JPH0532943U - 空調機の天井部吹出口構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調機における天井部吹出口の外観デザイン
を周囲の天井材と同化させた吹出口構造を提供するこ
と。 【構成】 周囲の天井材１と略同一の形状・表装を有
し、かつ空気吹出口３を穿設したパネル２を周囲と凹凸
なく設置した状態で、空調機のダクト８先端のチャンバ
ー７に取付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築物における空調機の天井部吹出口の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

最近は室内装飾に趣向をこらした部屋づくりや店舗設計が盛んに行なわれてい る。しかしながら、吹出口と言えども空調機の一部であって、そのデザインは設 備メーカーによってなされる場合が多く、例えば吹出口だけがアルミフレームの ままであったり、或いは天井から突出していたりすると、折角の室内装飾もその 趣きを損なうことがあった。

【０００３】 一方、冷暖房兼用の空調機の吹出口構造として、フィン等を緩やかに揺動させ ることにより、その吹出方向を常に変化させ、室内に万遍なく冷気或いは暖気を 行き亘らせようとする構造が考案されている。 又、エネルギーを効率よく利用するために、設定温度と室温との差に応じて吹 出す風量を制御する装置を備えたものも普及している。

【０００４】 しかしながら、上記した如く構成したとしても、その吹出面積は一定であって 、冷気或いは暖気と室内空気との温度差に伴う比重差を考慮するという技術的思 想に基づいたものではなかった。そのため、風量を増加させれば必然的に風速も 大きくなり、冷房の場合には吹出口の真下だけが冷え過ぎるという問題があった 。 逆に、暖房の場合には、風量を減少させると風速も小さくなるので、室内空気 よりも軽い暖気はすぐに上昇してしまい、天井部分だけが暖かく足元は寒いとい うことも多々あった。結局、上記の如く空調効率が悪いために、室内全体の空調 には必要以上の経費をかけざるを得なかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 本考案の課題は、空調機における天井部吹出口の外観デザインを周囲の天井材 と同化させ、しかも、効率良く空調を行うことによって空調にかかる経費やエネ ルギーを削減できる、吹出口構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の要旨は、 １） 天井材と略同一の形状・表装を有するパネルに複数の空気吹出口を穿設し 、同パネルの表装面を周囲の天井材の表装面と同一高さとなるよう設置して、該 パネルの裏側に空調機のダクトを取付けたことを特徴とする空調機の天井部吹出 口構造 ２） パネルの裏面に空気吹出口の開口面積を調節するシャッターを取付けると ともに、空気吹出口の開口面積が冷房時には大きく暖房時には小さくなるよう、 シャッターを操作する温度アクチュエータを備えたことを特徴とする請求項１記 載の空調機の天井部吹出口構造 にある。

【０００７】

【作用】

本考案にかかる空調機の天井部吹出口構造は、天井材と略同一の形状・表装を 有するパネルに複数の空気吹出口を穿設し、同パネルの表装面を周囲の天井材の 表装面と同一高さとなるよう設置して、該パネルの裏側に空調機のダクトを取付 けたものであって、天井材と略同一の形状・表装を有したパネルを用いることに より、吹出口を天井材と同化させることができる。

【０００８】 又、シャッターを操作することにより、冷房の場合には空気吹出口の開口面積 を大きく、暖房の場合には逆に小さくすることができる。従って、空調に際して は、同じ風量でも室内空気よりも重い冷気は緩やかに吹出されて自重により室内 に分散し、室内空気よりも軽い暖気は強く吹出されて足元から暖房する形となる 。つまり、上記した如く冷気・暖気の特性を利用することにより、経費・エネル ギーを低く抑え、効率よく空調を行う。

【０００９】

【実施例】

実施例について、図面に基づき説明する。図１は第１実施例を示す切欠斜視図 、図２は同断面説明図、図３は同分解斜視図、図４は同空気の流れを示す説明図 、図５は第２実施例を示す分解斜視図、図６は第３実施例を示す分解斜視図、図 ７は同説明図、図８は第４実施例を示す断面説明図である。

【００１０】 第１実施例（図１〜図４参照） 本実施例では、空調機の吹出口は天井材１の一部に替えて、略同一の表装をし たパネル２を周囲の天井材１と同化するよう、凹凸なく同一面内に取付けてある 。同パネル２には複数の楕円形吹出口３を穿設してある。又、該パネル２の裏側 には、スライド自在なシャッター４が取付けられ、同シャッター４には中央部分 に大きな開口部５を設け、その周囲にパネル２の吹出口３と同一間隔で穿設され た通風口６を設けてある。

【００１１】 そして、該シャッター４を内包するようにして、前記パネル２の裏側にチャン バー７を取付け、空調機のダクト８と連通させている。又、同チャンバー７の内 側壁には、感知した温度に応じて伸縮するアーム９を有する温度アクチュエータ １０が取付けられ、該アーム９を前記シャッター４に固着している。

【００１２】 本実施例では、該温度アクチュエータ１０の作用により、シャッター４をスラ イドさせ、冷気吹出時（図４（ａ））には、パネル２の吹出口３の全てが開口し た状態となるよう、又、暖気吹出時（図４（ｂ））には、パネル２の吹出口３の うちシャッター４の中央の開口部５と連通した部分だけが開口した状態となるよ う構成している。

【００１３】 冷房の際には、パネル２の全面から冷気が吹出されることとなり、開口面積が 大きいためにその吹出速度は小さくなる。つまり、冷気が室内空気よりも重いこ とを考慮し、逆に利用して効率よく冷房を行う。（図４（ａ）） 又、暖房の際には、パネル２の中央部分だけから暖気が吹出されることとなり 、開口面積が小さいためにその吹出速度は大きくなる。つまり、暖気が室内空気 よりも軽いことを考慮し、効率よく暖房を行う。（図４（ｂ））

【００１４】 第２実施例（図５参照） 本実施例は、第１実施例とシャッターの構成を変えた例を示す。本実施例のシ ャッター１１には開口部は設けてなく、シャッター１１によりパネル２の吹出口 ３を閉塞し、開口面積を調節するよう構成されている。この場合も第１実施例と 同様に、温度アクチュエータ１０を各シャッター１１に取付けておき、暖房の際 にはシャッター１１を閉じて吹出開口面積を小さくし、冷房の際にはシャッター １１を開放して開口面積を大きくするよう設定すればよい。

【００１５】 第３実施例（図６，図７参照） 本実施例の吹出口パネル１２及びシャッター１３は、ともに円形で、しかも、 パネル１２の吹出口１４とシャッター１３の通風口１５とは同一の配置がなされ ている。そして、シャッター１３を水平面内回動させることにより、パネル１２ の吹出口１４とシャッター１３の通風口１５との連通具合を調節し、開口面積の 大きさを決定するよう構成されている。

【００１６】 第４実施例（図８参照） 本実施例の如く、シャッター１６を上方への回動自在に取付けることによって 、パネル１７の吹出口１８に至る空気の流路を制限し、もって空気吹出面積を調 節する構成にすることもできる。

【００１７】 本考案は以上説明した実施例に限定されるものではなく、シャッターの形状・ 数、通風口の配置、或いはパネルの形状や吹出口の数等は室内の広さ等の状況に 応じて適当としてよい。又、シャッターの操作には温度アクチュエータを使わな くとも形状記憶合金を用いることもできるし、空調機の操作部と連動させること もできる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように構成されているので、周囲の天井材と同化した吹 出口パネルを用いることにより室内装飾等の遜色もなく空調を施すことができる 。又、暖気・冷気と室内空気との重さの違いを考慮し、逆に利用することによっ て、空調にかかる経費・エネルギーを低く抑えながら、効率の良い空調を行うこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例を示す切欠斜視図である。

【図２】第１実施例を示す断面説明図である。

【図３】第１実施例を示す分解斜視図である。

【図４】空気の流れを示す説明図である。

【図５】第２実施例を示す分解斜視図である。

【図６】第３実施例を示す分解斜視図である。

【図７】第３実施例を示す説明図である。

【図８】第４実施例を示す断面説明図である。

【符号の説明】

１ 天井材 ２ パネル ３ 吹出口 ４ シャッター ５ 開口部 ６ 通風口 ７ チャンバー ８ ダクト ９ アーム １０ 温度アクチュエータ １１ シャッター １２ パネル １３ シャッター １４ 吹出口 １５ 通風口 １６ シャッター １７ パネル １８ 吹出口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井材と略同一の形状・表装を有するパ
   ネルに複数の空気吹出口を穿設し、同パネルの表装面を
   周囲の天井材の表装面と同一高さとなるよう設置して、
   該パネルの裏側に空調機のダクトを取付けたことを特徴
   とする空調機の天井部吹出口構造。
2. 【請求項２】 パネルの裏面に空気吹出口の開口面積を
   調節するシャッターを取付けるとともに、空気吹出口の
   開口面積が冷房時には大きく暖房時には小さくなるよ
   う、シャッターを操作する温度アクチュエータを備えた
   ことを特徴とする請求項１記載の空調機の天井部吹出口
   構造。