JPH05330411A - 車止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 舗装や未舗装、あるいはパンチングメタル製
など床面の種類にかかわらず車両を所定の位置に止める
ための車止め装置を簡単かつ容易に固定にすることがで
きる。 【構成】 弾性材をもって長手方向の中央部に一端面か
ら他端面に貫通する中空部４を有する所定の大きさのブ
ロック体１を形成し、該ブロック体１の前記中空部４の
両端開口部近傍の内底面５にアンカーボルト８のごとき
固定部材を中空部４内に挿通させるための貫通孔６をそ
れぞれ形成し、床面に固定した固定部材の先端部を中空
部４内に嵌挿したのち、該中空部４内において固定部材
の先端部にナットなどを装着し、ナットを締め付けるこ
とによって床面上にブロック体１からなる車止め装置を
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、車両の後退もしくは
前進を所定の位置でストップさせるための車止め装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、平面的に広い駐車場は、車両
を所定位置に駐車させるため、床面に白線を描くか、ロ
ープを張るなどして区画を表示している。その際、前後
方向に位置する駐車区画のいずれか一方に駐車する車両
が不必要に後退や前進することによって前後方向におい
て接する他の駐車区画に進入して駐車中の車両を損傷し
たり、あるいはスペースを占領して他の駐車区画に駐車
せんとする車両の駐車を妨げることがないようにする目
的で、車両の後退や前進を阻止するための車止めが設け
られていることが多い。かゝる車止めは、コンクリート
製のブロック体を床面に接着剤によって固定したり、あ
るいはブロック体の一部を床面に埋め込むことによって
固定する方式が一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記のごとく車止めを
駐車場に固定して使用する方式は、比較的簡単に車止め
を設置できる点において利点を有しているが、駐車場が
未舗装の土やバラスによって構成されている場合には、
かゝる車止めの固定が容易でなく、取付け工事も大掛か
りになってコスト高となることを免れない。また、最近
多く見られる立体式の駐車場では、床面は金属製のメッ
シュ材によって形成されているが、このメッシュ材に従
来の車止めを固定することは不可能であった。

【０００４】この発明はかゝる現状に鑑み、床面の種類
に関係なく車止めを簡単かつ容易に固定することができ
る車止め装置を提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明の車止め装置は、弾性材をもって長手方向
の中央部に一端面から他端面に貫通する中空部を有する
所定の大きさのブロック体を形成し、該ブロック体の前
記中空部の両端開口部近傍の底面に固定部材を挿通する
ための貫通孔をそれぞれ形成したことを特徴とするもの
である。

【０００６】この発明において、前記ブロック体は、弾
性材からなるものであればその種類は問わないが、コス
トおよび製作の容易性からは、軟質ゴムを押出成型によ
って得たものが望ましい。また、前記ブロック体は、長
手方向の中央部に一端面から他端面に貫通する中空部を
有する所定の大きさのものであれば、特にその形状には
制限がないが、美観上の観点からは、全体がかまぼこ型
となるよう所定の長さと幅を持った平坦な底面から厚み
の方向に弧状に湾曲して断面がほゞ半円弧状をなし、こ
の半円弧状断面の中央に長さの方向に貫通する中空部を
形成したものが好ましい。

【０００７】ブロック体に形成する中空部は、当該中空
部に作業者の手先が入る程度の大きさに形成するもの
で、該中空部の底面に形成する固定部材を挿通するため
の貫通孔は、作業者が中空部内に手を入れて作業する関
係上、中空部の両端開口部の近傍とするものである。

【０００８】

【作用】この発明の車止め装置は、弾性材からなる所定
の大きさのブロック体の中央部に、長手方向における一
端面から他端面に向けて貫通する中空部を形成し、該中
空部の両端の開口部近傍の底面に固定部材を挿通するた
めの貫通孔を形成しているため、土やバラスなどからな
る比較的軟弱な路面に打ち込んだアンカーボルトなどの
固定部材の先端を前記貫通孔に嵌挿させ、中空部内にお
いて前記固定部材にナットを装着して締め付けることに
よって、床面の種類を問わず車止め部材を簡単かつ容易
に床面に固定することができる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の車止め装置の一実施例につ
いて添付の図面に基づいて具体的に説明する。

【００１０】この発明の車止め装置１は、図１に示すよ
うに軟質ゴムを押出成型によって所定形状のブロック体
１（便宜上車止め装置１と同一符号とする）に賦型した
もので、この実施例においては、全体がかまぼこ状とな
るよう所定の長さａと、幅ｂとからなる平坦な底部３を
有し、この底部３から上方、すなわち、厚みの方向に湾
曲した弧状湾曲面２を形成して前記底部３とこの弧状湾
曲面２とによってほゞ半円弧状の断面を形成したもの
で、その断面の厚みは一定のものである。

【００１１】このブロック体１の中央部には、長さ方向
に沿って一端面から他端面に向けてかまぼこ状となるよ
う所定の長さと幅を持った平坦な内底部５と、該内底部
５から上方に向けて弧状に湾曲して断面が半円弧状をな
している手先が挿入可能な中空部４が形成されているも
ので、ブロック体１の長さａは約４００ｍｍ、幅ｂは約
１００ｍｍ、高さは最高部で約１００ｍｍとし、中空部
４を形成したブロック体１の厚さが約２０ｍｍとなるよ
う内底部５の幅ｄを約６０ｍｍ、高さ（半円弧状の最高
部の高さ）ｅを約６０ｍｍとしている。なお、中空部４
の長さは前記底面３の長さａと当然同一である。

【００１２】前記ブロック体１に形成した中空部４の両
端開口部の近傍に位置する内底部５には、それぞれアン
カーボルト８などの固定部材を挿通するための貫通孔
６，６が形成されている。

【００１３】以下、この車止め装置１の床面への固定方
法について述べる。この車止め装置１は、固定する対象
物が主として土やバラス（砂利）のように充分に固めら
れていない表面に固定したり、床面がエクスパンデッド
メタルやパンチングメタルのようなメッシュの金網類を
使用している立体駐車装置などの車止めとして使用する
ものであるが、コンクリートやアスファルトのような舗
装した駐車場等にも勿論使用することができる。

【００１４】図２に示すように、表面がコンクリート舗
装されていない土のまゝの駐車場にこの車止め装置１を
固定する場合には、まず未舗装の土からなる床面７の中
にアンカーボルト８，８を打ち込み固定する。このアン
カーホルト８，８の間隔は、当然使用せんとする車止め
装置１の内底部５に形成された貫通孔６，６と対応して
いるものである。

【００１５】ついで、床面７上に突出したアンカーボル
ト８，８の先端部を、ブロック体１の内底部５に形成し
た貫通孔６，６に挿通し、先端部を中空部４内に突出さ
せ、しかるのち、中空部４の各開口部から手先を入れ、
中空部４内に突出したアンカーボルト８，８の先端部に
ワッシャ１０，１０を介してナット９，９を装着すると
共に、装着したナット９，９をスパナなどの工具を使用
して締め付け、もって床面７上にブロック体１を固定し
て車止めとするものである。

【００１６】また、図３はたとえば、パンチングメタル
のような材料からなる床面１１にこの発明の車止め装置
１を固定する方法を示したもので、ブロック体１に形成
された貫通孔６にボルト１２を挿通し、ブロック体１を
固定したい部位の床面１１に形成されている孔にボルト
１２の先端部を挿通し、床面１１の下方に突出したボル
ト１２の先端にワッシャ１４を介してナット１３を装着
し、該ナット１３を締め付けることによって床面１１上
にブロック体１を固定して車止めとしたものである。

【００１７】なお、この車止め装置１を舗装した路面に
固定する場合も前記未舗装の路面への固定方法に準じて
実施することができる。

【００１８】

【発明の効果】この発明車止め装置は、所定の幅と長さ
および高さを有する弾性材からなるブロック体の中央部
に長手方向に沿って貫通する中空部を形成し、該中空部
の両端開口部近傍の底面に固定部材を挿通するための貫
通孔を形成しているので、床面に固定したアンカーボル
トなどの固定部材の先端部をブロック体の底面部から中
空部内に挿通させ、中空部内においてナットなどを使用
して締め付けることによって、土やバラスなど未舗装の
床面を始め、舗装済の床面やパンチングメタルなどを使
用した多孔製の床面にも車止め装置を簡単かつ容易に、
しかも確固に固定することができる。

【００１９】特に、この発明の車止め装置は、ブロック
体の内部を中空としているので、弾性材と相まって優れ
たクッション性を有し、中空部の開口端部から手先を挿
入して固定作業を実施できる利点を有すると共に、押出
成型によってブロック体を成型することができるなど実
用上多大の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の車止め装置の一例を示す斜視図であ
る。

【図２】この発明の車止め装置の一使用例を示す断面図
である。

【図３】この発明の車止め装置の他の使用例を示す一部
断面図である。

【符号の説明】

１ 車止め装置 ２ 弧状湾曲面 ３ 底部 ４ 中空部 １ 内底部 ６ 貫通孔 ７ 床面 ８ アンカーボルト ９ ナット １０ ワッシャ １１ 床面 １２ ボルト １３ ナット １４ ワッシャ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性材をもって長手方向の中央部に一端
   面から他端面に貫通する中空部を有する所定の大きさの
   ブロック体を形成し、該ブロック体の前記中空部の両端
   開口部近傍の底面に固定部材を挿通するための貫通孔を
   それぞれ形成したことを特徴とする車止め装置。
2. 【請求項２】 前記中空部を有するブロック体は、合成
   樹脂もしくはゴムなどの弾性材を押出成型して形成した
   ものである請求項１記載の車止め装置。
3. 【請求項３】 前記ブロック体は、所定の長さと幅を持
   った平坦な底面から厚みの方向に弧状に湾曲して断面が
   ほゞ半円弧状をなし、この半円弧状断面の中央に長さの
   方向に貫通する中空部を形成したものである請求項１又
   は２記載の車止め装置。