JPH05331176A - Cvd用有機金錯体およびこれを用いた金薄膜の製造方法 - Google Patents

Cvd用有機金錯体およびこれを用いた金薄膜の製造方法

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JPH05331176A
JPH05331176A JP4274967A JP27496792A JPH05331176A JP H05331176 A JPH05331176 A JP H05331176A JP 4274967 A JP4274967 A JP 4274967A JP 27496792 A JP27496792 A JP 27496792A JP H05331176 A JPH05331176 A JP H05331176A
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JP
Japan
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complex
gold
laser
cvd
substrate
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Application number
JP4274967A
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English (en)
Inventor
Hiroto Uchida
寛人 内田
Noriyasu Saitou
記庸 斎藤
Masamitsu Sato
正光 佐藤
Masayuki Take
昌之 手計
Katsumi Ogi
勝実 小木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 以下の式で表わされるCVD用有機金錯体: 【化1】 【効果】 本発明の化合物は、高い蒸気圧を有するた
め、CVD法による金薄膜の形成に使用するAu源とし
て有用である。特に、エキシマレーザの波長領域で大き
なUV吸収を有するため、光CVDにおけるAu源とし
ての有用性が大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CVD用の原料ガス化
合物として有用な高蒸気圧有機金錯体に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】金の薄膜は、電気的特性、光
学特性、熱的安定性、化学的安定性、基板との密着性等
に優れているため、半導体素子の電極材料、フォトマス
クのパターン、光学素子のミラー用材料等に用いられて
いる。このような金薄膜の形成方法として、揮発性の金
化合物を使用した熱CVD法が行われており、その蒸気
圧の高さから、Me2Au(AcAc)、Me2Au(HF
A)あるいはMe2Au(TFA)のようなジメチル金β
−ジケトン錯体(ここで、AcAc、HFA、TFA
は、それぞれ、アセチルアセトナト、1,1,1−トリフ
ルオロ−2,4−ペンタンジオナト、1,1,1−5,5,
5− ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナトを表わ
す)をCVDソースとして使用することが提案されてい
る。また、半導体素子の高集積化にともない、光CVD
の手法による金属薄膜の形成技術が注目されている。こ
れは、金属元素を含有するガス状の原料化合物を基板上
に流し、紫外線レーザビーム等を照射して上記化合物を
基板上で分解し、基板上に微細な金属線を形成するもの
であり、回路形成、配線の修正、故障解析等に用いるこ
とができる。しかし、従来の有機金錯体は、上記光CV
D法で使用されるエキシマレーザの波長領域である25
0〜350nmの吸収が小さく、充分な光分解性が得ら
れていない。たとえば、Me2Au(AcAc)は、Xe
Fレーザ(波長:351nm)光を吸収せず、したがっ
て、光分解も生じない。
【0003】
【発明の目的】本発明は、CVD法の適用に適した高い
蒸気圧を有し、かつ250〜350nmに大きなUV吸
収を有し、UV照射により効率的に分解して金を析出す
る有機金錯体を提供することを目的とする。
【0004】
【問題解決に至る知見】本発明者らは、上記の目的を達
成するため、ジメチル金β−ジケトン錯体分子における
電子分布について検討した。そして、トリフルオロ基を
有し、フェニル基がジケトン骨格と共役した位置にある
4,4,4−トリフルオロ−1−(2−フェニル)−1,3
−ブタンジオンに着目し、これを使用して得られたジメ
チル金錯体がCVD法、特に光CVD法の原料化合物と
して優れた特長を有することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0005】
【発明の構成】本発明は、以下の式で表わされるCVD
用有機金錯体:
【化2】 を提供する。本発明のジメチル金β−ジケトン錯体は、
たとえば、M.G.Miles,G.E.Glass a
nd R.S.Tobias, J.Am.Chem.S
oc.,88, 5738−5744(1966)に記載の方
法に従って製造したジメチル金ヒドロキシ錯体の水溶液
に、過剰のβ−ジケトンを滴下後、溶液のpHを4〜7
に調整して沈殿を生成させ、これを昇華精製することに
より得られる。β−ジケトンは、市販品によるかまたは
既知の方法にしたがって製造したものを使用することが
可能である。
【0006】本発明の有機金錯体を用いて基板上に金を
析出させるには、熱、光、プラズマ等のCVD法のいず
れをも用いることができる。気化条件としては、気化温
度30〜160℃が好ましい。30℃未満では成膜速度
が遅く、160℃を超えると気化時の錯体の分解が問題
になる。気化圧力は、錯体の蒸気圧の面から2torr以下
が好ましい。キャリアーガスには、アルゴン、ヘリウ
ム、窒素、水素ガス等を単成分または混合ガスとして流
量1〜50sccmで用いることができる。熱CVDにおい
ては、基板温度を175℃以上に加熱する。光、プラズ
マ等を用いるCVDではより低温の基板温度での金の析
出が可能となる。光CVDでは通常用いられるエキシマ
レーザを使用することができる。本発明の有機金錯体は
熱分解過程によらずに金を析出させることができるの
で、照射角などに特に制限はなく、純粋な光分解過程に
使用することも可能である。使用する装置その他の条件
は、従来法にしたがって適宜選択すればよい。本発明の
有機金錯体では、現在市販されているエキシマレーザの
全ての波長を使用することができる。従来から使用され
ているMe2Au(AcAc)等では、XeFレーザの発
振波長351nmにおける錯体の吸収が弱く、この波長
のレーザを成膜に使用することは困難であった。本発明
の有機金錯体においては、このXeFレーザを使用する
ことが可能である。この波長の光はArイオンレーザや
YAGレーザ等に比べ熱的作用が小さく、またArFや
KrFレーザ等の遠紫外線が持つような有機物の分解作
用も小さい。そのため本発明の有機金錯体を用いてXe
Fレーザ等の光を作用させることにより、紫外線や熱に
弱いため従来は作製が困難であった各種の樹脂等の表面
への金膜の作製を提供する。
【0007】
【発明の具体的開示】
【参考例1】 [ジメチル金ヒドロキシ錯体の製造]Me2AuI5g
を130mlのn−ペンタンに溶解濃縮し、これに硝酸
銀3.16gを含有する 0.001N硝酸溶液100m
lを滴下した。充分に攪拌した後有機層を除き、析出し
たヨウ化銀を濾過分離し、水酸化ナトリウム11gを添
加、攪拌することによりジメチル金ヒドロキシ錯体水溶
液を調製した。
【0008】
【実施例1】このようにして得られたジメチル金ヒドロ
キシ錯体を用いて、以下のβ−ジケトン錯体を合成し
た。
【化3】 参考例1のジメチル金ヒドロキシ錯体水溶液に4,4,4
−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン
(BFA)3.05gを滴下し、2N硝酸水溶液で中和し
錯体の沈澱を得た。この沈澱を濾過分離し、乾燥後、減
圧下に昇華精製することにより上記化合物を得た。得ら
れた錯体の同定は、1H−NMR、MS、IR および元
素分析により行なった:1 H−NMR(CDCl3中25℃;δ/ppm(TM
S)):1.35(s,3H)、1.40(s,3H)、6.4
1(s,1H)、7.4〜8.0(m,5H) IRの結果は図1に示すとおりである。この錯体につい
て、TG−DTAにより熱的特性を、また CH3CN溶
液中でUV吸収を測定した。結果は表1に示すとおりで
あり、室温から150℃程度で安定的に気化させること
が可能であり、エキシマレーザ領域での吸収が大きいこ
とがわかる。
【0009】
【表1】 融点 分解温度 昇華温度 λmax logε 58℃ 178℃ 100℃(0.4torr) 360nm 4.19
【0010】
【比較例1】本発明の錯体の効果に対する比較例とし
て、Me2Au(AcAc)を用いて、熱CVDおよびレ
ーザCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および
加熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、Me
2Au(AcAc)を気化温度60℃、圧力2torrの減圧
下、流量10sccmのArをキャリアーガスとして上記反
応容器に導入した。基板を60℃〜400℃のある温度
に保ち、エキシマレーザ光を20Hzの繰り返し数で石
英窓より基板に対して垂直に照射し、あるいは照射しな
いことにより、基板上に金を析出させた。レーザの照射
条件、形成された膜の純度(EPMAによる)等を表2
に示す。XeFレーザを照射した場合、0.4〜20W
/cm2では基板に何等の変化も見られなかった。60
W/cm2ではシリコン基板がアブレーションを受けて
損傷したが、金の膜の形成は認められなかった。なおN
o.8においては基板を150℃に加熱したため基板全面
に薄い熱CVDによる金膜が形成されたが、レーザ照射
部分とその周囲との間に何等の違いも見られなかった。
【0011】
【表2】 Me2Au(AcAc)の熱およびレーザCV
D試験結果 No. 気化条件 基板温度 レーザ レーザパワー密度 Au含有量(wt%) 1 60℃ 150℃ なし >98 2 60℃ 200℃ なし >98 3 60℃ 250℃ なし 97 4 60℃ 300℃ なし 97 5 60℃ 350℃ なし 98 6 60℃ 400℃ なし 97 7 60℃ 60℃ XeF 0.4W/cm2 成膜せず 8 60℃ 150℃ XeF 0.4W/cm2 熱分解膜のみ生成 9 60℃ 60℃ XeF 20W/cm2 成膜せず 10 60℃ 60℃ XeF 60W/cm2 基板に損
【0012】
【実施例2】本発明の錯体を用いて、熱CVDで金薄膜
の形成を行った。石英製の窓および加熱手段を有する真
空容器にシリコン基板を入れ、該錯体を気化温度90℃
〜110℃、2torrの減圧下、流量10sccmのArキャ
リアーガスとして上記反応容器に導入した。基板を15
0℃〜350℃のある温度に保つことにより錯体を熱分
解させ、基板上に金を析出させた。実験条件および形成
された膜の純度(EPMAによる)を表3に示す。
【0013】
【実施例3】該錯体を用いて、レーザCVDで金薄膜薄
膜の形成を行った。石英製の窓および加熱手段を有する
真空容器にシリコン基板を入れ、該錯体を気化温度10
0℃〜110℃、圧力2torrの減圧下、流量10sccmの
Arをキャリアーガスとして上記反応容器に導入した。
基板を100〜200℃のある温度に保ち、エキシマレ
ーザ光を20Hzの繰り返し数で石英窓より基板に対し
て垂直に照射して錯体を光分解させ、基板上に金を析出
させた。レーザの照射条件、形成させた膜の純度(EP
MAによる)等を表4〜表6に示す。ArF、KrFあ
るいはXeFのいずれのレーザによっても金膜が形成さ
れた。
【0014】
【表3】該錯体の熱CVD試験結果 No. 気化条件 基板温度 レーザ レーザパワー密度 Au含有量(wt%) 1 90℃ 150℃ なし >98 2 90℃ 200℃ なし >98 3 100℃ 150℃ なし >98 4 100℃ 175℃ なし >98 5 100℃ 200℃ なし 97 6 100℃ 225℃ なし >98 7 100℃ 250℃ なし >98 8 100℃ 300℃ なし 97 9 110℃ 200℃ なし >98 10 110℃ 250℃ なし >98 11 110℃ 300℃ なし 95 12 110℃ 350℃ なし 97
【0015】
【表4】 該錯体のレーザCVD試験結果(ArFレー
ザ 193nm) No. 気化条件 基板温度 レーザ レーザパワー密度 Au含有量(wt%) 1 100℃ 100℃ ArF 1.9W/cm2 96 2 100℃ 150℃ ArF 2.0W/cm2 96 3 100℃ 200℃ ArF 2.0W/cm2 96
【0016】
【表5】 該錯体のレーザCVD試験結果(KrFレー
ザ 248nm) No. 気化条件 基板温度 レーザ レーザパワー密度 Au含有量(wt%) 1 100℃ 100℃ KrF 1.9W/cm2 94 2 100℃ 150℃ KrF 1.9W/cm2 95 3 100℃ 200℃ KrF 1.9W/cm2 91
【0017】
【表6】 該錯体のレーザCVD試験結果(XrFレー
ザ 351nm) No. 気化条件 基板温度 レーザ レーザパワー密度 Au含有量(wt%) 1 110℃ 110℃ XeF 0.4W/cm2 97 2 110℃ 150℃ XeF 0.4W/cm2 96 3 110℃ 200℃ XeF 0.4W/cm2 95
【0018】
【実施例4】該錯体の蒸気圧を気体流通法により測定し
た。キャリアーガスには窒素を用いた。結果は表6に示
す。
【0019】
【表7】 該錯体の蒸気圧
【0020】
【発明の効果】本発明の化合物は、高い蒸気圧を有する
ため、CVD法による金薄膜の形成に使用するAu源と
して有用である。特にエキシマレーザの全波長領域で大
きなUV吸収を有するため、光CVDにおけるAu源と
しての有用性が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Me2Au(BFA)のIRスペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手計 昌之 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内 (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式で表わされるCVD用有機金錯
    体: 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1のCVD用有機金錯体にレーザ
    を照射し金を析出させることからなる金薄膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 該レーザがエキシマレーザであることを
    特徴とする請求項2に記載の金薄膜の製造方法。
JP4274967A 1992-02-07 1992-09-18 Cvd用有機金錯体およびこれを用いた金薄膜の製造方法 Pending JPH05331176A (ja)

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JP5679092 1992-02-07
JP4-56790 1992-02-07
JP4274967A JPH05331176A (ja) 1992-02-07 1992-09-18 Cvd用有機金錯体およびこれを用いた金薄膜の製造方法

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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
KOORD KHIM=1980 *

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Effective date: 19980324