JPH053275B2 - - Google Patents

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JPH053275B2
JPH053275B2 JP60206677A JP20667785A JPH053275B2 JP H053275 B2 JPH053275 B2 JP H053275B2 JP 60206677 A JP60206677 A JP 60206677A JP 20667785 A JP20667785 A JP 20667785A JP H053275 B2 JPH053275 B2 JP H053275B2
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Yoshinori Kuboki
Daizaburo Fujimoto
Hideki Aoki
Keijiro Fujita
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Dental Chemical Co Ltd
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Dental Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本願発明は酵素の安定固定化に関する。詳しく
は不安定なデキストラナーゼの活性を持続させる
ため、ハイドロキシアパタイトに固定化すること
に関する。 適当な工業用材に安定固定化したデキストラナ
ーゼは、デキストラン分解リアクター用として醗
酵工業に、またデキストラナーゼを安定固定化し
たハイドロキシアパタイトは歯磨組成物のような
口腔用薬剤分野において重要な役割を果す。 (従来の技術) デキストラナーゼはデキストラン分解能にもと
ずく、歯垢溶解作用を有することから、虫歯予防
用歯磨組成物の重要な構成々分として使用されて
いる。しかるに、デキストラナーゼは比較的不安
定で分解し易く、歯磨き組成物に配合された時点
から、実用に供されるまでの経時変化により、急
速な失活はさけられない。従来その防止法として
種々な方法が提案されている。例えば、歯磨組成
物中の発泡成分であるアニオン活性剤によるデキ
ストラナーゼの分解を防止する目的で、テルペン
系炭化水素、脂肪族アルコール系香料の配合(特
許第802787号公報)、ゼラチンの併用(特許第
924229号公報)、カルボンとl−メントールとの
一定比率の併用(特開昭56−110609号明細書)、
あるいは、主研磨剤として酸化アルミニウムの配
合(特開昭56−63915号明細書)などがある。歯
磨は口腔内で使用するものであるから、配合製剤
は使用感にすぐれていなければならない。この面
からデキストラナーゼ安定化用配合剤の選択は、
或程度の制限が加わる。又各種安定化成分の作用
効果は使用歯磨組成々分によつても差が生じる。
従来の配合成分の選択によるデキストラナーゼ安
定化は満足な方法であるとはいえない。 (発明が解決しようとする問題点) 一方、歯磨組成物配合用研磨剤成分として、硬
度が歯牙と同等であるハイドロキシアパタイトが
歯牙の清掃保存の上から好ましいことが知られて
いる(特開昭56−73014号明細書)。よつて、従来
口腔用組成物配合剤として重要されて来たデキス
トラナーゼをハイドロキシアパタイトに固定化す
ることができれば、従来のデキストラナーゼ安定
化成分を配合する必要がなく、安定化剤を配合し
た歯磨より効果のすぐれた良好な製品がえられる
であろうとの考えにもとずき、デキストラナーゼ
のハイドロキシアパタイトへの固定化について
種々検討を加え、デキストラナーゼのハイドロキ
シアパタイトへの固体化に成功した。即ち、本願
発明はデキストラナーゼを安定に固定化したハイ
ドロキシアパタイト、およびその調製方法の提供
を目的とするものである。 (問題点を解決するのための手段) 本願発明はハイドロキシアパタイトに蛋白質を
吸着させさらにデキストラナーゼをこれに結合さ
せることにより安定かつ不溶化デキストラナーゼ
固定化酵素を与える方法を提供するものである。
より詳しくは水媒体中において、蛋白質、デキス
トラナーゼおよびハイドロキシアパタイトを混合
撹拌しながら、これにグルタルアルデヒドのよう
な2官能性物質を徐々に添加するか、又は蛋白質
を吸着させたハイドロキシアパタイトを水媒体中
に懸濁させデキストラナーゼを加えた後撹拌下に
グルタルアルデヒドのような2官能性物質を徐々
に添加することによつてえられる。かくしてえら
れたデキストラナーゼ固体化ハイドロキシアパタ
イトは酵素活性の失活が少ない上長期にわたり酵
素活性を保持することに加え、その酵素活性は生
成直後より時間と共に上昇しある期間で最高の活
性を示すようになりその後極めて徐々に活性を低
下することを認めた。 本願発明に用いられる蛋白質はハイドロキシア
パタイトに吸着力の強い、リゾチーム、カゼイ
ン、アルブミン、チトクロム−Cなどである。こ
れら蛋白質の種類によつてハイドロキシアパタイ
トのデキストラナーゼ固定化力に差異を生じる。
例えば、ハイドロキシアパタイトに対する吸着力
の弱い蛋白質、γ−グロブリン、トリプシン等、
或はハイドロキシアパタイトに吸着しない蛋白
質、トリプトフアンなどは、本発明に使用するこ
とはできない。これらの蛋白質を用いて、本方法
を実施してもハイドロキシアパタイトにデキスト
ラナーゼが固定化されず固定化酵素をえることが
できないからである。又、ハイドロキシアパタイ
トに吸着する蛋白であつても、蛋白の種類により
ハイドロキシアパタイトへの固定化力を相異す
る。好ましい蛋白質はチトクロム−C又はリゾチ
ームである。 本願発明においてデキストラナーゼのハイドロ
キシアパタイト固定化に関与するアルデヒドは2
官能性であれば差支えないが、グルタルアルデヒ
ドの使用が好ましい。 又本願発明に使用するハイドロキシアパタイト
は通常歯磨組成物に使用するもので差支えないが
粒径2μ〜200μの粉末が好ましい。 デキストラナーゼと蛋白質との使用比は、重量
でほぼ等量であれば支障ないが極端な使用量の差
は避けるべきである。なおハイドロキシアパタイ
トの使用量は総蛋白質重量に対し10〜100倍量で
あり、固形物含量が4〜20%になるように水又は
0.01モル〜0.05モル濃度の緩衝溶液を添加する。
固定化処理はPH5.6から9.0の範囲で行われる。PH
5.6より低いPHではハイドロキシアパタイトの分
解を生じ、PH9.0以上では蛋白質の吸着、酵素活
性ともに好ましくない。固定化に好ましいPHは中
性付近である。グルタルアルデヒドの使用量はえ
られる固定化酵素の活性に重要な影響を及ぼす、
適当な量は蛋白質の種類により変化するがデキス
トラナーゼmg当り、0.2%グルタルアルデヒド溶
液1〜100μであり過剰のグルタルアルデヒド
の使用は固体化酵素の活性を著しく低下させ場合
によつては活性を失わせる。固体化処理の温度は
4℃前後が好適であり、この温度で5時間反応系
を撹拌すれば反応はほヾ完結する。蛋白質を吸着
させたハイドロキシアパタイトを使用する場合も
上記に示した条件に準じて実施すればよい。 (作用) 従来、酵素が或る種の蛋白質を担体として吸着
され易いこと、ハイドロキシアパタイトが蛋白質
が吸着すること、さらに或種の酵素と蛋白質が二
官能性物質によつて架橋反応を生じることは知ら
れている。 本願発明で、デキストラナーゼが如何なる機構
によつてハイドロキシアパタイトに固定化される
か明らかでないが、ハイドロキシアパタイトの吸
着性と、デキストラナーゼ−蛋白質の架橋反応性
とが本願発明のデキストラナーゼのハイドロキシ
アパタイト固定化に関与しているものと推定され
る。 以下に本願発明を実施例で具体的に説明する。 実施例 (A) デキストラナーゼの固定化方法 デキストラナーゼ50mg、リゾチーム50mgを混
合し、これにハイドロキシアパタイト粉末5
g、0.05モル濃度PH6.8リン酸カリ緩衝溶液50
mlを添加し、さらにグルタルアルデヒド0.2%
水溶液125μを添加して4℃で5時間撹拌を
続行する。反応物を取し、上記緩衝溶液100
mlで3回洗浄して未乾燥固定化ハイドロキシア
パタイトをえた(場合によつては、このまゝ使
用してもよい)。これを凍結乾燥してデキスト
ラナーゼ固定化ハイドロキシアパタイト粉末
5.07gをえた。この未乾燥固定化ハイドロキシ
アパタイト1mlを遠心分離してえた沈殿物に1
モル濃度のPH6.8リン酸カリ緩衝溶液2mlを加
え3時間撹拌して吸着蛋白質を脱着し、遠心分
離し、沈殿を同じ緩衝溶液で洗浄して、洗液と
液を合しローリイ法により吸着蛋白質量を測
定した。その結果乾燥ハイドロキシアパタイト
g当り、吸着蛋白質量13.77mgであると示した、
尚使用したハイドロキシアパタイトの同様の分
析結果は、蛋白質を認めなかつた。 蛋白質、グルタルアルデヒド添加量、を変え
て行つた実験結果を表−1に示した。 (B) 固定化ハイドロキシアパタイトのデキストラ
ナーゼ活性 1%デキストラン溶液10mlにAでえた未乾燥
固定化ハイドロキシアパタイト1mlを加え、37
℃、2時間撹拌後溶液に生成したグルコース量
をグルコースオキシダーゼ法で定量した。この
値をハイドロキシアパタイトに吸着固定化した
蛋白質g当りに換算して各固定化実験でえられ
た固定化ハイドロキシアパタイトの活性値とし
た。又各条件で放置後の活性値の変化を測定し
た。対照としてデキストラナーゼ単体を使用し
た。その結果を表−2に示したが固定化酵素は
生成直後より活性が上昇し、ある時間後に最高
値を示しその後徐々に活性を低下することを認
めた。 (C) ハイドロキシアパタイトに対する固定化蛋白
質の吸着力 ハイドロキシアパタイトを充填した径1cm、
長さ40cmのカラムにデキストラナーゼ単体を添
加し、流出水に蛋白質の流出が確認されなくな
るまで水で洗浄したのち、1ミリモルから1モ
ルまでの濃度のPH6.8リン酸カリ緩衝液を流し、
蛋白質の流出し初めた塩濃度をハイドロキシア
パタイトのデキストラナーゼへの吸着力とした
(対照)。蛋白質を変えてAの方法でえた固定化
ハイドロキシアパタイト2c.c.を径1.6cmのカラ
ムに充填し上記と同様の操作を行い、夫々最初
に蛋白質の流出した濃度を測定して固定化蛋白
質の吸着力とした。えられた結果を表−3に示
したが、固定化に使用した蛋白質の異いによ
り、えられた固定化蛋白質のハイドロキシアパ
タイトへの吸着力は相異するが、いずれも対照
に比しハイドロキシアパタイトに対する吸着力
が著しく強い。従つて本方法によりえられた酵
素固定化ハイドロキシアパタイトは、水溶液中
でも酵素を脱着することなく安定に長時間使用
できる。特に蛋白質としてリゾチームを使用し
たものはハイドロキシアパタイトとの吸着力が
強いので好ましい。 (発明の効果) 本願発明の方法によれば、きわめて簡単な方法
によつて不安定なデキストラナーゼを固定化で
き、取扱いが簡単になり、蛋白質の種類を変える
ことにより固定化能を変化させえる利点を有して
いる。
【表】
【表】 対照とはデキストラナーゼ単体
表−3 ハイドロキシアパタイトの吸着力 担 体 流出濃度 対 照 0.08モル リゾチーム 0.18モル アルブミン 0.12モル カゼイン 0.15モル 担体とは固体化に使用した蛋白質。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハイドロキシアパタイト及びリゾチーム、カ
    ゼイン、アルブミン及びチトクロム−Cから選ば
    れた蛋白質及びデキストラナーゼの等量を含む水
    溶液に、2官能性アルデヒドを作用させてハイド
    ロキシアパタイトにデキストラナーゼを安定に固
    定化したハイドロキシアパタイトの調製法。 2 蛋白質としてリゾチームを使用する特許請求
    の範囲第1項による調製法。
JP60206677A 1985-09-20 1985-09-20 デキストラナーゼを安定に固定化したハイドロキシアパタイトの調整法 Granted JPS6269988A (ja)

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