JPH0762544A - 高純度金膜およびその前駆膜の形成法 - Google Patents
高純度金膜およびその前駆膜の形成法Info
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- JPH0762544A JPH0762544A JP21053393A JP21053393A JPH0762544A JP H0762544 A JPH0762544 A JP H0762544A JP 21053393 A JP21053393 A JP 21053393A JP 21053393 A JP21053393 A JP 21053393A JP H0762544 A JPH0762544 A JP H0762544A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 揮発性有機金化合物のガスと活性酸素 (例、
オゾン) とを反応させて金・金酸化物混合物膜を基板上
に成膜する方法、およびこの混合物膜を200 ℃以上の温
度で熱処理して金酸化物を熱分解させ、金膜を形成する
方法。 【効果】 炭素濃度の低い高純度の金膜が得られる。膜
は連続性が良く、半導体製造工程で基板上の微小な段差
部分の埋め込みにも効果がある。
オゾン) とを反応させて金・金酸化物混合物膜を基板上
に成膜する方法、およびこの混合物膜を200 ℃以上の温
度で熱処理して金酸化物を熱分解させ、金膜を形成する
方法。 【効果】 炭素濃度の低い高純度の金膜が得られる。膜
は連続性が良く、半導体製造工程で基板上の微小な段差
部分の埋め込みにも効果がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高純度金膜とその前駆膜
である金・金酸化物混合物膜の形成法に関する。高純度
金膜はその電気的特性、光学特性、熱的安定性、化学的
安定性等の特性を利用して、半導体素子の電極材料、光
学素子のミラー用の材料等として用いられる。また、特
にレーザーCVDの手法による半導体素子への電極の直
接描画による回路形成、配線の修正、故障解析等にも応
用することが出来る。
である金・金酸化物混合物膜の形成法に関する。高純度
金膜はその電気的特性、光学特性、熱的安定性、化学的
安定性等の特性を利用して、半導体素子の電極材料、光
学素子のミラー用の材料等として用いられる。また、特
にレーザーCVDの手法による半導体素子への電極の直
接描画による回路形成、配線の修正、故障解析等にも応
用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】金膜は最近では、CVD (化学蒸着) 法
またはPVD (物理蒸着) 法により、特に揮発性の有機
金化合物の熱分解によるCVD法により形成されること
が多いが、有機物の分解が不完全であるために、金膜中
に炭素などの不純物元素が混入し、必ずしも高純度の金
膜が形成されないという欠点があった。
またはPVD (物理蒸着) 法により、特に揮発性の有機
金化合物の熱分解によるCVD法により形成されること
が多いが、有機物の分解が不完全であるために、金膜中
に炭素などの不純物元素が混入し、必ずしも高純度の金
膜が形成されないという欠点があった。
【0003】一方、金酸化物(例、 Au2O およびAu2O3)
はいずれも200 ℃前後より高温で酸素を放出して金を生
成することが知られている。従って、金酸化物は金の前
駆物質となりうる。
はいずれも200 ℃前後より高温で酸素を放出して金を生
成することが知られている。従って、金酸化物は金の前
駆物質となりうる。
【0004】金酸化物の製造方法としては、 Au(III)
水酸化物を 140〜150 ℃で重量が一定になるまで加熱す
る方法、5〜7%のオゾン含有酸素雰囲気中で金を蒸
発させる方法、金を溶融NaOHと反応させることにより
Au2O3・H2O を得る方法等が知られている (J. C. Bail
ar, et al., Comnprehensive Inorganic Chemistry,pp.
147-148, 1973, Pergamon Press)。
水酸化物を 140〜150 ℃で重量が一定になるまで加熱す
る方法、5〜7%のオゾン含有酸素雰囲気中で金を蒸
発させる方法、金を溶融NaOHと反応させることにより
Au2O3・H2O を得る方法等が知られている (J. C. Bail
ar, et al., Comnprehensive Inorganic Chemistry,pp.
147-148, 1973, Pergamon Press)。
【0005】これらの金酸化物の製造方法のうち、の
方法は薄膜の作製に適用可能である。従って、この方法
で金酸化物の薄膜を形成し、これを分解温度以上に加熱
して金膜を得ることが考えられる。しかし、の方法で
は真空下に高温で金を蒸発させる必要があり、前述した
CVD法などの有機金属化合物を原料とする金膜の成膜
法に比べ、成膜する対象物の形状、大きさ等の選定の自
由度において劣る。
方法は薄膜の作製に適用可能である。従って、この方法
で金酸化物の薄膜を形成し、これを分解温度以上に加熱
して金膜を得ることが考えられる。しかし、の方法で
は真空下に高温で金を蒸発させる必要があり、前述した
CVD法などの有機金属化合物を原料とする金膜の成膜
法に比べ、成膜する対象物の形状、大きさ等の選定の自
由度において劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純
度の金膜の形成方法を提供することである。本発明の別
の目的は、金酸化物の薄膜の熱分解により金膜を形成す
るために、金膜の前駆膜となる金酸化物の薄膜の形成方
法を提供することである。
度の金膜の形成方法を提供することである。本発明の別
の目的は、金酸化物の薄膜の熱分解により金膜を形成す
るために、金膜の前駆膜となる金酸化物の薄膜の形成方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、揮発性有
機金化合物の熱分解を利用したCVD法により形成した
金膜の炭素の混入を解消すべく研究を重ねた結果、金化
合物の熱分解で生じた金蒸気をそのまま基体上に堆積さ
せるのではなく、金化合物と活性酸素とを反応させる
と、金・金酸化物混合物の薄膜が基体上に堆積するこ
と、この薄膜を加熱すると金酸化物が熱分解して、炭素
濃度が非常に低減した高純度の金膜を得ることができる
ことを見出し、本発明に至った。
機金化合物の熱分解を利用したCVD法により形成した
金膜の炭素の混入を解消すべく研究を重ねた結果、金化
合物の熱分解で生じた金蒸気をそのまま基体上に堆積さ
せるのではなく、金化合物と活性酸素とを反応させる
と、金・金酸化物混合物の薄膜が基体上に堆積するこ
と、この薄膜を加熱すると金酸化物が熱分解して、炭素
濃度が非常に低減した高純度の金膜を得ることができる
ことを見出し、本発明に至った。
【0008】ここに、本発明の要旨は、基体上で揮発
性有機金化合物のガスと活性酸素とを反応させて金・金
酸化物混合物膜を基体上に堆積させることを特徴とす
る、金・金酸化物混合物膜の形成法、ならびに上記方
法で形成された金・金酸化物混合物膜を加熱して金酸化
物を熱分解させることを特徴とする、高純度金膜の形成
法にある。
性有機金化合物のガスと活性酸素とを反応させて金・金
酸化物混合物膜を基体上に堆積させることを特徴とす
る、金・金酸化物混合物膜の形成法、ならびに上記方
法で形成された金・金酸化物混合物膜を加熱して金酸化
物を熱分解させることを特徴とする、高純度金膜の形成
法にある。
【0009】
【作用】以下、本発明の構成をその作用とともに説明す
る。本発明の金・金酸化物混合物膜の成膜法は、基体上
で揮発性の有機金化合物のガス (原料ガス) と活性酸素
との反応させ、反応成分の金・金酸化物混合物を基体上
に堆積させる、CVD法に属する方法である。
る。本発明の金・金酸化物混合物膜の成膜法は、基体上
で揮発性の有機金化合物のガス (原料ガス) と活性酸素
との反応させ、反応成分の金・金酸化物混合物を基体上
に堆積させる、CVD法に属する方法である。
【0010】この原料ガスを活性酸素と反応させず、そ
のまま基体上に蒸着させた場合には、直接金膜が得られ
るが、得られた金膜は上述のように炭素の混入が多く、
純度が低下することが多い。本発明に従って原料ガスを
活性酸素と反応させて金・金酸化物混合物膜を形成する
と膜への炭素の混入が大幅に低減するのは、活性酸素の
存在により、未分解の炭素があっても、酸化分解が促進
され、一酸化炭素または二酸化炭素まで完全にガス化さ
れるため、膜に炭素が混入しないからであると考えられ
る。
のまま基体上に蒸着させた場合には、直接金膜が得られ
るが、得られた金膜は上述のように炭素の混入が多く、
純度が低下することが多い。本発明に従って原料ガスを
活性酸素と反応させて金・金酸化物混合物膜を形成する
と膜への炭素の混入が大幅に低減するのは、活性酸素の
存在により、未分解の炭素があっても、酸化分解が促進
され、一酸化炭素または二酸化炭素まで完全にガス化さ
れるため、膜に炭素が混入しないからであると考えられ
る。
【0011】本発明で用いる揮発性の有機金化合物は、
従来よりCVD法による金膜の形成に用いられてきた有
機金化合物から選択することができる。このような有機
金化合物の例には、XAuL(X:ハロゲン元素、L:有
機ホスフィン、アルキル、アルキルイソニトリル、チオ
カルバマート、β−イミノケトン、またはβ−ジケト
ン)、RAuL(R:アルキルまたはアリール、L:上記
と同じ)、 Me2AuL(Me:メチル、L:上記と同
じ)、ならびにR3 AuL(R:上記と同じ、L:上
記と同じ)がある。これらから選ばれた1種もしくは2
種以上の揮発性有機金化合物を原料として使用できる。
従来よりCVD法による金膜の形成に用いられてきた有
機金化合物から選択することができる。このような有機
金化合物の例には、XAuL(X:ハロゲン元素、L:有
機ホスフィン、アルキル、アルキルイソニトリル、チオ
カルバマート、β−イミノケトン、またはβ−ジケト
ン)、RAuL(R:アルキルまたはアリール、L:上記
と同じ)、 Me2AuL(Me:メチル、L:上記と同
じ)、ならびにR3 AuL(R:上記と同じ、L:上
記と同じ)がある。これらから選ばれた1種もしくは2
種以上の揮発性有機金化合物を原料として使用できる。
【0012】このような有機金化合物の具体例として
は、ジメチル金ヘキサフルオロ−2−アミノペンテン−
4−オナート [Me2Au(HFAP)]、ジメチル金ヘキサフルオ
ロアセチルアセトナート [Me2Au(HFAcAc)]、ジメチル金
トリフルオロアセチルアセトナート [Me2Au(TFAcAc)]、
ジメチル金アセチルアセトナート [Me2Au(AcAc)]、ジメ
チル金トリメチルホスフィン [Me2AuPMe3]、クロロトリ
メチルホスフィン金 [ClAuPMe3] 、クロロトリプロピル
ホスフィン金 [ClAuPPr3] などが挙げられる。
は、ジメチル金ヘキサフルオロ−2−アミノペンテン−
4−オナート [Me2Au(HFAP)]、ジメチル金ヘキサフルオ
ロアセチルアセトナート [Me2Au(HFAcAc)]、ジメチル金
トリフルオロアセチルアセトナート [Me2Au(TFAcAc)]、
ジメチル金アセチルアセトナート [Me2Au(AcAc)]、ジメ
チル金トリメチルホスフィン [Me2AuPMe3]、クロロトリ
メチルホスフィン金 [ClAuPMe3] 、クロロトリプロピル
ホスフィン金 [ClAuPPr3] などが挙げられる。
【0013】一方、この原料ガスと反応させる活性酸素
とは、酸素ラジカルまたは酸素プラズマである。酸素ラ
ジカルの発生源としてはオゾンおよびN2O が好適であ
る。また酸素プラズマは通常の高周波放電を利用した酸
素プラズマ発生器から供給することができる。
とは、酸素ラジカルまたは酸素プラズマである。酸素ラ
ジカルの発生源としてはオゾンおよびN2O が好適であ
る。また酸素プラズマは通常の高周波放電を利用した酸
素プラズマ発生器から供給することができる。
【0014】金・金酸化物混合物の成膜は通常のCVD
法と同様に実施できる。例えば、原料の揮発性有機金化
合物を原料容器に入れ、減圧下においてその金化合物の
気化に最適な温度に加熱し、発生したガスをAr、窒素等
の不活性ガスをキャリアーガスとして、基体を置いた反
応容器に導入する。
法と同様に実施できる。例えば、原料の揮発性有機金化
合物を原料容器に入れ、減圧下においてその金化合物の
気化に最適な温度に加熱し、発生したガスをAr、窒素等
の不活性ガスをキャリアーガスとして、基体を置いた反
応容器に導入する。
【0015】基体は、金・金酸化物混合物膜の熱分解温
度に耐える材料であれば何でもよい。適当な基体の例に
は、シリコンウェハー等の半導体基板、石英基板、金属
基板、セラミックス基板、耐熱製樹脂基板等の基板が挙
げられるが、これらに限られるものではなく、例えば、
立体品、管状体、棒状体などの板状以外の形態のもので
あってもよい。
度に耐える材料であれば何でもよい。適当な基体の例に
は、シリコンウェハー等の半導体基板、石英基板、金属
基板、セラミックス基板、耐熱製樹脂基板等の基板が挙
げられるが、これらに限られるものではなく、例えば、
立体品、管状体、棒状体などの板状以外の形態のもので
あってもよい。
【0016】本発明においては、金化合物のガスと同時
に活性酸素も反応容器に導入して、両者を反応させる。
活性酸素が金化合物ガスの酸化分解を促進するので、短
時間で金・金酸化物混合物膜を堆積させることができ
る。
に活性酸素も反応容器に導入して、両者を反応させる。
活性酸素が金化合物ガスの酸化分解を促進するので、短
時間で金・金酸化物混合物膜を堆積させることができ
る。
【0017】活性酸素供給源としてオゾンガスを用いる
場合は、反応容器は、抵抗加熱、高周波加熱、赤外線加
熱等基板の加熱手段を有する通常の真空容器でよい。オ
ゾンガスは、オゾナイザーで発生させ、酸素との混合状
態で反応容器に導入し、金化合物ガスと反応させればよ
く、或いは液化させたオゾンを気化させることにより得
られる高濃度のオゾンガスを反応容器に導入してもよ
い。
場合は、反応容器は、抵抗加熱、高周波加熱、赤外線加
熱等基板の加熱手段を有する通常の真空容器でよい。オ
ゾンガスは、オゾナイザーで発生させ、酸素との混合状
態で反応容器に導入し、金化合物ガスと反応させればよ
く、或いは液化させたオゾンを気化させることにより得
られる高濃度のオゾンガスを反応容器に導入してもよ
い。
【0018】活性酸素供給源がN2O ガスである場合は、
紫外線を透過させる窓を持ち、抵抗加熱、高周波加熱、
赤外線加熱等の基板加熱手段を備えた真空容器を反応容
器として用いる。金化合物ガスと共にN2O ガスをこの真
空容器に導入し、ArF レーザー光 (波長193 nm) 、波長
200 nm以下の紫外光等の活性線を照射し、N2O ガスを分
解させて活性酸素を発生させる。
紫外線を透過させる窓を持ち、抵抗加熱、高周波加熱、
赤外線加熱等の基板加熱手段を備えた真空容器を反応容
器として用いる。金化合物ガスと共にN2O ガスをこの真
空容器に導入し、ArF レーザー光 (波長193 nm) 、波長
200 nm以下の紫外光等の活性線を照射し、N2O ガスを分
解させて活性酸素を発生させる。
【0019】酸素プラズマを用いる場合は、基体の真上
に酸素プラズマを発生させ、そこに金化合物のガスを導
入することにより、基体上に金・金酸化物混合物を堆積
させることができる。
に酸素プラズマを発生させ、そこに金化合物のガスを導
入することにより、基体上に金・金酸化物混合物を堆積
させることができる。
【0020】金・金酸化物混合物堆積時の基体温度は、
100〜150 ℃程度の範囲内が好ましい。150 ℃を超える
と酸素の解離が始まり、堆積した薄膜中の金酸化物の含
有量が低下する。薄膜中の酸素含有量を増やしたい場合
にはできるだけ低温で金化合物ガスを分解するのが望ま
しい。
100〜150 ℃程度の範囲内が好ましい。150 ℃を超える
と酸素の解離が始まり、堆積した薄膜中の金酸化物の含
有量が低下する。薄膜中の酸素含有量を増やしたい場合
にはできるだけ低温で金化合物ガスを分解するのが望ま
しい。
【0021】こうして金化合物ガスと活性酸素の反応に
より金・金酸化物混合物を所望の厚みになるまで基体上
の堆積させ、金・金酸化物混合物膜を形成する。この混
合物膜はAuxOy (x= 0.4〜0.95、y=0.05〜0.6)で
示される組成を有し、実際には金(Au)と金酸化物(Au
2O3) との混合物からなる。この混合物中の金酸化物の
割合 (或いは、酸素原子濃度y値) は、基体温度、活性
酸素濃度などの条件により変動させることができる。
より金・金酸化物混合物を所望の厚みになるまで基体上
の堆積させ、金・金酸化物混合物膜を形成する。この混
合物膜はAuxOy (x= 0.4〜0.95、y=0.05〜0.6)で
示される組成を有し、実際には金(Au)と金酸化物(Au
2O3) との混合物からなる。この混合物中の金酸化物の
割合 (或いは、酸素原子濃度y値) は、基体温度、活性
酸素濃度などの条件により変動させることができる。
【0022】金酸化物は、金の融点1063℃よりはるかに
低温の200 ℃前後で融解し、酸素を徐々に解離しながら
熱分解し、金となる。従って、上記の方法で形成した金
・金酸化物混合物膜を分解温度以上に加熱して熱処理
(アニール) し、金酸化物を熱分解させると、表面が平
滑な金膜が得られる。熱処理温度は金酸化物の分解温度
以上であればよく、好ましくは 200〜900 ℃である。
低温の200 ℃前後で融解し、酸素を徐々に解離しながら
熱分解し、金となる。従って、上記の方法で形成した金
・金酸化物混合物膜を分解温度以上に加熱して熱処理
(アニール) し、金酸化物を熱分解させると、表面が平
滑な金膜が得られる。熱処理温度は金酸化物の分解温度
以上であればよく、好ましくは 200〜900 ℃である。
【0023】この熱処理は、薄膜中の金酸化物が実質的
に完全に金に転化されるまで (膜中の酸素濃度が5原子
%未満になるまで) 続けることが好ましい。熱処理時間
は加熱温度によっても異なるが、一般に 0.5〜3時間で
ある。熱処理雰囲気は特に制限されず、空気或いはその
他の酸素含有ガスのような酸化性雰囲気、Arのような不
活性雰囲気、水素のような還元性雰囲気のいずれでもよ
い。
に完全に金に転化されるまで (膜中の酸素濃度が5原子
%未満になるまで) 続けることが好ましい。熱処理時間
は加熱温度によっても異なるが、一般に 0.5〜3時間で
ある。熱処理雰囲気は特に制限されず、空気或いはその
他の酸素含有ガスのような酸化性雰囲気、Arのような不
活性雰囲気、水素のような還元性雰囲気のいずれでもよ
い。
【0024】本発明によれば、前駆膜である金・金酸化
物混合物を活性酸素との反応により形成するため、原料
の有機化合物の分解が促進され、未分解の有機化合物が
炭素分として前駆膜中に混入することが抑えられる。さ
らに、この前駆膜の熱処理中に酸素が遊離するので、前
駆膜が未分解の有機化合物を含有していても、熱処理中
に遊離した酸素によりこの残留炭素分が熱分解される結
果、炭素濃度が著しく低減した高純度の金膜を得ること
ができる。
物混合物を活性酸素との反応により形成するため、原料
の有機化合物の分解が促進され、未分解の有機化合物が
炭素分として前駆膜中に混入することが抑えられる。さ
らに、この前駆膜の熱処理中に酸素が遊離するので、前
駆膜が未分解の有機化合物を含有していても、熱処理中
に遊離した酸素によりこの残留炭素分が熱分解される結
果、炭素濃度が著しく低減した高純度の金膜を得ること
ができる。
【0025】また、前駆膜の堆積中および熱処理中に金
酸化物が一旦融解することから、形成された金・金酸化
物混合物膜および金膜は、連続性がよく、表面の平坦
性、光沢に優れている上、半導体製造工程における基板
上の微小な段差部分の埋め込みにも効果がある。
酸化物が一旦融解することから、形成された金・金酸化
物混合物膜および金膜は、連続性がよく、表面の平坦
性、光沢に優れている上、半導体製造工程における基板
上の微小な段差部分の埋め込みにも効果がある。
【0026】
【実施例】実施例1 (金化合物とオゾンとの反応による前駆膜の形
成) シリコン基板を反応容器の抵抗加熱ヒーター上に載せ、
表1に記載した揮発性の各有機金化合物を、流量10 scc
m のArをキャリアーガスとして、表1の記載の条件で反
応容器に導入し、容器内に同時に導入されたオゾン
(O3) ガスと反応させて、黄褐色の金・金酸化物混合物
膜を基板上に堆積させた。この膜中の酸素濃度のESCA分
析結果も表1に併せて示す。
成) シリコン基板を反応容器の抵抗加熱ヒーター上に載せ、
表1に記載した揮発性の各有機金化合物を、流量10 scc
m のArをキャリアーガスとして、表1の記載の条件で反
応容器に導入し、容器内に同時に導入されたオゾン
(O3) ガスと反応させて、黄褐色の金・金酸化物混合物
膜を基板上に堆積させた。この膜中の酸素濃度のESCA分
析結果も表1に併せて示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 (実施例1で得られた前駆膜の熱
処理による金膜の形成) 実施例1で得た試験No. 1の金・金酸化物混合物膜 (酸
素濃度35原子%) を、表2に示すように、種々の雰囲気
の気流中において室温から10℃/minの昇温速度で所定温
度に昇温させ、所定時間熱処理して金膜を形成した。得
られた金膜は、表面の連続性と平坦性に優れていた。こ
の金膜中の炭素濃度と酸素濃度のESCA分析結果を熱処理
条件とともに表2に示す。
処理による金膜の形成) 実施例1で得た試験No. 1の金・金酸化物混合物膜 (酸
素濃度35原子%) を、表2に示すように、種々の雰囲気
の気流中において室温から10℃/minの昇温速度で所定温
度に昇温させ、所定時間熱処理して金膜を形成した。得
られた金膜は、表面の連続性と平坦性に優れていた。こ
の金膜中の炭素濃度と酸素濃度のESCA分析結果を熱処理
条件とともに表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例1の試験No. 2〜8で形成された金
・金酸化物混合物膜も、上と同様に熱処理して、炭素お
よび酸素濃度がいずれも5原子%未満の金膜を得ること
ができた。
・金酸化物混合物膜も、上と同様に熱処理して、炭素お
よび酸素濃度がいずれも5原子%未満の金膜を得ること
ができた。
【0031】比較例1 (活性酸素の不存在下での金化合
物の分解) オゾンガスの反応容器への導入を行わなかった以外は、
実施例1の試験No. 1〜8と同様にして、各金化合物を
分解させることにより、シリコン基板上に金膜を直接堆
積させた。即ち、シリコン基板を反応容器の抵抗加熱ヒ
ーター上に載せ、各金化合物を流量10 sccm のArをキャ
リアーガスとして表3に記載の条件で反応容器に導入
し、金を基板上に堆積させた。
物の分解) オゾンガスの反応容器への導入を行わなかった以外は、
実施例1の試験No. 1〜8と同様にして、各金化合物を
分解させることにより、シリコン基板上に金膜を直接堆
積させた。即ち、シリコン基板を反応容器の抵抗加熱ヒ
ーター上に載せ、各金化合物を流量10 sccm のArをキャ
リアーガスとして表3に記載の条件で反応容器に導入
し、金を基板上に堆積させた。
【0032】得られた膜をアルゴン (Ar) 気流下、室温
から10℃/minの昇温速度で300 ℃まで昇温させ、1時間
熱処理を行った。生成した膜の性状は、微細な粒子が堆
積した状態で、表面が不連続で、平坦ではなく、電極材
料、光学材料等には適していなかった。また、この金膜
中の炭素濃度をESCAにより分析したところ、いずれの金
膜も5原子%を超えていた。
から10℃/minの昇温速度で300 ℃まで昇温させ、1時間
熱処理を行った。生成した膜の性状は、微細な粒子が堆
積した状態で、表面が不連続で、平坦ではなく、電極材
料、光学材料等には適していなかった。また、この金膜
中の炭素濃度をESCAにより分析したところ、いずれの金
膜も5原子%を超えていた。
【0033】
【表3】
【0034】実施例3 (金化合物とN2O ガスとの反応に
よる前駆膜の形成) 石英製の窓を持った反応容器の抵抗加熱ヒーター上にシ
リコン基板を載せ、表4に記載した揮発性の各有機金化
合物を、流量10 sccm のArをキャリアーガスとして、N2
O ガスと同時に表4の記載の条件で反応容器に導入し、
石英製の窓より基板に対して水平方向にArF レーザー光
(波長193 nm) を照射して、N2O ガスおよび金化合物の
分解を行い、金・金酸化物混合物の膜を基板上に堆積さ
せた。膜中の酸素濃度のESCA分析結果も表4に併せて示
す。
よる前駆膜の形成) 石英製の窓を持った反応容器の抵抗加熱ヒーター上にシ
リコン基板を載せ、表4に記載した揮発性の各有機金化
合物を、流量10 sccm のArをキャリアーガスとして、N2
O ガスと同時に表4の記載の条件で反応容器に導入し、
石英製の窓より基板に対して水平方向にArF レーザー光
(波長193 nm) を照射して、N2O ガスおよび金化合物の
分解を行い、金・金酸化物混合物の膜を基板上に堆積さ
せた。膜中の酸素濃度のESCA分析結果も表4に併せて示
す。
【0035】
【表4】
【0036】実施例4 (実施例3で得られた前駆膜の熱
処理による金膜の形成) 実施例3で得た試験No. 1の金・金酸化物混合物膜 (酸
素濃度33原子%) を、表5に示すように、種々の雰囲気
の気流中において室温から10℃/minの昇温速度で所定温
度に昇温させ、1時間熱処理して金膜を形成した。得ら
れた金膜は、表面の連続性と平坦性に優れていた。この
金膜中の炭素濃度と酸素濃度のESCA分析結果を熱処理条
件とともに表5に示す。
処理による金膜の形成) 実施例3で得た試験No. 1の金・金酸化物混合物膜 (酸
素濃度33原子%) を、表5に示すように、種々の雰囲気
の気流中において室温から10℃/minの昇温速度で所定温
度に昇温させ、1時間熱処理して金膜を形成した。得ら
れた金膜は、表面の連続性と平坦性に優れていた。この
金膜中の炭素濃度と酸素濃度のESCA分析結果を熱処理条
件とともに表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】実施例3の試験No. 2〜8で形成された金
・金酸化物混合物膜も、上と同様に熱処理して、炭素お
よび酸素濃度がいずれも5原子%未満の金膜を得ること
ができた。
・金酸化物混合物膜も、上と同様に熱処理して、炭素お
よび酸素濃度がいずれも5原子%未満の金膜を得ること
ができた。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、揮発性の有機金化合物
を活性酸素と反応させて酸化的に熱分解させることによ
り、金・金酸化物の混合物の状態で基板上に成膜が行わ
れる。この膜は200 ℃前後より高温に加熱して熱処理す
ると、酸素を遊離して金膜になる。得られた金膜は、有
機金属化合物の熱分解で直接形成した金膜に比べて、炭
素濃度が著しく低く、高純度である。また、堆積時また
は堆積後の熱処理時の金酸化物が融解するため、平坦で
連続性が良い膜組織が得られ、半導体製造工程における
基板上の微小な段差部分の埋め込みにも効果がある。
を活性酸素と反応させて酸化的に熱分解させることによ
り、金・金酸化物の混合物の状態で基板上に成膜が行わ
れる。この膜は200 ℃前後より高温に加熱して熱処理す
ると、酸素を遊離して金膜になる。得られた金膜は、有
機金属化合物の熱分解で直接形成した金膜に比べて、炭
素濃度が著しく低く、高純度である。また、堆積時また
は堆積後の熱処理時の金酸化物が融解するため、平坦で
連続性が良い膜組織が得られ、半導体製造工程における
基板上の微小な段差部分の埋め込みにも効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手計 昌之 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内 (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 基体上で揮発性有機金化合物のガスと活
性酸素とを反応させて金・金酸化物混合物膜を基体上に
堆積させることを特徴とする、金・金酸化物混合物膜の
形成法。 - 【請求項2】 揮発性有機金化合物が、XAuL(X:ハ
ロゲン元素、L:有機ホスフィン、アルキル、アルキル
イソニトリル、チオカルバマート、β−イミノケトン、
またはβ−ジケトン)、RAuL(R:アルキルもしくは
アリール、L:上記と同じ)、 Me2AuL(Me:メチル、
L:上記と同じ)、ならびにR3AuL(R:上記と同
じ、L:上記と同じ)よりなる群から選ばれる、請求項
1記載の方法。 - 【請求項3】 活性酸素がオゾン、N2O ガス、またはプ
ラズマ発生器から供給される、請求項1または2記載の
方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の方
法で形成された金・金酸化物混合物膜を加熱して金酸化
物を熱分解させることを特徴とする、高純度金膜の形成
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21053393A JPH0762544A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 高純度金膜およびその前駆膜の形成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21053393A JPH0762544A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 高純度金膜およびその前駆膜の形成法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0762544A true JPH0762544A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16590940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21053393A Withdrawn JPH0762544A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 高純度金膜およびその前駆膜の形成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762544A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022037119A (ja) * | 2017-01-26 | 2022-03-08 | エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ. | 金を含む薄膜の蒸着 |
-
1993
- 1993-08-25 JP JP21053393A patent/JPH0762544A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022037119A (ja) * | 2017-01-26 | 2022-03-08 | エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ. | 金を含む薄膜の蒸着 |
US11499227B2 (en) | 2017-01-26 | 2022-11-15 | Asm Ip Holding B.V. | Vapor deposition of thin films comprising gold |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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