JPH0649483U - 巻上・牽引機 - Google Patents

巻上・牽引機

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JPH0649483U
JPH0649483U JP8706092U JP8706092U JPH0649483U JP H0649483 U JPH0649483 U JP H0649483U JP 8706092 U JP8706092 U JP 8706092U JP 8706092 U JP8706092 U JP 8706092U JP H0649483 U JPH0649483 U JP H0649483U
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儀雄 上野
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象印チエンブロック株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成によりハンドル3によるロードシ
ーブ2の駆動回転操作を容易に行え乍ら、必要なとき巻
上・牽引作業を直ちに行えるようにする。 【構成】 ロードシーブ2の軸方向外方側に設けた操作
軸部25に操作ハンドル3を保持し、又は、ロードシー
ブ2の軸心部に相対回転可能に支持した操作軸部27に
操作ハンドル3を保持して、該ハンドル3と操作軸部2
5との間に、又は、ロードシーブ2と操作軸部27との
間に、ハンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを操作軸
部25,27側に伝達する一方向回転伝動機構26,2
8を介装させた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は巻上・牽引機、詳しくは、例えば貨物車両や貨物船舶などに積載した 荷物を締付けるロープなどを緊張させて荷物の荷崩れを防ぐ荷締機などの牽引機 や、荷揚げ荷下しを行う巻上機として用いる巻上・牽引機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、以上のように用いる巻上・牽引機として、例えば実開昭63−6057 5号公報に示され、かつ、図14で示したように、チェーン導通路Bと、該チェ ーン導通路Bに連続するロードシーブ収容空間Cとをもったブロック状の本体A を形成して、この本体Aのロードシーブ収容空間CにロードシーブDを回転自由 に支持すると共に、該ロードシーブDの軸方向一側外方に、このロードシーブD の径より大径としたラチェットホイルRを一体に形成する一方、該ラチェットホ イルRの軸方向外方に6角形状の外面をもつハンドル嵌合体Eを一体に形成し、 さらに、前記本体Aに前記ラチェットホイールRと噛合う逆転防止爪Tを設けた ものが知られている。
【0003】 尚、図14において、Hは前記ハンドル嵌合体Eに着脱可能に嵌合して前記ロ ードシーブDの駆動回転を操作するメガネレンチなどの治具から成るハンドルで あり、また、Fは前記本体Aに設けるフックである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
所が、以上の巻上・牽引機は、前記ハンドル嵌合体Eにメガネレンチなどの治 具から成るハンドルHを嵌合して、前記ロードシーブDの駆動回転を操作するも のであるため、該ロードシーブDの駆動回転操作が繁雑となる問題がある。
【0005】 即ち、前記ロードシーブDには、前記ラチェットホイールRを一体に設けてお り、しかも、このラチェットホイールRには前記本体Aに設ける逆転防止爪Tが 噛合っていて、逆転方向つまり巻下げ又は牽引解除方向の回転が阻止されている のであるから、前記ハンドルHにより前記ロードシーブDを駆動回転するには、 前記ハンドルHを前記ハンドル嵌合体Eに嵌合して、該ハンドルHを回転操作す ることにより行う必要があり、また、障害物があって前記ハンドルHを回転操作 できない場合には、このハンドルHを前記ハンドル嵌合体Eに嵌合したまゝ回転 操作した後、一旦前記ハンドルHを前記ハンドル嵌合体Eから離脱し、再び嵌合 する操作が必要となるし、しかも、前記ハンドルHはハンドル嵌合体Eに単に嵌 合するだけであるから、操作中に抜け出たりすることもあり、以上の結果、前記 ハンドルHによるロードシーブDの駆動回転操作が煩雑となるのである。
【0006】 また、前記ハンドルHはメガネレンチなどの治具を利用できる点で有利な面も あるが、使用現場に前記治具がない場合には必要なとき直ちに巻上・牽引作業が 行えない問題も有している。
【0007】 本考案の目的は、簡単な構成によりハンドルによるロードシーブの駆動回転操 作を容易に行えながら、必要なとき直ちに巻上・牽引作業を行うことができるよ うにする点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、第1の考案は、内部にチェーン導通路4,5とロ ードシーブ収容空間7とを備え、前記チェーン導通路4,5を下方に開放した本 体1の前記ロードシーブ収容空間7に、ラチェットホイール18を備えたロード シーブ2を回転自由に内装すると共に、前記本体1に前記ラチェットホイール1 8に噛合う逆転防止爪14を設けた巻上・牽引機において、前記ラチェットホイ ール18の軸方向外方側に位置する操作軸部25に操作ハンドル3を保持すると 共に、該ハンドル3と前記操作軸部25との間に、前記ハンドル3の巻上・牽引 方向の回転のみを前記操作軸部25に伝達する一方向回転伝動機構26を設けた ものである。
【0009】 また、第2の考案は、前述した第1考案の場合と同様な構成において、前記ロ ードシーブ2に、該ロードシーブ2と相対回転可能な操作軸部27を設けて、該 操作軸部27に操作ハンドル3を一体回転可能に保持し、前記ロードシーブ2と 操作軸部27との間に、前記ハンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを前記操作 軸部27に伝達する一方向回転伝動機構28を設けたものである。
【0010】
【作用】
第1考案の巻上・牽引機では、前記ロードシーブ2におけるラチェットホイー ル18の軸方向外方側に操作軸部25が設けられ、該操作軸部25に前記操作ハ ンドル3が保持されているから、使用に際し直ちに巻上・牽引作業を行うことが できるし、また、前記ハンドル3と操作軸部25との間には、前記ハンドル3の 巻上・牽引方向の回転のみを前記操作軸部25に伝達する一方向回転伝動機構2 6が設けられているため、必要なとき直ちに巻上・牽引作業が行えると共に、前 記ハンドル3を周回操作させなくても所定角度の角回転操作を簡単な構成で容易 に行い得るのである。
【0011】 また、第2考案の巻上・牽引機では、前記ロードシーブ2に相対回転可能な操 作軸部27が設けられ、該操作軸部27に前記操作ハンドル3が一体回転可能に 保持されているため、第1考案の場合と同様に、使用に際し直ちに巻上・牽引作 業を行えるし、しかも、前記ロードシーブ2と操作軸部27との間には、前記ハ ンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを前記操作軸部27に伝達する一方向回転 伝動機構28が設けられているため、前記作用効果が得られながら、操作軸部2 7とロードシーブとの間に前記一方向回転伝動機構28を設けている故、前記ハ ンドル3の操作を円滑に行えるのである。
【0012】
【実施例】
図1,図2に示した実施例は定格負荷150Kgの小形のレバ−式巻上・牽引機 であって、例えば上下方向の長さを68mm、左右方向の幅寸法を42mm、厚さ2 0mmとした長方形状の立方体から成り、小形で、かつ、図13のように片手で把 持できる本体1をべースに、後記するロードシーブ2及び該ロードシーブ2を駆 動回転する操作ハンドル3を組込んで構成するのである。
【0013】 前記本体1は主としてアルミニウム合金を用いダイキャストにより成形するの であって、図9,10のようにチェーン導通路4,5を形成する下向開放のチエ ーン導通路形成部6と、このチエーン導通路形成部6に連続し、前記本体1の厚 さ方向に貫通するロードシーブ収容空間7とを設けると共に、前記チェーン導通 路形成部6の中間部における内面には後記するチェーンけり8を嵌合するための 嵌合溝9を設け、この嵌合溝9への前記チェーンけり8の嵌合により一対のチェ ーン導通路4,5を形成している。尚、前記嵌合溝9は下方が開放しており、上 方が前記ロードシーブ収容空間7の手前で終っており、その終端近くには前記チ ェーンけり8を固定する固定割ピンPの挿通孔10を設けている。
【0014】 尚、前記チェーン導通路形成部6およびロードシーブ収容空間7には、図9, 10に示したように、その幅方向外側に、チェーンCHにおけるリンクの導通を 許容するリンク線径よりやゝ幅広のリンク導通溝6aをもっており、また、前記 チェーンけり8を前記嵌合溝9に嵌合することにより前記チェーン導通路4,5 の導入口側に十字状規制孔が形成できるようになっている。
【0015】 また、前記本体1における前記収容空間7の上方で、前記チェーン導通路4, 5のうち、負荷側チェーンCHが移動するチェーン導通路4の直上方には、図5 〜図8で示したように、前記収容空間7とは隔壁11を介して隔離された後記す るフック12の支持空間13を貫通状に設け、この支持空間13の天壁部13a に前記フック12の取付軸部12bを挿通する挿通孔13bを設けると共に、前 記支持空間13の幅方向側には、後記する逆転防止爪14を支持する爪軸15の 軸孔16を貫通状に設けており、前記本体1の背面における前記軸孔16の周り には、つまり前記逆転防止爪14の支持側を正面とした場合の背面における軸孔 16の周りには、前記爪軸15のねじ部に螺合するナット15dの受座17を前 記ナット15dの高さと合わせて凹入状に形成している。
【0016】 そして、前記本体1の正面で、後記するラチェットホイール18の周りには、 このラチェットホイール18の支持高さよりやゝ高く、その外周を覆う円弧状の ガード壁19を突出状に周設すると共に、前記逆転防止爪14を支持する前記本 体1のコーナー部には前記逆転防止爪14の支持厚さより高く、該逆転防止爪1 4及び前記爪軸15を外力に対しガードする一対のランド状ガード壁20を突設 している。
【0017】 一方、前記ロードシーブ2は、図1で明らかなように、軸方向中間部にチェー ン係合溝2aを設け、その両側に前記ロードシーブ収容空間7の両側に設ける軸 孔21に回転自由に支持される一対の軸部2bを設け、一方の軸部2bの外方に は、前記ロードシーブ2より大径とした前記ラチェットホイール18を一体に形 成している。
【0018】 また、前記チェーンけり8は、図11,図12で明らかなように、前記嵌合溝 9に嵌合する嵌合突条8bを設けると共に、幅方向両側には、前記したように前 記チェーン導通路形成部6の幅方向外側に設ける前記リンク導通路6aに対向す るリンク導通溝8aを設けて、前記本体1のリンク導通溝6aと共に十字状規制 孔を形成するようにしており、更に、前記チェーン導通路形成部6への嵌合方向 先端には前記したチェーン巻込み防止片8cを突設し、その内方には前記固定割 ピンPの貫通孔8dを設けている。
【0019】 そして、前記ロードシーブ2をロードシーブ収容空間7を挿入し、かつ、前記 チェーンけり8を前記チェーン導通路形成部6に嵌合して、前記固定割ピンPで 固定することにより、前記チェーンけり8の巻込み防止片8aが収容空間7に突 入して前記ロードシーブ2のチェーン係合溝2aに係合することになり、この係 合と、更に前記チェーン導通路4,5の一方から他方へのチェーンCHの導通と により、前記ロードシーブ2の軸方向への移動が防止され、前記本体1からの離 脱なく前記ロードシーブ2を前記本体1に保持させられるのである。
【0020】 また、前記逆転防止爪14を支持する前記爪軸15は、図8に鎖線で示したよ うに、頭部15aと大径軸部15b及び小径ねじ軸部15cとから成り、前記大 径軸部15bに前記逆転防止爪14及び該爪14を前記ラチェットホイール18 の歯部に係合させる爪ばね22を保持し、前記爪軸15を前記本体1の軸孔16 に挿嵌し、前記小径ねじ部15cへのナット15dの締込みにより前記本体1に 取付けるのである。
【0021】 前記爪ばね22は図2に示したようにコイルスプリングから成り、そのばね足 の一方を前記逆転防止爪14に係止すると共に、ばね足の他方を前記本体1の正 面に設ける一対のランド状ガード壁20の間に係合させるのであり、また、前記 逆転防止爪14は、図2で明らかなように、前記ラチェットホイール18の歯部 に噛合う爪本体14aと、該爪14aの前記歯部との噛合いを離脱操作するため の操作部14bとを備え、前記本体1を図13のように片手で把持したとき、そ の指の一部を前記操作部14bに当接させて操作可能となし、該操作部14bの 操作により前記歯部に常時噛合う前記爪本体14aを離脱可能とし、巻上又は牽 引操作した状態から巻下げ又は牽引解除が行えるようにしている。
【0022】 また、図1,図2に示した前記フック12は、フック本体12aと、該フック 本体12aの基部から延びるねじをもった取付軸部12bとから成り、この取付 軸部12bにピン孔を貫通状に設けているもので、前記取付軸部12bを前記本 体1の支持空間13に開口する前記挿通孔13bに挿通して、前記取付軸部12 bに、ピン孔をもった円形ナット23を前記支持空間13に組入れて螺合し、そ の所定螺合位置で、前記ナット31及び取付軸部12bのピン孔に割形ピン24 を挿嵌固定することにより前記本体1に回転可能に支持するのである。
【0023】 しかして図1,2に示した実施例は、以上の構成において、第1の考案では、 前記ロードシーブ2に設ける前記ラチェットホイール18の軸方向外方側に操作 軸部25を一体に設けて、この操作軸部25に前記操作ハンドル3を保持すると 共に、該ハンドル3と前記操作軸部25との間に、前記ハンドル3の巻上・牽引 方向の回転のみを前記操作軸部25に伝達する一方向回転伝動機構26を設ける のである。
【0024】 更に詳記すると、前記操作軸部25は、図1で明らかなように、前記ラチェッ トホイール18の軸方向外方側に連続状に設けられる円形の大径部25aと、該 大径部25aの外方側に連続状に設けられる円形の小径部25bとから形成され ている。また、前記操作ハンドル3は、取付基部3aと操作部3bとを備え、こ の取付基部3aに、前記操作軸部25に前記ハンドル3を回転可能に支持するた めの挿通孔3cを形成するのであって、この挿通孔3cは、前記取付基部3aの 幅方向両側に位置され、前記操作軸部25の大径部25aよりやや大径とされた 第1,第2軸孔3d,3eをもち、これら各軸孔3d,3eの間に前記一方向回 転伝動機構26を構成する後述のラチェット部26aを設ける。
【0025】 そして、前記取付基部3aに設けた挿通孔3cの第1軸孔3dを前記操作軸部 25における大径部25aに挿嵌し、かつ、前記挿通孔3cの第2軸孔3eと前 記操作軸部25の小径部25bとの間に円板形状の押え板25cを挿入して、こ の押え板25cと前記大径部25aとにより前記ハンドル3を前記操作軸部25 に2点支持構造で回転可能に支持すると共に、前記小径部25bの外部側に前記 押え板25cに当接される頭部をもつ止めねじ27を螺締して、前記ハンドル3 を前記操作軸部25に回転可能に支持するのである。
【0026】 以上のように、前記押え板25cと大径部25aとで前記ハンドル3を前記操 作軸部25に2点支持させることにより、前記ハンドル3を操作軸部25に確実 に支持できて、該操作軸部25の前記ハンドル3による回転駆動操作を円滑に行 うことができ、また、前記操作軸部25における挿通孔3cの外方側に第2軸孔 3eを形成して、この軸孔3eと前記操作軸部25の小径部25bとの間に前記 押え板25cを挿入させることにより、前記ロードシーブ2の軸方向長さ、つま り前記操作軸部25を含む軸方向の全体長さを短くすることができ、より小型化 を有効に図れるのである。
【0027】 また、前記ハンドル3と操作軸部25との間に設ける前記一方向回転伝動機構 26は、図3で明らかなように、前記ハンドル3の取付基部3aに設ける軸孔3 cの第1,第2軸孔3d,3e間に形成される円形状のラチェット部26aと、 前記操作軸部25の小径部25bの外周複数箇所に揺動自由に支持され、爪ばね (図示せず)により前記ラチェット部26aの歯部に係合されるラチェット爪2 6bとから成り、これらラチェット部26aとラチェット爪26bは、前記逆転 防止爪14とラチェットホイール18とによる回転方向と同一方向にのみ回転駆 動可能とされていて、前記ハンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを前記操作軸 部25に伝達可能としている。
【0028】 さらに、前記操作ハンドル3の操作部3bは、前記取付基部3aと一体に形成 してもよいが、図1に示した実施例では着脱可能とされており、つまり、図1, 図2で示したように、前記操作部3bの先端側に連結用突起3fを設けると共に 、前記取付基部3aに前記突起3fを受入可能な挿通溝3gを形成して、該挿通 溝3gに前記突起3fを挿入し、かつ、両者間にピン3hを抜き差し可能に挿通 させることにより、前記操作部3bを取付基部3aに着脱可能に取付けるように している。尚、前記操作部3bを取付基部3aに対し着脱可能に取付ける場合、 前述した構成に限らず、例えば前記操作部3bと取付基部3aとの一方側にねじ 部を他方側にねじ孔を設けて、両者の螺合又は離合操作により前記操作部3bを 取付基部3aに着脱するようにしてもよく、また、前記突起3cと挿通溝3dと の一方に係合ボールを、他方に該ボールに係合可能な係合孔を設けて、これらボ ールと係合孔との係脱によりワンタッチ操作で前記操作部3bを取付基部3aに 着脱するようにしてもよい。
【0029】 そして、前記ハンドル3を巻上・牽引方向に回転させるときに、前記操作部3 bを取付基部3aに取付けて、この操作部3bの回転操作で前記操作軸部25を 回転駆動させて巻上又は牽引操作を行うようになし、一方、前記逆転防止爪14 を前記ラチェットホイール18から離脱操作して、巻上又は牽引操作した状態か ら巻下げ又は牽引解除を行うときには、前記操作部3bを取付基部3aから取外 すようになすのである。即ち、以上の構成では、前記ハンドル3と操作軸部25 との間に前記一方向回転伝動機構26が介装されているため、前記逆転防止爪1 4を前記ラチェットホイール18から離脱操作して巻下げ又は牽引解除を行うと き、前記一方向回転伝動機構26を介して前記ハンドル3が操作軸部25に追従 回転することが生じた場合、このハンドル3が長尺状態のままで回転されると、 前記本体1を把持する作業者の手指などに接触する虞れがあるが、前記操作部3 bを取付基部3aから取外すことにより、前記取付基部3aのみを前記操作軸部 25に追従回転させられる。
【0030】 また、図4に示した実施例は、前記本体1の収容空間7に支持される前記ロー ドシーブ2に、該ロードシーブ2と相対回転可能な操作軸部27を貫通状に設け て、該操作軸部27の軸方向一端側に前記操作ハンドル3を一体回転可能に保持 すると共に、前記ロードシーブ2と操作軸部27との間に、前記ハンドル3の巻 上・牽引方向の回転のみを前記操作軸部27に伝達する一方向回転伝動機構28 を設けたのである。
【0031】 更に詳記すると、図4で示したように、前記ロードシーブ2の軸心部に幅方向 に貫通する挿通孔2cを設けて、該挿通孔2cに前記操作軸部27を相対回転可 能に挿通させると共に、この操作軸部27の挿通外端側に径小軸部27aを設け て、該軸部27aに前記ハンドル3の取付基部側を挿嵌し、かつ、前記軸部27 aの外端側に設けるねじ部にナット27bを螺締することにより、前記操作軸部 27に前記ハンドル3を取付ける一方、前記ロードシーブ2における前記ラチェ ットホイール18の軸方向外方側に筒体29を一体状に突設して、この筒体29 と前記操作軸部27との間に前記一方向回転伝動機構28を介装させる。
【0032】 さらに、前記一方向回転伝動機構28は、前記筒体29の内周面に形成される 円形状のラチェット部28aと、前記操作軸部27の外周複数箇所に揺動自由に 支持され、前記ラチェット部28aの歯部に係合されるラチェット爪28bとか ら成り、これらラチェット部28aとラチェット爪28bは、前記逆転防止爪1 4とラチェットホイール18とによる回転方向と同一方向にのみ回転駆動可能と されていて、前記ハンドル3を巻上・牽引方向に回転させた場合のみに、このハ ンドル3の回転動力を前記操作軸部27から前記ロードシーブ2側に伝達させる ようにしている。尚、図4の一方向回転伝動機構28においても、前述した第1 実施例と同様に、前記ラチェット爪28bは、前記ラチェット部26aの歯部と 常時係合する方向に爪ばねにより付勢させている。また、前記一方向回転伝動機 構28は、以上のように、前記ロードシーブ2の軸方向外方側に筒体29を別途 設けることなく、このロードシーブ2の内部側と前記操作軸部27との間に介装 させることも可能である。
【0033】 次に、以上のように構成する実施例の作動を説明する。
【0034】 前記本体1には、前記駆動ユニット及びチェーンけり8が前記したように組込 まれ、かつ、前記逆転防止爪14及びフック12が前記したように組付けられ、 前記チェーン導通路4,5には、例えば図13のように、下フック30をもった チェーンCHを導通させて、荷締作業や荷物の巻上げ又は巻下げ作業に用いられ るのである。
【0035】 そして、例えば貨物自動車に積載する荷物の荷締作業に用いる場合には、前記 チェーンCHの下フック30を、前記貨物自動車に設けるフックに直接又は間接 的に引掛けて係止し、また、前記フック12を前記荷物に掛け渡したロープやベ ルトなどの荷締部材の先端に引掛け、先ず前記逆転防止爪14を離脱操作し、前 記チェーンCHの無負荷側を引っ張って前記荷締部材に所定の緊張を与えた後、 前記逆転防止爪14の離脱操作を開放した状態で前記ハンドル3を回転操作する のである。
【0036】 しかして、第1実施例では、前記ロードシーブ2におけるラチェットホイール 18の軸方向外方側に操作軸部25が一体状に設けられ、該操作軸部25に前記 操作ハンドル3が保持されており、また、第2実施例でも、前記ロードシーブ2 に相対回転可能な操作軸部27が設けられ、該操作軸部27に前記操作ハンドル 3が一体回転可能に保持されているため、巻上・牽引作業を行う場合直ちに前記 ハンドル3の回転操作で巻上・牽引作業を行うことができる。また、このとき、 前記本体1は、前記したように片手で把持できる大きさとなっており、しかも、 背面側には突出部がなく平坦状となっているから、図13に示したように、前記 本体1を楽に把持できると共に斯く把持した上で、前記ハンドル3を操作するこ とができ、従って、前記ハンドル3の回転操作が楽に、かつ、安定よく有効に行 えるのであり、その上、前記本体1には前記ラチェットホイール18の周りにガ ード壁19が設けられ、また前記逆転防止爪14の取付部側角部にもガード壁2 0が設けられているから、前記本体1を把持する手指がラチェットホイル18の 歯部に触れたり、また、逆転防止爪14の操作部14bに触れたりしてラチェッ トホイル18及び逆転防止爪14の動作が悪影響を受けたり、手指に痛さを与え たりすることもないのである。
【0037】 さらに、第1の実施例では、前記操作ハンドル3が支持される操作軸部25と 前記ハンドル3との間に、このハンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを前記操 作軸部25に伝達する一方向回転伝動機構26が介装されていることから、前記 ハンドル3を周回操作させなくても、該ハンドル3を前記一方向回転伝動機構2 6を構成する前記ラチェット爪26bがラチェット部26aと係合する一方向角 回転操作することにより、前記ハンドル3の回転動力を前記一方向回転伝動機構 26を介して前記操作軸部25及びロードシーブ2側へと伝達させて、該ロード シーブ2の所定角度にわたる駆動回転操作を行うことができ、従って、このハン ドル3の操作を連続して容易かつ迅速に行うことができるのである。
【0038】 また、第2実施例においては、前記ロードシーブ2の軸心部に形成された挿通 孔2cに前記操作軸部27が相対回転可能に挿通され、この操作軸部27に前記 ハンドル3が取付けられ、かつ、前記操作軸部27と前記ロードシーブ2との間 に前記一方向回転伝動機構28が介装されているため、前記ハンドル3を操作を こぜなく、円滑に行うことができるのであり、従って、前述した第1実施例と同 様に、前記ハンドル3の操作を連続して容易かつ迅速にその上円滑に行うことが できるのである。
【0039】 また、以上のハンドル3による前記荷締部材の締付作業により荷締めした後、 この荷締めを開放するには、前記逆転防止爪14の離脱操作により行える。つま り、前記逆転防止爪14を離脱操作により前記ロードシーブ2はフリー状態とな るから、容易に荷締めを開放できるのであり、また、前記本体1には、前記ガー ド壁19を設けているから、逆転防止爪14を離脱操作するとき、手指がラチェ ットホイル18に触れることがなく、安全に牽引解除操作が行える。
【0040】 以上説明した各実施例は、前記本体1を片手で把持できる大きさ及び形状とし たが、この大きさや形状は限定されることはない。また、前記本体1にはフック 12を直接取付けたが、チェーンを備えたフックを用い、このチェーンの先端側 を前記本体1に結合ピンを介して取付けてもよいし、また、前記フック12を回 転可能に支持したフック支持体を結合ピンを介して前記本体1に揺動可能に支持 してもよい。
【0041】 また、前記本体1はアルミダイキャストで一体に形成したが、半割状に形成し てボルト、ナットにより結合してもよい。また、前記第1考案の場合、前記ロー ドシーブ2とラチェットホイール18及び操作軸部25とを一体に形成したが、 別部材に形成して一体的に結合してもよい。更に、前記チェーンけり8を前記本 体1と別部材により形成して前記チェーン導通路形成部6に嵌合したが、予め一 体に形成してもよい。この場合、前記チェーン巻込み防止片8cをなくして前記 ロードシーブ収容空間7を非突出状とするのであって、チェーン導通路へのチェ ーンの導通により前記ロードシーブを保持するようにするのである。
【0042】
【考案の効果】 以上のように、第1の考案では、内部にチェーン導通路4,5とロードシーブ 収容空間7とを備え、前記チェーン導通路4,5を下方に開放した本体1の前記 ロードシーブ収容空間7に、ラチェットホイール18を備えたロードシーブ2を 回転自由に内装すると共に、前記本体1に前記ラチェットホイール18に噛合う 逆転防止爪14を設けた巻上・牽引機において、前記ラチェットホイール18の 軸方向外方側に位置する操作軸部25に操作ハンドル3を保持すると共に、該ハ ンドル3と前記操作軸部25との間に、前記ハンドル3の巻上・牽引方向の回転 のみを前記操作軸部25に伝達する一方向回転伝動機構26を設けたから、巻上 ・巻下作業や牽引作業を行う場合、直ちにこれらの作業を行うことができるし、 また、前記ハンドル3を周回操作せなくても、該ハンドル3の角回転操作により 前記ロードシーブ2の駆動回転を簡単な構成で容易に行うことができる。
【0043】 また、第2の考案は、前述した第1考案の場合と同様な構成において、前記ロ ードシーブ2に、該ロードシーブ2と相対回転可能な操作軸部27を設けて、該 操作軸部27に操作ハンドル3を一体回転可能に保持し、前記ロードシーブ2と 操作軸部27との間に、前記ハンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを前記操作 軸部27に伝達する一方向回転伝動機構28を設けたから、第1考案の場合と同 様に、使用に際し直ちに巻上・牽引作業を行えるし、しかも、前記ハンドル3を 周回操作せなくても、該ハンドル3の角回転操作により前記ロードシーブ2の駆 動回転を簡単な構成で容易に行うことができ、その上前記操作軸部27を設けて 、この操作軸部27とロードシーブ2との間に前記一方向回転伝動機構28を設 けているから、第1考案に比較して前記ハンドル3の操作をより円滑に行うこと もできるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1考案にかかる巻上・牽引機の一実施例を示
す縦断面図。
【図2】同正面図。
【図3】一方向回転伝動機構の部分を示す側断面図。
【図4】第2考案にかかる巻上・牽引機の要部を示す縦
断面図。
【図5】本体のみの正面図。
【図6】本体のみの背面図。
【図7】図5のAーA線における断面図。
【図8】図5のBーB線における断面図。
【図9】本体のみの下面図。
【図10】図9のCーC線における断面図。
【図11】チェーンけりのみの正面図。
【図12】チェーンけりのみの下面図。
【図13】本体を把持してハンドルを操作する操作状態
を示す説明図。
【図14】従来例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 本体 2 ロードシーブ 3 操作ハンドル 4,5 チェーン導通路 7 ロードシーブ収容空間 14 逆転防止爪 18 ラチェットホイル 25,27 操作軸部 26,28 一方向回転伝動機構

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にチェーン導通路4,5とロードシ
    ーブ収容空間7とを備え、前記チェーン導通路4,5を
    下方に開放した本体1の前記ロードシーブ収容空間7
    に、ラチェットホイール18を備えたロードシーブ2を
    回転自由に内装すると共に、前記本体1に前記ラチェッ
    トホイール18に噛合う逆転防止爪14を設けた巻上・
    牽引機において、前記ラチェットホイール18の軸方向
    外方側に位置する操作軸部25に操作ハンドル3を保持
    すると共に、該ハンドル3と前記操作軸部25との間
    に、前記ハンドル3の巻上・牽引方向の回転のみを前記
    操作軸部25に伝達する一方向回転伝動機構26を設け
    ていることを特徴とする巻上・牽引機。
  2. 【請求項2】 内部にチェーン導通路4,5とロードシ
    ーブ収容空間7とを備え、前記チェーン導通路4,5を
    下方に開放した本体1の前記ロードシーブ収容空間7
    に、ラチェットホイール18を備えたロードシーブ2を
    回転自由に内装すると共に、前記本体1に前記ラチェッ
    トホイール18に噛合う逆転防止爪14を設けた巻上・
    牽引機において、前記ロードシーブ2に、該ロードシー
    ブ2と相対回転可能な操作軸部27を設けて、該操作軸
    部27に操作ハンドル3を一体回転可能に保持し、前記
    ロードシーブ2と操作軸部27との間に、前記ハンドル
    3の巻上・牽引方向の回転のみを前記操作軸部27に伝
    達する一方向回転伝動機構28を設けていることを特徴
    とする巻上・牽引機。
JP1992087060U 1992-12-18 1992-12-18 巻上・牽引機 Expired - Lifetime JPH0745518Y2 (ja)

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