JP2007262088A - 栄養輸液製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体に必要な各種栄養成分を補給しつつ、必須脂肪酸欠乏症を改善もしくは予防することが可能な輸液製剤であり、良好な澄明性を有し、輸液容器中の不溶性異物の発見が可能であり、除菌フィルターを介して患者に投与できる輸液製剤を提供する。
【解決手段】平均粒子径が0.003〜0.100μmの脂肪粒子および分散媒を実質的に含有する脂肪乳剤(A)および電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液(B)、または平均粒子径が0.003〜0.100μmの脂肪粒子および分散媒を実質的に含有する脂肪乳剤(A)、電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)からなる栄養輸液製剤、およびこれらの脂肪乳剤(A)、溶液(B)、または溶液(B−1)および溶液(B−2)および必要により糖を含有する溶液(C)を、複数の室を有し、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器のそれぞれの室に収納した輸液容器。
【選択図】なし

Description

本発明は高カロリー輸液療法に使用される総合栄養製剤に関するものである。本発明の輸液製剤を使用することにより、生体に必要な各種栄養成分を補給しつつ、必須脂肪酸欠乏症を改善もしくは予防することが可能となる。更には、栄養輸液が良好な澄明性を有することから、輸液容器中の不溶性異物の発見が可能であり、また、除菌フィルターを介して患者に投与できるという優れた特徴を有している。
従来から、病気や怪我で入院している患者に対する栄養補給形態は、経口投与が最も自然であり、かつ望ましい方法である。しかし、経口による栄養摂取が長期間全く不可能な患者に対しては、糖、電解質およびアミノ酸をはじめとする各種栄養成分を含有した高カロリー輸液を患者の中心静脈より投与する方法が一般的に行われている。高カロリー輸液は、糖、電解質およびアミノ酸の輸液製剤を病院内の調剤室で無菌的に混合した後に患者に投与される。しかし、この高カロリー輸液の混合作業は煩雑であるため、その労力を省いたり、混合作業時の細菌の侵入を防ぐ目的で、糖、電解質およびアミノ酸が予め1つの複室容器(例えば、複数の室を有する柔軟なプラスチック製容器)に収納された輸液が既に開発され、市販されている。
しかしながら、糖、電解質およびアミノ酸をはじめとする各種栄養成分を含有した高カロリー輸液のみを長期間投与された患者は、鱗屑状皮疹、湿疹様皮疹、創傷治癒遅延、血小板減少、脂肪膨潤、貧血、易感染性、尿量増加を伴わない水摂取量の増加、成長障害、生殖能欠如などの必須脂肪酸欠乏症状を呈し、高カロリー輸液療法の施行時における問題となっている。また、ヒトでの必須脂肪酸欠乏症は日常生活中で発生するのは稀であるが、経静脈栄養のみ投与を続けている患者で良くみられ、特に糖質のみをエネルギー源として投与していると、4〜6週間で必須脂肪酸欠乏症が発症する。このような必須脂肪酸欠乏症状は、高カロリー輸液療法を実施する際に、必須脂肪酸を豊富に含有する脂肪乳剤を同時に投与することによって防ぐことが可能である。
従来から、10%脂肪乳剤50mL〜100mLを連日投与することによって、必須脂肪酸欠乏を予防し、改善できるとされている。そして、臨床現場では、10%または20%の脂肪乳剤200mL〜500mLを週2〜3回投与している(Masciolietal.,Eur.J.Clin.Nutr.,51,232-242(1997)、塚本ら、JJPEN.14,(2)135-138(1992)、斎藤ら、JJPEN.,14(2),143(1992)、平松ら、日本臨床、49(特別号)、125-129(1991)、吉本ら、Medical Practice,7,114-122(1990)、田代亜彦、PEN.15(2),19-21(1997))。
また、高カロリー輸液療法施行時の脂肪乳剤の投与方法は、高カロリー輸液に脂肪乳剤を直接、混合したり、高カロリー輸液の投与ラインの途中から脂肪乳剤を注入したり、または高カロリー輸液の投与静脈とは完全に別な静脈から投与している。
上記したように、高カロリー輸液に脂肪乳剤を添加すれば、必須脂肪酸欠乏症を防ぐことは可能であるが、脂肪乳剤と電解質輸液剤とを混合すると、2価の陽イオンの影響を受け粒子が凝集を起こしてしまう。また、アミノ酸との混合も塩基性アミノ酸が電解質と同様、脂肪粒子の凝集を引き起こす。そして凝集した脂肪粒子の生体への投与は、肺の毛細血管塞栓などの副作用を引き起こす。このため、高カロリー輸液に脂肪乳剤を混合した場合は、24時間以内に使い切るなどの注意が必要である。
そして、市販されている脂肪乳剤は牛乳のように白濁している。そのため、脂肪乳剤が配合された高カロリー輸液は、たとえ脂肪乳剤の配合量が少量であっても白濁してしまう。従って、もしも高カロリー輸液中に不溶性異物が存在していても、その確認は不可能である。そこで、米国食品医薬品局(FDA) は、脂肪乳剤を糖、電解質およびアミノ酸を含む輸液とは完全に別経路で患者に投与する旨の勧告を1994年4月18日に出している。
また、高カロリー輸液は細菌の侵入を防ぐ目的で、通常、孔径0.2〜0.45μmの除菌フィルターを介して患者に投与されるのが一般的である。しかし、高カロリー輸液に配合される脂肪乳剤の脂肪粒子は、その平均粒子径が通常、約0.200〜0.300μmであり、しかも、1.000μm以上の粗大粒子を含有しているため、孔径0.2〜0.45μmの除菌フィルターを通過することが困難である。従って、脂肪乳剤を投与する際は、凝集脂肪粒子、異物および大きなサイズの細菌、例えばカンジダ等を除去する目的で、やむなく孔径1.2μmのフィルターを使用しているのが実情である。
上記した理由から、高カロリー輸液療法施行時の必須脂肪酸欠乏症を予防するには、脂肪乳剤の投与が有効であるにも関わらず、油脂を含有した高カロリー輸液の一液化は極めて困難であった。
本発明者らは、脂肪乳剤を配合する高カロリー輸液を製剤化するにあたって、油脂と電解質およびアミノ酸との相互作用を避けるため、使用直前まで脂肪乳剤と電解質およびアミノ酸を分離しておかなくてはならないことから、複数の室を有する柔軟なプラスチック製容器に、脂肪乳剤と電解質およびアミノ酸を別個の室に収納し、さらに、平均粒子径が、従来よりも、さらに小さい脂肪乳剤を使用することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤および電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液を含む栄養輸液製剤である。ここで、前記溶液のうち、前者と後者は別個に分離されていて、患者へ投与する時に混合されるものである。
また、本発明は平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)および電解質およびアミノ酸を含有する溶液(B)からなる栄養輸液製剤である。
さらに、本発明は平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)、電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)からなる栄養輸液製剤である。
本発明は複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤を収納し、他の室に電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液を収納したことを特徴とする栄養輸液製剤を収納した輸液容器である。
また、本発明は複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)を収納し、他の室に電解質およびアミノ酸を含有する溶液(B)を収納したことを特徴とする栄養輸液を収納した輸液容器である。
さらに、本発明は複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)を収納し、他の室に電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)をそれぞれ収納したことを特徴とする栄養輸液を収納した輸液容器である。
本発明は油脂を粗乳化した脂肪乳剤を、高圧噴射ホモジナイザーを用い、圧力、2000〜3200kgf/cm2の下、パス回数5〜30パスで精乳化処理し、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤を調製することを特徴とする脂肪乳剤の製造法である。
本発明の輸液製剤は、従来の高カロリー輸液の必須成分である糖質、電解質およびアミノ酸に加えて、油脂も配合されていることにより、高カロリー輸液療法の副作用である必須脂肪酸欠乏症を予防および改善できる。また、孔径0.20μm以下の除菌フィルターを通して患者に投与することが可能となり、凝集脂肪粒子や不溶性異物の除去はもちろんのこと、細菌による感染症を予防できる。さらに、脂肪乳剤(A)が高い澄明性を有しているため、本発明の容器中の不溶性異物を目視により確認可能である。また、脂肪乳剤(A)および溶液(B)、(B−1)または(B−2)および必要により溶液(C)の混合後の溶液が高い澄明性を有しているため、患者の違和感および抵抗感が軽減される。同様な効果は必ずしも高カロリー輸液療法に限定されたものではなく、栄養組成によっては末梢静脈からの補給によって、本発明の効果を発揮することも可能である。
本発明において使用する脂肪乳剤(A)は、油脂および必要により糖および/または多価アルコールを含有し、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を含有する。該脂肪乳剤は、油脂および必要により糖および/多価アルコーを乳化剤を用いて乳化させた栄養補給用脂肪乳剤である。油脂としては、植物油、魚油、中鎖脂肪酸トリグリセリドまたは化学合成トリグリセリドがある。具体的には、ダイズ油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、トウモロコシ油、ヤシ油、シソ油、エゴマ油等の植物油、魚油、中鎖、長鎖脂肪酸の合成トリグリセライドが挙げられる。なおこれら油脂は2種類以上を配合してもよい。脂肪乳剤(A)中の油脂の濃度は0.3〜15.0g/dL、好ましくは0.5〜2.0g/dLである。
本発明において使用する乳化剤としては、卵黄リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質または非イオン界面活性剤がある。具体的には、精製卵黄レシチン、精製ダイズレシチンやその水素添加物、非イオン界面活性剤、例えばポリソルベート80やHCO-60(いずれも商品名)等が挙げられる。なお、これら乳化剤は2種類以上を配合しても良い。本発明において、乳化剤は油脂1重量部に対して、0.1〜0.5重量部、好ましくは0.3〜0.5重量部である。
本発明において使用する糖としては、従来から、各種輸液に慣用されるものでよく、グルコース、フルクトースなどの単糖類、マルトース等の二糖類が例示される。その中でもグルコース、フルクトース、マルトース等の還元糖が特に好ましい。
本発明において使用する多価アルコールとしては、グリセロール、糖アルコールなどが含まれる。糖アルコールとしては、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。これらの糖および多価アルコールは、2種類以上配合しても良い。本発明において、該脂肪乳剤(A)中の糖または多価アルコールの濃度は0〜60g/dL、好ましくは10〜40g/dLである。
脂肪乳剤(A)の調製法としては、必要により糖および/または多価アルコールの存在下で油脂を乳化し、平均粒子径0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤を得ればよい。具体例としては、高速攪拌ホモジナイザー「ポリトロン(KINEMATICA 社製) 」を使用して、粗乳化液を調製し、さらに注射用水を加えた後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE(BEE International社製) を用い、圧力、2000〜3200kgf/cm2、例えば2800kgf/cm2の下、パス回数5〜30パスで精乳化処理する。次に、得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌法、熱水浸漬滅菌法または濾過滅菌法にて滅菌する。
本発明において、油脂濃度が0.3〜15.0g/dLであれば、必須脂肪酸欠乏症予防には充分である。また、この油脂濃度において、脂肪粒子の平均粒子径が0.003〜0.100μmになるように、乳化剤の添加量、糖および多価アルコールの添加量、乳化圧および乳化処理回数を調節すれば、脂肪乳剤(A)単独でも、下記溶液(B)、(B−1)、または(B−2)との混合後においても良好な澄明性を有する脂肪配合高カロリー輸液を提供することが可能である。しかも、本発明の脂肪配合高カロリー輸液剤は、患者へ投与時に、孔径0.2μm除菌フィルターを通過する利点を有する。
本発明において使用する溶液(B)、(B−1)または(B−2)は、電解質および/またはアミノ酸を含有する。電解質としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、リン等無機成分の水溶性塩、例えば塩化塩、硫酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、グリセロリン酸塩等が挙げられる。特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、リンまたは亜鉛が好ましい。
本発明において使用するアミノ酸としては、必須アミノ酸、非必須アミノ酸および/またはこれらのアミノ酸の塩、エステルまたはN−アシル体である。具体的にはL−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−セリン、L−チロシン、L−グリシンなどのアミノ酸が挙げられる。また、これらアミノ酸はL−アルギニン塩酸塩、L−システイン塩酸塩、L−グルタミン酸塩酸塩、L−ヒスチジン塩酸塩、L−リジン塩酸塩等の無機酸塩や、L−リジン酢酸塩、L−リジンリンゴ酸塩等の有機酸塩、L−チロシンメチルエスエル、L−メチオノンメチルエスエル、L−メチオニンエチルエステル等のエステル体、N−アセチル−L−システイン、N−アセチル−L−トリプトファン、N−アセチル−L−プロリン等のN−置換体、L−チロシル−L−チロシン、L−アラニル−L−チロシン、L−アルギニル−L−チロシン、L−チロシル−L−アルギニン等のジペプチド類の形態でも良い。
本発明において、栄養輸液製剤は、例えば、下記表2に示される成分を含む。これらの製剤の調製法は常法に従う。
Figure 2007262088
本発明では、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤または電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液が、糖または多価アルコールを含有してもよい。アミノ酸を含有する溶液が糖を含有する場合、好ましくはpHを酸性側とする。特に平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤が、さらに電解質および/またはアミノ酸を含有していてもよい。アミノ酸としては、好ましくは中性アミノ酸または酸性アミノ酸である。
本発明では、脂肪乳剤中、必須成分である糖は油脂と相互作用を起こすことは少ない。しかも、糖を脂肪乳剤に配合することにより、脂肪乳剤の油相の屈折率と水相の屈折率が近付くことから、外観上、脂肪乳剤は澄明化する。この時、多価アルコールであるグリセリンを添加すれば、澄明性は更に良くなる。また、糖をアミノ酸と別の室に収納することにより、糖とメイラード反応を阻止することが可能である。
従来から、油脂を乳化させる際に糖および多価アルコールが存在していると、脂肪粒子が微粒化されることが知られている(特開平5-9111号公報)。脂肪乳剤中の脂肪粒子の大きさが小さくなれば透過光が散乱されにくくなり、その結果、澄明性はより良くなる。しかし、従来の脂肪乳剤の平均粒子径は、0.14μm付近が限界であったと考えられる。本発明では平均粒子径が0.003〜0.100μmの脂肪乳剤を使用することが特徴である。平均粒子径0.003μm未満の脂肪乳剤を製造することは困難であり、また、0.100μmを越える脂肪乳剤を使用すると、糖および/または多価アルコールを多量に添加しても濁度は150度以上となる。
本発明では、脂肪乳剤(A)および溶液(B)、(B−1)または(B−2)および必要により糖を含有する溶液(C)を混合した後も、得られた脂肪乳剤配合高カロリー輸液は澄明であって、孔径0.2μmのフィルターを通過することができる。
本発明の脂肪乳剤は、油脂を粗乳化し、さらに高圧噴射ホモジナイザーを用い、圧力、2000〜3200kgf/cm2の下、パス回数5〜30パスで精乳化処理し、次いで高圧蒸気滅菌法、熱水浸漬滅菌法または濾過滅菌法にて滅菌して調製される。該脂肪乳剤は、電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液とともに輸液容器の一室に収納される。
本発明における輸液容器は、複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である容器である。例えば、複数の室を有する柔軟なプラスチック製容器であって、該室と室との隔離壁の全部または一部が該容器外から隔離開放が可能であり、該室と室とを連通可能にする隔離開放手段で形成された輸液容器である。具体例としては、仕切帯部によって2つまたは3つの室に区画され、仕切帯部が使用時に開封可能な輸液バッグ(図1および図2、特開平 8-191873 号公報、特開平 8-182739 号公報参照) がある。図1において、1および2は輸液製剤を収納する室であり、3は仕切帯部、4は輸液製剤の注入口、5は排出口である。図2において、1、2および3は輸液製剤をそれぞれに収納する室であり、4および5は仕切帯部、6、7および8は輸液製剤の注入口、9は排出口である。これらの輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)を収納し、他の室に電解質およびアミノ酸を含有する溶液(B)を収納する。または、該輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪粒子および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)を収納し、他の室に電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)をそれぞれ収納する。
本発明の輸液容器は、2室または3室に分離されたものに限らず、必要により糖を含有する溶液(C)を含む4室以上の室に分離しても良い。
本発明では、上記した方法によって調製した脂肪乳剤(A)、溶液(B)、(B−1)または(B−2)および必要により溶液(C)を混合した後の混合物の濁度は、通常、20〜150度、好ましくは20〜130度となり、孔径0.2μm除菌フィルターを通過する。したがって、高カロリー輸液製剤中に不溶性異物が存在していても、その確認が容易である。また、凝集脂肪粒子や不溶性異物の除去はもちろんのこと、細菌による感染症を予防できる。
次に、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。
実施例1
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油3.6gと精製卵黄レシチン0.36gとを均質に混和させた後に、グルコース240gを適量の注射用水に溶解させた。該混合物を高速攪拌ホモジナイザー「ポリトロン(KINEMATICA 社製) 」に加えて、粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を1200mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE (BEE International社製) を用い、2800kgf/cm2 の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に、得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0978μmであった。
溶液(B):下記表4の組成に従い、アミノ酸および電解質を含む溶液を調製し、高圧蒸気滅菌にて滅菌した。
このようにして得られた脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を下記表5に示す。また脂肪乳剤(A)および溶液(B)を下記表3の割合に従い、混合した輸液の濁度と孔径0.2μm除菌フィルター(ニプロ社製フィルターセットFG−20BY、孔径0.2μm)の通過性も併せて表5に記載した。
なお、表5の平均粒子径および濁度の指標である濁度の測定方法は、次の通りである。(1)脂肪粒子の平均粒子径粒子径および粒度分布測定装置 NICOMP model 380ZLS(Particle Sizing System 社製) を用いて、動的光散乱法により脂肪乳剤中の脂肪粒子の平均粒子径を測定した。
(2)脂肪乳剤の澄明性吸光度測定装置 U-3000(日立製作所社製)を使用し、波長660nmにおけるカオリン1mg/Lの吸光度を1度として、脂肪乳剤の濁度を測定した。
なお、実施例1〜7および比較例1〜3において使用した輸液製剤、脂肪乳剤(A)、溶液(B)および溶液(C)の組成を表3に示す。表中、数値は、各溶液中の濃度である。
Figure 2007262088
実施例および比較例の溶液(B)は全て同一組成である。その組成を表4に示す。
Figure 2007262088
実施例2
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油3.6gと精製卵黄レシチンレシ1.8gとを均質に混和させた後に、適量の注射用水を加え、高速攪拌ホモジナイザーを用い粗乳化液を得た。この様にして得た粗乳化液に注射用水を加え、全量を1200mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0519μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
溶液(C):グルコース180gを適量の注射用水に溶解し、全量を360mLとした。得られたグルコース溶液は高圧蒸気滅菌にて滅菌した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)、溶液(B)および溶液(C)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。
実施例3
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油5gと精製卵黄レシチン1.25gとを均質に混和させた後に、グルコース150gを適量の注射用水に溶解させた。該混合物を高速攪拌ホモジナイザーに加えて粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に、得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0585μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)および溶液(B)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。
実施例4
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油5gと精製卵黄レシチン2.5gとを均質に混和させた後に、グルコース150gを適量の注射用水に溶解させた。該混合物を高速攪拌ホモジナイザーに加えて粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2 の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0386μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)および溶液(B)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。
実施例5
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油5.0と精製卵黄レシチン2.5gとを均質に混和させた後に、濃グリセリン25gおよびグルコース150gを適量の注射用水に溶解させた。該混合物を高速攪拌ホモジナイザーに加え、粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2 の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0265μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)および溶液(B)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。
実施例6
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油75gと精製卵黄レシチン37.5gとを均質に混和させた後に、グルコース300gを適量の注射用水に溶解させた溶液を高速攪拌ホモジナイザーに加えて粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0505μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
溶液(C):グルコース180gを適量の注射用水に溶解し、全量を600mLとした。得られたグルコース溶液は高圧蒸気滅菌にて滅菌した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)、溶液(B)および溶液(C)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。
実施例7
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油4.5gと精製卵黄レシチン2.25gとを均質に混和させた後に、90gのグルコースとともに適量の注射用水に溶解し、高速攪拌ホモジナイザーを用い、粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を900mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE (BEE International社製) を用い、2800kgf/cm2の圧力下、パス回数25パスで精製化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌法にて滅菌した。その平均粒子径は0.0502μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものを1.5倍に希釈して使用した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)および溶液(B)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。
比較例1
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油5gと精製卵黄レシチン2.5gとを均質に混和させた後に、適量の注射用水を加え、高速攪拌ホモジナイザーを用い、粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0520μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものを使用した。
溶液(C):グルコース180gを適量の注射用水に溶解し、全量を600mLとした。得られたグルコース溶液は高圧蒸気滅菌にて滅菌した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)、溶液(B)および溶液(C)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も表5に記載した。脂肪乳剤(A)の濁度は150以上であり、混合後の濁度も150以上であった。
比較例2
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油100gと精製卵黄レシチン50gとを均質に混和させた後に、グルコース250gを適量の注射用水に溶解させた溶液を加え、高速攪拌ホモジナイザーを用い、粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、2800kgf/cm2の圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.0777μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
溶液(C):グルコース180gを適量の注射用水に溶解し、全量を600mLとした。得られたグルコース溶液は高圧蒸気滅菌にて滅菌した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)、溶液(B)および溶液(C)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も併せて記載した。脂肪乳剤(A)の濁度が測定不可能であり、混合後の濁度も測定不可能であった。
比較例3
脂肪乳剤(A):精製ダイズ油5.0と精製卵黄レシチン2.5gとを均質に混和させた後に、濃グリセリン25gおよびグルコース150gを適量の注射用水に溶解させた溶液を加え、高速攪拌ホモジナイザーを用い粗乳化液を得た。得られた粗乳化液に注射用水を加え、全量を500mLとした後、高圧噴射ホモジナイザーDeBEE を用い、750 kgf/cm2圧力下、パス回数25パスで精乳化処理を行った。次に得られた脂肪乳剤を高圧蒸気滅菌にて滅菌した。その平均粒子径は0.1731μmであった。
溶液(B):実施例1で調製したものと同様なものを使用した。
実施例1と同様にして、脂肪乳剤(A)中の脂肪粒子の平均粒子径および濁度を表5に示す。また脂肪乳剤(A)と溶液(B)を表3に記載した容量に従い混合したものの濁度および孔径0.2μm除菌フィルターの通過性も併せて記載した。脂肪乳剤(A)の濁度が測定不可能であり、混合後の濁度も測定不可能であった。
Figure 2007262088
表5から明らかなように、脂肪乳剤(A)中の油脂濃度が、1.0g/dLであっても、糖および糖アルコールを全く含有していなければ、濁度は150度以上になる(比較例1)。また、糖および糖アルコールを多量に添加しても、油脂濃度が高ければ、溶液は白濁してしまう(比較例2)。さらに、実施例5と全く同じ組成であるにも関わらず、平均粒子径が0.100μmを大きく越えると、やはり白濁してしまう(比較例3)。本発明の栄養輸液製剤は、脂肪乳剤(A)の平均粒子径が0.003〜0.100nmであることにより、脂肪乳剤(A)の濁度が30〜150であり、溶液(B)および必要により溶液(C)との混合後の濁度が20〜150であり、澄明性に優れる。
実施例8
実施例1において調製した脂肪乳剤(A)および溶液(B)を図1に示す2つの室からなる輸液容器の各室にそれぞれ収納した。使用時には仕切帯部を容器外部からの応圧により開封して、それぞれの溶液を混合し、混合溶液を孔径0.20μm除菌フィルターを通過させた。
本発明の輸液製剤を収納した2つの室からなる輸液容器の平面図である。 本発明の輸液製剤を収納した3つの室からなる輸液容器の平面図である。

Claims (14)

  1. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤および電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液を含む栄養輸液製剤であって、前記脂肪乳剤中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合し、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理することを特徴とする栄養輸液製剤。
  2. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤(A)および電解質およびアミノ酸を含有する溶液(B)からなる栄養輸液製剤であって、前記脂肪乳剤(A)中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合し、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理することを特徴とする栄養輸液製剤。
  3. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤(A)、電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)からなる栄養輸液製剤であって、前記脂肪乳剤(A)中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合し、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理することを特徴とする栄養輸液製剤。
  4. 乳化剤および/または少なくとも1つの前記溶液が、糖および/または多価アルコールを含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の栄養輸液製剤。
  5. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤が、さらに電解質および/またはアミノ酸を含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の栄養輸液製剤。
  6. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤が、糖および/または多価アルコールの存在下、乳化剤を用いて油脂を乳化させた栄養補給用脂肪乳剤である請求項1〜3のいずれか1つに記載の栄養輸液製剤。
  7. 前記脂肪乳剤(A)中の糖および/または多価アルコールの濃度が、0〜60g/dLである請求項4記載の栄養輸液製剤。
  8. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および分散媒を実質的に含む脂肪乳剤(A)単独、または該脂肪乳剤(A)および電解質およびアミノ酸を含有する溶液(B)の混合溶液、または該脂肪乳剤(A)、電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)の混合溶液の濁度が20〜150度である請求項2〜3のいずれか1つに記載の栄養輸液製剤。
  9. 下記表1に記載される成分により構成される請求項1〜3のいずれか1つに記載の栄養輸液製剤。
    Figure 2007262088
  10. 複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤を収納し、かつ、前記脂肪乳剤中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合し、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理しており、他の室に電解質および/またはアミノ酸を含有する溶液を収納したことを特徴とする栄養輸液製剤を収納した輸液容器。
  11. 複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤(A)を収納し、かつ、前記脂肪乳剤(A)中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合しており、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理し、他の室に電解質およびアミノ酸を含有する溶液(B)を収納したことを特徴とする栄養輸液製剤を収納した輸液容器。
  12. 複数の室を有する容器であって、該室と室との隔離壁が隔離開放可能である輸液容器の一室に、平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤(A)を収納し、かつ、前記脂肪乳剤(A)中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合し、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理しており、他の室に電解質を含有する溶液(B−1)およびアミノ酸を含有する溶液(B−2)をそれぞれ収納したことを特徴とする栄養輸液製剤を収納した輸液容器。
  13. 油脂を粗乳化した脂肪乳剤を、高圧噴射ホモジナイザーを用い、圧力、2000〜3200kgf/cm2の下、パス回数5〜30パスで精乳化処理し、平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤を調製し、かつ、脂肪乳剤中の油脂の濃度が1.5〜150g/L配合および乳化剤が油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合させることを特徴とする脂肪乳剤の製造法。
  14. 平均粒子径が0.003〜0.0978μmである脂肪粒子、糖および/または多価アルコール、および乳化剤を実質的に含む脂肪乳剤であって、前記脂肪乳剤中の油脂の濃度を1.5〜150g/L配合し、前記乳化剤を油脂1重量部に対して0.1〜0.5重量部配合し、前記脂肪乳剤を乳化圧2000〜3200kgf/cm2で精乳化処理することを特徴とする脂肪乳剤。
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