JPH0532884A - 熱硬化性ゴム組成物 - Google Patents

熱硬化性ゴム組成物

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JPH0532884A
JPH0532884A JP3192363A JP19236391A JPH0532884A JP H0532884 A JPH0532884 A JP H0532884A JP 3192363 A JP3192363 A JP 3192363A JP 19236391 A JP19236391 A JP 19236391A JP H0532884 A JPH0532884 A JP H0532884A
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Hitoshi Shirasaka
仁 白坂
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Hokushin Industry Co Ltd
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Hokushin Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 両末端に水酸基を有するポリオルガノシロキ
サンと両末端に水酸基を有するポリエステル又はポリエ
ーテルとを、MDIを含むのジイソシアネートで鎖延長
させた多元ブロック共重合体で混合してなる相溶化剤を
用い、過酸化物により硬化する熱加熱硫型シリコーンゴ
ムと過酸化物により硬化するポリウレタンゴムとを共加
硫してなる熱硬化型ゴム組成物。 【効果】 このゴム組成物はシリコーンゴムとウレタン
ゴムとの両者の特性を有する新規組成物であり、耐磨耗
性,機械強度及び環境安定性に優れたものとなり、各種
ゴム部材に用いて好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱硬化性ゴム組成
物に関し、特に耐摩耗性及び環境安定性に優れるように
工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリウレタンゴムは機械強度、特
に耐摩耗性に優れているが、環境安定性に劣り、弾性の
温度依存性が大きい等の問題を有している。一方、シリ
コンゴムは環境安定性に優れているが、機械強度が弱い
という問題を有している。
【0003】このため、従来においてはこれら両者の欠
点を補うべく、例えば特公昭54−43020号公報に
記載されているように、シリカ,ケイソウ土等の無機充
てん剤を用いてシリコーンゴムと熱可塑性ポリウレタン
とを混合して熱硬化性シリコーンゴム組成物を得るよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たシリコーンゴムと熱可塑性ポリウレタンとをブレンド
したものは、両者の相溶性の違いにより、均一なコンパ
ウンドを得ることが難しいという問題がある。又、高温
長時間等の条件が必要となるという問題がある。
【0005】本発明は以上述べた事情に鑑み、本来相溶
性のないポリウレタンとシリコーンゴムとを容易に均一
に混合してなり、耐摩耗性及び環境安定性に優れた新規
な熱硬化性ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱硬化性ゴ
ム組成物は、両末端に水酸基を有するポリオルガノシロ
キサンと両末端に水酸基を有するポリエステル又はポリ
エーテルとを、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)を含むジイソシアネートで鎖延長させた
多元ブロック共重合体からなる相溶化剤を用い、過酸化
物により硬化する熱加硫型シリコーンゴムと過酸化物に
より硬化するポリウレタンゴムとを共加硫してなること
を特徴とする。
【0007】以下、本発明の内容を説明する。
【0008】本発明は、相溶化剤として、両末端に水酸
基を有するポリオルガノシロキサン誘導体と、ポリエス
テルジオール又はポリエーテルジオールとをジイソシア
ネート類で鎖延長された多元ブロック共重合体を用いる
ことにより、過酸化物により硬化する熱加硫型シリコー
ンゴムと過酸化物により硬化するポリウレタンゴムとを
任意の割合で均一に混合することができ、得られた熱硬
化性ゴム組成物はシリコーンゴムとウレタンゴムとの性
状を併せ持ち、機械的強度,耐摩耗性に優れると共に環
境安定性に優れたものとなる。
【0009】以下、相溶化剤の構成成分の内容を説明す
る。
【0010】両末端に水酸基を有するポリオルガノシロ
キサンとは、下記「化1」に示す構造を有するシリコー
ン化合物を挙げることができ、具体的には「KF600
1」,「KF6002」(商品名;信越化学工業社
製),「SF8427」(商品名;東レダウコーニング
シリコーン社製)を例示することができる。またこれら
にエチレンオキシドやε−カプロラクトン等を付加した
誘導体を用いてもよい。
【0011】
【化1】
【0012】両末端に水酸基を有するポリエステルの具
体例として、ポリエチレンアジペートグリコールは「デ
スモフェン2000」(商品名;住友バイエルウレタ
ン),「ニッポラン4040」(商品名;日本ポリウレ
タン社製)を例示でき、ポリエチレンブタンジオールア
ジペートグリコールは「デスモフェン2001」(商品
名;住友バイエルウレタン社製)を例示でき、ポリεカ
プロラクトングリコールは「PCL220」(商品名;
ダイセル化学社製)を例示でき、ポリカポネートポリエ
ステルは「デスモフェン2020」(商品名;住友バイ
エルウレタン)を例示できる。
【0013】両末端に水酸基を有するポリエーテルの具
体例として、ポリテトラメチレングリコールは「PTG
2000」(商品名;保土ヶ谷化学社製),「PTMG
1000」(商品名;三洋化成社製)を例示でき、ポリ
プレングリコールは「PP2000」(商品名;三洋化
成社製)を例示できる。尚、これらの共重合体を用いて
もよい。
【0014】ジイソシアネートの具体例として、4,4
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),1,
5ナフタレンジイソシイアネート(NDI),トリレン
ジシソシアネート(TODI),トルイレンジイソシア
ネート(TDI)を例示できる。
【0015】これら構成成分を反応させて多元ブロック
共重合体が得られる。この多元ブロック共重合体の模式
図は図1に示すような構造となる。
【0016】上記多元ブロック共重合体は、特にMDI
を含むジイソシアネートで鎖延長を行った場合は、それ
自身で過酸化物による硬化が可能であり、硬化剤として
はベンゾイルペルオキシド,ジクミルペルオキシド,
2,5−ジメチル2,5−ジ(ターシャルブチルペルオ
キシ)ヘキサンジターシャルブチルオキド等を例示する
ことができる。この為、通常の界面活性剤的な相溶化剤
と異なり、極めて安定した界面を形成することができ
る。
【0017】ここで本発明で過酸化物により硬化する熱
加硫型シリコーンゴムとは、下記「化2」に示す構造を
有するビニル基を含む高重合度ポリオルガノシロキサン
を主原料として合成シリカなどの充てん剤等を混合した
ものを挙げることができ、具体例としては「SH745
U」,「SH831U」,「LS63U」(商品名;東
レダウコーニングシリコーン社製)、「KE752
U」,「KE931U」,「KE261U」(商品名;
信越化学工業株式会社)を例示できる。
【0018】
【化2】
【0019】本発明で過酸化物により硬化するポリウレ
タンゴムとは、過酸化物加硫系ミラブルウレタンエラス
トマー原料としては、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートで変性したポリエステル又はポリエーテル
ウレタン,4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
トで変性したポリエステル又はポリエーテルウレタンで
分子内に不飽和結合をもつものなどがあり、具体的には
「ウレパン640,641」)(商品名;住友バイエル
社製),「ウレタンゴムUN−168」(商品名;坂井
化学社製),「アジプレンCM」(商品名;デュポン社
製)などを例示することができる。
【0020】上記シリコーンゴムとポリウレタンゴムと
の混合割合は所望割合で任意に設定でき、上記相溶化剤
の添加量は全体の1重量%以上添加するのが好ましい。
【0021】
【実施例】次に本発明に係る熱硬化性ゴム組成物の好適
な実施例を説明する。両末端に水酸基を有するポリジメ
チルシロキサン「KF6001(信越化学社製,分子量
2000)100重量部に、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)25重量部を添加し、1
20℃で15分間反応させた後、ポリエステルジオール
「デスモフェン2001」(住友バイエルウレタン社
製,分子量2000)100重量部を加え、110℃で
3時間反応を行い、ガム状組成物の相溶化剤Aを得た。
又、過酸化物架橋タイプのミラブル型ウレタンゴム「ウ
レパン640」(住友バイエルウレタン社製)100重
量部にジクミルペルオキシド1.5 重量部を混練したもの
をウレタンゴムコンパウンドBとし、過酸化物架橋タイ
プの熱加硫型シリコーンゴム「SH831U,(東レダ
ウコーニングシリコーン社製)100重量部に、2,5
ジメチル2,5ジ(ターシャルブチルペルオキシ)ヘキ
サン50%ペーストRC−4」(東レダウコーニングシ
リコーン社製)0.75部混練したものをシリコーンゴムコ
ンパウンドCとする。以上の相溶化剤A,ウレタンゴム
コンパウンドB及びシリコーンゴムコンパウンドCを下
記「表1」に示す割合で混合させ、種々の共加硫熱硬化
性ゴム組成物を得た。
【0022】コンパウンドB及びCの混合はオープンロ
ールにより行った。コンパウンBをロールに巻き付け、
相溶化剤Aを添加し、2分間混練した後、コンパウンド
Cを投入した。約5分間の混練で実施例1及び2は均一
なコンパウンドを形成した。しかしながら相溶化剤を含
まない比較例1では、約60分の混練後も良好なコンパ
ウンドを形成することはできなかった。得られた各種組
成物を、厚さ2mmの平板をプレス成形165℃で15分
間、加熱により作製し、物性値を測定した。この測定結
果を下記「表1」に示す。
【0023】プレス成形品は実施例1及び2については
平滑な鏡面であったのに対し、比較例1のものは梨地様
の不均一なものであった。また実施例1及び2の成形品
を破断した場合、そのきれいな破断面であるのに対し、
比較例1のものはささくれ状であり、混合の不均一性が
確認された。
【0024】このようにして得られた熱硬化性ゴム組成
物は耐摩耗性、機械特性及び環境安定性に優れたものと
なり、各種ゴム部材に応用できる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱硬化性ゴム組成物はシリコーンゴムとポリウレタンゴ
ムとの特性を併有することとなり、耐摩耗性,機械強度
に優れると共に環境安定性があるという従来にない新規
な化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相溶化剤の模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端に水酸基を有するポリオルガノシ
    ロキサンと両末端に水酸基を有するポリエステル又はポ
    リエーテルとを、4,4−ジフェニルメタンジイソシア
    ネート(MDI)を含むジイソシアネートで鎖延長させ
    た多元ブロック共重合体からなる相溶化剤を用い、過酸
    化物により硬化する熱加硫型シリコーンゴムと過酸化物
    により硬化するポリウレタンゴムとを共加硫してなるこ
    とを特徴とする熱硬化性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱硬化性ゴム組成物にお
    いて、上記過酸化物により硬化するポリウレタンゴム
    が,ポリエステルジオール又はポリエーテルジオールを
    主成分とし、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
    ト(MDI)を含むジイソシアネート系化合物により鎖
    延長されてなるポリウレタン組成物であることを特徴と
    する熱硬化性ゴム組成物。
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