JPH06279290A - 経末梢静脈用栄養輸液剤 - Google Patents

経末梢静脈用栄養輸液剤

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JPH06279290A
JPH06279290A JP5092484A JP9248493A JPH06279290A JP H06279290 A JPH06279290 A JP H06279290A JP 5092484 A JP5092484 A JP 5092484A JP 9248493 A JP9248493 A JP 9248493A JP H06279290 A JPH06279290 A JP H06279290A
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JP
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fat
glucose
calorie
electrolyte
transfusion
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JP5092484A
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English (en)
Inventor
Kanji Arii
幹治 有井
Yukifumi Kuniba
幸史 國場
Kenjiro Tanimura
健次郎 谷村
Yasuhiko Fukuda
泰彦 福田
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MORISHITA ROUSSEL KK
Morishita Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
MORISHITA ROUSSEL KK
Morishita Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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  • Medicinal Preparation (AREA)
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】非蛋白カロリー源として脂肪及びグルコース、
窒素源として少なくとも8種の必須アミノ酸、並びに電
解質を含有する輸液剤において、脂肪がカロリー量で非
蛋白カロリー量の40〜70%となるように配合され、
浸透圧比が2.0〜3.5、且つpHが5.3〜8.0
である経末梢静脈用栄養輸液剤。 【効果】本発明によれば、脂肪、グルコース、アミノ酸
及び電解質が、栄養学的に好ましい比率で配合された安
全性の高い経末梢静脈用栄養輸液剤が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪、グルコース、ア
ミノ酸、電解質を栄養学的に好ましい比率で配合し、且
つ末梢静脈より安全に投与できる末梢静脈栄養輸液剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高カロリー栄養(TPN)療法は
著しい進歩を遂げ、術後の異化期においても窒素平衡の
改善、体蛋白崩壊の抑制等が可能になった。ところが、
術後数日間は耐糖能異常、浸透圧利尿、酸塩基平衡障害
等の合併症が起こり易いため、特に術前の栄養状態の良
好な中等度の侵襲までの手術、例えば胃亜全摘後等の栄
養管理においては、TPN療法を施行すれば、これらの
合併症を引き起こすことになりかねない。また、あまり
重篤でない上部消化管手術や、経口摂取の不足分を補う
等の栄養管理においても、TPN療法は必要とは言い難
い。さらに、TPN療法は中心静脈内にカテーテルを留
置して施行するため、手技が複雑なばかりか、カテーテ
ル感染、血栓形成、気胸、血胸といった問題が生じやす
い。そこで、末梢静脈からも安全に投与できる輸液が望
まれているが、栄養補給の目的で高濃度の栄養素を配合
すると、高浸透圧のため静脈炎の発生することが知られ
ている(R.Gazitua et al., Arch.Surg., 114 897 (19
79))。そのため、TPN療法禁忌の患者に対しては、
10%糖加電解質配合輸液が、末梢静脈から投与されて
いるが、投与カロリー量の制限より負の窒素出納、さら
には体蛋白崩壊を防ぎ得ない。また最近では、糖・アミ
ノ酸・電解質配合輸液が開発されているが、メイラード
反応等の製剤学的な制約のため、pHが非生理的な酸性
に調整されており、末梢静脈から投与すると静脈炎を惹
起する危険性がある(E.W.Fonkalsrud et al., J.Surg.
Res., 8 539 (1968))。さらに、これらの末梢静脈栄養
輸液は、生体に必要な栄養素である脂肪を配合していな
い。一方、TPN療法では全投与カロリー量の10〜3
5%を脂肪輸液で投与することによって、カロリー源の
確保とともに、必須脂肪酸の欠乏状態を防止している
(S.A.Ash et al., Clin. Nutr., 8 49 (1989))。とこ
ろが、TPN療法において、これ以上過剰に脂肪を投与
すれば、臓器への蓄積や血中トリグリセリド(TG)の
濃度上昇を招くなどの副作用を生ずることが知られてい
る(磯野可一ら、「輸液ガイド」、文光堂、東京、199
2、p.110 ; R.A.Malt et al., JPEN., 7 530 (198
3))。生体はグルコースと脂肪を主カロリー源として利
用しうるが、両者の利用はインシュリンなどのホルモン
により調節されている。通常、グルコースを優先的に熱
源として消費するため、その間脂肪は熱源としての寄与
が低下し、TGとして臓器に蓄積される。すなわち、T
PN施行時には投与カロリー量が多く、且つグルコース
投与量も多くなるため、投与された脂肪がインシュリン
分泌によりその利用が抑制され、臓器へと蓄積されるこ
ととなる。本発明者らは、非蛋白投与カロリー量と糖、
脂肪の至適配合比の間に何らかの関連性があるのではな
いかと考え、これまでの報告等を調査したが、TPNに
おける糖と脂肪に関する報告は多いものの、基礎代謝熱
量を踏まえ、末梢静脈から投与可能で、且つカロリー量
による糖と脂肪の至適配合比率に関する検討は十分に成
されていなかった。例えば、特開平5-32540号公報に
は、糖、アミノ酸、電解質及び脂肪を含有する輸液剤の
発明が開示されている。しかし、該発明は製剤上の課題
を解決したもので、各成分の配合範囲が記載され、実施
例としてTPN用の輸液剤(非蛋白カロリー量に占める
脂肪分のカロリー割合が22〜24%のもの)が挙げら
れているものの、栄養効果については何ら触れられてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、末梢
静脈栄養輸液剤において脂肪、グルコース、アミノ酸、
電解質を栄養学的に好ましい比率で配合し、且つ末梢静
脈から安全に投与できる末梢静脈栄養輸液剤を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは各種疾患
時、例えば中等度の侵襲迄の手術や経口摂取カロリーが
不足する際に、優れた効果を発揮する総合輸液剤の処方
を組む上で、脂肪の配合量とグルコースの配合量との間
には特有の関係があるものと考え、静脈炎発生の抑制と
ともに鋭意検討した。その結果、栄養学的効果をより有
効にするためには、投与する総エネルギーのみならず脂
肪とグルコースとの配合比率に相関があること、静脈炎
発生の抑制は浸透圧比を2.0〜3.5、pHを5.3
〜8.0にすれば解決できることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は非蛋白カロリー源とし
て脂肪及びグルコース、窒素源として少なくとも8種の
必須アミノ酸、並びに電解質を含有する輸液剤におい
て、脂肪がカロリー量で非蛋白カロリー量の40〜70
%となるように配合され、浸透圧比が2.0〜3.5、
且つpHが5.3〜8.0である経末梢静脈用栄養輸液
剤を提供するものである。
【0006】本発明において、総カロリー量は450〜
800kcal/lが好ましく、脂肪、グルコース、アミノ酸
及び電解質の好ましい配合比率を示せば次の如くであ
る。 脂 肪 12〜59 g/l グルコース 20〜105 g/l アミノ酸総量 25〜45 g/l 各アミノ酸 L−イソロイシン 1.0〜6.8 g/l L−ロイシン 1.2〜9.0 g/l L−リジン 0.8〜5.9 g/l L−メチオニン 0.1〜7.7 g/l L−フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l L−スレオニン 0.5〜5.0 g/l L−トリプトファン 0.1〜2.3 g/l L−バリン 0.7〜6.8 g/l L−アルギニン 0.2〜11.3 g/l L−ヒスチジン 0〜4.1 g/l グリシン 0〜5.4 g/l L−アラニン 0〜6.8 g/l L−システイン 0〜0.7 g/l L−アスパラギン酸 0〜4.5 g/l L−グルタミン酸 0〜3.6 g/l L−プロリン 0〜5.9 g/l L−セリン 0〜1.8 g/l L−チロシン 0〜0.3 g/l ナトリウム 20〜150 mM カリウム 2〜50 mM カルシウム 0〜20 mM マグネシウム 0〜20 mM リン 3〜20 mM 塩素 20〜150 mM 亜鉛 0〜50 μM なお、本発明の経末梢静脈用栄養輸液剤2000mlを
投与すれば、標準的な成人の基礎代謝熱量、1日必要ア
ミノ酸、電解質及び水分が充分補給できる。
【0007】本発明に用いられるアミノ酸は、遊離アミ
ノ酸のみならずナトリウム塩、酢酸塩、塩酸塩等の塩を
使用しても良く、さらには一部のアミノ酸をペプチドに
しても良い。
【0008】脂肪輸液は、例えば大豆油、ヤシ油、ゴマ
油、エゴマ油、アマニ油、綿実油、サフラワー油等の植
物油、鯨油、魚油等の動物油、中鎖脂肪酸トリグリセリ
ド等の化学合成トリグリセリドを、常法にしたがって水
中油型に乳化したものが使用できる。
【0009】その他元素として、下記濃度範囲内で、1
種叉は2種以上配合したものを挙げることができる。 鉄 5〜 80μM 銅 1〜 30μM ヨウ素 0.2〜 1μM マンガン 1〜 60μM
【0010】前記元素を含む電解質としては、従来使用
されているものは何れも可能であり、例えば、塩化ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、酢酸ナト
リウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸二水
素カリウム、リン酸水素二カリウム、乳酸カリウム、ク
エン酸カリウム、酢酸カリウム、乳酸カルシウム、グリ
セロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、
硫酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、グルコン酸鉄、硫酸
銅、硫酸マンガン、ヨウ化カリウム等を挙げることがで
きる。
【0011】さらに、本発明によって調製される経末梢
静脈用栄養輸液剤には、ビタミン類等必要な栄養素を、
一日必要量を考慮して配合することができる。
【0012】本発明の経末梢静脈用栄養輸液剤の製造に
当たっては、二室バッグ等を用いて脂肪乳剤とマグネシ
ウム、カルシウムの如き二価の陽イオン、さらに好まし
くはアルギニンやヒスチジンの如き塩基性アミノ酸及び
グルタミン酸やアスパラギン酸の如き酸性アミノ酸との
共存を避け、例えばグルコースを配合した脂肪輸液剤を
二室バッグの下層に充填し、アミノ酸及び電解質を含有
する輸液剤を残りの上層に充填して高圧蒸気滅菌をすれ
ば良く、冷後又は使用前に二室間を連通することによっ
て本発明の経静脈用栄養輸液剤を得ることができる。
【0013】本発明に用いられる二室バッグは、例えば
プラスチック製の柔軟な袋状容器であって、その中央部
が帯状に剥離可能に熱溶着され、厳密に隔離された二室
のそれぞれに輸液注入口又は排出口が設けられたものが
使用できる。
【0014】なお、本発明の経末梢静脈用栄養輸液剤を
製造する際、通常用いられている製剤学的添加剤、すな
わち安定化剤やpH調節剤などを使用することができ
る。
【0015】
【実施例1】下記表1に示した上層組成物を、注射用蒸
留水に加温溶解して250mlとし、1規定の酢酸水溶
液でpHを7.0に調整した後、全量を300mlとし
た。この溶液を孔径0.22μmのメンブランフィルタ
ーで濾過し、二室バッグの上層に充填し、空間部を窒素
ガスで置換後密栓した。次に、下記表2の下層組成物の
うち、精製大豆油28.0gに精製卵黄レシチン3.4
g及びグリセリン7.0gを加え、湯浴上で加温しポリ
トロンホモジナイザーで攪拌した。溶液を冷却後、適当
量の蒸留水を加え、ポリトロンホモジナイザーで粗乳化
を行った。粗乳化の終わった液を、マイクロフルイダイ
ザーを用い高圧乳化を行った。得られた乳化液に、予め
グルコース94.5g及びリン酸二水素ナトリウム(二
水和物)0.78gを溶解した水溶液400mlを加
え、さらに蒸留水で全液量を700mlに調整した。こ
の溶液を孔径3.0μmのメンブランフィルターで濾過
し、二室バッグの下層に充填し、空間部を窒素ガスで置
換後密栓した。ついで、常法にしたがって高圧蒸気滅菌
を行い、冷却後、二室を連通して目的とする経末梢静脈
用栄養輸液剤を得た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【実施例2〜3】上層組成物は、実施例2が表1の組成
物を用いて、実施例3が表1の組成物を1規定の酢酸水
溶液でpH5.5に調整した後、実施例1と同様にして
調製した。下層組成物は、実施例2が表3、実施例3が
表2の組成物用いて、実施例1と同様にして調製した。
【0019】
【表3】
【0020】
【実施例4】下記表4に示した上層組成物を、注射用蒸
留水に加温溶解して、全量を300mlとした。この溶液
を孔径0.22μmのメンブランフィルターで濾過し、
二室バッグの上層に充填し、空間部を窒素ガスで置換後
密栓した。次に、下記表5の下層組成物のうち、精製大
豆油16.9gに精製卵黄レシチン2.0g及びグリセ
リン4.2gを加え、湯浴上で加温しポリトロンホモジ
ナイザーで攪拌した。溶液を冷却後、適当量の蒸留水を
加え、ポリトロンホモジナイザーで粗乳化を行った。粗
乳化の終わった液を、マイクロフルイダイザーを用い高
圧乳化を行った。得られた乳化液に予めグルコース5
7.0gを溶解した水溶液250mlを加え、さらに蒸
留水で全液量を700mlに調整した。この溶液を孔径
3.0μmのメンブランフィルターで濾過し、二室バッ
グの下層に充填し、空間部を窒素ガスで置換後密栓し
た。ついで、常法にしたがって高圧蒸気滅菌を行い、冷
却後二室連通して目的とする経末梢静脈用栄養輸液剤を
得た。
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【実施例5】上層組成物は、表4の組成物を用いて、実
施例4と同様にして調製した。下層組成物は、表6の組
成物を用いて、実施例4と同様にして調製した。
【0024】
【表6】
【0025】
【実施例6】下記表7に示した上層組成物を、注射用蒸
留水に加温溶解して150mlとし、1規定の水酸化ナ
トリウム水溶液でpHを7.4に調整した後、全量を2
00mlとした。この溶液を孔径0.22μmのメンブラ
ンフィルターで濾過し、二室バッグの上層に充填し、空
間部を窒素ガスで置換後密栓した。次に、下記表8の下
層組成物のうち、精製大豆油15.0gに精製水添大豆
レシチン1.8gを加え、湯浴上で加温しポリトロンホ
モジナイザーで攪拌した。溶液を冷却後、100mlの
蒸留水及びグルコース25.0gを加え、ポリトロンホ
モジナイザーで粗乳化を行った。粗乳化の終わった液
を、マイクロフルイダイザーを用い高圧乳化を行った。
得られた乳化液に蒸留水を加え、全液量を300mlに
調整した。この溶液を孔径3.0μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、二室バッグの下層に充填し、空間部を
窒素ガスで置換後密栓した。ついで、常法にしたがって
高圧蒸気滅菌を行い、冷却後二室を連通して目的とする
経末梢静脈用栄養輸液剤を得た。
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】以下に記載する試験例で実施例1〜5の経
末梢静脈用栄養輸液と共に用いた対照液1〜7は、実施
例1の方法に準拠して調製した。
【0029】
【試験例1】体重210〜230gのSD系雄性ラット
を用い(1群8匹)、ペントバルビタールナトリウム麻
酔下にて、腹部を約3cm正中切開し、絹糸にて縫合閉
腹した後に、総頸静脈よりカテーテル留置術を施行し
た。絶食・絶水の条件下、実施例1〜2及び対照例1〜
3の被験液を、2.5ml/hrの投与速度で7日間持続注
入した。なお、被験液の組成は表9に示した。輸液投与
期間中の体重変化量及び累積窒素出納、輸液投与終了後
の血漿中のトリグリセリド(TG)含量を、表10に示
した。体重変化量は、非蛋白カロリー量に占める脂肪の
カロリー比(脂肪比)が40〜70%の、実施例1〜2
で最も良好な結果を示した。累積窒素出納も体重変化量
とよく対応し、実施例1〜2で最も大きな改善を示し
た。血漿中のTGの正常値として、同週齢の自由摂餌群
の値を測定したところ、80.7±29.5(mg/dl)・
であったが、血漿中のTGは脂肪比100%群(対照例
3)で明らかな高値を、脂肪比0〜20%群(対照例1
〜2)で低値を示した。また、血液生化学検査を実施し
たところ、表11に示したように、脂肪比100%群
(対照例3)のみ、総ビリルビン(TB)が、同週齢の
正常値0.16±0.03mg/dl に対して、明らかに高
値を示した。以上の結果から、経末梢静脈用栄養輸液剤
(750kcal/l)における、非蛋白カロリー量に対する
脂肪の至適適投与カロリー比率は40〜70%であるこ
とが明らかになった。
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【試験例2】体重2〜2.5kgの日本白色種雄性ウサギ
(1群4匹)を固定器に入れ、絶食・絶水の条件下、耳
介静脈より実施例1及び3、対照例1及び4の被験液
を、2ml/kg/hrの投与速度で3日間持続注入た。なお、
被験液の組成は表12に示した。輸液投与終了後の耳介
静脈(投与部位)の肉眼的観察及び耳介の厚みを、表1
3に示した。表13に示す如く、対照例1及び4では発
赤、浮腫、充血が観察されるとともに、耳介の厚みの増
加がみられ、強い静脈炎の発症が認められた。しかし、
実施例1及び3では、投与部位の変化は実施例3の1例
で発赤が見られのみであり、耳介の厚みの変化も軽度で
あった。以上、本発明の末梢静脈栄養輸液剤は、末梢静
脈より安全に投与できる輸液剤であることが明らかとな
った。
【0034】
【表12】
【0035】
【表13】
【0036】
【試験例3】体重210〜230gのSD系雄性ラット
を用い(1群8匹)、ペントバルビタールナトリウム麻
酔下にて、腹部を約3cm正中切開し、絹糸にて縫合閉
腹した後に、総頸静脈よりカテーテル留置術を施行し
た。絶食・絶水の条件下、実施例4〜5及び対照例5〜
7の被験液を、2.5ml/hrの投与速度で7日間持続注
入した。なお、被験液の組成は表14に示した。輸液投
与期間中の体重変化量及び累積窒素出納、輸液投与終了
後の血漿中のトリグリセリド(TG)含量を、表15に
示した。体重変化量は、非蛋白カロリー量に占める脂肪
のカロリー比(脂肪比)が40〜70%の、実施例4〜
5で最も良好な結果を示した。累積窒素出納も体重変化
量とよく対応し、実施例4〜5で最も大きな改善を示し
た。血漿中のTGは脂肪比100%群(対照例7)で明
らかに高値を、脂肪比0〜20%群(対照例5〜6)で
低値を示した。以上の結果から、経末梢静脈用栄養輸液
剤(500kcal/l)における、非蛋白カロリー量に対す
る脂肪の至適投与カロリー比率は40〜70%であるこ
とが明らかになった。
【0037】
【表14】
【0038】
【表15】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、脂肪、グルコース、ア
ミノ酸及び電解質が栄養学的に好ましい比率で配合され
た、安全性の高い経末梢静脈用の輸液剤を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/22 8314−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非蛋白カロリー源として脂肪及びグルコ
    ース、窒素源として少なくとも8種の必須アミノ酸、並
    びに電解質を含有する輸液剤において、脂肪がカロリー
    量で非蛋白カロリー量の40〜70%となるように配合
    され、浸透圧比が2.0〜3.5、且つpHが5.3〜
    8.0であることを特徴とする経末梢静脈用栄養輸液
    剤。
  2. 【請求項2】 脂肪、グルコース、アミノ酸及び電解質
    が、下記の範囲で配合され、且つ総カロリー量が450
    〜800kcal/lである請求項1記載の経末梢静脈用栄養
    輸液剤。 脂 肪 12〜59 g/l グルコース 20〜105 g/l アミノ酸総量 25〜45 g/l 各アミノ酸 L−イソロイシン 1.0〜6.8 g/l L−ロイシン 1.2〜9.0 g/l L−リジン 0.8〜5.9 g/l L−メチオニン 0.1〜7.7 g/l L−フェニルアラニン 0.1〜7.7 g/l L−スレオニン 0.5〜5.0 g/l L−トリプトファン 0.1〜2.3 g/l L−バリン 0.7〜6.8 g/l L−アルギニン 0.2〜11.3 g/l L−ヒスチジン 0〜4.1 g/l グリシン 0〜5.4 g/l L−アラニン 0〜6.8 g/l L−システイン 0〜0.7 g/l L−アスパラギン酸 0〜4.5 g/l L−グルタミン酸 0〜3.6 g/l L−プロリン 0〜5.9 g/l L−セリン 0〜1.8 g/l L−チロシン 0〜0.3 g/l ナトリウム 20〜150 mM カリウム 2〜50 mM カルシウム 0〜20 mM マグネシウム 0〜20 mM リン 3〜20 mM 塩素 20〜150 mM 亜鉛 0〜50 μM
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