JPH05325693A - 耐熱性薄葉紙の製造方法 - Google Patents

耐熱性薄葉紙の製造方法

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JPH05325693A
JPH05325693A JP13685892A JP13685892A JPH05325693A JP H05325693 A JPH05325693 A JP H05325693A JP 13685892 A JP13685892 A JP 13685892A JP 13685892 A JP13685892 A JP 13685892A JP H05325693 A JPH05325693 A JP H05325693A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アラミド系重合体からなるパルプと短繊維と
を主成分とする電気的負性ガス、シリコン油、樹脂など
の吸収性、含浸性に優れ、かつ、電気特性良好な耐熱性
薄葉紙状物を提供する。 【構成】 芳香族ポリアミドパルプ1〜20重量%と、
芳香族ポリアミド短繊維99〜80重量%との混合物か
ら実質的になる水性スラリーから湿式抄造法によって形
成された湿紙を加熱加圧加工して得られる耐熱性薄葉紙
であって、加熱加圧加工前(カレンダー加工前)の薄葉
紙中の芳香族ポリアミドパルプに含まれる極性溶媒の量
が、0.013〜5.50%範囲内にあり、かつ、加熱
加圧加工後(カレンダー加工後)の薄葉紙の坪量が、8
〜45g/m2 範囲、嵩密度が0.20〜0.90g/
cm3 範囲内であることを特徴とする耐熱性薄葉紙の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性薄葉紙、特に電
気的負性ガス、不燃性シリコン油、エポキシ樹脂などの
吸収性、含浸性に優れた耐熱性薄葉紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】通常、変圧器には、絶縁強さや冷却効果
を高めるための媒体として6フッ化イオウガス等の電気
的負性ガス、不燃性のシリコン油等が使用されている。
従って、変圧器の巻線の絶縁に使用される巻線被覆用の
薄葉紙状絶縁材料は、前記のガス体やシリコン油を充分
に吸収、含浸するものでなければならない。即ち、含浸
性の悪い薄葉紙状絶縁材料では、絶縁物内にボイドが残
り、耐コロナ性、絶縁耐力、tanδ等の電気特性が著
しく劣ることになり、用途上必要な絶縁強さや冷却効果
を発現できなくなって、変圧器に要求される特性を満足
させ得ることができなくなる。また、電動機等の巻線の
絶縁に使用される巻線被覆用の絶縁材料には、エポキシ
等の樹脂を含浸させた薄葉紙状の絶縁材料が使用される
が、前記と同様に、やはり、樹脂含浸性の良好な材料で
なければ、充分な電気特性を発現できなくなって、電動
機の要求特性を満足させることができなくなる。また一
方、電子写真装置等の定着ローラや感光体のようなクリ
ーニングを必要とする非清掃部材の清掃用として使用さ
れるクリーニングウエブにも耐熱性薄葉紙状材料が活用
されているが、この場合にも前記と同様に、シリコン油
等の含浸性の良好な材料でなければ、充分なクリーニン
グ性を発揮できない。また更に、市場では、これら電
気、電子機器に対する小型化の要求が、近年、ますます
高まっており、それに伴い、絶縁材料についても耐熱性
や電気特性の向上がますます重要視されるようになりつ
つあり、含浸性良好で、かつ、薄くて耐熱性良好な薄葉
紙状の絶縁材料の提供が関連市場において望まれてお
り、これに対応すべく、芳香族ポリアミドパルプと芳香
族ポリアミド短繊維の組み合わせによる耐熱性の薄葉紙
状物が種々提案されている。
【0003】例えば、前述のような市場の要求に対応す
べく、芳香族ポリアミドパルプと芳香族ポリアミド短繊
維のみからなる耐熱性薄葉紙状物としては、特開平2―
236907号公報あるいは特開平2―106840号
公報、特開平3―69692号公報などが提案されてい
る。
【0004】しかし、これらに提案された耐熱性薄葉紙
状物は、何れも、湿紙形成を優先し、芳香族ポリアミド
パルプを少なくとも20〜25重量%含有するものであ
り、抄紙時の濾水性をやや犠牲にしたものである。即
ち、薄葉紙状物形成にあたって、芳香族ポリアミド短繊
維同士を接着するための接着剤の役割を芳香族ポリアミ
ドパルプが担っているが、もともと、木材パルプ等の天
然パルプに比べて、芳香族ポリアミドパルプの接着力は
劣っているため、薄葉紙状物中における、その含有量を
低下させると薄葉紙の強力が低下してくるので、含有量
を減少させるにつれ、その後のカレンダー加工工程にお
ける加工時の温度と圧力を増加しなければ、目的とする
特性を有する品質の薄葉紙状物を得ることができず、従
って、その結果、薄葉紙状物の嵩密度が高くなって、ど
うしても、前記のガス体やシリコン油、エポキシ樹脂等
の含浸性を犠牲にせざるを得ないという問題があった。
また更に、芳香族ポリアミドパルプの量を25重量%以
上含有せしめると湿紙形成時の濾水性が悪化してくると
いう問題もあった。
【0005】本発明者らは、上記のかかる問題を克服す
べく、鋭意研究の結果、特殊な芳香族ポリアミドパルプ
を使用すれば、耐熱性薄葉紙状物中における芳香族ポリ
アミドパルプの含有量を20重量%以下におさえても抄
紙が充分可能で、濾水性も改善され、従って、得られた
薄葉紙状物の嵩密度も比較的低く、即ち、前記のガス体
やシリコン油、樹脂等の含浸性も良好な薄葉紙を得るこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下本発明について詳説する。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、電気的負性ガス体やシ
リコン油、エポキシ樹脂等の含浸性に優れ、かつ、耐熱
性、耐コロナ性、絶縁耐力、tanδ等の電気特性の良
好な薄葉紙を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】即ち本発明は、「(請求項1)芳香族ポ
リアミドパルプ1〜20重量%と、芳香族ポリアミド短
繊維99〜80重量%との混合物からなる水性スラリー
から湿式抄造法によって形成された湿紙を加熱加圧加工
して得られる耐熱性薄葉紙の製造方法において、加熱加
圧加工前の薄葉紙中の芳香族ポリアミドパルプに含まれ
る極性溶媒の量が、0.013〜5.50%であり、か
つ、加熱加圧加工後の薄葉紙の坪量が8〜45g/
2 、嵩密度が0.20〜0.90g/cm3 であること
を特徴とする耐熱性薄葉紙の製造方法。(請求項2)約
150トールの真空下で含浸させた場合における比較的
低粘度のシリコン油吸収量が15重量%以上である請求
項1に記載の耐熱性薄葉紙の製造方法」である。
【0008】ここでいう芳香族ポリアミドとは芳香族ポ
リアミド、及び芳香族ポリアミドイミドである。芳香族
ポリアミドは従来公知の(A)芳香族環を有するジカル
ボン酸と芳香族環を有するジアミンとの縮合ポリアミ
ド、(B)芳香族環を有するアミノカルボン酸を縮合し
てなる縮合ポリアミド、(C)前記の(A)と(B)と
を共重合したポリアミド、などがあげられる。
【0009】また、芳香族ポリアミドイミドは、下記の
一般式で示される単位を有するポリアミドイミドであ
る。
【0010】
【化1】
【0011】但し、Rは
【0012】
【化2】
【0013】また、Xは
【0014】
【化3】
【0015】R′は低級アルキレン基である。
【0016】更に、本発明において使用する芳香族ポリ
アミドパルプ(以下、パルプ状微粒子という)とは、従
来公知の通常の構造の微粒子形状で湿紙形性能を有する
ものであって、例えば、特公昭35―11851号公
報、特公昭37―5732号公報等に記載された形状を
有するものであるが、従来公知のパルプ状粒子と異なる
ところは、このパルプ状粒子を混合し、湿式抄造法によ
って形成された湿紙を乾燥して得られる加熱加圧加工前
(カレンダー加工前)の乾燥紙中に存在するパルプ状粒
子中に残存する極性溶媒量が0.013〜5.50重量
%の範囲内になるように予め設定、調整されているパル
プ状粒子を用いる点である。なお、このパルプ状粒子と
混合する短繊維には芳香族ポリアミドからなる短繊維が
用いられる。なお、芳香族ポリアミドパルプ及び芳香族
ポリアミド短繊維としては、特にポリメタフェニレンイ
ソフタラミド系が好ましく、芳香族ポリアミド短繊維は
パルプ状微粒子と同一の化学構造のものが最も好ましい
が、限定されるものではなく、異なる化学構造のもので
もよい。
【0017】また更に、ガス体やシリコン油等の吸収
性、樹脂類の含浸性、耐熱性などをより向上させるため
に、必要ならば、雲母微粒子、水酸化アルミニウム、酸
化アルミニウム等の無機粉体を混合してもよい。
【0018】また、短繊維は芳香族ポリアミドからなる
短繊維のみでもよいし、必要に応じて、これに少量の無
機質の短繊維を混合したものでもよい。なお短繊維の単
糸繊度は芳香族ポリアミド短繊維の場合、20.0デニ
ール以下、更に好ましくは0.5〜10.0デニールで
あり、無機質繊維の場合は30.0μm以下がよく、好
ましくは0.3〜20μmである。
【0019】本発明においては、極性溶剤を比較的多量
に含むパルプ状微粒子と短繊維、更に、必要に応じて無
機質粒子や無機質短繊維を混合し、固形分濃度が約0.
25〜0.45重量%になるように調整した水性スラリ
ーから、従来公知の湿式抄造法、例えば長網式、丸網式
等の抄紙機を用いて湿紙を形成し、この湿紙を脱水、乾
燥して得た乾燥紙を加熱加圧カレンダー加工して、特定
の乾燥紙の厚さ、嵩密度を有する耐熱性薄葉紙状物を得
ることができる。
【0020】この場合、極性溶剤を含むパルプ状微粒子
の比率は1〜20重量%であり、好ましくは8〜15重
量%である。かつ、このパルプ状微粒子が含んでいる極
性溶剤の含有量は、0.013〜5.50重量%が望ま
しく、更に望ましくは0.020〜4.50重量%が望
ましい。本発明の目的はガス体やシリコン油等の吸収
性、樹脂類の含浸性に優れ、かつ、最低限必要な諸物性
値を有する耐熱性薄葉紙状物を提供することにあるた
め、カレンダー加工後の薄葉紙状物中における短繊維同
士の接着点、融着点を極力減少せしめ、かつ、該接着点
や融着点の接着強力、融着強力を従来以上に高めて、必
要な諸物性値を発現させることにある。そのためには、
使用するパルプ状微粒子の量を極力少なくし、かつ、パ
ルプ状微粒子の接着剤としての性能を従来以上に充分に
高く発現させるようにしなければならない。
【0021】本研究者らは鋭意研究の結果、カレンダー
加工前の薄葉紙状物中のパルプ状微粒子中に含まれる極
性溶剤の量が多いほど、カレンダー加工工程でパルプ状
微粒子が溶融し易くなって、融着力、接着力が高まるこ
とを発見した。但し、パルプ状微粒子中の極性溶剤の量
が多すぎるとカレンダー加工後の耐熱性薄葉紙状物中に
残存する極性溶剤量も多くなりすぎて、電気特性、特に
絶縁強さや耐熱性を悪化せしめて、用途上好ましくなく
なるため、カレンダー加工前の薄葉紙状物中のパルプ状
微粒子中に含まれる極性溶剤の量を0.013〜5.5
0重量%とする必要がある。パルプ状微粒子中に含まれ
る極性溶剤の量が0.013重量%未満では、カレンダ
ー加工後の薄葉紙状物の引張強力が不充分である。ま
た、極性溶剤の量が5.50重量%を越えると、前述の
如く、電気特性や耐熱性が低下し、目的とする用途の要
求特性を満足し得なくなる。なお、ここでいう極性溶剤
とは、当該パルプ状微粒子を少なくとも3.0重量%以
上溶解する溶剤であり、例えば、N―メチル―2―ピロ
リドン、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメ
チルアセトアミド等のアミド系溶剤、及び、ジメチルス
ルホキシド、N―メチルカプロラクタム、N―メチルピ
ペリジン等である。
【0022】極性溶剤を含有するパルプ状微粒子のカレ
ンダー加工前の乾燥紙中に占める比率が1重量%未満で
は、水性スラリーから抄紙機で抄造する場合、湿紙形成
能力が著しく悪化して抄造が不可能となり好ましくな
い。また、パルプ状微粒子の比率が10重量%を越えた
場合、濾水性が低下し、かつ、カレンダー加工後に得ら
れる薄葉紙状物のシリコン油や樹脂等の吸収性、含浸性
が低下するので、極性溶剤を含有するパルプ状微粒子の
カレンダー加工前の乾燥紙中に占める比率は1〜20重
量%とすることが必要である。従って、カレンダー加工
前の乾燥紙中に占める芳香族ポリアミド繊維、又は、芳
香族ポリアミド短繊維と無機質の短繊維とを加えたもの
の比率は、99〜80重量%である。
【0023】更に、本発明においては、加熱加圧加工後
の薄葉紙の坪量が8〜45g/m2、嵩密度が0.20
〜0.90g/cm3 になるようにカレンダー加工する。
このカレンダー加工は、通常、直径が約15〜80cmか
らなる1つの硬質表面ロールと直径が約30〜100cm
からなる1つの変形可能な弾性ロールとの間、又は直径
が約20〜80cmからなる2ケの硬質表面ロール同士の
間で行われるが、硬質表面ロールと変形可能な弾性ロー
ルとの間で加熱加圧して行うのが望ましい。この時の硬
質表面ロールの表面温度は、約310℃以下、好ましく
は180〜290℃であり、加圧力は約400kg/cm以
下、好ましくは150〜350kg/cmである。カレンダ
ーロールの表面温度、及び圧力が上記の範囲を外れると
得られる薄葉紙状物の嵩密度が0.25〜0.90g/
cm3 の範囲内に入らなくなるばかりでなく、薄葉紙状物
の強力の低下や、シリコン油、樹脂の吸収性、含浸性の
低下を招く等の問題を生じる。
【0024】
【発明の効果】本発明によって得られる薄葉紙は上述の
とおり、ガス体やシリコン油、樹脂等の吸収性、含浸性
が必要とされる変圧器、電動機等の巻線用の耐熱性薄葉
紙状絶縁材料として有用であるばかりでなく、電子写真
装置等の定着ロールや感光体のようなクリーニングを必
要とする非清掃部材の清掃用に使用されるクリーニング
ウエブとしても非常に有用な耐熱性薄葉紙状材料であ
る。
【0025】以下実施例により本発明の耐熱性薄葉紙状
物の製造方法について、更に具体的に説明する。なお、
実施例に示した各特性値は以下の方法により評価した値
である。 1)坪量:JIS P8124に準じて測定した。 2)厚さ:マイクロメーターを用いて、JIS C21
11,5.2により測定した。 3)嵩密度:JIS C2111,6.1により測定し
た。 4)引張強力:定速伸長型引張試験機を用いて、JIS
C2111の7に準じて測定した。 5)シリコン含浸率:薄葉紙状物から採取した試料を常
温下で1200センチストロークス以下の粘度であるシ
リコン油中にいれ、約150トールの真空下で、シリコ
ン油を3日間含浸させた後に試料をとりだし、下記式に
より算出した。 シリコン含浸率(%)=100×{(シリコン含浸後の
試料の重量―シリコン含浸前の試料の重量)/シリコン
含浸前の試料の重量} 6)パルプ状微粒子中の極性溶剤量測定:熱分解(抽
出)法により測定した。
【0026】
【実施例1】特公昭47―10863号公報に記載の界
面重合法によりポリメタフェニレンイソフタレミドを製
造した。このポリマーをN―メチル―2―ピロリドンに
溶解して測定した固有粘度(IV)は、1.35であ
り、ポリマー中に無機塩を含んでいない。次に、このポ
リマーをN―メチル―2―ピロリドンにポリマー濃度1
2.5重量%となるように溶解し、沈澱用のポリマー溶
液とした。
【0027】一方、N―メチル―2―ピロリドンの濃度
が通常より多めの40重量%となるように水を加えて水
溶液を作り、沈澱剤とした。このポリマー溶液及び、沈
澱剤を用いて、特開昭52―15162号公報に記載さ
れた沈澱装置により、同公報に記載されている方法でパ
ルプ状微粒子を製造した。なお、このパルプ状微粒子中
に含まれているN―メチル―2―ピロリドンの量は、約
8.50重量%であった。次に、このパルプ状微粒子を
パルパー、高速解離機、ディスクリファイナーを用いて
スラリー濃度0.4%でカナディアン標準濾水度110
mlの水性スラリーを作成した。なお、これらの工程で
は、パルプ状微粒子中に含まれているN―メチル―2―
ピロリドンが溶出せずに、できるだけ多く残存するよう
に注意して手早く作業を実施した。
【0028】また一方、ポリメタフェニレンイソフタラ
ミド延伸糸として、単糸繊度が2.0デニール、繊維長
6.0mmの短繊維を1%濃度でパルパーにより水中に解
離分散させた。このオリメタフェニレンイソフタラミド
短繊維分散液と、パルプ状微粒子分散スラリーとを短繊
維対パルプ状微粒子の比率が82重量%対18重量%と
なるように混合、撹拌して、均一な抄紙用スラリーを作
成した。この工程でも、極力、パルプ状微粒子中に含ま
れているN―メチル―2―ピロリドンが、前記同様、溶
出しないように手早く注意して作業を実施した。次に、
タッピー式角型手抄機を用いて、該抄紙用スラリーを使
用して抄紙し、重量が約300g/m2の水分を多量に
含んだ湿紙を得た。なお、この湿紙は乾燥した後の坪量
が24.4g/m2 であった。またこの乾燥紙を分解し
てパルプ状微粒子を取り出し、N―メチル―2―ピロリ
ドンの含有量を測定したところ、約1.12重量%含ま
れていることが判った。得られた乾燥紙を、直径が約2
5cmの硬質表面ロールと直径が約50cmの変形可能な弾
性ロールにより、表1に示す条件でカレンダー加工を実
施し、目的とする薄葉紙状物を得た。得られた薄葉紙状
物について諸特性を測定し、その結果を表1に示した。
【0029】
【実施例2】実施例1の場合と同様にして作成したポリ
メタフェニレンイソフタラミド短繊維分散液と、パルプ
状微粒子分散スラリーとを短繊維対パルプ状微粒子の比
率が97重量%対3重量%となるように混合、撹拌し
て、均一な抄紙用スラリーを作成した。但し、パルプ状
微粒子中に含まれているN―メチル―2―ピロリドン
が、実施例1の場合と同様にスラリー作成工程でできる
だけ溶出しないように、残存させるべく、手早く注意し
て作業を実施した。次に、タッピー式角型手抄機を用い
て、該抄紙用スラリーを使用して抄紙し、重量が約35
0g/m2 の水分を多量に含んだ湿紙を得た。なお、こ
の湿紙は乾燥した後の坪量が33.5g/m 2 であっ
た。またこの乾燥紙を分解してパルプ状微粒子を取り出
し、N―メチル―2―ピロリドンの含有量を測定したと
ころ、約1.15重量%含まれていることが判ったの
で、さらに、パルプ状微粒子にN―メチル―2―ピロリ
ドンを含浸させるべく、噴霧器を用いN―メチルピロリ
ドンを乾燥紙に噴霧して、パルプ状微粒子に含まれるN
―メチル―2―ピロリドンの量が4.5重量%になるよ
うに調整した乾燥紙を得た。得られた乾燥紙を、実施例
1で用いたものと同一のカレンダー機により、表1に示
す条件でカレンダー加工を実施し、目的とする薄葉紙状
物を得た。得られた薄葉紙状物について諸特性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0030】
【実施例3】実施例1の場合と同様にして作成したポリ
メタフェニレンイソフタラミド短繊維分散液と、パルプ
状微粒子分散スラリーとを短繊維対パルプ状微粒子の比
率が87重量%対13重量%となるように混合、撹拌し
て、均一な抄紙用スラリーを作成した。但し、パルプ状
微粒子中に含まれているN―メチル―2―ピロリドン
が、実施例1の場合よりも少なくなるようにするため
に、抄紙用スラリー液の固形分濃度が0.25重量%に
なるように調整した。次に、タッピー式角型手抄機を用
いて、該抄紙用スラリーを使用して抄紙し、重量が約2
50g/m2 の水分を多量に含んだ湿紙を得た。なお、
この湿紙は乾燥した後の坪量が18.5g/m2 であっ
た。またこの乾燥紙を分解してパルプ状微粒子を取り出
し、N―メチル―2―ピロリドンの含有量を測定したと
ころ、約0.03重量%含まれていることが判った。得
られた乾燥紙を、実施例1で用いたものと同一のカレン
ダー機により、表1に示す条件でカレンダー加工を実施
し、目的とする薄葉紙状物を得た。得られた薄葉紙状物
について諸特性を測定し、その結果を表1に示した。
【0031】
【比較例1】実施例1と比較するために、実施例1と同
様の方法で、短繊維対パルプ状微粒子の比率が82重量
%対18重量%となるように混合、撹拌して均一な抄紙
用スラリーを作成した。但し、パルプ状微粒子中に含ま
れているN―メチル―2―ピロリドンが、実施例1の場
合よりも少なくなるようにするために、抄紙用スラリー
液の固形分濃度が0.25重量%になるように調整し
た。次に、タッピー式角型手抄機を用いて、該抄紙用ス
ラリーを使用して抄紙し、かつ水洗して、重量が約23
2g/m2 の水分を多量に含んだ湿紙を得た。なお、こ
の湿紙は乾燥した後の坪量が25.5g/m2 であっ
た。またこの乾燥紙を分解してパルプ状微粒子を取り出
し、N―メチル―2―ピロリドンの含有量を測定したと
ころ、約0.01重量%含まれていることが判った。得
られた乾燥紙を、実施例1で用いたものと同一のカレン
ダー機により、表1に示す条件でカレンダー加工を実施
し、目的とする薄葉紙状物を得た。得られた薄葉紙状物
について諸特性を測定し、その結果を表1にまとめ比較
例1として示した。
【0032】
【比較例2】比較のため、パルプ状微粒子にN―メチル
―2―ピロリドンを含浸させるべく、噴霧器を用いN―
メチル―2―ピロリドンを乾燥紙に噴霧して、パルプ状
微粒子に含まれるN―メチル―2―ピロリドンの量が
6.50重量%になるように調整した以外は実施例2と
同様に行って乾燥紙を得、得られ他乾燥紙を、実施例1
で用いたものと同一のカレンダー機により、表1に示す
条件でカレンダー加工を実施し、得た薄葉紙状物の諸特
性を測定し、その結果について表1に示した。
【0033】
【比較例3】比較のため、実施例1の場合と同様にして
作成したポリメタフェニレンイソフタラミドの短繊維分
散液と、パルプ状微粒子分散スラリーとを、短繊維対パ
ルプ状微粒子の比率が99.5重量%対0.5重量%に
なるように混合、撹拌して、均一な抄紙用スラリーを作
成した以外は実施例2と同様にして乾燥紙を得、その乾
燥紙について実施例2と同様にカレンダー加工を実施
し、得られた薄葉紙状物について諸特性を測定して、そ
の結果を表1に比較例3として示した。
【0034】
【比較例4】比較のため、従来公知の技術にもとずき作
成したポリメタフェニレンイソフタラミドの短繊維分散
液と、スラリー濃度を低下せしめて、極性溶剤が極力水
中に溶出するようにして作成したパルプ状微粒子分散ス
ラリーとを短繊維対パルプ状微粒子の比率が75重量%
対25重量%になるように混合、撹拌して、均一な抄紙
用スラリーを試作した。続いて、タッピー式角型手抄機
を用いて、該抄紙用スラリーを使用して抄紙し、約26
0g/m2 の重量からなる水分を多量に含んだ湿紙を作
成した。なお、この湿紙は、乾燥した後の坪量が20.
5g/m2 であった。またこの乾燥紙を分解してパルプ
状微粒子を取り出し、N―メチル―2―ピロリドンの含
有量を測定したところ、約0.01重量%含まれてい
た。濾紙を乾燥して得た乾燥紙を実施例1で用いたもの
と同一のカレンダー機により、表1に示す条件でカレン
ダー加工を実施し、目的とする薄葉紙状物を得、その薄
葉紙状物について諸特性を測定し、結果を表1に比較例
4として示した。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、本発明の耐熱性
薄葉紙状物は実用的強力を有し、かつ、シリコン油等の
吸収性、含浸性に優れているため、変圧器、電動機等の
巻線用絶縁材料として、また電子写真装置の定着ロール
や感光体等に使用されるクリーニングウエブとして有用
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドパルプ1〜20重量%
    と、芳香族ポリアミド短繊維99〜80重量%との混合
    物からなる水性スラリーから湿式抄造法によって形成さ
    れた湿紙を加熱加圧加工して得られる耐熱性薄葉紙の製
    造方法において、加熱加圧加工前の薄葉紙中の芳香族ポ
    リアミドパルプに含まれる極性溶媒の量が、0.013
    〜5.50%であり、かつ、加熱加圧加工後の薄葉紙の
    坪量が8〜45g/m2 、嵩密度が0.20〜0.90
    g/cm3 であることを特徴とする耐熱性薄葉紙の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 約150トールの真空下で含浸させた場
    合における比較的低粘度のシリコン油吸収量が15重量
    %以上である請求項1に記載の耐熱性薄葉紙の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007109671A (ja) * 2006-12-22 2007-04-26 Du Pont Teijin Advanced Paper Kk アラミド薄葉材およびその製造方法
CN102930978A (zh) * 2012-11-15 2013-02-13 常州市英中电气有限公司 超特高压变压器绝缘件的湿法成型工艺

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