JPH0533126B2 - - Google Patents

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JPH0533126B2
JPH0533126B2 JP10105185A JP10105185A JPH0533126B2 JP H0533126 B2 JPH0533126 B2 JP H0533126B2 JP 10105185 A JP10105185 A JP 10105185A JP 10105185 A JP10105185 A JP 10105185A JP H0533126 B2 JPH0533126 B2 JP H0533126B2
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Japan
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mortar layer
sheet
cement hardening
mortar
liquid
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Satoshi Tanaka
Masafumi Kano
Mitsuru Kono
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Dai Nippon Toryo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、モルタル層表面に凹凸状の浮彫模様
を形成する方法に関するものである。
〔産業上の利用分野〕
浮彫模様を有する材料は、建築関係の外装及び
内装用をはじめとして、その他さまざまな分野に
おいて幅広く利用されている。
〔従来の技術〕
従来、モルタル層表面へ浮彫模様を形成する方
法の代表的なものとしては、(1)こて、へらによる
方法、(2)ローラーによる方法、(3)吹付による方
法、(4)エンボツシングによる方法、(5)ブラストに
よる方法等が知られている。
しかして、(1)の方法は、しつくい壁の仕上げ工
法として発展してきたものであり、細かな浮彫模
様を形成することは非常に難しく、熟練を要する
ものであつた。
また、(2)の方法はパターンローラーを押印して
いくことにより凹凸を形成させるものであるた
め、単純な繰返し模様の形成には適した方法であ
るが、複雑、微細な模様の形成には適さないもの
であつた。
さらに、(3)の方法は、吹付ガンによりランダム
の凹凸模様を形成するには適した方法であるが、
任意の例えば図柄、文字等の特定な模様を形成す
ることが出来ないという欠点を有するものであつ
た。
また、(4)の方法は、一応工場における大量生産
に適した方法であるが、個々の製品にそれぞれ異
なつた模様を付すには不適当な方法であつた。
(5)の方法はモルタル層上を部分的にマスクし、
マスクされてない個所をプラスト処理することに
より削り、凹凸状の浮彫模様を形成するものであ
る。しかし、この方法は、ブラスト処理の際に、
粉塵及び騒音等が発生するために作業環境の悪化
をまねき、さらには作業場の周囲への悪影響も大
きく、また、作業時間も長く、危険をも伴う等の
欠点を有するものであつた。
さらに、コンクリートパネルにモルタルを塗布
する際、モルタルとコンクリートの密着性を向上
させる目的で、コンクリート表面を凹凸状にする
手段として、次のような方法が知られている。す
なわち、型枠にあらかじめ部分的にセメント硬化
遅延剤を塗布し、次いでコンクリートを型枠内に
流し込み、養生し、次いで洗い出しを行なう凹凸
状のコンクリートパネルを製造する方法である。
しかし、この方法には型枠を必要とし、しかも
任意の基材に適用できるものではなかつた。さら
に、得られた凹凸は、シヤープな(輪郭のはつき
りした)、かつ彫りの深い凹凸模様ではなかつた。
それ故、この方法は、美観を目的とした浮彫模様
の形成手段としては不適当なものであつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、以上の如き浮彫模様の分野にお
ける現状に鑑み、任意の基材上に、鮮明でランダ
ム模様でない任意の凹凸状の浮彫模様を、熟練を
要することなく簡単に形成する方法につき鋭意検
討の結果、本発明に到つたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明の第一の態様は、 (i) 基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii) 液体透過性部分と液体不透過性部分とで模様
を形成したシートであつて、その表面に接着剤
を塗布したものを、接着剤塗布側をモルタル層
側にしてモルタル層にのせ、該シート表面にセ
メント硬化遅延剤を塗布し、セメント硬化遅延
剤をモルタル層に含浸させる工程、 (iii) モルタル層を養生する工程、 (iv) モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が
含浸した個所のモルタル層を洗浄除去する工
程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の
形成法に関するものである。
本発明の第一の態様の方法においては、前記未
硬化のモルタル層上に密着したシートの模様に応
じ、セメント硬化遅延剤溶液をモルタル層に含浸
する。したがつて、硬化遅延剤を含浸した個所
は、硬化が遅延し、養生後であつても洗浄により
容易に除去できる。それ故本発明の第一の態様の
方法は、シートの模様に応じてシヤープな形状
で、深い凹凸を有する浮彫模様を、モルタル層表
面に形成できるという特長を有するものである。
また、本発明の第一の態様においては、モルタ
ル層の厚さ及びセメント硬化遅延剤の含浸及びモ
ルタル層の除去の程度を適当にコントロールする
ことにより、浅い凹凸を有するものは勿論のこ
と、深い凹凸を有するものまで、所望の深さの凹
凸を有する浮彫模様が自由に形成できるという特
長を有する。さらに本発明の第一の態様の方法
は、浮彫模様がモルタル層からなるものであるた
め、非常に安価にしかも深い凹凸を有する浮彫模
様を形成することができるという特長を有する。
尚、本発明の第二及び第三の態様も、前記本発
明の第一の態様と同様の種々の特長を有するもの
である。
以下、本発明の第一の態様の凹凸を有する浮彫
模様の形成方法につき、さらに具体的に説明す
る。
まず本発明において使用する基材としては、公
知のモルタルを密着できるあらゆる基材が適用で
きる。例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス等
の金属、ガラス、タイル、陶磁器、コンクリー
ト、レンガ、石材、木材、プラスチツクあるいは
これらの積層体等を挙げることができる。その表
面は必ずしも平面である必要はなく、例えば曲面
であつてもよい。これら基材には、必要に応じて
粗面にしたり、着色したり、プライマーを施した
り等の下地処理を施すこともできる。
本発明においては、第一工程として、前記のよ
うな基材上にモルタルを、コテ、ヘラ、スプレー
等の通常用いられる手段により塗布し、モルタル
層を形成する。該モルタル層の厚さは、特に制限
はない。しかし凹凸の彫りの深さに応じ、実用上
約1〜20mmにすることが好ましい。
本発明で使用するモルタルは、従来から一般に
使用されているものがそのまま適用出来る。すな
わちセメント、砂等の骨材及び水からなるもので
あり、必要に応じさらに着色顔料、体質顔料、繊
維性物質あるいは硬化促進剤、硬化遅延剤、増粘
剤、減水剤、消泡剤などの各種添加剤等を配合し
たものである。またアクリル樹脂系エマルジヨ
ン、酢酸ビニル樹脂系エマルジヨン、エポキシ樹
脂系エマルジヨン、スチレンブタジエン樹脂系エ
マルジヨン等を配合した、いわゆる樹脂モルタル
も本発明において使用できる。
本発明においてはモルタル層は、同一色のモル
タルを使用する以外に、色の異なるモルタルを複
数回塗り重ねることもできる。このように色の異
なる複数のモルタル層を形成することにより、後
述する洗浄除去工程において、モルタル層を洗浄
する際の各場所の除去程度、すなわち凹部の深さ
を加減することにより、深さに応じて多色の変化
のある凹凸浮彫模様を形成することが可能とな
る。
本発明においては、このようにして形成したモ
ルタル層が未硬化の間に、好ましくはモルタル層
表面を指で軽く押したときに水がニジミ出す程度
もしくは変形しない程度の状態の間に、液体透過
性部分と液体不透過部分とで模様を形成したシー
ト(以下模様シートという)であつて、その表面
に接着剤を塗布したものを、接着剤塗布側をモル
タル層側してモルタル層にのせ密着させる。な
お、場合によりモルタル層表面に水等を散布した
後に模様シートをのせることもできる。
本発明において使用する「模様シート(液体透
過性部分と液体不透過性部分とで模様を形成した
シート)」としては、例えば液体透過性シートに
塗料あるいは樹脂溶液等の液体不透過性皮膜を形
成する材料を、シルクスクリーン等の手段により
模様状に塗布もしくは含浸させることによつて得
られるもの、あるいは塗料業界で通常使用されて
いるシルクスクリーン等を挙げることができる。
尚、上記「液体透過性シート」は、その材質につ
いて特に制限はなく、例えば和紙、洋紙、織布、
不織布、多孔質プラスチツクフイルム、多孔質セ
ラミツクスシート、プラスチツク網、金網等を挙
げることができる。特に湿つたモルタル層によく
密着する和紙、織布であることが好ましい。
本発明において使用する「液体透過性部分と液
体不透過性部分とで模様を形成したシートであつ
て、その表面に接着剤を塗布したもの」とは、前
記模様シートに、例えば刷毛又は吹き付け等の手
段により、例えば水溶液とした接着剤を均一に塗
布したものである。
本発明において使用する「接着剤」は水可溶性
のものであることが好ましく、例えばポリビニル
アルコール、セルロース系誘導体、ポリアルキル
エーテル、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸
塩、カゼイン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム
等の水溶性高分子物質を挙げることができる。ま
た、上記接着剤を含有する接着剤水溶液は、後述
するセメント硬化遅延剤のモルタル層への浸透が
容易であることから固形分含有率の低いものであ
ることが好ましい。さらに該接着剤水溶液は、モ
ルタル層に吸収されにくく、チクソトロピツクな
粘性を有するものであることが、モルタル層と模
様シートとの密着性を与えるために特に好まし
い。なお言うまでもないが、該接着剤はモルタル
層の硬化に影響を及ぼさないもの、もしくは影響
の少ないものを使用すべきである。
本発明においては接着剤を模様シートに塗布し
ておくことによつて、モルタル層と模様シートと
の密着性を良好に保持することができ、その結果
模様シートの模様により対応した浮彫模様を形成
することが可能となる。特に、モルタル層の形成
後一定時間経過後に模様シートをモルタル層にの
せるような場合には特に有効である。形成直後の
モルタル層表面には遊離水分が存在するためにモ
ルタル層には流動性、粘着性があり、そのために
模様シートのモルタル層への貼り付け、密着は容
易であるが、形成後一定時間(例えば数分〜数十
分以上)経過するとモルタル層表面の水は消失
し、モルタル層は流動性を失い、その結果モルタ
ル層と模様シートとの密着が不十分となることが
あるからである。
このようにして接着剤を塗布してある模様シー
トをモルタル層上にのせた後、該シートの上から
モルタル層表面にセメント硬化遅延剤を塗布し、
セメント硬化遅延剤を、模様シートの液体透過性
部分を介してその下のモルタル層に含浸させる。
すなわち模様シートに接着剤が塗布してあるため
に、モルタル層と模様シート(液体不透過性部
分)との間に空き間はなく、液体不透過性部分で
覆われたモルタル層にセメント硬化遅延剤が含浸
することはない。
またその際に、セメント硬化遅延剤の塗布量を
調節することにより、凹凸の深さを自由に変える
ことができる。すなわち、例えばセメント硬化遅
延剤の塗布量を多くすることにより、セメント硬
化遅延剤をより深く含浸することができるため、
凹凸の深さを大きくすることができる。
本発明において水溶液としてセメント硬化遅延
剤を使用する場合の該溶液の粘度は、モルタル層
への浸透性等を考慮すると10〜103ポイズ(20℃
において)であることが好ましい。該粘度範囲の
セメント硬化遅延剤溶液を使用することによつ
て、よりシヤープなU字状の凹部を形成すること
ができる。
本発明において「セメント硬化遅延剤」として
は、従来から一般に使用されているものがそのま
ま使用可能である。具体的には、例えばリン酸二
水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン
酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、糖類、酢酸
カルシウム、オキシカルボン酸塩、リグニンスル
フオン酸塩、アルコールあるいは市販品としてリ
タール(日曹マタービルダース社製商品名)、ヴ
インソル80R(山宗化学社製商品名)、エアコール
(マノール社製商品名)、KW−100(花王石鹸社製
商品名)等が代表的なものとしてあげられる。な
お、固体のものについては、水溶液として使用す
ることもできる。また、水溶液としたものの粘度
が前記範囲より低い場合は、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ベン
トナイト等の増粘剤を添加する等の手段により、
粘度を前記範囲に調節することができる。
また、着色剤を配合したセメント硬化遅延剤
を、モルタル層に含浸させることにより、セメン
ト硬化遅延剤を含浸せしめた洗浄除去すべき個所
が着色によつて判別できるために、後述する洗浄
除去工程において便利なことがある。
本発明においては、セメント硬化遅延剤を塗布
後、モルタル層を一定時間養生させる。養生方法
としては、通常モルタルの養生方法として知られ
ている自然養生法、水蒸気養生法、加圧養生法等
が採用出来る。
養生のための時間は、後述する洗浄除去工程に
おいて、セメント硬化遅延剤を塗布、含浸してい
ない個所のモルタル層は除去されない程度に硬化
し、かつセメント硬化遅延剤を塗布、含浸した個
所のモルタル層は未硬化であるかもしくは比較的
容易に除去できる程度に半硬化するに要する時間
とする。具体的には、例えば自然養生法の場合、
常温(20℃)で8〜50時間とすることが好まし
い。
尚、本発明においては、前記モルタル層上の模
様シートは、セメント硬化遅延剤の塗布完了後、
工程(iv)のモルタル層の洗浄除去の開始前の間に除
去する。すなわち、該模様シートの除去は、塗布
完了後から洗浄除去の開始前の間であればモルタ
ル層の養生の進行具合に関係なく適宜実施するこ
とができる。
ただし、模様シートをのせたまま養生させると
モルタル層内の水分の蒸発を抑制する結果、モル
タルのドライアウト現象を防止し、均一な硬化を
促し、また液体透過性部分以外へのセメント硬化
遅延剤の浸透を防止出来るため模様シートの模様
に応じたよりシヤープな凹凸模様が得られるので
特に望ましい。
本発明においてはモルタル層を養生させた後、
水あるいは水と乳化剤等からなる洗浄液を用い、
かつ回転ブラシで擦る方法、あるいは該洗浄液を
高圧噴射する方法等の手段により、セメント硬化
遅延剤が含浸した個所のモルタル層を洗浄除去す
る。
一方、本発明の第二の態様は、 (i) 基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii) 液体透過性部分と液体不透過性部分とで模様
を形成したシートであつて、その表面に接着剤
を塗布したものを、接着剤塗布側をモルタル層
側にしてモルタル層にのせ、次いでセメント硬
化遅延効果をするシートをさらに積層し、セメ
ント効果遅延剤をモルタル層に含浸させる工
程、 (iii) モルタル層を養生する工程、 (iv) モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が
含浸した個所のモルタル層を洗浄除去する工
程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の
形成法に関するものである。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様の
工程(ii)における「模様シート表面にセメント硬化
遅延剤を塗布する」代りに、「セメント硬化遅延
効果を有するシート(以下硬化遅延シートとい
う)をさらに積層する」こと以外は、本発明の第
一の態様と同様に実施することができる。
本発明の第二の態様において使用する「硬化遅
延シート(セメント硬化遅延効果を有するシー
ト)」とは、水分によりシートからセメント硬化
遅延剤が溶け出すものであり、そのようなもので
あれば特に制限なく採用可能である。具体的に例
えば液体透過性シートにセメント硬化遅延剤溶液
を塗布もしくは含浸させたもの、あるいはセメン
ト硬化遅延効果を有するでんぷんやポリマルトト
リオースなどの多糖類等の水溶性樹脂シート、あ
るいはアルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコー
ル、セルロース系誘導体、ポリ(メタ)アクリル
酸またはその塩、ゼラチン、ポリエチレンイミ
ン、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂にセメ
ント硬化遅延剤を混入してシート化したもの等を
挙げることができる。
尚、本発明の第二の態様においてセメント硬化
遅延剤及び液体透過性シートとは、本発明の第一
の態様において記載したものと同様のものであ
る。
本発明の第二の態様においてはモルタル層上に
模様シートに次いで積層した硬化遅延シートか
ら、モルタル層表面の遊離水の作用によつてセメ
ント硬化遅延剤が溶解し(シートの種類によつて
は水溶性樹脂とともに)、積層後数分〜数時間放
置すると模様シートの液体透過性部分のモルタル
層に含浸する。その際、必要によりモルタル層表
面もしくはシート表面に水等を散布して、セメン
ト硬化遅延剤を積極的にモルタル層に含浸させて
もよい。
また、本発明の第三の態様は、 (i) 基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii) 液体透過性部分と液体不透過性部分とで模様
を形成したシートであつて、その液体透過性部
分にセメント硬化遅延剤を塗布あるいは含浸さ
せ、かつ該シートの表面に接着剤を塗布したシ
ートを、接着剤塗布側をモルタル層側にしてモ
ルタル層にのせ、セメント硬化遅延剤をモルタ
ル層に含浸させる工程、 (iii) モルタル層を養生する工程、 (iv) モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が
含浸した個所のモルタル層を洗浄除去する工
程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の
形成法に関するものである。
本発明の第三の態様は、本発明の第一の態様の
工程(ii)の代りに、「液体透過性部分と液体不透過
性部分とで模様を形成したシートであつて、その
液体透過性部分にセメント硬化遅延剤を塗布ある
いは含浸させ、かつ該シートの表面に接着剤を塗
布したシートを、接着剤塗布側をモルタル層側に
してモルタル層にのせ、セメント硬化遅延剤をモ
ルタル層に含浸させる工程」を工程(ii)とする以外
は、本発明の第一の態様と同様に実施することが
できる。
すなわち、本発明第三の態様においては、前記
シートをモルタル層表面にのせて密接させた後、
数分〜数時間放置し、シート内のセメント硬化遅
延剤を前記シートの液体透過性部分よりセメント
硬化遅延剤をモルタル層内部に含浸させる。また
場合によりモルタル層表面もしくはシート表面に
水等を散布し、セメント硬化遅延剤を積極的にモ
ルタル層に含浸させてもよい。
本発明の第三の態様において使用する「液体透
過性部分と液体不透過性部分とで模様を形成した
シートであつて、その液体透過性部分にセメント
硬化遅延剤を塗布あるいは含浸させ、かつ該シー
トの表面に接着剤を塗布したシート」としては、
例えば (イ) 前記模様シートの液体透過性部分にセメント
硬化遅延剤を塗布あるいは含浸させたもの、 (ロ) セメント硬化遅延剤を塗布あるいは含浸させ
た液体透過性シートの片面に、塗料あるいは樹
脂溶液等の液体不透過性皮膜を形成する材料を
シルクスクリーン法等の手段により模様状に塗
布することによつて得られるもの、 等の表面に、例えば刷毛又は吹付け等の手段によ
り、例えば水溶液とした接着剤を塗布したものを
挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。すなわち、液体不透過性皮膜を有し、
かつ接着剤を塗布した側をモルタル層側にしてシ
ートをモルタル層にのせて密接させた際、シート
の液体透過性部分のみからセメント硬化遅延剤が
モルタル層に含浸するような構造のものであれ
ば、特にシートの製法にかかわらず、本発明にお
いて使用出来る。
また、模様シート又は液体透過性シートに塗布
もしくは含浸させたセメント硬化遅延剤は該シー
ト内部において未乾燥状態でもあるいは乾燥状態
であつてもよい。すなわち、セメント硬化遅延剤
がシート内部において乾燥した状態であつてもシ
ートをモルタル層にのせた際、モルタル層表面の
遊離水がシートの液体透過性部分よりシート内に
入り込み、セメント硬化遅延剤を溶解(もしくは
分散)させ、再び遊離水がセメント硬化遅延剤を
伴つてシートの液体透過性部分よりモルタル層に
含浸するためである。
尚必要によりモルタル層表面もしくはシート表
面に水等を散布して、セメント硬化遅延剤を積極
的にモルタル層に含浸させてもよい。
尚、本発明の第三の態様において接着剤、模様
シート、セメント硬化遅延剤及び液体透過性シー
トとは、本発明の第一の態様において記載したも
のと同様のものである。
かくて深い凹凸を有する浮彫模様を形成したモ
ルタル層が得られる。本発明の第一〜第三の態様
に於いてはさらに必要に応じ、色彩を付与した
り、光尺度を調整したり、さらに耐候性、耐水
性、耐薬品性等を付与するために、全面もしくは
凹部(又は凸部)に別の着色塗膜を施したり、全
面にクリヤーもしくはカラークリヤー等の塗膜を
施したり、あるいは研摩することもできる。
〔発明の効果〕
以上、記載したように本発明の第一〜第三の態
様の方法により、任意の深さの、深い凹凸を有す
る、シートの模様に対応したシヤープな浮彫模様
を、簡単に、かつ安価に得ることが可能である。
またシートに形成された模様を色々と変化させる
ことにより、所望の凹凸模様を簡単にしうること
ができるという特長を有する。
また、本発明の第一〜第三の態様の方法により
得られた凹凸模様を形成したモルタル層を有する
ものは、建材、装飾品等に利用でき、工場あるい
は現場においても製造できる特長を有している。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
なお、実施例中「部」、「%」は重量基準であ
る。
実施例 周囲に木製枠をうけた石綿スレート板(900×
1800×10mm)表面に白セメント100部、シリカ粉
50部及び水40部からなるモルタルをコテにて塗布
し、3mm厚の平滑なモルタル層を形成した。
別途0.1mm厚の和紙に塗料〔「ビルデイツク」
(大日本塗料社製商品名)〕をシルクスクリーン印
刷することによつて水不透過性皮膜を模様状に施
し、次いで該シート(和紙)の印刷を施した面側
にポリビニルアルコール〔「ゴーセノールGH23」
(日本合成化学工業社製商品名)〕8部と水92部か
らなる水性接着剤を塗布(120g/m2)すること
によつて接着剤を塗布した模様シートを作製し
た。
1時間放置した前記モルタル層表面に、前記接
着剤を塗布した模様シートを、接着剤塗布側をモ
ルタル層側にして密着させた。
次いでリン酸三ナトリウム10部、キサンタンガ
ム〔「エコーガム」(大日本製薬社製商品名)〕2
部、フタロシアニンブルー1部及び水87部からな
るセメント硬化遅延剤溶液を、前記モルタル層に
密着させた模様シート表面に刷毛にて塗布(120
g/m2)した。次いで温度20℃、相対湿度75%の
雰囲気中で1日養生させた。
次いで前記模様シートを除去した後、水を注ぎ
(30/分)ながら5分/m2の割合で、回転
(250r.p.m)するナイロン糸(径0.6mm)を束ねた
円型ブラシ(φ100mm)で擦り、セメント硬化遅
延剤溶液を含浸させた個所のモルタル層を除去し
た。
得られたモルタル層表面にはシルクスクリーン
印刷した模様に対応した平均深さ1.7mmのシヤー
プな模様状凹凸が形成された。このようにして得
られたモルタル層表面にはきわめて浮彫感のある
浮彫模様が得られた。
実施例 2 石綿スレート板表面にポルトランドセメント
100部、シリカ粉200部、減水剤1部及び水75部か
らなるモルタルをコテにて塗布し、3mm厚の平滑
なモルタル層を形成した。
別途0.1mm厚の和紙に塗料「ビルデイツク」を
シルクスクリーン印刷することによつて、水不透
過性皮膜を模様状に施し、次いで該シート(和
紙)の印刷面側にハイドロキシエチルセルロース
2部と水92部からなる水性接着剤を塗布(115
g/m2)し、乾燥させることによつて接着剤を塗
布した模様シートを作製した。
1時間放置した前記モルタル層表面に、前記接
着剤を塗布した模様シートを接着剤塗布側をモル
タル層側にしてのせ、水を散布(80g/m2)し密
着させた。次いで該モルタル層に密着させた模様
シート上に20μ厚のセメント硬化遅延効果を有す
るポリマルトトリオース系水可溶性フイルムをの
せ、水を散布(80g/m2))し、以下実施例1と
同様にして養生、シート除去及びモルタル層の洗
浄除去を行つた。
得られたモルタル層表面にはシルクスクリーン
印刷した模様に対応した平均深さ1.8mmのシヤー
プな模様状凹凸が形成され、きわめて浮彫感のあ
る浮彫模様が得られた。
実施例 3 石綿スレート板表面に白セメント100部、チタ
ン白10部、シリカ粉200部、減水剤1部及び水75
部からなる白色モルタルを3mm厚に塗布し、1時
間放置後、さらに白セメント100部、バライト50
部、ナフトールレツド2部、セルロース系増粘剤
0.2部、塩化カルシウム0.5部及び水50部からなる
赤色モルタルを2mm厚に塗り重ね、平滑な複層モ
ルタル層を形成した。
別途0.1mm厚の和紙に塗料「ビルデイツク」を
シルクスクリーン印刷することによつて、水不透
過性皮膜を模様状に施し、次いで該シート(和
紙)の印刷を施した両側にメチルヒドロキシプロ
ピルセルロース2部と水98部からなる水性接着剤
を塗布(123g/m2)し、乾燥させることによつ
て接着剤を塗布した模様シートを作製した。
また別途0.1mm厚の和紙に、硬化遅延剤〔「KW
−100」(花王石鹸社製商品名」〕20部、ポリマル
トトリオース10部、フタロシアニンブルー1部及
び水69部からなるセメント硬化遅延剤溶液を塗布
(100g/m2)し、乾燥させることによつて硬化遅
延シートを作製した。
塗布形成後30分間放置した前記複層モルタル層
表面に前記模様シートを接着剤塗布側をモルタル
層側にしてのせ、水を散布(80g/m2)し、該模
様シートを密着させ、次いで前記硬化遅延シート
をさらに積層した。
以下実施例1と同様にして養生、シート除去及
びモルタル層の洗浄除去を行つた。
得られたモルタル層表面にはシルクスクリーン
印刷した模様に対応した平均深さ3.2mmのシヤー
プな模様状凹凸が形成され、また凹部が白色、凸
部が赤色のきわめて浮彫感のある浮彫模様が得ら
れた。
実施例 4 石綿スレート板表面に実施例1と同様にしてモ
ルタル層を形成した。
別途、0.1mm厚の和紙に塗料「ビルデイツク」
をシルクスクリーン印刷することによつて水不透
過性皮膜を模様状に施し、次いで該シート(和
紙)の印刷面とは反対側に実施例1で使用したセ
メント硬化遅延剤溶液を塗布(120g/m2)、乾燥
し、さらに該シートの印刷面側に実施例1で使用
した水性接着剤を塗布(120g/m2)乾燥するこ
とによつてセメント硬化遅延剤及び接着剤を塗布
した模様シートを作製した。
該シートを接着剤塗布側をモルタル層側にして
塗布後10分間放置した前記モルタル層表面に密着
させた。
以下実施例1と同様にして養生、シート除去及
びモルタル層の洗浄除去を行つた。
得られたモルタル層表面にはシルクスクリーン
印刷した模様に対応した平均深さ1.5mmのシヤー
プな模様状凹凸が形成され、きわめて浮彫感のあ
る浮彫模様が得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i) 基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii) 液体透過性部分と液体不透過性部分とで模様
    を形成したシートであつて、その表面に接着剤
    を塗布したものを、接着剤塗布側をモルタル層
    側にしてモルタル層にのせ、該シート表面にセ
    メント硬化遅延剤を塗布し、セメント硬化遅延
    剤をモルタル層に含浸させる工程、 (iii) モルタル層を養生する工程、 (iv) モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が
    含浸した個所のモルタル層を洗浄除去する工
    程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の
    形成法。 2 モルタル層が色の異なる複数のモルタル層か
    ら構成されていることを特徴とする、特許請求の
    範囲第1項記載の浮彫模様の形成法。 3 (i) 基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii) 液体透過性部分と液体不透過性部分とで模様
    を形成したシートであつて、その表面に接着剤
    を塗布したものを、接着剤塗布側をモルタル層
    側にしてモルタル層にのせ、次いでセメント硬
    化遅延効果を有するシートをさらに積層し、セ
    メント硬化遅延剤をモルタル層に含浸させる工
    程、 (iii) モルタル層を養生する工程、 (iv) モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が
    含浸した個所のモルタル層を洗浄除去する工
    程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の
    形成法。 4 セメント硬化遅延効果を有するシートが、液
    体透過性シートにセメント硬化遅延剤を塗布もし
    くは含浸させたシートであることを特徴とする、
    特許請求の範囲第3項記載の浮彫模様の形成法。 5 セメント硬化遅延硬化を有するシートが、セ
    メント硬化遅延効果を有する水溶性樹脂シートで
    あることを特徴とする、特許請求の範囲第3項記
    載の浮彫模様の形成法。 6 セメント硬化遅延効果を有するシートが、セ
    メント硬化遅延剤を塗布もしくは混入させた水溶
    性樹脂シートであることを特徴とする、特許請求
    の範囲第3項記載の浮彫模様の形成法。 7 モルタル層が色の異なる複数のモルタル層か
    ら構成されていることを特徴とする、特許請求の
    範囲第3項記載の浮彫模様の形成法。 8 (i) 基材上にモルタル層を形成する工程、 (ii) 液体透過性部分と液体不透過性部分とで模様
    を形成したシートであつて、その液体透過性部
    分にセメント硬化遅延剤を塗布あるいは含浸さ
    せ、かつ該シートの表面に接着剤を塗布したシ
    ートを、接着剤塗布側をモルタル層側にしてモ
    ルタル層にのせ、セメント硬化遅延剤をモルタ
    ル層に含浸させる工程、 (iii) モルタル層を養生する工程、 (iv) モルタル層の養生後、セメント硬化遅延剤が
    含浸した個所のモルタル層を洗浄除去する工
    程、 の諸工程からなる、深い凹凸を有する浮彫模様の
    形成法。 9 モルタル層が色の異なる複数のモルタル層か
    ら構成されていることを特徴とする、特許請求の
    範囲第8項記載の浮彫模様の形成法。
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