JPH05332148A - 過給式4サイクルエンジン - Google Patents

過給式4サイクルエンジン

Info

Publication number
JPH05332148A
JPH05332148A JP14394592A JP14394592A JPH05332148A JP H05332148 A JPH05332148 A JP H05332148A JP 14394592 A JP14394592 A JP 14394592A JP 14394592 A JP14394592 A JP 14394592A JP H05332148 A JPH05332148 A JP H05332148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
supercharging
crank chamber
lubricating oil
crank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14394592A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yamakoshi
健史 山越
Shigemitsu Ayusawa
重光 鮎沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Shibaura Machinery Corp
Original Assignee
IHI Shibaura Machinery Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Shibaura Machinery Corp filed Critical IHI Shibaura Machinery Corp
Priority to JP14394592A priority Critical patent/JPH05332148A/ja
Publication of JPH05332148A publication Critical patent/JPH05332148A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランク室内の圧力変動を利用して過給を行
なう過給式4サイクルエンジンにおいて、混合気から分
離された多量の潤滑油が過給室内に溜まることを防止す
る。 【構成】 混合気形成部24とクランク室30とを接続
した吸気通路25と、燃焼室14に連通された吸気ポー
ト15と前記クランク室30とを接続した過給室32と
を設け、潤滑油を含んだ混合気をクランク室30内の圧
力変動を利用して吸気通路25からクランク室30へ吸
入すると共に過給室32へ吐出させるようにした過給式
4サイクルエンジンにおいて、前記過給室32の略底部
と前記クランク室30とを連通する潤滑油戻し通路33
を設け、前記過給室32内の圧力が前記クランク室30
内の圧力より高い時のタイミングで短時間開弁するバル
ブ34を前記潤滑油戻し通路33内に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼室への混合気の供
給をクランク室を介して行なうと共に混合気中に含ませ
た潤滑油によってクランク室内の各部の潤滑を行ない、
さらに、ピストンの往復動に伴うクランク室の圧力変動
を利用してその混合気を圧縮して過給するようにした過
給式4サイクルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体燃料に潤滑油を混合し、この
液体燃料と空気との混合気をクランク室を介して燃焼室
へ供給すると共に混合気に含まれる潤滑油によってクラ
ンク室内の各部を潤滑し、さらに、ピストンの往復動に
伴うクランク室の圧力変動を利用してその混合気を圧縮
して過給するようにした過給式4サイクルエンジンとし
ては、特開昭47−35516号公報や特開昭61−2
00330号公報等に開示されたものがあり、このよう
な過給式4サイクルエンジンの代表的な構造を図6乃至
図8に基づいて説明する。
【0003】まず、図6は単気筒過給式4サイクルエン
ジンの全体構造を示したもので、クランクケース1の上
部にシリンダ2が取付けられ、シリンダ2の上部にはシ
リンダヘッド3が取付けられている。前記クランクケー
ス1内に形成されたクランク室4内には軸受(図示せ
ず)により軸支されたクランクシャフト5が回転自在に
設けられており、このクランクシャフト5には前記シリ
ンダ2内を摺動するピストン6がコンロッド7を介して
連結されている。さらに、前記クランク室4内には軸受
(図示せず)により軸支されたカムシャフト8が回転自
在に設けられており、前記クランクシャフト5の一端に
圧入固定されたクランクギヤ9と前記カムシャフト8の
一端に圧入固定されたカムギヤ10とが噛み合ってい
る。なお、前記カムギヤ10の歯数は前記クランクギヤ
9の歯数の二倍に設定されており、前記カムシャフト8
には後述する吸気弁や排気弁を開閉駆動するための吸気
カム11と排気カム(図示せず)とが固定されている。
【0004】前記シリンダヘッド3の上方にはロッカー
カバー12により囲まれた動弁機構収納空間13が形成
されており、この動弁機構収納空間13内には、前記シ
リンダ2内の燃焼室14と前記シリンダヘッド3に形成
された吸気ポート15とを開閉させる吸気弁16を閉弁
方向に付勢するスプリング17や、前記燃焼室14と前
記シリンダヘッド3に形成された排気ポート(図示せ
ず)とを開閉させる排気弁(図示せず)を閉弁方向に付
勢するスプリング(図示せず)や、前記吸気弁16及び
排気弁を開弁方向へ付勢するロッカーアーム18等から
なる動弁機構18aが収納されている。なお、前記ロッ
カーアーム18はアジャストスクリュー19によって前
記シリンダヘッド3の上部に揺動自在に取付けられてお
り、ロッカーアーム18の一端が前記吸気弁16及び排
気弁の上端部に当接されている。また、ロッカーアーム
18の他端にはプッシュロッド20の一端が当接され、
プッシュロッド20の他端はタペット21を介して前記
吸気カム11及び排気カムに当接されている。なお、前
記動弁機構収納空間13と前記クランク室4とは、前記
プッシュロッド20の外周部に形成されたプッシュロッ
ド通路22及びプッシュロッド通路22とクランク室4
とを連通する連通孔23を介して連通されている。
【0005】つぎに、潤滑油を混合した液体燃料と空気
とを混合させた混合気を形成するキャブレター24と前
記クランク室4とが吸気通路25によって接続されてお
り、この吸気通路25とクランク室4との接続部には混
合気がクランク室4内へ吸入されることのみを許容する
リードバルブ26が設けられている。また、前記クラン
ク室4と前記吸気ポート15とが過給室27によって接
続されており、この過給室27とクランク室4との接続
部には混合気が過給室27内へ吐出されることのみを許
容するリードバルブ28が設けられている。なお、過給
室27の容積は、過給室27内の圧力変動を小さくして
安定した出力を得るためには行程容積の10〜20倍必
要である。
【0006】このような構成において、エンジンの圧縮
行程時と排気行程時とにおいては、ピストン6の上昇に
伴ってクランク室4の容積が増大すると共にクランク室
4内の圧力が低下し、図7に示すようにリードバルブ2
6が開弁されると共にキャブレター24において形成さ
れた混合気がクランク室4内へ吸入される。また、エン
ジンの爆発行程時と吸入行程時とにおいては、ピストン
6の下降に伴ってクランク室4の容積が減少すると共に
クランク室4内の圧力が上昇し、図8に示すようにリー
ドバルブ28が開弁されると共にクランク室4内の混合
気が過給室27内へ吐出される。従って、過給室27内
には圧縮されて高圧状態となった混合気が蓄えられ、こ
の混合気が吸気行程時に燃焼室14内へ供給される。
【0007】ここで、混合気に含まれた潤滑油は、クラ
ンク室4内の各部や動弁機構18aを潤滑した後に過給
室27内へ吐出され、さらに、吸気行程時に燃焼室14
内に吸入され、爆発行程時に燃焼される。
【0008】また、このような過給式4サイクルエンジ
ンは、潤滑油を貯留するオイルパンを有しないためにど
のような方向へ向けても、例えば、クランク室4が上部
となるように反転させても使用することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】過給室27内へ吐出さ
れた混合気は、この過給室27の容積が行程容積の10
〜20倍であるために過給室27内での滞留時間が長く
なり、また、過給室27の壁はシリンダヘッド3から伝
わる熱やシリンダ2等を冷却した温風によって温度が上
昇している。このため、過給室27内においては、混合
気中の燃料が気化しやすく、一方、沸点の高い潤滑油は
分離されやすく、条件によっては混合気中に含まれる潤
滑油の略半分が分離される。そして、分離された潤滑油
は図8に示すようにリードバルブ28に近接した過給室
27の底部に溜まる。
【0010】リードバルブ28に近接した位置に溜まっ
た潤滑油は、混合気がクランク室4から過給室27へ吐
出する際の抵抗となってクランク室4から過給室27へ
の混合気の円滑な吐出が妨げられ、過給室27内の圧力
を十分に高めることができなくなって過給式4サイクル
エンジンの出力が低下するという欠点がある。
【0011】また、過給室27の底部に多量の潤滑油が
溜まると、クランク室4が上部となるように過給式4サ
イクルエンジンを反転させた場合に溜まった潤滑油が燃
焼室14内に一度に流入し、圧縮行程時における燃焼室
14内の圧力が異常に上昇してシリンダ2等が破損する
場合がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
混合気形成部とクランク室とを接続した吸気通路と、燃
焼室に連通された吸気ポートと前記クランク室とを接続
した過給室とを設け、ピストンの往復動に伴う前記クラ
ンク室の容積変化によって前記吸気通路から前記クラン
ク室内に潤滑油を含んだ混合気を吸入すると共に圧縮さ
れた前記クランク室内の混合気を前記過給室内に吐出さ
せるようにした過給式4サイクルエンジンにおいて、前
記過給室の略底部と前記クランク室とを連通する潤滑油
戻し通路を設け、前記過給室内の圧力が前記クランク室
内の圧力より高い時のタイミングで短時間開弁するバル
ブを前記潤滑油戻し通路内に設けた。
【0013】請求項2記載の発明は、混合気形成部とク
ランク室とを接続した吸気通路と、燃焼室に連通された
吸気ポートと前記クランク室とを接続した過給室とを設
け、ピストンの往復動に伴う前記クランク室の容積変化
によって前記吸気通路から前記クランク室内に潤滑油を
含んだ混合気を吸入すると共に圧縮された前記クランク
室内の混合気を前記過給室内に吐出させるようにした過
給式4サイクルエンジンにおいて、前記過給室の略底部
と前記吸気通路とを連通する潤滑油戻し通路を設け、前
記過給室内の圧力が前記吸気通路内の圧力より高い時の
タイミングで短時間開弁するバルブを前記潤滑油戻し通
路内に設けた。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、過給室の略底部とク
ランク室とを連通する潤滑油戻し通路内に設けたバルブ
が、過給室内の圧力がクランク室内の圧力より高い時の
タイミングで短時間開弁するため、混合気から分離され
て過給室の底部に溜まった潤滑油が過給室内とクランク
室内との圧力差を利用して潤滑油戻し通路を介してクラ
ンク室内に戻される。従って、過給室の底部に潤滑油が
多量に溜まるということが防止される。
【0015】請求項2記載の発明では、過給室の略底部
と吸気通路とを連通する潤滑油戻し通路内に設けたバル
ブが、過給室内の圧力が吸気通路内の圧力より高い時の
タイミングで短時間開弁するため、混合気から分離され
て過給室の底部に溜まった潤滑油が過給室内と吸気通路
内との圧力差を利用して潤滑油戻し通路を介して吸気通
路内に戻される。従って、過給室の底部に潤滑油が多量
に溜まるということが防止される。
【0016】
【実施例】請求項1記載の発明の一実施例を図1乃至図
3に基づいて説明する。なお、図6乃至図8において説
明した部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省略す
る。まず、図1は本発明に係る単気筒過給式4サイクル
エンジンの全体構造を示したもので、クランクケース2
9の上部にシリンダ2が取付けられ、シリンダ2の上部
にはシリンダヘッド3が取付けられている。前記クラン
クケース29内に形成されたクランク室30内には、コ
ンロッド7を介してピストン6が連結されたクランクシ
ャフト5及び吸気カム11や排気カム(図示せず)が固
定されたカムシャフト31が回転自在に軸支されてい
る。なお、前記クランクシャフト5の一端に圧入固定さ
れたクランクギヤ9と前記カムシャフト31の一端に圧
入固定されたカムギヤ10とが噛み合っている。
【0017】また、潤滑油を混合した液体燃料と空気と
を混合させた混合気を形成する混合気形成部であるキャ
ブレター24と前記クランク室30とが吸気通路25に
よって接続されており、この吸気通路25とクランク室
30との接続部には混合気がクランク室30内へ吸入さ
れることのみを許容するリードバルブ26が設けられて
いる。また、前記クランク室30と吸気ポート15とが
過給室32によって接続されており、この過給室32と
クランク室30との接続部には混合気が過給室32内へ
吐出されることのみを許容するリードバルブ28が設け
られている。なお、過給室32の容積は、過給室32内
の圧力変動を小さくして安定した出力を得るためには行
程容積の10〜20倍必要である。
【0018】つぎに、前記過給室32の底部と前記クラ
ンク室30とを連通する潤滑油戻し通路33が設けられ
ており、この潤滑油戻し通路33内には、前記過給室3
2内の圧力が前記クランク室30内の圧力より高い時の
タイミングで短時間開弁するバルブ34が設けられてい
る。ここで、前記潤滑油戻し通路33は、前記過給室3
2の底部に形成された出口ポート33a、前記クランク
ケース29に形成された入口ポート33b、入口ポート
33bとクランクケース29内とを連通する通路33
c、出口ポート33aと入口ポート33bとを接続する
パイプ33d等によって形成されている。また、前記カ
ムシャフト31の一端側は前記クランクケース29の軸
受部35によって保持されており、前記カムシャフト3
1における前記軸受部35によって保持された部分が前
記バルブ34とされている。そして、前記バルブ34に
は、前記カムシャフト31の回転に伴う所定のタイミン
グで前記通路33cと前記入口ポート33bとを連通さ
せる通路34aが形成されている。
【0019】このような構成において、吸気通路25か
らクランク室30内への混合気の吸入とクランク室30
から過給室32への混合気の吐出とは、従来例と同様に
ピストン6の摺動動作に伴うクランク室30内の圧力変
動に伴って行なわれる。そして、過給室32内に高圧状
態で蓄えられた混合気が吸気弁16が開弁する吸気行程
時に燃焼室14へ供給される。
【0020】図3は過給式4サイクルエンジンを500
0rpm、1/2負荷の条件で運転した時におけるクラ
ンク室30内の圧力と過給室32内の圧力とを示したも
ので、実線で示したものがクランク室30内の圧力であ
り、破線で示したものが過給室32内の圧力である。ま
た、矢印aで示した範囲が、通路33cと入口ポート3
3bとが通路34aによって連通されるバルブ34の開
弁時である。そして、このバルブ34の開弁は、ピスト
ン6が上死点へ上昇して過給室32内の圧力がクランク
室30内の圧力より大幅に高くなったタイミングで行な
われるように設定されている。
【0021】ここで、バルブ34の開弁時においては、
過給室32内の圧力がクランク室30内の圧力に比べて
大幅に高いため、混合気から分離されて過給室32の底
部に溜まっていた潤滑油が過給室32内とクランク室3
0内との圧力差によって潤滑油戻し通路33を通ってク
ランク室30内へ戻される。
【0022】従って、リードバルブ28に近接した過給
室32の底部に多量の潤滑油が溜まるということが防止
され、過給室32の底部に溜まった多量の潤滑油がクラ
ンク室30から過給室32へ吐出される混合気の抵抗に
なるということが防止される。そして、クランク室30
から過給室32への潤滑油の吐出を円滑に行なわせると
共に過給室32内の圧力を十分に高めることができ、過
給式4サイクルエンジンの出力向上を図ることができ
る。
【0023】また、過給室32の底部に多量の潤滑油が
溜まるということがないため、クランク室30が上部と
なるように過給式4サイクルエンジンを反転させた場合
でも多量の潤滑油が燃焼室14内へ流入するということ
がなく、多量の潤滑油が燃焼室14内へ流入した場合に
発生する燃焼室14内の圧力の異常上昇に伴うシリンダ
2等の破損事故が防止される。
【0024】さらに、過給室32において混合気から分
離された潤滑油がクランク室30内へ戻されて再利用さ
れるため、クランク室30内の各部や動弁機構18aの
潤滑を良好に行なえる。
【0025】ついで、請求項2記載の発明の一実施例を
図4及び図5に基づいて説明する。なお、図1乃至図3
及び図6乃至図8において説明した部分と同一部分は同
一符号で示し、説明も省略する。まず、図4は本発明に
係る単気筒過給式4サイクルエンジンの全体構造を示し
たもので、クランクケース36の上部にシリンダ2が取
付けられ、シリンダ2の上部にはシリンダヘッド3が取
付けられている。前記クランクケース36内に形成され
たクランク室37内には、コンロッド7を介してピスト
ン6が連結されたクランクシャフト5及び吸気カムや排
気カム(図示せず)が固定されたカムシャフト31が回
転自在に軸支されている。
【0026】混合気を形成するキャブレター24と前記
クランク室37とが吸気通路38によって接続されてお
り、この吸気通路38とクランク室37との接続部には
混合気がクランク室37内へ吸入されることのみを許容
するリードバルブ26が設けられている。また、前記ク
ランク室37と吸気ポート15とが過給室32によって
接続されており、この過給室32とクランク室37との
接続部には混合気が過給室32内へ吐出されることのみ
を許容するリードバルブ28が設けられている。
【0027】つぎに、前記過給室32の底部と前記吸気
通路38とを連通する潤滑油戻し通路39が設けられて
おり、この潤滑油戻し通路39内には、前記過給室32
内の圧力が前記吸気通路38内の圧力より高い時のタイ
ミングで短時間開弁するバルブ40が設けられている。
ここで、前記潤滑油戻し通路39は、過給室32の底部
に形成された出口ポート39a、前記クランクケース3
6に形成された入口ポート39b、入口ポート39bと
前記吸気通路38とを連通する通路39c、出口ポート
39aと入口ポート39bとを接続するパイプ39d等
によって形成されている。また、前記カムシャフト31
の一端側は前記クランクケース29の軸受部35によっ
て保持されており、前記カムシャフト31における前記
軸受部35によって保持された部分が前記バルブ40と
されている。そして、前記バルブ40には、前記カムシ
ャフト31の回転に伴う所定のタイミングで前記通路3
9cと前記入口ポート39bとを連通させる通路40a
が形成されている。
【0028】このような構成において、図5は過給式4
サイクルエンジンを5000rpm、1/2負荷の条件
で運転した時における吸気通路38内の圧力と過給室3
2内の圧力とを示したもので、実線で示したものが吸気
通路38内の圧力であり、破線で示したものが過給室3
2内の圧力である。また、矢印bで示した範囲が、通路
39cと入口ポート39bとが通路40aによって連通
されるバルブ40の開弁時である。そして、このバルブ
40の開弁は、ピストン6が上死点へ上昇して過給室3
2内の圧力が吸気通路38内の圧力より大幅に高くなっ
たタイミングで行なわれるように設定されている。
【0029】ここで、バルブ40の開弁時においては、
過給室32内の圧力が吸気通路38内の圧力に比べて大
幅に高いため、混合気から分離されて過給室32の底部
に溜まっていた潤滑油が過給室32内と吸気通路38内
との圧力差によって潤滑油戻し通路39を通って吸気通
路38内へ戻される。
【0030】従って、リードバルブ28に近接した過給
室32の底部に多量の潤滑油が溜まるということが防止
され、過給室32の底部に溜まった多量の潤滑油がクラ
ンク室37から過給室32へ吐出される混合気の抵抗に
なるということが防止される。そして、クランク室37
から過給室32への潤滑油の吐出を円滑に行なわせると
共に過給室32内の圧力を十分に高めることができ、過
給式4サイクルエンジンの出力向上を図ることができ
る。
【0031】また、過給室32の底部に多量の潤滑油が
溜まるということがないため、クランク室37が上部と
なるように過給式4サイクルエンジンを反転させた場合
でも潤滑油が燃焼室14内へ流入するということがな
く、潤滑油が燃焼室14内へ流入した場合に発生する燃
焼室14内の圧力の異常上昇に伴うシリンダ2等の破損
事故が防止される。
【0032】さらに、過給室32において混合気から分
離された潤滑油が吸気通路38内へ戻される共に混合気
と共にクランク室37へ吸入されて再利用されるため、
クランク室37内の各部や動弁機構18aの潤滑を良好
に行なえる。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、混合気形成部と
クランク室とを接続した吸気通路と、燃焼室に連通され
た吸気ポートと前記クランク室とを接続した過給室とを
設け、ピストンの往復動に伴う前記クランク室の容積変
化によって前記吸気通路から前記クランク室内に潤滑油
を含んだ混合気を吸入すると共に圧縮された前記クラン
ク室内の混合気を前記過給室内に吐出させるようにした
過給式4サイクルエンジンにおいて、前記過給室の略底
部と前記クランク室とを連通する潤滑油戻し通路を設
け、前記過給室内の圧力が前記クランク室内の圧力より
高い時のタイミングで短時間開弁するバルブを前記潤滑
油戻し通路内に設けたので、混合気から分離されて過給
室の底部に溜まった潤滑油を過給室内とクランク室内と
の圧力差を利用して潤滑油戻し通路を介してクランク室
内へ戻すことができ、従って、過給室の底部に多量の潤
滑油が溜まってクランク室から過給室への混合気の吐出
を妨げるということを防止することができ、このため、
クランク室から過給室への混合気の吐出を円滑に行なわ
せることによって過給式4サイクルエンジンの出力向上
を図ることができ、また、クランク室が上部となるよう
に過給式4サイクルエンジンを反転させた場合でも潤滑
油が過給室から燃焼室内へ流入するということがなく、
このため、多量の潤滑油が燃焼室内へ流入した場合に発
生する燃焼室内の圧力の異常上昇に伴う破損事故を防止
することができ、さらに、過給室において混合気から分
離された潤滑油をクランク室内へ戻して再利用するため
にクランク室内の各部の潤滑を良好に行なうことができ
る等の効果を有する。
【0034】請求項2記載の発明は、混合気形成部とク
ランク室とを接続した吸気通路と、燃焼室に連通された
吸気ポートと前記クランク室とを接続した過給室とを設
け、ピストンの往復動に伴う前記クランク室の容積変化
によって前記吸気通路から前記クランク室内に潤滑油を
含んだ混合気を吸入すると共に圧縮された前記クランク
室内の混合気を前記過給室内に吐出させるようにした過
給式4サイクルエンジンにおいて、前記過給室の略底部
と前記吸気通路とを連通する潤滑油戻し通路を設け、前
記過給室内の圧力が前記吸気通路内の圧力より高い時の
タイミングで短時間開弁するバルブを前記潤滑油戻し通
路内に設けたので、混合気から分離されて過給室の底部
に溜った潤滑油を過給室内と吸気通路内との圧力差を利
用して潤滑油戻し通路を介してクランク室内へ戻すこと
ができ、従って、過給室の底部に多量の潤滑油が溜まっ
てクランク室から過給室への混合気の吐出を妨げるとい
うことを防止することができ、このため、クランク室か
ら過給室への混合気の吐出を円滑に行なわせることによ
って過給式4サイクルエンジンの出力向上を図ることが
でき、また、クランク室が上部となるように過給式4サ
イクルエンジンを反転させた場合でも潤滑油が過給室か
ら燃焼室内へ流入するということがなく、このため、多
量の潤滑油が燃焼室内へ流入した場合に発生する燃焼室
内の圧力の異常上昇に伴う破損事故を防止することがで
き、さらに、過給室内において混合気から分離された潤
滑油を吸気通路へ戻すと共に混合気と共にクランク室内
へ吸入させて再利用するためにクランク室内の各部の潤
滑を良好に行なうことができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例を示した縦断正
面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】運転時における過給室内の圧力とクランク室内
の圧力との関係を示したグラフである。
【図4】請求項2記載の発明の一実施例を示した縦断正
面図である。
【図5】運転時における過給室内の圧力と吸気通路内の
圧力との関係を示したグラフである。
【図6】従来例を示した縦断正面図である。
【図7】混合気がクランク室内へ吸入される状態を示し
た縦断正面図である。
【図8】混合気が過給室へ吐出する状態と過給室の底部
に潤滑油が溜まった状態とを示した縦断正面図である。
【符号の説明】
6 ピストン 14 燃焼室 15 吸気ポート 24 混合気形成部 25,38 吸気通路 30,37 クランク室 32 過給室 33,39 潤滑油戻し通路 34,40 バルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合気形成部とクランク室とを接続した
    吸気通路と、燃焼室に連通された吸気ポートと前記クラ
    ンク室とを接続した過給室とを設け、ピストンの往復動
    に伴う前記クランク室の容積変化によって前記吸気通路
    から前記クランク室内に潤滑油を含んだ混合気を吸入す
    ると共に圧縮された前記クランク室内の混合気を前記過
    給室内に吐出させるようにした過給式4サイクルエンジ
    ンにおいて、前記過給室の略底部と前記クランク室とを
    連通する潤滑油戻し通路を設け、前記過給室内の圧力が
    前記クランク室内の圧力より高い時のタイミングで短時
    間開弁するバルブを前記潤滑油戻し通路内に設けたこと
    を特徴とする過給式4サイクルエンジン。
  2. 【請求項2】 混合気形成部とクランク室とを接続した
    吸気通路と、燃焼室に連通された吸気ポートと前記クラ
    ンク室とを接続した過給室とを設け、ピストンの往復動
    に伴う前記クランク室の容積変化によって前記吸気通路
    から前記クランク室内に潤滑油を含んだ混合気を吸入す
    ると共に圧縮された前記クランク室内の混合気を前記過
    給室内に吐出させるようにした過給式4サイクルエンジ
    ンにおいて、前記過給室の略底部と前記吸気通路とを連
    通する潤滑油戻し通路を設け、前記過給室内の圧力が前
    記吸気通路内の圧力より高い時のタイミングで短時間開
    弁するバルブを前記潤滑油戻し通路内に設けたことを特
    徴とする過給式4サイクルエンジン。
JP14394592A 1992-06-04 1992-06-04 過給式4サイクルエンジン Withdrawn JPH05332148A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14394592A JPH05332148A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 過給式4サイクルエンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14394592A JPH05332148A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 過給式4サイクルエンジン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05332148A true JPH05332148A (ja) 1993-12-14

Family

ID=15350712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14394592A Withdrawn JPH05332148A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 過給式4サイクルエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05332148A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5347967A (en) Four-stroke internal combustion engine
EP1359303A2 (en) Variable stroke engine
US7814879B2 (en) Monolithic block and valve train for a four-stroke engine
EP0631040B1 (en) Four-stroke internal combustion engine
EP1849969A1 (en) Lubrication structure of engine
WO2001006099A1 (en) Reduced volume scavenging system for two cycle engines
CA2472431C (en) Four-stroke engine system
JPH05222944A (ja) 過給式4サイクルエンジン
US5992375A (en) Four-stroke cycle internal combustion engine
US7096850B2 (en) Four-cycle internal combustion engine
JPH08151914A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
US6484701B1 (en) Four-stroke cycle internal combustion engine
JPH05332148A (ja) 過給式4サイクルエンジン
JPH06299830A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP3149313B2 (ja) クランク室過給式エンジンの潤滑装置
JP3109642B2 (ja) クランク室過給式エンジン
JPH06129251A (ja) 過給式4サイクルエンジン
JPH0734838A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JPH06129252A (ja) 過給式4サイクルエンジン
JP3351640B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JPH06346718A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JPH06146837A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP4022002B2 (ja) 小型エンジンの吸気および潤滑機構
JPS5932618A (ja) 4サイクル機関
JPS6313378Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990831