へ略台形状に加圧突出させて、当該帯状板部
１１の前記切目に相当する前縁１１ａで荷を受け
止めるように構成したものである。前記帯状板部
１１の前縁１１ａとなる切目と板材後端縁との間
の間隔を広くとるときは、当該切目の後側の適当
部分を当該切目側が高くなるように斜め加圧突出
させることも出来る。

第１図及び第２図に夫々仮想線で示すように、
荷収納区画１内に搬入される荷１２は、左右一対
の荷受け用板材４の後端に形成された前記荷スト
ツパー１０よりも手前の位置で、その左右両側辺
が前記両荷受け用板材４の水平板部５ｂ上に載る
ように支持される。従つて、当該荷１２が棚の後
側に押されて移動しようとしても、当該荷１２の
後側面が両荷ストツパー１０に於ける帯状板部１
１の前縁１１ａに当接してそれ以上の移動を阻止
される。

尚、上記棚の荷収納区画１に対する荷１２の搬
入搬出方法及び手段は限定されない。例えば前記
左右一対の荷受け用板材４の中間で昇降し得る出
退自在なランニングフオークを使用する方法や、
荷１２の端面に設けられた被係止部と係合離脱自
在な荷押し引き移載手段を使用して当該荷１２を
荷受け用板材４上で滑らせて搬入搬出する方法等
が利用出来る。

（考案の作用及び効果） 以上のように本考案の自動倉庫用棚は、支持さ
れている荷が二重搬入等によつて棚の後側にずり
落ちることを荷受け用板材の後端部に設けられた
荷ストツパーにより防止し得るものであるが、特
に本考案の構成によれば、荷ストツパー形成のた
めの別部品が不要であること、荷受け用板材に形
成する切目が１本で良いこと、そして切目と板材
後端縁との間の部分を上方に加圧突出させるだけ
で良いこと等により、極めて簡単且つ安価に実施
することが出来る。

しかも、左右横方向切目に相当する加圧突出部
前縁で荷を受け止めるものであるから、荷当接方
向の曲げ強度が極めて高く、従つて、単に荷受け
用板材の後端部を上方に折曲しただけの荷ストツ
パーや、荷受け用板材に形成したコの字形切目の
内側部分を垂直に起立させて形成した荷ストツパ
ー等と比較して、荷ストツパーとしての機能を長
期間にわたつて確実に発揮させることが出来、安
全性の高い棚として活用し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は棚要部の平面図、第２図は同正面図、
第３図は一方の荷受け用板材の一部縦断側面図、
第４図は同横断平面図、第５図は同一部縦断背面
図である。 １……荷収納区画、２，３……支柱、４……荷
受け用板材、５ａ……立ち上がり垂直板部、５ｂ
……荷受け用水平板部、１０……荷ストツパー、
１１……帯状板部、１１ａ……帯状板部前縁、１
２……荷。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷収納区画の底部に左右一対の荷受け用板材を
   架設し、各荷受け用板材の後端部に、当該板材の
   後端縁から適当距離離れた位置で１本の左右横方
   向の切目を設け、この切目と板材後端縁との間の
   部分を上方に加圧突出せしめて、当該突出部分の
   前記切目に相当する前縁で荷を受け止める荷スト
   ツパーを形成して成る自動倉庫用棚。