JPH06305090A - 印刷用シートの製造方法 - Google Patents

印刷用シートの製造方法

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JPH06305090A
JPH06305090A JP5095817A JP9581793A JPH06305090A JP H06305090 A JPH06305090 A JP H06305090A JP 5095817 A JP5095817 A JP 5095817A JP 9581793 A JP9581793 A JP 9581793A JP H06305090 A JPH06305090 A JP H06305090A
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JP
Japan
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undercoat layer
air permeability
nonwoven fabric
layer
woven fabric
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JP5095817A
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English (en)
Inventor
Izumi Tashiro
和泉 田代
Hideo Ikezawa
秀男 池沢
Tomoji Miyoshi
智次 三好
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適度に腰があり、印刷作業性が向上し、強度
が高く、隠ぺい性、表面強度及び印刷適性の優れた印刷
用シートの製造方法を提供する。 【構成】 この印刷用シートは、多数の連続フィラメン
トが集積されて構成され、目付20〜150g/m2の不織布の
片面に下塗り層が設けられており、更にこの下塗り層の
表面に白色顔料及び接着剤で構成される上塗り層が設け
られている。前記下塗り層は、発泡させた塗料を前記不
織布に塗布することによって形成され、且つ下塗り層を
設けた不織布のJIS L 1079による通気度を、下塗り層を
設ける前の不織布の通気度が80〜200ml/cm2/secの時
は、5〜40ml/cm2/secとし、該下塗り層を設ける前の不
織布の通気度が80ml/cm2/sec未満の時は、該不織布の通
気度の5〜50%に調整されて後上塗り層が設けられる。 【効果】この印刷用シートは、特に包装材、袋物、ポス
ター等の素材として好適に使用しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた印刷適性を有す
る印刷用シートの製造方法に関する。更に詳しく述べる
ならば、本発明は、腰があり、強度に優れ、特に包装
材、袋物、ポスター等の素材として好適に使用し得る印
刷用シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆるスパンボンド不織布が包
装材、袋物等の素材として盛んに使用されている。この
理由は、スパンボンド不織布が連続フィラメントをシー
ト状に集積したものであるため、引裂き強度、破裂強
度、引張り強度及び耐水性に優れているからである。
【0003】一般的に、包装材、袋物等の素材として使
用されている前記スパンボンド不織布は、ポリオレフィ
ン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成
樹脂からなる連続フィラメントをシート状に集積した
後、凹凸ロールによる間欠的な熱圧着によって、連続フ
ィラメント相互間に自己融着を生じさせた多数の点融着
区域及び熱圧着されておらず、連続フィラメント相互間
が自己融着されていないその他の区域が付与されてい
る。この点融着区域によって連続フィラメントは固定さ
れ、且つその他の熱融着されていない区域において連続
フィラメントの束が存在し、スパンボンド不織布に高い
引張強度や引裂き強度等の良好な物性を与えるのであ
る。
【0004】前記点融着区域では連続フィラメントが溶
融・軟化して相互に固着してフィルム化しているため、
印刷適性を与えるための塗工層を設ける際に、塗料が不
織布の裏側へ抜けるということはない。しかしながら、
熱圧着されておらず、連続フィラメント相互間が自己融
着されていないその他の区域では、塗工層を設ける際
に、顔料を配合した塗料が塗工面の裏側へ抜けるという
問題がある。
【0005】この問題を改善する方法としては、例えば
特公昭50−34673号公報には平板状ベルト或いはドラム
に顔料を配合した塗料を塗布し、その上に不織布をのせ
塗料を不織布に塗布し加圧ローラーにて平滑化するとい
う不織布の製造方法、特開昭53−70194号公報にはスパ
ンボンド不織布を加熱ローラーにて処理し繊維を偏平化
した後、顔料および合成ゴムよりなる塗料を不織布表面
に付着させ印刷適性を有する不織布の製造方法、又特開
昭55−84457公報には不織布に樹脂エマルジョン若しく
は樹脂エマルジョンに顔料を配合した塗料を含浸させ、
更に加熱加圧し表面が平滑で印刷適性を有する不織布の
製造方法等が開示されている。
【0006】しかしながら、前記の方法では、塗料を不
織布の表面に塗布した場合、スパンボンド不織布の間欠
的な熱圧着による凹凸を隠ぺいするように塗料を均一に
塗布するのは難しく、又塗料の裏抜けが生じ易いので、
スパンボンド不織布に塗料を塗布するのは不適である。
【0007】又、塗料を含浸させる場合、スパンボンド
不織布の点融着区域ではフィルム化しているため塗料は
含浸されず表面に留まるが、その他の区域では塗料が不
織布の内部に吸収されるため、スパンボンド不織布の間
欠的な表面の凹凸を隠ぺいするためには多量の塗料を必
要とし、その場合塗料が繊維間を埋めつくした状態とな
る。このため、不織布シートの剛性が低下し、ハンドリ
ング性も低下し、更に塗料の裏抜けも発生し、シート重
量も著しく増大するという問題を惹起する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、前述の欠点を解決するめ種々検討を重ねた
結果、不織布に発泡した塗料を下塗り層として塗工し、
次いで白色顔料と接着剤からなる塗料を上塗り層として
塗工する際に、不織布の上に下塗り層を設けた後の通気
度を特定することにより塗工量が少なくて裏抜けがな
く、適度の腰のある印刷用シートが得られることを見出
し本発明を完成させるに至った。
【0009】本発明は適度に腰があり、作業性が向上
し、強度が高く、隠ぺい性、表面強度及び印刷適性の優
れた印刷用シートの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の連続フ
ィラメントが集積されて構成され、目付20〜150g/m2
不織布の片面に下塗り層を設け、更に該下塗り層の表面
に白色顔料及び接着剤で構成される上塗り層を設けてな
る印刷用シートの製造方法において、前記下塗り層は、
発泡した塗料を不織布の片面に塗工して形成され、且つ
下塗り層を設けた不織布のJIS L 1079により測定した通
気度を、下塗り層を設ける前の不織布の通気度が80〜20
0ml/cm2/secの時は、5〜40ml/cm2/secとし、該不織布の
通気度が80ml/cm2/sec未満の時は、該不織布の通気度の
5〜50%とすることを特徴とする印刷用シートの製造方
法である。
【0011】本発明に係る印刷用シートは、多数の連続
フィラメントが集積されて構成された不織布の上に塗工
層を設けて製造される。本発明に用いられる不織布にお
ける連続フィラメント相互間の固定は、連続フィラメン
トをシート状に集積したウェブに、結合剤を含浸させ
る、或いは該ウェブに熱を付与して、連続フィラメント
を溶融固化させて自己融着させるといった方法等が採用
できる。
【0012】とりわけ、前記ウェブを加熱された凹凸ロ
ール間、又は加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間
に導入して通過させ、凹凸ロールの凸部が該ウェブに当
接した部分のみに熱を与えて、連続フィラメントによる
自己融着区域が間隔を置いて設けられているスパンボン
ド不織布を使用するのが好ましい。
【0013】このような不織布には、連続フィラメント
が自己融着している区域と自己融着していないその他の
区域とがあるために、適度な腰と適度な柔軟性を持つの
で好ましく用いられる。これに対して、全ての区域で連
続フィラメントが自己融着している不織布は、柔軟性に
欠けるため、包装材料として使用し難いので本発明のた
めには適さない。
【0014】本発明に用いられる不織布のための樹脂と
しては、特に限定するものではないが、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリレー
ト、ナイロン等のポリアミド或いはこれらの樹脂の共重
合物を挙げることができ、又これらの樹脂を用いたシー
トの複数枚の積層体も使用可能である。
【0015】本発明に用いられる不織布の目付は、20〜
150g/m2、好ましくは30〜100g/m2である。目付が20g/m2
未満では、シートの不透明性及びハンドリング性が十分
でなく、150g/m2を超えると包装適性が低下するので不
適である。
【0016】前記のようにしてエンボスロールで連続フ
ィラメントの固定処理が施された不織布は、印刷性を付
与するための上塗り層を設ける前に、その片面に発泡さ
せた塗料を用いて上塗り層のための塗料の浸透を防止す
るため下塗り層が設けられる。前記不織布に未発泡の塗
料を直接塗工すると塗料の不織布への浸透が大きく、そ
の裏面まで塗料が浸透するため塗工機のヘッド部分の汚
れが発生するばかりでなく、塗料が不織布内部に含浸さ
れた状態となり好ましくない。
【0017】下塗り層のための塗料は、接着剤のみ或い
は主成分として接着剤と白色顔料から構成され、発泡さ
せられている。白色顔料を併用する場合は、顔料と接着
剤の使用比率は重量比で顔料:接着剤=95以下:5以上、
好ましくは75〜90:10〜25の範囲である。接着剤の比率
が5未満では塗工層と不織布との接着性が不十分となる
ので不適である。
【0018】下塗り層に用いられる接着剤としては従来
公知のものが使用でき、特に限定されず、例えば、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合物、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン等のエマルジョンの他
に、これらの共重合物のエマルジョンも使用可能であ
る。更に、澱粉、澱粉誘導体、ポリビニルアルコール
(PVA)、カゼイン、カルボキシメチルセルロース
(CMC)等も使用可能であり、これらを適宜選択して
複数種類混合して使用することも可能である。
【0019】本発明に使用される白色顔料としては特に
限定されず、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二
酸化珪素、アモルファスシリカ、硫酸バリウム、カオリ
ナイト、タルク等の無機顔料、その他に、スチレン、ア
クリル酸エステル等からなる有機顔料も使用可能であ
る。又、必要に応じて潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、有色顔料、帯電防止剤、増粘剤等の助剤を添加して
も良い。
【0020】下塗り層のための塗料は、塗工に先立って
発泡処理される。発泡は、例えば米国ガストン・カウン
ティー社、オランダのストーク社等の連続発泡機或いは
シェーキングミキサー、ケーキミキサー等の公知の発泡
装置を用いて行われる。発泡後の塗料の粘度は、B型粘
度計で測定して4,000cps以上であることが好ましい。塗
料の粘度が4,000cps未満では、塗料の不織布への浸透が
大きくなり好ましくない。発泡処理に先立ち、形成した
泡の安定性を向上する目的で下塗り層のための塗料に高
級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアルカリ塩
等の整泡剤が必要に応じて添加される。整泡剤の添加量
は、塗料固形分100重量部当り固形分で0〜30重量部、好
ましくは1〜10重量部であり、この添加量が30重量部を
越えると塗料の安定性が低下するので適さない。
【0021】下塗り層のための塗料を不織布に塗布する
手段としては、公知の手段を採用することができる。具
体的には、メイヤーバーコーター、エアーナイフコータ
ー、ブレードコーター、スリットダイコーター、コンマ
コーター、ロールコーター、リップコーター等を挙げる
ことができ、更に、グラビア、スクリーン等の印刷手段
で塗工層を設けることもできる。
【0022】塗工により下塗り層を設けた後の不織布シ
ートの通気度は、下塗り層に用いる樹脂の種類、塗料の
発泡倍率、下塗り層の塗工量、下塗り層を塗工し、乾燥
した後の前記シートのカレンダー処理の有無等により変
化するため、通気度を所望の範囲にするためには、前記
の全ての要因を考慮する必要があるが、これらの中で、
通気度のコントロールに特に有効なのは、下塗り層の塗
工量及びカレンダー処理を施すことである。
【0023】下塗り層のための塗料の塗工量は、固形分
で3〜50g/m2、好ましくは4〜30g/m2である。塗工量が3g
/m2未満では、下塗り層としての機能が不完全となり、
即ち下塗り層を設けた後の通気度が高くなり、上塗り層
のための塗料を塗工する際に該塗料が不織布まで浸透す
るため不適である。又、塗工量が50g/m2を超えると、得
られる印刷用シートの柔軟性が低下するばかりでなく、
下塗り層を設けた後の通気度が極度に低下し、下塗り層
の上に白色顔料及び接着剤で構成される上塗り塗工層を
設ける際に、塗工欠陥が発生し易くなるとかの塗料の塗
工適性が低下するため適さない。
【0024】下塗り層を設けた後の不織布シートの通気
度を所望の範囲に調整するには、スーパーカレンダー、
マシンカレンダー等の艶掛け装置による処理が有効であ
り、必要に応じて熱カレンダー処理も行うことができ
る。
【0025】上塗り層を塗工する場合、下塗り層を設け
た不織布シートのJIS L 1079に示された方法で測定した
通気度は、下塗り層を設ける前の不織布の通気度が80〜
200ml/cm2/secの時は、5〜40ml/cm2/sec、好ましくは5
〜30ml/cm2/secの範囲にあり、下塗り層を設ける前の不
織布の通気度が80ml/cm2/sec未満の時は、下塗り層を設
ける前の不織布の通気度の5〜50%、好ましくは10〜40
%である。
【0026】下塗り層を設ける前の不織布の通気度が80
〜200ml/cm2/secの範囲の時に、下塗り層を設けた後の
通気度が40ml/cm2/secを超えた場合、或いは下塗り層を
設ける前の不織布の通気度が80ml/cm2/sec未満の時に下
塗り層を設けた後の通気度が下塗り層を設ける前の不織
布の通気度の50%を超えると、下塗り層を設ける際に塗
料が不織布の裏側へ抜けたり、塗料が不織布の内部に吸
収されるので本発明には適さない。
【0027】逆に、下塗り層を設ける前の不織布の通気
度が80〜200ml/cm2/secの範囲の時に、下塗り層を設け
た後の通気度が5ml/cm2/sec より小さい場合、或いは下
塗り層を設ける前の不織布の通気度が80ml/cm2/sec未満
の時に、下塗り層を設けた後の通気度が下塗り層を設け
る前の不織布の通気度の5%未満の場合には、不織布の
目付に対して塗料の量が多くなり、得られる印刷シート
が硬くなるため本発明には適さない。
【0028】以上に説明した如くして、本発明では下塗
り層を設けた不織布シートの上には、白色顔料と接着剤
を主成分とする塗料を用いて上塗り層が設けられる。こ
の場合、顔料と接着剤の使用比率は、重量比で顔料:接
着剤=50〜95:5〜50、好ましくは70〜90:10〜30の範囲
である。接着剤の使用比率が5未満では上塗り層と下塗
り層との接着性が十分でなくなり、50を超えると印刷用
シートの印刷適正が悪くなるので適さない。
【0029】上塗り層の塗工量は3〜50g/m2、好ましく
は5〜30g/m2であり、塗工量が3g/m2未満では印刷シート
の印刷適性の十分な向上が得られず、逆に50g/m2を超え
ると印刷シートの柔軟性が低下し、包装材料として使用
するのに不適当となる。
【0030】上塗り層に用いられる塗料を構成する接着
剤及び白色顔料は、下塗り層に用いられる接着剤、白色
顔料と同じものが使用可能であり、必要に応じて適宜下
塗り層の場合と同様な各種助剤を添加してもよい。
【0031】上塗り層のための塗料の塗工方式も下塗り
層の塗工に用いられるのと同じ塗工方式が応用できる。
【0032】このようにして上塗り層が設けられた後の
不織布シートは、更に印刷用シートとして良好な印刷面
を得るためにスーパーカレンダー、マシンカレンダー等
の艶掛け装置によって塗工表面を平滑化するのが好まし
い。
【0033】以上のようにして得られた本発明の印刷用
シートは、その塗工層表面に各種の印刷が施されるが、
その表面は優れた印刷適性を有する上、腰があり、強度
も優れているので包装材、袋物、ポスター等に好適に用
いられる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、勿論これらに限定されるもので
はない。尚、部及び%は、すべて重量部及び重量%であ
る。
【0035】実施例1 ポリエステル樹脂を280℃で加熱溶融して押出機で押し
出した後、丸型口金にて紡糸し、エアーサッカーを用い
て繊度3デニールの長繊維フィラメントを延伸、 開繊
し、目付50g/m2で積層した後、エンボスロールを用いて
スパンボンド不織布を製造した。このスパンボンド不織
布のJIS L 1079による通気度は、95ml/cm2/secであっ
た。
【0036】一方、SBRラテックス(日本合成ゴム
製、0619)100部当り整泡剤(大日本インキ製、F-1)を
3部加え、ハンドミキサーを用いて6倍に発泡させた塗料
を準備した。この塗料の粘度は、B型粘度計で20,000cp
sであった。この塗料を前記の不織布の片面に、メイヤ
ーバーを用いて乾燥後の塗工量が12g/m2になるように塗
工し下塗り層を設けた。この後、下塗り層を設けた不織
布を線圧15kg/cmの条件にて2本の平滑な金属ロールから
なるマシンカレンダーに常温で通して処理を行い、通気
度を測定したところ18ml/cm2/secであった。
【0037】次いで全固形分当りSBRラテックス(日
本合成 ゴム製、0619)10%、酸化澱粉(王子コーンス
ターチ製、王子エースA)を5%、カオリンクレー(J.M.
Huber製、Hydragross)75%、炭酸カルシウム(日東粉
化製、NS800)8%からなる上塗り層のための塗料を製造
し、この塗料をメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が
20g/m2になるように前記不織布の下塗り層の上に塗工し
て上塗り層を設けた。更に、以上のようにして得られた
塗工済みの不織布シートをロール温度50℃及び線圧40kg
/cmの条件でスーパーカレンダ ーに通し処理して印刷用
シートを得た。
【0038】実施例2 ポリエステル樹脂を280℃で加熱溶融して押出機で押し
出した後、丸型口金にて紡糸し、エアーサッカーを用い
て繊度2デニールの長繊維フィラメントを延伸、開繊し
目付100g/m2で積層した後、エンボスロールを用いてス
パンボンド不織布を製造した。このスパンボンド不織布
のJIS L 1079による通気度は42ml/cm2/secであった。
【0039】次いで、実施例1と同様にして前記不織布
の上に塗工量6g/m2の下塗り層を設けた後、ロール温度5
0℃及び線圧10kg/cmの条件でマシンカレンダー処理を行
い、得られた下塗り層を設けた不織布の通気度を測定し
たところ、15ml/cm2/sec(下塗り層を設ける前の不織布
の通気度の36%)であった。この不織布の下塗り層の上
に実施例1と同じ塗料を同様な操作を繰り返して上塗り
層を設け、印刷用シートを得た。
【0040】実施例3 アクリルエマルジョン(日本合成ゴム製、AE513A)100
部当り二酸化チタン(帝国化工製、JA-1)を30部と整泡
剤(大日本インキ製、F-1)10部を加えた後、ハンドミ
キサーを用いて7倍に発泡させ、B型粘度計による粘度
が28,000cpsの下塗り層のための塗料を製造した。この
塗料を実施例1で用いたのと同じスパンボンド不織布の
上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が5g/m2にな
るように塗工し、常温及び線圧15kg/cmの条件でスーパ
ーカレンダーに通し、処理を行った後に通気度を測定し
たところ、37ml/cm2/secであった。このようにして得ら
れた不織布の下塗り層の上に、実施例1と同じ塗料を同
様な操作を繰り返して上塗り層を設け、印刷用シートを
得た。
【0041】実施例4 ポリプロピレン樹脂を230℃で加熱溶融して押出機で押
し出した後、丸型口金にて紡糸し、エアーサッカーを用
いて繊度2.5デニールの長繊維フィラメントを延伸、開
繊し、目付60g/m2で積層した後、エンボスロールを用い
てスパンボンド不織布を製造した。このスパンボンド不
織布のJIS L 1079による通気度は、75ml/cm2/secであっ
た。次いで、実施例3で用いたのと同じ塗料を前記不織
布の上に塗工量10g/m2塗工して下塗り塗工層を設けた
後、ロール温度50℃及び線圧10Kg/cmの条件でマシンカ
レンダー処理を行い、得られた下塗り層を設けた不織布
の通気度を測定したところ、24ml/cm2/sec(下塗り層を
設ける前の不織布の通気度の32%)であった。このよう
にして得られた不織布の下塗り層の上に、実施例1と同
じ塗料を同様な操作を繰り返して上塗り層を設け、印刷
用シートを得た。
【0042】比較例1 下塗り層の塗工量が2g/m2であり、下塗り層を設けた後
の不織布をマシンカレンダーに通さなかったこと以外は
実施例1と同様な操作を繰り返して印刷用シートを製造
した。下塗り層を設けた後の不織布の通気度は、43ml/c
m2/secであった。又、上塗り層を設ける際に実施例1と
同じ操作で塗工したところ、上塗り層のための塗料は不
織布内部に多く浸透し、上塗り層の塗工量は40g/m2にな
った。
【0043】比較例2 下塗り層の塗工量を30g/m2としたこと以外は、実施例1
と同様にして印刷シートを製造した。下塗り層を設けた
後の不織布をマシンカレンダーで処理し、通気度を測定
したところ、2ml/cm2/secであった。又、上塗り層を設
ける際に実施例1と同じメイヤーバーを用いたところ、
塗工量は4g/m2となり、塗工面に塗料の乗らない塗工欠
陥が発生した。
【0044】比較例3 下塗り層の塗工量が10g/m2であり、下塗り層を設けた後
の不織布をマシンカレンダーに通さなかったこと以外は
実施例4と同様な操作を繰り返して印刷用シートを製造
した。下塗り層を設けた後の不織布の通気度は、44ml/c
m2/sec(下塗り層を設ける前の不織布の通気度の59%)
であった。又、上塗り層を設ける際に実施例1と同じ操
作で塗工したところ、上塗り層の塗工量は45g/m2であっ
た。
【0045】比較例4 ポリプロピレン樹脂を230℃で加熱溶融して押し出し機
で押し出した後、丸型口金にて紡糸し、エアーサッカー
を用いて繊度3デニールの長繊維フィラメントを延伸、
開繊し、目付20g/m2で積層した後、エンボスロールを用
いてスパンボンド不織布を製造した。このスパンボンド
不織布のJIS L 1079による通気度は195ml/cm2/secであ
った。次いで、実施例3と同様にして前記不織布の上に
塗工量5g/m2の下塗り層を設けた後、常温及び線圧5Kg/c
mの条件でスーパーカレンダー処理を行い、得られた下
塗り層を設けた不織布の通気度を測定したところ、43ml
/cm2/secであった。又、上塗り層を設ける際に、実施例
1と同じ操作で塗工したところ、上塗り層の塗工量は25
g/m2になった。
【0046】実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた
印刷用シートを次に示す試験方法で試験し、印刷シート
の品質を評価した。
【0047】(1)下塗り層の裏抜け 下塗り層を不織布の上に設けるための塗工後に塗料が塗
工面の裏側(非塗工面)へ抜けているかどうかを、目視
によって調べ、次の5段階で評価した。 5・・・塗料は全く裏側へ抜けていない、 4・・・塗料は殆ど裏側へ抜けていない、 3・・・塗料が多少裏側へ抜けている、 2・・・塗料がかなり裏側へ抜けている、 1・・・塗料が完全に裏側へ抜けている。
【0048】(2)点融着区域の隠ぺい性 不織布の表面に存在する点融着区域が、下塗りと上塗り
の塗工層によってどの程度隠ぺいされているかを、目視
によって調べ、次の5段階で評価した。 5・・・極めて隠ぺい性が良好である、 4・・・隠ぺい性は良好である、 3・・・隠ぺい性は普通である、 2・・・隠ぺい性がやや不良である、 1・・・隠ぺい性が不良である。
【0049】(3)印刷用シートの表面強度 印刷用シートの塗工表面にセロファンテープを貼り、軽
く手で擦りつけた後にゆっくり剥した時、セロファンテ
ープの接着面に印刷用シートの表面から剥がれた塗料が
どの程度付着しているかを、目視によって調べ、次の5
段階で評価した。 5・・・塗料は全く付着していない、 4・・・塗料はほとんど付着していない、 3・・・塗料は多少付着している、 2・・・塗料がかなり付着している、 1・・・塗料がひどく付着している。
【0050】(4)オフセット印刷適性 リョービ2800CD型印刷機(リョービ製)を用いて、得
られた印刷用シートのオフセット印刷適性を評価した。
印刷適性は、インキ受理性(シート表面へのインキ転移
の容易さ)、印刷面の均一性、インキセット(印刷面の
インキの乾燥速度)等を考慮し、次の5段階で評価し
た。 5・・・オフセット印刷適性が極めて優れている、 4・・・オフセット印刷適性が優れている、 3・・・オフセット印刷適性が普通である、 2・・・オフセット印刷適性が劣っている、 1・・・オフセット印刷適性が極めて劣っている。
【0051】(5)印刷作業性 リョービ2800CD型印刷機(リョービ製)を用いて試験
した。印刷作業性は、給紙、排紙性、詰まり等を総合的
に判断して、次の5段階で評価した。 5・・・印刷作業性が極めて優れている、 4・・・印刷作業性が優れている、 3・・・印刷作業性が良好である、 2・・・印刷作業性がやや不良である、 1・・・印刷作業性が不良である。
【0052】得られた結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明かな如く、本発明により製造さ
れる印刷用シートは、下塗り層を不織布の表面に設ける
際に、塗料が裏抜けせず、不織布の表面が良好に隠ぺい
されており、表面強度及びオフセット印刷適性に優れ、
印刷作業性も良好である(実施例1〜4)が、下塗り層
を設けた後の不織布シートの通気度が高いと表面強度、
オフセット印刷適性は普通であるが、印刷作業性がやや
劣り、下塗り層の塗料が裏抜けし、不織布表面の隠ぺい
性が悪くなり(比較例1及び3)、又、上塗り層の塗工
量が多くなるので隠ぺい性は良くなるが、印刷作業性が
著しく悪くなる(比較例4)。逆に下塗り層を設けた後
の前記不織布シートの通気度が低いと、上塗り層がうま
く塗工できず、オフセット印刷適性及び印刷作業性が悪
くなる(比較例2)。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は腰があ
り、表面強度、隠ぺい性、印刷適性、作業性等に優れた
印刷用シートのための製造方法を提供できるという効果
を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続フィラメントが集積されて構
    成され、目付20〜150g/m2の不織布の片面に下塗り層を
    設け、更に該下塗り層の表面に白色顔料及び接着剤で構
    成される上塗り層を設けてなる印刷用シートの製造方法
    において、前記下塗り層は、発泡した塗料を不織布の片
    面に塗工して形成され、且つ下塗り層を設けた不織布の
    JIS L 1079により測定した通気度を、下塗り層を設ける
    前の不織布の通気度が80〜200ml/cm2/secの時は、5〜40
    ml/cm2/secとし、該不織布の通気度が80ml/cm2/sec未満
    の時は、該不織布の通気度の5〜50%とすることを特徴
    とす る印刷用シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2376246A (en) * 2001-04-10 2002-12-11 Chenel Guy G Air permeable non-woven printed screen
JP2016508190A (ja) * 2012-12-28 2016-03-17 オムヤ インターナショナル アーゲー 不織布および繊維のためのポリエステル中のCaCO3

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GB2376246B (en) * 2001-04-10 2003-06-11 Chenel Guy G Air permeable non-woven printed screen
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