JPH05325202A - 光ピックアップドライブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、振動や衝撃等の外乱が加わっ
ても安定なトラッキングサーボ制御が可能な光ピックア
ップドライブ装置を提供する。 【構成】 光ディスクの情報を読み取る光ピックアップ
１と、その光ピックアップ１を前記光ディスクのラジア
ル方向に摺動させるための案内軸４と、その案内軸４を
固定し保持するためのシャーシ５と、そのシャーシ５に
取り付けられた光ピックアップ１の移動を駆動するため
の送りモータ６と、その送りモータ６によって駆動され
るギア８と、そのギア８に噛合しそのギア８との噛合部
に押圧力を与えるための弾性変形部９ａを有し光ピック
アップ１に回動可能に軸止されたラック９とを備え、光
ピックアップ１に弾性変形部９ａの先端が当接する当接
部１１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクの情報を読
み取るための、光ピックアップを移動させるための光ピ
ックアップドライブ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、光ピックアップドライブ装置は、
光ピックアップの技術的進歩に伴い小型化され、かつ幅
広い環境下において安定した性能が得られるように発展
をとげている。

【０００３】以下、従来の光ピックアップドライブ装置
について図面を参照して説明する。図３に従来の光ピッ
クアップドライブ装置を示している。図３において１は
光ディスクの情報を読み取る光ピックアップ、２は光デ
ィスクの回転を駆動するモータ、３はモータ２の出力軸
に取り付けられ光ディスクを搭載し回転させるターンブ
ル、４は光ピックアップ１を光ディスクのラジアル（半
径）方向に摺動させるための案内軸、５は案内軸４およ
びその他の構成部品を固定し保持しているシャーシ、６
はシヤーシ５に取り付けられ光ピックアップ１の移動を
駆動する送りモータ、７は送りモータ６の出力軸に取り
付けられたモータギア、８はモータギア７によって回転
を駆動される中間ギア、１２は中間ギア８と噛合し中間
ギア８によって駆動されるラックである。

【０００４】以上のように構成された従来の光ピックア
ップドライブ装置について、以下その動作を説明する。
光ピックアップ１は情報を読み取るため、光ディスクに
対して光スポットをフォーカス方向およびトラッキング
方向に合わせるように制御される。また、光ピックアッ
プドライブ装置は、光ピックアップの性能を最大限に引
き出すため、光ピックアップ１の取付位置および傾き
（スキュー）等に関して高精度が要求される。光ディス
クの情報は内周から外周に向け螺旋状にピットが設けら
れ、光スポットの位置を常時制御して情報の読み取りが
行われる。そのときターンテーブル３に搭載された光デ
ィスクは読み取り位置における線速度が一定となるよう
にモータ２が制御されている。フォーカス方向の調整は
光ピックアップ１に設けられた図示されていないアクチ
ュエータによって、ディスクに対して位置制御を行って
いる。さらに、トラッキング方向の調整は、光ピックア
ップ１に設けられた図示されていないアクチュエータだ
けでは数ｍｍ程度の位置調整しか行えないので，上記ア
クチュエータによる位置制御と、送りモータ６による光
ピックアップ１の摺動の２重の位置制御を行っている。

【０００５】しかしながら、上記のような構成の光ピッ
クアップドライブ装置においては、光ピックアップ１を
移動させるための、中間ギア８とラック１２の間には必
ずバツクラッシュが存在し、特に用途が携帯用や車載用
の場合には、常に振動や衝撃が加わるため、トラッキン
グ方向に遊びがあるとトラッキングサーボの精度が低下
し、音飛び等の不具合が発生する可能性があった。

【０００６】したがって、この光ピックアップドライブ
装置におけるトラッキング方向の遊びを防止するため、
従来から対策が行われていた。その、従来から行われて
いた、光ピックアップドライブ装置におけるトラッキン
グ方向のバックラッシュを防止する構成について、図４
および図５によって説明する。

【０００７】まず、図４は光ピックアップドライブ装置
におけるトラッキング方向のバックラッシュを防止する
第１の従来例を示しており、図４の（ａ）は中間ギア８
とラック１２の係合部の正面図、（ｂ）はその側面図で
ある。この構成では、図４（ｂ）に示すようにラック１
２は２枚合わせとなったラック１２ａと１２ｂとからな
り、ラック１２ａと１２ｂのほぼ共通の位置に設けられ
た窓１４に組み込まれたばね１５により、ラック１２ａ
と１２ｂは互いに長手方向に反発しあい、ラック１２ａ
と１２ｂの歯が中間ギア８の歯を挟みつけるため、中間
ギア８とラック１２とのバックラッシュは解消される。
ばね１５の装着の方式により、ラック１２ａと１２ｂは
互いに引っ張りあい上記と同じ効果が得られる。

【０００８】次に、図５は光ピックアップドライブ装置
におけるトラッキング方向のバックラッシュを防止する
第２の従来例を示しており、図５の（ａ）はラック１２
と中間ギア１３の係合部の正面図、（ｂ）はその側面図
である。この構成では、図５（ｂ）に示すように中間ギ
ア１３は２枚合わせとなったギア１３ａとギア１３ｂと
からなり、ギア１３ａとギア１３ｂのほぼ共通の位置に
設けられた窓１６に組み込まれたばね１７により、ギア
１３ａとギア１３ｂは互いに回転方向に反発しあい、ギ
ア１３ａとギア１３ｂの歯がラック１２の歯を挟みつけ
るため、ラック１２と中間ギア１３のバックラッシュは
解消される。ばね１７の装着の方式により、ギア１３ａ
とギア１３ｂは互いに引っ張りあい上記と同じ効果が得
られる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の第１の構成では、２枚のラックを２重に重ねた構成
とし、ばね力により２枚のラックをずらすことにより、
２枚のラックで中間ギアの歯を挟みつけ、ラックと中間
ギアの噛み合いにおいて発生するバックラッシュを除去
しており、また上記の従来の第２の構成では、２枚の中
間ギアを２重に重ねた構成とし、ばね力により２枚のギ
アをずらすことにより、２枚のギアでラックの歯を挟み
つけ、ラックと中間ギアの噛み合いにおいて発生するバ
ックラッシュを除去するものである。このような構成で
は、部品点数が増え組立のための工数が多くかかり、ま
た光ピックアップドライブ装置そのものの小型化を阻害
するという問題を有していた。

【００１０】本発明は上記の従来の問題を解決するもの
で、ラックと光ピツクアップの構造を変更するだけで、
部品点数と組立工数を増やすことなくバックラッシュを
解消し、振動や衝撃に強く、かつ小型化された光ピック
アップドライブ装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の光ピックアップドライブ装置は、光ディスク
の情報を読み取る光ピックアップと、その光ピックアッ
プを光ディスクのラジアル方向に摺動させるための案内
軸と、その案内軸を固定し保持するためのシャーシと、
そのシャーシに取り付けられた光ピックアップの移動を
駆動するための送りモータと、その送りモータによって
駆動されるギアと、そのギアに噛合しそのギアとの噛合
部に押圧力を与えるための弾性変形部を有し光ピックア
ップに回動可能に軸止されたラックとを備え、光ピック
アップに弾性変形部の先端が当接する当接部を設けたも
のである。

【００１２】

【作用】上記した構成によれば、ラックに設けた弾性変
形部の先端が光ピックアップに設けた当接部に当接する
ため、ラックに設けた弾性変形部が変形し、弾性変形部
の変形によって生じる応力により、ラックは回動軸を回
動中心としてラックの歯部が中間ギアを押圧する方向に
回動しようとするため、ラックと中間ギアの歯は互いに
押圧力を持って噛合し、バックラッシュを解消すること
ができる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の光ピックアップドライブ装置の
一実施例について図面を参照して説明する。図１は本発
明の光ピックアップドライブ装置の一実施例を示す平面
図であり、図２はその要部の拡大平面図である。図１お
よび図２において、図３〜図５と同じ部材または部分に
は同じ符号を付して、説明は省略し異なる部分について
説明する。図１および図２において、９はラック、９ａ
はラック９に設けられた弾性変形部、１０はラック９の
回動軸、１１は弾性変形部９ａの先端が当接する光ピッ
クアッブ１に設けられた当接部である。

【００１４】以上のような部材または部分を有する光ピ
ックアップドライブ装置の動作を説明する。光ピックア
ップ１は複数の案内軸４によって保持案内され、光ピッ
クアップ１は光ディスクのラジアル（半径）方向に摺動
する。モータ２の出力軸に取り付けられたターンテーブ
ル３は光ディスクを搭載し光ディスクを回転させる。一
方、光ピックアップ１の移動を駆動する送りモータ６
は、シャーシ５に取り付けられており、送りモータ６の
出力軸に取り付けられたモータギア７は中間ギア８と噛
合し、送りモータ６の回転によって駆動され中間ギア８
が回転する。この中間ギア８は光ピックアップ１に取り
付けられたラック９と噛合しており、中間ギア８の回転
によってラック９が駆動され、光ピックアッブ１は案内
軸４に沿って移動する。

【００１５】ラツク９には弾性変形部９ａが設けられて
おり、弾性変形部９ａの先端部が図２に示すように、光
ピックアッブ１に設けられた段差によって形成された当
接部１１にａ点で当接している。弾性変形部９ａは自由
な状態では、２点鎖線で示すような姿勢となるが、当接
部１１にａ点で当接しているために矢印ｂで示される方
向の応力が発生し、ラック９は回動軸１３を中心に時計
方向に付勢され、ラック９は中間ギア８を押圧して噛合
する。

【００１６】このように、本発明の光ピックアップドラ
イブ装置によれば、中間ギア８は常に弾性変形部９ａの
変形に伴う応力を受け、ラック９に圧接して噛合してい
るので、中間ギア８とラック９の間にバックラッシュが
発生することはない。

【００１７】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明の光ピックアップドライブ装置によれば、ラックに弾
性変形部を設け光ピツクアップに弾性変形部の当接部を
設けることにより、ラツクが中間ギアに圧接噛合しバッ
クラッシュが解消されるため、部品点数と組立工数を増
やすことなく、振動や衝撃等の外乱が加わっても安定な
トラッキングサーボ制御が可能となり、かつ装置の小型
化を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ピックアップドライブ装置の一実施
例を示す平面図

【図２】同装置の要部の拡大平面図

【図３】従来の光ピックアップドライブ装置の平面図

【図４】（ａ）は従来の同装置におけるバックラッシュ
防止機構の要部正面図 （ｂ）は同バックラッシュ防止機構の要部側面図

【図５】（ａ）は従来の同装置における他のバックラッ
シュ防止機構の要部正面図 （ｂ）は同バックラッシュ防止機構の要部側面図

【符号の説明】

１ 光ピックアップ ４ 案内軸 ５ シャーシ ６ 送りモータ ８ 中間ギア（ギア） ９ ラック ９ａ 弾性変形部 １１ 当接部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスクの情報を読み取る光ピックア
   ップと、その光ピックアップを前記光ディスクのラジア
   ル方向に摺動させるための案内軸と、その案内軸を固定
   し保持するためのシャーシと、そのシャーシに取り付け
   られた光ピックアップの移動を駆動するための送りモー
   タと、その送りモータによって駆動されるギアと、その
   ギアに噛合しそのギアとの噛合部に押圧力を与えるため
   の弾性変形部を有するラックとを備え、前記光ピックア
   ップに前記弾性変形部の先端が当接する当接部を設けた
   光ピックアップドライブ装置。
2. 【請求項２】 ラックが光ピックアップに回動可能に支
   持されている請求項１記載の光ピックアップドライブ装
   置。