JPH0769878A - アミノ酸加脂肪乳剤 - Google Patents

アミノ酸加脂肪乳剤

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JPH0769878A
JPH0769878A JP6103613A JP10361394A JPH0769878A JP H0769878 A JPH0769878 A JP H0769878A JP 6103613 A JP6103613 A JP 6103613A JP 10361394 A JP10361394 A JP 10361394A JP H0769878 A JPH0769878 A JP H0769878A
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JP
Japan
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amino acid
fat
emulsion
acid
fat emulsion
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JP6103613A
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English (en)
Inventor
Takashi Fujimoto
貴司 藤本
Tatsuya Ishii
辰哉 石井
Tatsuo Yoshimochi
達夫 吉持
Toshiaki Funato
利明 船戸
Kenji Asakawa
兼次 朝川
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、塩基性アミノ酸を含むアミノ酸及び
脂肪を、乳化剤としてのホスファチジルグリセロールと
共に含むことを特徴とするアミノ酸加脂肪乳剤を提供す
る。 【効果】本発明アミノ酸加脂肪乳剤は、脂肪粒子径の粗
大化や不揃いが起こらず、優れた乳化安定性を長期間具
備し、エネルギー源としての脂肪と、栄養学的にバラン
スのとれたアミノ酸とを配合してなる総合栄養剤として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ酸加脂肪乳剤、よ
り詳しくは脂肪乳剤にアミノ酸を配合した栄養補給用脂
肪乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エネルギー源乃至必須脂肪酸
源としての非経口的に患者に投与される脂肪乳剤はよく
知られており、これは一般に油脂を乳化剤により乳化さ
せた水中油型乳剤形態で、末梢静脈や中心静脈より投与
される。かかる脂肪乳剤は、投与後速やかに代謝され、
組織内で塞栓を起こす可能性を少なくするために、その
粒子径ができるだけ小さく且つ均一で安定性に優れてい
ることが望ましく、一般には脂肪乳剤の乳化剤として卵
黄レシチンや大豆水添レシチンが使用されている。
【0003】近年、上記要求を満足する脂肪乳剤とし
て、新たにホスファチジルグリセロールを始めとする特
定のホスファチジル化多価アルコールを乳化剤として大
豆油等を乳化した脂肪乳剤が検討された(特開平4−3
56417号公報参照)。
【0004】しかるに、栄養補給のための製剤は、上記
エネルギー源乃至必須脂肪酸源としての脂肪成分のみな
らず、少なくともこれと共に生体に必要な必須及び非必
須アミノ酸を含むのが好ましく、特に、例えば腎疾患患
者等の水分制限のある患者に対して上記の如き脂肪乳剤
と、アミノ酸とを別々に投与するのは水分量が多くなり
過ぎ好ましくない。また上記製剤の利用によれば、用時
における繁雑な混合操作や菌汚染等の問題をも回避でき
る利点がある。
【0005】上記観点より、アミノ酸と脂肪とを同一製
剤中に含むアミノ酸加脂肪乳剤に関する研究が種々進め
られているが、脂肪とアミノ酸とを同時に配合して加熱
滅菌すると、電解質であるアミノ酸成分、特にL−リジ
ンやL−アルギニン等の塩基性アミノ酸によって、脂肪
乳剤の乳化破壊が起こり、安定な製剤は調製できない。
即ち、塩基性アミノ酸であるL−リジンやL−アルギニ
ンの配合によれば、脂肪乳剤中で負に帯電している脂肪
粒子が正の電荷をもつ上記塩基性アミノ酸により不安定
化され、脂肪粒子の凝集や合一が起こり、乳化粒子径を
不揃いとし、乳化安定性を損なう不利があった。
【0006】従来からいくつか提案されているこの種の
アミノ酸加脂肪乳剤は、いずれも上記欠点を有するもの
であるか或は上記塩基性アミノ酸を配合しないかその配
合量を制限したものであるか又は上記塩基性アミノ酸を
その誘導体の形で用いたものである。事実、例えば米国
特許第3793450号明細書に記載のそれは、配合す
るアミノ酸について制限があり、その利用では栄養学的
バランスがとれない不利がある。また例えば特開昭61
−74637号公報にて提案されている、塩基性アミノ
酸のアミノ基をアシル化した塩基性アミノ酸誘導体を用
いたアミノ酸配合脂肪乳剤は、それ等のアミノ酸誘導体
自体非生理的であり、生体にとって好ましいものとはい
い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エネ
ルギー源乃至必須脂肪酸源としての脂肪と、塩基性アミ
ノ酸をも含有する点で栄養学的にバランスのとれたアミ
ノ酸とを配合してなる栄養補給剤であって、しかも従来
のこの種製剤に見られる如き塩基性アミノ酸の配合によ
っても脂肪粒子径の粗大化や不揃いが起こらず、優れた
安定性を具備する新しいアミノ酸加脂肪乳剤を提供する
ことにある。
【0008】本発明者等は、上記目的より鋭意研究を重
ねた結果、ホスファチジルグリセロールを主乳化剤とし
て用いると、実に驚くべきことに、脂肪とアミノ酸とを
配合しても、従来のアミノ酸加脂肪乳剤に認められる如
き脂肪粒子径の粗大化や不揃いが起こるという欠点を克
服できることを認め、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、塩基性
アミノ酸を含むアミノ酸及び脂肪を、乳化剤としてのホ
スファチジルグリセロールと共に含むことを特徴とする
アミノ酸加脂肪乳剤に係わる。
【0010】特に本発明によれば、塩基性アミノ酸を含
むアミノ酸が、遊離アミノ酸形態換算で下記組成範囲で
ある上記アミノ酸加脂肪乳剤が提供される。
【0011】アミノ酸 組成(g/全アミノ酸100g) L−イソロイシン 3.5〜11 L−ロイシン 4.5〜19 L−リジン 4.5〜14 L−メチオニン 2〜7 L−フェニルアラニン 4〜15 L−トレオニン 3〜9 L−トリプトファン 0.5〜4 L−バリン 3〜11 L−アルギニン 3〜15 L−ヒスチジン 2〜8 アミノ酢酸 4〜21 L−アラニン 2.5〜11 L−アスパラギン酸 0.5〜11 L−システイン 0〜2 L−グルタミン酸 0.5〜14 L−プロリン 1.5〜12.5 L−セリン 1〜7 L−チロジン 0.1〜2 但し、L−システインは一部又は全部をL−シスチンで
代替できる。
【0012】本発明のアミノ酸加脂肪乳剤は、これを経
静脈的に投与することによって、患者に所望の栄養補給
を行ない得ることは勿論のこと、脂肪粒子径が小さく且
つ均一で安定性に優れた乳剤であり、その投与によって
も各種組織内で塞栓を起こす危険性のない品質優秀なも
のである。また本発明のアミノ酸加脂肪乳剤は、これを
経管的乃至経口的に投与することもできる。
【0013】以下、本発明アミノ酸加脂肪乳剤につき詳
述すれば、該製剤に用いられるアミノ酸は、従来より医
療分野で栄養補給を主目的として利用されてきている各
種のアミノ酸製剤と同様の組成のものでよい。その具体
例としては、必須アミノ酸であるL−イソロイシン、L
−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニ
ルアラニン、L−トレオニン、L−トリプトファン及び
L−バリンの8種を含有し、之等に更にL−アルギニ
ン、L−ヒスチジン、アミノ酢酸、L−アラニン、L−
アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、
L−プロリン、L−セリン、L−チロジン等の準必須ア
ミノ酸及び非必須アミノ酸から選択される。特に本発明
では上記アミノ酸組成が、L−リジン、L−アルギニン
等の塩基性アミノ酸を添加配合した栄養学的にバランス
のとれたものであり、しかもその添加配合によっても脂
肪粒子の凝集粗大化等が起こらない特徴がある。上記好
ましいアミノ酸の組成範囲は前記した通りである。之等
のアミノ酸は、通常総遊離アミノ酸濃度が1〜15w/
v%程度、好ましくは2〜13w/v%程度、より好ま
しくは3〜12w/v%程度となる範囲で本発明に用い
られるのが適当である。
【0014】上記製剤を構成する各アミノ酸は、純粋結
晶状アミノ酸であるのが好ましく、之等は通常遊離アミ
ノ酸形態で用いられるが、特に遊離形態である必要はな
く、水溶性の各種形態、例えばナトリウム塩、カリウム
塩等の金属塩、塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、乳
酸塩、リンゴ酸塩等の有機酸塩等の薬理学的に許容され
る塩の形態でも、生体内で加水分解されて遊離アミノ酸
に変換されるエステルの形態でもよい。之等塩及びエス
テルの具体例としては、例えばL−リジン塩酸塩、L−
リジン酢酸塩、L−リジンリンゴ酸塩一水和物、L−ア
ルギニン塩酸塩、L−ヒスチジン塩酸塩一水和物、L−
チロジンメチルエステル、L−システインメチルエステ
ル、L−システインエチルエステル、L−メチオニンメ
チルエステル、L−メチオニンエチルエステル等を例示
できる。更に上記各アミノ酸はそれ等の一部又は全部を
N−アシル誘導体の形態、例えばN−アセチル−L−ト
リプトファン、N−アセチル−L−システイン、N−ア
セチル−L−プロリン等の形態としてもよく、之等は得
られる本発明アミノ酸加脂肪乳液中に更に還元糖を配合
する場合等にみられるメイラード反応による褐変現象を
有利に抑制できる。また上記各アミノ酸はそれ等の2種
の塩或はジペプチド等の形態とすることもできる。その
具体例としては、例えばL−アルギニン・L−グルタミ
ン酸塩、L−リジン・L−アスパラギン酸塩等や、L−
チロジル−L−チロジン、L−アラニル−L−チロジ
ン、L−アルギニル−L−チロジン、L−チロジル−L
−アルギニン等を例示できる。
【0015】本発明のアミノ酸加脂肪乳剤のもう一つの
必須成分とする脂肪は、通常栄養補給等を目的とした熱
源(エネルギー源)として用いられる油状の各種のもの
でよく、例えば易吸収性、易燃焼性、難蓄積性を特徴と
する中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)や必須脂肪酸
源としての長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)等を使
用できる。上記MCTとしては、通常炭素数8〜10の
トリグリセリド、例えば商品名パナセート(日本油脂社
製)、商品名ODO(日清製油社製)等を使用できる。
またLCTとしては通常のもの、例えば大豆油、綿実
油、サフラワー油、トウモロコシ油、ヤシ油、シソ油、
エゴマ油、アマニ油等の植物油、イワシ油、タラ肝油等
の魚油、その他例えば2−リノレオイル−1,3−ジオ
クタノイルグリセロール等の化学合成トリグリセリド等
を使用できる。之等は1種を単独で用いてもよく2種以
上を併用することもできる。上記脂肪は、通常本発明製
剤中に脂肪濃度として0.1〜30w/v%程度、好ま
しくは0.5〜20w/v%、より好ましくは0.5〜
10w/v%となる範囲で配合されるのが好適である。
【0016】本発明製剤は、上記アミノ酸及び脂肪を、
特定の乳化剤を用いて水中に乳化分散させることにより
調製される。ここで乳化剤としては、ホスファチジルグ
リセロールを用いることが重要である。該ホスファチジ
ルグリセロールとしては、天然からの抽出物を使用する
こともでき、また別途合成品を用いることもできる。本
発明に利用する乳化剤は、上記ホスファチジルグリセロ
ールを主要成分として、これと他の乳化剤とを併用した
ものであってもよいが、その場合も、全乳化剤中に上記
ホスファチジルグリセロールが少なくとも30重量%、
好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%
以上含まれている必要がある。
【0017】上記ホスファチジルグリセロールと併用で
きる他の乳化剤としては、例えばホスファチジルポリグ
リセロール、ホスファチジルエチレングリコール、ホス
ファチジルポリエチレングリコール、ジホスファチジル
ポリエチレングリコール等の他のホスファチジル化多価
アルコール類や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆水
添レシチン、卵黄水添レシチン、例えば商品名HCO−
60(日光ケミカルズ社製)等の非イオン性界面活性剤
等を例示できる。之等はその1種を単独で用いてもよく
2種以上を併用することもできる。
【0018】上記本発明に用いられる乳化剤の使用量
は、本発明アミノ酸加脂肪乳剤を構成する脂肪成分1重
量部に対して0.01〜1.0重量部程度、好ましくは
0.03〜0.5重量部程度、より好ましくは0.1〜
0.3重量部程度から選ばれるのがよく、これにより本
発明所期の優れた乳化安定性を有する微細な脂肪粒子を
水中に均一に分散させた所望の乳剤を調製できる。
【0019】上記各成分を含有する本発明アミノ酸加脂
肪乳剤の特に好ましい一つの調製方法によれば、該乳剤
は、注射用水に乳化剤と脂肪成分とを加えて乳化(粗乳
化)し、得られる粗乳化液を乳化(精乳化)後、これに
アミノ酸成分の水溶液を添加混合し、濾過、充填、滅菌
する方法を例示できる。尚、他の調製方法としては、ア
ミノ酸又はアミノ酸の水溶液を脂肪の粗乳化の前工程、
粗乳化液あるいは精乳化の前工程のいずれかに添加して
同様に調製する方法が挙げられる。
【0020】ここでアミノ酸成分の水溶液は、通常のア
ミノ酸輸液等と同様にして例えば代表的には注射用水等
に上記アミノ酸又はその誘導体を混合溶解し、必要に応
じて、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の安
定化剤、塩酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤、その他
通常のアミノ酸輸液に配合されることの知られている各
種の配合薬、例えば水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、
各種無機塩等のミネラルを含有する電解質、グルコー
ス、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マル
トース等の糖質、グリセリン等を加えられたものであっ
てもよい。
【0021】上記粗乳化は、例えば、特殊機化工業社製
T.K.ホモミクサー等のホモミキサーを用いて、通常
5000rpm以上で5分間以上を要して実施できる。
精乳化は、例えばマントンゴウリンホモジナイザー(ゴ
ウリン社製)等の高圧ホモジナイザー及び超音波ホモジ
ナイザーを用いて実施でき、高圧ホモジナイザーを用い
る場合、一般には約200kg/cm2 以上の圧力条件
下に、2〜50回程度、好ましくは5〜20回程度の通
過で実施することができる。之等の混合乳化操作は常温
下に実施してもよいが、若干の加温操作(通常約55℃
〜80℃前後)を採用して実施するのが好適である。ま
た濾過は通常0.45μmメンブランフィルターを使用
して実施でき、引き続き濾過液は、例えば窒素ガス、ヘ
リウムガス等の不活性ガス雰囲気下で、通常のガラス容
器乃至プラスチック容器に充填できる。上記充填後の滅
菌操作は、例えば高圧蒸気滅菌、熱水浸漬滅菌、シャワ
ー滅菌等により行ない得、これはプラスチック容器を用
いた場合には、実質的に酸素を含まない雰囲気下で行な
われるのが好ましい。
【0022】かくして、本発明のアミノ酸添加脂肪乳剤
を収得できる。これは、通常pH5.0〜8.5程度、
好ましくは5.5〜8.0程度に調整されており、製剤
的に安定であることは勿論のこと、その乳化安定性も非
常に優れたものであり、乳化粒子の粒度も通常平均粒子
径が200nm以下と小さく均一であり、長期間に亘っ
て初期の乳剤形態を保持する優れた安定性を有してい
る。
【0023】本発明乳剤は、通常成人1人1日当り約2
00〜1500kcal程度の熱量で各種患者に投与で
きる。また本発明乳剤は、これに用時適当な糖質、その
他の配合薬、例えば各種ビタミン、電解質、微量元素等
を任意に添加配合して、高カロリー総合栄養剤として実
用することができ、かかる各種配合薬の配合によって
も、その乳液形態及び該形態での安定性を実質的に損わ
ない特徴を具備している。
【0024】上記本発明乳剤に添加配合できる糖質とし
ては、前述した通りであり、ビタミンとしては水溶性及
び脂溶性を問わず各種のもの、例えばパルミチン酸レチ
ノール、塩酸チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシ
ン、シアノコバラミン、アスコルビン酸、コレカシフェ
ロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸アミド、パン
トテン酸カルシウム、葉酸、ビオチン、フィトナジオン
等を、また電解質乃至微量元素(ミネラル)としても通
常のもの、例えば塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫
酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、
リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、グリセロリン
酸カルシウム、塩化第二鉄、塩化マンガン、硫酸銅、硫
酸亜鉛、ヨウ化カリウム等をそれぞれ例示できる。之等
の配合量は、通常のそれらと特に異なる訳ではなく、こ
れを投与される患者の要求量に応じて適宜決定できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を一層明らかにするために本発
明アミノ酸加脂肪乳剤の製造例を実施例として挙げ、次
いで試験例を挙げる。
【0026】実施例1 大豆油100g及びホスファチジルグリセロール12g
を注射用水に加えて粗乳化した後、注射用水で全量を1
000mlとした。得られた粗乳化液を、マントンゴウ
リンホモジナイザー(ゴウリン社製、15M−8TA
型)を用いて、550kg/cm2 の圧力下に15回通
過して精乳化した。かくして得られた乳剤200ml
に、表1に示すアミノ酸組成の溶液400mlを加えて
混合し、更に注射用水を加えて全量を1000mlと
し、これを100mlのガラス容器に分注し、窒素ガス
で置換した後、施栓し、105℃で40分間の高圧蒸気
滅菌を行なって、本発明アミノ酸加脂肪乳剤を調製し
た。
【0027】
【表1】
【0028】上記滅菌前後及び25℃下に1ケ月放置後
の各乳液の外観及び乳化粒子の平均粒子径を調べた結果
を表2に示す。尚、上記外観は目視判定し、平均粒子径
は、LPA−3000/3100(大塚電子社製)を用
いて測定した。
【0029】
【表2】
【0030】表2より、本例により得られたアミノ酸加
脂肪乳剤は、乳化粒子の平均粒子径が小さく、また優れ
た保存安定性を有するものであることが判った。
【0031】
【実施例2】大豆油100g、精製卵黄レシチン2g及
びホスファチジルグリセロール10gを注射用水に加え
て粗乳化後、水で全量を1000mlに調製し、以後、
実施例1と同様にして本発明アミノ酸加脂肪乳剤を得
た。このものは、乳化粒子の平均粒子径が小さく、優れ
た保存安定性を有するものであった。
【0032】
【実施例3】表1に示す組成のアミノ酸の溶液500m
lに、ホスファチジルグリセロール10gを分散させ、
これに攪拌しながら大豆油50gを徐々に加えて粗乳化
後、注射用水で全量を1000mlとした。次いで、得
られた粗乳化液を、マントンゴウリンホモジナイザー
(ゴウリン社製、15M−8TA型)を用いて、550
kg/cm2 の圧力下に10回通過して精乳化し、以後
実施例1と同様にして、本発明アミノ酸加脂肪乳剤を調
製した。このものは、乳化粒子の平均粒子径が小さく、
優れた保存安定性を有するものであった。
【0033】
【実施例4】大豆油300g及びホスファチジルグリセ
ロール36gを注射用水に加えて粗乳化した後、注射用
水で全量を1000mlとし、得られた粗乳化液を、マ
ントンゴウリンホモジナイザー(ゴウリン社製、15M
−8TA型)を用いて、550kg/cm2 の圧力下に
15回通過して精乳化し、得られた乳剤200mlに、
表1に示すアミノ酸組成の溶液600mlを加えて混合
し、これを100mlのガラス容器に分注し、窒素ガス
で置換した後、施栓し、105℃で40分間の高圧蒸気
滅菌を行なって、本発明アミノ酸加脂肪乳剤を調製し
た。
【0034】上記滅菌前後及び25℃下に1ケ月放置後
の各乳液の外観及び乳化粒子の平均粒子径を、実施例1
と同様にして調べた結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】表3より、本例により得られたアミノ酸加
脂肪乳剤は、乳化粒子の平均粒子径が小さく、また優れ
た保存安定性を有するものであることが判った。
【0037】
【実施例5】大豆油100g及びホスファチジルグリセ
ロール12gを注射用水に加えて粗乳化した後、注射用
水で全量を1000mlとし、得られた粗乳化液を、マ
ントンゴウリンホモジナイザー(ゴウリン社製、15M
−8TA型)を用いて、550kg/cm2 の圧力下に
15回通過して精乳化し、得られた乳剤200mlに、
表4に示すアミノ酸組成の溶液400mlを加えて混合
し、更に注射用水を加えて全量を1000mlとし、こ
れを100mlのガラス容器に分注後、窒素ガス置換
し、施栓し、105℃で40分間の高圧蒸気滅菌を行な
って、乳化粒子の平均粒子径が小さく、優れた保存安定
性を有する本発明アミノ酸加脂肪乳剤を調製した。
【0038】
【表4】
【0039】
【比較例1】大豆油100g及び精製卵黄レシチン12
gを注射用水に加えて粗乳化した後、注射用水で全量を
1000mlとし、得られた粗乳化液をマントンゴウリ
ンホモジナイザー(ゴウリン社製、15M−8TA型)
を用いて、550kg/cm2 の圧力下に15回通過し
て精乳化し、得られた乳剤200mlに、表1に示すア
ミノ酸組成の溶液400mlを加えて混合し、これを1
00mlのガラス容器に分注後、窒素ガス置換し、施栓
し、105℃で40分間の高圧蒸気滅菌を行なって、比
較アミノ酸加脂肪乳剤を調製した。
【0040】上記滅菌前後及び25℃下に1ケ月放置後
の各乳剤の外観及び乳化粒子の平均粒子径を、実施例1
と同様にして調べた結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】表5より、本比較例により得られるアミノ
酸加脂肪乳剤は、乳化剤として精製卵黄レシチンを用い
ていることに基いて、乳化粒子の平均粒子径は大きく、
滅菌後に既に粒子の凝集が認められており、保存安定性
の劣るものであることが判った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性アミノ酸を含むアミノ酸及び脂肪
    を、乳化剤としてのホスファチジルグリセロールと共に
    含むことを特徴とするアミノ酸加脂肪乳剤。
  2. 【請求項2】塩基性アミノ酸を含むアミノ酸が、遊離ア
    ミノ酸形態換算で下記組成範囲である請求項1に記載の
    アミノ酸加脂肪乳剤。アミノ酸 組成(g/全アミノ酸100g) L−イソロイシン 3.5〜11 L−ロイシン 4.5〜19 L−リジン 4.5〜14 L−メチオニン 2〜7 L−フェニルアラニン 4〜15 L−トレオニン 3〜9 L−トリプトファン 0.5〜4 L−バリン 3〜11 L−アルギニン 3〜15 L−ヒスチジン 2〜8 アミノ酢酸 4〜21 L−アラニン 2.5〜11 L−アスパラギン酸 0.5〜11 L−システイン 0〜2 L−グルタミン酸 0.5〜14 L−プロリン 1.5〜12.5 L−セリン 1〜7 L−チロジン 0.1〜2 但し、L−システインは一部又は全部をL−シスチンで
    代替できる。
JP6103613A 1993-06-28 1994-05-18 アミノ酸加脂肪乳剤 Pending JPH0769878A (ja)

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JP5-157153 1993-06-28
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JP6103613A Pending JPH0769878A (ja) 1993-06-28 1994-05-18 アミノ酸加脂肪乳剤

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JP (1) JPH0769878A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8334321B2 (en) 2006-09-05 2012-12-18 Q.P. Corporation Prostaglandin fat emulsion, method for producing the same, method for stabilizing the same, and emulsifying agent

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