JP2817554B2 - 金膜形成用有機金錯体 - Google Patents
金膜形成用有機金錯体Info
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- JP2817554B2 JP2817554B2 JP4331255A JP33125592A JP2817554B2 JP 2817554 B2 JP2817554 B2 JP 2817554B2 JP 4331255 A JP4331255 A JP 4331255A JP 33125592 A JP33125592 A JP 33125592A JP 2817554 B2 JP2817554 B2 JP 2817554B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子工学分野で必要な
金膜形成用の有機金化合物材料に関する。金の薄膜はそ
の電気特性、光学特性、熱安定性、化学安定性、基材と
の親和性等に優れているため、半導体素子の電極形成、
回路形成、配線の修正、故障解析、フォトマスクのパタ
ーン形成、光学素子のミラー形成等に用いられている。
金膜形成用の有機金化合物材料に関する。金の薄膜はそ
の電気特性、光学特性、熱安定性、化学安定性、基材と
の親和性等に優れているため、半導体素子の電極形成、
回路形成、配線の修正、故障解析、フォトマスクのパタ
ーン形成、光学素子のミラー形成等に用いられている。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来金膜は、代表的にはジメ
チル(アセチルアセトナート)金(III)、ジメチル(トリ
フルオロアセチルアセトナート)金(III)、ジメチル(ヘ
キサフルオロアセチルアセトナート)金(III)等のβ−ジ
ケトン錯体等のレーザーCVDによって金パターン膜に
形成されていた。しかし、形成パターンの精度に対する
要求が高度化するにつれ、レーザー照射による基板加熱
の影響によって形成パターンのにじみが問題になってき
た。
チル(アセチルアセトナート)金(III)、ジメチル(トリ
フルオロアセチルアセトナート)金(III)、ジメチル(ヘ
キサフルオロアセチルアセトナート)金(III)等のβ−ジ
ケトン錯体等のレーザーCVDによって金パターン膜に
形成されていた。しかし、形成パターンの精度に対する
要求が高度化するにつれ、レーザー照射による基板加熱
の影響によって形成パターンのにじみが問題になってき
た。
【0003】
【問題解決の手段】上記の問題は、ジメチル金(III)β
−ジケトン錯体の熱分解温度が相対的に低いことに原因
があることに着目し、それより熱分解温度の高いイミノ
ケトン錯体の採用によって改良できることを知見した。
−ジケトン錯体の熱分解温度が相対的に低いことに原因
があることに着目し、それより熱分解温度の高いイミノ
ケトン錯体の採用によって改良できることを知見した。
【0004】
【発明の構成】 本発明は一般式(1)で表わされ、A
が−CF3または低級アルキル基である金錯体からなる
金膜形成用材料を提供する。この化合物の具体例は
が−CF3または低級アルキル基である金錯体からなる
金膜形成用材料を提供する。この化合物の具体例は
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】 で表わされる (1):ジメチル(1,1,1−トリフルオロ−4−アミ
ノペンテン−2−オナート)金(III)(以下Me2Au
(TFAP)と記す) (2):ジメチル(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジ
メチル−4−アミノヘキセン−2−オナート)金(III)
(以下Me2Au(TDAH)と記す) (3):ジメチル(1,1,1−5,5,5−ヘキサフルオ
ロ−4−アミノペンテン−2−オナート)金(III)(以
下Me2Au(HFAP)と記す) である。(1)、(2)は既知物質であるが、(3)は
発明者らが初めて合成した新規物質である。
ノペンテン−2−オナート)金(III)(以下Me2Au
(TFAP)と記す) (2):ジメチル(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジ
メチル−4−アミノヘキセン−2−オナート)金(III)
(以下Me2Au(TDAH)と記す) (3):ジメチル(1,1,1−5,5,5−ヘキサフルオ
ロ−4−アミノペンテン−2−オナート)金(III)(以
下Me2Au(HFAP)と記す) である。(1)、(2)は既知物質であるが、(3)は
発明者らが初めて合成した新規物質である。
【0008】
【発明の具体的開示】以下の実施例により、本発明を具
体的に開示する。各実施例においては、各金錯体につい
て、(1)配位子の合成、(2)金錯体の合成、(3)
熱CVDによる金薄膜の形成、及び(4)レーザCVD
による金薄膜の形成、を開示する。
体的に開示する。各実施例においては、各金錯体につい
て、(1)配位子の合成、(2)金錯体の合成、(3)
熱CVDによる金薄膜の形成、及び(4)レーザCVD
による金薄膜の形成、を開示する。
【実施例1】(1)配位子 1,1,1−トリフルオロ−
4−アミノペンテン−2−オン(以下HTFAPと記
す)の合成 10gのトリフルオロアセチルアセトン(以下TFAと
記す;同仁化学研究所製)に濃アンモニア水50mlを
加え、3hr加熱還流した。反応後、ロータリーエバポ
レーターにより溶媒を留去すると黄緑色の溶液が残り、
室温で結晶化し、HTFAPを得た。
4−アミノペンテン−2−オン(以下HTFAPと記
す)の合成 10gのトリフルオロアセチルアセトン(以下TFAと
記す;同仁化学研究所製)に濃アンモニア水50mlを
加え、3hr加熱還流した。反応後、ロータリーエバポ
レーターにより溶媒を留去すると黄緑色の溶液が残り、
室温で結晶化し、HTFAPを得た。
【0009】(2)金錯体 Me2Au(TFAP)の
合成 ジ−μ−ヨードテトラメチル二金(III)[(CH3)2A
uI]2 5.00gを150mlのn-ペンタン中に溶解
させ、3.18gのAgNO3を含む0.001NのHN
O3水溶液を1滴づつ滴下し反応させた。 激しく撹拌し
ながら有機層を除去し、生成した沃化銀の沈澱をろ過に
より除いた。ろ液に11gのNaOHを添加して 30
分激しく撹拌し、生成した酸化銀を除去した後、ジメチ
ル金(III)ヒドロキシ錯体の水溶液を作製した。この水
溶液に(1)のHTFAP 3.00gを含む水溶液10
mlを加えると沈澱が形成された。ろ過により沈澱を取
り出しデシケータ中で一晩乾燥後、昇華により精製を行
った(130℃/0.035torr)。融点98.6℃。分
解温度239.8℃。 1H−NMR(CDCL3):δ0.
93ppm(singlet 3H)、0.98(singlet 3H)、
2.18(singlet 3H)、4.98(doublet 1H)、6.
55(singlet 1H)。
合成 ジ−μ−ヨードテトラメチル二金(III)[(CH3)2A
uI]2 5.00gを150mlのn-ペンタン中に溶解
させ、3.18gのAgNO3を含む0.001NのHN
O3水溶液を1滴づつ滴下し反応させた。 激しく撹拌し
ながら有機層を除去し、生成した沃化銀の沈澱をろ過に
より除いた。ろ液に11gのNaOHを添加して 30
分激しく撹拌し、生成した酸化銀を除去した後、ジメチ
ル金(III)ヒドロキシ錯体の水溶液を作製した。この水
溶液に(1)のHTFAP 3.00gを含む水溶液10
mlを加えると沈澱が形成された。ろ過により沈澱を取
り出しデシケータ中で一晩乾燥後、昇華により精製を行
った(130℃/0.035torr)。融点98.6℃。分
解温度239.8℃。 1H−NMR(CDCL3):δ0.
93ppm(singlet 3H)、0.98(singlet 3H)、
2.18(singlet 3H)、4.98(doublet 1H)、6.
55(singlet 1H)。
【0010】(3)熱CVDによる金薄膜の形成 (2)で合成したMe2Au(TFAP)を用いて、熱C
VDにより金薄膜の形成を行った。石英製の加熱手段を
有する真空容器にシリコン基板を入れ、表1に示す気化
温度で、圧力2torrの減圧下、流量10sccmのArをキ
ャリアーガスとして上記反応容器内に導入した。基板を
表1に記した温度に保ち錯体を熱分解させ、基板上に金
を析出させた。この際の成膜時間は30分間であった。
実験条件および形成された膜の純度(EPMAによる)
を表1に示す。
VDにより金薄膜の形成を行った。石英製の加熱手段を
有する真空容器にシリコン基板を入れ、表1に示す気化
温度で、圧力2torrの減圧下、流量10sccmのArをキ
ャリアーガスとして上記反応容器内に導入した。基板を
表1に記した温度に保ち錯体を熱分解させ、基板上に金
を析出させた。この際の成膜時間は30分間であった。
実験条件および形成された膜の純度(EPMAによる)
を表1に示す。
【表1】 No. 気化温度(℃) 基板温度(℃) Au含有量(wt%) 1 140 250 97.3 2 140 300 97.5
【0011】(4)レーザーCVDによる金薄膜の形成 (2)で合成したMe2Au(TFAP)を用いて、レー
ザーCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および
加熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、気化
温度140℃で、圧力2torrの減圧下、流量10sccmの
Arをキャリアーガスとして上記反応容器内に導入し
た。基板温度を80〜150℃のある温度に保ち、エキ
シマレーザー光を20Hzの繰り返し数で石英窓より基
板に対して垂直に照射して錯体を光分解させ、基板上に
金を析出させた。この際の成膜時間は30分間であっ
た。レーザーの照射条件および形成された膜の純度(E
PMAによる)を表2に示す。
ザーCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および
加熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、気化
温度140℃で、圧力2torrの減圧下、流量10sccmの
Arをキャリアーガスとして上記反応容器内に導入し
た。基板温度を80〜150℃のある温度に保ち、エキ
シマレーザー光を20Hzの繰り返し数で石英窓より基
板に対して垂直に照射して錯体を光分解させ、基板上に
金を析出させた。この際の成膜時間は30分間であっ
た。レーザーの照射条件および形成された膜の純度(E
PMAによる)を表2に示す。
【表2】 気化温度 基板温度 レーザー レーサ゛ーハ゜ワー密度 Au含有量 No. (℃) (℃) (W/cm2) (wt%) 1 140 80 XeCl 1.3 98 2 140 150 XeCl 1.3 97 3 140 200 XeCl 1.3 98 なお、(1)のHHFAPの合成に関しては、D. A. Jo
hnson, A. b. Waugh,T. W. Hambley and J. C. Taylor.
J. Fluorine Chem., 27 (1985) 371-378. に、また
(2)で使用したジメチル金(III)ヒドロキシ錯体の合
成については、M.G. Miles, G. E. Glass and R. S. To
bias, J. Am. Chem. Soc., 88, 5738-5744(1966). に、
(2)で合成したMe2Au(TFAP)の物性値につ
いては(合成は記載されていない)Ser. Khim. Nauk.,
(5), 145 (1988) にそれぞれ記載されている。
hnson, A. b. Waugh,T. W. Hambley and J. C. Taylor.
J. Fluorine Chem., 27 (1985) 371-378. に、また
(2)で使用したジメチル金(III)ヒドロキシ錯体の合
成については、M.G. Miles, G. E. Glass and R. S. To
bias, J. Am. Chem. Soc., 88, 5738-5744(1966). に、
(2)で合成したMe2Au(TFAP)の物性値につ
いては(合成は記載されていない)Ser. Khim. Nauk.,
(5), 145 (1988) にそれぞれ記載されている。
【0012】
【実施例2】(1)配位子 1,1,1−トリフルオロ−
5,5−ジメチル−4−アミノヘキセン−2−オン(以
下HTDAHと記す)の合成 10gのピバロイルトリフルオロアセトン(同仁化学研
究所製)に濃アンモニア水50mlを加え一晩加熱還流
した。反応後、冷却すると白色結晶が析出した。ろ過に
よりHTDAHの粗生成物を得た。
5,5−ジメチル−4−アミノヘキセン−2−オン(以
下HTDAHと記す)の合成 10gのピバロイルトリフルオロアセトン(同仁化学研
究所製)に濃アンモニア水50mlを加え一晩加熱還流
した。反応後、冷却すると白色結晶が析出した。ろ過に
よりHTDAHの粗生成物を得た。
【0013】(2)金錯体Me2Au(TDAH)の合
成 Me2Au(TDAH)は、実施例1のMe2Au(TF
AP)と同様の手法により合成した。ジメチル金(III)
ヒドロキシ錯体の水溶液に(1)のHTDAH5.80
gを含むエタノール溶液10mlを加えると沈澱が形成
された。ろ過により沈澱を取り出しデシケータ中で一晩
乾燥後、昇華により精製を行った(100℃/0.035
torr)。融点58.6℃ 分解温度289.7℃ 1H−N
MR(CDCL3);δ0.91ppm(singlet 3H)、
0.96(singlet 3H)、1.26(singlet 9H)、4.
87(doublet 1H)、6.49(singlet 1H)。
成 Me2Au(TDAH)は、実施例1のMe2Au(TF
AP)と同様の手法により合成した。ジメチル金(III)
ヒドロキシ錯体の水溶液に(1)のHTDAH5.80
gを含むエタノール溶液10mlを加えると沈澱が形成
された。ろ過により沈澱を取り出しデシケータ中で一晩
乾燥後、昇華により精製を行った(100℃/0.035
torr)。融点58.6℃ 分解温度289.7℃ 1H−N
MR(CDCL3);δ0.91ppm(singlet 3H)、
0.96(singlet 3H)、1.26(singlet 9H)、4.
87(doublet 1H)、6.49(singlet 1H)。
【0014】(3)熱CVDによる金薄膜の形成 (2)で合成したMe2Au(TDAH)を用いて、実施
例1と同様の手法により実験を行った。実験条件と形成
された膜の純度を表3に示す。
例1と同様の手法により実験を行った。実験条件と形成
された膜の純度を表3に示す。
【表3】 No. 気化温度(℃) 基板温度(℃) Au含有量(wt%) 1 120 300 98.2 2 120 320 97.5
【0015】(4)レーザーCVDによる金薄膜の形成 (2)で合成したMe2Au(TDAH)を用いて、レー
ザCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および加
熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、気化温
度120℃で、圧力2torrの減圧下、流量10sccmのA
rをキャリアーガスとして上記反応容器内に導入した。
基板温度を80〜150℃のある温度に保ち、エキシマ
レーザ光を20Hzの繰り返し数で石英窓より基板に対
して垂直に照射して錯体を光分解させ、基板上に金を析
出させた。この際の成膜時間は30分間であった。レー
ザの照射条件および形成された膜の純度(EPMAによ
る)を表4に示す。
ザCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および加
熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、気化温
度120℃で、圧力2torrの減圧下、流量10sccmのA
rをキャリアーガスとして上記反応容器内に導入した。
基板温度を80〜150℃のある温度に保ち、エキシマ
レーザ光を20Hzの繰り返し数で石英窓より基板に対
して垂直に照射して錯体を光分解させ、基板上に金を析
出させた。この際の成膜時間は30分間であった。レー
ザの照射条件および形成された膜の純度(EPMAによ
る)を表4に示す。
【表4】 気化温度 基板温度 レーザー レーサ゛ーハ゜ワー密度 Au含有量 No. (℃) (℃) (W/cm2) (wt%) 1 120 80 XeCl 1.3 98 2 120 150 XeCl 1.3 97 3 120 200 XeCl 1.3 96 なお、(2)で合成したMe2Au(TDAH)の物性値
については(合成は記載されていない)Ser. Khim. Nau
k, (5), 145 (1988)に記載されている。
については(合成は記載されていない)Ser. Khim. Nau
k, (5), 145 (1988)に記載されている。
【0016】
【実施例3】(1)配位子 1,1,1,5,5,5−ヘキサ
フルオロ−4−アミノペンテン−2−オン(以下HHF
APと記す)の合成 50gのヘキサフルオロアセチルアセトン(以下HFA
と記す;東京化成製)を100mlのエタノール中溶解
し、液体アンモニアボンベよりアンモニアガスを1l/
minの流量で約30分間程度バブリングした。この際
反応系は発熱するため、必要に応じ氷浴により冷却し
た。真空ポンプにより室温減圧下で、溶媒を蒸発乾固す
ると白色結晶が得られた。この白色結晶をシュレンク管
中に封入し、1torr程度の減圧下で、170℃で30分
間加熱した。反応終了後、室温で放冷後徐々に生成物の
HHFAPが白色綿状物質となり生成した。精製は室温
で昇華により行なった。
フルオロ−4−アミノペンテン−2−オン(以下HHF
APと記す)の合成 50gのヘキサフルオロアセチルアセトン(以下HFA
と記す;東京化成製)を100mlのエタノール中溶解
し、液体アンモニアボンベよりアンモニアガスを1l/
minの流量で約30分間程度バブリングした。この際
反応系は発熱するため、必要に応じ氷浴により冷却し
た。真空ポンプにより室温減圧下で、溶媒を蒸発乾固す
ると白色結晶が得られた。この白色結晶をシュレンク管
中に封入し、1torr程度の減圧下で、170℃で30分
間加熱した。反応終了後、室温で放冷後徐々に生成物の
HHFAPが白色綿状物質となり生成した。精製は室温
で昇華により行なった。
【0017】(2)金錯体 Me2Au(HFAP)の
合成 Me2Au(HFAP)は、実施例1のMe2Au(TFA
P)と同様の手法により合成した。ジメチル金(III)ヒ
ドロキシ錯体の水溶液に合成例2の HHFAP2.92
gを含むエタノール溶液 10mlを加え、この溶液に
酢酸を添加し中和すると、黄色の油状液体が形成され
た。デカンテーションにより水溶液層を除去した後に、
塩化メチレンにより黄色液体を抽出した。無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、室温で真空ポンプにより溶媒を除去し
た後に、黄色の油状物質を減圧蒸留(沸点:63〜64
℃/3.2torr)により精製して、淡黄色の液体(沸点:
124.1℃)を得た。1 H-NMR(CDCL3):δ1.184ppm(s,3
H),1.200(s,3H),5.687(d,1H,J
(HH)2.54),7.777(s,1H) MS:433、403、334、306、264、23
9、225、211、197 IRスペクトル(液膜法): 図1 UV吸収スペクトル:λmax=328.4nm、εm
ax=5943.55
合成 Me2Au(HFAP)は、実施例1のMe2Au(TFA
P)と同様の手法により合成した。ジメチル金(III)ヒ
ドロキシ錯体の水溶液に合成例2の HHFAP2.92
gを含むエタノール溶液 10mlを加え、この溶液に
酢酸を添加し中和すると、黄色の油状液体が形成され
た。デカンテーションにより水溶液層を除去した後に、
塩化メチレンにより黄色液体を抽出した。無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、室温で真空ポンプにより溶媒を除去し
た後に、黄色の油状物質を減圧蒸留(沸点:63〜64
℃/3.2torr)により精製して、淡黄色の液体(沸点:
124.1℃)を得た。1 H-NMR(CDCL3):δ1.184ppm(s,3
H),1.200(s,3H),5.687(d,1H,J
(HH)2.54),7.777(s,1H) MS:433、403、334、306、264、23
9、225、211、197 IRスペクトル(液膜法): 図1 UV吸収スペクトル:λmax=328.4nm、εm
ax=5943.55
【0018】(3)熱CVDによる金薄膜の形成 (2)で合成したMe2Au(TFAP)を用いて、実施
例1と同様の手法により実験を行った。実験条件と形成
された膜の純度を表5に示す。
例1と同様の手法により実験を行った。実験条件と形成
された膜の純度を表5に示す。
【表5】 No. 気化温度(℃) 基板温度(℃) Au含有量(wt%) 1 30 200 98.1 2 40 200 98.3 3 40 300 98.2
【0019】(4)レーザーCVDによる金薄膜の形成 (2)で合成したMe2Au(HFAP)を用いて、レー
ザーCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および
加熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、気化
温度40〜50℃で、圧力2torrの減圧下、流量10sc
cmのArをキャリアーガスとして上記反応容器内に導入
した。基板温度を50℃に保ち、エキシマレーザ光を2
0Hzの繰り返し数で石英窓より基板に対して垂直に照
射して錯体を光分解させ、基板上に金を析出させた。こ
の際の成膜時間は30分間であった。レーザーの照射条
件および形成された膜の純度(EPMAによる)を表6
に示す。
ザーCVDで金薄膜の形成を行った。石英製の窓および
加熱手段を有する真空容器にシリコン基板を入れ、気化
温度40〜50℃で、圧力2torrの減圧下、流量10sc
cmのArをキャリアーガスとして上記反応容器内に導入
した。基板温度を50℃に保ち、エキシマレーザ光を2
0Hzの繰り返し数で石英窓より基板に対して垂直に照
射して錯体を光分解させ、基板上に金を析出させた。こ
の際の成膜時間は30分間であった。レーザーの照射条
件および形成された膜の純度(EPMAによる)を表6
に示す。
【表6】 気化温度 基板温度 レーザー レーサ゛ーハ゜ワー密度 Au含有量 No. (℃) (℃) (W/cm2) (wt%) 1 40 50 KrF 1.3 98 2 40 50 XeCl 1.3 97 3 40 50 XeCl 1.3 97
【0020】
【発明の効果】本発明の有機金錯体は、従来のMe2A
u(AcAc)、Me2Au(TFA)、Me2Au(H
FA)等のジメチル金β−ジケトン錯体に比べ熱的に安
定しており、かつXeCl、KrF、ArF等のエキシ
マレーザー光による良好な分解特性をもつため、レーザ
による高精度な成膜形成が可能となる。
u(AcAc)、Me2Au(TFA)、Me2Au(H
FA)等のジメチル金β−ジケトン錯体に比べ熱的に安
定しており、かつXeCl、KrF、ArF等のエキシ
マレーザー光による良好な分解特性をもつため、レーザ
による高精度な成膜形成が可能となる。
【図1】実施例で合成した金錯体の液膜法IRスペクト
ル図である。
ル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Izv.Sib.Otd.Akad. Nauk SSSR,Ser.Khi m.Nauk,1989,(5),57−64 Koord.Khim.,1988,14 (10),1362−1367 Metallorg.Khim., 1988,1(5),1105−1112 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 1/12 C23C 14/14 REGISTRY(STN) CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 式 【化1】 で表わされ、AがCF3または低級アルキルである金錯
体からなる金膜形成用材料。 - 【請求項2】 式 【化1】 で表わされ、AがCF3である金錯体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4331255A JP2817554B2 (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 金膜形成用有機金錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4331255A JP2817554B2 (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 金膜形成用有機金錯体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157546A JPH06157546A (ja) | 1994-06-03 |
JP2817554B2 true JP2817554B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=18241644
Family Applications (1)
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JP4331255A Expired - Fee Related JP2817554B2 (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 金膜形成用有機金錯体 |
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-
1992
- 1992-11-18 JP JP4331255A patent/JP2817554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
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Izv.Sib.Otd.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.Nauk,1989,(5),57−64 |
Koord.Khim.,1988,14(10),1362−1367 |
Metallorg.Khim.,1988,1(5),1105−1112 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06157546A (ja) | 1994-06-03 |
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