JP3307278B2 - 高圧放電灯、この高圧放電灯を用いた照明光学装置、およびこの照明光学装置を用いた画像表示装置 - Google Patents

高圧放電灯、この高圧放電灯を用いた照明光学装置、およびこの照明光学装置を用いた画像表示装置

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JP3307278B2
JP3307278B2 JP13640197A JP13640197A JP3307278B2 JP 3307278 B2 JP3307278 B2 JP 3307278B2 JP 13640197 A JP13640197 A JP 13640197A JP 13640197 A JP13640197 A JP 13640197A JP 3307278 B2 JP3307278 B2 JP 3307278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般照明や光学機器
等に用いられる高圧放電灯、この高圧放電灯と凹面反射
鏡とを組み合わせた照明光学装置、およびこの照明光学
装置と画像形成部とを組み合わせた画像表示装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶プロジェクタ等の画像表示装
置の光源として使用される照明光学装置においては、ラ
ンプは通常凹面反射鏡とともに使用されており、光源と
して、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、超高圧
水銀灯、キセノンランプ等が使用されている。
【0003】近年、照明光学装置に用いられる光源とし
て、効率の良さ、放射光における赤、青、緑のバランス
の良さ、各色の光量の多さ等の理由からメタルハライド
ランプ、特に電極間距離を短くし点光源に近い短アーク
メタルハライドランプが主に使用されてきている。この
ようなメタルハライドランプの封入物質としては、光の
三原色である赤・青・緑の成分を高い効率で放射するこ
とができるよう、ディスプロシウム等の希土類金属の他
セシウム、タリウム、インジウム等複数種の金属ハロゲ
ン化物が選定されている。これらの封入物質は水銀と比
較すると全温度域で飽和蒸気圧が低く、満足なランプ特
性を実現することができるため、店舗用等の一般照明用
メタルハライドランプの場合に比べて発光管をコンパク
トにすることができる。
【0004】このような照明光学装置としては、従来、
図6に示すように短アークメタルハライドランプ23と
凹面反射鏡24とを一体に組み合わせたものが使用され
ていた。
【0005】ランプ23から放射された光は凹面反射鏡
24によって反射され一定の面積を有する集光レンズま
たは液晶パネル(図示せず)等の画像形成部に導かれ
る。このため光源は点光源であることが望ましく、この
ような理由で短アークメタルハライドランプが使用され
る。
【0006】以下、図面を参照しながら上述した従来の
短アークメタルハライドランプの一例について説明す
る。
【0007】図6において短アークメタルハライドラン
プ23は石英ガラスからなり、発光部内両端にそれぞれ
電極25を封装し、これら一対の電極25は封止部26
に封着された金属箔導体27a,27bに接続されてい
る。一方の金属箔導体27aは外部リード線を介して端
部に被覆された口金28に電気的に接続されており、他
方の金属箔導体27bは外部リード線29に接続されて
いる。なお、30は保温膜である。発光部内には緩衝金
属としての水銀が封入されているとともに、発光金属と
して金属ハロゲン化物が封入されており、かつアルゴン
等の希ガスが封入されている。
【0008】ランプ23は凹面反射鏡24に取り付けら
れ一体化されており、凹面反射鏡24はガラス、金属あ
るいはセラミックスからなり、回転曲面の内面に反射特
性に優れたTiO2−SiO2等の蒸着膜からなる反射面
を有している。
【0009】この凹面反射鏡24の全面投光部つまり開
口部は開口径が70〜120mm程度に形成されてお
り、背部には支持筒部31が設けられている。この支持
筒部31にはランプ23の口金28部分が絶縁セメント
等の接着剤により固着されている。これにより、ランプ
23はランプ軸が凹面反射鏡24の中心軸と略一致する
ようにして凹面反射鏡24に固着されている。なお、凹
面反射鏡24には導入孔(図示せず)が形成されてお
り、この導入孔にランプ23の外部リード線29が貫通
されており、この外部リード線29は凹面反射鏡24の
背面側に導かれる。
【0010】このような従来の短アークメタルハライド
ランプは、電極間距離が100〜250Wの場合、1.
5〜4mmと短く、通常は125〜400Hzの高周波
交流電源により点灯される。このように発光管の最冷点
温度を高めに設定し30〜100W/cm2の高い管壁
負荷(ランプ入力電力を発光管の内表面積で除した値)
でランプを点灯する結果、封入物質(金属ハロゲン化
物)の十分な蒸気圧が得られ、発光効率が高く、光の質
も量も満足し得る点光源となる。しかしながら、従来の
短アークメタルハライドランプは、点灯時の管壁温度が
発光管材料である石英ガラスの耐え得る限界温度近くま
で高くなり、封入したメタルハライド蒸気の作用によ
り、ランプ点灯100時間ぐらいから最高温度部位を中
心に管壁の失透が始まる。そして点灯時間の経過に伴い
この失透が発光管内面全体に広がっていき、失透の厚み
も増大して点灯後1000時間付近において、ランプ全
体が白濁化した状態となり、石英ガラス本来の透明性が
失われる結果、当初は点光源であったものが発光管全体
から光が放射されているように見え、凹面反射鏡による
集光性が著しく損なわれるようになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の液
晶プロジェクタ等に使用されている短アークメタルハラ
イドランプは初期特性に優れているが、ランプ寿命の点
で問題を有していた。
【0012】本発明の目的は、発光管材料として封入物
との反応性が低いセラミックスを使用し、かつ発光管の
直線透過率を高くし管壁負荷を高めることによって、高
効率で長寿命な短アークの高圧放電灯、これを光源とし
た照明光学装置、およびこの照明光学装置を用いた画像
表示装置を得ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
高圧放電灯は、一対の電極を具備した透光性を有する
結晶アルミナ、多結晶YAG、多結晶イットリアあるい
は多結晶窒化アルミニウムからなる発光管の内部に発光
物質水銀、および不活性ガスが封入された高圧放電灯
において、前記発光管の管壁負荷をWL(W/c
2、前記発光管の平均結晶粒径をG(μm)、前記
発光管の肉厚をt(mm)とすると30≦WL≦10
、1≦G≦30かつ0.8≦t≦2.5を満足する
ともに、前記発光物質として少なくともハロゲン化リチ
ウムが封入されており、前記発光管の内容積に対する水
銀の封入量をM 1 (mg/cc)、ハロゲン化リチウム
の封入量をW 1 (mg/cc)とすると、125≦M 1
225かつ1×10 -4 ≦W 1 ≦1.0を満足する構成を
有している。また、本発明の請求項2記載の高圧放電灯
は、一対の電極を具備した透光性を有する多結晶アルミ
ナ、多結晶YAG、多結晶イットリアあるいは多結晶窒
化アルミニウムからなる発光管の内部に発光物質、水
銀、および不活性ガスが封入された高圧放電灯におい
て、前記発光管の管壁負荷をWL(W/cm 2 )、前記
発光管の平均結晶粒径をG(μm)、前記発光管の肉厚
をt(mm)とすると、30≦WL≦100、1≦G≦
30かつ0.8≦t≦2.5を満足するとともに、前記
発光物質として少なくともハロゲン化インジウム、ハロ
ゲン化リチウムが封入されており、前記発光管の内容積
に対するハロゲン化インジウムの封入量をM 2 (mg/
cc)、ハロゲン化リチウムの封入量をW 2 (mg/c
c)とすると、0.1≦M 2 ≦3.0かつ1×10 -4
2 ≦1.0を満足する構成を有している。 また、本発
明の請求項3記載の高圧放電灯は、一対の電極を具備し
た透光性を有する多結晶アルミナ、多結晶YAG、多結
晶イットリアあるいは多結晶窒化アルミニウムからなる
発光管の内部に発光物質、水銀、および不活性ガスが封
入された高圧放電灯において、前記発光管の管壁負荷を
WL(W/cm 2 )、前記発光管の平均結晶粒径をG
(μm)、前記発光管の肉厚をt(mm)とすると、3
0≦WL≦100、1≦G≦30かつ0.8≦t≦2.
5を満足するとともに、 前記発光物質として、少なくと
もハロゲン化インジウムとハロゲン化リチウムとが封入
されているとともに、ハロゲン化ガドリニウム、ハロゲ
ン化ディスプロシウム、ハロゲン化ホルミニウム、ハロ
ゲン化テルビウム、ハロゲン化エルビウム、ハロゲン化
プラセオジム、ハロゲン化ツリウム、ハロゲン化ルテチ
ウムのうち少なくとも1種類が封入されており、前記発
光管の内容積に対するハロゲン化インジウムの封入量を
3 (mg/cc)、ハロゲン化リチウムの封入量をW 3
(mg/cc)、ハロゲン化ガドリニウム、ハロゲン化
ディスプロシウム、ハロゲン化ホルミニウム、ハロゲン
化テルビウム、ハロゲン化エルビウム、ハロゲン化プラ
セオジム、ハロゲン化ツリウム、ハロゲン化ルテチウム
の総封入量をN 4 (mg/cc)とすると、1.0≦M 3
≦3.0かつ1×10 -4 ≦W 3 ≦1.0かつ0.5≦N 4
≦6.0を満足する構成を有している。これらの構成
より、高効率、高色温度で長寿命な高圧放電灯を得るこ
とができる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】また、本発明の請求項記載の発明は、請
求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記電極
に直流成分の電圧を印加してランプを直流点灯し、点灯
中に陽極となる電極を陰極となる電極に比べて大きく形
成した構成を有している。これにより、さらなる長寿命
化が図れる。
【0020】本発明の請求項記載の照明光学装置は、
反射面が放物面あるいは楕円面からなる凹面反射鏡と、
請求項1〜のいずれかに記載の高圧放電灯とが、前記
高圧放電灯のアーク軸が前記凹面反射鏡の光軸上に位置
されて一体化された構成を有する。これにより、長寿命
な照明光学装置を得ることができる。
【0021】本発明の請求項記載の照明光学装置は、
反射面が放物面あるいは楕円面からなる凹面反射鏡と、
請求項に記載の高圧放電灯とが、前記高圧放電灯のア
ーク軸が前記凹面反射鏡の光軸上に位置されて一体化さ
れているとともに、直流点灯中に陰極となる前記電極を
前記凹面反射鏡の前面投光部側に配置した構成を有して
いる。これにより、さらなる長寿命化を図ることができ
る。
【0022】本発明の請求項記載の画像表示装置は、
少なくとも光源および集光部からなる光源部と、画像形
成部とからなる画像表示装置において、前記光源部に請
求項または請求項記載の照明光学装置を用いた構成
を有する。これにより、長寿命な画像表示装置を得るこ
とができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0024】本発明の第1の実施の形態であるセラミッ
ク高圧放電灯およびこの放電灯を光源とした照明光学装
置について説明する。
【0025】図1に示すように、セラミック高圧放電灯
は、透光性多結晶YAGからなる発光管1を有してお
り、このYAGの平均結晶粒径は約8μmである。この
発光管1は略回転楕円体形状で中央部最大内径は10.
0mm、内容積は0.7cc、肉厚は1.2mmである
発光部2と、この発光部2の両端に連設された細管部3
とを有する。この細管部3の内径は1.3mmであり、
長さは12mmである。発光管1の直線透過率は約70
%である。両細管部3には電極4が封止されている。電
極4は直径0.6mmの電極棒5と、この電極棒5の先
端に設けられた直径0.3mmのタングステンからなる
コイル6からなる。両細管部3には、電極棒5の部分が
封着材11によって気密に固着されており、かつ電極4
のコイル6が発光部2内に位置するように設けられてい
る。発光部2内での電極間距離、すなわちアーク長は
1.8mmである。発光部2内にはHoI3が1.0m
g、InIが0.6mg、LiIが0.2mg、さらに
緩衝ガスとして水銀が55mg、始動用希ガスとしてA
rが180Torr封入されている。一方の細管部3に
は口金7が設けられている。また、両細管部3から導出
した電極棒5の端部には外部リード線8が接続されてい
る。
【0026】凹面反射鏡9はセラミックからなり、回転
曲面の内面にTiO2−SiO2の蒸着膜からなる反射面
を有している。この凹面反射鏡9の前面投光部、すなわ
ち開口部はその径が85mm程度に形成されており、背
部の頂部には支持筒部10を有している。そして支持筒
部10には口金7が絶縁セメント12によって固着され
ている。このとき、発光管1(一対の電極)の中心軸と
凹面反射鏡9の中心軸とは、ほぼ一致するように固着さ
れている。
【0027】本実施の形態の短アークの高圧放電灯と凹
面反射鏡とを一体化した照明光学装置において、口金7
と外部リード線8とを交流電源に接続し、ランプ電圧約
75V、ランプ電流約2.0A、ランプ電力150Wで
点灯した。これは発光管の管壁負荷は約50〜60W/
cm2の条件で使用されることになる。
【0028】このような構成の照明光学装置を図2に示
すように光学系に組み込み画像表示装置を構成し、定格
電力で稼働させたところ、ランプ効率が70lm/W、
ランプから放射され、凹面反射鏡9から反射される光の
色温度は約6200Kとなった。そして、本実施の形態
の照明光学装置を定格電力で稼働させ、ライフ試験を行
った。なお、13は本実施形態の高圧放電灯、14は集
光ミラー、15は投射レンズ系、16は受光面(スクリ
ーン)を示す。
【0029】ライフ試験の結果、ランプを2500時間
点灯しても、発光管1の白濁は発光管1上部にわずかに
見られる程度であり、図3に示すようにスクリーン照度
維持率は約65%を維持することができ良好な結果が得
られた。
【0030】以下、本発明の第2の実施の形態であるセ
ラミック高圧放電灯および照明光学装置について説明す
る。
【0031】図4に示すように本実施形態のセラミック
高圧放電灯は透光性多結晶YAGからなる発光管17を
有しており、このYAGの平均結晶粒径は約8μmであ
る。この発光管17は略回転楕円体形状で中央部最大内
径は10.0mm、内容積は0.7cc、肉厚は1.1
mmである発光部18と、この発光部18の両端に連設
された細管部19とを有する。この細管部19の内径は
1.4mmであり、長さは12mmである。発光管17
(YAG)の直線透過率は約70%である。両端に封止
された電極20は、一方が直径1.4mmの純タングス
テンからなる陽極21、他方が直径0.5mmの純タン
グステンからなる陰極22となっており、電極間距離す
なわちアーク長は1.8mmである。発光部18内には
GdI3が1.2mg、InIが0.7mg、LiIが
0.2mg、さらに緩衝ガスとして水銀が55mg、始
動用希ガスとしてArが180Torr封入されてい
る。
【0032】凹面反射鏡9はセラミックスからなり、回
転曲面の内面にTiO2−SiO2の蒸着膜からなる反射
面を有している。この凹面反射鏡9の前面投光部、すな
わち開口部はその径が80mm程度に形成されており、
背部の頂部には支持筒部10を有している。そして支持
筒部10には発光管17の口金7の部分が絶縁セメント
12により固着されている。この時発光管17の中心軸
と凹面反射鏡9の中心軸はほぼ一致するように固着され
ている。
【0033】他の構成は上記第1の実施形態のものと同
様である。以上のような本実施形態の短アークの高圧放
電灯と凹面反射鏡とを一体化した照明光学装置におい
て、口金7と外部リード線8とを直流電源に接続し、ラ
ンプ電圧約75V、ランプ電流約2.0A、ランプ電力
150Wで点灯した。これは、発光管17の管壁負荷は
約50〜60W/cm2の条件で使用されることにな
る。
【0034】このような構成の照明光学装置を定格電力
で稼働させたところ、ランプ効率65lm/W、ランプ
から放射され、凹面反射鏡から反射される光の色温度は
約6600Kとなった。また、この照明光学装置を上記
実施形態と同様に光学系に組み込んだ画像表示装置を定
格電力で稼働させたところ、ランプを2500時間点灯
しても、発光管17に白濁は殆ど見られず、図5に示す
ように、スクリーン照度維持率は約75%を維持するこ
とができ良好な結果が得られた。
【0035】以下、本発明の第3の実施の形態について
説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態のセラミ
ック高圧放電灯において、発光部2内にLiIを0.0
1mg、緩衝ガスとして水銀を65mg、始動用希ガス
としてArを150Torr封入し、凹面反射鏡9と一
体化したものである。このような構成の照明光学装置を
図2に示すような光学系に組み込み画像表示装置とし、
定格電力で稼働させたところ、ランプ効率60lm/
W、ランプから放射され、凹面反射鏡9から反射される
光の色温度は約6500Kとなった。また、この画像表
示装置を定格電力で稼働させ、ライフ試験を行った。そ
の結果、ランプを2500時間点灯しても、発光部に白
濁はほとんど見られず、スクリーン照度維持率は約85
%を維持することができ良好な結果が得られた。
【0036】以下、本発明の第4の実施の形態について
説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態のセラミ
ック高圧放電灯において、発光部2内にInIを0.8
mg、LiIを0.01mg、緩衝ガスとして水銀を6
0mg、始動用希ガスとしてArを150Torr封入
し、凹面反射鏡と一体化したものである。このような構
成の照明光学装置を図2に示すような光学系に組み込み
画像表示装置とし、定格電力で稼働させたところ、ラン
プ効率58lm/W、ランプから放射され、凹面反射鏡
から反射される光の色温度は約7000Kとなった。ま
た、この画像表示装置を定格電力で稼働させ、ライフ試
験を行った。その結果、2500時間点灯しても、発光
部に白濁は全く確認されず、スクリーン照度維持率は約
80%を維持することができ良好な結果が得られた。
【0037】以下、本発明の第5の実施の形態について
説明する。本実施形態は、上記第2の実施形態のセラミ
ック高圧放電灯1において、発光部2内にInIを0.
6mg、LiIを0.01mg、DyI3を1mg、緩
衝ガスとして水銀を55mg、始動用希ガスとしてAr
を150Torr封入し、凹面反射鏡9と一体化したも
のである。このような構成の照明光学装置を図2に示す
ような光学系に組み込み画像表示装置とし、定格電力で
稼働させたところ、ランプ効率70lm/W、ランプか
ら放射され、凹面反射鏡9から反射される光の色温度は
約6100Kとなった。また、この画像表示装置を定格
電力で稼働させ、ライフ試験を行った。その結果、25
00時間点灯しても、発光部に白濁は全く確認されず、
スクリーン照度維持率は約75%を維持することができ
良好な結果が得られた。
【0038】発光管1の直線透過率を35%以上とした
理由は、次のとおりである。発光管材料として、石英ガ
ラス、多結晶アルミナA(直線透過率約20%)、多結
晶アルミナB(直線透過率約30%)、多結晶アルミナ
C(直線透過率約40%)の4種類を用い、ランプ試作
を行い、図2に示す光学系に組み込み、初期特性を評価
した。表1にスクリーン照度の比較結果を示す。
【0039】
【表1】
【0040】このように、直線透過率が20%および3
0%の多結晶アルミナAおよびBを用いたランプでは石
英ガラス製のランプに比べ、スクリーン照度が非常に低
い。しかしながら、直線透過率が40%の多結晶アルミ
ナCを用いたランプでは石英ガラス製のランプに比べ、
スクリーン照度はほぼ同程度となっている。これは、石
英ガラス製ランプに比べ、多結晶アルミナ製ランプの方
が直線透過率は低いが、発光管がコンパクトであるため
同程度になったと考えられる。
【0041】また、管壁負荷をWL(W/cm2)とす
ると30≦WL≦100とした理由は以下のとおりであ
る。
【0042】WL<30とすると、管壁温度が低く、封
入金属の蒸気が十分得られないため、低効率、低色温度
等、要望されるランプ特性を得ることができない。10
0<WLとすると、発光管の応力設計あるいは材料改善
を施してもランプの点滅サイクルによるヒートショック
でランプが破損してしまう。
【0043】さらに、発光管の平均結晶粒径をG(μ
m)、肉厚をt(mm)とすると、1≦G≦30かつ
0.8≦t≦2.5とした理由は次のとおりである。
【0044】G<1とすると、ランプ点灯中に結晶が粒
成長し、発光管表面の平滑度が悪くなるため、発光管の
直線透過率が低下する、すなわちスクリーン照度の低下
を招いてしまう。また、短アークなランプでは、ランプ
点灯時の発光管内部圧力が非常に高い。そのため、30
<G、t<0.8とした場合、発光管の耐圧強度が低下
してしまい、ランプ点灯時の発光管内部圧力が発光管耐
圧強度より高くなるため、ランプ点灯中に発光管が破裂
(爆破)してしまう。2.5>tの場合では、セラミッ
クの製造が非常に困難になること、発光管の直線透過率
が低下してしまう等の理由により好ましくない。
【0045】その上、発光物質の封入量を限定した、す
なわち発光管の内容積に対する水銀の封入量をM1(m
g/cc)、ハロゲン化リチウムの封入量をW1(mg
/cc)とすると、125≦M1≦225かつ1×10
-4≦W1≦1.0とした、あるいは発光管の内容積に対
するハロゲン化インジウムの封入量をM2(mg/c
c)、ハロゲン化リチウムの封入量をW2(mg/c
c)とすると、0.1≦M2≦3.0かつ1×10-4
2≦1.0とした、あるいは発光管の内容積に対する
ハロゲン化インジウムの封入量をM3(mg/cc)、
ハロゲン化リチウムの封入量をW3(mg/cc)、ハ
ロゲン化ガドリニウム、ハロゲン化ディスプロシウム、
ハロゲン化ホルミニウム、ハロゲン化テルビウム、ハロ
ゲン化エルビウム、ハロゲン化プラセオジム、ハロゲン
化ツリウム、ハロゲン化ルテチウムの総封入量をN
4(mg/cc)とすると、1.0≦M3≦3.0かつ1
×10-4≦W3≦1.0かつ0.5≦N4≦6.0とした
理由は下記のとおりである。
【0046】放電灯と凹面反射鏡とを組み合わせた照明
光学装置を、図2に示すような光学系に組み込み、定格
電力で稼働させる場合、凹面反射鏡から反射される光に
は高効率、高色温度が要求されている。一般に、封入物
の封入量を多くすると効率は高くなるが、色温度は低下
することが知られている。図2に示すような光学系では
凹面反射鏡から反射される光の色温度は5500K以上
が好ましく、その色温度以上を達成するため、上記の各
封入量上限を規定してある。また、封入物の封入量が少
ないと封入金属特有の発光を得ることができないため、
上記の各封入量下限を規定してある。
【0047】上記各実施の形態では封入するハロゲン化
物としてヨウ化物を使用したものを示したが、臭化物の
みあるいはヨウ化物と臭化物の混合物で使用したもので
も本発明の効果が得られることが確認された。
【0048】さらに、本発明で直流点灯というのは、厳
密な意味の直流ではなく、交流を整流したもの等であっ
ても良い。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明の高圧放電灯は、高
効率、高色温度化が可能となるとともに、長寿命化を実
現することができる。
【0050】また、本発明の照明光学装置、画像表示装
置は上記放電灯を光源とすることにより、長期にわたり
集光性を損なうことがなく長寿命化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるセラミック高
圧放電灯と凹面反射鏡とからなる照明光学装置の一部切
欠正面図
【図2】ランプ評価に用いた光学系を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態である画像表示装置
におけるランプ点灯時間とスクリーン照度維持率を示す
【図4】本発明の第2の実施の形態であるセラミック高
圧放電灯と凹面反射鏡とからなる照明光学装置の一部切
欠正面図
【図5】本発明の第2の実施の形態である画像表示装置
におけるランプ点灯時間とスクリーン照度維持率を示す
【図6】従来例の石英ガラス製高圧放電灯と凹面反射鏡
とからなる照明光学装置の一部切欠正面図
【符号の説明】
1,17 発光管 2,18 発光部 3,19 細管部 4,20 電極 5 電極棒 6 コイル 7 口金 8 外部リード線 9 凹面反射鏡 10 支持筒部 11 封着材 14 集光ミラー 15 投射レンズ系 16 受光面
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/88 H01J 61/10 - 61/33

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極を具備した透光性を有する
    結晶アルミナ、多結晶YAG、多結晶イットリアあるい
    は多結晶窒化アルミニウムからなる発光管の内部に発光
    物質水銀、および不活性ガスが封入された高圧放電灯
    において、前記発光管の管壁負荷をWL(W/c
    2、前記発光管の平均結晶粒径をG(μm)、前記
    発光管の肉厚をt(mm)とすると30≦WL≦10
    、1≦G≦30かつ0.8≦t≦2.5を満足する
    ともに、前記発光物質として少なくともハロゲン化リチ
    ウムが封入されており、前記発光管の内容積に対する水
    銀の封入量をM 1 (mg/cc)、ハロゲン化リチウム
    の封入量をW 1 (mg/cc)とすると、125≦M 1
    225かつ1×10 -4 ≦W 1 ≦1.0を満足することを
    特徴とする高圧放電灯。
  2. 【請求項2】 一対の電極を具備した透光性を有する多
    結晶アルミナ、多結晶YAG、多結晶イットリアあるい
    は多結晶窒化アルミニウムからなる発光管の内部に発光
    物質、水銀、および不活性ガスが封入された高圧放電灯
    において、前記発光管の管壁負荷をWL(W/c
    2 )、前記発光管の平均結晶粒径をG(μm)、前記
    発光管の肉厚をt(mm)とすると、30≦WL≦10
    0、1≦G≦30かつ0.8≦t≦2.5を満足すると
    ともに、前記発光物質として少なくともハロゲン化イン
    ジウム、ハロゲン化リチウムが封入されており、前記発
    光管の内容積に対するハロゲン化インジウムの封入量を
    2 (mg/cc)、ハロゲン化リチウムの封入量をW 2
    (mg/cc)とすると、0.1≦M 2 ≦3.0かつ1
    ×10 -4 ≦W 2 ≦1.0を満足することを特徴とする高
    圧放電灯。
  3. 【請求項3】 一対の電極を具備した透光性を有する多
    結晶アルミナ、多結晶YAG、多結晶イットリアあるい
    は多結晶窒化アルミニウムからなる発光管の内部に発光
    物質、水銀、および不活性ガスが封入された高圧放電灯
    において、前記発光管の管壁負荷をWL(W/c
    2 )、前記発光管の平均結晶粒径をG(μm)、前記
    発光管の肉厚をt(mm)とすると、30≦WL≦10
    0、1≦G≦30かつ0.8≦t≦2.5を満足すると
    ともに、前記発光物質として、少なくともハロゲン化イ
    ンジウムとハロゲン化リチウムとが封入されているとと
    もに、ハロゲン化ガドリニウム、ハロゲン化ディスプロ
    シウム、ハロゲン化ホルミニウム 、ハロゲン化テルビウ
    ム、ハロゲン化エルビウム、ハロゲン化プラセオジム、
    ハロゲン化ツリウム、ハロゲン化ルテチウムのうち少な
    くとも1種類が封入されており、前記発光管の内容積に
    対するハロゲン化インジウムの封入量をM 3 (mg/c
    c)、ハロゲン化リチウムの封入量をW 3 (mg/c
    c)、ハロゲン化ガドリニウム、ハロゲン化ディスプロ
    シウム、ハロゲン化ホルミニウム、ハロゲン化テルビウ
    ム、ハロゲン化エルビウム、ハロゲン化プラセオジム、
    ハロゲン化ツリウム、ハロゲン化ルテチウムの総封入量
    をN 4 (mg/cc)とすると、1.0≦M 3 ≦3.0か
    つ1×10 -4 ≦W 3 ≦1.0かつ0.5≦N 4 ≦6.0を
    満足することを特徴とする高圧放電灯。
  4. 【請求項4】 前記電極に直流成分の電圧を印加してラ
    ンプを直流点灯し、点灯中に陽極となる電極を陰極とな
    る電極に比べて大きく形成したことを特徴とする請求項
    1〜のいずれかに記載の高圧放電灯。
  5. 【請求項5】 反射面が放物面あるいは楕円面からなる
    凹面反射鏡と、請求項1〜のいずれかに記載の高圧放
    電灯とが、前記高圧放電灯のアーク軸が前記凹面反射鏡
    の光軸上に位置されて一体化されていることを特徴とす
    る照明光学装置。
  6. 【請求項6】 反射面が放物面あるいは楕円面からなる
    凹面反射鏡と、請求項に記載の高圧放電灯とが、前記
    高圧放電灯のアーク軸が前記凹面反射鏡の光軸上に位置
    されて一体化されているとともに、直流点灯中に陰極と
    なる前記電極を前記凹面反射鏡の前面投光部側に配置し
    たことを特徴とする照明光学装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも光源および集光部からなる光
    源部と、画像形成部とからなる画像表示装置において、
    前記光源部に請求項または請求項記載の照明光学装
    置を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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