JPH0532541A - 脂肪乳剤の安定化法 - Google Patents

脂肪乳剤の安定化法

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JPH0532541A
JPH0532541A JP3209947A JP20994791A JPH0532541A JP H0532541 A JPH0532541 A JP H0532541A JP 3209947 A JP3209947 A JP 3209947A JP 20994791 A JP20994791 A JP 20994791A JP H0532541 A JPH0532541 A JP H0532541A
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良一郎 村島
Shunichi Abe
俊一 阿部
Kazumasa Yokoyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脂肪乳剤と2価金属イオンを含む溶液との混
合に際し、脂肪乳剤の凝集を生じさせない方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 脂肪乳剤と2価金属イオンを含む溶液との混
合に際し、特定の有機酸及び/又はその塩の存在下に混
合することからなる。本発明によれば、有機酸の安定化
作用により、脂肪乳剤と2価金属イオンを含む溶液との
混合時に生ずる凝集を抑制でき、安全性に優れた脂肪乳
剤を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂肪乳剤の安定化法に関
し、より詳細には、脂肪乳剤と2価金属イオンを含む溶
液、例えば電解質液を混合する際の脂肪乳剤の安定化法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、患者の生命の維持において、経口
栄養、経管栄養が不可能であったり、あるいは不十分な
状態であったり、又はそれらが可能ではあっても患者の
消化吸収機能が著しく不良であったり、更には食物が消
化管を通過するのが原疾患の悪化につながるような病態
の場合には、栄養補給のために、経静脈的に輸液の投与
が行われている。このような輸液製剤としては、還元糖
等を含有する糖輸液、必須アミノ酸等を含有するアミノ
酸輸液、ミネラル類を含有する電解質輸液、植物油乳剤
等を含有する脂肪乳剤、混合ビタミン剤等が市販されて
おり、これらの輸液製剤を患者の症状等に合わせて使用
時に適宜混合して用いられており、脂肪乳剤に電解質輸
液を配合することも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電解質輸液
は、通常、2価金属イオン(例えば、カルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、亜鉛イオンなど)を含んでお
り、脂肪乳剤に電解質輸液を配合すると、電解質輸液に
含まれている2価金属イオンにより、脂肪乳剤の脂肪粒
子が凝集して粗大化し、粒子の崩壊を招き、輸液として
の安全性に問題を生じ易い。特に、脂肪乳剤の安定化を
図るために脂肪粒子の粒子径を小さくすると、2価金属
イオンの影響を受け易くなり、脂肪粒子の凝集は顕著に
なる。このように、脂肪乳剤に2価金属イオンを含む電
解質輸液を配合した輸液は不安定で、凝集の問題を生じ
易いため、安定性の改善が切望されている。本発明者ら
は上記事情に鑑み、2価金属イオンに対する脂肪乳剤の
安定化を鋭意検討した結果、脂肪乳剤と2価金属イオン
を含む溶液を混合する際に特定の有機酸又はその塩を共
存させることにより、脂肪粒子の凝集を抑制でき、安定
な脂肪乳剤が得られることを見出して本発明を完成し
た。即ち、本発明は、2価金属イオンの存在下における
脂肪乳剤の安定化法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、脂肪乳剤と2価金属イオンを含
む溶液との混合に際し、安定化剤としてクエン酸、乳
酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸及びマロン酸か
ら選ばれた1種若しくは2種以上の有機酸又はその塩を
用い、これらの存在下に混合することからなる脂肪乳剤
の安定化法である。特に、2価金属イオンを含む溶液と
して、電解質輸液を用いた場合に顕著な効果を奏する。
【0005】上記の構成からなる本発明において、脂肪
乳剤としては、輸液用として用いられている各種の脂肪
乳剤が使用でき、例えば、油脂を乳化剤で乳化して脂肪
粒子の平均粒子径を1μm以下、好ましくは0.5μm以
下、より好ましくは0.3μm以下に乳化させた水中油型脂
肪乳剤が挙げられる。より具体的には、乳化剤を水に分
散させた溶液に油脂を加えた後、撹拌して粗乳化液を調
製し、次いで粗乳化液を高圧乳化法等の慣用の方法によ
り乳化することにより脂肪乳剤を調製することができ
る。上記の乳化を高圧乳化法で行なう場合、例えば、マ
ントンゴーリンホモジナイザー等の乳化機を用い、粗乳
化液を20〜700Kg/cm2程度の条件下、5〜50回程度通過さ
せることにより行われる。乳化に際して、安定且つ微粒
子状の乳剤を得るために、ブドウ糖及び/又はグリセリ
ンの存在下に乳化を行うのが好ましく、この方法によれ
ば平均粒子径が0.17μm以下の乳剤を容易に調製するこ
とができる。又、必要に応じて、乳化補助剤などを添加
して乳化を行ってもよい。
【0006】上記の油脂としては食用油であればいずれ
の油脂も使用でき、例えば、植物油(例えば、大豆油、
綿実油、サフラワー油、トウモロコシ油、ヤシ油、シソ
油、エゴマ油等)、魚油(例えば、タラ肝油等)、中鎖
脂肪酸トリグリセリド[例えば、パナセート(商品名)、
ODO(商品名)等]及び化学合成トリグリセリド類
[例えば、2-リノレオイル-1,3-ジオクタノイルグリセ
ロール(8L8)、2-リノレオイル-1,3-ジデカノイルグリセ
ロール(10L10)等のChemically defined triglyceride
s]から選ばれた1種又は2種以上の油脂が好適に用い
られる。また、乳化剤としては医薬製剤に使用される乳
化剤であればいずれの乳化剤も用いることができ、例え
ば、卵黄リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、大豆リン脂
質、水素添加大豆リン脂質及び非イオン性界面活性剤
[例えば、プルロニックF68、HCO-60(いずれも商品
名)等]から選ばれた1種又は2種以上の乳化剤が好適
に用いられる。
【0007】特に好ましくは、油脂として大豆油、乳化
剤として卵黄リン脂質を用い、脂肪粒子の平均粒子径を
0.3μm以下、より好ましくは0.17μm以下に調整した脂
肪乳剤が挙げられる。脂肪乳剤の組成は特に限定されな
いが、好ましい例としては、油脂0.1〜30W/V%(以下、特
別な明示のない限り、%はW/V%を示す)程度、好ましくは
1〜20%程度、より好ましくは2〜10%程度、乳化剤0.01〜
10%程度、好ましくは0.05〜5%程度、より好ましくは0.1
〜1%程度、及び適量の水からなる脂肪乳剤が挙げられ
る。
【0008】上記の脂肪乳剤は、還元糖等の糖類を含有
していてもよい。還元糖としては、例えば、ブドウ糖、
果糖、マルトース等が挙げられ、これらの還元糖は2種
以上を混合して用いてもよい。更に、これらの還元糖に
ソルビトール、キシリトール及び/又はグリセリンを加
えた混合物を用いてもよい。これらの糖類の添加は、乳
剤を調製した後に行ってもよいし、乳剤を調製する際に
行ってもよい。これらの糖類を含有する脂肪乳剤の好ま
しい例としては、油脂0.1〜30%程度、好ましくは1〜20%
程度、より好ましくは2〜10%程度、乳化剤0.01〜10%程
度、好ましくは0.05〜5%程度、より好ましくは0.1〜1%
程度、糖類1〜60%程度、好ましくは5〜40%程度、より好
ましくは10〜30%程度、及び適量の水とからなる脂肪乳
剤が挙げられる。
【0009】なお、脂肪乳剤には、滅菌時及び保存時の
脂肪乳剤の着色を防止するために着色防止剤(例えば、
チオグリセロール、ジチオスレイトール等)を添加して
もよく、またpHの安定化を図るために緩衝剤[例え
ば、L−ヒスチジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン等]を添加してもよい。これら着色防止剤及び
緩衝剤の添加量は、通常、それぞれ1%程度以下とされ
る。更に、本発明においては、脂肪乳剤に、ビタミン類
(例えば、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビ
タミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類等)などを添
加してもよい。これらの添加剤は、乳剤を調製した後に
添加してもよいし、乳剤を調製する際に添加してもよ
い。
【0010】本発明の方法において、2価金属イオンを
含む溶液とは、少なくとも2価金属イオンの1種を含む
溶液を意味する。本発明の方法は、2価金属イオンを含
む溶液として、当該イオンを含む電解質輸液を用いた場
合に特に顕著な効果を奏する。2価金属イオンを含む電
解質輸液としては、例えば、カルシウムイオン(例え
ば、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カル
シウム、パントテン酸カルシウム等)、マグネシウムイ
オン(例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、
酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム等)、亜鉛イオン
(例えば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸
亜鉛、酢酸亜鉛等)などの少なくとも1種を含み、さら
にナトリウムイオン(例えば、塩化ナトリウム、酢酸ナ
トリウム、乳酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等)、カリ
ウムイオン(例えば、塩化カリウム、酢酸カリウム、乳
酸カリウム、硫酸カリウム等)、リン源(例えば、リン
酸二水素カリウム、リン酸一水素カリウム、グリセロリ
ン酸カリウム、グリセロリン酸ナトリウム、グリセロリ
ン酸カルシウム、グリセロリン酸マグネシウム等)、所
謂トレースエレメント(例えば、ヨウ素、鉄、銅、マン
ガン等)などを含んでいてもよい輸液が挙げられる。
【0011】上記の電解質輸液はアミノ酸輸液との合剤
でもよく、アミノ酸輸液としては栄養補給を目的として
用いられている各種アミノ酸輸液のいずれも用いること
ができる。アミノ酸輸液に含有されるアミノ酸として
は、例えば、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−バ
リン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラ
ニン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−アル
ギニン、L−ヒスチジン、グリシン、L−アラニン、L
−プロリン、L−アスパラギン酸、L−セリン、L−チ
ロシン、L−グルタミン酸、L−システインなどが例示
される。これらのアミノ酸は、必ずしも遊離アミノ酸の
形態で用いられる必要はなく、無機酸塩(例えば、L−
リジン塩酸塩等)、有機酸塩(例えば、L−リジン酢酸
塩、L−リジンリンゴ酸塩等)、生体内で加水分解可能
なエステル体(例えば、L−チロシンメチルエステル、
L−メチオニンメチルエステル、L−メチオニンエチル
エステル等)、N−置換体(例えば、N−アセチル−L
−トリプトファン、N−アセチル−L−システイン、N
−アセチル−L−プロリン等)、同種又は異種のアミノ
酸をペプチド結合させたジペプチド類(例えば、L−チ
ロシル−L−チロシン、L−アラニル−L−チロシン、
L−アルギニル−L−チロシン、L−チロシル−L−ア
ルギニン等)などの形態で用いられていてもよい。
【0012】本発明においては、安定化剤としてクエン
酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸及びマロ
ン酸から選ばれた1種又は2種以上の有機酸(以下、有
機酸類という)が用いられ、好適にはクエン酸が用いら
れる。これらの有機酸類は塩の形態であってもよく、有
機酸類とその塩とを併用してもよい。有機酸類の塩とし
ては、無機塩基塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩
などのアルカリ金属塩等)、有機塩基塩(例えば、エタ
ノールアミン塩、N−メチルグルカミン塩、アミノ酸と
の塩等)が挙げられる。これらの有機酸類及び/又はそ
の塩は、脂肪乳剤と2価金属イオンを含む溶液とを混合
する際に存在すればよい。すなわち、有機酸類及び/又
はその塩は、予め脂肪乳剤に添加しておいてもよく、ま
た2価金属イオンを含む溶液、例えば上記の電解質輸液
に添加しておいてもよく、さらに混合時に添加してもよ
い。有機酸類及び/又はその塩の使用量は、2価金属イ
オンを含む溶液中の当該金属イオン量、脂肪乳剤中の脂
肪粒子の粒子径、濃度等に応じて適宜調整されるが、通
常、混合後、5〜80mEq/l程度、好ましくは10〜40mEq/l
程度の濃度となるよう使用される。
【0013】本発明の方法は種々の態様で実施すること
ができるが、好ましくは、2価金属イオンを含む溶液
(例えば、前記のアミノ酸類を含んでいてもよい電解質
輸液)に予め所定量の有機酸類及び/又はその塩を添加
しておき、この溶液と前記の脂肪乳剤とを混合する方法
により行われる。本発明においては、有機酸類及びその
塩の安定化作用により、脂肪乳剤と2価金属イオンを含
む溶液とを混合しても凝集を生ずることがなく、長期間
安定な状態を維持できる。
【0014】本発明において、2価金属イオンを含む溶
液として電解質輸液を用いる場合、得られた脂肪乳剤と
電解質輸液との混合輸液(糖類及び/又はアミノ酸類を
含有していてもよい)は輸液として好適に使用すること
ができる。かかる混合輸液は、予め滅菌された脂肪乳剤
(糖類を含有していてもよい)及び電解質輸液(アミノ
酸類を含有していてもよい)を無菌的に混合することに
より得られる。これらの脂肪乳剤及び電解質輸液の一方
又は両方には有機酸類及び/又はその塩が添加されてい
る。脂肪乳剤及び電解質輸液の滅菌は常法に準じて行う
ことができ、例えば、当該輸液をガラス容器やプラスチ
ック(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等)容器(例
えば、バッグ、ボトル等)に充填し、次いで不活性ガス
(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス等)で置換し、密封
した後、滅菌工程に付すことにより行われる。滅菌工程
は常法に準じて行なうことができ、例えば、高圧蒸気滅
菌、熱水浸漬滅菌、熱水シャワー滅菌等の方法により行
なうことができる。なお、プラスチック容器を用いる場
合には、実質的に酸素を含まない雰囲気下で滅菌するの
が好ましい。かくして滅菌された脂肪乳剤及び電解質輸
液は、滅菌されたチューブなどを介して無菌的に混合す
ることにより、混合輸液を調製することができる。かく
して調製された混合輸液は、そのままで若しくは水で希
釈して、又単独で若しくは必要に応じて他の輸液製剤、
薬剤等と混合されて患者に経静脈投与される。更に経
口、経腸等の投与形態での投与にも用いることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 大豆油79.2g、卵黄リン脂質9.5g及びブドウ糖600gに水
を加えて1000mlとし、マントンゴーリンホモジナイザー
(ゴーリン社製、15M-8TA型)により乳化した。得られた
乳剤を水で2.4倍希釈した後、濾過し、50mlガラス瓶に
分注し、次いで窒素ガス置換し密栓した。これに、115
℃、30分間の高圧蒸気滅菌を施した(以下、糖添加脂肪
乳剤という)。一方、表1に示される組成からなるアミ
ノ酸及び電解質を含む溶液を調製し、これにクエン酸0
〜80mEq/lを添加した後、濾過した。濾液を、50mlガラ
ス瓶に分注し、次いで窒素ガス置換し密栓した。これ
に、115℃、30分間の高圧蒸気滅菌を施した(以下、ア
ミノ酸+電解質溶液という)。なお、この溶液のpHは6.
3から6.4に調製した。まず、アミノ酸+電解質溶液を無
菌的に2ml抜き取り、滅菌してある15ml容のポリスチレ
ン製チューブに入れた。次いで、糖添加脂肪乳剤を無菌
的に4ml抜き取り、このポリスチレン製チューブに加
え、アミノ酸+電解質溶液と糖添加脂肪乳剤とを混合し
た後、密栓した。この混合物の濁度、平均粒子径及び外
観の変化を、1週間にわたって測定した。アミノ酸+電
解質溶液中のクエン酸濃度に対する濁度、平均粒子径及
び外観の変化を表2に示す。脂肪乳剤の平均粒子径は光
散乱法により、濁度は620nm(1cmセル)の吸光度により測
定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表2に示されるように、クエン酸を添加す
ることにより、濁度及び平均粒子径の上昇が抑制され、
外観の変化も軽度となった。
【0019】
【発明の効果】本発明においては、安定化剤として有機
酸類及び/又はその塩が用いられており、脂肪乳剤と2
価金属イオンを含む溶液を混合する際に生ずる脂肪粒子
の凝集を抑制することができる。従って、本発明によれ
ば、安全性に優れた脂肪乳剤を得ることができるという
効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村島 良一郎 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 阿部 俊一 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 横山 和正 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪乳剤と2価金属イオンを含む溶液
    との混合に際し、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン
    酸、マレイン酸及びマロン酸から選ばれた1種若しくは
    2種以上の有機酸又はその塩の存在下に混合することを
    特徴とする脂肪乳剤の安定化法。
  2. 【請求項2】 脂肪乳剤が、植物油、魚油、中鎖脂肪
    酸トリグリセリド及び化学合成トリグリセリドから選ば
    れた1種又は2種以上の油脂を、卵黄リン脂質、水素添
    加卵黄リン脂質、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質
    及び非イオン性界面活性剤から選ばれた1種又は2種以
    上の乳化剤を用いて乳化させた水中油型脂肪乳剤である
    請求項1記載の脂肪乳剤の安定化法。
  3. 【請求項3】 脂肪乳剤が、ブドウ糖、果糖及びマル
    トースから選ばれた1種又は2種以上の還元糖、又は当
    該還元糖とソルビトール、キシリトール及びグリセリン
    から選ばれた1種又は2種以上との混合物を配合した脂
    肪乳剤である請求項1又は2記載の脂肪乳剤の安定化
    法。
  4. 【請求項4】 脂肪乳剤が、油脂0.1〜30W/V%、乳化
    剤0.01〜10W/V%、還元糖1〜60W/V%及び適量の水とから
    なる請求項3記載の脂肪乳剤の安定化法。
  5. 【請求項5】 脂肪乳剤の脂肪粒子の平均粒子径が0.
    17μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の脂
    肪乳剤の安定化法。
  6. 【請求項6】 2価金属イオンを含む溶液が電解質輸
    液である請求項1から5のいずれかに記載の脂肪乳剤の
    安定化法。
  7. 【請求項7】 有機酸がクエン酸である請求項1から
    6のいずれかに記載の脂肪乳剤の安定化法。
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