JPH05326453A - マイクロ波プラズマ処理装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ処理装置

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JPH05326453A
JPH05326453A JP4288316A JP28831692A JPH05326453A JP H05326453 A JPH05326453 A JP H05326453A JP 4288316 A JP4288316 A JP 4288316A JP 28831692 A JP28831692 A JP 28831692A JP H05326453 A JPH05326453 A JP H05326453A
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JP
Japan
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wafer
plasma
sample
reaction chamber
microwave
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Application number
JP4288316A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Ono
勝之 小野
Yoshiyasu Maehane
良保 前羽
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 反応器11内が主にプラズマを生成するプラ
ズマ室20とウエハSが配置される反応室21とにメッ
シュ構造の仕切り板17で仕切られ、ウエハSを試料台
26から浮かせて支持するための治具24が反応室21
に配設されているマイクロ波プラズマ処理装置。 【効果】 裏面のエッチング処理に関し、大口径のウエ
ハにおける面内均一性を維持しながら、表面と裏面とを
同時にプラズマ処理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマ処理装置に関
し、より詳細には主として試料としての半導体基板等の
ウェハの両面を同時に処理するのに適したCVD(Chem
ical Vapour Deposition) 装置あるいはエッチング装置
等として用いられるマイクロ波プラズマ処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ウエハ上に半導体デバイスを作製するプ
ロセスの中には酸化膜や窒化膜をウエハ上に成膜させる
プロセスがある。このプロセスのいくつかはバレル型の
成膜装置を用いて行われるために、ウエハの両面に成膜
処理が施される。しかし裏面に成膜したままで後加工を
行っていくとウエハに応力による歪みが生じ、この歪み
がウエハ表面のデバイスに悪影響を与える。したがって
後加工に先立ち、不要な裏面の膜を取り除いておく必要
がある。
【0003】この不要な裏面の膜を取り除く方法として
は、バレル型の装置によりウエハの表面をエッチングす
る際に同時に裏面もエッチングしてしまう方法、裏面の
みを研磨装置によって機械的に削り取る方法等がある。
【0004】図8は上記バレル型マイクロ波プラズマ処
理装置を概略的に示した断面図であり、図中65は反応
室を示している。反応室65の側壁の一部には排気口6
6が形成され、反応室65の上部にはガス導入管61が
形成されており、ガス導入管61の近傍には上部電極6
2が配設されている。反応室65内における上部電極6
2と対向する箇所には複数枚のウエハSが縦方向に載置
されており、またこれと対向するように反応室65外の
下方には下部電極63が配設され、下部電極63には高
周波電源64が接続されている。
【0005】このように構成されたバレル型マイクロ波
プラズマ処理装置を用いて試料Sの表面及び裏面にエッ
チング処理を施す場合、まず試料台67にウエハSを縦
に載置し、次いで反応室65内を所定の真空度に設定し
た後、ガス導入口61から所望のガスを供給する。次に
高周波電源64を用いて上部電極62と下部電極63と
の間に高周波を印加してプラズマを発生させ、ウエハS
にエッチング処理を施す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したバレル型マイ
クロ波プラズマ処理装置においては、ウエハが大口径に
なるにつれて、ウエハ面内における均一性及びウエハ間
における均一性を維持することが難しいという課題があ
った。また機械的に削る場合、ウエハに歪みが生じ易い
という課題があった。さらにウエハがプラズマに直接曝
され、プラズマ中の荷電粒子によってダメージを受ける
おそれがあり、半導体デバイスの高集積化に対応したウ
エハが得られ難いという課題があった。
【0007】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、大口径ウエハにおける面内均一性がよく、ウ
エハの表面と裏面とを同時にプラズマ処理することがで
き、プラズマによって生じるウエハのダメージを軽減す
ることができるマイクロ波プラズマ処理装置及びプラズ
マ処理方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るマイクロ波プラズマ処理装置は、マイク
ロ波発振器と、マイクロ波を伝送する導波管と、該導波
管に接続された誘電体線路と、該誘電体線路に対向配置
されたマイクロ波導入窓を有する反応器と、該反応器内
を主にプラズマを生成するプラズマ室と試料台が載置さ
れる反応室とに仕切るためのメッシュ構造の仕切り板と
を備えたマイクロ波プラズマ処理装置において、試料を
試料台から浮かせて支持する治具を前記反応室内に備え
ていることを特徴としている(1)。
【0009】また上記(1)記載の装置において、仕切
り板と試料との距離をd、試料を挟んで仕切り板と反対
側にある試料台と試料との距離をDとすると、d<Dな
る位置に前記試料を保持する治具を備えていることを特
徴としている(2)。
【0010】また本発明に係るマイクロ波プラズマ処理
装置は、マイクロ波発振器と、マイクロ波を伝送する導
波管と、該導波管に接続された誘電体線路と、該誘電体
線路に対向配置されたマイクロ波導入窓を有するプラズ
マ室とを備えたマイクロ波プラズマ処理装置において、
前記プラズマ室にプラズマ引き出し管を介して反応室が
連結され、前記プラズマ引き出し管にはメッシュ構造の
仕切り板が内装される一方、前記反応室内には試料を浮
かせて支持する治具が配設され、前記プラズマ引き出し
管から前記反応室にラジカルが前記治具に支持された試
料に対して略平行に導入されるように構成されているこ
とを特徴としている(3)。
【0011】また上記(3)記載の装置において、試料
を加熱するランプが治具に支持された試料の上方及び/
または下方に配設されていることを特徴としている。
【0012】
【作用】上記(1)の構成によれば、前記反応器内が主
にプラズマを生成するプラズマ室と試料台が配置された
反応室とにメッシュ構造の仕切り板で仕切られ、試料を
前記反応室内で試料台から浮かせて支持するための治具
が前記反応室内に配設されているので、プラズマ中の荷
電粒子が前記仕切り板で捕獲され、前記反応室内におい
て主として生成されているラジカルの流れが均一にな
り、またウエハの下方にもガスの拡散によってラジカル
が回り込み、ウエハ裏面にもラジカルが供給され、裏面
も表面と同様にエッチングされることとなる。
【0013】また上記(1)記載の装置において、仕切
り板と試料との距離をd、試料台と前記試料との距離を
Dとすると、d<Dなる位置に前記試料を保持する治具
を備えている場合、ウエハの裏面に回り込んで行くガス
流が十分に確保され、裏面における処理速度が表面のそ
れと略同様になる。
【0014】また上記(3)の構成によれば、前記プラ
ズマ室にプラズマ引き出し管を介して反応室が連結さ
れ、前記プラズマ引き出し管にはメッシュ構造の仕切り
板が内装される一方、前記反応室内には試料を浮かせて
支持する治具が配設され、前記プラズマ引き出し管から
前記反応室にラジカルが前記治具に支持された試料に対
して略平行に導入されるように構成されているので、前
記プラズマ引き出し管経路中において消減されたプラズ
マ中の荷電粒子がさらに前記仕切り板で捕獲され、前記
反応室内においてメッシュ構造の前記仕切り板内を通過
するラジカルの流れが均一になるとともにプラズマ中の
ラジカル密度がより一層高められることとなり、またウ
エハの表裏面に沿ってガスが拡散するためにウエハ両面
に対してラジカルが略均等に供給され、裏面も表面と同
様にプラズマダメージがより一層緩和されてエッチング
されることとなる。
【0015】また上記(3)記載の装置において、試料
を加熱するランプが治具に支持された試料の上方及び/
または下方に配設されている場合、上記(3)記載と同
様の作用が得られるとともに、さらにラジカルの反応が
加速され、処理速度がより一層速められることとなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係るマイクロ波プラズマ処理
装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例
1に係るマイクロ波プラズマ処理装置を示した正面断面
図であり、図中11は中空直方体形状の反応器を示して
いる。反応器11はステンレス等の金属を用いて形成さ
れ、その周囲壁は二重構造となっており、その内部は冷
却水用の通流室18となっている。反応器11の上部は
プラズマ室20となっており、プラズマ室20の上部は
マイクロ波の透過性を有し、誘電損失が小さく、かつ耐
熱性を有する石英ガラス、アルミナセラミックス等の材
料を用いて形成されたマイクロ波導入窓19が載置され
ており、反応器11の上部は気密状態に封止されてい
る。プラズマ室20の下方にはメッシュ構造の仕切り板
17を介して反応室21が形成されており、反応室21
内部にはマイクロ波導入窓19と対向する箇所に、ウエ
ハSを載置するためのウエハ支持治具24とそのウエハ
支持治具24を載せる試料台26が配設されている。反
応室21の下部壁には図示しない排気装置に接続される
ガス排気管14が接続されており、プラズマ室20の一
側壁には反応器11内に所要の反応ガスを供給するため
のガス供給管13が接続されている。
【0017】一方、反応器11の上方には誘電体線路1
2が配設されており、誘電体線路12の上部はアルミニ
ウム板12aで形成され、アルミニウム板12aの下面
には誘電体層12bが貼着されている。この誘電体層1
2bは誘電損失が小さいフッ素樹脂、ポリエチレンある
いはポリスチレン等を用いて形成されている。誘電体線
路12には導波管15が接続され、導波管15にはさら
にマイクロ波発振器16が連設されており、マイクロ波
発振器16からのマイクロ波が誘電体線路12に導入さ
れるようになっている。
【0018】ウエハ支持治具24の拡大断面図を図2に
示す。図2に示したごとく、ウエハ支持治具24は上端
の突起部24aを含んで略円柱形状に形成されており、
少なくとも3本のウエハ支持治具24が試料台26上に
載置され、ウエハSはこれらのウエハ支持治具24上部
における突起部24aの先端点上に載置される。また支
持治具としては、図3に示したように仕切り板17から
吊り下げられたピン形状のウエハ支持治具25であって
もよく、ウエハ支持治具25の引っ掛け部25aの先端
点上にウエハSを載せ、上からウエハSを吊る形態をと
ってもよい。また図示していないが別の実施例では、支
持治具が昇降機構を備え、ウエハSを上下に移動させ得
るものであってもよい。
【0019】次に、このように構成されたマイクロ波プ
ラズマ処理装置の作動について説明する。まず、マイク
ロ波発振器16にて発振されたマイクロ波は、導波管1
5を経て誘電体線路12に導入され、耐熱性のマイクロ
波導入窓19を透過してプラズマ室20内に導入され
る。一方、ガス供給管13から供給されたガスはプラズ
マ室20内に導入され、マイクロ波の照射によってプラ
ズマが生成される。生成されたプラズマ中の荷電粒子は
メッシュ構造の仕切り板17により捕獲され、主に中性
粒子のラジカルが仕切り板17のメッシュ孔17aを透
過して反応室21内に均一に拡がり、ウエハSに至ると
エッチング処理等を行なう。このときウエハSはウエハ
支持治具24により試料台26から浮かせて支持されて
いるため、拡散によってウエハSの下方にもプラズマの
ラジカル成分が回り込んでウエハSの裏面に供給され、
エッチング等がなされる。
【0020】本実施例の装置を使用し、窒化シリコンを
エッチングした結果を図4に示す。なお図1に示したよ
うに、仕切り板17からウエハSまでの距離をdとし、
ウエハSから試料台26の距離をDとする。エッチング
条件としては、圧力を1Torr、ガス種をCF4 +O
2 の混合ガス、ガス流量比をCF4 :O2 =7:3、ガ
ス流量を10sccm〜500sccm、マイクロ波パ
ワーを1.5kW、d=40mm、D=50mmにそれ
ぞれ設定した。この結果、ガス流量の広い範囲にわたっ
て表面と裏面との処理速度が近似するという結果が得ら
れ、両面処理が可能であることを確認することができ
た。なお対象膜としては、上記窒化シリコンの他、酸化
シリコン、ポリシリコン、レジスト等が含まれ、またガ
ス種としては、フッ素系(CF4 、SF6 、NF3
等)、O2 、N2 、塩素系ガスを用いて処理を行なうこ
とが可能である。
【0021】次に、本実施例の装置を使用し、仕切り板
17とウエハSとの距離dを変化させた際の両面のエッ
チング速度及び面内均一性の測定結果を図5に示す。こ
のときのガス流量は100sccmとし、また仕切り板
17とウエハSとの距離dと、ウエハSと試料台26と
の距離Dとの和、すなわち仕切り板17と試料台26と
の距離を90mmに設定した。裏面のエッチング速度
は、ウエハSが仕切り板17から遠ざかるにつれ、つま
り距離dが大きくなるにつれて低下することが分かる。
これはウエハSと試料台26との距離Dが小さくなるに
つれてラジカルがウエハSの下方に十分に流れないた
め、表面に比べて裏面の処理速度が遅くなることを表わ
している。そして仕切り板17とウエハSとの距離dが
ウエハSと試料台26との距離Dより小さい範囲内にお
いては裏面のエッチング速度がほぼ一定となり、安定し
た表裏面のエッチング処理を行なうことができ、また面
内均一性については表面と同様に裏面においても良好な
面内均一性が得られるという結果を確認することができ
た。
【0022】上記したように、実施例に係るマイクロ波
プラズマ処理装置にあっては、ウエハSを試料台26か
ら浮かせるためのウエハ支持治具24またはウエハ支持
治具25及び仕切り板17が配設されており、ウエハS
と仕切り板17との距離に比べて試料台26とウエハS
との距離の方が大きくなるように設定することにより、
表面と同様に裏面にも同時にプラズマ処理を施すことが
可能となる。したがって、裏面に形成された膜による応
力で生じる歪みを緩和することができ、表面同様に裏面
に対しても面内処理の均一性がよく、しかも表面の微細
加工に悪影響を受けていない試料を提供することができ
る。
【0023】図6は別の実施例に係るマイクロ波プラズ
マ処理装置を示した断面図であり、(a)は側面断面
図、(b)は(a)におけるAA′線断面図を示してお
り、図中31はステンレス等の金属を用いて形成された
反応器を示している。反応器31はそれぞれ略中空直方
体形状に形成されたプラズマ室40と反応室41とを含
んで構成されており、これらの周囲壁は二重構造(図示
せず)となっており、その内部は冷却水用の通流室(図
示せず)となっている。プラズマ室40及び反応室41
とはこれらの両側において縦断面がコの字形状で中空直
方体形状に形成されたプラズマ引き出し管42によりそ
れぞれ連結されており、プラズマ引き出し管42下部に
はメッシュ構造の仕切り板37がそれぞれ内装されてい
る。仕切り板37と略同一水平面上に配置された反応室
41内には、ウエハSを載置するために上記実施例の場
合と同様に形成されたウエハ支持治具24が配設され、
その下部にはウエハ支持治具24を載せるための試料台
26が配設されている。反応室41の上部壁41aには
複数個の小孔が集合して構成された上部排気口44aが
形成され、上部排気口44aには上部ガス排気管43a
が接続されており、また反応室41の下部壁41bには
複数個の小孔が集合して構成された下部排気口44bが
形成され、下部排気口44bには下部ガス排気管43b
が接続されている。これらの上部ガス排気管43a、下
部ガス排気管43bは反応器31の右側外方において一
体となってガス排気管43となり、さらにガス排気管4
3は図示しない排気装置に接続されている。ウエハ支持
治具24に支持されたウエハS上方の上部壁41a下方
及びウエハS下方の下部壁41b上方には石英ガラス4
5aで覆われた例えば赤外線ヒータ等のランプ45が配
設されている。またプラズマ室40の上部はマイクロ波
の透過性を有し、誘電損失が小さく、かつ耐熱性を有す
る石英ガラス、アルミナセラミックス等の材料を用いて
形成されたマイクロ波導入窓19が載置されて気密状態
に封止されており、プラズマ室20の一側壁には反応器
31内に所要の反応ガスを供給するためのガス供給管3
3が接続されている。
【0024】一方図1に示した実施例の場合と同様に、
反応器11の上方には誘電体線路12が配設されてお
り、誘電体線路12の上部はアルミニウム板12aで形
成され、アルミニウム板12aの下面には誘電体層12
bが貼着されている。この誘電体層12bは誘電損失が
小さいフッ素樹脂、ポリエチレンあるいはポリスチレン
等を用いて形成されている。誘電体線路12には導波管
15(図示せず)が接続され、導波管15にはさらにマ
イクロ波発振器16(図示せず)が連設されており、マ
イクロ波発振器16からのマイクロ波が誘電体線路12
に導入されるようになっている。
【0025】このように構成されたマイクロ波プラズマ
処理装置の作動について説明する。まず、マイクロ波発
振器16にて発振されたマイクロ波は、導波管15を経
て誘電体線路12に導入され、耐熱性のマイクロ波導入
窓19を透過してプラズマ室40内に導入される。一
方、ガス供給管33から供給されたガスはプラズマ室4
0内に導入され、マイクロ波の照射によってプラズマが
生成される。生成されたプラズマ中における寿命の短い
荷電粒子はプラズマ引き出し管42を流れる間において
消滅してゆくとともにさらにメッシュ構造の仕切り板3
7で捕獲される。プラズマ中における中性粒子のラジカ
ルが主に仕切り板37のメッシュ孔37aを透過し、ラ
ンプ45により所定温度に放射加熱され、ウエハ支持治
具24により浮かせて支持されているウエハSに対して
略平行に導入される。そしてウエハSの両面に沿ってガ
スが拡散し、ウエハSの両面全域にラジカル成分が略均
等に供給されてエッチング等がなされる。
【0026】本実施例の装置を使用し、窒化シリコンを
エッチングした結果を図7に示す。エッチング条件とし
ては、圧力を0.8Torr、ガス種をCF4 +O2
混合ガス、ガス流量比をCF4 :O2 =7:3、ガス流
量を50sccm〜500sccm、マイクロ波パワー
を1.5kWにそれぞれ設定した。この結果、ガス流量
の広い範囲にわたって表面と裏面との処理速度が略等し
いという結果が得られ、また面内均一性については表面
と同様に裏面においてもよい面内均一性が得られるとい
う結果を確認することができた。
【0027】なお対象膜としては、上記窒化シリコンの
他、酸化シリコン、ポリシリコン、レジスト等が含ま
れ、またガス種としては、フッ素系(CF4 、SF6
NF3等)、O2 、N2 、塩素系ガスを用いて処理を行
なうことが可能である。また、本実施例ではランプ45
がウエハSの上下両方に配設された装置の場合について
説明したが、ランプ45が配設されていない場合、ウエ
ハSの上方あるいは下方のいずれかに配設されている場
合についても本実施例の場合と略同様の効果を得ること
が可能である。また、本実施例ではウエハ支持治具24
を用いた場合について説明したが、別の実施例ではウエ
ハ支持治具25を用いて反応室41の上部壁41aから
吊り下げてウエハSを支持する形態をとってもよい。
【0028】上記したように、本実施例に係るマイクロ
波プラズマ処理装置にあっては、プラズマ室40にプラ
ズマ引き出し管42を介して反応室41が連結され、プ
ラズマ引き出し管42にはメッシュ構造の仕切り板37
が内装される一方、反応室41内にはウエハSを浮かせ
て支持するウエハ支持治具24が配設され、プラズマ引
き出し管42から反応室41にラジカルがウエハ支持治
具24に支持されたウエハSに対して略平行に導入され
るように構成されており、またウエハSを加熱するラン
プ45がウエハ支持治具24に支持されたウエハSの上
方及び下方に配設されており、プラズマ中の荷電粒子を
プラズマ引き出し管42経路中において消滅させるとと
もに、さらに仕切り板37で捕獲することができる。そ
して主に中性粒子のラジカルのみを仕切り板37のメッ
シュ孔37aを透過させ、反応室41内におけるラジカ
ルの流れを均一にすることができる。また所定温度に加
熱されたウエハSの表裏面に沿ってガスを拡散させ、ウ
エハSの両面に対してラジカルを略均等に供給して反応
させることができ、したがってプラズマダメージをより
一層緩和して裏面も表面と同様にエッチングすることが
できる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るマイク
ロ波プラズマ処理装置(1)にあっては、反応器内が主
にプラズマを生成するプラズマ室と試料台が配置される
反応室とにメッシュ構造の仕切り板で仕切られ、試料を
前記試料台から浮かせて支持するための治具が前記反応
室内に配設されているので、プラズマ中の荷電粒子が前
記仕切り板で捕獲され、前記反応室内におけるラジカル
の流れが均一になり、また試料の下方にもガスの拡散に
よってラジカルが回り込み、試料裏面にもラジカルが供
給され、裏面も表面と同様にエッチング処理を施すこと
ができる。
【0030】また上記(1)記載の装置において、特に
仕切り板と試料との距離をd、試料を挟んで仕切り板と
反対側にある試料台と試料との距離をDとすると、d<
Dなる位置に前記試料を浮かせた状態で保持することに
より、試料の裏面に回り込んで行くガス流を十分に確保
することができ、裏面における処理速度を表面のそれと
略同様にすることができる。
【0031】また本発明に係るマイクロ波プラズマ処理
装置(3)にあっては、前記プラズマ室にプラズマ引き
出し管を介して反応室が連結され、前記プラズマ引き出
し管にはメッシュ構造の仕切り板が内装される一方、前
記反応室内には試料を浮かせて支持する支持治具が配設
され、前記プラズマ引き出し管から前記反応室にラジカ
ルが前記支持治具に支持された試料に対して略平行に導
入されるように構成されており、また試料を加熱するラ
ンプが支持治具に支持された試料の上方及び下方に配設
されており、プラズマ中の荷電粒子を前記プラズマ引き
出し管経路中において消滅させるとともに、さらに前記
仕切り板で捕獲することができる。そして主に中性粒子
のラジカルのみを前記仕切り板のメッシュ孔を透過さ
せ、前記反応室内におけるラジカルの流れを均一にする
ことができる。また所定温度に加熱された試料の表裏面
に沿ってガスを拡散させ、試料両面に対してラジカルを
略均等に供給して反応させることができ、したがってプ
ラズマダメージをより一層緩和して裏面も表面と同様に
エッチングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロ波プラズマ処理装置の実
施例を示した正面断面図である。
【図2】実施例に係る試料支持治具を示した拡大断面図
である。
【図3】(a)、(b)は別の実施例に係る試料支持治
具を示した拡大断面図及び概略斜視図である。
【図4】実施例に係る装置を用いてエッチングした場合
の、試料の表面及び裏面におけるエッチング速度と反応
ガスの総流量との関係を示したグラフである。
【図5】実施例に係る装置を用いてエッチングした場合
の、試料の表面及び裏面におけるエッチング速度と仕切
り板と試料との距離dとの関係及び面内均一性を示した
グラフである。
【図6】本発明に係るマイクロ波プラズマ処理装置の別
の実施例を示した断面図であり、(a)は側面断面図、
(b)は(a)のAA′線断面図である。
【図7】実施例に係る装置を用いてエッチングした場合
の、試料の表面及び裏面におけるエッチング速度及び面
内均一性と反応ガスの総流量との関係を示したグラフで
ある。
【図8】従来のバレル型マイクロ波プラズマ処理装置を
概略的に示した断面図である。
【符号の説明】
11、31 反応器 16 マイクロ波発振器 17、37 仕切り板 20、40 プラズマ室 21、41 反応室 24 ウエハ支持治具 26 試料台 42 プラズマ引きだし管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波発振器と、マイクロ波を伝送
    する導波管と、該導波管に接続された誘電体線路と、該
    誘電体線路に対向配置されたマイクロ波導入窓を有する
    反応器と、該反応器内を主にプラズマを生成するプラズ
    マ室と試料台が載置される反応室とに仕切るためのメッ
    シュ構造の仕切り板とを備えたマイクロ波プラズマ処理
    装置において、試料を試料台から浮かせて支持する治具
    を前記反応室内に備えていることを特徴とするマイクロ
    波プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 仕切り板と試料との距離をd、試料を挟
    んで仕切り板と反対側にある試料台と試料との距離をD
    とすると、d<Dなる位置に前記試料を保持する治具を
    備えた請求項1記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 マイクロ波発振器と、マイクロ波を伝送
    する導波管と、該導波管に接続された誘電体線路と、該
    誘電体線路に対向配置されたマイクロ波導入窓を有する
    プラズマ室とを備えたマイクロ波プラズマ処理装置にお
    いて、前記プラズマ室にプラズマ引き出し管を介して反
    応室が連結され、前記プラズマ引き出し管にはメッシュ
    構造の仕切り板が内装される一方、前記反応室内には試
    料を浮かせて支持する治具が配設され、前記プラズマ引
    き出し管から前記反応室にラジカルが前記治具に支持さ
    れた試料に対して略平行に導入されるように構成されて
    いることを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 試料を加熱するランプが治具に支持され
    た試料の上方及び/または下方に配設されている請求項
    3記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
JP4288316A 1992-03-27 1992-10-27 マイクロ波プラズマ処理装置 Pending JPH05326453A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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