JP3145863B2 - クランク室過給式エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

クランク室過給式エンジンの燃料供給装置

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JP3145863B2 JP11154494A JP11154494A JP3145863B2 JP 3145863 B2 JP3145863 B2 JP 3145863B2 JP 11154494 A JP11154494 A JP 11154494A JP 11154494 A JP11154494 A JP 11154494A JP 3145863 B2 JP3145863 B2 JP 3145863B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク室内の容積変
化を利用して過給するようにしたクランク室過給式エン
ジンの燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のクランク室過給式エンジンとし
て、従来、ピストンを可動子とし、かつクランク室を圧
縮室とした容積型過給機が知られている。これは上記ピ
ストンが上昇するときのクランク室内の負圧を利用して
空気を吸入し、ピストンが下降するときにクランク室内
の空気を圧縮して燃焼室に過給するようにしたものであ
る。
【0003】しかしながら上記従来のピストンの昇降を
利用した過給式エンジンでは、クランク室内容積に無駄
があり、また空気の熱膨張により充填効率が悪化し易
く、十分なエンジン出力が得られないという問題があ
る。
【0004】そこで本件出願人は、クランク室,クラン
クウェブ及びピストンで囲まれるコンロッド収容室をコ
ンロッドにより吸入室と圧縮室とに区分けし、上記コン
ロッドの揺動により吸入した空気を圧縮して燃焼室に過
給するようにしたクランク室過給式エンジンを提案した
(特開平6−93869号公報参照)。これによれば、
クランク軸が1回転する毎に略コンロッドにより掃かれ
る容積分だけ空気を燃焼室に圧送することができるの
で、上記従来構造に比べて過給圧を大きくすることがで
き、それだけエンジン出力を向上できる。
【0005】そして上記提案に係るエンジンでは、上記
圧縮室の吐出口にはリード弁が配設されており、またこ
の吐出口と上記燃焼室とは吸気タンク(蓄圧室),吸気
管(吸気通路)を介して連通接続されている。上記リー
ド弁は圧縮室の内圧が吸気タンクの内圧より高くなると
開き、吸気タンクの内圧より低くなると閉じるようにな
っている。
【0006】また上記構造を4サイクルエンジンに適用
した場合、吸気弁が2回転に1回開くことから、上記ク
ランク軸1回転分の圧送空気の2倍の空気が燃焼室内に
供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記公報の過
給式エンジンでは、燃料と空気との混合気をどのように
して燃焼室に供給するかについて提案がなされておら
ず、この点での対応が要請されている。
【0008】本発明は、上記要請に応えるためになされ
たもので、クランク室過給を行う場合に最も適した燃料
供給を実現できるクランク室過給式エンジンの燃料供給
装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、クラ
ンク室,シリンダボア,及びピストンで囲まれたコンロ
ッド収容室をコンロッドにより吸入室と圧縮室とに区分
けし、該吸入室に吸入通路を接続し、上記圧縮室の吐出
口に燃焼室に連通する吸気通路を接続したクランク室過
給式エンジンの燃料供給装置において、上記吸気通路の
クランク室より下流側に蓄圧室を設け、上記吸入通路の
上記クランク室より上流側に中・高速,中・高負荷用気
化器を配設し、上記吸気通路の上記蓄圧室より下流側に
低速,低負荷用気化器を配設したことを特徴としてい
る。
【0010】
【作用】気化器の下流側の容積が大きい場合、該気化器
から供給された燃料が燃焼室に到達するのに時間がかか
り易く、エンジンの加減速時の応答性が低下することが
考えられる。
【0018】請求項1の発明では、上記クランク室の上
流側の吸入通路,及び下流側の吸気通路にそれぞれ別個
の気化器を配設し、上記上流側の気化器を中・高速,中
・高負荷用用とし、下流側の気化器を低速,低負荷用と
したので、加減速時の応答性を向上できるとともに、低
速,低負荷領域と中・高速,中・高負荷領域とで燃料供
給を分担することができ、エンジン運転領域全域にわた
って安定した燃料量を供給できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1ないし図4は、本発明の成立過程における参考
例としてのクランク室過給式エンジンの燃料供給装置を
説明するための図であり、図1は本参考例エンジンの断
面側面図、図2,図3はそれぞれ図1のII-II 線断面
図,III-III線断面図、図4はコンロッド小端部の拡大図
である。本参考例では、4サイクル単気筒エンジンに適
用した場合を例にとって説明する。
【0020】図において、1は本参考例の横置き4サイ
クル単気筒エンジンであり、該エンジン1のクランクケ
ース2の合面には空冷式のシリンダブロック3が接続さ
れており、該シリンダブロック3の合面にはシリンダヘ
ッド4が接続されている。このシリンダヘッド4の合面
のシリンダボア3aに対向する部分には燃焼室を構成す
る燃焼凹部4aが凹設されており、該凹部4a内には図
示しない点火プラグが挿入されている。
【0021】上記シリンダヘッド4の燃焼凹部4aには
吸気ポート5,排気ポート6がそれぞれ開口しており、
該吸気ポート5はシリンダヘッド4の上壁側に、排気ポ
ート6は下壁側にそれぞれ導出されている。また吸気ポ
ート5の燃焼室開口には吸気バルブ7が、排気ポート6
の燃焼室開口には排気バルブ8がそれぞれ各開口を開閉
自在に配置されており、この吸気バルブ7,排気バルブ
8はバルブスプリング9により閉方向に付勢されてい
る。
【0022】上記シリンダヘッド4には各バルブ7,8
を開閉駆動する動弁機構としてのカム軸10が紙面と直
角方向に向けて配置されている。このカム軸10の一端
は図示しないスプロケット及びチエーン10a(図3参
照)を介して後述のクランク軸20に結合された駆動ス
プロケット13(図2参照)に連結されている。上記カ
ム軸10の上, 下側にはこれと平行に延びる一対のロッ
カシャフト11,11が配置されており、該各シャフト
11にはロッカアーム12が揺動自在に装着されてい
る。このロッカアーム12の一端部はカム軸10のカム
ノーズに当接しており、他端部はバルブ7,8の上端に
当接している。
【0023】上記シリンダブロック3のシリンダボア3
a内にはピストン16が摺動自在に挿入配置されてい
る。このピストン16を境として燃焼室の反対側のシリ
ンダボア3a及びクランクケース2によりクランク室2
3が形成される。このピストン16にはコンロッド17
の小端部17aがピストンピン18,軸受19を介して
連結されており、該コンロッド17の大端部17bはク
ランク軸20のクランクピン21に軸受22を介して連
結されている。
【0024】上記クランク軸20はクランク室23の内
上記クランクケース2のクランクケース室23a内に収
容されており、これは円板状に形成された一対のクラン
クウェブ24同士を上記クランクピン21で連結し、該
クランクウェブ24にジャーナル部25を一体形成した
構造となっており、このジャーナル部25はジャーナル
軸受26を介してクランクケース2に支持されている。
また上記ジャーナル部25はクランクケース2の外方に
突出しており、一方の突出部には発電機28が装着され
ている。なお、27はオイルシールである。
【0025】上記クランクケース2のクランク軸20と
直交する左右内側壁2aと、シリンダブロック3のクラ
ンクケース2への嵌合部3bの図示上下に形成された切
欠き3cとは面一になっており、これらの左右内側壁2
a及び切欠き3cには上記コンロッド17の左右側面1
7cが微小な隙間を持って摺接しており、また該クラン
クケース2のクランク軸を囲むように形成された円弧状
内周壁2bには上記コンロッド17の大端部17bの外
周面がきわめて微小な隙間を持って摺接している。また
クランクケース2の上記左右内側壁2aには上記各クラ
ンクウェブ24が収容配置される円形凹部2cが凹設さ
れており、該凹部2cとクランクウェブ24との間には
僅かな隙間が設けられている。そしてクランクウェブ2
4のコンロッド側側壁24aとコンロッド17の左右側
面17cとも微小な隙間を持って摺接している。
【0026】また上記ピストン16のスカート部には三
角形状の凹部16aが凹設されており、この凹部16a
のスカート外周との対向部は切欠き16bとなってい
る。上記凹部16a内に上記コンロッド17の小端部1
7aが挿入配置されている。上記凹部16aの内周面に
は上記コンロッド17の小端部17aの外周面が、また
凹部16aの左右側面16cには上記左右側面17cが
それぞれ微小な隙間を持って摺接している。
【0027】上述の構成により上記クランク室23,ク
ランクウェブ24及びピストン16で囲まれた部分がコ
ンロッド収容室となっており、このコンロッド収容室
は、ピストン16が上死点付近に位置する場合を除くク
ランク角度において該コンロッド17は左右の内、少な
くとも一方のクランクケース2の左右内側壁2aあるい
はシリンダブロック3の切欠き3cに嵌り合うこととな
り、該コンロッド17によって吸入室Aと圧縮室Bとに
区分けされている。また、ピストン16が下死点に位置
する時ピストン16のスカート端部がシリンダボア3a
の端部とほとんど一致するのでコンロッド17による吸
入室Aと圧縮室Bとの区分けは維持される。このように
して上記ピストン16が上死点に位置する状態からクラ
ンク軸20が時計方向に回転するに伴い、図1に示すよ
うに、コンロッド17が図示一点鎖線位置,二点鎖線位
置,さらに実線位置に移動することにより吸入室Aの容
積が増加して空気が吸入されるとともに圧縮室Bの容積
が減少し前行程で吸入された空気が圧縮される容積型過
給機が構成されている。なお、係る構造は上述の特開平
6−93869号公報に詳細に記載されている。
【0028】上記クランクケース2の下面には上記吸入
室Aに連通し、かつ下方に開口する吸入通路35が一体
形成されており、この吸入通路35の底面開口にはこれ
を閉塞するカバー36が装着されている。そして上記吸
入通路35の図1手前側の壁面には吸入口35aがクラ
ンク軸方向に指向するように形成されており、この吸入
口35aには吸入管37の下流端が接続されている。該
吸入管37はエンジンの側方を通って外方に延びてお
り、上流端には図示しないエアクリーナが接続されてい
る。
【0029】また上記クランクケース2の上面には上方
に開口する吸気通路38が一体形成されており、該吸気
通路38には該通路38と圧縮室Bとを仕切る隔壁39
が一体形成されている。この隔壁39の内面に上記コン
ロッド17の外周面が摺接するようになっている。上記
隔壁39には吸気通路35と圧縮室Bとを連通する吐出
口40が形成されている。なお、本実施例エンジン1は
図1に示すようにシリンダボア軸を水平に向けて車両に
搭載されることから、上記吐出口40は上下方向上側
に、また上記吸入口35aは上下方向下側に位置してい
ることとなる。
【0030】上記隔壁39の吐出口40部分の外面には
リード弁42が開閉自在に配設されており、このリード
弁42はチタンを主成分とした軽合金材料から構成され
た弁板41aと、該リード弁42のリフト側に配設さ
れ、上記弁板41aの開度を規制するストッパ41bと
で構成されており、該ストッパ41b及び弁板41aの
一端部は上記隔壁39にボルト43で共締め固定されて
いる。上記ストッパ41bは弁板41aと同じ大きさに
形成されており、該ストッパ41bの弁板当接面にはゴ
ム等からなる弾性材41cが焼き付けにより固着されて
いる。これにより上記弁板41aへの衝撃力が緩和され
ており、寿命の延長が図られている。
【0031】上記吸気通路38には蓄圧室Cを構成する
吸気タンク45が接続されている。この吸気タンク45
の側壁には吸気管46が接続されており、この吸気管4
6は上記シリンダヘッド4の吸気ポート5に接続されて
いる。
【0032】また、上記吸気管46の上流端開口46a
は吸気タンク45の内壁と面一となっており、これによ
り上記吸気管46の吸気タンク45内への突出量は0に
設定されている。この吸気管46の突出量を0としたこ
とにより、吸気バルブ7を開いたときの圧力低下が直ち
にリード弁42に達し、それだけリード弁42の開時間
が長くなり、よって過給量の増大が図れる。
【0033】上記吸気タンク45と吸入管37とはバイ
パス通路50を介して連通されている。このバイパス通
路50はバイパス弁51により開閉自在となっている。
このバイパス弁51は弁体51aをダイヤフラム室52
内の負圧により開位置に移動させる構造のもので、上記
ダイヤフラム室52は上記吸気管46の下流端に負圧通
路53を介して連通されている。上記バイパス弁51
は、例えばスロットル開度が小さいときに吸気負圧が大
きくなると該負圧によりバイパス通路50を開いて吸気
タンク45内の圧力を下げるものである。
【0034】そして上記クランク室23より上流側に位
置する吸入管37の上流端付近に気化器47が配設され
ており、該気化器47の上流側にエアクリーナ(図示せ
ず)が接続されている。また上記蓄圧室Cの下流側に位
置する吸気管46の途中にバタフライ式スロットル弁9
0が配設されている。このスロットル弁90はケーブル
91によりスロットルグリップの開閉操作に比例して開
閉駆動される。
【0035】60は潤滑装置であり、これは第1潤滑シ
ステム61と、これとは独立して設けられた第2潤滑シ
ステム62とから構成されている。上記第1潤滑システ
ム61は、4サイクル用オイルが充填された第1貯留タ
ンク63に供給ポンプ64を介在させてオイル供給管6
5を接続し、該供給管65の供給口65aをシリンダヘ
ッド4の動弁機構を構成するカム軸10部分に接続して
構成されている。またこのカム軸10部分を潤滑したオ
イルは上記チェーン10aが収容されたチェーン室10
b内に戻り、ここでチェーン10a,駆動スプロケット
13,不図示の被駆動スプロケット及び図2で左側のジ
ャーナル軸受26(シールリング付き)を各々潤滑し、
この後回収管66を通って上記第1貯留タンク63に回
収されるようになっている。
【0036】上記第2潤滑システム62は、2サイクル
用オイルが充填された第2貯留タンク70に主供給管7
1,圧送ポンプ72を接続し、該ポンプ72に第1,第
2副供給管73,74を接続し、該第1副供給管73を
シリンダブロック3のピストン摺動部に接続するととも
に、第2副供給管74をクランク室23のジャーナル軸
受部に接続して構成されている。
【0037】上記圧送ポンプ72は、図示しないが、電
磁式オートルーブポンプのソレノイドを改良したもの
で、プランジャのプッシュロッドにアーマチュアを固着
し、該アーマチュアをソレノイドで吸引する方式のもの
である。これにより該ポンプ72からの吐出圧力が増大
し、過給圧に打ち勝ってオイルを供給できるようになっ
ている。
【0038】上記第1副供給管73のオイル吐出口73
aはクランク軸20と直交方向にシリンダブロック3の
ライナ部を貫通しており、下死点に位置するピストン1
6の第2ピストンリングよりクランク室側に位置してい
る。また上記ピストン16の第2ピストンリングよりク
ランク室側の外面にはクランク軸方向に2つのオイル溜
め用凹部75,76が平行に切り欠いて形成されてい
る。この凹部75は、ピストン16の移動により吐出口
73aに一致した時に吐出口73aから供給されて溜ま
ったオイルにより、また凹部76は下記する様にして上
記吐出口73aから供給されて溜まったオイルにより、
それぞれ上記吐出口73aがピストン16で塞がれた時
点での潤滑を行ない、その結果、この吐出口73aがピ
ストン16で塞がれることによって生じる潤滑上のトラ
ブルを防止している。
【0039】また上記コンロッド17の小端部17aの
外周面にはこれの周方向に延びるオイルガイド溝81が
形成されており、上記ピストン16にはこのガイド溝8
1と上記下側凹部76とを連通する連通孔77が形成さ
れている。また上記小端部17aの上記連通孔77と反
対側にはピストンピン18,軸受19に連通する連通孔
78が形成されている。これにより上記吐出口73aと
下記するオイル回収孔80から供給される上記ガイド溝
81内のオイルの一部が上記連通孔78から軸受19に
供給され、残りの一部が小端部17aとピストン16と
の摺動面に供給され、さらに上記連通孔77から上記凹
部76に供給されるようになっている。
【0040】上記吸気通路38の底部と隔壁39とのコ
ーナ部は吸気タンク45内全体で見て最も低所に位置し
ており、該コーナ部には上記蓄圧室Cとクランク室23
とを連通する小径のオイル回収孔80が形成されてい
る。このオイル回収孔80は蓄圧室C内の空気の漏れ量
が過給圧に支障を及ばさない程度の大きさに設定されて
いる。この回収孔80は吸気通路38の底部に溜まった
オイルをピストン16,クランクケース2の各摺動面に
供給するためのもので、その一部は上記ガイド溝81を
通って両連通孔77及び78からピストン16,コンロ
ッド小端部17a,ピストンピン18の摺動面及びピス
トンシリンダボア摺動面に供給される。
【0041】上記第2副供給管74のオイル吐出口74
aはクランクケース2を貫通して図2における右側のジ
ャーナル軸受26に達している。そしてこの右側のジャ
ーナル軸受26に供給されたオイルは、クランクケース
2の各内周壁2a,2b及び円形凹部2cとクランク軸
20との隙間,及び各摺動面に供給される。
【0042】また、上記クランクケース2の吸入通路3
5を閉塞するカバー36には該通路35内に開口する回
収通路83が形成されている。該回収通路83には回収
管84が接続されており、この回収管84は上記第2貯
留タンク70に接続されている。これにより上記第1,
第2副供給管73,74から供給されたオイルは各摺動
面を潤滑した後、クランクケース2の吸入室Aから吸入
通路35内のカバー36上面に戻り、ここから回収され
る。本実施例では、上記エンジン1を横置きとし、過給
圧の高い圧縮室Bを上に向けて配置するとともに、空気
をクランクケース2の下方から吸入する構成を採用して
いる。従って、重力と過給圧との相互作用によって潤滑
オイルはクランクケース2の最下部、つまり上記カバー
36の上面に集まることとなり、そのためオイルの回収
が確実となり、再使用が可能となったものである。
【0043】次に本参考例の作用効果について説明す
る。本参考例エンジン1は、クランク軸20が1回転す
る毎にコンロッド17の大端部17bの外周面がクラン
クケース2の円弧部内周壁2bに近接した後、最も上方
まで揺動する期間中コンロッド17により掃かれる容積
分の空気が吸気タンク45内に圧送されて蓄えられるこ
ととなる。そしてエンジン1の吸入行程で吸気バルブ7
が開くと上記クランク軸20の1回転分の圧送空気の2
倍の空気が燃焼室内に過給されることとなる。
【0044】また本参考例では、クランク室23aの上
流側に接続された吸入管37に気化器47を配設したの
で、燃料と空気との混合気を燃焼室に供給する上で最も
簡便であり、従来から市販されている通常の気化器を採
用でき、コスト的にも有利である。ちなみに、例えばク
ランク室23aの下流側に気化器を配設した場合、気化
器に加圧空気が供給されるので、この点を考慮した気化
器構造,及び該気化器への燃料供給方法を採用する必要
があり、コスト的に不利となる。また本参考例によれば
未気化燃料がクランク室23内で気化することにより、
ピストン16を含めたクランク室23まわりの部品を有
効に冷却する。
【0045】一方、気化器をクランク室上流側に配設し
た場合、吸気系の気化器下流側の容積が通常のエンジン
に比較して大きいことから、エンジンブレーキ時におい
て過給圧の低下に時間がかかりエンジンブレーキの効き
が緩慢になる恐れがある。これに対して本実施例では、
蓄圧室Cの下流側に連通接続された吸気管46の途中に
スロットル弁90を配設し、エンジンブレーキ時に上記
スロットル弁90を絞るようにしたので、エンジンブレ
ーキ時には過給圧を直ちに低下させることができ、エン
ジンブレーキの効きを迅速にできる。
【0046】図5は本発明の成立仮定における他の参考
例のクランク室過給式4サイクルエンジンの燃料供給装
置を示す模式図であり、図中、図1と同一符号は同一又
は相当部分を示す。
【0047】本参考例エンジン1の燃料供給装置は、上
記クランクケース2の吸入室Aに吸入管37を接続し、
圧縮室Bにリード弁42を介在させて蓄圧室Cとしての
吸気タンク45を接続し、該タンク45に接続された吸
気管46を吸気ポート5に接続したものであり、基本的
構造は上記実施例と略同様である。また上記吸入管37
と吸気タンク45とはバイパス通路50によって連通し
ており、該バイパス通路50にはバイパス弁51が介設
されている。
【0048】上記吸入管37の上流側にはサージタンク
としても機能するサイレンサ92が介設されており、ま
た上記吸気管46の下流側には低速域用気化器93が介
設されている。この気化器93は、図示していないがス
ロットル操作によって開閉するスロットル弁と、吸気負
圧で開閉するピストンバルブとを有する可変ベンチュリ
式のものである。
【0049】上記気化器93には燃料ポンプ94,フィ
ルタ95を介して燃料タンク96が接続されている。ま
た上記燃料ポンプ94には中・高速域用の燃料噴射通路
98が接続されており、該噴射通路98は流量制御弁9
7を介在させて上記吸気管46の下流端の吸気ポート5
に連通接続されている。
【0050】99はECUであり、これはスロットル開
度信号a,エンジン回転数信号b,及びノッキング検出
信号cが入力され、該各入力信号に応じてIGコイル1
01による点火プラグ100の点火時期を制御し、また
リリーフ弁として機能するバイパス弁51を開閉制御す
る。
【0051】過給圧が過剰に上昇するとノッキングが発
生し易くなる。上記ECU99は、過給圧が所定値以上
になると上記バイパス弁51を開いて蓄圧室Cの圧力を
下げることによりノッキングの発生を防止する。なお、
ノッキング発生を防止するには点火時期を遅らせる方法
もあるが、過給圧を下げて最適点火時期を維持した方が
エンジン出力を得る上で有効である。
【0052】また上記ECU99は、エンジン負荷に応
じて過給圧を制御するためにスロットル開度信号aに応
じてバイパス弁51を開閉制御する。エンジン負荷に対
して過給圧が過大になると燃費が悪化する。このため上
記ECU99は部分負荷時は過給圧を下げてポンプ仕事
を減少させる。この場合、例えば加速時の性能向上を図
るために、スロットル弁の動作に対してバイパス弁を後
らせて動作させること、つまりスロットル弁とバイパス
弁との動作に時間差を持たせて制御することも可能であ
り、このようにするとスロットル弁を絞っても過給圧は
直ぐに下がらず、スロットル弁を再度開いた場合に、よ
り早く過給圧が上昇し加速性能を向上できる。
【0053】なお、本変形例では、低速,低負荷運転域
においては、気化器93により燃料が供給される。そし
てスロットル開度信号a,エンジン回転数信号bによ
り、中・高速,中・高負荷運転域と判定されると、流量
制御弁97の作動により燃料が吸気ポート5に向けて噴
射供給される。
【0054】図6及び図7は、本発明の一実施例による
クランク室過給式4サイクルエンジンの燃料供給装置を
示す模式構成図であり、図中、図5と同一符号は同一又
は相当部分を示す。
【0055】本実施例エンジン1の燃料供給装置は、ク
ランクケース2に吸入管37を接続するとともに、該吸
入管37の上流側にサイレンサ92を接続し、上記クラ
ンクケース2に吸気タンク45を介在させて吸気管46
を接続し、該吸気管46を吸気ポート5に接続し、さら
に上記吸入管37と吸気タンク45とをバイパス通路5
0で連通するとともに該通路50にバイパス弁51を介
設してなり、基本的構造は上記参考例と略同様である。
【0056】上記吸入管37の途中には中・高速,中・
高負荷用気化器102が介設されており、また上記吸気
管46の途中には低速,低負荷用気化器103が介設さ
れている。上記気化器103は、スロットル操作によっ
て開閉するバタフライ式スロットル弁104をバイパス
するバイパス通路46aを設け、該バイパス通路46a
の絞り部46bに開口するノズル105をフロート室4
6cに連通させた構造のものである。
【0057】また上記吸気管46の気化器103より下
流側と上記バイパス弁51とは負圧通路106で連通さ
れている。これにより吸気管46内の過給圧が所定値以
上に高くなるとバイパス弁51が開いて過給圧の過剰上
昇を防止している。
【0058】本実施例の燃料供給装置によれば、例えば
低負荷領域では、気化器103においてスロットル弁1
04の開度が狭いことからバイパス通路46a内の負圧
が大きく、主としてこの気化器103から燃料が供給さ
れる。一方、中・高負荷領域になると上記スロットル弁
104の開度が広くなることからバイパス通路内の負圧
はあまり大きくならず、従ってこの気化器103からの
燃料量は増加せず、吸入管37の気化器102からの燃
料供給量が増加する。
【0059】このようにエンジンの低速,低負荷運転域
と中・高速,中・高負荷運転域とで燃料供給を低負荷用
気化器103と中・高負荷用気化器102とで分担する
ようにしたので、エンジン運転領域全域にわたって安定
した燃料量を供給できる。また吸気タンク45の下流側
の吸気ポート5に近接した位置に気化器103を配設し
たので、加減速時の応答性を向上できる。
【0060】なお、上記参考例,実施例では、4サイク
ル単気筒エンジンに適用した場合を例にとって説明した
が、本発明は4サイクル多気筒エンジン,及び2サイク
ルエンジンにも適用できる。この2サイクルエンジンに
適用する場合は、圧縮室の吐出口を掃気通路に連通接続
することとなる。
【0061】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係るクラ
ンク室過給式エンジンの燃料供給装置によれば、上記ク
ランク室の上流側の吸入通路,及び下流側の吸気通路に
それぞれ気化器を配設し、上記上流側の気化器を中・高
速,中・高負荷用とし、下流側の気化器を低速,低負荷
用としたので、加減速時の応答性を向上しながら、低
速,低負荷領域と中・高速,中・高負荷領域とで燃料供
給を分担することができ、エンジン運転領域全域にわた
って安定した燃料量を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成立過程における参考例によるクラン
ク室過給式4サイクルエンジンの燃料供給装置を説明す
るための断面側面図である。
【図2】上記参考例エンジンのクランク軸部分を示す断
面背面図(図1のII-II 線断面図) である。
【図3】上記参考例エンジンのピストン部分を示す断面
正面図( 図1のIII-III 線断面図) である。
【図4】上記参考例エンジンのコンロッド小端部の拡大
断面図である。
【図5】本発明の成立過程における他の参考例によるク
ランク室過給式4サイクルエンジンの燃料供給装置を説
明するための模式図である。
【図6】請求項1の発明の一実施例によるクランク室過
給式4サイクルエンジンの燃料供給装置を説明するため
の模式図である。
【図7】上記図6の低速用気化器を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 クランク室過給式エンジン 3a シリンダボア 16 ピストン 17 コンロッド 23a クランク室 37 吸入管(吸入通路) 40 吐出口 45 吸気タンク(蓄圧室) 46 吸気管(吸気通路) 102 中・高速,中・高負荷用気化器 103 低速,低負荷用気化器 A 吸入室 B 圧縮室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 33/24 F02B 33/02 F02B 33/04 F02B 33/26 F02B 33/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室,シリンダボア,及びピスト
    ンで囲まれたコンロッド収容室をコンロッドにより吸入
    室と圧縮室とに区分けし、該吸入室に吸入通路を接続
    し、上記圧縮室の吐出口に燃焼室に連通する吸気通路を
    接続したクランク室過給式エンジンの燃料供給装置にお
    いて、上記吸気通路のクランク室より下流側に蓄圧室を
    設け、上記吸入通路の上記クランク室より上流側に中・
    高速,中・高負荷用気化器を配設し、上記吸気通路の上
    記蓄圧室より下流側に低速,低負荷用気化器を配設した
    ことを特徴とするクランク室過給式エンジンの燃料供給
    装置。
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