JPH05330297A - 漆調転写材および漆調転写物 - Google Patents

漆調転写材および漆調転写物

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JPH05330297A
JPH05330297A JP4164093A JP16409392A JPH05330297A JP H05330297 A JPH05330297 A JP H05330297A JP 4164093 A JP4164093 A JP 4164093A JP 16409392 A JP16409392 A JP 16409392A JP H05330297 A JPH05330297 A JP H05330297A
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JP
Japan
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lacquer
resin
transfer material
base sheet
transfer
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Withdrawn
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JP4164093A
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English (en)
Inventor
Koichiro Shimamoto
功一朗 嶋本
Mitsuyoshi Taguchi
満美 田口
Hisao Kitano
尚男 北野
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本漆の外観・特性を有する漆調転写材および
漆調転写物を得る。 【構成】 黒呂漆、トリアリルイソシアヌレート、ナフ
テン酸コバルト溶液の混合液を分散して乳液をつくり、
空気を吹き込んでエマルジョン樹脂液とする。この樹脂
液を遠心分離したのち洗浄し乾燥して平均粒径0.3μmの
微粒体を得た。この微粒体100gをトルエンとメチルエチ
ルケトンの1:1混合溶液100gに加えて分散させた後、10
%メタアクリル酸メチルエステル樹脂溶液500gを加えて
塗膜層インキを得た。次いで、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの片面に離型処理が施された基体シートに
塗膜層インキをコーティングし塗膜層を設け、メタアク
リル酸ブチル樹脂共重合体からなる接着層を設けて漆調
転写材を得た。この転写材をポリスチレン成形品に転写
して美麗な格調の高い漆調のポリスチレン成形品の転写
物を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製品、木
工製品、ガラス製品、金属製品、陶磁器製品などの表面
を漆調の光沢で装飾する漆調転写材で、その漆調転写物
は、家電製品、化粧容器、装飾品として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、漆調を表現することのできる転写
材を作る方法としては、下記のような方法があった。 (1)合成樹脂塗料に適当な染料または顔料を加えて疑似
漆調の塗料を作製したのち、これを基体シートに塗布し
て乾燥し漆調転写材とする方法。 (2)漆または漆を含む合成樹脂塗料を基体シートの上に
塗布し、硬化が不完全の状態のままで一応乾燥し漆調転
写材とする方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法のうち、
(1)は漆調といえども本漆からかなりはずれた外観およ
び性質を有する転写製品を与え、(2)は未硬化漆を使用
している関係上、転写物に損傷やひび割れを生じやす
く、場合によっては漆かぶれが発生したりする欠点があ
る。
【0004】なお、(1)の漆調転写物は表面の物性、耐
候性、耐薬品性などが比較的優れている場合が多く、ま
た(2)の漆調転写物の表面は耐紫外線性、耐衝撃性が不
良であり作業性が悪いためかなり高価になるので、その
使用用途も制限されている。
【0005】本発明者らは漆調を発現させる転写材に関
して多数の実験を行い、上記のような従来技術の欠点を
解決するためには、塗膜層の微粒体の物質構造と形状が
重要な因子となりうることを究明した。そこで、本発明
者らは、これまで一般のアルケニルフェノール類は格別
に重合しやすいビニルフェノールを除いて通常の反応条
件下では重合せず、漆でさえ特別な硬化条件下で長時間
を要しないと良好な硬化重合物を与えないことが知られ
ているが、本漆の成分でもあるジヒドロキシアルケニル
ベンゼンまたはその同族体を乳化重合反応の技術を応用
することにより微粒体に誘導できることを知り、種々の
研究を重ねこの微粒体を作製しこれを用いることにより
本漆の外観・特性を有する漆調転写材および漆調転写物
の発明を完成するにいたった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、漆調転写材を、離型性を有する
基体シート上に設けられた層のうち基体シート面に近い
少なくとも一層が、ジヒドロキシアルケニルベンゼンま
たはジヒドロキシアルケノイルベンゼンを70〜100重量
%含む重合体の平均粒径が0.01〜5μmである微粒体を20
〜90重量%含有する塗膜層で構成されるように構成し
た。
【0007】この漆調転写材において、ジヒドロキシア
ルケニルベンゼンまたはジヒドロキシアルケノイルベン
ゼンが、アルケニルカテコール、アルケノイルカテコー
ル、アルケニルレゾルシン、アルケノイルレゾルシン、
ウルシオール、ビス(ヒドロキシアルケニルフェニ
ル)、ビス(ヒドロキシアルケノイルフェニル)、漆お
よびカシュー漆からなる群より選ばれた少なくとも一つ
の物質であるように構成してもよい。
【0008】また、本発明は、以上のような課題を解決
するために、漆調転写物を、離型性を有する基体シート
上に設けられた層のうち基体シート面に近い少なくとも
一層が、ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒド
ロキシアルケノイルベンゼンを70〜100重量%含む重合
体の平均粒径が0.01〜5μmである微粒体を20〜90重量%
含む塗膜層で構成された転写材を成形物に転写するよう
に構成した。
【0009】この漆調転写物において、ジヒドロキシア
ルケニルベンゼンまたはジヒドロキシアルケノイルベン
ゼンが、アルケニルカテコール、アルケノイルカテコー
ル、アルケニルレゾルシン、アルケノイルレゾルシン、
ウルシオール、ビス(ヒドロキシアルケニルフェニ
ル)、ビス(ヒドロキシアルケノイルフェニル)、漆お
よびカシュー漆からなる群より選ばれた少なくとも一つ
の物質であるように構成してもよい。
【0010】次に、本発明について詳細に説明する。離
型性を有する基体シートとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、セ
ロハン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなど
のプラスチックスフィルム、あるいはこれらと紙もしく
は金属箔との複合フィルムなどの通常の基体シートが任
意に用いられる。
【0011】基体シートに離型性を付与するために、基
体シート表面に離型処理を施したものでもよい。離型処
理としては、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、
エポキシ樹脂などの熱硬化型樹脂、またはアクリル系フ
ッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ポリ(パーフルオ
ロ)オレフィンなどのフッ素化合物系樹脂、シリコンオ
リゴマー、ワックス系オリゴマーなどを基体シートにコ
ーティングし、必要に応じて熱処理を施したり、さらに
ワックスなどをコーティングすることが行われる。な
お、配向性オレフィンや液晶オリゴマー、液晶ポリマー
などの離型性に優れたフィルムを基体シートにラミネー
トしたものでもよい。また、場合により基体シート表面
に離型しやすいような形の凹凸加工が施されたものを用
いてもよい。
【0012】ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたはジ
ヒドロキシアルケノイルベンゼンとしては種々の化合物
があるが、特にアルケニルカテコール、アルケノイルカ
テコール、アルケニルレゾルシン、アルケノイルレゾル
シン、ウルシオール、ビス(ヒドロキシアルケニルフェ
ニル)、ビス(ヒドロキシアルケノイルフェニル)、漆
およびカシュー漆からなる群より選ばれた少なくとも一
つの物質がよい。これらの物質は、アルケニル基または
アルケノイル基を有している一群の化合物の単独もしく
は二種以上の混合物である。特に、特定のアルケニル基
またはアルケノイル基がカテコール、レゾルシンまたは
ビフェノールの核に置換した物質が特に有用である。
【0013】特定のアルケニル基は、炭素原子が10〜20
個の不飽和炭化水素基であり、それは官能基としての二
重結合を1〜4個有する鎖状炭化水素で代表的な組成はCn
H2n-1、CnH2n-3 、CnH2n-5、CnH2n-7で示されるもので
あり、また特定のアルケノイル基はこれらに相当するア
シル基である。ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたは
ジヒドロキシアルケノイルベンゼンが69重量%未満の重
合体を用いても天然漆の有する光沢、色調などが得られ
にくいので70〜100重量%含有させる必要がある。
【0014】また、平均粒径が0.01μm未満の微粒体を
用いても天然漆の有する光沢、色調などを得ることがで
きず、一方平均粒径が5μmを越えた微粒体を用いると塗
膜適性および塗布作業性が悪くなり、また転写物の表面
にひび割れを生じたり表面が凸凹になったり塗膜の厚み
がばらついたりして天然漆の有する光沢、色調などが得
られにくくなるので、平均粒径が0.01〜5μmである微粒
体を用いる必要がある。
【0015】微粒体の形状が球状である方が本発明の効
果が発現しやすく、特に真球状で表面が平滑なものが最
も適している。ここでいう平均粒径とは、一次粒子の粒
径またはこれらが凝集したいわゆる二次粒子の粒径をい
う。
【0016】なお、塗膜層に含有する微粒体の量が20重
量%未満であると天然漆の有する光沢、色調などを得る
ことができず、90重量%を越えると塗膜適性および塗布
適性が著しく悪くなり、転写材塗膜のひび割れを生じた
り塗布不良が発生したりするので、含有量は20〜90重量
%が適している。
【0017】塗膜層のバインダーとしては、水性樹脂、
熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、紫外線または電子線硬化
型樹脂などの硬化型樹脂およびこれらの混合樹脂などが
用いられる。
【0018】水性樹脂としては、セルロース系樹脂、ポ
リビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂およびポリサッカライドなどがある。
【0019】熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹
脂、塩素化ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッ
ド系樹脂、ポリアミド系樹脂、炭化水素系樹脂、クマロ
ン・インデン樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビ
ニルアセタール系樹脂などがある。
【0020】熱硬化型樹脂としては、尿素系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラ
ミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ホスファゼン系硬化樹
脂、乾性油系樹脂などがある。
【0021】紫外線または電子線硬化型樹脂としては、
エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、(メタ)
アクリル酸エステル系樹脂、ウレタン系樹脂および(メ
タ)アクリレートなどのオリゴマー、モノマーなどがあ
る。
【0022】(メタ)アクリルレートとしては、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール系アク
リレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、スピロ
化合物系(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル(メタ)アクリレー
ト、シリコン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)
アクリレートなどのオリゴマー、モノマーがある。
【0023】必要ならば光増感剤または重合開始剤ある
いは架橋剤を加えてもよく、また分散剤、レベリング
剤、滑剤などの添加剤を塗料またはインキ作製時に加え
てもよい。
【0024】特に、硬化型樹脂を用いると、漆調の光沢
のみならず、耐水性、耐薬品性、硬度の強い塗膜層がで
きるのでよい。また、塗膜層に染顔料を加えて色調を調
節したり、紫外線吸収剤、酸化防止剤を加えて耐光性を
向上させると利用範囲が拡大するのでよい。
【0025】一般に、転写材は、離型性を有する基体シ
ート上に剥離層、図柄層、接着層を設けて構成されてい
るが、場合によっては本発明の塗膜層がこれらの層を兼
ねてもよく、また独立して用いられてもよく、単層でも
多層でも全面的でも部分的でもよい。塗膜層が剥離層を
兼ねる場合、あるいは剥離層の近くの層に用いられる場
合には、その効果は顕著である
【0026】図柄層は、適切な色の染顔料と塗料または
インキのバインダーとを用いて形成される。バインダー
としては、一般に熱可塑性樹脂が適し、塩化ビニル酢酸
ビニル系共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、熱可塑
ウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ゴ
ム系樹脂、塩化ポリエチレン系樹脂、塩化ポリプロピレ
ン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂などの
単独もしくは二種類以上の混合物が用いられる。特に、
図柄層を強化するには一部熱硬化型樹脂や紫外線硬化型
樹脂を用いるとよい。
【0027】図柄層の一つとして、金属蒸着図柄層を使
用してもよく、この場合は、蒸着しやすいようにまた密
着強度を向上させるために、蒸着アンカ一層を金属蒸着
図柄層の前あるいは金属蒸着図柄層の後に形成してもよ
い。蒸着アンカー層は、上記した熱可塑性樹脂、熱硬化
型樹脂など、あるいはこれらの樹脂を混合したものを主
成分として、必要に応じて染顔料を混合してもよい。金
属の蒸着は真空蒸着法、イオンプレーティング法あるい
はスパッターリング法などが適用され、金属としては特
に限定されないが、アルミニウム、ハンダ合金、スズ、
ニッケル、クロム、銅、銀、金などがよく用いられる。
【0028】接着層は、被転写体によって異なるが、一
般的に被転写体表面となじみのよいものを用いるのが得
策である。被転写体がポリスチレン成形物の場合には、
塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体樹脂またはスチレン系
共重合体樹脂を主体としたものを用いることができる。
また、被転写体がアクリル成形物の場合には、(メタ)
アクリル酸エステル系樹脂を主体としたものを用いるこ
とができる。
【0029】上記した各層は、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法、グラビア
コーター法、ロールコーター法、リバースコーター法、
コンマコーター法などのコーター法、スプレー法、刷け
塗り法などの塗布法を用いて離型性を有する基体シート
上に順次積層形成される。本転写材を用いた漆調転写物
を得るには、本転写材を成形物に重ね合わせ、加熱加圧
を行い、次いで離型性を有する基体シートを剥離する。
転写条件は特に限定されてないが、ロール転写機を用い
た場合100〜250℃で0.1〜3秒くらい、アップダウン転写
機を用いた場合100〜250℃で10秒〜2分くらいが作業性
などの点から適当である。または、樹脂の成形品を作製
する際に成形と同時に転写(成形同時転写法)して離型
性を有する基体シートを剥離して漆調転写物を得るよう
にしてもよい。
【0030】成形品の形状および材質などは特に限定さ
れないが、たとえば成形品の材質としては、プラスチッ
クスのほか、ガラス、セラミックス、金属(鉄、銅、ア
ルミニウム、ステンレススチール、その他合金など)、
木材、パーティクルボードなどがある。
【0031】
【作用】塗膜層に混入されている微粒体は、ジヒドロキ
シアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシアルケノイル
ベンゼンの重合体であるので、皮膚をかぶれさせたりす
る作業環境汚染がない。本発明は、天然漆の主成分もし
くはそれにきわめて近似な材料を用いているので、その
光沢、色調などは天然漆に非常に近いものが得られる。
また、0.01〜5μmの微粒体を用い、かつ塗膜層中に20〜
90重量%含有しているので、塗膜適性および塗布作業性
を損なうことなく天然漆の有する光沢、色調を発現する
ことができる。
【0032】
【実施例】
実施例1 アニオン界面活性剤1%を含む水溶液中に、黒呂漆(黒
ロイロウルシともいう)50部、トリアリルイソシアヌレ
ート5部、ナフテン酸コバルト溶液(コバルト含有8%)
3部の混合液を分散してミルクコーヒー状の乳液をつく
り、これを90〜100℃に保って空気を数時間吹き込んで
エマルジョン樹脂液とする。この樹脂液を遠心分離した
のちアセトンなどで洗浄し乾燥して平均粒径0.3μmの微
粒体を作製した。この微粒体100gをトルエンとメチルエ
チルケトンの1:1混合溶液100gに加えて分散させた後、
10%メタアクリル酸メチルエステル樹脂溶液500gを加え
てよく混練して塗膜層インキを作製した。次いで、厚さ
25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に
メラミン樹脂で離型処理が施された基体シートに、塗膜
層インキをロールコーターでコーティングし、乾燥して
塗膜層を設けた。次に、メタアクリル酸ブチル樹脂共重
合体からなる接着層をグラビア印刷で設けて漆調転写材
を得た。この転写材をロール転写機を用いて200℃、1秒
でポリスチレン成形品に転写して美麗な格調の高い漆調
のポリスチレン成形品の転写物を得た。
【0033】実施例2 ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシア
ルケノイルベンゼンとしてオレイルカテコールを、実施
例1と同様に反応させて粒径0.5μmの微粒体を得た。
この微粒体とアルキッド樹脂とを30:70の重量比で混合
して実施例1と同様にして漆調転写材を得た。実施例1
と同様に転写して漆調転写物が得られ、この転写物は天
然漆の有する光沢、色調を発現する美麗な表面強度の大
きな漆調のポリスチレン成形品の転写物であった。
【0034】実施例3 ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシア
ルケノイルベンゼンとしてリノレイルカテコールを、実
施例1と同様に反応させて粒径0.05μmの微粒体を得
た。この微粒体とポリエステル樹脂とを40:60の重量比
で混合して実施例1と同様にして漆調転写材を得た。実
施例1と同様に転写して漆調転写物が得られ、この転写
物は天然漆の有する光沢、色調を発現する美麗な耐候性
のよい漆調のポリスチレン成形品の転写物であった。
【0035】実施例4 ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシア
ルケノイルベンゼンとしてジオレイルビフェノールを、
実施例1と同様に反応させて粒径2μmの微粒体を得
た。この微粒体とポリアミド樹脂とを50:50の重量比で
混合して実施例1と同様にして漆調転写材を得た。実施
例1と同様に転写して漆調転写物が得られ、この転写物
は天然漆の有する光沢、色調を発現する上品な漆調のポ
リスチレン成形品の転写物であった。
【0036】実施例5 ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシア
ルケノイルベンゼンとしてジリノレイルビフェノール
を、実施例1と同様に反応させて粒径5μmの微粒体を
得た。この微粒体と酢酸・酪酸セルロース樹脂とを80:
20の重量比で混合して実施例1と同様にして漆調転写材
を得た。実施例1と同様に転写して漆調転写物が得ら
れ、この転写物は天然漆の有する光沢、色調を発現する
美麗な硬度の大きい漆調のポリスチレン成形品の転写物
であった。
【0037】実施例6 厚さ25μmのポリアミドフィルムにワックス層を設けた
後、ブチルセルソルブアセテート中に実施例1で作製し
た微粒体と熱硬化型ウレタン樹脂とが重量比で2:1にな
るように混入し混練してさらにアルミニウムキレートを
加えて得られた塗膜層インキを用いて図柄層をスクリー
ン印刷機で印刷した後、熱処理して塗膜層を設けた。次
に、茶色顔料とアマニ油変性アルキッド樹脂からなる図
柄層をオフセット印刷で設け、次に塩素化ポリプロピレ
ン樹脂からなる接着層をグラビア印刷で設けて漆調転写
材を得た。この転写材をポリプロピレン成形品にアップ
ダウン転写機を用いて180℃1分間で転写して、美麗な硬
度の大きい漆調転写物を得た。
【0038】実施例7 厚さ38ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面にメラミン樹脂からなる層を設けた基体シートに
メタアクリル酸メチル樹脂からなる剥離層を設けた後、
実施例1で作製した微粒体と電子線硬化型ウレタン樹脂
とを重量比で1:1になるように混合し、さらに赤色顔
料、紫外線吸収剤およびレベリング剤を加えて混練して
得られた塗膜層インキを用いてグラビア印刷機でパター
ンに印刷した後、乾燥して電子線照射してパターンで塗
膜層を設けた。次に、アクリルポリオールとポリイソシ
アネートからなる熱硬化ウレタン樹脂層をロールコータ
ー法で設けた後熱処理した。次いで、アルミニウムを真
空蒸着し、その後塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂を
含むメチルエチルケトン溶液を塗布してアンカー層を設
け、最後にメタアクリル酸ブチル樹脂からなる接着層を
設けて漆調のパターンを有する転写材を得た。この転写
材を成形同時転写法により転写してABS成形品に転写し
て、美麗な耐候性のよい漆調のパターンを有する転写物
を得た。
【0039】
【発明の効果】本発明は、天然漆の有する強度、光沢、
色調などを保持しつつ、しかも皮膚かぶれなどの作業環
境での困難さを排除するために研究されたものであり、
工業的に安心して使用できる漆調転写材に関するもので
ある。そして、その接着層を適宜選択することによって
あらゆる成形品に転写することが可能となったのであ
る。漆製品は、従来手作業でしか生産することができ
ず、また余りにも高価に過ぎたため特殊な目的にしか使
われなかった。これに対して本発明者らは日用品から工
業用品にわたって広く使用できるような漆調製品の需要
に対して応えるため本発明の漆調転写材とこれを用いた
転写物の開発に成功し、きわめて容易に天然漆の有する
独特の光沢、色調などの特徴のある漆調転写物が提供で
きるようになった。したがって、本発明の産業界に及ぼ
す効果は絶大なものであると確信する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性を有する基体シート上に設けられ
    た層のうち基体シート面に近い少なくとも一層が、ジヒ
    ドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシアルケ
    ノイルベンゼンを70〜100重量%含む重合体の平均粒径
    が0.01〜5μmである微粒体を20〜90重量%含有する塗膜
    層で構成されたことを特徴とする漆調転写材。
  2. 【請求項2】 ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたは
    ジヒドロキシアルケノイルベンゼンが、アルケニルカテ
    コール、アルケノイルカテコール、アルケニルレゾルシ
    ン、アルケノイルレゾルシン、ウルシオール、ビス(ヒ
    ドロキシアルケニルフェニル)、ビス(ヒドロキシアル
    ケノイルフェニル)、漆およびカシュー漆からなる群よ
    り選ばれた少なくとも一つの物質である請求項1記載の
    漆調転写材。
  3. 【請求項3】 離型性を有する基体シート上に設けられ
    た層のうち基体シート面に近い少なくとも一層が、ジヒ
    ドロキシアルケニルベンゼンまたはジヒドロキシアルケ
    ノイルベンゼンを70〜100重量%含む重合体の平均粒径
    が0.01〜5μmである微粒体を20〜90重量%含む塗膜層で
    構成された転写材を成形物に転写して得られることを特
    徴とする漆調転写物。
  4. 【請求項4】 ジヒドロキシアルケニルベンゼンまたは
    ジヒドロキシアルケノイルベンゼンが、アルケニルカテ
    コール、アルケノイルカテコール、アルケニルレゾルシ
    ン、アルケノイルレゾルシン、ウルシオール、ビス(ヒ
    ドロキシアルケニルフェニル)、ビス(ヒドロキシアル
    ケノイルフェニル)、漆およびカシュー漆からなる群よ
    り選ばれた少なくとも一つの物質である請求項3記載の
    漆調転写物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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