JPH05330999A - TiNウイスカーの製造方法 - Google Patents

TiNウイスカーの製造方法

Info

Publication number
JPH05330999A
JPH05330999A JP16196392A JP16196392A JPH05330999A JP H05330999 A JPH05330999 A JP H05330999A JP 16196392 A JP16196392 A JP 16196392A JP 16196392 A JP16196392 A JP 16196392A JP H05330999 A JPH05330999 A JP H05330999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
weight
parts
whiskers
tin whisker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16196392A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Yoshikawa
祥一 吉川
Toru Kida
徹 喜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP16196392A priority Critical patent/JPH05330999A/ja
Publication of JPH05330999A publication Critical patent/JPH05330999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で無害な粉末原料系を用いて良性状のT
iNウイスカーを効率よく生成させることができる工業
的な製造方法を提供する。 【構成】 二酸化チタンまたは/およびチタン酸アルカ
リ金属塩からなるTi源原料 100重量部に対し、炭材原
料50〜200 重量部とFe、Ni、Coの塩化物から選ば
れた生成触媒1〜30重量部を均一に混合する。この混合
物を窒素含有ガス雰囲気中で1000〜1500℃の温度に処理
して加熱反応させる。原料系に、塩化ナトリウムの粉末
化抑制材を添加させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良性状のTiNウイス
カーを工業的に有利に生産するための製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒化チタンの針状結晶で構成されるTi
Nウイスカーは、高度の機械的強度、硬度、耐熱性、化
学的安定性に加えて優れた伝導性を有しているため特に
セラミックス物質の複合強化材として注目されており、
形成されたウイスカー強化セラミックス複合材(WRC) は
切削工具やタービンまたは内燃エンジン等の部材として
期待されている。
【0003】従来、TiNウイスカーの製造技術として
は、二酸化チタンまたチタン酸アルカリ金属塩をNaC
N、KCNといったシアン化合物と反応させる方法(米
国特許第4,883,559 号明細書)が知られている。しかし
ながら、この方法では原料成分に高価で毒性の強いシア
ン化合物を使用しなければならないため、工業生産規模
の製造技術としては条件的に不利な要素が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな特殊な原料成分を用いずに安価で無害な原料系によ
るTiNウイスカーの製造方法につき研究を重ねた結
果、粉末状Ti源原料と炭材原料とを遷移金属塩化物系
の生成触媒と混合したのち加熱窒化処理すると良性状の
TiNウイスカーが生成することを確認した。
【0005】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、安価で無害な原料系を用いて良性状のTiNウ
イスカーを効率よく生成することができる工業的な製造
方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるTiNウイスカーの製造方法は、二酸
化チタンまたは/およびチタン酸アルカリ金属塩からな
るTi源原料100重量部に対し、炭素質粉末からなる
炭材原料50〜200重量部およびFe、NiまたはC
oの塩化物から選ばれた生成触媒1〜30重量部を均一
に混合し、この混合物を窒素含有ガス雰囲気中で100
0〜1500℃の温度で加熱処理することを構成上の特
徴とする。
【0007】本発明の主原料となるTi源としては、粉
末状の二酸化チタン(TiO2)、粉末またはウイスカー状の
2 Ti6 13やNa2 Ti6 13のようなチタン酸ア
ルカリ金属塩が用いられ、それぞれ単独もしくは混合し
て使用に供する。炭材となる炭素質粉末としては、非晶
系炭素粉、黒鉛粉、粉末活性炭、カーボンブラックなど
を挙げることができるが、本来的に比表面積の大きなカ
ーボンブラックを適用することが好ましい。
【0008】生成触媒には、Fe、NiまたはCoの塩
化物が選択的に使用される。かかる遷移金属の化合物で
あっても塩化物以外のものではTiNウイスカーの生成
を促進助長させる効果は乏しい。この他、原料系には必
要に応じ粉末化抑制材としてNaCl、KClなどアル
カリ金属の塩化物を添加することができる。この成分は
加熱反応時に粉末TiNの生成を抑制する作用があって
相対的にTiNウイスカーの生成収率を向上させ、同時
に曲がりや枝分かれのない伸直性のウイスカー性状を生
成させるために有効に機能する。
【0009】上記の原料成分は、Ti源原料100重量
部に対し、炭材原料50〜200重量部、生成触媒1〜
30重量部の配合比率で均一に混合する。炭材原料の配
合量が50重量部未満ではTi源原料の窒化反応が円滑
に進行せず、また200重量部を越えると未反応の炭材
が多く残留して後処理の除去分離が煩雑となる。一方、
生成触媒の配合比率は1重量部を下廻ると触媒効果が発
揮されず、30重量部を越える配合は効果の点から不要
となり寧ろ不純物としての残留量が多くなる。粉末化抑
制材を加える場合の添加量は、Ti源原料100重量部
あたり10〜100重量部の範囲に設定することが好ま
しく、この範囲を下廻る量では効果がなく、上廻る配合
は不要となる。
【0010】原料混合物は、黒鉛材のような耐熱性材質
で構成された蓋付の反応容器に入れて加熱反応させる。
この際、原料混合物は黒鉛板の上に敷いた状態で反応容
器にセットし、蓋には窒素含有ガスが容器内を充満し、
かつ原料混合物が導入ガスにより外部に飛散しない程度
の小孔を複数個穿設しておくことが好ましい。
【0011】加熱反応は、前記の反応容器を窒素含有ガ
ス雰囲気に保持された加熱炉に移し炉を昇温させること
によりおこなわれる。窒素含有ガスとしては、N2 ガス
やNH3 ガスなどが使用される。加熱温度は、1000
℃未満では窒化反応が円滑に進行せず、また1500℃
を越える温度は反応の促進には貢献しなくなるため、1
000〜1500℃の範囲内に設定する。反応時間は加
熱温度に支配され、温度が高いほど短時間で済む。通
常、1300℃の温度では2時間程度で反応が完結す
る。
【0012】ついで、反応生成物を反応容器から取り出
して未反応の炭材成分を除去するための後処理を施す。
後処理手段としては、例えば空気中で炭材成分を燃焼除
去する方法を適用してもよいが、この場合にはTiNが
酸化されてTiO2 に転化する不都合がある。このた
め、反応生成物を有機溶媒(トルエン、軽油、灯油等)
と水からなる二相液体中に投入して激しく振盪し、非親
水性の炭材成分を有機溶媒相に、また親水性のTiN成
分を水相側に分別する液相分離法を用いることが好適で
ある。液相分離により回収したTiN成分は濾過、乾燥
したのち、湿式サイクロンなどを用いストークス径の差
を利用してウイスカーと粉末とに分離精製する。
【0013】このようにして得られるTiNウイスカー
は、直径0.05〜5μm 、長さ5〜200μm のアス
ペクト性状を有する微小針状結晶で、X線回折パターン
ではd値として2.44オングストローム、2.12オ
ングストローム、1.496オングストロームにTiN
結晶の回折線を示すものである。
【0014】
【作用】本発明によるTiNウイスカーの生成機構につ
いては未だ明確に解明されていないが、次のように推測
することができる。すなわち、ウイスカー生成はウイス
カー径が成長先端における液滴の大きさに依存するVL
S(Vapor-Liquid-Solid)機構により進行し、この生成過
程において生成触媒中のFe、Ni、Co等の金属成分
は成長活性点(液相)を形成するために機能し、同時に
塩化物を構成するCl成分がTi源からTi成分を気化
し易くする働きをする。気化したTi成分は炭材のC成
分と共に成長活性点となる液滴に固溶し、窒素系雰囲気
の作用を受けてTiNに転化しながらウイスカーとして
結晶成長する。
【0015】上記の作用が相乗して、安価で無害な固相
粉末原料系によっても良性状のTiNウイスカーを効率
よく工業生産することが可能となる。
【0016】
【実施例】
実施例1〜11 Ti源原料として試薬一級アナターゼ型の二酸化チタン
(TiO2)粉末または市販のチタン酸カリウム(K2Ti6O1 3)ウ
イスカー、炭材原料にカーボンブラック、生成触媒に試
薬特級の塩化ニッケル(NiCl2・6H2O) を乾燥して得た無
水塩化ニッケル(NiCl2) 、粉末化抑制材として試薬一級
の塩化ナトリウム(NaCl)を使用し、表1の原料系配合比
率になるように配合した。
【0017】
【表1】
【0018】配合物を均一分散するまで十分に機械的に
撹拌混合し、該原料混合物を黒鉛板の上に敷いて内径1
00mm、長さ170mmの円筒容器にセットし、側面に5
個の小孔を設けた蓋を取りつけた。この反応容器を窒素
ガス流通雰囲気に保持された高周波加熱炉に入れ、13
00℃の温度に2時間処理して加熱反応させた。
【0019】処理後の生成物を反応容器から取り出し、
プレス圧縮してウイスカー相互の融着点を切り離したの
ち灯油を満たした分液濾斗に投入した。ついで、分液濾
斗に灯油より若干多い量の水を加えて振盪処理を施し、
二液分別により水相側に移行したTiN成分を分離し、
濾過したのち真空乾燥した。引き続き湿式サイクロンに
かけ、ストークス径10μm を境とするウイスカーと粉
末とに分離精製した。
【0020】このようにして得られた各TiN生成物に
つき、Ti源中のTi成分に対する全TiNの重量収率
(TiN収率)、該全TiNに占めるTiNウイスカー
の重量比率(TiNw 収率) 、生成したTiNウイスカ
ーの性状等を測定した。その結果を実施例No. と対比さ
せて表2に示した。
【0021】
【表2】
【0022】表1の結果から、本発明の製造条件を満た
すことにより良性状のTiNウイスカーが効率よく得ら
れることが判明する。とくに粒状化抑制材を併用した原
料系では、曲りや枝分れの極く少ない優れた伸直性のT
iNウイスカーを生成することができる。
【0023】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば安価で無
害な固相原料系を用いて高品位のTiNウイスカーを効
率よく製造することが可能となる。したがって、セラミ
ックス複合強化材用のTiNウイスカーを工業的に生産
する製造技術として極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンまたは/およびチタン酸ア
    ルカリ金属塩からなるTi源原料100重量部に対し、
    炭素質粉末からなる炭材50〜200重量部およびF
    e、NiまたはCoの塩化物から選ばれた生成触媒1〜
    30重量部を均一に混合し、この混合物を窒素含有ガス
    雰囲気中で1000〜1500℃の温度に加熱処理する
    ことを特徴とするTiNウイスカーの製造方法。
  2. 【請求項2】 粉末化抑制材として、アルカリ金属の塩
    化物10〜100重量部を添加混合する請求項1記載の
    TiNウイスカーの製造方法。
JP16196392A 1992-05-28 1992-05-28 TiNウイスカーの製造方法 Pending JPH05330999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16196392A JPH05330999A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 TiNウイスカーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16196392A JPH05330999A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 TiNウイスカーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05330999A true JPH05330999A (ja) 1993-12-14

Family

ID=15745403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16196392A Pending JPH05330999A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 TiNウイスカーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05330999A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010132552A (ja) * 2010-01-27 2010-06-17 Lucelabo:Kk 遷移金属窒化物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010132552A (ja) * 2010-01-27 2010-06-17 Lucelabo:Kk 遷移金属窒化物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3202987B2 (ja) 炭化チタンウイスカーの製造方法
JPH02289497A (ja) 炭化珪素ホイスカーの製造プロセス及び種晶剤
JPS5913442B2 (ja) 高純度の型窒化珪素の製造法
US7371359B2 (en) Non-aqueous borate routes to boron nitride
JPH05330999A (ja) TiNウイスカーの製造方法
JPS62283900A (ja) AlNウイスカ−の製造方法
JPS6351965B2 (ja)
JP2598227B2 (ja) 金属及び/又は非金属の窒化物及び/又は炭化物製セラミックス用粉末のフラッシュ熱分解による製造方法及び該粉末
JPS645000B2 (ja)
JPS63239104A (ja) β相含有窒化ケイ素微粉末の製造方法
JPH02275705A (ja) 窒化ホウ素をベースにした新規材料、その製造方法及び補強剤としてのその用法
JPS644999B2 (ja)
JPH09169522A (ja) チタンの炭化物、窒化物および炭窒化物ホィスカーの製造方法
JPH02137799A (ja) 炭化珪素ウィスカーの製造方法
JPH08239300A (ja) 酸化亜鉛ウイスカの製造方法および製造装置ならびに酸化亜鉛ウイスカ
JPH05105599A (ja) TiCウイスカーの製造方法
JPH0524120B2 (ja)
JPH05279198A (ja) TiCウイスカーの製造方法
JPH05330998A (ja) TiCウイスカーの製造方法
JPH0789800A (ja) TiCウイスカーの製造方法
JPH05330996A (ja) 酸化チタン系ウイスカーの製造方法
JPS63170207A (ja) 高純度炭化けい素粉末の製造方法
JPH0791157B2 (ja) SiCウイスカーの製造方法
JPS5916968A (ja) 金属の炭化物若しくは炭窒化物の合成法
JPH0649639B2 (ja) SiCウイスカーの製造方法