JPH05331768A - 印刷用シートの製造方法 - Google Patents

印刷用シートの製造方法

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JPH05331768A
JPH05331768A JP16393192A JP16393192A JPH05331768A JP H05331768 A JPH05331768 A JP H05331768A JP 16393192 A JP16393192 A JP 16393192A JP 16393192 A JP16393192 A JP 16393192A JP H05331768 A JPH05331768 A JP H05331768A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
coating layer
printing
printing sheet
continuous filaments
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JP16393192A
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Tomoji Miyoshi
智次 三好
Hideo Ikezawa
秀男 池沢
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New Oji Paper Co Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷作業性に優れた印刷用シートの製造方法
を提供する。 【構成】 まず、多数の連続フィラメントが集積されて
なる不織布を準備する。連続フィラメントは、横断面内
において少なくとも一箇所以上の中空区域を有してい
る。このような連続フィラメントは、いわゆる中空フィ
ラメントと指称されるものである。この不織布の片面又
は両面に塗料を塗布して塗工層を設ける。塗工層を設け
た後、カレンダー処理を施して、その表面を平滑化す
る。平滑化の程度は、塗工層が設けられた面の光学的表
面粗さ(Rp値)が20μm以下になるようにする。この
印刷用シートは、特に包装材,袋物,ポスター等の素材
として好適に使用しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた印刷適性及び印
刷作業性、更に優れた隠蔽性を有する印刷用シートの製
造方法に関し、特に包装材,袋物,ポスター等の素材と
して好適に使用しうる印刷用シートの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷適性を有した材料としては、
天然紙や合成紙等の紙が多く使用されている。しかしな
がら、これらは一般的に引裂強度が小さいため、包装材
料やポスター等の素材として使用するには不適当であ
る。
【0003】引裂強度の大きい材料としては、連続フィ
ラメントをシート状に集積して構成された不織布が存在
する。しかしながら、連続フィラメントによる不織布
は、地合いむらが大きいと言う傾向がある。従って、不
織布表面は、紙表面に比べて平滑性に欠け、印刷適性に
劣るという欠点があった。特に、不織布として、連続フ
ィラメント相互間が自己融着している融着区域が、間隔
を置いて配置されてなるものを使用した場合には、融着
区域と非融着区域によって凹凸が生じ、印刷時、凹部に
おいて白抜けが生じたり、或いは凹凸による印刷濃度ム
ラが生じるということがあった。また、連続フィラメン
トは、一般的に疎水性の合成樹脂で形成されているた
め、オフセット印刷適性に欠けるという欠点があった。
【0004】不織布の印刷適性を向上させるためには、
合成樹脂と顔料等で構成された塗料を、不織布の片面又
は両面に塗布もしくは含浸し、印刷適性に優れた塗工層
を設けることが行なわれている(特公昭50-34673号公
報、特開昭53-70194号公報、特開昭55-84457号公報
等)。そして、塗工層が設けられた不織布を一対の平滑
ロール間に導入して、いわゆるカレンダー処理を行な
い、この塗工層が設けられた表面を更に平滑にすること
が行なわれている。
【0005】しかしながら、このカレンダー処理におい
ては、不織布に大きな線圧が加わる。そして、不織布を
構成している連続フィラメントは、容易に押し潰され
て、その横断面が扁平になると共に、連続フィラメント
間の空隙は減少する。横断面が扁平になり、且つ連続フ
ィラメント間の空隙が減少すると、不織布の厚さが低下
して剛性が低下し、その結果、不織布よりなる印刷用シ
ートの剛性も大幅に低下するのである。従って、印刷用
シートの剛性が低くなって腰の無いものとなり、印刷時
における通紙性、特に枚葉印刷時における通紙性が不良
になるという欠点が生じた。また、連続フィラメントが
押し潰されて、その横断面が扁平になると、光を透過し
やすくなり、不織布の不透明性が低下する。不透明性が
低下すると、印刷された文字等が見にくくなるし、また
包装材料として使用するのに不適当になるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、不
織布を構成している連続フィラメント自体の形状を工夫
して、連続フィラメントの横断面内に少なくとも一箇所
以上の中空区域を設けることにより、不織布に大きな線
圧が加わって、連続フィラメントが押し潰されてその横
断面が扁平になっても、線圧が解除されると速やかに元
の横断面の形状に回復するようにし、且つ連続フィラメ
ント内に中空の空隙を形成させて、印刷用シートに適度
な腰を与え且つ適度な不透明性を維持させようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、多数の
連続フィラメントが集積されて構成された不織布の片面
又は両面に塗工層を設けた後、カレンダー処理を施し
て、該塗工層が設けられた面の光学的表面粗さ(Rp
値)が20μm以下になるように調整する印刷用シートの
製造方法において、前記連続フィラメントは横断面内に
おいて少なくとも一箇所以上の中空区域を有しているこ
とを特徴とする印刷用シートの製造方法に関するもので
ある。
【0008】本発明において使用する連続フィラメント
は、その横断面内に少なくとも一箇所以上、好ましくは
1〜5箇所の中空区域を有するものである。具体的には、
図1及び図2に示す如き横断面形状を持つ連続フィラメ
ントが使用される。このような連続フィラメントは、中
空連続フィラメントと言われるものであり、フィラメン
トに大きな線圧が加わった場合、中空区域が押し潰さ
れ、全体として扁平になるが、線圧を解除すると、中空
区域内の空気の弾性力で元の状態に回復するという傾向
がある。これに対し、中空区域を持たない中実連続フィ
ラメントの場合には、大きな線圧が加わると押し潰され
て扁平になり、その後線圧が解除されても弾性力のある
箇所が存在しないため、元の状態に回復するという傾向
を示さない。従って、本発明で使用する連続フィラメン
トは、その横断面が扁平になりにくいものである。ま
た、この連続フィラメントは、横断面内に中空区域を有
しているため、入射した光は、中空区域及び肉厚部で複
雑に屈折及び反射し、その結果、乱反射する傾向が強い
ので、この連続フィラメントが集積されてなる不織布は
高い不透明性を示す。これに対し、中実連続フィラメン
トの場合には、中空区域が存在しないため、入射した光
が、その分だけ複雑な屈折及び反射をせず、不透明性が
低いことになる。
【0009】連続フィラメントの材料は、従来公知の任
意の材料を使用することができ、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド,ポリアク
リレート等の合成樹脂を使用するのが好ましい。また、
連続フィラメントの繊度も任意に決定しうる事項であ
り、例えば1〜5デニール程度のものを使用するのが好ま
しい。なお、連続フィラメントの横断面における、外形
形状は、図1や図2に示したような楕円形の他に、円
形,三角形,四角形等の任意の形状のものを採用しう
る。
【0010】以上の如き連続フィラメントは、環状スリ
ット等の紡糸孔を持つ紡糸口金から、合成樹脂を溶融紡
糸することによって、容易に得ることができる。そし
て、この連続フィラメントをシート状に集積して、連続
フィラメント相互間を任意の手段で固定して、不織布を
得ることができるのである。一般的には、合成樹脂を溶
融紡糸して連続フィラメントを形成し、直ちにシート状
に集積して不織布を得る、スパンボンド法を採用するの
が好ましい。また、連続フィラメント相互間の固定は、
連続フィラメントをシート状に集積したウェブに、結合
剤を含浸する、或いはウェブに熱を付与して、連続フィ
ラメントを溶融固化させて自己融着させる等といった方
法が採用される。特に、ウェブを、加熱された凹凸ロー
ル間又は加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導
入して、凹凸ロールの凸部が当接した部分のみに熱を与
えて、連続フィラメントによる自己融着区域を間隔を置
いて設けた不織布を使用するのが好ましい。この不織布
は、連続フィラメントが固定されている区域と固定され
ていない区域とがあるため、適度な腰と適度な柔軟性を
持つからである。全ての区域で連続フィラメントが固定
されている不織布は、柔軟性に欠けるため、包装材料と
して、使用しにくくなる傾向がある。
【0011】また、本発明において使用する不織布の目
付は、20〜150g/m2であるのが好ましく、特に30〜10
0g/m2であるのが最も好ましい。不織布の目付が20g
/m2未満であると、得られる印刷用シートの不透明性
が低下する傾向があり、また印刷用シートが薄くなりす
ぎて腰が低下する傾向が生じる。不織布の目付が150g
/m2を超えると、印刷用シートが厚くなりすぎて、包
装材とした場合における包装性が低下する傾向が生じ
る。
【0012】以上の如き不織布の片面又は両面に塗工層
を設ける。塗工層は、接着剤を含有した塗料を不織布表
面に塗布して形成されるものである。接着剤としては、
従来公知のものを使用すれば良く、具体的には、ポリア
クリル酸エステル,ポリメタクリル酸エステル,エチレ
ン−酢酸ビニル共重合物,スチレン−ブタジエン共重合
物,ニトリル−ブタジエン共重合物,ポリエステル樹
脂,ポリウレタン等が使用される。また、前記したもの
の共重合物も同様に使用される。更に、澱粉,澱粉誘導
体,ポリビニルアルコール,カゼイン,カルボキシメチ
ルセルロース等も使用される。これらの接着剤は、塗工
液中でエマルジョンの形態で存在していても良いし、ま
た塗工液中の溶媒に溶解した状態で存在していても良
い。
【0013】塗料中には、接着剤と共に、白色顔料が配
合されていても良い。白色顔料を配合すると、得られる
シートの不透明度が向上し、印刷適性が更に向上する。
使用しうる白色顔料としては、炭酸カルシウム,炭酸マ
グネシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウ
ム,水酸化亜鉛,酸化亜鉛,二酸化チタン,酸化アルミ
ニウム,二酸化珪素,アモルファスシリカ,硫酸バリウ
ム,カオリナイト,タルク等の無機顔料、或いはスチレ
ン,アクリル酸エステル等の有機顔料が使用される。白
色顔料を塗料中に併用・添加する場合には、接着剤の固
形分1重量部に対して40重量部以下程度を添加するのが
好ましく、特に20重量部以下程度を添加するのが最も好
ましい。白色顔料の量が40重量部を超えると、相対的に
接着剤の量が少なくなって、塗工層と不織布との密着力
が低下し、塗工層が脱落しやすくなる傾向が生じる。更
に、必要に応じて、塗料中には、潤滑剤,酸化防止剤,
紫外線吸収剤,有機顔料,帯電防止剤,増粘剤等の助剤
が含有されていても良い。
【0014】塗料は、不織布表面への塗工に先だって、
発泡処理をするのが好ましい。この理由は、未発泡の塗
料を不織布表面に塗工すると、塗料が不織布の裏面まで
浸透しやすくなり、塗工工程における塗工ヘッド部分の
汚れが発生しやすくなるのである。また、本来不織布表
面のみに必要な塗工層が、不織布全体に存在することに
なり、塗料の無駄使いとなる。塗料を発泡させるには、
従来公知の発泡機を使用すれば良い。例えば、米国のガ
ストン・カウンティー社製の連続発泡機,オランダのス
トーク(Stork)社製の連続発泡機,シェーキングミキ
サー,ケーキミキサー等を使用すればよい。塗料の発泡
倍率は、少なくとも2倍以上であることが好ましい。発
泡倍率が2倍未満であると、塗工時に塗料が不織布の裏
面まで浸透する恐れがある。また、発泡後の塗料の粘度
は、4000cp以上であるのが好ましい。なお、この粘度
は、BM型粘度計で測定したものである。塗料の粘度が40
00cp未満であると、塗料が不織布の裏面まで浸透する恐
れがある。なお、発泡状態の安定性を向上させるため、
発泡処理に先立ち、整泡剤を添加しておくのが好まし
い。整泡剤としては、高級脂肪酸,高級脂肪酸変性物,
高級脂肪酸のアルカリ塩等が使用しうる。整泡剤の添加
量としては、塗工液中の固形分100重量部に対して、30
重量部程度以下が好ましく、特に10重量部程度以下が最
も好ましい。整泡剤の量が、30重量部を超えると、逆に
塗料の安定性が低下する傾向が生じる。
【0015】塗料を不織布に塗布する手段としては、従
来公知の任意の手段を採用することができる。具体的に
は、メイヤーバー,エアーナイフ,ブレード,スリット
ダイ,コンマコーター,ロールコーター,リップコータ
ー,グラビアコーター,ロータリースクリーン等の塗布
手段を採用することができ、なお、塗布量が多い場合
は、必要に応じて複数回に分けて塗布しても良い。塗料
の塗布量は、固形分で1〜50g/m2、好ましくは2〜30
g/m2程度が適当である。塗布量が1g/m2未満にな
ると、塗工層が不完全となり、印刷適性の向上を十分に
図れない傾向が生じる。また、塗布量が50g/m2を超
えると、印刷用シートの柔軟性が低下し、包装材料等と
して使用するのに不適当になる。塗料を不織布に塗布し
た後、乾燥して塗工層が形成されるのである。
【0016】以上のようにして塗工層を設けた後、カレ
ンダー処理が施される。カレンダー処理は、一対の平滑
ロール間に、塗工層を設けた不織布を導入して行なわれ
る。即ち、一対の平滑ロール間における線圧が塗工層及
び不織布に加えられ、主として塗工層の表面が平滑化さ
れるのである。カレンダー処理は、スーパーカレンダ
ー,マシンカレンダー等のカレンダー機を用いて行なう
のが、好ましい。本発明においては、このカレンダー処
理の際、塗工層が設けられた面の光学的表面粗さ(Rp
値)が20μm以下になるように調整する。光学的表面粗
さ(Rp値)が20μmを超えると、塗工層が設けられた
面の凹凸の程度が大きく、印刷適性が低下するので好ま
しくない。
【0017】本発明で言う光学的表面粗さ(Rp値)
は、印刷平滑性(Printing Roughness)とも称し、表面
の平均深さに比例した物理量で、値が大きいほど表面が
粗く平滑性が低いものである。この光学的表面粗さ(R
p値)の測定方法の原理は、大蔵省印刷局研究報告第29
巻第9号第615〜622頁に記載されている。即ち、試料表
面にプリズムを圧着し、プリズムを通して光が試料に入
射することにより、試料の表面粗さを光学的に測定する
のである。本発明における光学的表面粗さ(Rp値)
は、前記の原理に基づき、測定装置として株式会社東洋
精機製作所製のマイクロトポグラフを使用し、サンプリ
ングタイムは加圧後200ミリ秒後とし、試料へのプリズ
ムの加圧は10kgf/cm2として、測定したものである。な
お、印刷用シートの代表例である紙についての表面平滑
性は、通常ベックの平滑度計が使用されるが、本発明の
如く不織布よりなる印刷用シートの場合には、気体の透
過性が高いため、ベックの平滑度計を使用することは、
適当ではない。即ち、本発明の如く不織布を主体とする
印刷用シートは、表面平滑性がどの程度であっても、ベ
ックの平滑度で評価すると殆ど0に近いため、ベックの
平滑度計によって表面性や印刷適性を評価することがで
きないのである。以上のようにして得られた印刷用シー
トは、その塗工層表面に各種の印刷が施されるのであ
る。
【0018】
【実施例】
実施例1 ポリエステル樹脂を280℃に加熱溶融して押出機にて押
し出した後、横断面内に一箇所の中空区域を有するフィ
ラメントとなるように、環状スリット(紡糸孔)を配列
させた紡糸口金を用いて溶融紡糸した。溶融紡糸後、フ
ィラメント群をエアーサッカーに導入して牽引・延伸
し、繊度3デニールのポリエステル連続フィラメントを
得た。このポリエステル連続フィラメントは、図1に示
す如き横断面を持つものであった。そして、エアーサッ
カーの出口で開繊した後、捕集コンベア上に集積して、
目付60g/m2のウェブを作成した。このウェブを、加
熱された凹凸ロールと平滑ロールとよりなるエンボス装
置に導入して、凸部が当接したウェブ区域において連続
フィラメントを溶融固化させ、連続フィラメント相互間
を自己融着して不織布を得た。なお、凸部はロール表面
に散点状に設けられており、凸部の頂点の面積は0.13mm
2であり、凸部の頂点の総面積はロール表面の全面積に
対して8%であった。従って、得られた不織布は、目付
が60g/m2で間隔を置いた融着区域を持つものであっ
た。
【0019】一方、スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス(日本合成ゴム株式会社製、商品番号0619、固形分濃
度48%)100重量部に、整泡剤(大日本インキ化学工業
株式会社製、商品番号F-1、固形分濃度33%)3重量部を
添加したラテックスを、ハンドミキサーを用いて6倍に
発泡させた塗料を準備した。この塗料の粘度は、20000c
pであった。この塗料を、得られた不織布の片面に、メ
イヤーバーを用いて塗布し塗工層を得た。乾燥後の塗工
層の重量は、15g/m2であった。この後、一対の平滑
ロールで構成され、平滑ロールの温度が50℃、平滑ロー
ル間の線圧が40kg/cmに設定されたスーパーカレンダー
に、塗工層が設けられた不織布を導入した。このカレン
ダー処理によって、塗工層が設けられた面の光学的表面
粗さ(Rp値)は10μmとなった。以上のようにして印
刷用シートを得た。
【0020】実施例2 ポリエステル樹脂を280℃に加熱溶融して押出機にて押
し出した後、横断面内に四箇所の中空区域を有するフィ
ラメントとなるように、丸十字状スリット(紡糸孔)を
配列させた紡糸口金を用いて、溶融紡糸した。溶融紡糸
後、フィラメント群をエアーサッカーに導入して牽引・
延伸し、繊度3デニールのポリエステル連続フィラメン
トを得た。このポリエステル連続フィラメントは、図2
に示す如き横断面を持つものであった。そして、エアー
サッカーの出口で開繊した後、捕集コンベア上に集積し
て、目付60g/m2のウェブを作成した。このウェブ
を、実施例1と同様のエンボス装置に導入して不織布を
得た。
【0021】一方、アクリルエマルジョン(日本合成ゴ
ム株式会社製、商品番号AE513A、固形分濃度40%)100
重量部に、二酸化チタン(帝国化工社製、商品番号JA-
1)30重量部、及び整泡剤(大日本インキ化学工業株式
会社製、商品番号F-1、固形分濃度33%)10重量部を添
加したエマルジョンを、ハンドミキサーにて7倍に発泡
させた塗料を準備した。この塗料の粘度は、28000cpで
あった。この塗料を、得られた不織布の片面に、メイヤ
ーバーを用いて塗布し塗工層を得た。乾燥後の塗工層の
重量は、8g/m2であった。この後、実施例1と同様の
カレンダー処理を行なって、塗工層が設けられた面の光
学的表面粗さ(Rp値)を14μmに調整した。以上のよ
うにして印刷用シートを得た。
【0022】実施例3 連続フィラメントとして、その繊度が2デニールのもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用シートを
得た。この印刷用シートの塗工層が設けられた面の光学
的表面粗さ(Rp値)は8μmであった。
【0023】比較例1 連続フィラメントとして、横断面内に中空区域を持たな
い、中実連続フィラメントを用いた以外は、実施例1と
同様にして印刷用シートを得た。この印刷用シートの塗
工層が設けられた面の光学的表面粗さ(Rp値)は12μ
mであった。
【0024】比較例2 連続フィラメントとして中実連続フィラメントを用いた
こと、及びカレンダー処理を行なわなかったこと以外
は、実施例2と同様にして印刷用シートを得た。この印
刷用シートの塗工層が設けられた面の光学的表面粗さ
(Rp値)は50μmであった。
【0025】比較例3 カレンダー処理を行なわなかったこと以外は、実施例3
と同様にして印刷用シートを得た。この印刷用シートの
塗工層が設けられた面の光学的表面粗さ(Rp値)は35
μmであった。
【0026】以上の実施例1〜3及び比較例1〜3に係
る製造方法に得られた印刷用シートの品質を評価し、表
1にその結果を示した。
【表1】
【0027】なお、表1中の評価項目の試験方法は、以
下のとおりである。 1)エンボスパターンの隠蔽性:エンボス装置によって型
付けされた凹凸が、塗工層によってどの程度隠蔽されて
いるかを、目視によって、次の五段階で評価した。5…
隠蔽性が極めて良好である、4…隠蔽性は良好である、
3…隠蔽性は普通である、2…隠蔽性がやや不良であ
る、1…隠蔽性が不良である。 2)印刷面白抜け及び印刷濃度ムラ:RI-II型印刷テスタ
ー(明製作所製)を用いてテストした。白抜け及び濃度
ムラの程度は、目視によって、次の五段階で評価した。
5…白抜け及び濃度ムラが極めて少ない、4…白抜け及
び濃度ムラが少ない、3…白抜け及び濃度ムラが若干有
る、2…白抜け及び濃度ムラが多い、1…白抜け及び濃
度ムラが極めて多い。 3)印刷作業性:リョービ2800CD型印刷機(リョービ社
製)を使用して、テストを行なった。印刷作業性は、給
紙性、排紙性等を目視にて、次の五段階で評価した。5
…印刷作業性が極めて優れている、4…印刷作業性が優
れている、3…印刷作業性が普通である、2…印刷作業
性がやや劣る、1…印刷作業性が不良である。
【0028】表1の結果より明かなとおり、実施例に係
る製造方法で得られた印刷用シートは、エンボスパター
ンの隠蔽性、印刷適性(印刷面白抜け及び印刷濃度ム
ラ)及び印刷作業性共に良好であった。これに対し、比
較例1に係る方法によって得られた印刷用シートは、不
織布中の連続フィラメントとして中実のものを使用した
ので、その横断面が扁平に押し潰されており、腰がなく
印刷作業性に劣るものであった。また、比較例2及び3
に係る方法によって得られた印刷用シートは、カレンダ
ー処理を行なっていないため、エンボスパターンの隠蔽
性及び印刷適性に劣るものであった。
【0029】
【作用及び発明の効果】以上説明したように、本発明に
係る印刷用シートの製造方法は、使用する不織布中の連
続フィラメントとして、横断面内に少なくとも一箇所以
上の中空区域を有するものを用い、そして不織布表面に
塗工層を設け、更にカレンダー処理するというものであ
る。連続フィラメントとして、このように中空連続フィ
ラメントを使用したので、カレンダー処理時において不
織布に大きな線圧が加わり、連続フィラメントが押し潰
されたとしても、線圧を解除すれば、その横断面は中空
内の空気の弾力性によって元の状態に戻ろうとする傾向
がある。従って、本発明で使用する連続フィラメントは
扁平になりにくいのである。また、この連続フィラメン
トは、フィラメント内に中空区域を有しているため、不
織布中に空隙が存在しているのと同等の作用を示す。こ
のように、連続フィラメントが扁平になりにくいこと
と、不織布中に空隙が存在していることとの相乗作用
で、不織布の厚みが薄くなりにくく、結局印刷用シート
の厚みが薄くなることを防止でき、印刷用シートの腰、
即ち高い剛性を保持することができる。依って、本発明
に係る印刷用シートを使用すれば、印刷機に対する給紙
及び排紙を良好に行なうことができ、印刷作業性の低下
を防止することができるという効果を奏する。更に、不
織布中の連続フィラメント内に中空区域が存在するの
で、連続フィラメントの肉厚部と中空区域とによって光
の屈折及び反射が複雑になって、入射光が透過せずに乱
反射しやすいため、印刷用シートの不透明性の低下をも
防止しうる。
【0030】また、本発明に係る方法を採用すると、カ
レンダー処理によって印刷用シートの腰の低下が生じに
くいため、所望の条件でカレンダー処理を実行すること
ができる。従って、印刷用シートの光学的表面粗さ(R
p値)が20μm以下になるように、容易に調整すること
ができ、印刷後の印刷表面の白抜け、濃度ムラ等の少な
い平滑な表面を容易に得ることができる。従って、本発
明に係る方法を採用すれば、前記したように紙と同等の
印刷作業性を有し、不透明度,白色度,物理的強度,耐
薬品性,耐水性,印刷適性に優れた印刷用シートを容易
に得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する連続フィラメントの横断面の
一例を示した図である。
【図2】本発明に使用する連続フィラメントの横断面の
他の例を示した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続フィラメントが集積されて構
    成された不織布の片面又は両面に塗工層を設けた後、カ
    レンダー処理を施して、該塗工層が設けられた面の光学
    的表面粗さ(Rp値)が20μm以下になるように調整す
    る印刷用シートの製造方法において、前記連続フィラメ
    ントは横断面内において少なくとも一箇所以上の中空区
    域を有していることを特徴とする印刷用シートの製造方
    法。
JP16393192A 1992-05-28 1992-05-28 印刷用シートの製造方法 Pending JPH05331768A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH05339873A (ja) * 1992-06-05 1993-12-21 Kanebo Ltd インクジェット用布帛
JP2011230499A (ja) * 2010-04-07 2011-11-17 Asahi Kasei Fibers Corp 耐久性の印刷基材
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