JPH05329970A - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents

空洞含有ポリエステル系フィルム

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JPH05329970A
JPH05329970A JP14051192A JP14051192A JPH05329970A JP H05329970 A JPH05329970 A JP H05329970A JP 14051192 A JP14051192 A JP 14051192A JP 14051192 A JP14051192 A JP 14051192A JP H05329970 A JPH05329970 A JP H05329970A
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film
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靖 佐々木
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利武 鈴木
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Katsufumi Kumano
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空洞発現剤の種類および空洞の大きさを適性
化することによって、印刷や印字、複写などの鮮明で耐
久性のあり、従来の空洞含有ポリエステルフィルムに比
べ、特に表面強度があるためラベル、伝票、宅配便の配
送伝票、複写用紙、感圧紙などの用途に好適な基材を提
供せんとするものである。 【構成】 ポリエステルに該ポリエステルに非相溶の熱
可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも1軸
に配向することにより作られる微細な空洞を含有するポ
リエステル層(A)の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂
からなる層(B)を設け、該A層の表面から3μmまで
に含まれる空洞含有率が8体積%以下であり、かつフィ
ルム全体の平均空洞含有率が10体積%以上50体積%
以下であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フ
ィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、ポスター、記
録紙、包装材料、印画紙などに用いる際、腰の強度を十
分持ち、フィルム内部に微細な空洞を多量に含有した描
画性を有するポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。合成紙の主原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられてい
るがこの中でもポリエチレンテレフタレートを代表とす
るポリエステルは、耐熱性が高い点や、腰が強いという
点で優れており、広範な用途展開が可能である。ポリエ
ステルを主原料とした紙と類似した機能を有するフィル
ムを得る方法として、従来(1)微細な空洞をフィルム
内部に多量に含有させる方法や通常の平坦なポリエステ
ルフィルムを(2−1)サンドプラスト処理や(2−
2)ケミカルエッチング処理や(2−3)マット化処理
(マット剤をバインダーとともに積層する方法)などに
よって粗面化する方法、などが開示されている。これら
の中で、(1)の微細な空洞をフィルム内部に多量に含
有させる方法には、フィルム自体を軽量化できる点や適
度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可能にな
るという利点がある。
【0003】微細な空洞をフィルム内部に生成させる方
法として、従来、ポリエステルと相溶しないポリマーを
押出機で溶融混練し、ポリエステル中に該ポリマーを微
粒子に分散させたシートを得て更に該シートを延伸する
ことによって微粒子の周囲に空洞を発生させる方法が開
示されている。空洞のために用いられるポリエステルに
非相溶のポリマー(以下、空洞発現剤と呼ぶ)として
は、ポリオレフィン系樹脂(たとえば特開昭49−13
4755号公報)やポリスチレン系樹脂(たとえば特公
昭49−2016号公報、特公昭54−29550号公
報)やポリアリレート樹脂(たとえば特公昭58−28
097号公報)など多数提案されている。これらの中で
ポリプロピレンやポリスチレンは、空洞ができやすい点
や密度が低い点、安価である点で特に好ましい。これら
のフィルムは、特に強い表面強度が要求されていたがこ
れまで改善されずにいた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前期の欠
点、即ち、空洞の大きさを適性化することによって、印
刷や印字、複写などの鮮明で耐久性のあり、腰が強くか
つ特に強い表面強度を有するラベル、ポスター、記録紙
など特に伝票、宅配便などの配送伝票、感圧紙、複写用
紙、プリンター用紙などに好適な基材を提供せんとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわちこれらを解決す
るための手段としての本発明の主旨は、ポリエステルに
該ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂が混合された重
合体混合物を少なくとも1軸に配向することにより作ら
れる微細な空洞を含有するポリエステル層(A)の少な
くとも片面に、熱可塑性樹脂からなる層(B)を設け、
該A層の表面から3μmまでに含まれる空洞含有率が8
体積%以下であり、かつフィルム全体の平均空洞含有率
が10体積%以上50体積%以下であることを特徴とす
る空洞含有ポリエステル系フィルムである。
【0006】本発明におけるポリエステルとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごと
き芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1、4ーブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重
縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポ
リエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させてからほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエ
ステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮
合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させるなどの方法によって製造させ
る。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート
あるいはポリエチレンー2、6ーナフタレートなどが挙
げられる。このポリエステルはホモポリマーであっても
よく、第三成分を共重合したものであっても良い。いず
れにしても本発明においては、エチレンテレフタレート
単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレンー
2、6ーナフタレート単位が70モル%以上、好ましく
は80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であ
るポリエステルが好ましい。
【0007】本発明に用いられるポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂は、上記したポリエステルに非相溶性
のものでなければならない。具体的には、ポリスチレン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロー
ス系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂、
ポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂が好ましい。本発明の該ポリエステルと該ポ
リエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合
体混合物は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機
内で溶融混練した後、押出して固化することによって得
られる方法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練
したものを更に押出機より溶融押出して固化する方法
や、ポリエステルの重合工程においてポリエステルに非
相溶性の熱可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得た
チップを溶融押出して固化する方法などによっても得ら
れる。固化して得られた重合体(未延伸シート)は通
常、無配向もしくは弱い配向状態のものである。また、
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂はポリエステル
中に、球状もしくは楕円球状、もしくは糸状など様々な
形状で分散した形態をとって存在する。
【0008】さらに本発明における表層のみ空洞が少な
い空洞含有フィルムを得るためには、該熱可塑性樹脂の
粒子の分散状態が厚み方向に対して分布を持ち、中心層
の粒子径に比べ、表層付近の粒子径の方が小さいような
分布になっていることが望ましい。これが重ね書き性に
有効となるようである。分散状態が厚み方向に対して分
布を持った熱可塑性樹脂の粒子を含有した該ポリエステ
ル樹脂の重合体混合物のシートは、該ポリエステルと該
熱可塑性樹脂の溶融時の粘弾性と押出条件を選ぶことに
よって得られる。たとえば、押出ダイのスリットで働く
せん断応力を通常より高くすることによって、通常は厚
み方向に均一な熱可塑性樹脂の分散状態を、表層付近に
は通常の熱可塑性樹脂よりも偏平な粒子径の粒子が存在
するような重合体混合物のシートを得ることができる。
該重合体混合物には、必要に応じて隠ぺい性や描画性を
向上させるため無機粒子を含有することができる。その
ための無機粒子としては二酸化チタン、二酸化珪素、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオ
リン、タルクなどがあげられるが特に限定されるもので
はない。
【0009】該重合体混合物には、用途に応じて着色
剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも
可能である。こうして得た重合体混合物は、更に速度差
をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに
把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や
空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーショ
ン延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。
このときに分散された該ポリエステルに非相溶性の熱可
塑性樹脂とポリエステルとの界面で剥離が起こり重合体
混合物に空洞が多数発生する。したがってポリエステル
に混合させる該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂
の量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、
重合体混合物全体に対して3重量%〜39重量%が好ま
しく、特に8〜35重量%が好ましい。3重量%未満で
は、空洞の生成量を多くすることに限界があり、目的の
柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、40重量
%以上では、ポリエステルフィルムの持つ耐熱性や強
度、特に腰の強さが著しく損なわれる。
【0010】さらにフィルム表面に塗布層を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性が改良される。該塗布層を構成する化合物としては、
ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂などの通常のポリエステルフィルムの接着性を向上さ
せる手段として開示させている化合物が適用可能であ
る。また塗布層を設ける方法としては、グラビアコート
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式など通常
用いられている方法が適用できる。塗布する段階として
は、配向処理を行う前の混合重合体物表面にあらかじめ
塗布する方法、1軸方向に配向した空洞含有フィルム表
面に塗布し、それを更に直角方向に配向させる方法、配
向処理の終了した空洞含有フィルム表面に塗布する方法
などのいずれの方法も可能である。本発明においては、
必要に応じて表層と中心層を積層したいわゆる複合フィ
ルムとしても構わない。その方法は特に限定されるもの
ではない。しかし生産性を考慮すると、表層と中心層の
原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導き未
延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させる、い
わゆる共押出法による積層がもっとも好ましい。
【0011】該重合体混合物を配向処理する条件は、腰
の強い空洞含有フィルムを得るための重要なポイントと
なる。したがって本目的を達成するための条件はたとえ
ば、もっとも一般的に行われている逐次2軸延伸工程を
例に挙げると、該重合体混合物の連続シートを長手方向
にロール延伸した後に、幅方向にテンター延伸する逐次
2軸延伸法の場合以下のようになる。ロール延伸(縦延
伸)においては空洞を多数発現させるため温度をポリエ
ステルの2次転移温度+30℃以下、倍率を2.0〜
5.0とし、テンター延伸(横延伸)においては破断せ
ずに安定製膜するため温度を80〜150℃、倍率を
2.8〜5倍とする。さらに本発明においては、延伸後
の熱処理条件を以下に述べる方法で実施することが望ま
しい。熱処理は延伸終了後、200℃以上、好ましくは
220℃以上、さらに好ましくは230℃以上で行わな
くてはならない。また、このときに3〜8%緩和させな
がら熱固定を行わなくてはならない。200℃未満また
は3%未満では150℃の熱収縮率が2%未満、好まし
くは1.7%未満、さらに好ましくは1.5%未満の空
洞含有フィルムは得られなし、重ね書き性が良好になら
ない。
【0012】かくして得られた空洞含有ポリエステル系
フィルムは、A層の表面から深さ3μmまでの層に含ま
れる空洞含有率が8体積%以下であり、かつ全体層の平
均空洞率が10体積%以上であることが必要である。A
層の表面から深さ3μmまでの表層に含まれる空洞が8
体積%より多い場合は、特に表面強度の良好なものが得
られない。また空洞率が4体積%以下であるA層の表層
部の厚みが3μmよりも薄い場合も特に表面強度の良好
なものが得られない。従って本発明では、中央部より空
洞の少ないA層の表層部分は、深さが3μm以上であ
り、そこに含まれる空洞含有率は4体積%である必要が
ある。さらに全体層としては、空洞の平均含有率が10
体積%以上である必要がある。全体層の平均空洞率が1
0体積%より少ない場合は空洞含有ポリエステル系フィ
ルム特有の柔軟性が不十分となり、また描画性、クッシ
ョン性も不足する。全体の平均空洞率は、50体積%以
下が好適であり、平均空洞率が50体積%以上の空洞含
有フィルムはそれ自体延伸工程での破断が多発するため
製造しにくく、できたフィルムも表面の強度や引っ張り
強度などが不十分となり好ましくない。
【0013】本発明のフィルムは腰が強いためヤング率
が300kg/mm2 以上が好ましい。これ未満では腰
の弱いフィルムとなってしまう。本発明の空洞含有フィ
ルムは表面粗さが1.0μm以下、好ましくは0.3μ
m以下であることが望ましい。1.0μmを越えるとプ
リンターなどで印字した場合の印字抜けの原因となりや
すい。かくして得られた空洞含有ポリエステル系フィル
ムは、従来提案されているポリスチレンやポリプロピレ
ンを空洞発現剤として用いた空洞含有ポリエステル系フ
ィルムにくらべて特に表面強度やへき開に対する強度が
優れているため、本発明の空洞含有ポリエステル系フィ
ルムを機材として用いた場合、ラベル、ポスター、カー
ド、記録用紙、包装材料、ビデオプリンター受像紙、バ
ーコードラベル、バーコードプリンター受像紙、感熱記
録紙、地図、無塵紙、表示板、白板、電子白板、印画
紙、化粧紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、カレンダ
ー、磁気カード、トレーシング紙、伝票、配送伝票、感
圧記録紙、複写用紙、臨床検査紙、パラボラアンテナ反
射板などに用いることができる。
【0014】
【作用】本発明において、ポリエステルを用いるのは、
該空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性や機械的強度
を満足させるためである。本発明において、ポリエステ
ルに該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合
し、重合体混合物を得るのは、ポリエステル中に該ポリ
エステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の微細な粒子を分散
させて、次の配向処理によって生じる空洞の核を作るた
めである。本発明において、該重合体混合物を少なくと
も一軸に配向するのは、重合体混合物に多数の微細な空
洞を発生させるためである。空洞を発生させることによ
ってフィルムは軽量化でき、作業性が良くなり、面積当
たりの価格も安くなる。また空洞を含有することによっ
て柔軟性が増し、印刷、転写を行うときに鮮明な印刷、
印字が可能となる。更に空洞を含有することによって、
光線隠ぺい性や白さが得られる。さらにフィルム表面に
も該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂に由来する
突起が多数形成され、鉛筆やボールペンによる筆記が可
能になる。本発明においてA層の表層部3μmに含まれ
る空洞の量を空洞率8体積%以下にするのは、特に表面
強度が強くなるためである。一方、全体層の平均空洞含
有率を8体積%以上にするのは、適度な描画性とクッシ
ョン性をもたすためである。 かくして得られた空洞含
有ポリエステルフィルムはポスター、ラベル、配送伝
票、バーコードラベル、受像紙などの用途に要求される
耐熱性や機械的強度に優れ伝票、配送伝票、感圧記録紙
などに用いることができるものが得られた。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。本
発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0016】1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
【0017】2)ポリスチレン系樹脂のメルトフローイ
ンデックス JIS−K7210に準じて200℃、荷重5kgで測
定した。
【0018】3)ポリプロピレン系樹脂のメルトフロー
インデックス JIS−K6758−1981に準じて行った。
【0019】4)密度 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に性格
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。
【0020】
【数1】
【0021】5)フィルムの平均空洞率 下式によって計算した。
【0022】
【数2】 ただし、
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】 上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の
真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の
値は、ポリエチレンテレフタレート1.40、一般用ポ
リスチレン1.05、ポリプロピレン0.91、アナタ
ーゼ型二酸化チタン3.9を用いた。
【0025】6)空洞含有フィルムの表層の空洞率 フィルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡で写真撮
影した後、A層の表層から深さ3μmまでの領域の空洞
をトレーシングフィルムにトレースし塗りつぶした図を
画像解析装置で画像処理を行い、空洞率を面積率で求
め、この値をそのまま体積%とし表示した。 ・使用した走査型電子顕微鏡 日立製作所製 S−510型の走査型電子顕微鏡 ・使用した画像解析処理装置 ルーゼックスIID(ニレコ株式会社)
【0026】7)空洞含有フィルムの中央部の空洞率 6)と同様の方法で中央付近の厚さ20μmの領域につ
いて求めた。
【0027】8)初期弾性率 ASTM D−882−90(A法)により測定した。
【0028】9)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmとり、200m
m間隔で印をつけ5gの一定張力下で固定し印の間隔A
を測る。続いて、無張力下で30分間、150℃の雰囲
気中のオーブンにいれた後の印の間隔Bを求め、以下の
式により熱収縮率とした
【0029】
【数5】
【0030】10)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠ぺい性が高
い。
【0031】11)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密製)を用い触針径2μm、
触針圧30mg、測定圧30mg、カットオフ0.8m
gで中心線平均厚さを測定した。
【0032】12)表面剥離強度 セロテープ(18mm幅、ニチバン製)を用い、セロテ
ープ剥離テストにより表面剥離強度を評価した。剥離角
は空洞含有フィルムを平面に保ち約150度方向で行っ
た。剥離された空洞含有フィルムの面積より、以下のよ
うに差別化した。 クラス5・・・全体が剥離した クラス4・・・ほとんど剥離した クラス3・・・半分程度、剥離した クラス2・・・ほとんど剥離しない クラス1・・・まったく剥離しない
【0033】実施例1 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂85重量%にメルトフローインデックス2.0
g/10分一般用ポリスチレン15重量%をA層の原料
とし、B層の原料としてポリエチレンテレフタレート樹
脂のみを各々別の2軸スクリュー押出機でT−ダイスよ
り290℃で溶融押出しし、静電気的に冷却回転ロール
に密着固化し、各層がそれぞれB/A/B=30/44
0/30μmの重合体混合物の未延伸シートを得た。こ
の時、T−ダイスリット感の間隔は1.0mmで、その
部分での重合体混合物の融液の平均流速は8.8m/秒
であった。引き続き該未延伸シートをロール延伸機で8
3℃で3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンターで13
0℃で3.5倍横延伸したあと235℃で4%緩和させ
ながら熱処理し、内部に多数の空洞を含有するポリエス
テルフィルムを得た。厚みはB/A/B=3/44/3
μmであった。得られたフィルムのA層の表層部の空洞
率は2体積%、全体は21体積%であった。また空洞の
少ない部分は表層から約3μmの深さまで存在してい
た。本実施例で得られた空洞含有フィルムは表面の強度
が優れ、かつ重ね書き性が良好であった。なお、本実施
例の重合体混合物の未延伸シートの断面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、中央部のポリスチレンの分散粒
子径は平均5.0μmであるのに対し、表層付近分散粒
子径は平均0.7μmであった。
【0034】実施例2 A層の原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレート樹脂に85重量%にメルトフローインデック
ス5.5g/10分の結晶性ポリプロピレン15重量%
を用いた以外はまったく同様の方法において空洞含有フ
ィルムを得た。得られたフィルムの表層の空洞率は2体
積%、中央部は28体積%であった。また空洞の少ない
部分は表層から約3μmの深さまで存在していた。本実
施例で得られた空洞含有フィルムは表面の強度が優れ、
かつ重ね書き性が良好であった。なお、本実施例の重合
体混合物の未延伸シートの断面を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、中央部のポリスチレンの分散粒子径は平
均5.7μmであるのに対し、表層付近分散粒子径は、
平均0.9μmであった。
【0035】実施例3 実施例1においてB層に二酸化チタンを5重量%加えた
以外は、まったく同様の方法において空洞含有ポリエス
テルフィルムを得た。性能面で良好なものであった。
【0036】実施例4 実施例3においてA層の原料をポリエチレンテレフタレ
ート80重量%、ポリスチレン15重量%、ルチル型二
酸化チタン5重量%にした以外はまったく同様の方法に
おいて空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。 実施例5 実施例4においてB層の原料をポリエチレンテレフタレ
ート90重量%、ルチル型二酸化チタン10重量%とし
た以外はまったく同様の方法において空洞含有ポリエス
テル系フィルムを得た。
【0037】比較例1 実施例4においてB層を設けずにA層のみのフィルムと
した以外はまったく同様の方法において空洞含有ポリエ
ステル系フィルムを得た。表面強度が若干下がり、本発
明のフィルムとしては品質不足のものであった。
【0038】比較例2 実施例4においてT−ダイスリット間の間隙を4.0m
mにし、スリット間での重合体混合物の融液の平均流速
は4.4m/秒にして、約480μmの重合体混合物の
未延伸シートを得た後、同様に延伸、熱固定した。得ら
れたフィルムの表層の空洞率は17体積%、全体は21
体積%であった。本比較例のフィルムは表面の強度は悪
かった。なお、本実施例の重合体混合物の未延伸シート
の断面を走査型顕微鏡で観察したところ、中央部のポリ
スチレンの分散粒子径は平均6.1μmで、厚み方向に
対してほぼ均一に分散していた。
【0039】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフィルム
は、従来のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤
として用いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと
同様に、軽量性、柔軟性、隠ぺい性、艶消し性、描画性
などを有していると共に、従来の空洞含有ポリエステル
フィルムに比べ、重ね書き性が良好で表面の強度のある
フィルムが得られる。従って本発明の空洞含有ポリエス
テルフィルムは、安価でラベル、ポスター、記録紙、包
装用材料などのきわめて広い分野で使用できるのみなら
ず、伝票、宅配便の配送伝票、複写用紙、感圧紙などの
用途に特に有用なフィルムが得られた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 9/00 CFD A 8927−4F // C08L 67:02 8933−4J (72)発明者 鈴木 利武 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 濱野 明人 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 熊野 勝文 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに該ポリエステルに非相溶
    の熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物を少なくとも
    1軸に配向することにより作られる微細な空洞を含有す
    るポリエステル層(A)の少なくとも片面に、熱可塑性
    樹脂からなる層(B)を設けたものであって、該A層の
    表面から3μmまでに含まれる空洞含有率が8体積%以
    下であり、かつフィルム全体の平均空洞含有率が10体
    積%以上50体積%以下であることを特徴とする空洞含
    有ポリエステル系フィルム
  2. 【請求項2】 請求項1記載のB層に無機粒子を0.5
    〜30重量%含有することを特徴とする空洞含有ポリエ
    ステル系フィルム
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002036356A (ja) * 2000-07-28 2002-02-05 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルム、熱収縮性チューブとその製造方法、およびラベルとそれを装着した容器
JP2007328150A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 白色反射フィルム

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