JPH0532832B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカセツトの改善に関するもので、特に
テープカセツト等のカセツトに関する。

従来例の構成とその問題点 近年、テープカセツトを用いた磁気録音は高性
能化、高密度化の傾向にあり、テープが外気にふ
れたり、指がふれて指紋がつくことを防ぐ必要が
でてきた。従つてカセツトの前面の開口部に蓋を
つけることが考えられビデオカセツト等では既に
実施されている。このようなものを音響用カセツ
トにも適用しようとするときは更に構造が簡単で
かつ安価に実施できるものが望まれる。

発明の目的 本発明は上記従来の問題点を解消するもので、
極めて簡単な構成で確実な動作をする蓋を設けた
カセツトを提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は上下に稜部をもつ開口部を一側面に有
するカセツト本体と、このカセツト本体の開口部
を開閉するコ字状蓋体とでカセツトを構成し、コ
字状蓋体側面に設けた左右各１個の回動支軸と、
カセツト本体に設けた該回動支軸の嵌合する後方
に向つて先細となる略三角形状の左右各１個の嵌
合孔と、該回動支軸をカセツト後方に附勢する附
勢手段とからなり、蓋体内面から回動支軸までの
距離を、カセツト前面全厚のほぼ1/2で構成した
カセツトである。

実施例の説明 第１図は本発明の一実施例におけるカセツトの
閉状態を示す側面図、第２図はその開状態を示す
側面図である。第１図、第２図において、１はカ
セツト上ハーフ、２はカセツト下ハーフ、３はカ
セツト前面の開口部、４はカセツト蓋、５はカセ
ツト蓋４の回動支軸、６はカセツト蓋前方側面に
設けた蓋開閉用突起、７はカセツト蓋回動支軸５
の嵌合孔で、カセツト上ハーフ、カセツト下ハー
フの突き合せ部に後方に向つて先細となる略三角
形状に形成されている。このようにカセツト上下
ハーフを突き合せて嵌合孔を形成することにより
嵌合孔を容易に形成することができる。８はカセ
ツト下ハーフ２と一体的に形成されたばね掛け用
のピン、９はカセツト蓋回動支軸５にその一端を
掛けられたばねで、常にカセツト蓋４を後方に附
勢している。

第３図はカセツトの内部を示す上面図で、リー
ル・ツウ・リールのテープ１０が収納されている
所を示す。第４図は蓋の要部詳細を示す側断面図
で、Ｈはカセツト前部の全厚、Ｌは蓋４の内面か
ら回動支軸５までの距離を示す。第５図はカセツ
トレコーダに挿入、排出と連動して自動的に蓋の
開閉が行われる所を示す要部側断面図で、１１は
カセツト挿入孔、１２はカセツト挿入案内部、１
３は挿入案内部内側面に設けた蓋開き用斜面をも
つた突起、１４はカセツト排出時に開状態にあつ
たカセツト蓋を閉じるための係合部である。

以上のように構成された本実施例のカセツトの
動作について説明する。まず第１図の閉状態にあ
るカセツトの蓋を開くには、蓋４の前方下縁を上
方に押し上げてやればよい。蓋４はばね９によつ
て後方に附勢されているから蓋４はカセツト開口
部前面上側稜部を摺動しながら上昇するとともに
回動し、ばね９の力は最大値に近づき、ほぼ半分
以上上昇すると、貯えられたばね力で自ら開口部
前面上側稜部を摺動して素早く時計方向に回動
し、カセツト上面に密着するようにして納まる。
閉じるときは第２図の状態にあるカセツト蓋４を
カセツト上ハーフ１に沿つて前方に移動させてく
ると、前回と逆の動きをして開口部を閉じるよう
にして納まり第１図の状態となる。尚、開口部前
面上下の稜部は厳密なエツジ状である必要はな
く、蓋の開閉途中でばねの変形が増大するもので
あればよく、小さな面取りや丸みづけがあつても
さしつかえない。

また、蓋は下方に開くことも可能だが実際の機
器で用いるときはカセツトを裏返して使用し、蓋
４は常に上方に開くようになる。これらの開閉動
作は第５図のようなカセツト挿入案内部を用いる
ことでカセツトの挿入、排出動作と連動して自動
的に行わせることができる。即ち挿入案内部１２
の側面に設けた傾斜突起１３によつて、蓋側面に
設けた突起６の下端を押上げて開き、排出時は開
いた状態の蓋４の後部が案内部１２の係合部１４
と衝合内面から回動支軸までの距離Ｌとの関係を
ほぼＬ＝１／2Hとすることで開状態では蓋４は
完全にカセツト上面或は下面に密着して安定させ
ることができる。又嵌合孔７の最右端の位置は回
動支軸が常にカセツト厚さの中央にくる様にカセ
ツト厚さの中央にあるとともに閉状態での蓋４の
開口面との密着を許すように密着状態でわずかの
すき間があるようにするとよい。

尚、上記のようにこのカセツトは裏返しても使
えることを考慮しているので、蓋体開閉用突起は
上下対称形であることが望ましい。

そのうえで、上記の実施例は、蓋が一方のみに
開くようなカセツトにも応用できるのは勿論であ
る。

発明の効果 本発明は一側面に開口部とその上下に稜部をも
つたカセツト本体と、このカセツト本体の開口部
を開閉するコ字状蓋体とで、カセツトを構成し、
コ字状蓋体側面に設けた左右各１個の回動支軸
と、カセツト本体に設けた該回動支軸の嵌合する
後方に向つて先細となる略三角形状の左右各１個
の嵌合孔と、該回動支軸をカセツト後方に附勢す
る附勢手段とからなり、蓋体内面から回動支軸ま
での距離を、カセツト前面全厚のほぼ1/2に構成
することにより、カセツト前面の開口部蓋体の開
閉をクリツク感をもつて節度よく確実に行わせる
とともに、開状態における蓋もカセツト上面に密
着して納まるため、デツドスペースを生ずること
なく、実用価値の高いカセツトを実現できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるカセツトの
閉状態を示す側面図、第２図はその開状態を示す
側面図、第３図はカセツトの内部を示す上面図、
第４図は要部を示す側断面図、第５図はこれを用
いるカセツトレコーダのカセツト挿入部の要部を
示す側断面図である。 １……カセツト上ハーフ、２……カセツト下ハ
ーフ、３……開口部、４……蓋、５……蓋回動支
軸、７……嵌合孔、９……ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下に稜部をもつ開口部を一側面に有するカ
   セツト本体と、該開口部を開閉するコ字状蓋体と
   からなり、コ字状蓋体側面に設けた左右各１個の
   回動支軸と、カセツト本体に設けた該回動支軸の
   嵌合する後方に向つて先細となる略三角形状の左
   右各１個の嵌合孔と、該回動支軸をカセツト本体
   後方に附勢する附勢手段とからなり、蓋体内面か
   ら回動支軸までの距離を、カセツト前面全厚のほ
   ぼ1/2としたことを特徴とするカセツト。 ２ カセツト本体を上下各ハーフを突合せること
   によつて構成し、上下ハーフ突合せ部で蓋体の回
   動支軸を保持する嵌合孔を形成するようにしたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のカセ
   ツト。 ３ 蓋体は前方側面に上下対称な該蓋体の開閉用
   突起部を有することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のカセツト。 ４ カセツト本体内に磁気テープ、磁気デイスク
   等の記録再生用媒体を収納したことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のカセツト。