JPH0532417Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は容器本体と一体に延設された板部を折
返すことにより水切板部となり、水切板部上に盛
付けられた食品や料理をこれ等から出る汁等と完
全に分離させることができると共に、使用前の積
重ね時に隙間なく積重ねることができるようにし
たコストの安い容器に関する。

［従来技術］ 従来刺身等の料理が盛付けられた容器は刺身等
から垂れて流れ出た血や汁が容器内に溜り、この
液汁内に料理が浸つた状態となつたり、刺身の場
合はそのつまに付着したりして見苦しかつた。

そこで料理等を液汁から分離させるために実開
昭58−107314号、実開昭60−182312号、実開昭61
−3260号等に係る容器があつた。

これ等の容器は本体と盛付台とを別体にして重
ね合わせて底部に液汁の溜る部分を設けたもの、
皿状とした吸水材を水密性の外皮で覆い、この外
皮の内底面部に通孔をあけたもの、二重に構成さ
れた容器の底部内に不織布を挿入したもの等であ
つた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながらこれ等の容器は何れの二重構造と
なつていたり、盛付台や中底板を組付けた構造の
ものとなつており、容器が嵩高となると共にコス
トが高くなり、更に嵩高であるため使用前の積重
ね格納時のスペースを多く必要とする等の問題点
があつた。

本考案は上記の問題点を一掃するための簡単な
構造でコストの安い容器の提供を目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記の目的を達成するために料理や食
品等を盛付ける容器を方形の皿状容器１であつ
て、この容器の対向する一対の側壁１ａ，１a′に
おける一方の側壁１ａの上端から内方に向けて延
設された板部２が、この側壁１ａと折返状の重合
部２′と、この重合部２′の下部から他方の側壁１
a′に向けた傾斜状の水切板部２″とされている構
成としたものである。

［作用］ 上記のような構成の容器１はこの容器１内の水
切板部２″上に盛付けられた料理や食品等から出
る液汁は傾斜した水切板部２″の板面を流下して
容器１の底面上に流出するので液汁と食品等は確
実に分離される。

又、容器１は皿状であるので板部２を延した
まゝの状態においては容器１の積重ねが隙間なく
行え、積重ね時の占有スペースが少い。

［実施例］ 以下本考案に係る容器の実施例について説明す
る。

１は発泡合成樹脂よりなる容器であつて底部か
ら上方へ拡開状となつた方形皿状のものである。

１ａ，１a′は一対の対向した傾斜側壁であつ
て、一方の側壁１ａの上端には内方に向けて延設
された板部２が設けられている。板部２は、側壁
１ａの下端より稍上方まで折返状に添設された重
合部２′と、この重合部２′の下部から他方の側壁
１a′の下端に向けた水切板部２″となつている。

従つて水切板部２″は側壁１a′側が側壁１ａ側
から次第に細幅となつて他の対向する一対の側壁
１ｂ，１b′に両側が接し隙間が殆んどないように
形成されており、又水切板部２″と容器１の底面
１ｃとの間には側壁１ａ側が広く、側壁１a′側へ
次第に狭くなる隙間ｓが形成される。

水切板部２″には水切突条３又は水切孔４が設
けられ、自由端部に水切用の切欠５が設けられて
いる。

上記のような構成から、この容器１の水切板部
２″上に盛付けられた食品、又は料理から出る液
汁は水切板部２″上を水切突条３に沿つて自由端
側へ流れ、切欠５から水切板部２″と底面１ｃと
の隙間ｓに溜つて、食品等と分離されるので、食
品がべとつかず又形が崩れたりすることがない。

第５図、第６図は他の実施例を示すものであつ
て、水切板部２″を幅、長さとも底面１ｃより大
寸とし、自由端が他方の側壁１a′の傾斜面の下端
部より上方に当接して側壁１a′に支持され、水切
板部２″が稍自由端側に傾斜し、且つ底面１ｃと
の間に全面的に隙間ｓが形成される二重底状とな
るようにしたものである。尚、この場合に水切板
部２″の自由端部を底面１ｃに到るまで折曲げる
ことにより、隙間ｓを形成することも可能であ
る。又この水切板部２″には水切孔４が多数設け
られ、自由端部には水切用の切欠５が設けられて
いる。この容器１は水切板部２″上に盛付けられ
た料理又は食品等から出る液汁が水切孔４から底
面１ｃ上に滴下し、或は水切板２″上を傾斜に従
つて自由端側へ流下して切欠５から底面１ｃ上に
溜り、水切板部２″上の食品等と分離される。

この容器１は皿状の容器本体の側壁１ａの上端
から板部２が側壁１ａの上方へ延びた状態に形成
され、使用時に板部２を側壁１ａの上端部で内方
に折曲げて側壁１ａに重ね、底面１ｃと適宜の間
隔をおいた位置で他方の側壁方向へ折曲して重合
部２′と水切板部２″とされているものである。

従つて使用以前においては第４図に示すよう
に、容器１は板部２を延ばした末加工状態の場合
には互に隙間なく密着して積重ねることはできる
ので、運搬時、格納時のスペースが少くて済む。

［効果］ 本考案は上記のように方形の皿状容器であつ
て、この容器の対向する一対の側壁における一方
の側壁の上端から内方に向けて延設された板部
が、この側壁と折返状の重合部と、この重合部の
下部から他方の側壁側に向けた傾斜状の水切板部
とされているので、容器と別体とした水切板等を
取付けたりする必要がなく、側壁の上端に延設さ
れた板部を折曲するだけで水切板部を有する容器
となり、水切板部上に盛付けられた料理や食品
を、この料理や食品から出る液状と完全に分離す
ることができる。

又使用前には前記板部を折曲せずに積重ねるこ
とにより、容器を互に密着状態で積重ねることが
できるので、運搬時や収納時のスペースが少くて
済み、且つ一体成形が可能であつて、単に折曲す
るだけの簡単な構成であるため、コストも安く非
常に経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る容器の一実施例の平面
図、第２図は同断面図、第３図は板部未加工の同
平面図、第４図は積重状態の同側面図、第５図は
他の実施例の平面図、第６図は同断面図である。 １……容器、１ａ……側壁、２……板部、２′
……重合部、２″……水切板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形の皿状容器であつて、該容器の対向する一
   対の側壁における一方の側壁の上端から内方に向
   けて延設された板部が、該側壁と折返状の重合部
   と、該重合部の下部から他方の側壁側に向けた傾
   斜状の水切板部とされていることを特徴とする容
   器。