JPH0533264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は巻上、牽引機、詳しくは例えばトラツ
ク或いは船舶などに積載した荷物をロープなどに
より締付けて、前記荷物が転落するのを防ぐとき
に使用する巻上、牽引機に関する。

（従来の技術） 従来、この種巻上、牽引機は例えば実公昭58−
56149号公報に示される如く、内部にチエン導通
路とロードシーブ収容空間とを備え、前記チエン
導通路を下方に開放した本体に、ラチエツトホイ
ルをもつたロードシーブを回転自由に支持して、
前記ロードシーブをハンドルの往復動操作により
前記ラチエツトホイルを介して強制回転させ、こ
のロードシーブに掛設したチエンを引込んで荷締
めを行なうべく成す一方、前記本体の上方に鍔部
をもつ固定軸を設け、該固定軸の鍔部に、一端に
固定用のフツクをもつ固定チエンを接続金具を介
して回転自由に取付けたものが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、以上の如く構成した従来の巻上、牽
引機によれば、本体を荷台などの固定体に引掛け
て固定する固定手段として、前記した如くフツク
とチエン及び該チエンを前記固定軸の鍔部に回転
自由に連結する接続金具が必要で、その部品点数
が多く、かつコストも高価となり、その上、巻
上、牽引機全体が嵩高となる問題を有していた。

本考案の目的は、ロードシーブを支持する本体
に該本体の前記ロードシーブを収容する収容空間
を隔離してフツクを直接回転自由に支持して、前
記収容空間への外物の侵入を少なくしながら、ロ
ードシーブ及びフツクの本体への組込みや保守並
びに交換を容易にでき、さらに、巻上、牽引機全
体を嵩低くでき、かつ、部品点数を少なくコスト
も安価にできる如く成す点にある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、内部にチエン導通路１１と両側に一
対の軸孔１３，１４を設けたロードシーブ収容空
間１２とを備え、前記チエン導通路１１を下方に
開放した一体形の本体１を形成して、この本体１
の前記ロードシーブ収容空間１２に、ラチエツト
ホイル３１を持つたロードシーブ３０を挿嵌し、
前記軸孔１３，１４に回転自由に支持すると共
に、前記本体１の上方を延長して、この延長部に
前記ロードシーブ収容空間１２とは隔離した凹部
から成り、フツク４の連結軸部４１と係合する係
合部１５ａを設けたフツク保持体１５を一体に形
成する一方、前記係合部１５ａと符合する係合部
１６ａをもつたカバー体１６を形成し、該カバー
体１６を前記フツク保持体１５に複数のボルト１
７，１８により固定して、前記両係合部１５ａ，
１６ａ間にフツク４の連結軸部４１を回転可能に
支持し、かつ、前記ボルト１７，１８のうち、一
つのボルト１７の頭部側に、前記本体１の側部か
ら外方に突出する延長部１７ａを設けて、この延
長部１７ａに、前記ラチエツトホイル３１に噛合
う逆転防止爪５を回転自由に支持すると共に、該
逆転防止爪５を前記ラチエツトホイル３１との噛
合方向に付勢するスプリング６を支持したもので
ある。

（作用） 上記構成により、例えば前記フツク４を荷台な
どの固定体に引掛けて本体１を固定すると共に、
前記ロードシーブ３０を強制回転させて、該ロー
ドシーブ３０に掛設したチエンを引込んで荷締め
を行なうのであり、又前記フツク４は前記本体１
から延長したフツク保持体１５に直接支持される
ので、巻上、牽引機全体が嵩低くなつて取扱いが
容易となり、かつ、その管理も楽に行なえるので
ある。

また、前記凹部から成る係合部１５ａは、前記
一体形の本体１をわざわざ延長して一体に形成し
たフツク保持体１５に設け、しかも、該係合部１
５ａを前記ロードシーブ収容空間１２に対し隔離
する凹部により形成して、この係合部１５ａに前
記カバー体１６を介して前記フツク４を支持する
ようにしているから、該フツク４の本体への取付
けと前記ロードシーブ３０の本体１への組込みと
をそれぞれ独立して容易に行え、これにより、前
記ロードシーブ３０又はフツク４を本体１から取
外して保守したり、交換する場合でも、前記フツ
ク４又はロードシーブ３０を本体１に取付けた
まゝ行うことができ、従つて、前記ロードシーブ
３０又はフツク４の本体１への取付けや保守及び
交換を容易に行うことができ、その上、前記本体
１にフツク４を保持する空間はロードシーブ収容
空間１２とは隔離しているから、前記係合部１５
ａから前記ロードシーブ収容空間１２に砂や塵埃
或いは水等が侵入したりすることがないのであ
る。

また、前記カバー体１６を前記フツク保持体１
５に固定する複数のボルト１７，１８のうち、一
つのボルト１７の頭部側に、前記荷締機本体１の
側部から外方に突出する延長部１７ａを設けて、
この延長部１７ａに、前記ラチエツトホイル３１
に噛合う逆転防止爪５を回転自由に支持すると共
に、該逆転防止爪５を前記ラチエツトホイル３１
との噛合方向に付勢するスプリング６を支持した
から、前記ボルト１７を逆転防止爪５及びスプリ
ング６の前記本体１への取付軸として兼用でき、
これにより、部品点数を少なくして、構造の簡素
化を図ることができると共に、前記ボルト１７に
よる前記フツク保持体１５へのカバー体１６の固
定により、前記逆転防止爪５及びスプリング６の
本体１への取付けを同時に行うことができ、その
組付けも容易に行うことができるのである。

（実施例） 図面は本考案にかゝる巻上、牽引機の実施例を
示し、図において１は巻上、牽引機本体で、該本
体１を鋳鉄などの金属材料により一体的に形成し
て、その内部に、チエン２の正常な通過のみを許
し下方に開放する平面十字形の規制孔１１ａ，１
１ｂをもつチエン導通路１１と、該導通路１１に
連続するロードシーブ収容空間１２を形成するの
である。

又、前記本体１の前記空間１２を挟んだ両側に
はラチエツトホイル３１をもつたロードシーブ３
０を回転自由に支持する軸孔１３，１４を対向状
に形成すると共に、前記本体１の上方を延長して
フツク４の頭部から成る連結軸部（以下頭部と称
す）４１と係合する凹部１５ａをもつフツク保持
体１５を一体に形成する一方、前記凹部１５ａと
符合する凹部１６ａをもつたカバー体１６を形成
し、該カバー体１６を前記フツク保持体１５に複
数のボルト１７，１８により固定して、前記両凹
部１５ａ，１６ａ間にフツク４の連結軸部４１を
回転可能に支持し、かつ、前記ボルト１７，１８
のうち、一つのボルト１７の頭部側に、前記本体
１の側部から外方に突出し、該ボルト１７の軸方
向内方への移動を阻止する当接面をもつ大径部１
７ａを設けて、この大径部１７ａに、前記ラチエ
ツトホイル３１に噛合う逆転防止爪５を回転自由
に支持すると共に、該逆転防止爪５を前記ラチエ
ツトホイル３１との噛合方向に付勢するスプリン
グ６を支持した構成したのである。

具体的には、前記本体１のフツク保持体１５
に、フツク４の頭部４１に係合する半割状で、か
つ、前記ロードシーブ収容空間１２と隔離したの
凹部から成る係合部（以下凹部と称す）１５ａを
形成する共に、該凹部１５ａと符合する半割状の
凹部から成る係合部（以下凹部と称す）１６ａを
もつたカバー体１６を形成して、前記両凹部１５
ａ，１６ａによりフツク４の頭部４１を回転自由
に保持した状態で前記カバー体１６を前記本体１
にボルト１７，１８とナツト１９，２０などの固
定手段により固定するのである。

又前記ロードシーブ３０は鋳鉄などの金属材料
から成り、その軸方向中間部に周設されるチエン
係合溝３０ａの両側には前記中間部の外径と同一
径で、前記本体１の軸孔１３，１４に嵌合する一
対の軸部３０ｂ，３０ｃが形成されている。そし
て該ロードシーブ３０における前記軸部３０ｂ，
３０ｃのうち、一方の軸部３０ｃの外側方には、
該ロードシーブ３０より大径としたラチエツトホ
イル３１と例えば六角形などの非円形外形をもつ
ハンドル嵌合体３２とを順次配置して、これらラ
チエツトホイル３１及びハンドル嵌合体３２とを
前記ロードシーブ３０と一体的に形成して、１つ
の回転ブロツク３を形成している。

しかして、この回転ブロツク３は、前記ロード
シーブ３０の各軸部３０ｂ，３０ｃを前記本体１
の両軸孔１３，１４へ嵌合することにより前記本
体１に回転自由に支持させると共に、前記本体１
のチエン導通路１１へのチエン２の導通により、
前記ロードシーブ３０を前記本体１に保持される
ことになる。即ち、前記チエン導通路１１へのチ
エン２の導通により該チエン２が前記ロードシー
ブ３０のチエン係合溝３０ａと前記導通路１１と
に跨つた状態で係合することから、該チエン２に
より前記ロードシーブ３０の軸方向への移動は阻
止され、該ロードシーブ３０の前記本体１からの
外れが阻止されるのである。

又前記カバー体１６の固定に用いる複数のボル
ト１７，１８のうち、一本のボルト１７の頭部側
に軸方向に延びる大径な延長部１７ａを設けて、
該延長部１７ａを前記本体１の側部から外方に突
出させ、斯かるボルト１７の延長部１７ａに前記
ラチエツトホイル３１に噛合う逆転防止爪５を回
転自由に支持すると共に、前記延長部１７ａにお
ける逆転防止爪５と前記本体１との間の外周に、
該爪５を前記ラチエツトホイル３１側に付勢する
スプリング６を支持して、常時は前記爪５を前記
ラチエツトホイル３１に噛合させて、前記ロード
シーブ３０の逆転を防止すべく成している。この
場合、前記ボルト１７を逆転防止爪５及びスプリ
ング６の前記本体１への取付軸として兼用でき、
これにより、部品点数を少なくして、構造の簡素
化を図ることができると共に、前記ボルト１７に
よる前記フツク保持体１５へのカバー体１６の固
定により、前記逆転防止爪５及びスプリング６の
本体１への取付けを同時に行うことができ、その
組付けも容易に行うことができる。

又、前記ハンドル嵌合体３２を利用して前記回
転ブロツク３を牽引方向に回転させる際、例えば
メガネレンチなどの治具をハンドル７として用
い、このハンドル７を前記ハンドル嵌合体３２に
着脱自由に嵌合するのである。

本考案の巻上、牽引機はは以上の如く構成する
もので、例えば荷締作業に使用するに際しては、
前記フツク４を荷台などの固定体に引掛けて本体
１を係止すると共に、ロードシーブ３０に掛設す
るチエン２の一端に取付けたフツク（図示せず）
を、前記荷台上の荷物を締付けるロープの一端に
引掛け、然る後、ハンドル嵌合体３２にハンドル
７を係合し、該ハンドル７を往復動させて、この
ハンドル７の往動による動力をロードシーブ３０
に伝え、該ロードシーブ３０を強制回転させてこ
のロードシーブ３０に掛設したチエン２を引込ん
で前記ロープの一端を引張ることにより荷締めを
行なうのである。

尚、前記ハンドル７の復動時には、逆転防止爪
５によりラチエツトホイル３１の共回いが阻止さ
れている。

又前記ハンドル７により荷締作業を行なう際、
前記本体１におけるハンドル嵌合体３２を荷物或
いは荷台との当接面に対し上方に位置させる場合
は勿論、横方向に位置させて横置状態で使用する
場合にも、前記ハンドル７のハンドル嵌合体３２
への嵌合部分が荷物に接触することがなく、その
使用が可能で該ハンドル７による操作性を良好に
行なえるのであり、その上、前記荷締作業を行な
つた後には、前記ハンドル７を前記ハンドル嵌合
体３２から取外すことにより荷物の運搬時に前記
ハンドル７が外物に当つたりして邪魔になること
もないのである。

一方、前記荷締めを解く場合には、前記逆転防
止爪５のラチエツトホイル３１に対する噛合を解
除し、この解除状態のまゝ前記チエン２を引出し
て前記ロープを緩めれば良いのである。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、内部にチエン導通路１１
と両側に一対の軸孔１３，１４を設けたロードシ
ーブ収容空間１２とを備え、前記チエン導通路１
１を下方に開放した一体形の本体１を形成して、
この本体１の前記ロードシーブ収容空間１２に、
ラチエツトホイル３１をもつたロードシーブ３０
を挿嵌し、前記軸孔１３，１４に回転自由に支持
すると共に、前記本体１の上方を延長して、この
延長部に前記ロードシーブ収容空間１２とは隔離
した凹部から成り、フツク４の連結軸部４１と係
合する係合部１５ａを設けたフツク保持体１５を
一体に形成する一方、前記係合部１５ａと符合す
る係合部１６ａをもつたカバー体１６を形成し、
該カバー体１６を前記フツク保持体１５に複数の
ボルト１７，１８により固定して、前記両係合部
１５ａ，１６ａ間にフツク４の連結軸部４１を回
転可能に支持し、かつ、前記ボルト１７，１８の
うち、一つのボルト１７の頭部側に、前記本体１
の側部から外方に突出する延長部１７ａを設け
て、この延長部１７ａに、前記ラチエツトホイル
３１に噛合う逆転防止爪５を回転自由に支持する
と共に、該逆転防止爪５を前記ラチエツトホイル
３１との噛合方向に付勢するスプリング６を支持
したから、前記本体１を延長して一体に形成した
係合部１５ａをもつフツク保持体１５にフツク４
を直接回転自由に支持することができ、これによ
り従来例のようにフツクとは別にチエンや接続金
具を用いる必要がなく、部品点数を少なく、か
つ、コスト安価に提供できると共に、巻上、牽引
機全体を嵩低くできるので取扱いが容易で管理も
楽に行なうことができ、しかも、前記凹部から成
る係合部１５ａは、前記一体形の本体１をわざわ
ざ延長して一体に形成したフツク保持体１５に設
けて、該係合部１５ａを前記ロードシーブ収容空
間１２に対し隔離し、この係合部１５ａに前記カ
バー体１６を介して前記フツク４を支持するよう
にしたから、前記フツク４の本体への取付けと、
前記ロードシーブ３０の本体１への組込みとをそ
れぞれ独立して容易に行うことができ、これによ
り、前記ロードシーブ３０又はフツク４を本体１
から取外して保守したり、交換する場合でも、前
記フツク４又はロードシーブ３０を本体１に取付
けたまゝ行うことができ、従つて、前記ロードシ
ーブ３０又はフツク４の本体１への取付けや保守
及び交換を容易に行うことができ、その上、前記
本体１にフツク４を保持する空間はロードシーブ
収容空間１２とは隔離しているから、前記フツク
４の保持部から前記ロードシーブ収容空間１２に
砂や塵埃或いは水等が侵入したりすることがない
のである。

さらに、前記カバー１６を前記フツク保持部に
１５に固定する複数のボルト１７，１８のうち、
一つのボルト１７の頭部側に、前記本体１の側部
から外方に突出する延長部１７ａを設けて、この
延長部１７ａに、前記ラチエツトホイル３１に噛
合う逆転防止爪５を回転自由に支持すると共に、
該逆転防止爪５を前記ラチエツトホイル３１との
噛合方向に付勢するスプリング６を支持したか
ら、前記ボルト１７を逆転防止爪５及びスプリン
グ６の前記本体１への取付軸として兼用でき、こ
れにより、部品点数を少なくして、構造の簡素化
を図ることができると共に、前記ボルト１７によ
る前記フツク保持体１５へのカバー体１６の固定
により、前記逆転防止爪５及びスプリング６の本
体１への取付けを同時に行うことができ、その組
付けも容易に行うことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠断面
図、第２図は第１図−線断面図、第３図は正
面図、第４図は一部省略背面図、第５図は逆転防
止爪の取付状態を示す説明図、第６図は巻上、牽
引機本体の一部概略底面図である。 １……本体、１１……チエン導通路、１２……
ロードシーブ収容空間、１５……フツク保持体、
３０……ロードシーブ、３１……ラチエツトホイ
ル、４……フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にチエン導通路１１と両側に一対の軸孔１
   ３，１４を設けたロードシーブ収容空間１２とを
   備え、前記チエン導通路１１を下方に開放した一
   体形の本体１を形成して、この本体１の前記ロー
   ドシーブ収容空間１２に、ラチエツトホイル３１
   をもつたロードシーブ３０を挿嵌し、前記軸孔１
   ３，１４に回転自由に支持すると共に、前記本体
   １の上方を延長して、この延長部に前記ロードシ
   ーブ収容空間１２とは隔離した凹部から成り、フ
   ツク４の連結軸部４１と係合する係合部１５ａを
   設けたフツク保持体１５を一体に形成する一方、
   前記係合部１５ａと符合する係合部１６ａをもつ
   たカバー体１６を形成し、該カバー体１６を前記
   フツク保持体１５に複数のボルト１７，１８によ
   り固定して、前記両係合部１５ａ，１６ａ間にフ
   ツク４の連結軸部４１を回転可能に支持し、か
   つ、前記ボルト１７，１８のうち、一つのボルト
   １７の頭部側に、前記本体１の側部から外方に突
   出する延長部１７ａを設けて、この延長部１７ａ
   に、前記ラチエツトホイル３１に噛合う逆転防止
   爪５を回転自由に支持すると共に、該逆転防止爪
   ５を前記ラチエツトホイル３１との噛合方向に付
   勢するスプリング６を支持したことを特徴とする
   巻上、牽引機。