JPH05325906A

JPH05325906A - ショートアーク放電灯装置

Info

Publication number: JPH05325906A
Application number: JP15896892A
Authority: JP
Inventors: Kyoichi Sakugi; 教一柵木; Kazutoshi Kurosawa; 和俊黒沢; Akira Ogawara; 亮大河原
Original assignee: Iwasaki Denki KK
Current assignee: Iwasaki Denki KK
Priority date: 1992-05-27
Filing date: 1992-05-27
Publication date: 1993-12-10

Abstract

(57)【要約】【目的】反射鏡と組み合わせて構成されたショートア
ーク放電灯装置において、アーク長を短くして光学的効
率を増すことにより発生する照度ムラを低減する。【構成】アーク長５mmのショートアークメタルハライ
ドランプ１に対して、その発光管軸とほぼ同軸にして、
一方に開口部を設けた有効径100 mmの放物面コールドミ
ラー３を配置する。そして細いニッケル分割導線11-1，
11-2，11-3からなる電力供給線を、発光管の外部リード
線２ａからコールドミラー３に設けた電力供給線取り出
し孔10までの空間に、それぞれ別個に離間して配置す
る。これにより映像用装置のバックライトとして用いた
場合、スクリーン上の電力供給線に対応する位置での影
による照度ムラは低減される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、反射鏡と組み合わせ
て構成され、アーク長を短くして光学的効率を増すこと
により発生する照度ムラを低減するようにしたショート
アーク放電灯装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、映像用装置として、高密度ＴＦＴ
小型液晶板を用い光学系と組み合わせ、大型スクリーン
に投影して、ビデオムービー等の画像を楽しむ、いわゆ
る液晶プロジェクタが普及しつつあり、そのバックライ
トとして、稀土類金属ハロゲン化物を封入したショート
アークタイプのメタルハライドランプ等のショートアー
ク放電灯に、放物，楕円あるいは多焦点の偶数次関数の
曲面を有する反射鏡を組み合わせたショートアーク放電
灯装置が用いられている。

【０００３】従来、この種のショートアーク放電灯装置
に関しては、種々の提案があり、また製品化されてい
る。例えば、図３に示すように、ミラーの前面にリード
固定枠を備えた構成のショートアーク型メタルハライド
ランプ装置が知られている。図３において、１は外管を
用いずに発光管のみで構成されたショートアークメタル
ハライドランプで、両端には電極に接続された外部リー
ド線２ａ，２ｂが設けられている。３は熱線透過形のコ
ールドミラーで、その底部にはメタルハライドランプ１
の一端が固定されている。４はコールドミラー３の開口
部に取り付けられたセラミック製のリード固定枠で、メ
タルハライドランプ１の外部リード線２ａと接続される
導体５が固定されており、更に該リード固定枠４からは
外部取り出し端子６が導出されている。７は取り付け端
子固定枠で、コールドミラー３の底部外側に固定されて
おり、メタルハライドランプ１の外部リード線２ｂが接
続された取り付け端子８が設けられている。

【０００４】また、この種のショートアーク放電灯装置
としては、図４に示すように、コールドミラー３の底部
側のメタルハライドランプ１の外部リード線２ｂを口金
９に接続し、該口金９をコールドミラー３の底部に設け
た取り付け穴に挿入固定すると共に、コールドミラー３
の開口部側の外部リード線２ａには、コールドミラー３
に形成された電力供給線取り出し孔10より導出された電
力供給線11を接続した構成のショートアークメタルハラ
イドランプ装置が知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図３に示し
たセラミック製のリード固定枠４をコールドミラー３の
開口部に設けて構成したショートアークメタルハライド
ランプ装置においては、コールドミラー３として放物面
ミラーを用いた場合には、比較的遠い距離に液晶板を配
置するため、照度ムラは発生し難いが、構成部品点数が
多く、またリード固定枠４はコールドミラー３を形成し
ているガラス体に固定しているため、信頼性に欠けると
いう問題点がある。

【０００６】一方、図４に示した構成のものでは、電力
供給線11をコールドミラー３の電力供給線取り出し孔10
へ引き出すようにしているため、スクリーン上に電力供
給線11の影が暗部として現れ、照度ムラが発生する。特
にメタルハライドランプの発光管をフロスト等の処理を
施していない透明な石英管で構成している場合は、著し
く目立つことがあり問題であった。

【０００７】本発明は、従来のショートアークメタルハ
ライドランプ装置における上記問題点を解消するために
なされたもので、部品点数を増やすことなく照度ムラの
少ない光学的に高効率のショートアーク放電灯装置を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、本発明は、偶数次関数の曲面を有する反射
鏡の底部に一方の端部が位置し、開口部側に他方の端部
が位置するようにショートアーク放電灯を配置し、前記
反射鏡に設けた電力供給線取り出し孔より導出した電力
供給線を前記放電灯の他方の端部の外部リード線に接続
してなるショートアーク放電灯装置において、前記ショ
ートアーク放電灯のアーク長をＬ（mm）、反射鏡の有効
径をＤ（mm）としたとき、Ｄ／Ｌを10以上とし、且つ前
記電力供給線を空間的に離間した複数本の導線で構成す
るものである。

【０００９】このように電力供給線を空間的に離間した
複数本の導線で構成することにより、細い導線を用いる
ことができ、部品点数を増すことなく電力供給線の影を
殆ど目立たなくすることが可能となり、照度ムラの発生
を低減することができる。またＤ／Ｌを10以上としてい
るため、スクリーン照度を低下させず光学的に高効率化
を図ることができる。

【００１０】

【実施例】次に実施例について説明する。図１は、本発
明に係るショートアーク放電灯装置の第１の実施例を示
す斜視図であり、図４に示した従来のショートアークメ
タルハライドランプ装置と同一又は対応する部分には同
一符号を付して示している。ショートアークメタルハラ
イドランプ１は、最大外径11mm，最大内径8.８mmで、肉
厚1.１mmの胴中部を有する内容積0.４ccの発光管を備
え、該発光管内には、始動ガスとしてのアルゴンを250
トールとバッファガスとしての水銀10mgの他に、高発光
効率と色特性のよい沃化ディスプロシウム（DyＩ₃），
沃化ネオジム（NdＩ₃），沃化セシウム（CsＩ）を、そ
れぞれ重量比で８：２：５に選定したものを0.８mgと、
アークを絞り光学的な効率を増すための沃化水銀（HgＩ
₂）を0.２mg封入してある。また発光管の両端には、線
径0.３mmのタングステン線を密巻で約２mm巻いて形成し
たコイルを、直径0.45mm，長さ７mmのタングステン芯棒
の先端から0.５mm離れた位置に設けて形成した電極を、
電極間距離が５mmになるように配置して、ショートアー
クメタルハライドランプ１を構成している。

【００１１】そして、上記のように構成したメタルハラ
イドランプ１に対して、その発光管軸とほぼ同軸にし
て、一方に開口部を設けたｆ＝13mmで有効径100 mmの放
物面コールドミラー３を配置する。したがってこの実施
例では、コールドミラー３の有効径Ｄとメタルハライド
ランプ１のアーク長Ｌとの比は、Ｄ／Ｌ＝ 100／５＝20
である。

【００１２】ここまでのメタルハライドランプ１とコー
ルドミラー３との組み合わせ構成は、図４に示した従来
のメタルハライドランプ装置と同一である。図４に示し
た従来例では、先に述べたように電力供給線11は直径0.
８mmの一本のニッケル線で構成しており、そのためその
設置位置に対応したスクリーン上に暗い影ができるし、
発光管表面処理としてフロスト処理がある場合はあまり
目立たないが、発光管表面を光学的な利用の面から表面
処理をしないでクリアな面とすると、その影が著しく目
立ってしまう。

【００１３】これに対して本実施例においては、図１に
示すように、電力供給線として直径0.５mmの３本のニッ
ケル分割導線11-1，11-2，11-3を用い、発光管の外部リ
ード線２ａからコールドミラー３の電力供給線取り出し
孔10までの空間に、それぞれ別々に離間して配置してい
る。

【００１４】このように電力供給線を細い３本の分割導
線11-1，11-2，11-3に分けて配置して構成したメタルハ
ライドランプ装置を映像用装置のバックライトとして用
いた場合、スクリーンには、電力供給線に対応する位置
での影は、発光管がクリアーであっても殆ど目立つこと
がなく、照明ムラのない良質な画面が得られた。

【００１５】上記実施例では、電力供給線を３本の分割
導線で構成したものを示したが、電力供給線を２本ある
いは４本の分割導線で構成しても、同様な作用効果が得
られた。また本実施例では、ショートアーク放電灯とし
てショートアークメタルハライドランプを用いたものを
示したが、本発明は、他のタイプのショートアーク放電
灯を用いたものにも適用できるものである。

【００１６】図２は、本発明の第２の実施例を示す斜視
図である。この実施例は、メタルハライドランプ１の一
方の外部リード線２ａに接続される電力供給線を、細い
２本の分割導線12-1，12-2で構成すると共に、コールド
ミラー３に電力供給線取り出し孔を別個に設けず、コー
ルドミラー３の底部に設けたメタルハライドランプ１の
一端を支持するための取り付け穴13を、電力供給線取り
出し孔に共用させ、前記２本の分割導線12-1，12-2を、
他方のリード線２ｂの引き出し導線14と共に、外部へま
とめて引き出し導線15として導出するように構成したも
のである。このように構成した第２の実施例において
も、上記第１の実施例と同様な作用効果が得られる。

【００１７】本発明においては、コールドミラーの有効
径Ｄとショートアーク放電灯のアーク長Ｌとの比Ｄ／Ｌ
を10以上とするものであるが、次にその設定理由につい
て説明する。まずＤ／Ｌを10未満、例えばコールドミラ
ーの有効径100 mmに対してショートアーク放電灯のアー
ク長を12mmとした場合は、電力供給線を１本の導線で構
成しても、照明ムラはあまり目立たないが、全体として
スクリーンの明るさが約１／４となってしまい、光学的
な効率が低下してしまうという問題点が生ずる。一方、
５mmのアーク長に対してミラーの有効径を50mm未満にし
て、Ｄ／Ｌを10未満とすると、ミラーが小さすぎてしま
い、光学的な効率上有効な照度は得られなくなる。した
がって本発明においては、Ｄ／Ｌを10以上に設定するも
のである。

【００１８】

【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明によれば、電力供給線を離間した複数本の導線で
構成し、反射鏡の有効径Ｄとアーク長Ｌとの比Ｄ／Ｌを
10以上としたので、電力供給線を細くすることができ、
光学的な効率を低下させずにスクリーン上において電力
供給線による照度ムラの発生を低減し、良好な画面を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るショートアーク放電灯装置の第１
の実施例を示す斜視図である。

【図２】第２の実施例を示す斜視図である。

【図３】従来のショートアーク放電灯装置の一構成例を
示す斜視図である。

【図４】従来の他の構成例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ショートアークメタルハライドランプ２ａ，２ｂ外部リード線３コールドミラー９口金 10 電力供給線取り出し孔 11-1，11-2，11-3 分割導線 12-1，12-2 分割導線 13 取り付け穴 14 引き出し導線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】偶数次関数の曲面を有する反射鏡の底部
に一方の端部が位置し、開口部側に他方の端部が位置す
るようにショートアーク放電灯を配置し、前記反射鏡に
設けた電力供給線取り出し孔より導出した電力供給線を
前記放電灯の他方の端部の外部リード線に接続してなる
ショートアーク放電灯装置において、前記ショートアー
ク放電灯のアーク長をＬ（mm）、反射鏡の有効径をＤ
（mm）としたとき、Ｄ／Ｌを10以上とし、且つ前記電力
供給線を空間的に離間した複数本の導線で構成したこと
を特徴とするショートアーク放電灯装置。