JPH05323529A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH05323529A
JPH05323529A JP15302692A JP15302692A JPH05323529A JP H05323529 A JPH05323529 A JP H05323529A JP 15302692 A JP15302692 A JP 15302692A JP 15302692 A JP15302692 A JP 15302692A JP H05323529 A JPH05323529 A JP H05323529A
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silver
silver halide
emulsion
layer
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JP15302692A
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Yukihide Urata
幸秀 浦田
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で粒状性、色再現性に優れ、露光後の
保存における保存安定性及び処理後の色像堅牢性に優れ
たハロゲン化銀カラ−写真感光材料を提供すること。 【構成】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳
剤層を有し、該乳剤層に、ハロゲン化銀乳剤の製造工程
中に還元増感を施された粒子表面の60%以上が(10
0)面である正常晶粒子を含む乳剤、および特定のアシ
ルアセトアミド型イエローカプラーを少なくとも1種含
有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に係り、詳しくは高感度で粒状性、色再現性に
優れ、露光後の保存における保存安定性及び処理後の色
像堅牢性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】写真用のハロゲン化銀乳剤に求められる
基本性能は高感度でかぶりが低くかつ粒状が細かいこと
である。
【0003】乳剤の感度を高めるためには、(1)一つ
の粒子に吸収される光子数を増加させること、(2)光
吸収により発生した光電子が銀クラスター(潜像)に変
換する効率を高めること、及び(3)できた潜像を有効
に利用するために現像活性を高めることが必要である。
大サイズ化は一つの粒子の吸収光子数を増加させるが、
画質を低下させる。現像活性を高めることも感度を高め
るのに有効な手段であるが、カラー現像のようなパラレ
ル型の現像の場合には一般に粒状悪化を伴なう。粒状悪
化を伴なわずに感度増加させるには光電子を潜像に変換
する効率を高めることつまり量子感度を高めることが一
番好ましい。量子感度を高めるためには再結合、潜像分
散などの非効率過程をできるだけ除去する必要がある。
現像活性のない小さな銀核をハロゲン化銀の内部あるい
は表面に作る還元増感の方法が再結合を防止するのに有
効であることが知られている。
【0004】還元増感の試みは古くから検討されてい
る。Carroll(キャロル)は米国特許第2,48
7,850号において錫化合物が、Lowe(ロウエ)
らは同第2,512,925号においてポリアミン化合
物が、Fallens(ファーレンス)らは英国特許第
789,823号において2酸化チオ尿素系の化合物が
還元増感剤として有用であることを開示している。さら
にCollier(コリアー)はPhotograph
ic Science and Engineerin
g 23巻113ページ(1979)において色々な還
元増感方法によって作られた銀核の性質を比較してい
る。彼女はジメチルアミンボラン、塩化第一錫、ヒドラ
ジン、高いpH熟成、低pAg熟成を行なう方法を採用
した。還元増感の方法はさらに米国特許第2,518,
698号、同第3,201,254号、同第3,41
1,917号、同第3,779,777号、同第3,9
30,867号にも開示されている。還元増感剤の選択
だけでなく、還元剤の使用方法に関しては、特公昭57
−33572号、同58−1410号、特開昭57−1
79835号などに開示されている。さらに還元増感し
た乳剤の保存性を改良する技術に関しても特開昭57−
82831号、同60−178445号に開示されてい
る。また、より有効な還元増感の方法が特開平2−10
5139号に提案されている。
【0005】露光されたハロゲン化銀を酸化剤として用
いて、酸化された芳香族1級アミン系カラー現像主薬と
カプラーとが反応して、インドフェノール、インドアニ
リン、インダミン、アゾメチン、フェノキサジン、フェ
ナジン及びそれに類する色素が生成でき、色画像が形成
されることは良く知られている。
【0006】これらのうち、イエロー色画像を形成する
ためには、T.H.ジェームズ著、「ザ・セオリー・オ
ブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」第4版、35
4〜356頁に記載されているように、活性メチレン
(メチン)基を有するベンゾイルアセトアニリド型およ
びピバロイルアセトアニリド型カプラーが一般的に用い
られている。しかし、これらのカプラーでは、発色濃
度、色素形成速度、色素の色相、色像の堅牢性の全てを
満足する事は大変困難であり、高感度化のために発色濃
度や色素形成速度が高いものを使うと、色相が好ましく
なかったり、色像の堅牢性が著しく低かったりして非常
に問題であった。この問題を解決するために一般式(Y
I)で表わされるアシル基を有するアシルアセトアミド
型イエローカプラーがEP447969Aに開示されて
いる。このカプラーは発色濃度、色素形成速度、色素の
色相、色像の堅牢性のいずれにも優れた性質を示すもの
であったが、従来の乳剤を用いると露光後の塗布フィル
ムを保存している間に、減感してしまう(以下「潜像退
行」と称する)という大きな欠点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度で粒状性、色再現性に優れ、露光後の保存における保
存安定性及び処理後の色像堅牢性に優れたハロゲン化銀
カラー写真感光材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下に
示す構成により達成される。
【0009】(1) 支持体上に少なくとも一層のハロ
ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材
料において、該乳剤層に、ハロゲン化銀乳剤の製造工程
中に還元増感を施した粒子表面の60%以上が(10
0)面である正常晶粒子乳剤、および下記一般式(Y
I)で表されるアシル基を有するアシルアセトアミド型
イエローカプラーを少なくとも1種含有することを特徴
とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0010】一般式(YI)
【0011】
【化2】 一般式(YI)中、R1 は一価の基を表わす。QはCと
ともに、3〜5員の炭化水素環またはN,O,S,Pか
ら選ばれる少なくとも一個のヘテロ原子を環内に有する
3〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を
表わす。ただし、R1 は水素原子であることはなく、ま
たQと結合して環を形成することはない。
【0012】(2) (1)の感光材料において、還元
増感が、アスコルビン酸およびその誘導体の少なくとも
一種によって施されていることを特徴とするハロゲン化
銀カラー写真感光材料。
【0013】(3) (1)の感光材料において、還元
増感が、少なくとも一種の銀に対する酸化剤の存在下で
施されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真
感光材料。
【0014】(4) (3)の感光材料において、銀に
対する酸化剤が、下記一般式(I)、(II)または(II
I)で示されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0015】(I)R−SO2 S−M (II)R−SO2 S−R1 (III)R−SO2 S−Lm−SSO2 −R2 式中、R、R1 、R2 は同じでも異なってもよく、脂肪
族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表わし、Mは陽イ
オンを表わす。Lは2価の結合基を表わし、mは0また
は1である。
【0016】一般式(I)ないし(III)の化合物は、
(I)ないし(III)で示す構造から誘導される2価の基
を繰り返し単位として含有するポリマーであってもよ
い。また、可能なときはR、R1 、R2 、Lが互いに結
合して環を形成してもよい。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】ハロゲン化銀乳剤の製造工程は粒子形成・
脱塩・化学増感・塗布などの工程に大別される。粒子形
成は核形成・熟成・成長などに分れる。これらの工程は
一律に行なわれるものではなく、工程の順番が逆になっ
たり、工程が繰り返し行なわれたりする。還元増感をハ
ロゲン化銀乳剤の構造工程中に施こすというのは基本的
にはどの工程で行なってもよいことを意味する。還元増
感は粒子形成の初期段階である核形成時でも物理熟成時
でも、成長時でもよく、また化学増感に先立って行って
も化学増感以降に行ってもよい。
【0019】ここでいう化学増感とは、還元増感を含ま
ず、いわゆる金硫黄増感に代表される増感方法をさす。
通常は、金化合物とチオシアネート化合物を存在させ、
チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素系化合物、ローダニン系
化合物などの硫黄含有化合物存在下で行う。また硫黄、
セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムの
各化合物の複数の組合せによる増感も、ここでいう化学
増感に含まれる。
【0020】金増感を併用する化学増感を行なう場合に
は、好ましくないかぶりを生じないよう化学増感に先立
って還元増感を行なうのが好ましい。最も好ましいのは
ハロゲン化銀粒子の成長中に還元増感する方法である。
ここで成長中とは、ハロゲン化銀粒子が物理熟成あるい
は水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化アルカリの添加によっ
て成長しつつある状態で還元増感を施こす方法も、成長
途中に成長を一時止めた状態で還元増感を施こした後に
さらに成長させる方法も含むことを意味する。
【0021】本発明において還元増感とは、ハロゲン化
銀乳剤に公知の還元剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれ
るpAg1〜7の低pAgの雰囲気で成長させるあるい
は熟成させる方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11
の高pHの雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法
のいずれかを選ぶことができる。また2つ以上の方法を
併用することもできる。
【0022】還元増感剤を添加する方法によっても還元
増感を行なうことができる。
【0023】還元増感剤として第一錫塩、アミンおよび
ポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン酸、シラン化合物、ボラン化合物およびアスコル
ビン酸誘導体を挙げることができる。本発明にはこれら
の化合物から選んで用いることができ、2種以上の化合
物を併用することができる。
【0024】還元増感剤としては、二酸化チオ尿素、ジ
メチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体
が好ましく、アスコルビン酸およびその誘導体が最も好
ましい。
【0025】還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存
するので、添加量を選ぶ必要があるが、上記還元増感剤
のうちアスコルビン酸誘導体以外の還元増感剤の場合
は、ハロゲン化銀1モル当たり10-7〜10-2モルの範
囲が適当である。
【0026】上記アスコルビン酸およびその誘導体(以
下、「アスコルビン酸化合物」という。)の具体例とし
ては以下のものが挙げられる。 (A−1) L−アスコルビン酸 (A−2) L−アスコルビン酸ナトリウム (A−3) L−アスコルビン酸カリウム (A−4) DL−アスコルビン酸 (A−5) D−アスコルビン酸ナトリウム (A−6) L−アスコルビン酸−6−アセテート (A−7) L−アスコルビン酸−6−パルミテート (A−8) L−アスコルビン酸−6−ベンゾエート (A−9) L−アスコルビン酸−6−ジアセテート (A−10) L−アスコルビン酸−5,6−O−イソプ
ロピリデン 本発明に用いられるアスコルビン酸化合物は従来還元増
感剤が好ましく用いられている添加量に比較して多量に
用いることが望ましい。例えば特公昭57−33572
号には「還元剤の量は通常銀イオンgにつき0.75×
10-2ミリ当量(8×10-4モル/Ag×モル)を越え
ない。硝酸銀kgにつき0.1〜10mgの量(アスコ
ルビン酸として、10-7〜10-5モル/Ag×モル)が
多くの場合効果的である。」(換算値は発明者らによ
る)と記述されている。US−2,487,850には
「還元増感剤として錫化合物の用いることのできる添加
量として1×10-7〜44×10-6モル」と記載してい
る。また特開昭57−179835には2酸化チオ尿素
の添加量としてハロゲン化銀1モル当り約0.01mg
〜約2mg、塩化第一錫として約0.01mg〜約3m
gを用いるのが適当であると記載している。本発明に用
いられるアスコルビン酸化合物は乳剤の粒子サイズ、ハ
ロゲン組成、乳剤調製の温度、pH,pAgなどの要因
によって好ましい添加量が依存するが、ハロゲン化銀1
モル当り5×10-5モル〜1×10-1モルの範囲から選
ぶことが望ましい。さらに好ましくは5×10-4モル〜
1×10-2モルの範囲から選ぶことが好ましい。特に好
ましいのは1×10-3モル〜1×10-2モルの範囲から
選ぶことである。
【0027】還元増感剤は、水あるいはアルコール類、
グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの
溶媒に溶かし粒子形成中、化学増感前あるいは後に添加
することができる。乳剤製造行程のどの過程で添加して
もよいが、特に好ましいのは粒子成長中に添加する方法
である。あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒
子形成の適当な時期に添加する方が好ましい。また水溶
性銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水溶液にあら
かじめ還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用
いて粒子形成してもよい。また粒子形成に伴って還元増
感剤の溶液を何回かに分けて添加しても、連続して長時
間添加するのも好ましい方法である。
【0028】本発明において銀に対する酸化剤とは、金
属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する化
合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程において
副生するきわめて微小な銀原子を、銀イオンに変換せし
める化合物が有効である。ここで生成する銀イオンは、
ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀等の水に難溶の銀塩
を形成してもよく、又、硝酸銀等の水に易溶の銀塩を形
成してもよい。
【0029】銀に対する酸化剤は、無機物であっても、
有機物であってもよい。無機の酸化剤としては、オゾ
ン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO2
・H22 ・3H2 O、2NaCO3 ・3H2 2 、N
4 2 7 ・2H2 2 、2Na2 SO4 ・H2 2
・2H2 O)、ペルオキシ酸塩(例えば,K2
2 8、K2 2 6 、K2 2 8 )、ペルオキシ錯
体化合物(例えば、K2 〔Ti(O2 )C2 4 〕・3
2 O、K2 SO4 ・Ti(O2 )OH・SO4 ・2H
2 O、Na3 〔VO(O2 )(C2 4 2 ・6H
2 O〕、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4 )、クロ
ム酸塩(例えば、K2 Cr2 7 )などの酸素酸塩、沃
度や臭素などのハロゲン元素、過マンガン酸塩(例え
ば、過沃素酸カリウム)高原子価の金属の塩(例えば、
ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオスルフォン
酸塩などがある。
【0030】又、有機の酸化剤としては、p−キノンな
どのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロ
ムサクシイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例と
して挙げられる本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過
酸化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフ
ォン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤であ
る。
【0031】より好ましい酸化剤は、チオスルフォン酸
塩であり、式(I)ないし(III )で示される化合物の
中から選ぶことができる。この中で最も好ましいのは式
(I)で示される化合物である。
【0032】銀が存在するとチオスルフォン酸が下記の
反応式で銀を酸化し硫化銀を形成することが、S.Ga
hlerによってVeroff wiss.Photo
lab Wolfen X,63(1965)に報告さ
れている。
【0033】 RSO2 SM+2Ag→RSO2 M+Ag2 S このような酸化がおこっていることが実験的に確認され
ている。 (I) R−SO2 S−M (II) R−SO2 S−R1 (III )R−SO2 S−Lm−SSO2 −R2 式中、R、R1 、R2 は同じでも異なってもよく、脂肪
族基、芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Mは陽イオン
を表す。Lは2価の連結基を表わし、mは0又は1であ
る。
【0034】一般式(I)ないし(III)の化合物は、
(I)ないし(III)で示す構造から誘導される2価の基
ないし(III)で示す構造から誘導される2価の基を繰り
返し単位として含有するポリマーであってもよい。また
可能なときはR、R1 、R2 、Lが互いに結合して環を
形成してもよい。
【0035】一般式(I)、(II)および(III)のチオ
フルフォン酸系化合物を更に詳しく説明すると、R、R
1 及びR2 が脂肪族基の場合、飽和又は不飽和の、直
鎖、分岐状又は環状の、脂肪族炭化水素基であり、好ま
しくは炭素数が1から22のアルキル基、炭素数が2か
ら22のアルケニル基、アルキニル基であり、これら
は、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ド
デシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシ
ル、イソプロピル、t−ブチルがあげられる。
【0036】アルケニル基としては、例えばアリル、ブ
テニルがあげられる。
【0037】アルキニル基としては、例えばプロパルギ
ル、ブチニルがあげられる。
【0038】R、R1 及びR2 の芳香族基としては、単
環又は縮合環の芳香族基が含まれ、好ましくは炭素数が
6から20のもので、例えばフェニル、ナフチルがあげ
られる。これらは、置換されていてもよい。
【0039】R、R1 及びR2 のヘテロ環基としては、
窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルから選ばれる元素を
少なくとも一つ有し、かつ炭素原子を少なくとも1つ有
する3ないし15員環のものであり、好ましくは3〜6
員環が好ましく、例えばピロリジン、ピペリジン、ピリ
ジン、テトラヒドロフラン、チオフェン、オキサゾー
ル、チアゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、ベ
ンズオキサゾール、ベンズイミダゾール、セレナゾー
ル、ベンゾセレナゾール、テルラゾール、トリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾ
ール、チアヂアゾール環があげられる。
【0040】R、R1 及びR2 の置換基としては、例え
ばアルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシル)、
アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチル
オキシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、
トリル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えばフッ
素、塩素、臭素、沃素)、アリーロキシ基(例えば、フ
ェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブ
チルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチ
オ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、バレリル)、スルホニル基(例えば、メチルス
ルホニル、フェニルスルホニル)、アシルアミノ基(例
えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホニ
ルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼ
ンスルホニルアミノ)、アシロキシ基(例えば、アセト
キシ、ベンゾキシ)、カルボキシル基、シアノ基、スル
ホ基、アミノ基、−SO2 SM基、(Mは1価の陽イオ
ンを示す)−SO2 1 基があげられる。
【0041】Lで表わされる二価の連結基としては、
C、N、SおよびOから選ばれた少なくとも1種を含む
原子又は原子団である。具体的にはアルキレン基、アル
ケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−、
−S−、−NH−、−CO−、−SO2 −等の単独また
はこれらの組合せからなるものである。
【0042】Lは好ましくは二価の脂肪族基又は二価の
芳香族基である。Lは二価の脂肪族基としては例えば
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】 キシレン基があげられる。二価の芳香族基としては、例
えばフェニレン基、ナフチレン基があげられる。
【0045】これらの置換基は、更にこれまで述べた置
換基で置換されていてもよい。
【0046】Mとして好ましくは、金属イオン又は有機
カチオンである。金属イオンとしては、例えばリチウム
イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがあげられ
る。有機カチオンとしては、例えばアンモニウムイオン
(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テ
トラブチルアンモニウム)、ホスホニウムイオン(テト
ラフェニルホスホニウム)、グアニジル基があげられ
る。
【0047】一般式(I)ないし(III)がポリマーであ
る場合、その繰り返し単位としては例えば以下のものが
あげられる。
【0048】
【化5】 これらのポリマーは、ホモポリマーでもよいし、他の共
重合モノマーとのコポリマーでもよい。
【0049】一般式(I)、(II)又は(III)で表され
る化合物の具体例を下記の化5〜化14にあげるが、こ
れらに限定されるわけではない。
【0050】一般式(I)、(II)および(III)の化合
物は、特開昭54−1019;英国特許972,21
1;Journal of Organic Chem
istry(ジャーナル オブ オーガニック ケミス
トリー)53巻、396頁(1988)に記載されてい
る方法で合成できる。
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】
【化9】
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
【0057】
【化12】
【0058】
【化13】
【0059】
【化14】
【0060】
【化15】 一般式(I)、(II)又は(III )であらわされる化合
物はハロゲン化銀1モル当り10-7から10-1モル添加
するのが好ましい。さらに10-6から10-2、特には1
-5から10-3モル/モルAgの添加量が好ましい。
【0061】一般式[I]〜[III ]で表わされる化合
物を製造工程中に添加せしめるには、写真乳剤に添加剤
を加える場合に通常用いられる方法を適用できる。たと
えば、水溶性の化合物は適当な濃度の水溶液とし、水に
不溶または難溶性の化合物は水と混和しうる適当な有機
溶媒、たとえばアルコール類、グリコール類、ケトン
類、エステル類、アミド類のうちで、写真特性に悪い影
響を与えない溶媒に溶解して得た溶液として、添加する
ことができる。
【0062】化合物(I)、(II)又は(III )で表わ
される化合物は、ハロゲン化銀乳剤の粒子形成中、化学
増感前あるいは後の製造中のどの段階で添加してもよ
い。好ましいのは還元増感が施こされる前、あるいは施
こされている時に、化合物が添加される方法である。特
に好ましいのは粒子成長中に添加する方法である。
【0063】あらかじめ反応容器に添加するのもよい
が、粒子形成の適当な時期に添加する方が好ましい。ま
た、水溶性銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水溶
液にあらかじめ化合物(I)〜(III )を添加してお
き、これらの水溶液を用いて粒子形成してもよい。また
粒子形成に伴って化合物(I)〜(III )の溶液を何回
かに分けて添加しても連続して長時間添加するのも好ま
しい方法である。
【0064】本発明に対して最も好ましい化合物の一般
式は、一般式(I)であらわされる化合物である。
【0065】本発明の正常晶粒子は、好ましくは粒子表
面の80%以上が、より好ましくは90%以上が(10
0)面である。
【0066】本発明の粒子表面の60%以上が(10
0)面である正常晶粒子は、通常、立方体の形状を示す
が、他の面が一部共存することにより角、稜が欠けるあ
るいは丸みを帯びることは障害とはならない。
【0067】正常晶粒子の面比率を測定する方法とし
て、粒子の配向性を利用したX線回折法による方法、あ
るいはハロゲン化銀粒子に吸着する増感色素の吸収スペ
クトルを利用したKublka−Munkの方法など公
知のものを用いることができる。
【0068】次に、本発明に用いられる、アシル基が一
般式(YI)で表わされるアシルアセトアミド型イエロ
ーカプラーについてさらに詳しく説明する。
【0069】本発明のアシルアセトアミド型イエローカ
プラーは、好ましくは下記の一般式(YII)により表わ
される。
【0070】一般式(YII)
【0071】
【化16】 一般式(YII)において、R1 は水素原子を除く一価の
置換基を、QはCとともに3〜5員の炭化水素環又は少
なくとも1個のN,S,O,Pから選ばれたヘテロ原子
を環内に含む3〜5員の複素員を形成するのに必要な非
金属原子群を、R2 は水素原子、ハロゲン原子(F,C
l,Br,I;以下式(Y)の説明において同じ。)、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基又はアミ
ノ基を、R3 はベンゼン環上に置換可能な基を、Xは水
素原子又は芳香族第1級アミン現像薬の酸化体とのカッ
プリング反応により離脱可能な基(以下離脱基という)
を、kは0〜4の整数を、それぞれ表わす。ただしkが
複数のとき、複数のR3 は同じでも異なっていても良
い。R1 は好ましくは、金属原子を含まない有機残基で
あり、さらに好ましくは置換基を有してもよい炭化水素
基である。
【0072】ここでR3 の例として、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、ウ
レイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アリールオキシスルホニル基、アシルオ
キシ基、ニトロ基、複素環基、シアノ基、アシル基、ア
シルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリール
スルホニルオキシ基があり、離脱基の例として窒素原子
でカップリング活性位に結合する複素環基、アリールオ
キシ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アルキルス
ルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、複素
環オキシ基、複素環チオ基、ハロゲン原子がある。
【0073】一般式(YII)における置換基がアルキル
基であるか、またはアルキル基を含むとき、特に規定の
ない限り、アルキル基は直鎖状、分枝鎖状または環状
の、置換されていても不飽和結合を含んでいても良いア
ルキル基(例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、シクロペンチル、t−ペンチル、シクロヘキシル、
2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブ
チル、ドデシル、ヘキサデシル、アリル、3−シクロヘ
キセニル、オレイン、ベンジル、トリフルオロメチル、
ヒドロキシメチルメトキシエチル、エトキシカルボニル
メチル、フェノキシエチル)を意味する。
【0074】一般式(YII)における置換基がアリール
基であるか、またはアリール基を含むとき、特に規定の
ない限り、アリール基は置換されても良い単環もしくは
複合環のアリール基(例えばフェニル、1−ナフチル、
p−トリル、o−トリル、p−クロロフェニル、4−メ
トキシフェニル、8−キノリン、4−ヘキサデシルオキ
シフェニル、ペンタフルオロフェニル、p−ヒドロキシ
フェニル、p−シアノフェニル、3−ペンタデシルフェ
ニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル、p−メタン
スルホンアミドフェニル、3,4−ジクロロフェニル)
を意味する。
【0075】一般式(YII)における置換基が複素環基
か、または複素環を含むとき、特に規定のない限り、複
素環基はO,N,S,P,Se,Teから選ばれた少な
くとも1個のヘテロ原子を環内に含む3〜8員の置換さ
れていても良い単環もしくは縮合環の複素環基(例えば
2−フリル、2−ピリジル、4−ピリジル、1−ピラゾ
リル、1−イミダゾリン、1−ベンゾトリアゾリル、2
−ベンゾトリアゾリル、スクシンイミド、フタルイミ
ド、1−ベンジル−2,4−イミダゾリジンジオン−3
−イル)を意味する。
【0076】以下、一般式(YII)において好ましく用
いられる置換基について説明する。
【0077】一般式(YII)において、R1 は好ましく
はハロゲン原子、シアノ基、またはいずれも置換されて
いても良い総炭素数(以下C数と略す)1〜30の一価
の基(例えばアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ
基)または、C数6〜30の一価の基(例えばアリール
基、アリールオキシ基、アリールチオ基)であって、そ
の置換基としては例えばハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボンアミド基、
スルホンアミド基、アシル基がある。
【0078】一般式(YII)において、Qは好ましくは
Cとともに3〜5員のいずれも置換されていても良いC
数3〜30の炭化水素環又は少なくとも1個のN,S,
O,Pから選ばれたヘテロ原子を環内に含むC数2〜3
0の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
す。また、QがCと共に作る環は、環内に不飽和結合を
含んでいても良い。QがCとともに作る環の例としてシ
クロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、
シクロプロペン環、シクロブテン環、シクロペンテン
環、オキセタン環、オキソラン環、1,3−ジオキソラ
ン環、チエタン環、チオラン環、ピロリジン環がある。
置換基の例としてハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
キル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アル
キルチオ基、アリールチオ基がある。
【0079】一般式(YII)において、R2 は好ましく
はハロゲン原子、いずれも置換されていても良い、C数
1〜30のアルキル基、C数6〜30のアリールオキシ
基、C数1〜30のアルキル基またはC数0〜30のア
ミノ基を表わし、その置換基としては、例えば、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基
がある。
【0080】一般式(YII)において、R3 は好ましく
はハロゲン原子、いずれも置換されても良いC数1〜3
0のアルキル基、C数6〜30のアルキル基、C数1〜
30のアルコキシ基、C数2〜30のアルコキシカルボ
ニル基、C数7〜30のアリールオキシカルボニル基、
C数1〜30のカルボンアミド基、C数1〜30のスル
ホンアミド基、C数1〜30のカルバモイル基、C数0
〜30のスルファモイル基、C数1〜30のアルキルス
ルホニル基、C数6〜30のアリールスルホニル基、C
数1〜30のウレイド基、C数0〜30のスルファモイ
ルアミノ基、C数2〜30のアルコキシカルボニルアミ
ノ基、C数1〜30の複素環基、C数1〜30のアシル
基、C数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、C数
6〜30のアリールスルホニルオキシ基を表わし、その
置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、複素環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンア
ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ウレ
イド基、シアノ基、ニトロ基、アシルオキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アル
キルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基
がある。
【0081】一般式(YII)において、kは好ましくは
1または2の整数を表わし、R3 の置換位置は、アシル
アセトアミド基に対してメタ位またはパラ位が好まし
い。
【0082】一般式(YII)において、Xは好ましくは
窒素原子でカップリング活性位に結合する複素環基また
はアリールオキシ基を表わす。
【0083】Xが複素環基を表わすとき、Xは好ましく
は置換されても良い、5〜7員環の単環もしくは縮合環
の複素環の基であり、その例として例えばスクシンイミ
ド、マレインイミド、フタルイミド、ジグリコールイミ
ド、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4
−トリアゾール、テトラゾール、インドール、インダゾ
ール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミ
ダゾリジン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4
−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、イミダゾリ
ジン−2−オン、オキサゾリジン−2−オン、チアゾリ
ジン−2−オン、ベンズイミダゾリン−2−オン、ベン
ゾオキサゾリン−2−オン、ベンゾチアゾリン−2−オ
ン、2−ピロリン−5−オン、2−イミダゾリン−5−
オン、インドリン−2,3−ジオン、2,6−ジオキシ
プリン、パラバン酸、1,2,4−トリアゾリジン−
3,5−ジオン、2−ピリドン、4−ピリドン、2−ピ
リミドン、6−ピリダゾン、2−ピラゾン、2−アミノ
−1,3,4−チアゾリジン、2−イミノ−1,3,4
−チアゾリジン−4−オンがあり、これらの複素環は置
換されていてもよい。
【0084】これらの複素環の置換基の例としては、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カ
ルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基、スルファモイルアミノ基がある。
【0085】Xがアリールオキシ基を表わすとき、Xは
好ましくはC数6〜30のアリールオキシ基を表わし、
前記Xが複素環である場合に挙げた置換基群から選ばれ
る基で置換されていても良い。アリールオキシ基の置換
基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カル
ボキシル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボ
ニル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、またはシアノ基が好ましい。
【0086】次に、一般式(YII)において特に好まし
く用いられる置換基について説明する。
【0087】R1 は、特に好ましくはC数1〜30のア
ルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−
ブチル、イソブチル、n−オクチル、n−ドデシル、フ
ェノキシメチル、フェニルチオメチル、p−トルエンス
ルホニルメチル、ベンジル、シクロヘキシルメチル、メ
トキシエチル)であって、最も好ましくはC数1〜4の
アルキル基である。
【0088】Qは、特に好ましくはCとともに作る環が
3〜5員の炭化水素環を形成する非金属原子群であり、
例えば、いずれも置換されていてもよいエチレン基、ト
リメチレン基、またはテトラメチレン基である。ここで
置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリール
基、ハロゲン原子などがある。
【0089】Qは最も好ましくは、置換または無置換の
エチレン基である。
【0090】R2 は特に好ましくは、塩素原子、フッ素
原子、C数1〜6のアルキル基(例えばメチル、トリフ
ルオロメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル)、
C数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、メトキシエトキシ、ブトキシ、ヘキサデシルオキ
シ)、またはC数6〜24のアリールオキシ基(例えば
フェノキシ基、p−トリルオキシ、p−メトキシフェノ
キシ)であり、最も好ましくは塩素原子、メトキシ基ま
たはトリフルオロメチル基である。
【0091】R3 は、特に好ましくは、ハロゲン原子、
シアノ基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基、アル
コキルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基ま
たはスルファモイル基であり、最も好ましくは塩素原
子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファ
モイル基、カルボンアミド基またはスルホンアミド基で
ある。
【0092】Xは、特に好ましくは下記の式(Y−
1)、(Y−2)、または(Y−3)で表わされる基で
ある。
【0093】
【化17】
【0094】
【化18】
【0095】
【化19】 式(Y−1)において、Zは−O−CR4 (R5 )−,
−S−CR4 (R5 )−,NR6 −CR4 (R5 )−,
−NR6 −NR7 −,−NR6 −C−(O)−,−CR
4 (R5 )−CR8 (R9 )−またはCR10=CR11
を表わす。
【0096】ここでR4 ,R5 ,R8 、およびR9 は水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基またはアミノ
基を表わし、R6 およびR7は水素原子、アルキル基、
アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基またはアルコキシカルボニル基を表わし、R10およ
びR11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表わ
す。R10とR11は互いに結合してベンゼン環を形成して
も良い。R4 とR5 、R5 とR6 、R6 とR7 またはR
4 とR8 は互いに結合して環(例えばシクロブタン、シ
クロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセン、ピロ
リジン、ピペリジン)を形成してもよい。
【0097】式(Y−1)で表わされる複素環基のう
ち、とくに好ましいものは式(Y−1)においてZが−
O−CR4 (R5 )−,NR6 −CR4 (R5 )または
NR6−NR7 −である複素環基である。式(Y−1)
で表わされる複素環基のC数は2〜30、好ましくは4
〜20、さらに好ましくは5〜16である。
【0098】式(Y−2)において、R12およびR13
少なくとも1つはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
トリフルオロメチル基、カルボキシル基、アルコキシカ
ルボニル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基またはアシル基から選ばれた
基であり、もう一方は水素原子、アルキル基またはアル
コキシ基であっても良い。R14はR12またはR13と同じ
意味の基を表わし、mは0〜2の整数を表わす。式(Y
−2)で表わされるアリールオキシ基のC数は6〜3
0、好ましくは6〜24、さらに好ましくは6〜15で
ある。
【0099】式(Y−3)において、WはNとともにピ
ロール環、ピラゾール環、イミダゾール環またはトリア
ゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。
ここで、式(Y−3)で表わされる環は置換基を有して
いてもよく、好ましい置換基の例としてハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキ
ル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリール
オキシ基またはカルバモイル基が挙げられる。式(Y−
3)で表わされる複素環基のC数は2〜30、好ましく
は2〜24、より好ましくは2〜16である。
【0100】最も好ましいXは式(Y−1)で表わされ
る基である。
【0101】一般式(YII)で表わされるカプラーは、
その置換基R1 ,R2 ,R3 ,QまたはXにおいて、結
合手または2価以上の基を介して互いに結合する2量体
またはそれ以上の多量体を形成しても良い。この場合、
前記の各置換基において示した炭素原子数範囲の規定外
となってもよい。
【0102】以下に、一般式(YII)で表わされるイエ
ローカプラーの具体例を示す。
【0103】
【化20】
【0104】
【化21】
【0105】
【化22】
【0106】
【化23】
【0107】
【化24】
【0108】
【化25】
【0109】
【化26】
【0110】
【化27】
【0111】
【化28】
【0112】
【化29】 一般式(YII)で表わされるイエローカプラーは従来公
知の合成方法、例えば欧州特許出願(EP)第4479
69A号に記載の方法により合成することができる。
【0113】一般式(YII)で表わされるカプラーは感
光材料中のいかなる層でも使用することができる。すな
わち、感光性層(青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性
乳剤層)、非感光性層(例えば保護層、イエローフィル
ター層、中間層、アンチハレーション層)のいずれの層
でも使用できるが、特に青感性乳剤層またはそれに隣接
する非感光性層に使用することが好ましい。
【0114】一般式(YII)で表わされるカプラーの好
ましい使用量は0.05〜5.0mmol/m2 で、よ
り好ましくは0.1〜2.0mmol/m2 の範囲であ
る。
【0115】一般式(YII)で表わされるカプラーが感
光性層で使用される場合、好ましいカプラーとハロゲン
化銀とのモル比は1:0.1〜1:200の範囲であ
り、より好ましくは1:2〜1:150である。また、
非感光性層で使用される場合は、隣接するハロゲン化銀
乳剤層のハロゲン化銀とのモル比は好ましくは1:2〜
1:200である。
【0116】一般式(YII)で表わされるカプラーは、
もちろん単独で用いてもよいし、他のイエローカプラー
(例えばベンゾイルアセトアニリド型イエローカプラー
やピバロイルアセトアニリド型イエローカプラー)と併
用してもよい。
【0117】本発明で使用するハロゲン化銀粒子は、塩
化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいず
れでもよいが、臭化銀、沃化銀20モル%以下の沃臭化
銀、又は塩化銀50モル%以下で沃化銀2モル%以下の
塩沃臭化銀及び塩臭化銀がより好ましく、混合ハロゲン
化銀における組成分布は均一でも局在化していてもよ
い。
【0118】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤におい
て、ハロゲン化銀粒子の結晶構造は一様なものでも、内
部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよ
く、層状構造をなしていてもよい。これらの乳剤粒子
は、例えば英国特許第1,027,146号、米国特許
第3,505,068号、同4,444,877号およ
び特願昭58−248469号に開示されている。ま
た、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン
化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、酸
化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていて
もよい。
【0119】本発明のハロゲン化銀乳剤が沃臭化銀乳剤
の場合、ハロゲン組成に関して均一構造を有する場合、
沃化銀20モル%以下の沃臭化銀が好ましい。また目的
に応じて、好ましい沃化銀含量は異なる。たとえば現像
進行の速い乳剤が要求される場合は沃化銀10モル%以
下が好ましく更には沃化銀5モル%以下が好ましい。ま
た階調がより軟調な乳剤が必要な時に、比較的沃化銀含
量の高い乳剤を設計することもあり、その場合沃化銀含
量が5モル%以上であることが好ましい。
【0120】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、例え
ばEP−0096727B1号、EP−0064412
B1号に開示されているような粒子に丸みをもたらす処
理、あるいはDE−2306447C2、特開昭60−
221320に開示されているような表面の改質を行っ
てもよい。
【0121】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は表面潜
像型が好ましい。特開昭59−133542号に開示さ
れているように現像液あるいは現像の条件を選ぶことに
より内部潜像型の乳剤も用いることができる。また薄い
シェルをかぶらせる浅内部潜像型乳剤も目的に応じて用
いることができる。
【0122】熟成を促進するのにハロゲン化銀溶剤が有
用である。例えば熟成を促進するのに過剰量のハロゲン
イオンを反応器中に存在せしめることが知られている。
それ故、ハロゲン化物塩溶液を反応器中に導入するだけ
で熟成を促進し得ることは明らかである。他の熟成剤を
用いることもできるし、これらの熟成剤は銀およびハロ
ゲン化物塩を添加する前に反応器中の分散媒中に全量を
配合しておくことができるし、また1もしくは2以上の
ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応
器中に導入することもできる。別の変形態様として、熟
成剤をハロゲン化物塩および銀塩添加段階で独立して導
入することもできる。
【0123】ハロゲンイオン以外の熟成剤としては、ア
ンモニアあるいは、アミン化合物、チオシアネート塩、
例えばアルカリ金属チオシアネート塩、特にナトリウム
及びカリウムチオシアネート塩、並びにアンモニウムチ
オシアネート塩を用いることができる。
【0124】本発明において用いるハロゲン化銀乳剤は
硫黄増感、金増感に代表される化学増感を施こすことが
できる。
【0125】化学増感を施こす場合は乳剤粒子の組成・
構造・形状によって、またその乳剤が用いられる使用用
途によって異なる。粒子の内部に化学増感核をうめ込む
場合、粒子表面から浅い位置にうめ込む場合、あるいは
表面に化学増感核を作る場合がある。本発明の効果はど
の場合にも有効であるが、特に好ましいのは表面近傍に
化学増感核を作った場合である。つまり内部潜像型より
は表面潜像型乳剤でより有効である。
【0126】化学増感は、ジェームス(T.H.Jam
es)著、ザ・フォトグラフィック・プロセス、第4
版、マクミラン社刊、1977年(T.H.Jame
s,The Theory of the Photo
graphic Process,4th ed,Ma
cmillan,1977)67−76頁に記載される
ように活性ゼラチンを用いて行うことができるし、また
リサーチ・ディスクロージャー120巻、1974年4
月、12008;リサーチ・ディスクロージャー、34
巻、1975年6月、13452、米国特許第2,64
2,361号、同3,297,446号、同3,77
2,031号、同3,857,711号、同3,90
1,714号、同4,266,018号、および同3,
904,415号、並びに英国特許第1,315,75
5号に記載されるようにpAg5〜10、pH5〜8お
よび温度30〜80℃において硫黄、セレン、テルル、
金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれら増感剤
の複数の組合せを用いて行うことができる。化学増感は
最適には、金化合物とチオシアネート化合物の存在下
で、また米国特許第3,857,711号、同4,26
6,018号および同4,054,457号に記載され
る硫黄含有化合物もしくはハイポ、チオ尿素系化合物、
ローダニン系化合物などの硫黄含有化合物の存在下で行
なう。化学増感助剤の存在下で化学増感することもでき
る。用いられる化学増感助剤には、アザインデン、アザ
ピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増感の過程
でカブリを抑制し且つ感度を増大するものとして知られ
た化合物が用いられる。化学増感助剤改質剤の例は、米
国特許第2,131,038号、同3,411,914
号、同3,554,757号、特開昭58−12652
6号および前述ダフィン著「写真乳剤化学」、138〜
143頁に記載されている。
【0127】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、ア
ミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベ
ンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)など;メ
ルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;たと
えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザ
インデン類、たとえばトリアザインデン類、テトラアザ
インデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,
7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類な
どのようなカブリ防止剤または安定剤として知られた、
多くの化合物を加えることができる。たとえば米国特許
3,954,474号、同3,982,947号、特公
昭52−28,660号に記載されたものを用いること
ができる。
【0128】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されてもよい。用いられる
色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シア
ニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニ
ン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオ
キソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シア
ニン色素、メロシアニン色素、および複合メロシアニン
色素に属する色素である。これらの色素類には、塩基性
異節環核としてシアニン色素類に通常利用される核のい
ずれをも適用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾ
リン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、
チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テト
ラゾール核、ピリジン核など;これらの核に脂環式炭化
水素環が融合した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素
環が融合した核、即ち、インドレニン核、ベンズインド
レニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフ
トオキサゾール核、ベンズチアゾール核、ナフトチアゾ
ール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール
核、キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原
子上に置換されていてもよい。
【0129】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−
ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0130】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許2,688,545号、同2,977,
229号、同3,397,060号、同3,522,0
52号、同3,527,641号、同6,617,29
3号、同3,628,964号、同3,666,480
号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,703,377号、同3,769,301
号、同3,814,609号、同3,837,862
号、同4,026,708号、英国特許1,344,2
81号、同1,507,803号、特公昭43−11
0,618号、特開昭52−110,618号、同52
−109,925号に記載されている。
【0131】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0132】色素を乳剤中に添加する時期は、これまで
有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階であ
ってもよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗布前
までの時期に行なわれるが、米国特許第3,628,9
69号、および同第4,225,666号に記載されて
いるように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を化学
増感と同時に行なうことも、特開昭58−113,92
8号に記載されているように化学増感に先立って行なう
ことも出来、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前に
添加し分光増感を開始することも出来る。更にまた米国
特許第4,225,666号に教示されているようにこ
れらの前記化合物を分けて添加すること、即ちこれらの
化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残部を化学
増感の後で添加することも可能であり、米国特許第4,
183,756号に教示されている方法を始めとしてハ
ロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。
【0133】添加量は、ハロゲン化銀1モル当り、4×
10-6〜8×10-3モルで用いることができるが、ハロ
ゲン化銀粒子サイズ0.2〜1.2μmの場合は約5×
10-5〜2×10-3モルがより有効である。
【0134】本発明のカラー感光材料は、支持体上に青
感性層、緑感性層、赤感性層又は赤外光に感応する層の
ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が設けられていれ
ばよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数お
よび層順に特に制限はない。典型的な例としては、支持
体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる
複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくと
も1つ有するハロゲン化銀写真感光材料は、撮影用に露
光寛用度を向上した感光材料に有用である。多層ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光
性層の配列が、支持体側から、赤感色性層、緑感色性
層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて
上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異な
る感色性層が挟まれたような設置順をもとり得る。
【0135】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層のような非感光性層を設
けてもよい。
【0136】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物が含まれ
ていてもよく、また通常用いられるように混色防止剤を
含んでいてもよい。
【0137】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。更に、
例えば特開昭57−112751号、同62−2003
50号、同62−206541号、同62−20654
3号に記載されているように、支持体より離れた側に低
感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置して
もよい。
【0138】具体例として、支持体から最も遠い側か
ら、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(B
H)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性
層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH
/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/R
Hの順等に設置することができる。
【0139】また、特公昭55−34932号公報に記
載されているように、支持体から最も遠い側から青感光
性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもで
きる。また特開昭56−25738号、同62−639
36号明細書に記載されているように、支持体から最も
遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。
【0140】更にまた、特公昭49−15495号公報
に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲ
ン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン
化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲ
ン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次
低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙
げられる。このような感光度の異なる3層から構成され
る場合でも、特開昭59−202464号明細書に記載
されているように、同一感色性層中において支持体より
離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤
層の順に配置されてもよい。
【0141】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。
【0142】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号の明細書に記載の、BL,G
L,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接し
て配置することが好ましい。
【0143】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
に使用できる公知の写真用添加剤は、2つのリサーチ・
ディスクロージャーに記載されており、下記の表に関連
する記載箇所を示した。
【0144】 添加剤種類 RD17643 RD18716 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同 上 3 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 強色増感剤 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄〜 および安定剤 6 光吸収剤、フ 25〜26頁 649頁右欄〜 ィルター染料 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同 上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 表面活性剤 13 スタチック防止剤 27頁 同 上 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許第4,411,987号や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0145】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
には、種々のカラーカプラーを使用することができ、そ
の具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャー(R
D)No.17643、VII −C〜Gに示された特許に
記載されている。
【0146】本発明のイエローカプラーに併用できる他
のイエローカプラーとしては、ベンゾイルアセトアニリ
ド型およびピバロイルアセトアニリド型が好ましく、例
えば米国特許第3,933,501号、同第4,02
2,620号、同第4,326,024号、同第4,4
01,752号、同第4,248,961号、特公昭5
8−10739号、英国特許第1,425,020号、
同第1,476,760号、米国特許第3,973,9
68号、同第4,314,023号、同第4,511,
649号、欧州特許第249,473A号に記載のもの
が好ましい。
【0147】マゼンタカプラーとしては、5−ピラゾロ
ン系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、例え
ば、米国特許第4,310,619号、同第4,35
1,897号、欧州特許第73,636号、米国特許第
3,061,432号、同第3,725,067号、リ
サーチ・ディスクロージャーNo.24220(198
4年6月)、特開昭60−33552号、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.24230(1984年6
月)、特開昭60−43659号、同61−72238
号、同60−35730号、同55−118034号、
同60−185951号、米国特許第4,500,63
0号、同第4,540,654号、同第4,556,6
30号、国際公開WO88/04795号に記載のもの
が特に好ましい。
【0148】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,223号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号に記載のものが好
ましい。さらに、特開昭64−553号、同64−55
4号、同64−555号、同64−556号に記載のピ
ラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,818,
672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用するこ
とができる。
【0149】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、例えば、米国特許第3,451,820号、同第
4,080,211号、同第4,367,282号、同
第4,409,320号、同第4,576,910号、
英国特許2,102,137号、欧州特許第341,1
88A号に記載されている。
【0150】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0151】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643の VII−G項、同No. 307105の VII−
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。
【0152】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた、本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、 VII−F項及び同No. 307105、 V
II−F項に記載された特許、特開昭57−151944
号、同57−154234号、同60−184248
号、同63−37346号、同63−37350号、米
国特許4,248,962号、同4,782,012号
に記載されたものが好ましい。
【0153】例えば、R.D.No.11449、同2
4241、特開昭61−201247号に記載の漂白促
進剤放出カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を
短縮するのに有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン
化銀粒子を用いる感光材料に添加する場合に、その効果
が大である。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号、同59−170840号に記載のも
のが好ましい。また、特開昭60−107029号、同
60−252340号、特開平1−44940号、同1
−45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元
反応により、例えばかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン
化銀溶剤ヲ放出する化合物も好ましい。
【0154】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、例えば、米国特許第4,13
0,427号に記載の競争カプラー、例えば、米国特許
第4,283,472号、同第4,338,393号、
同第4,310,618号に記載の多当量カプラー;例
えば、特開昭60−185950号、特開昭62−24
252号に記載のDIRレドックス化合物放出カプラ
ー、DIRカプラー放出カプラー、DIRカプラー放出
レドックス化合物もしくはDIRレドックス放出レドッ
クス化合物;欧州特許第173,302A号、同第31
3,308A号に記載の離脱後復色する色素を放出する
カプラー;例えば、米国特許第4,555,477号に
記載のリガンド放出カプラー、特開昭63−75747
号に記載のロイコ色素を放出するカプラー;米国特許第
4,774,181号に記載の蛍光色素を放出するカプ
ラーを例示することができる。
【0155】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
の分散方法により感光材料に導入できる。
【0156】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は、例えば、米国特許第2,322,027号に記載
されている。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点
が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フ
タル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−ア
ミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−ア
ミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチ
ルプロピル)フタレート);リン酸またはホスホン酸の
エステル類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニル
ホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ
−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホス
フェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロ
ロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェ
ニルホスホネート);安息香酸エステル類(例えば、2
−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエー
ト、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエー
ト);アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンア
ミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデ
シルピロリドン);アルコール類またはフェノール類
(例えば、イソステアリルアルコール、2,4−ジ−t
ert−アミルフェノール);脂肪族カルボン酸エステ
ル類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバケー
ト、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリブチレー
ト、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレー
ト);アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブチル−2
−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン);炭化
水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイ
ソプロピルナフタレン)を例示することができる。また
補助溶剤としては、例えば、沸点が約30℃以上、好ま
しくは50℃以上かつ約160℃以下の有機溶剤が使用
でき、典型例としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチル
ホルムアミドなどが挙げられる。
【0157】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用ラテックスの具体例は、例えば、米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および、同第2,541,230号に記載され
ている。
【0158】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブ
チル−p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−
クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシ
エタノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾー
ルの各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ま
しい。
【0159】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。例えば、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーを代表例として挙げることができ
る。本発明は、カラーデュープ用フィルムにも特に好ま
しく使用できる。
【0160】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No. 17643の28頁、同No. 18
716の647頁右欄から648頁左欄、および同No.
307105の879頁に記載されている。
【0161】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2 が30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。ここでの膜厚は、25℃相対湿度
55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味する。ま
た、膜膨潤速度T1/2 は当該技術分野において公知の手
法に従って測定することができ、例えばエー・グリーン
(A.Green)らによりフォトグラフィック・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング(Photogr.
Sci.Eng.)、19巻、2号、124〜129頁
に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用すること
により測定できる。おな、T1/2 は発色現像液で30
℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の9
0%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達するまで
の時間と定義する。
【0162】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0163】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、例えば前述の光吸収剤、フィル
ター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、
バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を
含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は1
50〜500%が好ましい。
【0164】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No. 17643の28〜29頁、同No. 18
716の651頁左欄〜右欄、および同No. 30710
5の880〜881頁に記載された通常の方法によって
現像処理することができる。
【0165】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
される。その代表例としては、例えば、3−メチル−4
−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N−エチル−β−メトキシエチルアニリン及
びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホ
ン酸塩が挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応
じ2種以上併用することもできる。
【0166】発色現像液は、例えば、アルカリ金属の炭
酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩
化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、
ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような
現像抑制剤またはカブリ防止剤を含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤;エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤;ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤;色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬;粘性付与剤;アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤を用いることが
できる。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリル三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロ
キシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙げ
ることができる。
【0167】また、反転処理を実施する場合は、通常黒
白現像を行なってから発色現像する。この黒白現像液に
は、例えばハイドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン
類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドンのような3
−ピラゾリドン類、または、例えばN−メチル−p−ア
ミノフェノールのようなアミノフェノール類の公知の黒
白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることが
できる。これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは、9
〜12であることが一般的である。また、これらの現像
液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよる
が、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル以
下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させてお
くことにより500ml以下にすることもできる。補充量
を低減する場合には、処理液の空気との接触面積を小さ
くすることによって液の蒸発、空気酸化を防止すること
が好ましい。
【0168】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2 )〕÷
〔処理液の容量(cm3)〕 上記の開口率は0.1以下であることが好ましく、より
好ましくは0.001〜0.05である。このように開
口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液面
に、例えば浮き蓋のような遮蔽物を設ける方法に加え
て、特開平1−82033号に記載された可動蓋を用い
る方法、特開昭63−216050号に記載されたスリ
ット現像処理方法を挙げることができる。開口率を低減
させることは、発色現像及び黒白現像の両工程のみなら
ず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、定着、水
洗、安定化の全ての工程において適用することが好まし
い。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段
を用いることにより、補充量を低減することもできる。
【0169】発色現像処理の時間は通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃
度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図るこ
ともできる。
【0170】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後に漂白定着処理する処
理方法でもよい。さらに、二槽の連続した漂白定着浴で
処理すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、
又は漂白定着処理後に漂白処理することも目的に応じ任
意に実施できる。漂白剤としては、例えば、鉄(III)の
ような多価金属の化合物、過酸類(特に、過硫酸ソーダ
は映画用カラーネガフィルムに適する)、キノン類、ニ
トロ化合物が用いられる。代表的漂白剤としては鉄(II
I)の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸のようなアミ
ノポリカルボン酸類との錯塩、または、例えばクエン
酸、酒石酸、リンゴ酸との錯塩などを用いることができ
る。これらのうち、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯
塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)錯塩
を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、迅
速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらに、ア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、漂白液において
も、漂白定着液においても特に有用である。これらのア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂
白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理の迅速化
のためにさらに低いpHで処理することもできる。
【0171】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:例えば、米国特許第3,893,858号、西独
特許第1,290,812号、同2,059,988
号、特開昭53−32736号、同53−57831
号、同53−37418号、同53−72623号、同
53−95630号、同53−95631号、同53−
104232号、同53−124424号、同53−1
41623号、同53−18426号、リサーチ・ディ
スクロージャーNo. 17129号(1978号7月)な
どに記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する
化合物;特開昭51−140129号に記載のチアゾリ
ジン誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−2
0832号、同53−32735号、米国特許第3,7
06,561号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第
1,127,715号、特開昭58−16,235号に
記載の沃化物塩;西独特許第966,410号、同2,
748,430号に記載のポリオキシエチレン化合物
類;特公昭45−8836号に記載のポリアミン化合
物;その他特開昭49−40943号、同49−59,
644号、同53−94,927号、同54−35,7
27号、同55−26,506号、同58−163,9
40号記載の化合物;臭化物イオン等が使用できる。な
かでも、メルカプト基またはジスルフィド基を有する化
合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国特許
第3,893,858号、西独特許第1,290,81
2号、特開昭53−95630号に記載の化合物が好ま
しい。更に、米国特許第4,552,884号に記載の
化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加
してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着すると
きに、これらの漂白促進剤は特に有効である。
【0172】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には、例えば、
酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸が好ましい。
【0173】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては、例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩をあげる
ことができる。このなかではチオ硫酸塩の使用が一般的
であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用で
きる。また、チオ硫酸塩と、例えば、チオシアン酸塩、
チオエーテル系化合物、チオ尿素の併用も好ましい。定
着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第2
94769A号に記載のスルフィン酸化合物が好まし
い。更に、定着液や漂白定着液には、液の安定化の目的
で、各種アミノポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類の
添加が好ましい。
【0174】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のためにpKa が6.0〜9.0の化合物、
好ましくはイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1
−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの如き
イミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添加する
ことが好ましい。
【0175】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては脱銀速度が向上し、かつ処
理後のステイン発生が有効に防止される。
【0176】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号に回転手段を用いて攪拌効果を上
げる方法が挙げられる。更には、液中に設けられたワイ
パーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動
させ、乳剤表面を乱流化することによってより攪拌効果
を向上させる方法や、処理液全体の循環流量を増加させ
る方法が挙げられる。このような攪拌向上手段は、漂白
液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効であ
る。攪拌の向上は、乳剤膜中への漂白剤および、定着剤
の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考え
られる。また、前記の攪拌向上手段は漂白促進剤を使用
した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させ
たり、漂白促進剤により定着阻害作用を解消させること
ができる。
【0177】本発明の感光材料の現像に用いられる自動
現像機は、特開昭60−191257号、同60−19
1258号、同60−191259号に記載の感光材料
搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭6
0−191257号に記載のとおり、このような搬送手
段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は、各工程における処理時間の短縮や処理液補充
量の低減に特に有効である。
【0178】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラーのような使用素材による)、用途、更
には、例えば、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向
流、順流の補充方式、その他種々の条件に応じて広範囲
に設定し得る。このうち、多段向流方式における水洗タ
ンク数と水量の関係は、Journal of the
Society of Motion Pictur
e and Television Engineer
s 第64巻、P.248〜253(1955年5月
号)に記載の方法で求めることができる。前記文献に記
載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得
るが、タンク内における水の滞留時間の増加によりバク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理において
は、このような問題の解決策として、特開昭62−28
8,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウム
イオンを低減させる方法を極めて有効に用いることがで
きる。また、特開昭57−8542号に記載の、例え
ば、イソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩
素化イソシアヌール酸ナトリウムのような塩素系殺菌
剤、その他、例えば、ベンゾトリアゾールのような、堀
口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、
衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(19
82年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤
事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもで
きる。
【0179】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9、好ましくは5〜8である。水洗水温およ
び水洗時間も、例えば感光材料の特性、用途に応じて種
々設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜1
0分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が
選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代
えて、直接安定液によって処理することもできる。この
ような安定化処理においては、特開昭57−8543
号、同58−14834号、同60−220345号に
記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0180】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もある。その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、例えば、ホルマリンやグルタルアルデヒ
ドのようなアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキ
サメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸酸付加
物を挙げることができる。この安定浴にも、各種キレー
ト剤や防黴剤を加えることができる。
【0181】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程のような他の工程
において再利用することもできる。
【0182】例えば自動現像機を用いた処理において、
上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を
加えて濃縮補正することが好ましい。
【0183】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
には、処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を
内蔵させても良い。内蔵させるためには、発色現像主薬
の各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば、米
国特許第3,342,597号記載のインドアニリン系
化合物、例えば、同第3,342,599号、リサーチ
・ディスクロージャーNo. 14,850及び同No. 1
5,159に記載のシッフ塩基型化合物、同13,92
4号に記載のアルドール化合物、米国特許第3,71
9,492号に記載の金属塩錯体、特開昭53−135
628号に記載のウレタン系化合物を挙げることができ
る。
【0184】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は、特開昭56−64339号、同57−1
44547号、および同58−115438号等に記載
されている。
【0185】本発明における各種処理液は、10℃〜5
0℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度
が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時
間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理
液の安定性の改良を達成することができる。
【0186】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は、
例えば米国特許第4,500,626号、特開昭60−
133449号、同59−218443号、同61−2
38056号、欧州特許210,660A2号などに記
載されている熱現像感光材料にも適用できる。
【0187】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1) 乳剤 Em−1〜Em−10の調製 平均ヨード含量2モル%、平均球相当径0.8μmの立
方体粒子((100)面が90%)を種晶にしてゼラチ
ン水溶液中で、コントロールダブルジェット法によりコ
ア・シェル比が1:2,シェルのヨード含量が1モル%
になるような平均球相当径1.05μmの立方体粒子
((100)面が90%)からなる乳剤を形成した。
【0188】粒子形成後、乳剤を通常の脱塩水洗工程を
経て、40℃でpAg8.9、pH6.3の条件で再分
散した。この乳剤をEm−1とする。
【0189】Em−1に対し、還元増感剤R−1,R−
2,R−3を表1に示す量をシェル形成開始と同時に最
適量添加し、Em−2〜Em−4を作成した。
【0190】また、Em−1に対し、シェル形成開始1
分前に銀に対する酸化剤として、H2 2 を下記表1に
示す表1−1に記した量添加し、シェル形成開始1分後
に還元増感剤R−1,R−2,R−3を下記表1に示す
最適量を添加し、Em−5〜Em−7を作成した。
【0191】更に、Em−1に対し、シェル形成開始1
分前に銀に対する酸化剤として、チオスルホン酸化合物
(1−2)を下記表1に示す表1−1に記した量添加し
還元増感剤R−1,R−2,R−3を下記表1に示す表
1−1に記した最適量添加し、Em−8〜Em−10を
作成した。
【0192】
【表1】 このようにして作成した乳剤Em−1〜Em−10を以
下のようにして、最適に化学増感した。すなわち、乳剤
Em−1〜Em−10それぞれに対し、本実施例中に示
した増感色素IV、VおよびVIを各々銀1モル当り3.0
×10-4モル、8.0×10-5モル、および3.5×1
-5モル添加し、しかる後にチオ硫酸ナトリウムと塩化
金酸を用いて、各乳剤に最適な金、硫黄増感を施した。 多層カラー感光材料試料101〜120の作成 化学増感した乳剤Em−1〜Em−10を下記に示すよ
うな組成の各層よりなる多層カラー感光材料の第13層
に適用することにより試料101〜110を作成した。
【0193】下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム
支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布
し、多層カラー感光材料である試料101〜110を作
成した。 (感光層組成)各成分に対応する数字は、g/m2 単位
で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換
算の塗布量を示す、ただし増感色素については、同一層
のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示
す。 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシル ハイドロキノン 0.18 EX−1 0.070 EX−3 0.020 EX−12 2.0×10-3 U−1 0.060 U−2 0.080 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤 A 銀 0.25 乳剤 B 銀 0.25 増感色素 I 6.9×10-5 増感色素 II 1.8×10-5 増感色素 III 3.1×10-4 EX−2 0.34 EX−10 0.020 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.87 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤 G 銀 1.00 増感色素 I 5.1×10-5 増感色素 II 1.4×10-5 増感色素 III 2.3×10-4 EX−2 0.40 EX−3 0.050 EX−10 0.015 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 ゼラチン 1.30 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤 D 銀 1.60 増感色素 I 5.4×10-5 増感色素 II 1.4×10-5 増感色素 III 2.4×10-4 EX−2 0.097 EX−3 0.010 EX−4 0.080 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.63 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.80 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤 A 銀 0.15 乳剤 B 銀 0.15 増感色素 IV 3.0×10-5 増感色素 V 1.0×10-4 増感色素 VI 3.8×10-4 EX−1 0.021 EX−6 0.26 EX−7 0.030 EX−8 0.025 HBS−1 0.10 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.63 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤 C 銀 0.45 増感色素 IV 2.1×10-5 増感色素 V 7.0×10-5 増感色素 VI 2.6×10-4 EX−6 0.094 EX−7 0.026 EX−8 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.50 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤 E 銀 1.20 増感色素 IV 3.5×10-5 増感色素 V 8.0×10-5 増感色素 VI 3.0×10-4 EX−1 0.025 EX−11 0.10 EX−13 0.015 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.54 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.050 EX−5 0.080 HBS−1 0.030 ゼラチン 0.95 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤 A 銀 0.080 乳剤 B 銀 0.070 乳剤 F 銀 0.070 増感色素 VII 3.5×10-4 EX−8 0.042 EX−9 0.72 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤 G 銀 0.45 増感色素 VII 2.1×10-4 EX−9 0.15 EX−10 7.0×10-3 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78 第13層(第3青感乳剤層) 乳剤 Em-1〜Em-10 (試料101 〜110) 銀 0.77 増感色素 VII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.69 第14層(第1保護層) 乳剤 H 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00 第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 更に、全層に保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌
性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1、
W−2、W−3、B−4、B−5、F−1、F−2、F
−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−
9、F−10、F−11、F−12、F−13及び、鉄
塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が
含有されている。
【0194】次に本発明に用いた化合物の化学構造式ま
たは化学名を下に示した。
【0195】
【化30】
【0196】
【化31】
【0197】
【化32】
【0198】
【化33】
【0199】
【化34】
【0200】
【化35】
【0201】
【化36】
【0202】
【化37】
【0203】
【化38】
【0204】
【化39】
【0205】
【化40】
【0206】
【化41】
【0207】
【化42】
【0208】
【化43】
【0209】
【化44】
【0210】
【化45】 また本発明に用いた乳剤A〜Hを下記表2に示す表2−
1に記した。
【0211】
【表2】 更に試料101〜110の第11層、第12層、第13
層のEX−9を前述のアシルアセトアミド型イエロー色
素形成カプラーY−29に等モル置き換えて、それぞれ
試料111〜120とした。
【0212】また試料101、104、110の第11
層、第12層、第13層のEX−9を同じく前述のアシ
ルアセトアミド型イエロー色素形成カプラーY−2に等
モル置き換えて、それぞれ試料121〜123とした。
【0213】また試料101、104、110の第11
層、第12層、第13層のEX−6を同じく前述のアシ
ルアセトアミド型イエロー色素形成カプラーY−15に
等モル置き換えて、それぞれ試料124〜126とし
た。
【0214】これらの試料101〜126にセンシトメ
トリー用の像様露光(1/100″)を与え、下記のカ
ラー現像処理を行なった。
【0215】また別に試料101〜126を1組用意
し、これらの試料に対してセンシトメトリー用の像様露
光(1/100″)を与え、30℃相対湿度60%で7
日間放置した後、下記のカラー現像処理を行なった。
【0216】処理済の試料は、赤色フィルター、緑色フ
ィルター、青色フィルターで濃度測定した。赤色及び緑
色の感度は試料間でほぼ同等で、露光後の保存性も試料
間でほぼ同等であった。下記表3に示す表3−1に、青
色フィルターの測定結果を示す。
【0217】
【表3】 またこれらの試料101〜126に、緑色光で0.2ル
ックス・秒の均一露光を与えた後、青色光で像様露光
し、下記のカラー現像処理を行ない、イエロー濃度が
(カブリ+0.5)の濃度を与える露光量でのマゼンタ
濃度からイエローカブリ濃度におけるマゼンタ濃度を減
じた値を色濁り度として求めた。
【0218】さらに、はじめのセンシトメトリーを行な
った試料を濃度測定後、70℃、相対湿度70%の条件
下に4週間放置した後に再度濃度測定し、イエロー濃度
の変化(はじめの濃度が2.5の部分の濃度低下)を色
像堅牢性として求めた。 処理方法 発色現像処理は下記の処理工程に従って38℃で実施し
た。
【0219】 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 2分10秒 定 着 4分20秒 水 洗 3分15秒 安 定 1分15秒 各工程に用いて処理液組成は下記の通りであった。 発色現像液 ジエチレントリアミン五酢酸 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1, 1−ジホスホン酸 2.0g 亜流酸ナトリウム 4.0g 炭酸カリウム 30.0g 臭化カリウム 1.4g ヨウ化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−β−ヒド ロキシエチルアミノ)−2−メ チルアニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1.0リットル pH 10.0 漂白液 エチレンジアミン四酢酸第二鉄 アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二ナト リウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて 1.0リットル pH 6.0 定着液 エチレンジアミン四酢酸二ナト リウム塩 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム水溶液 (70%) 175.0ミリリットル 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1.0リットル pH 6.6 安定液 ホルマリン(40%) 2.0ミリリットル ポリオキシエチレン−p−モノ ノニルフェニルエーテル(平 均重合度10) 0.3g 水を加えて 1.0リットル 以上の結果を上記表3に示す表3−1にまとめた。
【0220】表3−1より本発明の試料は、高感度で、
潜像保存性に優れ、色再現性、色像堅牢性にも優れてい
ることが明らかである。
【0221】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
還元増感を施された所定の正常晶粒子乳剤と、所定のア
シルアセトアミド型イエロ−カプラ−とを含有するハロ
ゲン化銀乳剤層を有するため、高感度で粒状性、色再現
性に優れ、露光後の保存における保存安定性及び処理後
の色像堅牢性に優れたハロゲン化銀カラ−写真感光材料
が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
    いて、該乳剤層に、ハロゲン化銀乳剤の製造工程中に還
    元増感を施された粒子表面の60%以上が(100)面
    である正常晶粒子を含む乳剤、および下記一般式(Y
    I)で表されるアシルアセトアミド型イエローカプラー
    を少なくとも1種含有することを特徴とするハロゲン化
    銀カラー写真感光材料。 一般式(YI) 【化1】 (一般式(YI)中、R1 は一価の基を表わし、QはC
    とともに、3〜5員の炭化水素環またはN,O,S,P
    から選ばれる少なくとも一個のヘテロ原子を環内に有す
    る3〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群
    を表わし、YRはアシルアセトアミド型イエローカプラ
    ーからアシル基を除いた残基を表わす。ただし、R1
    水素原子であることはなく、またQと結合して環を形成
    することはない。)
  2. 【請求項2】 還元増感が、アスコルビン酸およびその
    誘導体の少なくとも一種によって施されていることを特
    徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  3. 【請求項3】 還元増感が、少なくとも一種の銀に対す
    る酸化剤により施されていることを特徴とする請求項1
    に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 銀に対する酸化剤が、下記一般式
    (I)、(II)または(III)で示される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料。 (I)R−SO2 S−M (II)R−SO2 S−R1 (III)R−SO2 S−Lm−SSO2 −R2 (式中、R、R1 、R2 は同一でも異なっていてもよ
    く、脂肪族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表わし、
    Mは陽イオンを表わし、Lは2価の結合基を表わし、m
    は0または1である。一般式(I)ないし(III)の化合
    物は、(I)ないし(III)で示す構造から誘導される2
    価の基を繰り返し単位として含有するポリマーであって
    もよい。また、R、R1 、R2 、Lが互いに結合して環
    を形成してもよい。)
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