JP3149313B2 - クランク室過給式エンジンの潤滑装置 - Google Patents

クランク室過給式エンジンの潤滑装置

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JP3149313B2 JP11154594A JP11154594A JP3149313B2 JP 3149313 B2 JP3149313 B2 JP 3149313B2 JP 11154594 A JP11154594 A JP 11154594A JP 11154594 A JP11154594 A JP 11154594A JP 3149313 B2 JP3149313 B2 JP 3149313B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク室内の容積変
化を利用して過給するようにしたクランク室過給式エン
ジンの潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のクランク室過給式エンジンとし
て、従来、ピストンを可動子とし、かつクランク室を圧
縮室とした容積型過給機が知られている。これは上記ピ
ストンが上昇するときのクランク室内の負圧を利用して
空気を吸入し、ピストンが下降するときにクランク室内
の空気を圧縮して燃焼室に過給するようにしたものであ
る。
【0003】しかしながら上記従来のピストンの昇降を
利用した過給式エンジンでは、クランク室内容積に無駄
があり、また空気の熱膨張により充填効率が悪化し易
く、十分なエンジン出力が得られないという問題があ
る。
【0004】そこで本件出願人は、クランク室,クラン
クウェブ,及びピストンで囲まれたコンロッド収容室を
コンロッドにより吸入室と圧縮室とに区分けし、上記コ
ンロッドの揺動により吸入した空気を圧縮して燃焼室に
過給するようにしたクランク室過給式エンジンを提案し
た(特開平6−93869号公報参照)。これによれ
ば、クランク軸が1回転する毎に略コンロッドにより掃
かれる容積分だけ空気を燃焼室に圧送することができる
ので、上記従来構造に比べて過給圧を大きくすることが
でき、それだけエンジン出力を向上できる。
【0005】そして上記提案に係るエンジンでは、上記
圧縮室の吐出口にはリード弁が配設されており、またこ
の吐出口と上記燃焼室とは吸気タンク,吸気管を介して
連通接続されている。上記リード弁は圧縮室の内圧が吸
気タンクの内圧より高くなると開き、吸気タンクの内圧
より低くなると閉じるようになっている。
【0006】また上記構造を4サイクルエンジンに適用
した場合、吸気弁が2回転に1回開くことから、上記ク
ランク軸1回転分の圧送空気の2倍の空気が燃焼室内に
供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記公報のク
ランク室過給式エンジンでは、回転部分,摺動部分の潤
滑について提案がなされておらず、この点での対応が要
請されている。即ち、上記エンジンでは、その構造から
して動弁系の潤滑には4サイクル用オイルを供給する必
要があり、またクランク室圧縮を行うことからピスト
ン,シリンダ,クランク軸ジャーナル軸受等の潤滑には
2サイクル用オイルを供給する必要がある。
【0008】本発明は、上記要請に応えるためになされ
たもので、4サイクル用オイル,2サイクル用オイルを
それぞれ独立して供給できるクランク室過給式エンジン
の潤滑装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の発明
は、クランク室,クランクウェブ及びピストンで囲まれ
たコンロッド収容室をコンロッドにより吸入室と圧縮室
とに区分けし、該吸入室に吸入通路を接続し、上記圧縮
室の吐出口を開閉するリード弁を設けるとともに、該吐
出口にシリンダヘッドの吸気ポートを介して燃焼室に連
通する吸気通路を接続し、シリンダヘッドに配置された
吸気,排気バルブを開閉駆動する動弁機構を備えたクラ
ンク室過給式エンジンの潤滑装置において、上記圧縮室
を上記吸入室の上方に配置し、上記吐出口を上記圧縮室
の上部に形成し、第1貯留部の4サイクル用潤滑油を上
記動弁機構に供給するとともに、潤滑後の4サイクル用
潤滑油を上記第1貯留部に回収する第1潤滑システム
と、第2貯留部の2サイクル用潤滑油を上記吐出口より
上流側の上記コンロッド収容室部分に供給するととも
に、潤滑後、吸入室下部に戻った2サイクル用潤滑油を
第2貯留部に回収する第2潤滑システムとを備えたこと
を特徴としている。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】請求項1の発明に係るクランク室過給式エンジ
ンの潤滑装置によれば、第1貯留部からの潤滑油を動弁
機構に供給する第1潤滑システムと、これとは独立して
設けられた第2貯留部からの潤滑油を吸気系の途中に供
給する第2潤滑システムとを備えたので、上記動弁系に
は4サイクル用オイルを、またピストン摺動部,クラン
ク軸ジャーナル部等には2サイクル用オイルをそれぞれ
独立して供給することができる。また、第1,第2潤滑
システムを別個独立に設けたので、第2潤滑システムに
ついてはポンプ吐出圧を過給圧に対応した圧力に設定す
ることができる。
【0013】また吐出口を上部に設けるとともに、吐出
口より上流側、つまり吐出口より下側に潤滑油を供給す
るようにしたので、吐出口を開閉するリード弁に潤滑油
が多量付着することがなく、その結果、リード弁の機能
低下を回避でき、また白煙の増加やロス馬力による出力
低下を回避できる。
【0014】さらにまた、吸入室下部に戻った2サイク
ル用潤滑油を回収するようにしたので、潤滑油を容易に
回収できるとともに、該回収した潤滑油の再使用が可能
となり、この点からも潤滑効率を向上できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1ないし図5は、請求項1〜3の発明に係る一実
施例によるクランク室過給式4サイクルエンジンの潤滑
装置を説明するための図であり、図1は本実施例エンジ
ンの断面側面図、図2,図3はそれぞれ図1のII-II 線
断面図,III-III線断面図、図4はコンロッド小端部の拡
大図、図5(a),(b)はそれぞれ第2潤滑システム
に採用される圧送ポンプを示す平面図,断面図である。
本実施例では、4サイクル単気筒エンジンに適用した場
合を例にとって説明する。
【0016】図において、1は本実施例の横置き4サイ
クル単気筒エンジンであり、該エンジン1のクランクケ
ース2の合面には空冷式のシリンダブロック3が接続さ
れており、該シリンダブロック3の合面にはシリンダヘ
ッド4が接続されている。このシリンダヘッド4の合面
のシリンダボア3aに対向する部分には燃焼室を構成す
る燃焼凹部4aが凹設されており、該凹部4a内には図
示しない点火プラグが挿入されている。
【0017】上記シリンダヘッド4の燃焼凹部4aには
吸気ポート5,排気ポート6がそれぞれ開口しており、
該吸気ポート5はシリンダヘッド4の上壁側に、排気ポ
ート6は下壁側にそれぞれ導出されている。また吸気ポ
ート5の燃焼室開口には吸気バルブ7が、排気ポート6
の燃焼室開口には排気バルブ8がそれぞれ各開口を開閉
自在に配置されており、この吸気バルブ7,排気バルブ
8はバルブスプリング9により閉方向に付勢されてい
る。
【0018】上記シリンダヘッド4には各バルブ7,8
を開閉駆動する動弁機構としてのカム軸10が紙面と直
角方向に向けて配置されている。このカム軸10の一端
は図示しないスプロケット及びチエーン10a(図3参
照)を介して後述のクランク軸20に結合された駆動ス
プロケット13(図2参照)に連結されている。上記カ
ム軸10の上, 下側にはこれと平行に延びる一対のロッ
カシャフト11,11が配置されており、該各シャフト
11にはロッカアーム12が揺動自在に装着されてい
る。このロッカアーム12の一端部はカム軸10のカム
ノーズに当接しており、他端部はバルブ7,8の上端に
当接している。
【0019】上記シリンダブロック3のシリンダボア3
a内にはピストン16が摺動自在に挿入配置されてい
る。このピストン16を境として燃焼室の反対側のシリ
ンダボア3a及びクランクケース2によりクランク室2
3が形成される。このピストン16にはコンロッド17
の小端部17aがピストンピン18,軸受19を介して
連結されており、該コンロッド17の大端部17bはク
ランク軸20のクランクピン21に軸受22を介して連
結されている。
【0020】上記クランク軸20はクランク室23の内
上記クランクケース2のクランクケース室23a内に収
容されており、これは円板状に形成された一対のクラン
クウェブ24同士を上記クランクピン21で連結し、該
クランクウェブ24にジャーナル部25を一体形成した
構造となっており、このジャーナル部25はジャーナル
軸受26を介してクランクケース2に支持されている。
また上記ジャーナル部25はクランクケース2の外方に
突出しており、一方の突出部には発電機28が装着され
ている。なお、27はオイルシールである。
【0021】上記クランクケース2のクランク軸20と
直交する左右内側壁2aと、シリンダブロック3のクラ
ンクケース2への嵌合部3bの図示上下に形成された切
欠き3cとは面一になっており、これらの左右内側壁2
a及び切欠き3cには上記コンロッド17の左右側面1
7cが微小な隙間を持って摺接しており、また該クラン
クケース2のクランク軸を囲むように形成された円弧状
内周壁2bには上記コンロッド17の大端部17bの外
周面がきわめて微小な隙間を持って摺接している。また
クランクケース2の上記左右内側壁2aには上記各クラ
ンクウェブ24が収容配置される円形凹部2cが凹設さ
れており、該凹部2cとクランクウェブ24との間には
僅かな隙間が設けられている。そしてクランクウェブ2
4のコンロッド側側壁24aとコンロッド17の左右側
面17cとも微小な隙間を持って摺接している。
【0022】また上記ピストン16のスカート部には三
角形状の凹部16aが凹設されており、この凹部16a
のスカート外周との対向部は切欠き16bとなってい
る。上記凹部16a内に上記コンロッド17の小端部1
7aが挿入配置されている。上記凹部16aの内周面に
は上記コンロッド17の小端部17aの外周面が、また
凹部16aの左右側面16cには上記左右側面17cが
それぞれ微小な隙間を持って摺接している。
【0023】上述の構成により上記クランク室23,ク
ランクウェブ24及びピストン16で囲まれた部分がコ
ンロッド収容室となっており、このコンロッド収容室
は、ピストン16が上死点付近に位置する場合を除くク
ランク角度において該コンロッド17は左右の内、少な
くとも一方のクランクケース2の左右内側壁2aあるい
はシリンダブロック3の切欠き3cに嵌り合うこととな
り、該コンロッド17によって吸入室Aと圧縮室Bとに
区分けされている。また、ピストン16が下死点に位置
する時、ピストン16のスカート端部がシリンダボア3
aの端部とほとんど一致するのでコンロッド17による
吸入室Aと圧縮室Bとの区分けは維持される。このよう
にして上記ピストン16が上死点に位置する状態からク
ランク軸20が時計方向に回転するに伴い、図1に示す
ように、コンロッド17が図示一点鎖線位置,二点鎖線
位置,さらに実線位置に移動することにより吸入室Aの
容積が増加して空気が吸入されるとともに圧縮室Bの容
積が減少し前行程で吸入された空気が圧縮される容積型
過給機が構成されている。なお、係る構造は上述の特開
平6−93869号公報に詳細に記載されている。
【0024】上記クランクケース2の下面には上記吸入
室Aに連通し、かつ下方に開口する吸入通路35が一体
形成されており、この吸入通路35の底面開口にはこれ
を閉塞するカバー36が装着されている。そして上記吸
入通路35の図1手前側の壁面には吸入口35aがクラ
ンク軸方向に指向するように形成されており、この吸入
口35aには吸入管37の下流端が接続されている。該
吸入管37はエンジンの側方を通って外方に延びてお
り、上流端には図示しないエアクリーナが接続されてい
る。
【0025】また上記クランクケース2の上面には上方
に開口する吸気通路38が一体形成されており、該吸気
通路38には該通路38と圧縮室Bとを仕切る隔壁39
が一体形成されている。この隔壁39の内面に上記コン
ロッド17の外周面が摺接するようになっている。上記
隔壁39には吸気通路35と圧縮室Bとを連通する吐出
口40が形成されている。なお、本実施例エンジン1は
図1に示すようにシリンダボア軸を水平に向けて車両に
搭載されることから、上記吐出口40は上下方向上側
に、また上記吸入口35aは上下方向下側に位置してい
ることとなる。
【0026】上記隔壁39の吐出口40部分の外面には
リード弁42が開閉自在に配設されており、このリード
弁42はチタンを主成分とした軽合金材料から構成され
た弁板41aと、該リード弁42のリフト側に配設さ
れ、上記弁板41aの開度を規制するストッパ41bと
で構成されており、該ストッパ41b及び弁板41aの
一端部は上記隔壁39にボルト43で共締め固定されて
いる。上記ストッパ41bは弁板41aと同じ大きさに
形成されており、該ストッパ41bの弁板当接面にはゴ
ム等からなる弾性材41cが焼き付けにより固着されて
いる。これにより上記弁板41aへの衝撃力が緩和され
ており、寿命の延長が図られている。
【0027】上記吸気通路38には蓄圧室Cを構成する
吸気タンク45が接続されている。この吸気タンク45
の側壁には吸気管46が接続されており、この吸気管4
6は上記シリンダヘッド4の吸気ポート5に接続されて
いる。また上記吸気管46の途中には気化器47が介設
されており、該気化器47にはポンプ48を介して燃料
タンク49が接続されている。この気化器47を吸気管
46の吸気タンク45より下流側に配置することによっ
て加減速の応答性が改善されている。
【0028】また、上記吸気管46の上流端開口46a
は吸気タンク45の内壁と面一となっており、これによ
り上記吸気管46の吸気タンク45内への突出量は0に
設定されている。この吸気管46の突出量を0としたこ
とにより、吸気バルブ7を開いたときの圧力低下が直ち
にリード弁42に達し、それだけリード弁42の開時間
が長くなり、よって過給量の増大が図れる。
【0029】上記吸気タンク45と吸入管37とはバイ
パス通路50を介して連通されている。このバイパス通
路50はバイパス弁51により開閉自在となっている。
このバイパス弁51は弁体51aをダイヤフラム室52
内の負圧により開位置に移動させる構造のもので、上記
ダイヤフラム室52は上記吸気管46の下流端(気化器
47より下流側)に負圧通路53を介して連通されてい
る。上記バイパス弁51は、例えばスロットル開度が小
さいときに吸気負圧が大きくなると該負圧によりバイパ
ス通路50を開いて吸気タンク45内の圧力を下げるも
のである。
【0030】60は潤滑装置であり、これは第1潤滑シ
ステム61と、これとは独立して設けられた第2潤滑シ
ステム62とから構成されている。上記第1潤滑システ
ム61は、4サイクル用オイルが充填された第1貯留タ
ンク63に供給ポンプ64を介在させてオイル供給管6
5を接続し、該供給管65の供給口65aをシリンダヘ
ッド4の動弁機構を構成するカム軸10部分に接続して
構成されている。またこのカム軸10部分を潤滑したオ
イルは上記チェーン10aが収容されたチェーン室10
b内に戻り、ここでチェーン10a,駆動スプロケット
13,不図示の被駆動スプロケット及び図2で左側のジ
ャーナル軸受26(シールリング付き)を各々潤滑し、
この後回収管66を通って上記第1貯留タンク63に回
収されるようになっている。
【0031】上記第2潤滑システム62は、2サイクル
用オイルが充填された第2貯留タンク70に主供給管7
1,圧送ポンプ72を接続し、該ポンプ72に第1,第
2副供給管73,74を接続し、該第1副供給管73を
シリンダブロック3のピストン摺動部に接続するととも
に、第2副供給管74をクランク室23のジャーナル軸
受部に接続して構成されている。
【0032】上記圧送ポンプ72は、図5(a),
(b)に示すように、エンジン回転数及びスロットル開
度に応じて可変とされる周期のパルス波状の電流により
駆動される電磁式オートルーブポンプのソレノイドを改
良したもので、プランジャ72aのプッシュロッド72
bにアーマチュア72cを固着し、該アーマチュア72
cをソレノイド72dで吸引する方式のものである。こ
れにより該ポンプ72からの吐出圧力が増大し、過給圧
に打ち勝ってオイルを供給できるようになっている。な
お、72eはリターンスプリングである。
【0033】上記第1副供給管73のオイル吐出口73
aはクランク軸20と直交方向にシリンダブロック3の
ライナ部を貫通しており、下死点に位置するピストン1
6の第2ピストンリングよりクランク室側に位置してい
る。また上記ピストン16の第2ピストンリングよりク
ランク室側の外面にはクランク軸方向に2つのオイル溜
め用凹部75,76が平行に切り欠いて形成されてい
る。この凹部75は、ピストン16の移動により吐出口
73aに一致した時に吐出口73aから供給されて溜ま
ったオイルにより、また凹部76は下記する様にして上
記吐出口73aから供給されて溜まったオイルにより、
それぞれ上記吐出口73aがピストン16で塞がれた時
点での潤滑を行ない、その結果、この吐出口73aがピ
ストン16で塞がれることによって生じる潤滑上のトラ
ブルを防止している。
【0034】ここで、図6に示すように、凹部75の代
わりにピストン16の外壁面に軸方向に延びる長溝状の
オイル溜め用凹部90を形成し、上記吐出口73aをこ
の凹部90に対向させるようにしても良い。このように
した場合は、上記ピストン16が下死点に位置している
ときを除いて上記凹部90に吐出口73aからのオイル
を常時受けることができ、ピストン摺動面の潤滑をより
確実に行うことができる。
【0035】また上記コンロッド17の小端部17aの
外周面にはこれの周方向に延びるオイルガイド溝81が
形成されており、上記ピストン16にはこのガイド溝8
1と上記下側凹部76とを連通する連通孔77が形成さ
れている。また上記小端部17aの上記連通孔77と反
対側にはピストンピン18,軸受19に連通する連通孔
78が形成されている。これにより上記吐出口73aと
オイル回収孔80から供給される上記ガイド溝81内の
オイルの一部が上記連通孔78から軸受19に供給さ
れ、残りの一部が小端部17aとピストン16との摺動
面に供給され、さらに上記連通孔77から上記凹部76
に供給されるようになっている。
【0036】上記吸気通路38の底部と隔壁39とのコ
ーナ部は吸気タンク45内全体で見て最も低所に位置し
ており、該コーナ部には上記蓄圧室Cとクランク室23
とを連通する小径のオイル回収孔80が形成されてい
る。この回収孔80は蓄圧室C内の空気の漏れ量が過給
に支障を及ぼさない程度の大きさに設定されている。上
記回収孔80は吸気通路38の底部に溜まったオイルを
ピストン16摺動面等に供給するためのもので、その一
部は上記ガイド溝81を通って両連通孔77及び78か
らピストン16,コンロッド小端部17a,ピストンピ
ン18の摺動面及びピストンシリンダボア摺動面に供給
される。
【0037】上記第2副供給管74のオイル吐出口74
aはクランクケース2を貫通して図2における右側のジ
ャーナル軸受26に達している。そしてこの右側のジャ
ーナル軸受26に供給されたオイルは、クランクケース
2の各内周壁2a,2b及び円形凹部2cとクランク軸
20との隙間,及び各摺動面に供給される。
【0038】また、上記クランクケース2の吸入通路3
5を閉塞するカバー36には該通路35内に開口する回
収通路83が形成されている。該回収通路83には回収
管84が接続されており、この回収管84は上記第2貯
留タンク70に接続されている。これにより上記第1,
第2副供給管73,74から供給されたオイルは各摺動
面を潤滑した後、クランクケース2の吸入室Aから吸入
通路35内のカバー36上面に戻り、ここから回収され
る。本実施例では、上記エンジン1を横置きとし、過給
圧の高い圧縮室Bを上に向けて配置するとともに、空気
をクランクケース2の下方から吸入する構成を採用して
いる。従って、重力と過給圧との相互作用によって潤滑
オイルはクランクケース2の最下部、つまり上記カバー
36の上面に集まることとなり、そのためオイルの回収
が確実となり、再使用が可能となったものである。
【0039】次に本実施例の作用効果について説明す
る。本実施例エンジン1は、クランク軸20が1回転す
る毎にコンロッド17の大端部17bの外周面がクラン
クケース2の円弧部内周壁2bに近接した後、最も上方
まで揺動する期間中コンロッド17により掃かれる容積
分の空気が吸気タンク45内に圧送されて蓄えられるこ
ととなる。そしてエンジン1の吸入行程で吸気バルブ7
が開くと上記クランク軸20の1回転分の圧送空気の2
倍の空気が燃焼室内に過給されることとなる。
【0040】また本実施例の潤滑装置60は、第1潤滑
システム61によって、第1貯留タンク63内の4サイ
クル用オイルが動弁機構のカム軸10部分に供給され、
これを潤滑したオイルはチェーン室10bを通って上記
貯留タンク63に回収され、ここから再び動弁機構に供
給される。
【0041】また、第2潤滑システム62によって、第
2貯留タンク70内の2サイクル用オイルがピストン1
6部分に供給されるとともに、ジャーナル軸受26部分
に供給される。またクランク軸20の遠心力により跳ね
上げられたオイルの一部は吸気とともに蓄圧室C内に流
入し、隔壁39のコーナ部に滞留する。この溜まったオ
イルは回収孔80からピストン16部分に再び供給され
る。そして各摺動面,回転面を潤滑したオイルは重力と
過給圧との相互作用によってクランクケース2のカバー
36上面に戻り、ここから回収管84を通って上記第2
貯留タンク70に回収され、ここから再び各被潤滑部に
供給される。
【0042】このように本実施例の潤滑装置60によれ
ば、第1貯留タンク63からの4サイクル用オイルをカ
ム軸10部分に供給した後回収する第1潤滑システム6
1と、これとは独立して設けられた第2貯留部70から
の2サイクル用オイルをピストン16,及びクランク軸
20の各摺動面,回転面に供給する第2潤滑システム6
2とから構成したので、上記動弁系,ピストンクランク
系にそれぞれ4サイクル用オイル,2サイクル用オイル
を独立して供給することができ、該エンジン1の耐久性
を向上できる。
【0043】また本実施例では、吐出口40を上部に位
置させるとともに、これより上流側に第2潤滑システム
からのオイルを供給するようにしたので、リード弁42
にオイルが多量に付着することがなく、その結果リード
弁機能の低下を回避できる。また、クランク室23から
蓄圧室Cに流入したオイルを隔壁39の低所となるコー
ナ部に収集し、該コーナ部に滞留したオイルをクランク
室23内に再度供給する回収孔80を形成したので、こ
の点からも滞留したオイルによるリード弁42の機能低
下を回避できる。これらの結果、白煙の増加やロス馬力
による出力低下を回避でき、さらにはオイル消費量を低
減して潤滑効率を向上できる。
【0044】さらに本実施例では、クランクケース2の
下面のカバー36に回収通路83を形成し、該通路83
を回収管84を介して第2貯留タンク70に回収したの
で、各摺動面,回転面を潤滑したオイルを確実に回収で
き、この点からも潤滑効率を向上できる。
【0045】なお、上記実施例では、4サイクル単気筒
エンジンに適用した場合を例にとって説明したが、本発
明は4サイクル多気筒エンジンにも勿論適用でき、さら
に動弁機構を備えた2サイクルエンジンにも適用でき
る。
【0046】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係るクラ
ンク室過給式エンジンの潤滑装置によれば、第1貯留部
の潤滑油を動弁機構に供給し、該供給した潤滑油を回収
通路を介して上記第1貯留部に回収する第1潤滑システ
ムと、これとは独立して設けられた第2貯留部の潤滑油
を吸気系の途中に供給する第2潤滑システムとを備えた
ので、動弁系及びピストンクランク系にそれぞれ4サイ
クル用オイル及び2サイクル用オイルを独立して供給す
ることができ、エンジンの耐久性を向上できる効果があ
る。また第1,第2潤滑システムを別個に設けたので、
第2潤滑システムについてはポンプ吐出圧を過給圧に応
じた圧力に設定することができ、クランク式過給を採用
しながら確実な潤滑を得ることができる。
【0047】また、吐出口を上部に設けるとともに、第
2潤滑システムからの潤滑油を吐出口より上流側に供給
するようにしたので、潤滑油消費量を低減でき、かつリ
ード弁の潤滑油付着による機能低下を回避できる効果が
ある。
【0048】さらにまた、上記吸入室下部に戻った潤滑
油を第2貯留部に回収するようにしたので、潤滑油の消
費量の低減を図りながら再使用が可能となり、この点か
らも潤滑効率を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜3の発明の一実施例によるクランク
室過給式4サイクルエンジンの潤滑装置を説明するため
の断面側面図である。
【図2】上記実施例装置のクランク軸部分を示す断面背
面図(図1のII-II 線断面図)である。
【図3】上記実施例装置のピストン部分を示す断面正面
図( 図1のIII-III 線断面図)である。
【図4】上記実施例装置のコンロッド小端部の拡大断面
図である。
【図5】上記実施例装置の第2潤滑システムの圧送ポン
プを示す図である。
【図6】上記実施例装置の他の例によるピストンのオイ
ル溜め用凹部を示す図である。
【符号の説明】
1 クランク室過給式4サイクルエ
ンジン 2 クランクケース 2a,2b,2c クランクケース内周壁 7,8 吸気バルブ,排気バルブ 10 カム軸(動弁機構) 17 コンロッド 23 クランク室 40 吐出口 42 リード弁 45 吸気タンク 46 吸気通路 60 潤滑装置 61 第1潤滑システム 62 第2潤滑システム 63 第1貯留部 66,84 回収通路 70 第2貯留部 80 オイル回収孔 A 吸入室 B 圧縮室 C 蓄圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 33/26 F01M 1/06 F02B 33/02 F02B 33/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室,クランクウェブ及びピスト
    ンで囲まれたコンロッド収容室をコンロッドにより吸入
    室と圧縮室とに区分けし、該吸入室に吸入通路を接続
    し、上記圧縮室の吐出口を開閉するリード弁を設けると
    ともに、該吐出口にシリンダヘッドの吸気ポートを介し
    燃焼室に連通する吸気通路を接続し、シリンダヘッド
    に配置された吸気,排気バルブを開閉駆動する動弁機構
    を備えたクランク室過給式エンジンの潤滑装置におい
    て、上記圧縮室を上記吸入室の上方に配置し、上記吐出
    口を上記圧縮室の上部に形成し、第1貯留部の4サイク
    ル用潤滑油を上記動弁機構に供給するとともに、潤滑後
    4サイクル用潤滑油を上記第1貯留部に回収する第1
    潤滑システムと、第2貯留部の2サイクル用潤滑油を
    記吐出口より上流側の上記コンロッド収容室部分に供給
    するとともに、潤滑後、吸入室下部に戻った2サイクル
    潤滑油を第2貯留部に回収する第2潤滑システムとを
    備えたことを特徴とするクランク室過給式エンジンの潤
    滑装置。
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