JPH06262711A - 印刷用シートの製造方法 - Google Patents

印刷用シートの製造方法

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JPH06262711A
JPH06262711A JP5055998A JP5599893A JPH06262711A JP H06262711 A JPH06262711 A JP H06262711A JP 5055998 A JP5055998 A JP 5055998A JP 5599893 A JP5599893 A JP 5599893A JP H06262711 A JPH06262711 A JP H06262711A
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JP
Japan
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coating layer
undercoat
adhesive
coating
printing
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JP5055998A
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English (en)
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Tomoji Miyoshi
智次 三好
Hideo Ikezawa
秀男 池沢
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 印刷適性及び印刷作業性に優れた印刷用シー
トの製造方法を提供する。 【構成】 多数の連続フィラメントが集積されて構成さ
れた不織布の片面又は両面に接着剤を含有する発泡性の
下塗り塗工層を設け、次いで該下塗り塗工層の上に白色
顔料及び接着剤を主成分とする未発泡の上塗り塗料を塗
工して上塗り塗工層を設け、次いで該塗工層の表面にカ
レンダー処理を施してなる印刷用シートの製造方法にお
いて、該不織布が中空繊維からなる連続フィラメントで
構成され、前記塗工表面をJIS P 8117で規定されたベッ
ク平滑度が20秒以上になるようにカレンダー処理が施さ
れ、印刷用シートを得る。この印刷用シートは、包装
材、袋物、ポスター等の素材として好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた印刷適性及び印
刷作業性を有し、特に包装材、袋物、ポスター等の素材
として好適に使用しうる印刷用シートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷適性を有した材料としては、
セルロース系物質を原料とした紙、合成フィルム、合成
紙等のシート状基材が多く使用されている。しかしなが
ら、これらは一般的に引裂強度が小さいため、包装材料
の素材として使用するに不適当な面を有している。
【0003】引裂強度の大きい材料としては、連続フィ
ラメントをシート状に集積して構成された不織布が存在
する。しかしながら、不織布は地合むらが大きいという
欠点があり、つまり、不織布の表面は、紙の表面に比べ
て平滑性に欠け、印刷適性に劣るという欠点があった。
【0004】特に、不織布として、連続フィラメント相
互間が自己融着している融着区域が、間隔を置いて配置
されているものを使用した場合には、融着区域と非融着
区域によって凹凸が生じ、印刷時、凹部において白抜け
が生じたり、或いは凹凸による印刷濃度ムラが生じると
いう問題を抱えている。又、連続フィラメントは、一般
的に疎水性の合成樹脂で形成されているために、オフセ
ット印刷適性に欠けるという欠点があった。
【0005】不織布の印刷適性を向上させるためには、
接着剤と顔料を主成分とする塗料を、不織布の片面又は
両面に塗布或いは含浸し、印刷適性に優れた塗工層を設
けることが行われている(特公昭50-34673号公報、特開
昭53-70194号公報、特開昭55-84457号公報等)。そし
て、塗工層が設けられた不織布を一対の平滑ロール間に
導入して、いわゆるカレンダー処理を行ない、この塗工
層が設けられた表面を更に平滑にすることが行われてい
る。
【0006】しかしながら、前記したカレンダー処理に
おいては、不織布に大きな線圧が加えられるので、不織
布を構成している連続フィラメントは、容易に押し潰さ
れて、その横断面が偏平になると共に、連続フィラメン
ト間の空隙は減少する。横断面が偏平になり、且つ連続
フィラメント間の空隙が減少すると、不織布の厚さが低
下して剛性が低下し、その結果、不織布よりなる印刷用
シートの剛性も大幅に低下するという問題がある。
【0007】従って、印刷用シートの剛性は低くなって
腰の無いものとなり、印刷時における通紙性、特に枚葉
印刷時における通紙性が不良になるという欠点が生じて
いる。又、連続フィラメントが押し潰されて、その横断
面が偏平になると、光を透過し易くなり、不織布の不透
明性が低下する。不透明性が低下すると、印刷された文
字、絵等が見えにくくなり、包装材料として使用するの
に不適当になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、前述の欠点を解決するために種々の検討を
重ねた結果、不織布を構成している連続フィラメント自
体の形状を工夫して、連続フィラメントの横断面内に中
空な区域を設けることにより、該連続フィラメントで構
成される印刷用シートとして必要な平滑性を付与させる
際に、不織布に大きな線圧が加わり連続フィラメントが
押し潰されてその横断面が偏平になっても、線圧が解除
されると速やかに元の横断面の形状に回復し、且つ前記
印刷用シートに適度な腰を与え、しかも適度な不透明性
を維持させ得ること、下塗りと上塗り塗工層を不織布表
面に設けることにより、カレンダー処理を行なっても、
不織布の構成繊維が表面に浮き出ないこと及び発泡した
塗料を下塗り層として不織布の片面又は両面に塗布し、
白色顔料を有する発泡していない塗料を上塗り層として
塗布すると一段とエンボスパターンの隠蔽性と印刷適性
に優れることを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0009】本発明は、包装材、袋物、ポスター等の素
材として好適に使用し得る優れた印刷適性と印刷作業性
を有する印刷用シートの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の連続フ
ィラメントが集積されて構成された不織布の片面又は両
面に接着剤を含有する発泡性の下塗り塗工層を設け、次
いで該下塗り塗工層の上に白色顔料及び接着剤を主成分
とする未発泡の上塗り塗料を塗工して上塗り塗工層を設
け、次いで該塗工層の表面にカレンダー処理を施してな
る印刷用シートの製造方法において、該不織布が中空繊
維からなる連続フィラメントで構成され、前記塗工表面
をJIS P 8117で規定されたベック平滑度が20秒以上にな
るようにカレンダー処理を施すことを特徴とする印刷用
シートの製造方法である。
【0011】本発明において使用する連続フィラメント
は繊維の横断面内に1箇所以上、好ましくは1〜5箇所の
中空な区域を有する中空繊維から構成されている。具体
的には、図1及び図2に示す如き横断面形状を持つ中空
繊維の連続フィラメントが使用される。このような連続
フィラメントは中空連続フィラメントと呼ばれるもので
あり、フィラメントに大きな線圧が加わった場合、中空
区域が押し潰され、全体として偏平になるが、線圧を解
除すると、中空区域内の空気の弾性力で元の状態に回復
する。
【0012】これに対し、中空区域を持たない中実連続
フィラメントの場合には、大きな線圧が加わると押し潰
されて偏平になり、その後線圧が解除されても弾性力の
ある箇所が存在しないため、元の状態に回復するという
傾向を示さない。又、本発明で使用する連続フィラメン
トは、横断面内に中空区域を有しているため、入射した
光は、中空区域及び肉厚部で複雑に屈折及び反射し、そ
の結果、乱反射するので、この連続フィラメントが集積
されてなる不織布は高い不透明性を示す。これに対し、
中実連続フィラメントの場合には、中空区域が存在しな
いため、入射した光が、その分だけ複雑な屈折及び反射
をせず、不透明性が低いことになる。
【0013】連続フィラメントの材料は、従来公知の任
意の材料を使用することができ、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアク
リレート等の合成樹脂を挙げることができる。又、連続
フィラメントの繊度も任意に決定しうる事項であり、例
えば1〜5デニール程度のものが使用できる。尚、連続フ
ィラメントの横断面における、外形形状は、図1や図2
に示したような楕円形の他に、円形、三角形、四角形等
の任意の形状のものを採用しうる。
【0014】以上の如き連続フィラメントは、環状スリ
ットのような紡糸孔を有する紡糸口金から、合成樹脂を
溶融紡糸することによって、容易に得ることができる。
そして、この連続フィラメントをシート状に集積して、
連続フィラメント相互間を任意の手段で固定して、不織
布を得ることができる。
【0015】本発明のためには、合成樹脂を溶融紡糸し
て連続フィラメントを形成し、直ちにシート状に集積し
て不織布を得るというスパンボンド法を採用するのが好
ましい。又、連続フィラメント相互間の固定は、連続フ
ィラメントをシート状に集積したウェブに、結合剤を含
浸する或いはウェブに熱を付与して、連続フィラメント
を溶融固化させて自己融着させるといった方法等が採用
できる。
【0016】特に、ウェブを、加熱された凹凸ロール間
又は加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導入し
て、凹凸ロールの凸部が当接した部分のみに熱を与え
て、連続フィラメントによる自己融着区域を間隔を置い
て設けた不織布を使用するのが好ましい。このような不
織布は、連続フィラメントが固定されている区域と固定
されていない区域とがあるために、適度な腰と適度な柔
軟性を持つから本発明のためには好ましいが、これに対
して全ての区域で連続フィラメントが固定されている不
織布は、柔軟性に欠けるため、包装材料として、使用し
難くなるので本発明では好ましくない。
【0017】又、本発明で用いられる不織布の目付は、
20〜150g/m2、好ましくは30〜100g/m2である。不織布の
目付が20g/m2未満であると、得られる印刷用シートの不
透明性が低下し、又印刷用シートが薄くなりすぎて腰が
低下する傾向が生じる。不織布の目付が150g/m2を越え
ると、印刷用シートが厚くなりすぎて、包装材とした場
合の包装性が低下するので不適である。
【0018】本発明では、前記した如き不織布の片面又
は両面に下塗り塗工層が設けられるが、下塗り塗工層
は、接着剤を含有した下塗り塗料であり、接着剤として
は、従来公知のものが使用でき、具体的には、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、エチレン
−酢酸ビニル共重合物、スチレン−ブタジエン共重合
物、ニトリル−ブタジエン共重合物、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン等を挙げることができる。
【0019】又、前記したものの共重合物の他には接着
剤として澱粉、澱粉誘導体、ポリビニールアルコール、
カゼイン、カルボキシメチルセルロース等も使用され
る。これらの接着剤は、下塗り塗料中でエマルジョンの
形態で存在していてもよいし、下塗り塗料中の溶媒に溶
解した状態で存在してもよい。
【0020】下塗り塗料は、接着剤のみを主成分とする
ものでも良いし、前記した接着剤と共に、シートの不透
明度を向上させる白色顔料が併用されてもよい。その際
に用いられる白色顔料としては、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、二酸化珪素、アモルファスシリカ、硫酸バリウ
ム、カオリナイト、タルク等の無機顔料、或いはスチレ
ン、アクリル酸エステル等の有機顔料を挙げることがで
きる。
【0021】白色顔料を下塗り塗料中に添加して併用す
る場合には、接着剤と顔料の使用比率は固形分重量比で
接着剤:顔料=5:95〜85:15、好ましくは30:70〜80:20
の範囲である。接着剤の使用比率が5未満では相対的に
接着剤の量が少なくなって、下塗り塗工層と不織布との
密着力が低下し、下塗り塗工層が脱落し易くなるので適
さない。接着剤の使用比率が85を越えると不透明度の向
上効果が無くなる。更に、必要に応じて、下塗り塗料中
には、潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有色顔料、
帯電防止剤、増粘剤等の助剤が含有されていても良い。
【0022】下塗り塗料は、不織布表面への塗工に先だ
って、発泡処理することが本発明では必須である。この
理由は、未発泡の下塗り塗料を不織布表面に塗工する
と、下塗り塗料が不織布の裏面まで浸透し易くなり、下
塗り塗工の工程において塗工機の塗工ヘッド部分に汚れ
が発生し易くなるからである。又、本来は不織布表面の
みに必要な下塗り塗工層が、不織布全体に存在すること
になり、下塗り塗料の無駄使いとなる。
【0023】下塗り塗料を発泡させるには、従来公知の
発泡機を使用すれば良い。例えば、これらには米国のガ
ストン・カウンティー社製の連続発泡機、ネーデルラン
ド国オランダのストーク(Stork)社製の連続発泡機、シ
ェーキングミキサー、ケーキミキサー等がある。下塗り
塗料の発泡倍率は、2〜20倍の範囲内で用いられる。発
泡倍率が2倍未満であると、発泡が不十分なため、下塗
り塗工時に下塗り塗料が不織布の裏面まで浸透する。発
泡倍率が20倍を越えると、泡の平均粒径が著しく大きく
なり、従って、下塗り塗料を塗工しても不完全な下塗り
層しか得られない。
【0024】又、発泡後の下塗り塗料の粘度は、B型粘
度計で測定して4,000〜300,000cpsの範囲内である。塗
料の粘度が4,000cps未満では、例え発泡倍率が適性であ
っても下塗り塗料が不織布の裏面まで浸透する。粘度が
300,000cpsを越えると、塗料の粘性が高過ぎて塗工がで
きなくなる。
【0025】更に、発泡状態の安定性を向上させるた
め、発泡処理に先だち、整泡剤を添加しておくのが好ま
しい。整泡剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸変性
物、高級脂肪酸のアルカリ塩等が挙げられ、適宜選択し
て用いられる。整泡剤の添加量は、下塗り塗料中の固形
分当り1〜30重量%、特に3〜10重量%が最も好ましい。
整泡剤の量が、1重量%未満では下塗り塗料の安定性に
対する効果が無く、30重量%を越えても下塗り塗料の安
定性が低下するので不適である。
【0026】下塗り塗料を不織布に塗工する手段として
は、従来公知の任意の手段を採用することができる。具
体的には、メイヤーバー、エアーナイフ、ブレード、ス
リットダイ、リップコーター、コンマコーター、ロール
コーター等の塗工手段を挙げることができ、更にグラビ
アコーター、ロータリースクリーン等の印刷手段で塗工
することもできる。
【0027】一度に塗工する量が多い場合には、必要に
応じて複数回に分けて塗工しても良い。下塗り塗料の塗
工量は、固形分で1〜50g/m2、好ましくは2〜30g/m2であ
る。塗工量が1g/m2未満では、下塗り層が不完全とな
り、上塗り塗料を下塗り塗工層の上に塗工する際、上塗
り塗料が不織布内部に浸透し易くなる。又、塗工量が50
g/m2を超えると、印刷用シートの柔軟性が低下し、包装
材料として使用するのが不適当になる。
【0028】下塗り塗料を不織布に塗布した後、乾燥し
て下塗り塗工層を形成し、必要に応じて金属ロールと弾
性ロールからなるスーパーカレンダー或いは金属ロール
のみからなるマシンカレンダー等のカレンダーのような
艶掛け装置を用いて下塗り塗工層の平滑化が施されても
良い。
【0029】下塗り塗工層が設けられた後、該下塗り塗
工層面の上に上塗り塗工層が設けられるが、この上塗り
塗工層は、上塗り塗料を下塗り塗工層面の上に塗工する
ことによって設けられる。この時の塗工方式は、下塗り
塗料の塗工方式と同様の方式を採用すれば良い。
【0030】上塗り塗料は、白色顔料と接着剤を主成分
として含有し、未発泡のものが用いられる。この白色顔
料や接着剤としては、下塗り塗料で使用したものと同様
のものを用いることができる。接着剤と顔料の使用比率
は固形分重量比で接着剤:顔料=5:95〜50:50、好まし
くは10:90〜35:65の範囲である。接着剤の使用比率が5
未満では相対的に接着剤の量が少なくなって、上塗り塗
工層と下塗り塗工層との密着力が低下し、上塗り塗工層
が脱落し易くなるので適さない。接着剤の使用比率が50
を越えると不透明度の向上効果がなくなる。更に、上塗
り塗料には、下塗り塗料で使用したのと同様の各種助剤
が添加して用いられる。
【0031】上塗りの塗工量は3〜50g/m2、好ましくは5
〜30g/m2である。塗工量が3g/m2未満では、下塗り塗工
層を完全に被覆し難く、印刷適性が向上しない。逆に、
上塗りの塗工層が50g/m2を越えると、シートの柔軟性が
低下し、包装材料としての使用に不適当となる。
【0032】前記のようにして上塗り塗工層を設けた
後、カレンダー処理が施される。カレンダー処理は、ス
ーパーカレンダーやマシンカレンダー等の一対の平滑な
弾性ロールと金属ロール或いは金属ロール間に、下塗り
塗工層及び上塗り塗工層を設けた不織布を導入して行わ
れる。即ち、一対の平滑なロール間における線圧が塗工
面に加えられ、上塗り塗工層の表面が緻密化され、平滑
化されるのである。本発明においては、このカレンダー
処理の際、上塗り塗工層の下部に下塗り塗工層が存在す
るため、上塗り塗工層が不織布の構成繊維の間隙に埋入
し難く、上塗り塗工層が良好に平滑化されると共に、不
織布の構成繊維が表面に浮き出すことが少ないのであ
る。
【0033】これが例えば、下塗り塗工層が存在しない
と、上塗り塗工層が不織布の構成繊維の間隙に埋入し、
上塗り塗工層が平滑化され難く、且つ構成繊維が表面に
浮き出し易くなるので不適である。
【0034】本発明においては、前記のカレンダー処理
によって得られる印刷用シートのJIS P 8119に規定され
た方法で測定されるベック平滑度が20秒以上となるよう
に調整される。印刷用シートの平滑度が20秒未満では、
上塗り塗工層が十分に平滑化されておらず、印刷適性が
向上していないので、不適である。しかしながら、平滑
化を進め過ぎると、印刷用シートの腰が無くなり、好ま
しくないので平滑化には限度があり、その上限はベック
平滑度で400秒である。
【0035】本発明により得られる印刷用シートは強度
があり、印刷適性及び印刷作業性が優れ、包装材、袋物
等の如く強度を必要とし印刷を施す製品に好適に用いら
れる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、特に断らない限り、実施例及び
比較例中の%は重量%を示す。又、塗工量はすべて絶乾
重量で表示する。
【0037】実施例1 ポリエステル樹脂を用いて繊度3デニールで図1に示す
ように1箇所の中空区域を有する繊維断面の連続フィラ
メントを紡糸し、エアーサッカーで延伸、開繊し、目付
60g/m2で積層した後、凸部の単位表面積が0.13mm2で全
接着面積が8%のエンボスロール間を通過させてスパン
ボンド不織布を製造した。
【0038】次いで、全固形分当りSBRラテックス
(日本合成ゴム製、商品番号0619)97%、整泡剤(大日
本インキ製、商品番号F-1)を3%添加し、ハンドミキ
サーを用いて6倍に発泡させて固形分濃度50%の下塗り
塗工液を製造した。この塗工液のB型粘度計で測定した
粘度は20、000cpsであった。この塗工液を前記スパンボ
ンド不織布の片面にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工
量が15g/m2になるように塗工し、下塗り層を設け乾燥し
た。
【0039】次に、全固形分当りカオリンクレー(J.M.
Huber製、Hydragross)79%、軽質炭酸カルシウム(日
東粉化製、NS800)7%、接着剤としてSBRラテック
ス(日本合成ゴム社製、商品番号0619)9%と酸化澱粉
(王子コーンス ターチ製、商品名王子エースA)5%を
用いて固形分濃度60%の上塗り塗工液を 製造した。塗
工液中の接着剤と顔料の使用比率は重量比で接着剤:顔
料=14:86 であった。この塗工液を前記下塗り層の上に
メイヤーバーを用いて塗工量が20g/m2になるように調整
して塗工、乾燥した後、更にロール温度50℃、線圧40Kg
/cm の条件にて実験室用スーパーカレンダーに通して平
滑化処理を施して印刷用シートを得た。
【0040】実施例2 ポリエステル樹脂を用いて繊度3デニールで図2に示す
ように4箇所の中空区域を有する繊維断面の連続フィラ
メントを紡糸し、エアーサッカーで延伸、開繊し目付60
g/m2で積層した後、実施例1で用いたのと同じエンボス
ロール間を通過させてスパンボンド不織布を製造した。
【0041】次いで、全固形分当りアクリルエマルジョ
ン(日本合成ゴム製、商品番号AE513A)67%に沈降
性炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアント15)を27
%加えた塗料に、更に整泡剤(大日本インキ製、商品番
号F-1)を6%添加して後ハンドミキサーを用いて塗料
を7倍に発泡させて固形分濃 度50%の下塗り塗工液を製
造した。塗工液中の接着剤と顔料の使用比率は重量比で
接着剤:顔料=71:29で、B型粘度計で測定した塗工液
の粘度は28、000cpsであった。この塗工液を前記スパン
ボンド不織布の片面にメイヤーバーを用いて塗工量が8g
/m2になるように調整して塗工し、下塗り層を設け乾燥
した。その後、実 施例1と同様な操作を繰り返し上塗
り層を設けて印刷用シートを得た。
【0042】実施例3 繊度が2デニールの中空区域を1箇所有するポリエステル
樹脂の長繊維フィラメントで積層したこと以外は、実施
例1と同様な操作を繰り返して印刷用シートを得た。
【0043】比較例1 繊維形状は同じで断面内が充塞されていること以外は、
実施例1と同様な操作を繰り返して印刷用シートを得
た。
【0044】比較例2 繊維形状は同じで断面内が充塞されているポリエステル
樹脂の長繊維フィラメントを積層したこと及び印刷用シ
ートのスーパーカレンダー処理を行わなかったこと以外
は、実施例1と同様な操作を繰り返して印刷用シートを
得た。
【0044】比較例3 印刷用シートのスーパーカレンダー処理を行わなかった
こと以外は、実施例2と同様な操作を繰り返して印刷用
シートを得た。
【0045】実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた
印刷用シートを下記に示す試験方法で試験し、その品質
を評価した。
【0046】(1)エンボスパターンの隠蔽性 不織布表面のエンボスパターンが下塗り層及び上塗り層
によってどの程度隠蔽されているかを、目視によって調
べ、5段階で評価した。5・・・極めて隠蔽性が良好であ
る。 4・・・隠蔽性は良好である。 3・・・隠蔽性は普通である。 2・・・隠蔽性がやや不良である。 1・・・隠蔽性が不良である。
【0047】(2)印刷面の白抜け及び印刷濃度ムラ RI−II型印刷テスター(明製作所製)を用いてテス
トした。白抜け及び濃度ムラの程度は、目視によって調
べ、5段階で評価した。 5・・・白抜け及び濃度ムラが極めて少ない、 4・・・白抜け及び濃度ムラが少ない、 3・・・白抜け及び濃度ムラが若干ある、 2・・・白抜け及び濃度ムラが多い、 1・・・白抜け及び濃度ムラが極めて多い。
【0048】(3)オフセット印刷適性 リョービ2800CD型印刷機(リョービ製)で墨インク
(Fグロス87、大日本インキ製)を用いてテストした。
オフセット印刷適性は、目視によって調べ、5段階で評
価した。 5・・・オフセット印刷適性が極めて優れている。 4・・・オフセット印刷適性が優れている。 3・・・オフセット印刷適性が良好である。 2・・・オフセット印刷適性がやや劣る。 1・・・オフセット印刷適性が不良である。
【0049】(4)印刷作業性 リョービ2800CD型印刷機(リョービ製)を用いてテス
トした。印刷作業性は、給紙、排紙性等を官能にて総合
的に判断し、5段階で評価した。 5・・・印刷作業性が極めて優れている。 4・・・印刷作業性が優れている。 3・・・印刷作業性が良好である。 2・・・印刷作業性がやや劣る。 1・・・印刷作業性が不良である。
【0050】(5)ベック平滑度 JIS P 8119に規定された方法に準拠して測定した。
【0051】(6)不透明度 JIS P 8138に規定された方法に準拠して測定した。
【0052】実施例1乃至比較例3で得られた結果を表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1から分かるように、本発明による印刷
用シートは、エンボスパターンの隠ぺい性、表面の平滑
性、印刷適性(印刷面白抜け及び印刷濃度ムラ)、オフ
セット印刷適性及び印刷作業性共に良好である(実施例
1〜3)のに対し、中空区域をもたない中実連続フィラ
メントから構成される不織布を用いた場合、連続フィラ
メントの横断面が円形から偏平に押し潰されており、印
刷用シートに腰がなく印刷作業性に劣り(比較例1)、
上塗り塗工後にカレンダー処理を行なわず、表面平滑性
が劣る場合、エンボスパターンの隠ぺい性、表面の平滑
性、印刷適性及びオフセット印刷性が劣る(比較例2及
び3)。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
横断面内に少なくとも1箇所の中空区域を有する連続フ
ィラメントからなる不織布の上に、発泡性の下塗り塗工
層及び未発泡性の上塗り塗工層を設け、更にカレンダー
処理することにより得られる印刷用シートの製造方法で
あるが、このシートはフィラメントに大きな線圧が加わ
っても、中空区域が押し潰され、全体として偏平になる
ものの、線圧を解除すると、中空区域内の弾性力で元の
状態に回復するので連続フィラメントの剛性の低下を防
止でき、印刷用シートに腰が無くなるのを防止すること
ができ、印刷に際して印刷機に対する給紙及び排紙を良
好に行うことができ、印刷作業性の低下を防止し、更に
不織布中の連続フィラメントが偏平になり難いので、光
が透過せずに乱反射し易いために、印刷用シートの不透
明性の低下をも防止して包装材、袋物、ポスター等の素
材として好適に使用しうる印刷用シートの製造方法を提
供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のための1箇所の中空区域を有する長
繊維の断面の一例を示した模式図である。
【図2】 本発明のための4箇所の中空区域を有する長
繊維の断面の一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1・・・長繊維 2・・・中空区域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/00 D06P 5/00 116 B 9356−4H // D21H 19/36

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続フィラメントが集積されて構
    成された不織布の片面又は両面に接着剤を含有する発泡
    性の下塗り塗工層を設け、次いで該下塗り塗工層の上に
    白色顔料及び接着剤を主成分とする未発泡の上塗り塗料
    を塗工して上塗り塗工層を設け、次いで該塗工層の表面
    にカレンダー処理を施してなる印刷用シートの製造方法
    において、該不織布が中空繊維からなる連続フィラメン
    トで構成され、前記塗工表面をJIS P 8117で規定された
    ベック平滑度が20秒以上になるようにカレンダー処理を
    施すことを特徴とする印刷用シートの製造方法。
JP5055998A 1993-03-16 1993-03-16 印刷用シートの製造方法 Pending JPH06262711A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08282087A (ja) * 1995-04-13 1996-10-29 New Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2004346435A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Hokuetsu Paper Mills Ltd 印刷用嵩高塗工紙
JP2019508596A (ja) * 2015-12-30 2019-03-28 マニファチュラ デル セヴェソ エス.ピー.エー. デジタル印刷機用の高性能な布帛を得る方法および対応する布帛

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